JP6718769B2 - 土砂の掘削方法及び掘削機 - Google Patents

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Description

本発明は、既設水中構造物の周りに設けられる締切り仮設体内の水中に堆積した土砂を掘削する土砂の掘削方法及び掘削機に関する。
従来、河川や海中に位置する橋脚などの既設水中構造物の調査、補修、補強等の工事を行うための仮設工事として、既設水中構造物の基礎の外側に台船などから鋼矢板を打ち込んで、その内側の水を汲み上げ排水するとともに、土砂を全部掘削してドライな作業エリアを構築する必要がある。
水中の土砂を掘削する方法として、グラブバケット等を用いる方法が知られている。しかしながら、鋼矢板の内側の土砂の掘削に際しては、橋脚の上方には橋桁が配置されており、空頭制限が厳しいことから、このような機械を用いて土砂を掘削することができない。
このため、締切り仮設体の内側の水中に堆積した土砂を掘削する土砂の掘削方法としては、締切り仮設体の内側に2人の潜水士を潜水させ、一方の潜水士はウォータージェットにより水中の土砂を巻き上げ、他方の潜水士は吸引装置に接続された吸引ホースによりその巻き上げられた土砂を吸引することで土砂を掘削していた。
しかしながら、この従来の土砂の掘削方法は、潜水士を締切り仮設体の内側に潜水させる必要があるため、危険な作業を伴っていた。また、この従来の土砂の掘削方法は、高圧に噴射した水により土砂を巻き上げ、吸引ホースにより吸引するため、固い地盤ではその土砂の掘削に時間がかかるのみならず、吸引ホースよりも大きな径を持つ礫等の土砂を取り除くのに多大な労力を要していた。
特許文献1に開示された水中掘削装置は、撹拌翼の周囲に、上記駆動軸と略平行する下方向へ向けて高圧水を噴出する下方向噴出ノズルを配設すると共に、撹拌翼の近傍に、上記駆動軸の軸線と交差する放射線方向へ向けて高圧水を噴出する放射線方向噴出ノズルを配設している。
しかしながら、特許文献1に開示された水中掘削装置は、土砂を舞い上げるための撹拌翼が取り付けられているものの、撹拌翼自体が土砂を直接掘削するものではなく、さらに高圧に噴射された水により土砂を掘削するものであるため、締め固められた土砂や、所定の大きさを有する礫等の土砂を掘削することができないという問題点があった。
特開2001−98576号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、狭隘な領域内の水中の土砂を効率良く掘削することが可能となる土砂の掘削方法及び掘削機を提供することにある。
第1発明に係る土砂の掘削方法は、既設水中構造物の周りに設けられる締切り仮設体の内側の水中に堆積した土砂を掘削する土砂の掘削方法であって、上下方向に延伸された回転軸を有するモーターが格納される本体部と、前記回転軸に取り付けられる掘削翼と、前記本体部の上側に配置されるとともに、土砂を吸引する吸引装置に接続される接続部と、前記接続部から下方に向けて延びる吸引管とを備える掘削機の前記掘削翼を前記締切り仮設体の内側の土砂に接触させた上で 前記掘削翼により土砂を掘削するとともに、掘削した土砂を前記吸引管から吸引する掘削吸引工程を備えることを特徴とする。
第2発明に係る土砂の掘削方法は、第1発明において、前記掘削吸引工程で用いた前記掘削機を前記締切り仮設体の内側で移動する掘削機移動工程を更に備え、前記掘削機移動工程では、前記本体部、前記接続部及び前記吸引管の少なくとも何れかに取り付けられたフロート部の内部に気体を注入し、前記掘削機を所定量浮上させた後、掘削位置を変更し、前記フロート部の内部の気体を排出することを特徴とする。
第3発明に係る土砂の掘削機は、既設水中構造物の周りに設けられる締切り仮設体の内側の水中に堆積した土砂を掘削する土砂の掘削機であって、上下方向に延伸された回転軸を有するモーターが格納される本体部と、前記回転軸に取り付けられる掘削翼と、前記本体部の上側に配置されるとともに、土砂を吸引する吸引装置に接続される接続部と、前記接続部から下方に向けて延びる吸引管とを備え、前記掘削翼は、前記吸引管の下端部よりも下方に突出されることを特徴とする。
第4発明に係る土砂の掘削機は、第3発明において、前記本体部、前記接続部及び前記吸引管の少なくとも何れかに取り付けられるフロート部を備え、前記フロート部は、内部に気体を注入する注入口と、前記注入口から注入された気体を排出する排出口とを有する ことを特徴とする。
第5発明に係る土砂の掘削機は、第3発明又は第4発明において、前記本体部及び前記吸引管が固定される固定部を更に備え、前記固定部は、前記回転軸の周囲を囲う保護部を有し、前記掘削翼は、前記保護部よりも下方に突出されることを特徴とする。
第1発明〜第5発明によれば、掘削翼を水中の土砂に接触させた上で掘削翼により土砂を掘削するため、締め固められた土砂であっても掘削を行うことが可能となるため、狭隘な領域内の土砂を効率良く掘削することが可能となる。
第2発明又は第4発明によれば、特に、本体部、接続部及び吸引管の少なくとも何れかに取り付けられるフロート部の内部に気体を注入し、掘削機を所定量浮上させた後、掘削位置を変更し、フロート部の内部の気体を排出することにより、掘削機の浮上作業や降下作業を短時間で行うことが可能となり、狭隘な領域内の土砂を効率良く掘削することが可能となる。
第5発明によれば、特に、回転軸が保護部に保護されることにより、締切り仮設体の内側で移動させたとき、回転軸が締切り仮設体、ガイドブラケット、下部ガイドブラケット等に衝突するのを防止することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る既設水中構造物及び締切り仮設体を主に示す図である。 本発明の実施の形態に係る掘削機を主に示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る掘削機を主に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る土砂の掘削方法の降下工程を示す掘削機を上下方向の上方から見た図である。 本発明の実施の形態に係る土砂の掘削方法の掘削吸引工程を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る土砂の掘削方法の掘削機移動工程を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る土砂の掘削方法の掘削機移動工程を示す説明図である。
以下、本発明を適用した土砂の掘削方法を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した土砂の掘削方法は、既設水中構造物の周りに設けられる締切り仮設体1の内側の水中に堆積した土砂を掘削する方法であって、土砂を吸引する吸引装置80に吸引ホース81を介して接続される掘削機10を用いる。
図1は、本発明の実施の形態に係る既設水中構造物及び締切り仮設体1を主に示す図である。
既設水中構造物である橋脚Pは、平面視で小判形状の柱部P1と、柱部P1上方の左右に張り出した梁部P2と、から主に構成される橋脚であり、柱部P1が、平面視で円形のフーチングFと図示しない基礎杭を介して地盤に定着されている。梁部P2には、締切り仮設体1の構築と、掘削機10の昇降とに用いられる昇降装置7が取り付けられている。なお、図中のX方向が橋梁の橋軸方向、Y方向が橋梁の幅方向、Z方向が上下方向を示している。
締切り仮設体1は、鋼材からなる平面視で円弧状の複数の締切り部材2が、互いに周方向に沿って組み合わされた円筒状の構造物であり、橋脚Pの水平断面が小判形状をした柱部P1の周りに対して間隔をあけて設置される。締切り仮設体1は、橋脚Pの調査、補修、補強等のために橋脚Pとの間に作業エリアを構築することを目的としている。
締切り仮設体1は、橋脚Pの柱部P1に取り付けられた反力ブラケット3で柱部P1から反力を得つつ、油圧ジャッキからなる圧入ジャッキ4により下端が橋脚PのフーチングFの天端に到達するまで各段のロット毎に圧入されることにより構築される。締切り仮設体1は、橋脚Pの柱部P1に取り付けられるガイドブラケット8’と、締切り仮設体1の下部(本実施の形態では、2段目)に取り付けられる下部ガイドブラケット9とを用いて構築される。なお、図示するように、締切り部材2の左右、上下方向の互いの連結は、ボルト等で連結されている他、補強鋼材で補強されている。
締切り仮設体を構成する締切り部材として、鋼材により構成される締切り部材2を例示したが、勿論、PC(プレキャストコンクリート)材や、他の金属材が用いられるものであっても構わない。つまり、締切り部材及び締切り仮設体は、水圧や土圧に耐えて一定の作業空間を形成できる程度の剛性と、水密性を有していれば、材質等は鋼材に限定されない。
また、締切り仮設体1として、円筒状のものを例示したが、勿論、小判形状をした柱部P1に合わせて小判形状としても良いし、柱部が水平断面矩形の場合は、それに応じて平面視矩形の枠体としても良い。
なお、締切り仮設体1は、上述した形態に限らず、例えば、鋼矢板を打設することにより構築されるものであってもよい。つまり、締切り仮設体は、既設水中構造物の形状や本工事に応じた適切な作業スペースを確保することのできるものであれば良い。
反力ブラケット3は、締切り仮設体1を圧入する際に橋脚Pから反力を得るためのものであって、橋脚Pの柱部P1の上部に取り付けられる。この反力ブラケット3は、鋼製のブラケットであり、柱部P1に穿孔された孔を利用してケミカルアンカー等の後施工アンカーで柱部P1に固定される。
ガイドブラケット8’は、橋脚Pの柱部P1側が基端部となるように柱部P1に取り付け設置される。このガイドブラケット8’は、鋼製のブラケットであり、その先端に、ローラ部材8a’がボルト止めにより連結されている。このガイドブラケット8’は、複数のローラ機構を有するローラ部材8a’により、当接する締切り仮設体1の内壁を損傷することなくスライドするように締切り仮設体1をガイドする機能を有している。
下部ガイドブラケット9は、締切り仮設体1の4段目を組み立てた上、締切り仮設体1の下部(本実施の形態では、2段目)に取り付けられる。この下部ガイドブラケット9は、基端側が締切り仮設体1の内壁となっているだけで、ガイドブラケット8’と略同一構成となっており、橋脚Pの柱部P1と当接する先端が、ローラ部材8a’と同一構成のローラ部材9aとなっている。この下部ガイドブラケット9は、締切り仮設体1の圧入時の刃先部である下端を柱部P1に沿って鉛直下方にガイドする機能を有している。
昇降装置7は、電動ホイストなどであり、台船6から上昇又は下降の操作が可能であればウィンチなど電動以外の動力であっても構わない。また、昇降装置7は、クランプ等で盛替え容易に取り付けても良いし、ランウェイ上を水平移動可能に構成しても良い。なお、掘削機10の昇降に用いられる昇降装置7は、梁部P2に取り付けられるものを例示しているが、反力ブラケット3に取り付けられるものであっても良い。
図2は、本発明の実施の形態に係る掘削機10を主に示す斜視図であり、図3は、本発明の実施の形態に係る掘削機10を主に示す断面図である。
掘削機10は、昇降装置7に吊下げられ、土砂を吸引する吸引装置80に取り付けられる吸引ホース81の先端側に取り付けられる。吸引装置80は、締切り仮設体1の外側に配置された台船6の上に設けられ、吸引ホース81の内部に負圧を発生させることで、土砂を吸引する。なお、吸引装置80は、土砂を吸引するものであればいかなる手段が用いられてもよい。
掘削機10は、上下方向Zに延伸された回転軸11aを有するモーター111が格納される本体部11と、回転軸11aに取り付けられる掘削翼12と、本体部11の上側に配置されるとともに、土砂を吸引する吸引装置80に接続される接続部13と、接続部13から下方に向けて延びる複数の吸引管14と、本体部11と複数の吸引管14とが固定される固定部15と、接続部13に取り付けられるフロート部16とを備える。
本体部11は、例えば、金属製のものが用いられ、円筒状に形成される。本体部11は、その内部にモーター111が格納されるものであれば、円筒状に限らず、角筒状等に形成されるものであってもよい。
モーター111は、回転軸11aを回転させるためのものであって、締切り仮設体1の外側に配置された台船6上の油圧ユニット70に油圧ホース71を介して接続されている。モーター111は、油圧ユニット70を起動することにより、例えば、1秒当たり2回転程度の速さで回転軸11aを回転させるものである。
掘削翼12は、土砂を掘削するものであって、例えば、金属材料で構成されて4枚の扇形状の刃を有する。掘削翼12は、回転軸11aの下端近傍に取り付けられ、中心から外縁に向かうにつれて下方に向けて傾斜して形成される。掘削翼12は、後述する保護部152よりも下方に突出される。なお、掘削翼12は、この形態に限定されず、回転軸の周囲にらせん状に配置されて形成されるものであってもよい。このときは、即ち、オーガスクリューのような形態となり、土砂を削孔するように掘削することが可能となる。かかる形態の場合、特に、締め固められた土砂であっても、掘削を行うことが可能となる。
接続部13は、上端側が吸引ホース81を介して吸引装置80に接続される。接続部13は、下方に向けて延びる複数の挿入管13aが放射状に8本配置される。接続部13は、上端にアイボルト等の吊治具131が取り付けられ、昇降装置7に接続される。
吸引管14は、例えば、蛇腹形状の樹脂製のホースが用いられ、礫等の所定の大きさの石を吸引できる程度の径(例えば、10cm程度)を有している。この吸引管14は、上端部に接続部13の挿入管13aを挿通させることにより、接続部13に接続される。吸引管14は、本体部11に対して左右対称となるように本体部11の周囲に配置される。また、吸引管14は、下端部14aが掘削翼12より上方に配置されることとなる。なお、吸引管14の材質は、吸引装置80により発生させた負圧に耐えることができる程度の剛性と、水密性を有していれば、樹脂製に限定されない。
固定部15は、複数の吸引管14がそれぞれ連結される連結板151と、連結板151の下面側に連結される保護部152とを有する。
連結板151は、金属製の板材が用いられ、平面視円形状に形成される。連結板151は、図示しないボルト等により本体部11に固定される。連結板151は、上面側に上方に向けて延びる複数の挿入管151aを有し、この挿入管151aを吸引管14の下端部14aに挿入することで、複数の吸引管14がそれぞれ連結される。
保護部152は、鋼棒同士をそれぞれ組み合わせて溶接固定することにより格子状に形成され、下方に掘削翼12が配置される。保護部152は、掘削翼12の回転軸11aの周囲を囲うように設けられ、回転軸11aが保護される。保護部152は、掘削翼12の径よりも径大に形成される。
なお、この保護部152は、省略されてもよく、このとき、掘削翼12は、吸引管14の下端部14aよりも下方に突出されるものとなる。保護部152が省略される場合であっても、掘削機10は、下端に掘削翼12が配置されることにより、掘削翼12を水中の土砂に接触させた上で掘削翼12により土砂を掘削できる。
フロート部16は、例えば、サニーホース等の中空状に形成されるものであって、内部に空気等の気体を充填可能なものが用いられる。フロート部16は、平面視で円環状に形成される。フロート部16は、注入ホース61を介して気体注入装置60に接続されて内部に気体を注入する注入口16aと、注入口16aから注入された気体を排出する排出口16bとを有する。注入口16aと排出口16bとは、それぞれバルブが用いられ、バルブの開閉操作によりフロート部16の内部の気体の量を調整可能となる。なお、気体注入装置60は、例えば、空気を注入するコンプレッサー等が用いられ、台船6上に設けられる。
フロート部16は、接続部13の周囲に取り付けられ、本体部11よりも上方に配置される。なお、フロート部16は、接続部13の周囲に取り付けられるものに限らず、本体部11、接続部13又は吸引管14の少なくとも何れか一つに取り付けられるものであってもよい。つまり、フロート部16は、内部に気体を注入することにより、水中の掘削機10に浮力を作用させる機能を有するものである。
次に、本発明の実施の形態に係る水中土砂の掘削方法について説明する。なお、既設水中構造物等は、前述で説明したのと同様であり、同一の構成は同一符号を付し、説明を省略する。
本発明を適用した土砂の掘削方法では、締切り仮設体1の内側に掘削機10を設置する掘削機設置工程を行う。この掘削機設置工程では、掘削機10を吊治具131を介して昇降装置7に吊下げる。また、掘削機設置工程では、掘削機10の接続部13に吸引ホース81を介して吸引装置80を接続し、掘削機10のモーター111に油圧ホース71を介して油圧ユニット70を接続し、掘削機10の注入口16aに注入ホース61を介して気体注入装置60を接続する。
次に、本発明を適用した水中土砂の掘削方法では、昇降装置7に吊下げられた掘削機10を締切り仮設体1の内側に降下する降下工程を行う。降下工程では、図4に示すように掘削機10がガイドブラケット8’の間を通るように降下する。この降下工程では、掘削翼12が土砂の天端に到達するまで掘削機10を降下する。
次に、本発明を適用した水中土砂の掘削方法では、図5に示すように、降下工程で降下した掘削機10の掘削翼12を締切り仮設体1の内側の土砂に接触させた上で、本体部11に格納されたモーター111を駆動することにより掘削翼12を回転させて土砂を掘削するとともに、掘削した土砂を吸引管14から吸引する掘削吸引工程を行う。この掘削吸引工程では、締切り仮設体1を構成する締切り部材2を1ロット圧入できる程度の深さ分の土砂を掘削する。なお、複数の吸引管14に吸引された土砂は、それぞれ接続部13の内部を通って吸引ホース81にまで到達し、吸引装置80に吸引される。
この掘削吸引工程によれば、掘削翼12が保護部152よりも下方に突出されることにより、掘削翼12が直接土砂に接触することになるため、掘削翼12が効率良く水中の土砂を掘削することが可能となる。特に、水中の土砂が締め固められている場合や、水中の土砂に所定の大きさを持つ礫等、即ち、吸引管14よりも大きな径を持つ礫等の土砂が含まれる場合であっても、吸引管14から吸引することが可能となる。
この掘削吸引工程によれば、本体部11の上側に配置された接続部13の吊治具131が昇降装置7により吊下げられ、また接続部13の上端部が吸引ホース81に接続されることにより、土砂の掘削や吸引に際して掘削機10の鉛直性が確保されるため、掘削機10が傾いたり、転倒するのを防止することが可能となる。このため、この掘削吸引工程によれば、所定の深さ、つまり締切り部材2を1ロット圧入できる程度の深さに到達するまで、掘削機10の鉛直性を調整することなく、掘削機10を略鉛直下方に向けて掘進させることが可能となる。
次に、本発明を適用した水中土砂の掘削方法では、掘削吸引工程で土砂の掘削に用いた掘削機10を締切り仮設体1の内側で移動する掘削機移動工程を行う。
この掘削機移動工程では、図6に示すように、フロート部16の内部に空気を注入することによりフロート部16を膨張させる。この掘削機移動工程によれば、昇降装置7に吊下げられた掘削機10に浮力が作用することにより、昇降装置7が負担する荷重が減少するため、掘削機10を容易に浮上させることが可能となる。特に、フロート部16を膨張させることによって得られる浮力を掘削機10の重量よりも大きくすることにより、昇降装置7が負担する掘削機10の荷重を無くし、浮力によって掘削機10を締切り仮設体1の内側の水位まで浮上させることが可能となる。その結果、昇降装置7により掘削機10を巻き上げる作業を省略し、掘削機10の浮上をより短時間で行うことが可能となる。なお、フロート部16を膨張させることによって得られる浮力が掘削機10の重量よりも小さい場合であっても、昇降装置7に負担させる荷重が減少することで、より安全に掘削機10を浮上させることが可能となる。
掘削機移動工程によれば、フロート部16が本体部11よりも上側に配置される接続部13に取り付けられることによって、フロート部16が掘削機10の重心よりも上側に配置されるため、掘削機10を水面に浮かべたとき、安定した状態を保つことが可能となる。
そして、掘削機移動工程では、掘削機10を所定量、即ち、水面まで浮上させた後、掘削機10を水面に浮かべた状態で水平方向(X方向又はY方向)に向けて移動し、掘削位置を変更する。
そして、掘削機移動工程では、排出口16bを開放することにより、フロート部16の内部の気体(空気)を排出する。これにより、フロート部16を収縮させて、掘削機10に作用する浮力を減少させ、昇降装置7に接続された掘削機10を略鉛直下方に向けて降下させる。このとき、掘削機10の掘削翼12を水中の土砂に接触させるまで、掘削機10を降下させる。これにより、昇降装置7により掘削機10を巻き下げる作業を省略し、掘削機10の降下作業をより短時間で行うことが可能となる。
その後、掘削吸引工程と、掘削機移動工程と、を締切り仮設体1の内側で繰り返す。
なお、掘削機移動工程では、掘削機10が昇降装置7に吊下げられていることから、掘削機10を水平方向(X方向又はY方向)に向けて移動するとき、掘削機10がガイドブラケット8’に干渉する場合がある。かかる場合には、図7に示すように、昇降装置7を用いて一度掘削機10をガイドブラケット8’の上方を通過できる高さにまで上昇させた上で、水平方向に向けて移動し、掘削機10を降下する。
なお、掘削機移動工程では、掘削機10を締切り仮設体1の内側の水面まで浮上させるのではなく、フロート部16の内部に気体を注入して所定量浮上させた後、即ち、掘削吸引工程で掘削した深さ分だけ掘削機10を浮上させた後、掘削機10を水中に沈めた状態で水平方向(X方向又はY方向)に向けて移動し、掘削位置を変更してもよい。このとき、掘削機10は昇降装置7に一部荷重が負担させた状態で吊下げられ、締切り仮設体1の内側を移動することとなる。
締切り仮設体1の内側の全てにおいて、所定の深さ分だけ水中の土砂の掘削と吸引とを終えた後、圧入ジャッキ4により締切り仮設体1を下方に向けて圧入する。圧入により空いた上方のスペースを利用して締切り仮設体1の次の段を組み立てた上で、再度掘削吸引工程と、掘削機移動工程と、を締切り仮設体1の内側で繰り返し、締切り仮設体1の下端が橋脚PのフーチングFの天端まで到達するまで、必要段(ロット)繰り返す。
本発明を適用した土砂の掘削方法によれば、掘削機10を用いることによって、大掛かりなグラブバケット等を用いることなく、空頭制限がある狭隘な空間の土砂を掘削することが可能となる。
本発明を適用した土砂の掘削方法によれば、掘削翼12を水中の土砂に接触させた上で掘削翼12により土砂を掘削するため、締め固められた土砂であっても掘削を行うことが可能となるため、狭隘な領域内の土砂を効率良く掘削することが可能となる。特に、従来の締切り仮設体の内側の土砂の掘削方法とは異なり、潜水士を締切り仮設体の内側に潜水させることなく、土砂の掘削と吸引とを行うことが可能となる。また、所定の大きさを有する礫等を水中から除去するために、潜水士を締切り仮設体1の内側に潜水させる作業を省略することが可能となり、安全に掘削することが可能となる。
本発明を適用した土砂の掘削方法によれば、掘削機10の鉛直性が確保されるため、土砂を掘削したときに、一度水中の土砂の天端に設置した掘削機10の位置を再度調整する手間を省略することが可能となり、所定の深さに到達するまで略鉛直下方に向けて掘削機10を掘進させることが可能となる。つまり、掘削機10が土砂を掘削する際や、土砂を吸引する際に、水中で傾斜や転倒することなく、土砂の掘削と吸引を行うことが可能となる。このため、本発明を適用した土砂の掘削方法によれば、狭隘な領域内の土砂を効率良く掘削することが可能となる。
本発明を適用した土砂の掘削方法によれば、接続部13に取り付けられたフロート部16の内部に気体を注入し、掘削機10を所定量浮上させた後、掘削位置を変更し、フロート部16の内部の気体を排出することにより、昇降装置7による掘削機10の浮上作業と降下作業を短時間で行うことが可能となる。特に、本発明を適用した土砂の掘削方法によれば、掘削機移動工程を繰り返し行うため、掘削機の浮上と降下に伴う時間を短縮させることは狭隘な領域内の土砂を掘削する上で、その作業の効率化に大きく寄与する。また、掘削機10に浮力が作用することにより、昇降装置7に作用する掘削機10の荷重が減少するため、掘削機10を安全に締切り仮設体1の内側で移動することが可能となる。
また、本発明を適用した土砂の掘削機10は、掘削翼12が保護部152よりも下方に突出されることにより、掘削翼12を水中の土砂に接触させた上で掘削翼12により土砂を掘削できるため、締め固められた土砂であっても掘削を行うことが可能となる。
掘削機10は、接続部13に取り付けられるとともに、内部に気体が注入されるフロート部16を備えることにより、フロート部16に気体を注入して膨張させたとき、昇降装置7に吊下げられた掘削機10に浮力が作用することとなり、昇降装置7が負担する荷重が減少する。その結果、掘削機10の浮上作業と降下作業をより短時間で行うことが可能となる。
掘削機10は、回転軸11aが保護部152に囲われることにより、締切り仮設体1の内側で水平方向(X方向又はY方向)に移動させたとき、回転軸11aが締切り仮設体1、ガイドブラケット8’、下部ガイドブラケット9等に衝突するのを防止することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :締切り仮設体
2 :締切り部材
3 :反力ブラケット
4 :圧入ジャッキ
6 :台船
7 :昇降装置
8’ :ガイドブラケット
8a’ :ローラ部材
9 :下部ガイドブラケット
9a :ローラ部材
10 :掘削機
11 :本体部
11a :回転軸
12 :掘削翼
13 :接続部
13a :挿入管
14 :吸引管
14a :下端部
15 :固定部
16 :フロート部
16a :注入口
16b :排出口
60 :気体注入装置
61 :注入ホース
70 :油圧ユニット
71 :油圧ホース
80 :吸引装置
81 :吸引ホース
111 :モーター
131 :吊治具
151 :連結板
151a :挿入管
152 :保護部
F :フーチング
P :橋脚
P1 :柱部
P2 :梁部
X :橋軸方向
Y :幅方向
Z :上下方向

Claims (5)

  1. 既設水中構造物の周りに設けられる締切り仮設体の内側の水中に堆積した土砂を掘削する土砂の掘削方法であって、
    上下方向に延伸された回転軸を有するモーターが格納される本体部と、前記回転軸に取り付けられる掘削翼と、前記本体部の上側に配置されるとともに、土砂を吸引する吸引装置に接続される接続部と、前記接続部から下方に向けて延びる吸引管とを備える掘削機の前記掘削翼を前記締切り仮設体の内側の土砂に接触させた上で前記掘削翼により土砂を掘削するとともに、掘削した土砂を前記吸引管から吸引する掘削吸引工程を備えること
    を特徴とする土砂の掘削方法。
  2. 前記掘削吸引工程で土砂の掘削に用いた前記掘削機を前記締切り仮設体の内側で移動する掘削機移動工程を更に備え、
    前記掘削機移動工程では、前記本体部、前記接続部及び前記吸引管の少なくとも何れかに取り付けられたフロート部の内部に気体を注入し、前記掘削機を所定量浮上させた後、掘削位置を変更し、前記フロート部の内部の気体を排出すること
    を特徴とする請求項1記載の土砂の掘削方法。
  3. 既設水中構造物の周りに設けられる締切り仮設体の内側の水中に堆積した土砂を掘削する掘削機であって、
    上下方向に延伸された回転軸を有するモーターが格納される本体部と、
    前記回転軸に取り付けられる掘削翼と、
    前記本体部の上側に配置されるとともに、土砂を吸引する吸引装置に接続される接続部と、
    前記接続部から下方に向けて延びる吸引管とを備え、
    前記掘削翼は、前記吸引管の下端部よりも下方に突出されること
    を特徴とする掘削機。
  4. 前記本体部、前記接続部及び前記吸引管の少なくとも何れかに取り付けられるフロート部を備え、
    前記フロート部は、内部に気体を注入する注入口と、前記注入口から注入された気体を排出する排出口とを有すること
    を特徴とする請求項3記載の掘削機。
  5. 前記本体部及び前記吸引管が固定される固定部を更に備え、
    前記固定部は、前記回転軸の周囲を囲う保護部を有し、
    前記掘削翼は、前記保護部よりも下方に突出されること
    を特徴とする請求項3又は4記載の掘削機。
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