JP2016055452A - 積層造形装置および積層造形方法 - Google Patents

積層造形装置および積層造形方法 Download PDF

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豊賀 相本
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Abstract

【課題】光の照射によって液化する固着剤を用いて、処理速度を向上させて高速化を図ることができ、消費電力の削減を図ることができる積層造形装置を提供する。
【解決手段】積層造形装置1は、粉体を用いて粉体像Tを形成する像形成ユニット10と、粉体像Tが積層される昇降ステージ23aと、粉体像Tへ光を照射する光照射部28とを備えており、光照射部28から照射された光によって液化する固着剤Lを用いて、粉体像Tを固着し立体像Fを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉体像を積層して立体像を造形する積層造形装置並びに、その積層造形方法に関する。
近年、樹脂や金属といった材料を少しずつ積層しながら固めて、立体像を形成する積層造形装置、所謂3Dプリンタが脚光を集めている。現在、実用化されている3Dプリンタの方式としては、大きく分類して次の5つの方式がある。
第1の熱溶解積層法は、加熱によって軟化する熱可塑性樹脂(ABSやPC)を材料とする方式である。この方式では、プリンタヘッドを移動させつつ、プリンタヘッドから加熱溶融された熱可塑性樹脂を押し出してステージ上に積層し、立体像を形成する。材料としては、糸状または繊維状の樹脂を用いており、この樹脂を加熱溶解しながら押し出して積層する。
第2の光学造形法は、光硬化性樹脂をレーザービームによって硬化させる方式である。この方式では、液体状の光硬化性樹脂をプールに満たし、光硬化性樹脂の液面より僅かに低い位置にステージを配置する。そして、ステージ上の光硬化性樹脂の層は、レーザービームの照射によって部分的に硬化する。硬化させた層は、ステージを一層分だけ下降させることで、液面より下に降ろされ、次の層に対して同じ処理を施す。このようなレーザービームの照射とステージの下降とを繰り返して、複数層の硬化部分をステージ上に積層することで、立体像を形成している。
第3のインクジェット法は、インクジェットヘッドを使って噴射した紫外線硬化性の樹脂を、紫外線で固めながら積層していく方式である。この方式では、ステージを移動させつつ、インクジェットヘッドからステージ上に紫外線硬化性の樹脂を噴出し、紫外線を照射して硬化させる。次に、ステージを一層分だけ下降させてから、同様に樹脂を噴出して硬化させる。このような樹脂の噴出硬化とステージの下降とを繰り返して、立体像をステージ上に形成している。
第4の粉末造形法は、石膏等の粉末に水滴(接着剤)を噴射し固形化する方式である。この方式では、石膏粉末の薄い層をステージ上に形成し、インクジェットヘッドから接着剤を噴出して、部分的に硬化させる。その後、他の方式と同様に、積層を繰り返して立体像を形成する。
第5の粉末焼結積層造形法は、金属粉末にレーザービームや電子ビームを照射して焼結させ、各層を硬化させていく方式である。この方式では、金属粉末としてチタン合金やニッケル合金を用いており、積層を繰り返して立体像を形成する。
ところで、「熱溶解積層法」、「インクジェット法」、および「粉末造形法」では、プリントヘッドやインクジェットヘッドを往復移動させるため、造形速度が遅いという課題がある。そして、「光学造形法」でも、光硬化性樹脂の液面が安定するまでの時間が長く、かつ光硬化性樹脂の硬化に長い時間が費やされるため、造形速度が遅いという課題がある。また、「粉末造形法」では、材料である石膏を接着剤で硬化させる方式なので、造形物の強度が弱いという課題がある。さらに、「粉末焼結積層造形法」では、樹脂材料に対応できず、消費エネルギーが大きいという課題がある。そして、いずれの方式においても、一層の厚さが50〜200μmと厚いため、立体像の表面がざらざらした仕上がりになってしまうという共通の課題がある。
上述した現行の3Dプリンタ方式に対して、周知の電子写真の技術を応用した積層造形装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。特許文献1および特許文献2に開示されている積層造形装置では、静電潜像を誘電体表面に形成する工程と、誘電体表面の静電潜像を帯電性粉体で現像して、誘電体表面に粉体像を形成する工程と、粉体像を誘電体表面から中間転写体に転写する工程と、粉体像を加熱して溶融または軟化させる工程と、粉体像を中間転写体からステージへと転写する工程とを有し、これらの工程を繰り返すことで、複数の粉体像を積層して立体像をステージ上に形成している。
このような電子写真の技術を応用した方法では、消費エネルギーが比較的小さく、立体像を高速で形成することができる。また、直径10μm程度の微粒子の集合からなる帯電性粉体を使用することから、一層の厚さが10μm程度と薄く、強度が高くて表面の仕上がりが良好な立体像を形成することができる。
特開平10−207194号公報 特開2002−347129号公報
ところで、特許文献1および特許文献2に記載された積層造形装置では、中間転写ベルト上でトナー像を加熱溶融した後、ステージ上に順次転写することで立体像を形成していた。ここで、トナー像を加熱および冷却する必要があることから、積層時間が長くなり、消費電力が多くなるといった課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、処理速度を向上させて高速化を図ることができ、且つ、消費電力の少ない積層造形装置および積層造形方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層造形装置は、粉体を用いて粉体像を形成する像形成部と、前記粉体像が積層されるステージと、前記粉体像へ光を照射する光照射部とを備えた積層造形装置であって、前記光照射部から照射された光によって液化する固着剤を用いて、前記粉体像を固着し立体像を形成することを特徴とする。
本発明に係る積層造形装置では、前記像形成部によって前記粉体像が形成される像担持体を備え、前記像担持体上に形成された粉体像は、前記ステージ上へ転写される構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記粉体像上に前記固着剤を用いて固着剤像を形成する固着剤像形成部を備える構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記像形成部は、前記固着剤を付着させた粉体を用いて前記粉体像を形成する構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記光照射部は、前記像担持体上に形成された粉体像に対して光を照射する構成とされ、前記ステージ上に積層される粉体像と前記ステージ、および、前記ステージ上に積層される粉体像同士は、それぞれ液化した固着剤によって接着される構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記立体像に対して熱エネルギーを照射する加熱部を備え、前記粉体は、加熱されると溶融固化する熱可塑性樹脂で形成されている構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記像担持体上にサポート材を用いてサポート像を形成するサポート像形成部を備え、前記サポート材は、前記粉体より融点が高い構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記ステージ上に積層される粉体像は、前記粉体で形成された像本体部と、前記サポート材で形成されたサポート部とを含む構成とされており、前記サポート部は、前記ステージ上に形成された立体像に対し光を照射することで、前記像本体部から分離する構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記像形成部は、前記粉体と前記固着剤とを混合した薄層を前記ステージ上に形成する構成とされ、前記光照射部は、前記薄層のうち前記粉体像に対応する領域に光を照射して固着させる構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記固着剤は、分子中にシス−トランス光異性化反応を生じる官能基を含む化合物で形成されている構成としてもよい。
本発明に係る積層造形方法は、粉体を用いて粉体像を形成する像形成ステップと、前記粉体像をステージ上へ積層する積層ステップと、前記粉体像へ光を照射する光照射ステップとを含み、前記光照射ステップで照射した光によって液化する固着剤を用いて、前記粉体像を固着し立体像を形成することを特徴とする。
本発明によると、光の照射によって液化する固着剤を用いているため、処理速度を向上させて高速化を図ることができ、且つ、消費電力の削減を図ることができる。つまり、固着剤を加熱して固着させるといった方法を用いていないため、加熱や冷却といった処理を省略できる。
本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の概略構成図である。 図1の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。 図1の積層造形装置における光照射部を拡大して示す拡大側面図である。 表面側から見た中間転写ベルトの照射領域近傍を示す拡大平面図である。 中間転写ベルト上に粉体像を形成する工程を示す説明図である。 粉体像に光を照射する工程を示す説明図である。 昇降ステージ上に粉体像を転写する工程を示す説明図である。 昇降ステージ上の粉体像を加熱する工程を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の概略構成図である。 中間転写ベルト上に粉体像を形成する工程を示す説明図である。 粉体像に光を照射する工程を示す説明図である。 昇降ステージ上に粉体像を転写する工程を示す説明図である。 昇降ステージ上の粉体像を加熱する工程を示す説明図である。 立体像に光を照射する工程を示す説明図である。 光を照射した後の立体像を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る積層造形装置の概略側面図である。 供給ステージおよび造形ステージを移動させる工程を示す説明図である。 ローラを移動させる工程を示す説明図である。 光照射部によって光を照射する工程を示す説明図である。 上面側から見た造形開口部近傍を示す拡大平面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施の形態に係る積層造形装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の側面図であって、図2は、本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の概略構成図である。
本発明の第1実施形態に係る積層造形装置1は、カラーの立体像Fを造形する3次元(3D)プリンタであり、4つの像形成ユニット10(像形成部の一例)と、固着剤像形成部18と、転写ユニット20とを備えている。なお、以下では、4つの像形成ユニット10をそれぞれ区別するため、像形成ユニット10Y、像形成ユニット10M、像形成ユニット10C、または像形成ユニット10Wと呼ぶことがある。
像形成ユニット10は、感光体ドラム11の周囲に帯電器12、レーザ光照射部13、現像器14、転写ローラ15、クリーナー16、および除電部17が配置された構成とされている。感光体ドラム11と転写ローラ15との間には、転写ユニット20の中間転写ベルト21(像担持体の一例)が挟み込まれており、転写ローラ15によって中間転写ベルト21を感光体ドラム11の表面に圧接させている。なお、回転する感光体ドラム11の周速は、周回方向Aに周回移動する中間転写ベルト21の周速と概ね同一に設定されている。
現像器14には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびホワイト(W)の4色の帯電性粉体のうち、像形成ユニット10で形成する粉体像Tの色に応じた帯電性粉体がそれぞれ収容されている。
帯電性粉体は、ポリエステルやスチレンアクリル等の熱可塑性樹脂に顔料からなる着色剤を添加した粉体で形成されている。帯電性粉体には、必要に応じて帯電制御剤(CCA)を添加してもよく、また、現像性や転写性を向上させるために、シリカ等からなる外添剤を添加してもよい。本実施の形態では、帯電性粉体として、顔料および帯電制御剤を軟化点温度120℃のポリエステル樹脂に添加して混練した後、平均粒径7μmに粉砕したものを用いている。また、必要に応じて、帯電性粉体には、粒径が7nmのシリカからなる外添剤を添加してもよい。
像形成ユニット10では、帯電性粉体を用いて感光体ドラム11の表面に粉体像Tを形成し、形成した粉体像Tを中間転写ベルト21に転写する。なお、像形成ユニットの具体的な動作については後述する。また、以下では、粉体像Tの状態を区別するために、形成されている部分に応じて粉体像Taないし粉体像Thと呼び、それらを併せて、粉体像Tと呼ぶことがある。
固着剤像形成部18は、像形成ユニット10と略同様の構成とされ、現像器14において、帯電性粉体の換わりに固着剤Lが収容されている点で異なり、中間転写ベルト21上の粉体像Tbの上に固着剤像Lbを形成する。本実施の形態では、固着剤Lは、分子中にシス−トランス光異性化反応を生じる官能基を含む化合物で形成されており、官能基は、例えば、アゾベンゼン基である。上述した固着剤Lでは、光異性化反応を用いており、光が照射されると液化して、接した物質を接着するため、加熱せずに固着することができる。なお、粉体像Tを積層して立体像Fを形成する工程については、後述する図6Aないし図6Dを参照して、詳細に説明する。
転写ユニット20は、中間転写ベルト21、駆動ローラ22a、テンションローラ22b、光照射部28、および転写部27で構成されている。
中間転写ベルト21は、無端状のベルトであって、駆動ローラ22aおよびテンションローラ22bに張架されている。駆動ローラ22aは、駆動モータ53(図2参照)によって回転駆動し、中間転写ベルト21を周回方向Aに周回移動させ、テンションローラ22bを従動回転させる。また、中間転写ベルト21では、固着剤像形成部18の周回方向Aの下流側において、上流から順に照射領域Xおよび転写領域Yが設けられている。なお、以下では説明のため、中間転写ベルト21において、粉体像Tが形成される面(感光体ドラム11に当接する面)を表面と呼び、粉体像Tが形成されない面(転写ローラ15に当接する面)を裏面と呼ぶことがある。つまり、中間転写ベルト21では、厚さ方向で表面と裏面とが対向している。また、中間転写ベルト21については、後述する図3を参照して、詳細に説明する。
光照射部28は、照射領域Xにおいて、中間転写ベルト21の表面側(表面に対向する位置)に配置されている。また、光照射部28は、中間転写ベルト21から離間して設けられ、粉体像Tに対して光を照射する構成とされている。つまり、光照射部28と粉体像Tとが接触しないので、光照射部28が粉体像Tによって汚れる心配がない。本実施の形態では、光照射部28は、複数のLED素子28aを備えるLEDユニット28とされている。なお、光照射部28については、後述する図4および図5を参照して、詳細に説明する。
転写部27は、転写領域Yにおいて、中間転写ベルト21の表面側に配置されたステージユニット23と、中間転写ベルト21の裏面側に配置されたバックアップユニット26および加熱部29とを備える構成とされている。つまり、ステージユニット23とバックアップユニット26は、中間転写ベルト21を挟んで対向する位置に配置されている。
ステージユニット23は、昇降ステージ23a(ステージの一例)、ベース部23b、圧力センサ23c、転写温度センサ23d、および昇降駆動部23eを備える構成とされている。昇降駆動部23eは、ベース部23bを支持して昇降させる。ベース部23bの上面には、圧力センサ23cを介して昇降ステージ23aが搭載されて固定されている。
昇降ステージ23aは、例えば、アルミニウム製の厚さ10mmの平板状に形成され、上面が中間転写ベルト21の表面に対向するように設けられている。
転写温度センサ23dは、例えばサーミスタであって、昇降ステージ23aの上面に埋め込まれており、昇降ステージ23aに積載される立体像Fの温度を測定する。
昇降駆動部23eは、例えば、電動アクチュエータである。昇降ステージ23aは、昇降駆動部23eの駆動によって矢符Bの方向に昇降し、中間転写ベルト21を介してバックアップユニット26に押圧したり、中間転写ベルト21から離間したりする。
圧力センサ23cは、例えば、日本キスラー株式会社製薄型力センサ(直径12mm、高さ3mm、定格7kN)であり、中間転写ベルト21と昇降ステージ23aとの間の圧力を測定する。圧力センサ23cによって測定された圧力は、制御部52(図2参照)にフィードバックされ、制御部52によって昇降ステージ23aの上下(矢符Bの方向)の移動量が制御される。その結果、昇降ステージ23aは、所定の圧力(本実施の形態では、59kPa)で中間転写ベルト21を押圧するように制御される。
加熱部29は、昇降ステージ23aに対し斜め上に配置されたLEDユニットであって、立体像Fを間に挟むように2つ設けられている。加熱部29は、加熱基板29bと、加熱基板29b上に配置された加熱LED素子29aとで構成されている。本実施の形態では、加熱LED素子29aは、サイズが8.5mm×10.2mm×2.3mmで、光出力が2.2Wで、波長が850nmの高出力赤外LED素子を125個(1列当たり25個×5列)用いた。また、加熱基板29bは、厚さ2mmの銅製基板で形成されており、加熱LED素子29aで発生する発熱エネルギーを逃がして冷却する。
積層造形装置1は、さらに、制御部52および位置センサ54を備えている。制御部52は、立体像Fを形成する際、像形成ユニット10および転写部27等を制御する。位置センサ54は、中間転写ベルト21上の粉体像Tの位置を検知する。
図3は、図1の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。
第1実施形態において、中間転写ベルト21は、裏面側からベルト基材21a、弾性層21b、および離型層21cが積層された3層構成とされている。ベルト基材21aは、例えば、ポリイミドで形成され、周長が500mmとされ、厚さが50μmとされている。弾性層21bは、ベルト基材21aの外周面にシリコンゴムで形成され、厚さが300μmとされている。離型層21cは、弾性層21bの外周面にフッ素樹脂で形成され、厚さが10μmとされている。中間転写ベルト21において、離型層21cが表面とされ、ベルト基材21aが裏面とされている。
ベルト基材21aの第1の役割は、中間転写ベルト21の周回方向Aの伸縮を抑制し、周回方向Aの位置精度を向上させることにある。また、第2の役割は、中間転写ベルト21の剛性を高くすることにある。中間転写ベルト21の剛性を高くすると、駆動ローラ22aやテンションローラ22bの端部にカラー(図示しない)を設け、中間転写ベルト21の端部をそのカラーに当接させて、中間転写ベルト21の蛇行を抑制することができる。
弾性層21bの役割は、中間転写ベルト21から昇降ステージ23a側への粉体像Tの転写効率を向上させることにある。すなわち、中間転写ベルト21上の粉体像Tを転写部27に転写する際、積層された粉体像Tに応じて弾性層21bが弾性変形し、転写部27上の粉体像Tと均一に接触するため、粉体像Tの転写性を向上させることができる。
離型層21cの役割は、中間転写ベルト21に対する粉体像Tの付着力を弱めて、離型層21cからの粉体像Tの剥離を容易にし、中間転写ベルト21から転写部27への粉体像Tの転写効率を向上させることにある。
図4は、図1の積層造形装置における光照射部を拡大して示す拡大側面図であって、図5は、表面側から見た中間転写ベルトの照射領域近傍を示す拡大平面図である。
光照射部28は、基板28bと、基板28bの表面を覆う絶縁層28cと、基板28b上に絶縁層28cを介して配置された複数のLED素子28aと、LED素子28aに給電するための給電パターン28dとで構成されたLEDユニットである。LED素子28aは、粉体像Tが照射領域Xを通過する際に、LED光を照射し、固着剤像Lbを液化させる。
図5では、中間転写ベルト21に対する複数のLED素子28aの位置関係を示しており、基板28bを透視的に示している。図5に示すように、複数のLED素子28aは、周回方向Aに対して直交する方向(中間転写ベルト21の幅方向)に並べられた列を、5つ構成するように配置されている。また、一列に並べられたLED素子28aは、隣り合う列のLED素子28aに対して、LED素子28aの幅の半分程度ずらすように配置されており、複数のLED素子28aが互い違いに配置された千鳥状に配列されている。複数のLED素子28aを千鳥状に配列することで、隣り合うLED素子28aの隙間によって生じる光エネルギーのムラを低減している。本実施の形態では、LED素子28aは、サイズが6.8mm×6.8mm×2.1mmで、光出力が450mWで、波長が365nmの高出力紫外線LED素子を125個(1列当たり25個×5列)用いた。また、基板28bは、厚さ2mmの銅製基板で形成されており、LED素子28aで発生する発熱エネルギーを逃がして冷却する。
また、図5では、中間転写ベルト21上に形成された粉体像Tに対して、複数のLED素子28aのうち、一部の動作させるLED素子28aをハッチングしている。本実施の形態では、粉体像Tの周回方向Aに直交する方向の幅に応じて、照射領域SRを設定しており、照射領域SRに対応するLED素子28aを動作させている。つまり、粉体像Tが照射領域Xを通過する際、粉体像Tが通過する領域に対向するLED素子28aを部分的に動作(通電)させており、照射領域SRに対応していないLED素子28aを停止させることで、省エネルギー化を図っている。なお、図5では、照射領域SRを1箇所に設定しているが、これに限定されず、照射領域SRが複数に分割されていてもよい。つまり、周回方向Aに直交する方向で粉体像Tが複数に分割されていれば、それぞれに対応するLED素子28aを動作させればよい。また、照射領域SRは、粉体像Tの周回方向Aに直交する方向の幅より広く設定してもよく、粉体像T全体に光が照射されるように余裕を設けてもよい。
次に、上述した積層造形装置1において、立体像Fを造形する工程について、図6Aないし図6Dを参照して説明する。
図6Aは、中間転写ベルト上に粉体像を形成する工程を示す説明図である。
図6Aは、像形成ユニット10および固着剤像形成部18によって、中間転写ベルト21上に形成された粉体像Tbおよび固着剤像Lbを示している。積層造形装置1では、先ず、中間転写ベルト21を周回方向Aに周回移動させ、像形成ユニット10を起動する。像形成ユニット10では、帯電器12によって感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる(本実施の形態では、−600V)。次に、レーザ光照射部13は、形成する粉体像Tに応じて、レーザ光を変調しながら照射して、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。そして、現像器14は、静電潜像に帯電性微粒子(本実施の形態では、マイナスに帯電)を付着させて、感光体ドラム11の表面に粉体像Taを形成する。感光体ドラム11上の粉体像Taは、帯電性微粒子とは逆極性のバイアス電圧(本実施の形態では、+1.5kV)が印加された転写ローラ15によって、中間転写ベルト21の上に転写される(粉体像Tbとなる)。
ここで、4つの像形成ユニット10Y、10M、10C、10Wによって、感光体ドラム11の表面に各色の粉体像Taが形成され、各色の粉体像Taを中間転写ベルト21の上に順次重ね合わせて転写する。これによって、中間転写ベルト21の上には、カラーの粉体像Tbが形成される。
そして、固着剤像形成部18では、像形成ユニット10と同様にして、感光体ドラム11の表面に固着剤像Laが形成され、中間転写ベルト21上の粉体像Tbに重ねるように固着剤像Laが転写される。
図6Bは、粉体像に光を照射する工程を示す説明図である。
図6Bでは、図6Aに示した中間転写ベルト21上の粉体像Tbは、中間転写ベルト21の周回移動に伴い、照射領域Xへと搬送されている(図1では、粉体像Tcの位置)。粉体像Tcは、照射領域Xを通過する際に、光照射部28から紫外光UV1が照射され、粉体像Tc上の固着剤像Lcは液化する。
なお、中間転写ベルト21上の粉体像Tcが照射領域Xを通過する際、LED素子28aは、中間転写ベルト21の周回速度に応じて発光すればよく、固着剤像Lcの全体に光が照射されて、液化させる程度の時間発光すればよい。つまり、固着剤像Lcが照射領域Xを通過する時間に対して、光照射部28の発光時間の方が短く設定されていれば、粉体像Tc(固着剤像Lc)を照射領域Xで停止させる必要が無く、中間転写ベルト21は周回移動し続ければよい。
図6Cは、昇降ステージ上に粉体像を転写する工程を示す説明図である。
図6Cでは、図6Bに示す状態に対して、中間転写ベルト21をさらに周回移動させており、粉体像Tcは転写領域Yに到達しており(図1では、粉体像Tdの位置)、中間転写ベルト21は周回移動を停止している。転写領域Yにおいて、昇降ステージ23aは、矢符B1の方向に上昇し、バックアップユニット26との間に中間転写ベルト21および粉体像Tdを挟み込む。昇降ステージ23aは、中間転写ベルト21に所定の圧力で圧接すると、上昇を停止する。それによって、粉体像Tdは、昇降ステージ23a、または昇降ステージ23aに以前に転写された最上層の粉体像Tに重ね合わせて密着される。昇降ステージ23aに圧接された粉体像Tdは、液化した固着剤像Ldの接着力によって、昇降ステージ23aまたはその最上層の粉体像Tに接着されて、転写される。
図6Dは、昇降ステージ上の粉体像を加熱する工程を示す説明図である。
図6Dでは、図6Cに示す状態に対して、昇降ステージ23aを矢符B2の方向に下降させて中間転写ベルト21から離間させている。ここで、中間転写ベルト21上の粉体像Tdは、中間転写ベルト21から剥がれて、昇降ステージ23aまたはその最上層の粉体像Tに転写される。また、中間転写ベルト21から転写された粉体像Tdは、加熱部29によって赤外光Dが照射され、加熱溶融して立体像Fに固着する。つまり、粉体像Tdは、固着剤Lによって仮接着された後、熱可塑性樹脂で形成された帯電性粉体を加熱溶融して固着されているため、立体像Fの強度を高めることができる。
その後、中間転写ベルト21には、像形成ユニット10および固着剤像形成部18によって、再度、各色の粉体像Taを重ね合わせた粉体像Tbおよび固着剤像Lbが形成される。上述した一連の動作を複数回繰り返すことで、昇降ステージ23a(転写部27)には、複数の粉体像Tを積層した立体像Fが形成される。
上述したように、本発明の第1実施形態に係る積層造形装置1は、粉体を用いて粉体像Tを形成する像形成ユニット10と、粉体像Tが積層される昇降ステージ23aと、粉体像Tへ光を照射する光照射部28とを備えており、光照射部28から照射された光によって液化する固着剤Lを用いて、粉体像Tを固着し立体像Fを形成する。この構成によると、光の照射によって液化する固着剤Lを用いているため、処理速度を向上させて高速化を図ることができ、且つ、消費電力の削減を図ることができる。つまり、固着剤Lを加熱して固着させるといった方法を用いていないため、加熱や冷却といった処理を省略できる。
上述したように、積層造形装置1は、像形成ユニット10によって粉体像Tが形成される中間転写ベルト21(像担持体の一例)を備え、中間転写ベルト21上に形成された粉体像Tは、昇降ステージ23a上へ転写される。
また、本実施の形態では、固着剤像形成部18によって、中間転写ベルト21上の粉体像Tに固着剤像(例えば、固着剤像Lb)を重ねるように形成する構成とされ、固着剤像を粉体像Tに応じた形状とすることで、粉体像Tに対して適した量の固着剤Lを用いて立体像Fを形成することができる。
また、本発明の積層造形装置1における積層造形方法は、粉体を用いて粉体像Tを形成する像形成ステップと、粉体像Tを昇降ステージ23a上へ積層する積層ステップと、粉体像Tへ光を照射する光照射ステップとを含み、光照射ステップで照射した光によって液化する固着剤Lを用いて、粉体像を固着し立体像Fを形成する。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の側面図であって、図8は、本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の概略構成図である。なお、第1実施形態と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、固着剤像形成部18の換わりにサポート像形成部19が設けられている点で異なっている。さらに、第2実施形態では、像形成ユニット10の現像器14に収容された帯電性粉体に添加する外添剤が異なっており、固着剤Lを粒径1μmに粉砕して帯電性粉体に添加している。なお、第2実施形態において形成される粉体像Tについては、後述する図9Aないし図9Fを参照して、詳細に説明する。
サポート像形成部19は、像形成ユニット10と略同様の構成とされ、現像器14において、帯電性粉体の換わりにサポート材が収容されている点で異なり、中間転写ベルト21上の粉体像Tの上にサポート像Sを形成する。サポート材は、ポリエステルやスチレンアクリル等の熱可塑性樹脂を粉体にしており、顔料が添加されていないため透明である。また、サポート材は、粉体像Tを形成する帯電性粉体よりも融点が高く、本実施の形態では、軟化点温度が160℃とされている。サポート材は、ポリエステル樹脂を平均粒径7μmに粉砕して形成され、帯電性粉体と同様に、固着剤Lが添加されている。さらに、サポート材には、現像性や転写性を向上させるため、粒径7μmのシリカ等を添加してもよい。
次に、第2実施形態に係る積層造形装置1において、立体像Fを造形する工程について、図9Aないし図9Fを参照して説明する。
図9Aは、中間転写ベルト上に粉体像を形成する工程を示す説明図である。
図9Aは、像形成ユニット10およびサポート像形成部19によって、中間転写ベルト21上に形成された粉体像Tfおよびサポート像Sを示している。第2実施形態では、第1実施形態と同様にして、4つの像形成ユニット10Y、10M、10C、10Wによって形成した粉体像Teを重ね合わせて、中間転写ベルト21上に粉体像Tfを形成する。図9Aに示すように、粉体像Tfを形成する粉体の周囲には、固着剤Lが付着している。
そして、サポート像形成部19では、像形成ユニット10と同様にして、感光体ドラム11の表面にサポート像Sが形成され、中間転写ベルト21上に固着剤Lを付着させたサポート像Sが転写される。
第2実施形態では、中間転写ベルト21上に形成される粉体像Tは、粉体(粉体像Tf)で形成された像本体部61と、サポート材で形成されたサポート部62とを含む構成とされている。つまり、積層造形装置1では、立体像Fを複数層に切断した断面に対応する粉体像Tを積層しているが、像本体部61とサポート部62と一体となって上述した断面を構成している。なお、サポート部62は、上述した断面の外縁に配置されていることが望ましい。また、図9Aないし図9Eでは、帯電性粉体とサポート材との違いを明確にするため、帯電性粉体で形成された像本体部61をハッチングしており、サポート材で形成されたサポート部62はハッチングしていない。
図9Bは、粉体像に光を照射する工程を示す説明図である。
図9Bでは、図9Aに示す状態に対して、中間転写ベルト21を周回移動させており、粉体像Teは照射領域Xに到達しており(図7では、粉体像Tgの位置)、粉体像Tgは、照射領域Xを通過する際に、光照射部28から紫外光UV1が照射される。ここで、光照射部28に面する側の固着剤Lは液化するが、光照射部28に対し反対側(中間転写ベルト21側)には、紫外光UV1が届かないため、中間転写ベルト21に面する側の固着剤Lは液化しない。
図9Cは、昇降ステージ上に粉体像を転写する工程を示す説明図である。
図9Cでは、図9Bに示す状態に対して、中間転写ベルト21をさらに周回移動させており、粉体像Tgは転写領域Yに到達しており(図7では、粉体像Thの位置)、中間転写ベルト21は周回移動を停止している。転写領域Yにおいて、粉体像Tは、第1実施形態と同様にして、昇降ステージ23aに転写し、液化した固着剤Lの接着力によって接着する。図9Cに示すように、昇降ステージ23aに積層された像本体部61と中間転写ベルト21上に形成された像本体部61とが異なる形状とされていてもよい。つまり、中間転写ベルト21上の像本体部61のうち、昇降ステージ23a上の像本体部61より外側へ突出した領域は、サポート部62の上に積層される。
図9Dは、昇降ステージ上の粉体像を加熱する工程を示す説明図である。
図9Dでは、図9Cに示す状態に対して、昇降ステージ23aを矢符B2の方向に下降させて中間転写ベルト21から離間させている。ここで、中間転写ベルト21上の粉体像Thは、中間転写ベルト21から剥がれて、昇降ステージ23aまたはその最上層の粉体像Tに転写される。また、中間転写ベルト21から転写された粉体像Tは、加熱部29によって赤外光Dが照射され、130℃程度まで加熱される。その結果、粉体像Th(像本体部61)は、加熱溶融して立体像Fに固着される。一方、サポート像S(サポート部62)は、溶融せずに従来の形状が維持される。
図9Eは、立体像に光を照射する工程を示す説明図であって、図9Fは、光を照射した後の立体像を示す説明図である。
図9Eでは、図9Aないし図9Dに示す一連の動作を複数回繰り返して、複数の粉体像Tを積層した立体像Fを示している。立体像Fは、像本体部61とサポート部62とが一体になっている。これに対し、紫外光UV2を照射することで、再度、固着剤Lが液化して、サポート部62は、像本体部61から分離する。それによって、図9Fに示すように、像本体部61だけで構成された立体像Fが得られる。上述したように、サポート材の融点が粉体の融点より高いため、粉体を固化しても、サポート材は、固化せずに固着剤Lで仮固着された状態が維持される。従って、立体像Fに光を照射することで、固着剤Lを液化させてサポート材を取り除くことができる。
第2実施形態では、像形成ユニット10は、固着剤Lを付着させた粉体を用いて粉体像Tを形成している。固着剤Lは、粒径が小さく形成されているため、高価な光液化材料の使用量を削減することができ、光照射による反応速度を向上させることができる。
<第3実施形態>
図10Aは、本発明の第3実施形態に係る積層造形装置の概略側面図である。
第3実施形態に係る積層造形装置41は、粉末造形法を用いた構成とされている。具体的に、積層造形装置41は、プレート42、ローラ43(像形成部の一例)、光照射部28、供給部44、および造形部45で構成されている。
プレート42は、平面状に形成され、供給開口部42bおよび造形開口部42cが設けられている。ローラ43は、プレート42の一端側(図10Aでは、左方)に配置されており、プレート42の上面42aに沿って移動する構成とされている。供給開口部42bおよび造形開口部42cは、ローラ43の移動方向に沿って、プレート42の一端側から順に設けられている。つまり、ローラ43は、供給開口部42bおよび造形開口部42cの上を通過するように移動する構成とされている。
光照射部28は、プレート42の他端側(図10Aでは、右方)に配置されており、上面42aに沿って移動し、光を照射する構成とされている。なお、光照射部28の具体的な構造については、第1実施形態および第2実施形態(例えば、図4参照)と同様であるので説明を省略する。
供給部44は、供給開口部42bの下部に設けられ、供給ボックス44aおよび供給ステージ44bで構成されている。供給ボックス44aは、上面視において、供給開口部42bと同じ形状とされた容器であって、上面が開口しており、内部に帯電性粉体と固着剤Lとを混合した粉体Hが貯留されている。なお、帯電性粉体および固着剤Lについては、上述した第1実施形態および第2実施形態と同様の材料とすればよく、説明を省略する。また、以下では、粉体Hの状態を区別するために、存在している位置に応じて粉体Haないし粉体Hcと呼び、それらを併せて、粉体Hと呼ぶことがある。供給ステージ44bは、供給ボックス44aの内部に設けられ、移動させることで粉体Haを下から押し上げる。
造形部45は、造形開口部42cの下部に設けられ、造形ボックス45aおよび造形ステージ45b(ステージの一例)で構成されている。造形ボックス45aは、上面視において、造形開口部42cと同じ四角形状(後述する図11参照)とされた容器であって、上面が開口しており、供給部44から供給された粉体Hが積層造形される。造形ステージ45bは、造形ボックス45aの内部に設けられ、粉体Hbが積層される。また、造形ステージ45bは、造形ボックス45aの内部で上下に移動する構成とされており、粉体Hを固着して形成される立体像Fを支持する。
次に、第3実施形態に係る積層造形装置41において、立体像Fを形成する工程について、図10Aないし図10Dを参照して説明する。
図10Aに示すように、造形ステージ45bには、粉体Hbが貯留され、粉体Hbの一部を固着させて形成した立体像Fが積層されている。ローラ43は、プレート42の一端側で停止し、光照射部28は、プレート42の他端側で停止しており、ローラ43および光照射部28は、図10Aに示す位置が待機位置とされている。供給部44に貯留された粉体Haおよび造形部45に貯留された粉体Hbは、プレート42の上面42aと同じ高さとされている。
図10Bは、供給ステージおよび造形ステージを移動させる工程を示す説明図である。
図10Bでは、図10Aに示す状態に対して、供給ステージ44bおよび造形ステージ45bを移動させた後、停止している。具体的には、供給ステージ44bは、矢符Kの方向へ上昇しており、粉体Haを押し上げて上面42aより突出させている。造形ステージ45bは、矢符Lの方向へ下降しており、粉体Hbが上面42aより下に位置するように下げている。つまり、造形ステージ45bを下げることで、造形ボックス45aには、粉体Hによって形成された薄層1層分を貯留する空間が確保される。なお、供給ステージ44bを上昇させる距離については、造形ボックス45aに確保する空間によって設定すればよく、薄層1層分と同程度または少し過剰な量の粉体Haを押し上げればよい。
図10Cは、ローラを移動させる工程を示す説明図である。
図10Cでは、図10Bに示す状態に対して、ローラ43を反時計回りに回転させながら、矢符J1の方向へ移動させている。ローラ43は、供給開口部42bを通過する際に、上面42aより突出した粉体Haを造形開口部42c側へ搬送する。ローラ43に搬送された粉体Hcは、造形開口部42cに到達すると、造形ボックス45a内に充填される。また、ローラ43が造形開口部42cを通過することで、均一に均された薄層(粉体Hb)が形成される。
図10Dは、光照射部によって光を照射する工程を示す説明図であって、図11は、上面側から見た造形開口部近傍を示す拡大平面図である。
図10Dでは、図10Cに示す状態に対して、ローラ43を矢符J2の方向へ移動させた後、停止させ、光照射部28を矢符Mの方向へ移動させている。つまり、ローラ43は、造形部45を通過した後、待機位置へ戻っている。光照射部28は、移動して造形開口部42cを通過しており、造形ステージ45bに積層された薄層(粉体Hb)に紫外光を照射している。ここで、光照射部28は、薄層のうち粉体像に対応する領域に光を照射して固着させている。つまり、複数のLED素子28aは、一部の動作させる構成とされており、図11では、動作させるLED素子28aをハッチングしている。光が照射された領域では、固着剤Lが液化して粉体Hbを固着させる。光照射部28は、造形開口部42cを通過した後、待機位置へ戻り、図10Aに示す状態となる。
上述した図10Aないし図10Dに示す工程を繰り返すことで、造形ステージ45bには、固着剤Lによって固着された立体像Fと、未硬化の粉体Hbとが積層される。その後、造形ボックス45aから立体像Fが取り出される。
第1実施形態ないし第3実施形態は、カラーの積層造形装置とされていたが、これに限定されず、本発明はモノクロの積層造形装置にも適用することができる。
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
1、41 積層造形装置
10、10C、10M、10W、10Y 像形成ユニット(像形成部の一例)
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 レーザ光照射部
14 現像器
15 転写ローラ
16 クリーナー
17 除電部
18 固着剤像形成部
19 サポート像形成部
20 転写ユニット
21 中間転写ベルト(像担持体の一例)
22a 駆動ローラ
22b テンションローラ
23 ステージユニット
26 バックアップユニット
27 転写部
28 光照射部
29 加熱部
52 制御部
61 像本体部
62 サポート部
F 立体像
L 固着剤
La〜Ld 固着剤像
S サポート像
T、Ta〜Th 粉体像
X 照射領域
Y 転写領域

Claims (11)

  1. 粉体を用いて粉体像を形成する像形成部と、
    前記粉体像が積層されるステージと、
    前記粉体像へ光を照射する光照射部とを備えた積層造形装置であって、
    前記光照射部から照射された光によって液化する固着剤を用いて、前記粉体像を固着し立体像を形成すること
    を特徴とする積層造形装置。
  2. 請求項1に記載の積層造形装置であって、
    前記像形成部によって前記粉体像が形成される像担持体を備え、
    前記像担持体上に形成された粉体像は、前記ステージ上へ転写されること
    を特徴とする積層造形装置。
  3. 請求項2に記載の積層造形装置であって、
    前記粉体像上に前記固着剤を用いて固着剤像を形成する固着剤像形成部を備えること
    を特徴とする積層造形装置。
  4. 請求項2に記載の積層造形装置であって、
    前記像形成部は、前記固着剤を付着させた粉体を用いて前記粉体像を形成すること
    を特徴とする積層造形装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1つに記載の積層造形装置であって、
    前記光照射部は、前記像担持体上に形成された粉体像に対して光を照射する構成とされ、
    前記ステージ上に積層される粉体像と前記ステージ、および、前記ステージ上に積層される粉体像同士は、それぞれ液化した固着剤によって接着されること
    を特徴とする積層造形装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか1つに記載の積層造形装置であって、
    前記立体像に対して熱エネルギーを照射する加熱部を備え、
    前記粉体は、加熱されると溶融固化する熱可塑性樹脂で形成されていること
    を特徴とする積層造形装置。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか1つに記載の積層造形装置であって、
    前記像担持体上にサポート材を用いてサポート像を形成するサポート像形成部を備え、
    前記サポート材は、前記粉体より融点が高いこと
    を特徴とする積層造形装置。
  8. 請求項7に記載の積層造形装置であって、
    前記ステージ上に積層される粉体像は、前記粉体で形成された像本体部と、前記サポート材で形成されたサポート部とを含む構成とされており、
    前記サポート部は、前記ステージ上に形成された立体像に対し光を照射することで、前記像本体部から分離すること
    を特徴とする積層造形装置。
  9. 請求項1に記載の積層造形装置であって、
    前記像形成部は、前記粉体と前記固着剤とを混合した薄層を前記ステージ上に形成する構成とされ、
    前記光照射部は、前記薄層のうち前記粉体像に対応する領域に光を照射して固着させること
    を特徴とする積層造形装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1つに記載の積層造形装置であって、
    前記固着剤は、分子中にシス−トランス光異性化反応を生じる官能基を含む化合物で形成されていること
    を特徴とする積層造形装置。
  11. 粉体を用いて粉体像を形成する像形成ステップと、
    前記粉体像をステージ上へ積層する積層ステップと、
    前記粉体像へ光を照射する光照射ステップとを含み、
    前記光照射ステップで照射した光によって液化する固着剤を用いて、前記粉体像を固着し立体像を形成すること
    を特徴とする積層造形方法。
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