JPH10186915A - 定着装置及び定着用エンドレスベルト - Google Patents

定着装置及び定着用エンドレスベルト

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JPH10186915A
JPH10186915A JP186798A JP186798A JPH10186915A JP H10186915 A JPH10186915 A JP H10186915A JP 186798 A JP186798 A JP 186798A JP 186798 A JP186798 A JP 186798A JP H10186915 A JPH10186915 A JP H10186915A
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roll
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belt
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像ずれや両面複写・定着時の剥離不良や寿
命が短いという問題がなく、しかも高速化及び/又は小
型化に対応できる定着装置を提供すること。 【解決手段】 画像を定着するための定着用エンドレス
ベルトとして、ベースフィルム10aからなる基材上に
少なくとも、シリコンゴム等からなる耐熱弾性層10c
を形成したエンドレスベルトを採用する。前記耐熱弾性
層の表面にはフッ素ゴム等からなる耐油・耐摩耗層10
dを形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、プリン
ター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像
形成装置で使用する定着装置に係り、特にロールとエン
ドレスベルトとを備えたロール・ベルト方式であって、
高速化及び/又は小型化に対応できる定着装置及びこれ
に使用する定着用エンドレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の定着装置としては、典型
的には例えば図5に示すように、それぞれ加熱できるよ
うにした一対の定着ロール1と加圧ロール2とを圧接
し、これらの定着ロール1と加圧ロール2との間に形成
されたニップ領域に未定着トナー像4を担持した記録シ
ート3を導入し、この記録シート3が上記ニップ領域を
通過する際に加熱加圧下に未定着トナー像4を記録シー
ト3に定着させる、いわゆる加熱加圧ロール型定着装置
(以下ロール・ロール方式の定着装置という場合があ
る)が使用されている。また、この様な加熱加圧ロール
型定着装置において、一般に定着ロール1は、アルミニ
ウム等の熱伝導率の高い金属性の中空ロール1aとその
上に順次積層された弾性体層1bおよび耐油・離型層1
cとで構成され、内部にはハロゲンランプ等の加熱源1
eが設けられており、また、加圧ロール2は、熱伝導率
の高い金属性の芯金ロール2aとその上に積層されたポ
リテトラフルオロエチレン等の離型層2dとからなり、
内部にはハロゲンランプ等の加熱源2eが設けられてい
る。なお、図5中の符号5は、定着時に未定着トナー像
4の一部が定着ロール1側に転移する、いわゆるオフセ
ットを防止するためのシリコーンオイル等のオイルを供
給するためのオイル供給装置であり、符号7は、定着ロ
ール1や加圧ロール2に巻き付いた記録シート3を剥離
する剥離爪であり、符号8は、定着ロール1や加圧ロー
ル2の温度を検知する温度センサーである。
【0003】そして、このような定着装置においてその
高速化を図る為には、定着は未定着トナー像4が定着ロ
ール1と加圧ロール2との間のニップ領域を通過する際
にこれら定着ロール1や加圧ロール2から供給される圧
力と熱エネルギーの作用によって生じるものであるか
ら、その速度に応じてニップ領域の幅、すなわちニップ
幅を大きくする必要がある。そこで、上記ロール・ロー
ル方式の定着装置において、そのニップ幅を大きくする
ための方法としては、定着ロール1と加圧ロール2にお
けるロール間の荷重を大きくする方法、定着ロール1の
弾性体層の層厚を厚くする方法、定着ロール1と加圧ロ
ール2のロール径を大きくする方法が考えられる。しか
しながら、ロール間の荷重を大きくする方法や弾性体層
の層厚を厚くする方法では、ロールの撓みに起因してニ
ップ領域におけるニップ幅の形状がロール軸方向に不均
一になったり、定着むらや記録シートにしわが発生し、
ロール間の荷重や弾性体層1bの層厚には自ずと限界が
生じて所望の高速化に対応できないという問題がある。
また、ロール径を大きくする方法においては、必然的に
装置が大型化し、また、定着ロール1と加圧ロール2の
温度を室温から定着可能な温度まで昇温させるまでの時
間(ウオームアップタイム)が長くなるという問題があ
る。
【0004】また、ニップ領域において大きなニップ幅
を確保できる他の方法として、加圧ロール側をエンドレ
スベルトに置き換え、加熱源を備えた定着ロールとこの
定着ロールに圧接されながら回動するポリテトラフルオ
ロエチレン製(特開平2−73279号公報参照)やシ
リコンゴム製(特開平4−115279号公報参照)や
多孔質体とエラストマーの混合物(特開平6−2144
79号公報参照)の定着用エンドレスベルトとで構成さ
れた、いわゆるロール・ベルト方式の定着装置が知られ
ている。しかしながら、エンドレスベルトとしてポリテ
トラフルオロエチレンが被覆されたものを使用すると、
一旦定着ロール側にオフセットしたトナーがエンドレス
ベルト側に転移して記録シートを汚染するという現象は
少ないが、ベルト表面における摩擦係数が小さくて記録
シートとの間に滑りが起こり、定着ロールの回転速度と
このエンドレスベルトの回転速度との間にずれが生じ、
未定着トナー像が記録シート上に定着される際に定着画
像がずれるという、いわゆる画像ずれの問題が生じる。
これを防止するために定着ロールとベルトの両方を等速
で駆動しなければならず、このことは駆動装置を大がか
りなものとしてしまう。また、エンドレスベルトとして
シリコンゴムが被覆されたものを使用すると、そのベル
ト表面の摩擦係数が大きいのでこの様な画像ずれの問題
は生じないが、オフセット防止液に侵されて膨潤し、ゴ
ム硬度が低下すると共に変質する上、記録シートとの接
触によって磨耗し、記録シートにしわが発生する問題が
ある。しかも、これらロール・ベルト方式の定着装置に
おいては、その小型化を図るために、エンドレスベルト
を張架する支持ロールや定着ロールのロール径を小さく
すると、エンドレスベルトが大きな曲率で曲げたり延ば
したりされることになり、ベルト表面に亀裂ができやす
くて寿命が短いという問題が生じる。また、エンドレス
ベルトとして多孔質体とエラストマーの混合物からなる
被覆されたものを使用すると、そのベルト表面の摩擦係
数が大きいので前述の画像ずれの問題は生じないが、両
面複写された記録シートを定着する際に、すでに定着さ
れた第1面(ベルトと接触する面)の定着トナー像は再
溶融されベルト表面にオフセットし、記録シートが剥離
されずに巻き付くという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、画
像ずれや両面複写・定着時の剥離不良や寿命が短いとい
う問題がなく、駆動装置の簡略化を達成し、しかも、高
速化や小型化に対してそれぞれ単独にあるいは同時に対
応することができる定着装置の開発について鋭意研究を
重ねた結果、本発明を完成した。従って、本発明の目的
は、画像ずれや両面複写・定着時の剥離不良や寿命が短
いという問題がなく、しかも、高速化及び/又は小型化
に対応できる定着装置を提供することにある。また、本
発明の他の目的は、画像ずれや両面複写・定着時の剥離
不良や寿命が短いという問題がなく、しかも、高速化及
び/又は小型化に対応できる定着装置に使用するのに適
した定着用エンドレスベルトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、画
像を定着するための定着用エンドレスベルトであって、
その基材上に少なくとも耐熱弾性層を有することを特徴
とする定着用エンドレスベルトであり、また、定着ロー
ルと、この定着ロールに所定のニップ領域を形成して圧
接するエンドレスベルトを備え、未定着トナー像を坦持
した記録シートが前記定着ロールと前記エンドレスベル
トとの間を通過する際に前記ニップ領域で未定着トナー
像を記録シート上に定着させる定着装置において、前記
エンドレスベルトが請求項1乃至4のいずれかに記載の
定着用エンドレスベルトであることを特徴とする定着装
置である。
【0007】本発明において、エンドレスベルトを構成
するベースフィルムとしては、このエンドレスベルトを
張架する支持ロールや圧力ロールを巻回するのに適した
強度を有するものであればよく、例えば高分子フィル
ム、金属フィルム、セラミックフィルム、ガラス繊維フ
ィルムあるいはこれらいずれか2種以上を複合化して得
られた複合化フィルムを使用することができる。そし
て、上記高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル類、ポリカーボネイト類、ポ
リイミド類、ポリフッ化ビニルやポリテトラフルオロエ
チレン等のフッ素系ポリマー類、ナイロン等のポリアミ
ド類、ポリスチレンやポリアクリル類、ポリエチレンや
ポリプロピレン類、ポリ酢酸セルロース類等のセルロー
ス変性物類、ポリサルホン類、ポリキシリレン類、ポリ
アセタール類等のシート状あるいはクロス状成形物等を
挙げることができ、更には汎用高分子シートにフッ素
系、シリコーン系、架橋性ポリマー等の耐熱樹脂層を積
層して得られた高分子複合化物等を挙げることができ
る。また、このような高分子フィルムは、金属、セラミ
ックス等で形成される耐熱層と複合化してもよく、ま
た、内部に粒状、針状、繊維状等のカーボンブラック、
グラファイト、アルミナ、シリコン、カーバイト、ボロ
ンナイトライド等の熱伝導性向上剤を添加したり、必要
に応じて内部に若しくは表面に導電化剤、帯電防止剤、
磁性体、剥離剤、補強剤等の添加剤を添加し若しくは適
用してもよい。更に、上記の高分子フィルムの他に、例
えばコンデンサー紙、グラシン紙等の紙類や、セラミッ
クス系フィルムや、ガラス繊維でクロス状に成形したガ
ラス繊維フィルムや、ステンレスフィルムや、ニッケル
フィルム等の金属フィルムが使用できる。
【0008】そして、このようなベースフィルム上には
少なくとも耐熱弾性層が形成される。この耐熱弾性層と
しては、常温硬化型(RTV:Room Temper
ature Vulcanization)や低温硬化
型(LTV:Low Temperature Vul
canization)のエラストマーを使用すること
ができ、具体的にはRTVシリコンゴム、LTVシリコ
ンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等を挙げる
ことができる。弾性層は、歪みの効果によって両面複写
・定着時の剥離を可能とするために重要である。そし
て、弾性層中には、熱伝導性等の性能向上を図るために
カーボンブラック、アルミナ、シリカ等の無機粉末を添
加してもよい。そして、前記耐熱弾性層の表面には、耐
油・耐磨耗弾性表層を設けることができる。この耐油・
耐磨耗弾性層は、オイル供給装置から供給されるオイル
に膨潤せず、高摩擦係数を付与する上で重要であり、特
に好ましい耐油・耐磨耗弾性層としては、具体的には、
フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等を挙げることがで
きる。
【0009】本発明で使用されるエンドレスベルトは、
そのベルト厚が通常350μm以下、好ましくは150
μm以下のフィルム状であるのがよく、使用に耐えられ
るだけの強度が確保されればいくら薄くても良いが、あ
まり薄くすると所望の強度が達成できなくなるほか、弾
性と高摩擦性を付与する上で重要な被覆層に所望の性能
を付与するのが困難になるので、通常最低でも15μm
程度のベルト厚が必要になる。このベルト厚が350μ
mを越えると、ベルトの張架時の曲率を大きくすること
ができなくなるため、エンドレスベルトの耐久性を確保
しつつ装置の小型化を進める上で好ましくない。また、
このようなエンドレスベルトを構成するベースフィルム
のフィルム厚については、通常15〜200μm、好ま
しくは50〜75μmであり、また、ベースフィルム上
に積層される被覆層の層厚については、通常50〜25
0μm、好ましくは100〜170μmである。被覆層
の層厚は薄すぎると均一に歪みを得られなくなり、厚す
ぎると加圧ロールによって付与する荷重に対して得られ
る歪みが小さくなり、いずれの場合も両面複写・定着時
の剥離を困難にする。図4は、被覆層の層厚と両面複写
・定着時の剥離性の関係を示している。実験は、後述す
る本発明の実施例2の定着装置を用いて、後述するの連
続定着試験と同様の条件で行った。但し、記録紙は富士
ゼロックス(株)製S紙を用い、オイル供給量は4mg
/用紙とし定着ロール表面温度を測って両面複写・定着
時の剥離可能温度範囲を測定した。図4において斜線を
施した部分が剥離可能温度範囲を示す。すなわち、12
0°C以上が剥離可能温度範囲である。そして、このエ
ンドレスベルトにおけるベルト表面の記録シート、例え
ば紙との摩擦係数については、通常0.15〜1.0、
好ましくは0.2〜0.8の範囲であるのがよい。この
ベルト表面の摩擦係数が0.15より小さいと定着ロー
ルとエンドレスベルトの間にスリップが生じる場合があ
る。また摩擦係数が1.0以上の場合は、紙とベルトの
密着力が大きくなりすぎ、紙がベルトから剥離しずらく
なり、更に、ベルト表面に紙粉やゴミ等の不溶融物が付
きやすく、また、クリーニングしずらくなる。さらに、
一般にトナー溶融温度の下限が約100°Cであるの
で、本発明で使用されるエンドレスベルトについては、
100°C以上、好ましくは150°C以上の耐熱性を
有するように形成するのがよく、これによって単に加圧
下での定着に限らず、加熱加圧下での定着が可能にな
る。
【0010】このようにして形成されたエンドレスベル
トは、定着ロールとこの定着ロールに圧接されながら回
動する定着用エンドレスベルトとで構成されたロール・
ベルト方式の定着装置であれば、どのようなタイプの定
着装置に対してもそのエンドレスベルトとして使用でき
るが、定着の高速化と装置の小型化を図る上で、好まし
くは、エンドレスベルトが、複数の支持ロールによって
張架されているとともに、圧力ロールによってそのニッ
プ領域で広いニップ幅を有して定着ロールに圧接される
ように構成された定着装置がよい。
【0011】
【作用】本発明によれば、使用するエンドレスベルトが
基材上に少なくとも耐熱弾性層を形成したので、歪みの
効果によって両面複写・定着時の良好な剥離が可能であ
る。また、耐油・耐摩耗層を表面層として設けた場合に
は、該表面層により優れた耐膨潤性と高摩擦係数とを達
成することができ、画像ずれがなくて両面複写・定着時
の剥離性および耐久性に優れている。しかも、ニップ領
域において幅広いニップ幅を得ることができて高速化に
対応できるほか、このエンドレスベルトを支持する支持
ロール等のロール径を小さく設計できて小型化にも対応
することができる。また、駆動方法は、定着ロール又は
エンドレスベルトのいずれか一方を駆動し、他方を従動
させることが可能になり、駆動装置の簡略化が達成され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例に基づ
いて、本発明を具体的に説明する。
【0013】実施例1 図1に本発明の実施例で採用されたロール・ベルト方式
の定着装置が示されている。なお、図5に示す定着装置
と対応する部材には同一符号を付している。この定着装
置は、外径47mm、内径40mm及び長さ330mm
の大きさのアルミニウム製の中空ロール1aとその上に
積層された厚さ2mmの高温硬化型シリコンゴム(HT
Vシリコンゴム、ゴム硬度45度)製の弾性体層1b及
び表面に厚さ30μmでフッ素ゴムをディップコートし
た耐油層1cとで構成されハロゲンランプからなる加熱
源1eを内蔵した定着ロール1と、幅300mm×周長
189mm×厚さ230μmの大きさのフィルム状のエ
ンドレスベルト10とを備えている。このエンドレスベ
ルト10は、直径18mmの2本の支持ロール11と直
径23mmの圧力ロール12とに張架され、圧力ロール
12によって上記定着ロール1の表面に圧接されている
とともに、スポンジロール13によって広いニップ幅の
ニップ領域を形成した構成となっている。なお、上記定
着ロール1及びエンドレスベルト10の駆動は、定着ロ
ール1を駆動し、エンドレスベルト10はこの定着ロー
ル1に従動させるようにして行った。また、図1中、符
号5はオイル供給装置であり、符号6はクリーニング装
置であり、符号8は温度センサーであり、符号9はシー
ト3の排出を案内するシュートである。
【0014】そして、上記エンドレスベルト10は、図
2に示されているように、厚さ75μmのポイリイミド
フィルム製のベースフィルム10aの表面に、厚さ5μ
mの接着剤層10bを介して、厚さ150μmのフッ素
ゴムをディップコートした弾性表層10dで形成されて
いる。
【0015】ここで、エンドレスベルト10は10kg
の張力で支持ロール11と圧力ロール12に張架されて
おり、圧力ロール12は、図示しない圧縮コイルスプリ
ングにより定着ロール1の中心に向けて20kgの圧力
で付勢されており、この定着ロール1に対するエンドレ
スベルト10の接触角度は45°であって、このニップ
領域におけるニップ幅は19.6mmとなっている。
【0016】このように構成したロール・ベルト方式の
定着装置を使用し、定着ロール1およびエンドレスベル
ト10の回転速度を200mm/秒、定着ロールの表面
温度を150°C、コピースピードをA4サイズ紙10
枚/分、記録紙をP紙[富士ゼロックス(株)製]、ト
ナー組成をポリエステル系樹脂95重量%、顔料4重量
%及び帯電制御剤1重量%の条件で連続定着試験を行っ
た。結果は、5万枚の定着後もエンドレスベルト10に
シリコン油による膨潤の現象は見られず、表面にクラッ
ク等の発生もなく、離型性、両面複写・定着を含む用紙
剥離性、安定性、発色性等の点で良好に定着が行われ
た。更に、ニップ領域におけるスリップに起因する定着
ロール1の回転不良やこれに起因する画像ずれの問題も
発生しなかった。
【0017】実施例2 図3に示すように、エンドレスベルト10は、厚さ75
μmのポリイミドフィルム製のベースフィルム10aの
表面に、厚さ5μmの接着剤層10bを介して、厚さ1
20μmのシリコンゴムをディップコートした耐熱弾性
層10cと、厚さ5μmの接着剤層10bを介して、厚
さ30μmのフッ素ゴムをディップコートした耐油・耐
摩耗層10dで積層して形成されている。耐熱弾性層で
あるシリコンゴム層の厚さは、通常20〜220μm、
好ましくは70〜140μmである。また、耐油・耐摩
耗層であるフッ素ゴム層の厚さは約30μmである。シ
リコン層の厚さは薄すぎると均一に層の歪みを得られな
くなり、厚すぎると加圧ローラによって付与される荷重
に対して層の歪みが小さくなり、いずれの場合も両面複
写・定着時の剥離を困難にする。また、耐熱弾性層であ
るシリコンゴム層の耐熱温度は、通常100℃以上、好
ましくは150℃以上がよい。これは加圧のみならず加
熱定着においても本ベルトを使用できるようにするため
である。そして、耐熱弾性層であるシリコンゴム層のゴ
ム硬度は、通常1〜70°(JIS−A)、好ましくは
10〜50°がよい。ゴム硬度が低くなると、荷重に対
する歪みが大きくなり両面定着時の剥離性能を高める
が、ゴム自体の強度が下がり耐久性が低下する。逆に、
ゴム硬度を高くすると、耐久性は向上するが荷重に対し
て歪みが小さくなり両面定着時の剥離性能が損なわれて
しまう。このようにして得られたエンドレスベルトを使
用し、実施例1と同様にして連続定着試験を行った。結
果は、2万枚の定着後もエンドレスベルト10にシリコ
ン油による膨潤の現象は見られず、表面にクラック等の
発生もなく、離型性、両面複写・定着を含む用紙剥離
性、安定性、発色性等の点で良好に定着が行われた。更
に、ニップ領域におけるスリップに起因する定着ロール
1の回転不良やこれに起因する画像ずれの問題も発生し
なかった。
【0018】比較例1 上記各実施例で使用したのと同じベースフィルムの表面
に離型層としてポリテトラフルオロエチレンを25μm
の厚さに積層し、エンドレスベルトを作成した。このエ
ンドレスベルトを上記実施例1の定着装置に装備し、実
施例1と同様に連続定着試験を行った。結果は、エンド
レスベルト自体には機械的損傷の発生は認められなかっ
たが、記録紙の両面複写・定着時に、記録紙の表面に初
めに形成された定着画像に光沢むらが発生するととも
に、多量の未定着トナー像が存在するとエンドレスベル
トに巻き付くという問題も発生した。さらに、定着ロー
ル側にシリコンオイルを十分に供給すると、この定着ロ
ールの回転不良が発生し、画像ずれの問題が発生した。
【0019】比較例2 上記各実施例で使用したのと同じベースフィルムの表面
に離型層としてRTVシリコンゴムを150μmの厚さ
に積層し、エンドレスベルトを作成した。このエンドレ
スベルトを上記実施例1の定着装置に装備し、実施例1
と同様に連続定着試験を行った。結果は、記録紙の両面
複写・定着時に、記録紙の表面に初めに形成された定着
画像に光沢むら及び多量の未定着トナー像における巻き
付きは発生しなかったが、1万枚の定着操作でシリコン
油による膨潤の現象が発生し、通紙域と非通紙域の段差
が生じ、記録紙にしわが発生するとともに、一部にこの
離型層の剥離も発生した。
【0020】比較例3 上記各実施例で使用したのと同じベースフィルムの表面
に被覆層として、空隙率90%の延伸多孔質PTFE
(JGI社製商品名:ゴアテックス)中にRTVシリコ
ンゴムを含浸させ20μmの厚さに積層し、エンドレス
ベルトを作成した。このエンドレスベルトを上記実施例
1の定着装置に装備し、実施例1と同様に連続定着試験
を行った。結果は、エンドレスベルト自体には機械的損
傷の発生および定着ロールの回転不良による画像ずれは
認められなかったが、多量の未定着トナー像が存在した
場合、記録紙の両面複写・定着時に、記録紙の表面に初
めに形成された定着画像にエンドレスベルトとの剥離不
良による光沢むらが発生した。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ロール・ベルト方式の
定着装置で使用するエンドレスベルトとしてベースフィ
ルム上に少なくとも耐熱弾性層を形成したものを採用し
たので、歪みの効果によって両面複写・定着時の良好な
剥離が可能である。また、耐油・耐摩耗層を表面層とし
て設けた場合には、該表面層により優れた耐膨潤性と高
摩擦係数とを達成することができ、画像ずれがなくて両
面複写・定着時の剥離性および耐久性に優れている。し
かも、ニップ領域において幅広いニップ幅を得ることが
できて高速化に対応できるほか、薄いエンドレスベルト
によりこのエンドレスベルトを支持する支持ロール等の
ロール径を小さくして装置を小型化することができる。
このため、本発明によれば、特に定着装置の高速化と小
型化とを同時に達成しうるものであり、複写機、プリン
ター、ファクシミリ等の画像記録装置で使用する定着装
置として極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかる定着装置を示す説明
図である。
【図2】 図1の定着装置で使用したエンドレスベルト
の断面を示す説明図である。
【図3】 エンドレスベルトの他の実施例の断面を示す
説明図である。
【図4】 被覆層の層厚と両面複写・定着時の剥離性の
関係を示した実験結果である。
【図5】 従来のロール・ロール方式の定着装置を示す
説明図である。
【符号の説明】
1…定着ロール、1a…中空ロール、1b…弾性体層、
1c…耐油・離型層、1e…加熱源、2…加圧ロール、
2a…芯金ロール、2d…離型層、2e…加熱源、3…
シート、4…未定着トナー像、5…オイル供給装置、6
…クリーニング装置、7…剥離爪、8…温度センサー、
9…シュート、10…エンドレスベルト、10a…ベー
スフィルム、10b…接着剤層、10c…耐熱弾性層、
10d…耐油・耐摩耗層、11…支持ロール、12…圧
力ロール、13…スポンジロール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を定着するための定着用エンドレス
    ベルトであって、その基材上に少なくとも耐熱弾性層が
    形成されていることを特徴とする定着用エンドレスベル
    ト。
  2. 【請求項2】 前記耐熱弾性層の表面に耐油・耐摩耗層
    が形成されていることを特徴とする請求項1記載の定着
    用エンドレスベルト。
  3. 【請求項3】 前記耐熱弾性層がシリコンゴムであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の定着用エンドレスベル
    ト。
  4. 【請求項4】 前記耐油・耐摩耗層がフッ素ゴムである
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の定着用エンドレ
    スベルト。
  5. 【請求項5】 定着ロールと、この定着ロールに所定の
    ニップ領域を形成して圧接するエンドレスベルトを備
    え、未定着トナー像を坦持した記録シートが前記定着ロ
    ールと前記エンドレスベルトとの間を通過する際に前記
    ニップ領域で未定着トナー像を記録シート上に定着させ
    る定着装置において、前記エンドレスベルトが請求項1
    乃至4のいずれかに記載の定着用エンドレスベルトであ
    ることを特徴とする定着装置。
JP00186798A 1998-01-07 1998-01-07 定着装置及び定着用エンドレスベルト Expired - Lifetime JP3233349B2 (ja)

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