JP5893794B1 - 水中の仮締切構造体内の浚渫工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仮締切構造体内の水及び土砂を一旦仮置き場へ貯留し、その一部の水を循環させて仮締切体内へ戻し、内外の水圧差を無くした上で仮締切構造体を打ち込むことで、排出水量を大幅に低減することのできる浚渫工法を提供せんとするものである。【解決手段】仮締切構造体の下部側に高圧水の噴射ノズルと、水及び堆積土砂を吸引するジェットポンプの吸引ノズルとを設置し、仮締切構造体を水中地盤へ打ち込みながら前記噴射ノズルから高圧水を噴射して堆積土砂を吹き飛ばすか分散撹拌状態にすると共に、その堆積土砂を水と一緒に前記吸引ノズルから吸引して仮置き場へ排出し、仮置き場に貯留された水のみを仮締切構造体内へ戻して、仮締切構造体の内外の水面が略同一になるようにして仮締切構造体の水中地盤への打ち込みと、その内部の浚渫とを同時に行うようにした。【選択図】図9

Description

本発明は、橋脚やケーソン等の水中構築物の調査、補修・耐震補強工事を行う際のドライ作業環境を形成する場合において、水中構築物の周囲に仮締切構造体を構築し、然る後にこの仮締切構造体内の水及び堆積土砂を排出して上澄み水のみを戻す循環方式の浚渫工法に関し、水の排出容量の大幅な低減をと全工程の自動化を実現することのできる技術に関するものである。
最近では、巨大地震に対する備えとしてあらゆる構築物に対する耐震補強工事が施されている。例えば、水中の橋脚への耐震補強工事は、橋脚部分に対して鉄筋コンクリートの巻き立て、鋼板の巻き立て、炭素繊維やアラミド繊維の巻き立て等が行われており、これらの工事はすべて乾式(ドライな作業空間内)で行われる。
ドライな作業空間を形成する方法として、特許文献1乃至3に示す他、多くの技術が公知である。これらの特許文献1乃至3に示す技術では、水中既設構造物の周囲に仮締切構造体を構築し、仮締切構造体内の水及び堆積土砂を排出することで、ドライ環境を形成するようにしている。特許文献1乃至3の仮締切構造体の構築と、構築後のドライ環境の形成工程は以下の通りである。
特許文献1には、市販のライナープレートが嵌合するガイド部材をリング状に形成し、このガイド部材に沿ってライナープレートを水中地盤中へ打ち込んで仮締切構造体を形成している。その後、この仮締切構造体内の水及び堆積土砂を排出している。水及び堆積土砂の排出は、クラムシェルやバックホー等の建設機械を使って行うこと及び潜水作業員がジェットポンプを用いて行うことが記載されている。
また仮締切構造体の中間部においては、内外の水圧差を考慮して補強部材で仮締切構造体が破壊されないようにしている。
特許文献2には、水中既設構造物の周囲に水中地盤に対して鋼管矢板を打ち込んで、仮締切構造体を構築し、仮締切構造体内をバケット船による掘削作業でドライにする技術が開示されている。鋼管矢板の打ち込みは、大型の建設機械であるハンマー機や圧入装置を用いて行うのが通常である。そして、仮締切構造体の内外の水圧差や土圧差の影響を考慮して鋼管矢板の全体の頭部をコンクリートで一体化すると共に、鋼管矢板の最終地盤付近をコンクリートで拘束するようにしている。
特許文献3には、ライナープレートを水中地盤中へ打ち込んで、仮締切構造体を構築し、仮締切構造体内を掘削することが開示されている。また仮締切構造体の内外の水圧差や土圧差を考慮してガイド部材を仮締切構造体の内周面どうしに跨るように配設して補強している。
特開2015−052214号公報 特開平10−168915号公報 特開2005−264500号公報
ところが、特許文献1に記載された技術では、クラムシェルやバックホー等の建設機械を使用して水や堆積土砂を排出する場合は、これらを搭載することのできる大きな台船が必要であり、また専用のオペレータ(作業員)が必要であるという欠点があった。しかも、これらのクラムシェルやバックホーによる場合は、浚渫した土砂を排出する場合に、流れ落ちる汚れ水で周辺の水が濁り、環境汚染の問題があった。
一方、ジェットポンプを利用して水や堆積土砂を排出する場合は、潜水作業員が吸引ホース先端の吸込みノズルを把持して移動させながら排出する必要があり、専用の潜水作業員が必要であった。
また仮締切構造体内の水位及び堆積土砂の排出が進むにつれて、仮締切構造体の内外の水圧差や土圧差が大きくなり、仮締切構造体の中間部にブラケットを溶接固定し、該ブラケットにH型鋼又は角柱鋼等を取り付けて補強する必要があった。
しかも、この仮締切構造体の中間部を補強した後で、仮締切構造体の下部側の浚渫を行う必要があり、H型鋼や角柱鋼等の中間補強部材がクラムシェルやバックホーの作業の障害となる虞があった。最後に、仮締切構造体の下部側にコンクリートを打設して拘束し、仮締切構造体外部の土砂等が仮締切構造体の下端側を通過して内部側へ噴き上がるのを防止する作業工程が必要であり、工程数が多く、工期が長期化する原因になっていた。
また特許文献2に記載された技術では、前記特許文献1に記載された技術の場合と同じように、仮締切構造体内の水や堆積土砂をバケット船のクラムシェルで浚渫するので、台船と大型の建設機械が必要であり、また同様に濁り水の環境汚染の問題があった。
仮締切構造体の内外の水圧差や土圧差に対しては、鋼管矢板の全周囲の頭部をコンクリートで一体化すると共に、鋼管矢板の最終地盤付近の全周囲(内側)を底板コンクリートで拘束して補強する必要があり、鋼管矢板の上下二箇所をコンクリート打設する必要があった。
特許文献3に示す技術にあっては、仮締切構造体の内側を単に掘削するということのみが記載されているが、特許文献1及び2に記載された技術と同じように浚渫しているとみられ、同様の欠点を有するものであった。
またこの特許文献3においては、仮締切構造体の中間部にガイド部材を配置しながら仮締切構造体を打ち込んでおり、ガイド部材がそのまま内外の水圧差や土圧差に対する補強機能を有している。このガイド部材がクラムシェルやバックホーによる浚渫作業の障害になることは特許文献1の場合と同じである。
更に、これらの特許文献1乃至3に記載された技術では、仮締切構造体の内側の水及び堆積土砂の全部の容量を仮置きする場所を設けるか、台船を多数隻準備するか、台船を複数回往復移動させて処理する必要があった。
そこで、本発明は従来の前記問題点に鑑みてこれを改良除去したものであって、仮締切構造体内の水及び土砂を一旦仮置き場へ貯留し、その一部の水を循環させて仮締切体内へ戻し、内外の水圧差を無くした上で仮締切構造体を打ち込むことで、排出水量を大幅に低減することのできる浚渫工法を提供せんとするものである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、港湾や河川の水中既設構造物の周囲の水中地盤へ仮締切構造体を打ち込み、該仮締切構造体内の水及び堆積土砂を排出して仮締切構造体の周囲にドライ作業環境を形成する場合において、仮締切構造体の下部側に高圧水の噴射ノズルと、水及び堆積土砂を吸引するジェットポンプの吸引ノズルとを設置し、仮締切構造体を水中地盤へ打ち込みながら前記噴射ノズルから高圧水を噴射して堆積土砂を吹き飛ばすか分散撹拌状態にすると共に、その堆積土砂を水と一緒に前記吸引ノズルから吸引して仮置き場へ排出し、仮置き場に貯留された水のみを仮締切構造体内へ戻して、仮締切構造体の内外の水面が略同一になるようにして仮締切構造体の水中地盤への打ち込みと、仮締切構造体の内部の浚渫とを同時に行うようにしたことを特徴とする水中の仮締切構造体内の浚渫工法である。
本発明が採用した請求項2の手段は、仮締切構造体の水中地盤への打ち込みは仮締切構造体の上端に適宜間隔で設置した人力で運搬できる打撃器又は振動機で振動を与え乍ら行うようにした前記請求項1に記載の水中の仮締切構造体内の浚渫工法である。
本発明が採用した請求項3の手段は、堆積土砂と水を仮締切構造体内から仮置き場へ搬出する場合と、仮置き場から水を仮締切構造体内へ戻す場合のいずれにおいても、ジェットポンプを使用するようにした請求項1又は2に記載の水中の仮締切構造体内の浚渫工法である。
本発明が採用した請求項4の手段は、仮締切構造体を水中地盤中へ打ち込むのに際し、水中既設構造物からスライドガイドを架け渡してその先端にローラーを取り付けて仮締切構造体の内周面へ当接させ、仮締切構造体の内周面とスライドガイド先端のローラーとが当接した状態で仮締切構造体を水中地盤へ打ち込むようにした前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載の水中の仮締切構造体内の浚渫工法である。
請求項1の発明では、仮締切構造体の下部側に高圧水の噴射ノズルと、水及び堆積土砂を吸引するジェットポンプの吸引ノズルとを設置している。そして、仮締切構造体を水中地盤へ打ち込むのに際し、前記噴射ノズルから高圧水を噴射して堆積土砂を吹き飛ばすか分散撹拌状態にすると共に、その堆積土砂を水と一緒に前記吸引ノズルから吸引して仮置き場へ排出している。これにより、仮締切構造体の水中地盤への打ち込みと、仮締切構造体の中の水及び堆積土砂の排出を同時に行うことが可能である。
次に、仮置き場に貯留された水のみを仮締切構造体内へ戻すようにしている。水を戻す量は、仮締切構造体の内外の水面が略同一になるようにする。これにより、仮締切構造体は、その内外の水圧差の影響を受けることなく、水中地盤への打ち込みが可能である。また一旦、貯留場へ排出した水及び堆積土砂のうち、水のみを仮締切構造体の中へ戻して循環させている。これにより、現場で処理する水の量(仮置き場の容量)を少なくすることができ、台船一艘でも可能である。しかも、濁り水が拡散せず、水中の動植物の生態系に悪影響を与えることも無く、環境的にも良好である。
請求項2の発明では、仮締切構造体の水中地盤への打ち込みを、仮締切構造体の上端に適宜間隔で設置した人力で運搬できる打撃器又は振動機で振動を与え乍ら行うようにしている。これにより、仮締切構造体の水中地盤への打ち込み作業と、仮締切構造体内の水や堆積土砂の排出(浚渫)作業の全体を、作業員が手作業で行うことなく、自動的に行うことが可能である。従って、作業員は打撃器又は振動機や、高圧水の噴射状況、水及び堆積土砂のジェットポンプの排出状況、仮締切構造体の沈下状況等を監視するだけでよく、現場作業員の現場における負担を著しく軽減することが可能である。
請求項3の発明では、堆積土砂と水を仮締切構造体内から仮置き場へ搬出する場合と、仮置き場から水を仮締切構造体内へ戻す場合のいずれにおいても、ジェットポンプを使用するようにしている。水及び堆積土砂の排出と、水を戻す場合とにおいては、それぞれ多数のポンプとホースを必要としており、別々のポンプを使用すると、その管理や設置作業に手間取るという問題があるが、同一のジェットポンプを使用することで問題の発生はなくなる。
請求項4の発明では、仮締切構造体を水中地盤中へ打ち込むのに際し、水中既設構造物からスライドガイドを架け渡してその先端に滑車を取り付けて仮締切構造体の内周面へ当接させ、その状態で仮締切構造体を水中地盤へ打ち込むようにしている。
これは、仮締切構造体の打ち込み作業が終了するまでの間は、仮締切構造体の内外の水位差がなく、水圧の影響を受けることはないが、打込み作業終了後に、仮締切構造体の内側の水及び土砂を排出するに連れ、水圧の影響を受けるのでその補強構造を予め構築してものである。これにより、仮締切構造体の水中地盤への打ち込み作業と、その内側の浚渫作業とを円滑に行うことが可能となる。
本発明工法における仮締切構造体の組立工程を示す全体正面図である。 本発明工法における仮締切構造体の吊上げ工程を示す全体正面図である。 本発明工法における仮締切構造体の吊降し工程を示す全体正面図である。 本発明工法におけるスライドガイド設置工程を示す全体正面図である。 本発明工法におけるジェットリフトの設置工程を示す全体正面図である。 本発明工法における先行掘削工程を示す全体正面図である。 本発明工法における沈設工程を示す全体正面図である。 本発明工法における沈設確認工程を示す全体正面図である。 本発明工法における全体レイアウトを示す平面図である。 本発明工法に使用する吸引ノズルの部分拡大図である。 本発明工法に使用する高圧水噴射ノズルの部分拡大図である。 本発明工法における仮締切構造体とスライドガイドとの関係を示す全体平面図である。
以下、本発明の仮締切構造体内の浚渫工法について、図1〜図9の各工程を示す全体正面図を参照して説明する。図1は仮締切構造体1を組み立てる工程を示す全体正面図である。同図において、Aは橋脚、Bはこの橋脚の外周面に設置したプラットフォーム、Cは橋脚Aのフーチング、Dは仮締切構造体である。先ず、水中既設構造物A(橋脚)の外周面にブラケット1及び斜交い2を介して鋼材3を施行時の水面より若干高い位置に設置し、踏板等を敷き並べてプラットフォームBを形成する。またプラットフォームBの上方の橋脚Aの外周面には、同様にブラケット1及び斜交い2を介して手動式のクレーン4の支柱5を設置する。なお、プラットフォームBの先端部3aは、同図の鎖線で示すように、下方へスイングできるようにプレート及びボルトで締結されている。
このような状態からプラットフォームB上で、図10及び図11に示す市販のライナープレート6を段積み連結して水中既設構造体Dを形成していく。市販のライナープレートは6は、その四周側面に連結用のボルト孔を備えたフランジが設けられており、このフランジをH型鋼7を介在させてボルト締めすることにより、相互に連結できるようになされている。また強度アップのために断面すると波板状に形成されている。この市販のライナープレート6は、各種形状及び寸法のものが製作されており、連結して組み立てたときに、円形状やトラック形状、矩形状を成し、水中既設構造物Aの周囲を囲繞するようになされている。
一番下方に位置するライナープレート6の下端面側には、水中地盤中への入り込みを容易にするために、楔状の先端補強鉄板8が取り付けられている。またH型鋼7どうしの外周面側にはスリッピングプレート9が取り付けられており、水中地盤に対する抵抗を軽減するようになされている。
ライナープレート6は、プラットフォームB上で最初は三段が段積みされる。段積みが完了した後は、図2に示すように、仮締切構造体Dを手動式クレーン4で吊り上げ、この状態でプラットフォームBの先端部3aの連結プレート及びボルトを外して同図に示す如く下方向へ90度スイングさせる。この状態では、プラットフォームBは、仮締切構造体Dの内径寸法よりも外形寸法が短くなる。その状態で吊り上げた仮締切構造体Dを、図3の如く、水中へ降ろし、更に図4に示すように、ライナープレート6の先端側が水中地盤Eの上に乗るようにする。この時、最上段のライナープレート6の上端面は未だ水面下にある。
然る後は、プラットフォームBの先端部3aを水平に連結し直し、新たにプラットフォーム上でライナープレート6を三段段積みして連結する。そして、これを再び手動式クレーン4で吊り上げ、その状態でプラットフォームBの先端部3aを間下を向くようにスイングさせ、吊り上げた三段のライナープレート6を、先に水中へ降ろした三段のライナープレート6の上端に載置し、これらを連結する。
ライナープレート6のプラットフォームB上での段積みと、手動式クレーン4の吊り上げ、吊降しと、水中のライナープレート6との連結作業は、最上部のライナープレート6の上端面が水面よりも上方へ突出するまで行う。これにより、仮締切構造体Dが形成される。
次に、図4に示すように、水中既設構造物Aの外周面から所定間隔ごとにスライドガイド(鋼材)10を水平に設置し、その先端にジャッキ11を介してローラ12を取り付け、仮締切構造体Dの内周面側に所定間隔ごとに配置した縦方向の鋼材に当接させる。図12はスライドガイド14の全体を示す平面図である。そして、図10及び図11に示すように、ライナープレート6の内周面側には、高圧水のジェット管13及びジェットノズル14と、ジェットポンプの吸入管15及び吸引ノズル16とを周方向に適宜間隔を置いて配設する。また図5〜図11に示すように、仮締切構造体Dの最上端面には、作業員が持ち運べる振動機(エアハンマー)17を適宜間隔で設置する。
一方、水中既設構造物Aの近くの浅瀬には、土嚢18を積み上げて水中地盤Eの堆積土砂及び下位締切構造体Dの内側から汲み上げた水の仮置き場19を設置する。仮置き場19は、例えば、三区画に別け、最初の区画ではジェットポンプで吸い上げた水中地盤の堆積土砂及び水を貯留し、二番目の区画では最初の区画からオーバーフローした水を貯留するようにし、三番目の区画では二番目の区画からオーバーフローした上澄み水のみを貯留するようにする。ところで、この三番目の区画の上澄み水は、ジェットポンプ及び連結ホースを介して仮締切構造体Dの中へその一部が還流されるようになっている。
なお、各図面において、符号20は、水及び堆積土砂を吸引ノズル16から吸引して仮置き場19へ排出するホースである。21は、仮置き場19の上澄み水を吸引して仮締切構造体Dの噴射ノズル14から高圧で噴射するための高圧水ホースである。また仮締切構造体Dと仮置き場19との間には、台船22が係留しており、発電機23や複数のコンプレッサー24、更にはアームが伸縮するクレーン25等が設置されている。
以下に、仮締切構造体Dの水中地盤Eへの打ち込み工法と、仮締切構造体D内の浚渫工法とを説明する。
先ず、最上段のライナープレート4の上端面に設置したエアーハンマー17を駆動させて仮締切構造体Dの全体に振動を与える。同時に、最下段のライナープレート6の下端部内周面側に取り付けた高圧水の噴射ノズル14から高圧水を噴射し、水中地盤Eの堆積土砂を拡散浮遊状態にする。また吸入ノズル16からは拡散浮遊状態の堆積土砂及び水を吸引し、仮置き場の第一区画へ搬出する。これにより、仮締切構造体Dは、その内周面側において、スライドガイド10のローラー12に案内されながら、その下端側が水中地盤Eへ入り込むようになる。
ところで、仮締切構造体Dの内側の堆積土砂や水が仮置き場19へ排出されると、仮締切構造体Dの内部の水位は徐々に低下をし、内外の水位差により、仮締切構造体Dは水圧の影響を受けるようになるが、仮置き場19から上澄み水が還流され、内外の水位が同一になるように調整されるので、仮締切構造体Dはその水中地盤Eへの打ち込みが完了するまで、前記水位差による水圧の影響を受けることはない。また仮置き場19の上澄み水を還流させることで、現場で処理する水の量を大幅に低減することが可能であり、仮置き場19の容量を小さくすることが可能である。
更に、最下段のライナープレート6の下部側から高圧水を噴射して堆積土砂を撹拌浮遊させながら同時にジェットポンプで吸引搬出しているので、仮締切構造体D内の殆どの堆積土砂をジェットポンプで仮置き場へ排出することが可能である。
要するに、本発明にあっては、仮締切構造体Dの水中地盤Eへの打ち込みと、仮締切構造体D内の堆積土砂及び水の排出を自動的に行うことが可能である。
仮締切構造体Dの水中地盤Eへの打ち込みが完了した後は、その内部の水を排出し、仮締切構造体Dにドライな作業空間を形成すればよい。内部の水を排出した時点で、仮締切構造体Dは外部の水圧及び土圧の影響を受けるようになるが、スライドガイド10がその補強の役割を果たし、問題はない。また仮締切構造体Dの下部側のライナープレート6とフーチングCとの間において、短い差筋をフーチングC側へ打ち込み、その間へ水中コンクリートを打設して水圧や土圧による仮締切構造体Dの下端側からのフラッシュバック(噴き上がり)を防止するようにすればよい。
ドライ作業空間を形成した後は、このドライ作業空間内において、水中既設構造物Aの周囲に足場を組み、乾式にて水中既設構造物Aの調査、補修・耐震補強工事等を行えばよい。
最後に、仮締切構造体D内に仮置き場19から上澄み水を戻し、内外の水位を同一にした後、スライドガイド10及び噴射ノズル14、吸入ノズル16や振動機(エアーハンマー)17、ライナープレート6を分解して撤収すればよい。
A…水中既設構造物(橋脚)
B…プラットフォーム
C…フーチング
D…仮締切構造体
E…水中地盤
1…ブラケット
2…斜交い
3…鋼材
3a…先端部
4…手動式クレーン
5…支柱
6…ライナープレート
7…H型鋼
8…補強鉄板
9…スリッピングプレート
10…スライドガイド
11…ジャッキ
12…ローラー
13…ジェット管
14…高圧水噴射ノズル
15…吸入管
16…吸入ノズル
17…エアーハンマー
18…土嚢
19…仮置き場

Claims (4)

  1. 港湾や河川の水中既設構造物の周囲の水中地盤へ仮締切構造体を打ち込み、該仮締切構造体内の水及び堆積土砂を排出して仮締切構造体の周囲にドライ作業環境を形成する場合において、仮締切構造体の下部側に高圧水の噴射ノズルと、水及び堆積土砂を吸引するジェットポンプの吸引ノズルとを設置し、仮締切構造体を水中地盤へ打ち込みながら前記噴射ノズルから高圧水を噴射して堆積土砂を吹き飛ばすか分散撹拌状態にすると共に、その堆積土砂を水と一緒に前記吸引ノズルから吸引して仮置き場へ排出し、仮置き場に貯留された水のみを仮締切構造体内へ戻して、仮締切構造体の内外の水面が略同一になるようにして仮締切構造体の水中地盤への打ち込みと、仮締切構造体の内部の浚渫とを同時に行うようにしたことを特徴とする水中の仮締切構造体内の浚渫工法。
  2. 仮締切構造体の水中地盤への打ち込みは仮締切構造体の上端に適宜間隔で設置した人力で運搬できる打撃器又は振動機で振動を与え乍ら行うようにした前記請求項1に記載の水中の仮締切構造体内の浚渫工法。
  3. 堆積土砂と水を仮締切構造体内から仮置き場へ搬出する場合と、仮置き場から水を仮締切構造体内へ戻す場合のいずれにおいても、ジェットポンプを使用するようにした請求項1又は2に記載の水中の仮締切構造体内の浚渫工法。
  4. 仮締切構造体を水中地盤中へ打ち込むのに際し、水中既設構造物からスライドガイドを架け渡してその先端にローラーを取り付けて仮締切構造体の内周面へ当接させ、仮締切構造体の内周面とスライドガイド先端のローラーとが当接した状態で仮締切構造体を水中地盤へ打ち込むようにした前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載の水中の仮締切構造体内の浚渫工法。
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