JP6792240B2 - 鋼管杭の自沈防止装置、自沈防止構造及び自沈防止工法 - Google Patents

鋼管杭の自沈防止装置、自沈防止構造及び自沈防止工法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止装置、自沈防止構造及び自沈防止工法に関する。
従来から、陸上施工において、鋼管杭を構築する際の施工性を向上することを目的として、例えば、特許文献1〜3に開示された鋼管コンクリート構真柱の構築方法等が提案されている。また、海上施工において、鋼管杭等を構築する際の施工性を向上することを目的として、例えば、特許文献4、5に開示されたウエル形成用鋼管矢板集合体等が提案されている。
特許文献1に開示された鋼管コンクリート構真柱の構築方法は、下部に場所打ち鉄筋コンクリート基礎杭のコンクリートを打設した杭孔にガイドパイプを垂直に吊込み、該ガイドパイプ内に底板を付けた中空鋼管柱を挿入し、該中空鋼管柱にコンクリートを投入しながらガイドパイプ内に中空鋼管柱を降下し、最後にコンクリートを充填した中空鋼管柱の自重によって該鋼管柱の下端を未硬化の前記基礎杭コンクリート内に沈下させ、基礎杭コンクリートと中空鋼管柱の充填コンクリートの安定化後、ガイドパイプ等を撤去し、コンクリート充填中空鋼管柱の外周杭孔内に杭孔掘削時排出した掘削土で作ったソイルモルタルを充填して鋼管コンクリート構真柱を構築する。
特許文献2に開示された杭を柱に利用した建築構造物に於ける杭の鉛直建て入れ方法及び該方法に用いる治具は、掘削孔口の周りにベースフレームを組む。該ベースフレーム上に4個の分割片に分割された杭支持及び固定板を載置する。各分割片は半径方向に摺動することができ、これにより杭支持及び固定板の中央の杭貫通口が拡縮する。また、前記ベースフレームの4個の主フレーム上に夫々立フレームを立設する。該立フレームの上端にはアームが横設され、該アームの先端が杭に可及的に近接することにより、杭支持部を形成している。更に、各アームの下面に杭押し装置を配設する。
特許文献3に開示された鋼管構真柱建込み工法は、基礎杭上に載置するベースプレートを底壁とする有底鋼管柱の内部に、この有底鋼管柱と同等乃至ほぼ同等の長さのスリーブ管を前記ベースプレートの適所から水密に立設させるとともに、このスリーブ管の下端をそのベースプレートに穿設した透孔により開口させてCFT用鋼管柱を構成し、このCFT用鋼管柱を安定液が注入されている杭孔内に建て込んだ後、そのスリーブ管を通じて杭孔内の下部に杭コンクリートを打設し、次いで、前記CFT用鋼管柱内及び前記スリーブ管中の空間にCFT充填コンクリートを打設する。
特許文献4に開示されたウエル形成用鋼管矢板集合体及びその設置方法は、施工場所以外で複数の鋼管矢板を閉合して鋼管矢板集合体を作り、この鋼管矢板集合体を浮体とし水上を施工場所に移動し、上記鋼管矢板集合体を所定区域の水底地盤上に沈設し、必要に応じて沈設された鋼管矢板集合体の鉛直精度を調節し、上記鋼管矢板集合体の鋼管矢板を一本ずつ上記地盤内に打ち込む。
特許文献5に開示された杭式海洋構造物の施工方法及び杭式海洋構造物は、海洋構造物は躯体の四隅に形成したレグウェルにスパッドを嵌挿させ、その間に複数の杭打設用孔を形成する。杭打設用孔の底部をダイアフラムで封止する。海洋構造物の施工方法では、スパッドを嵌挿させたレグウェルと杭打設用孔とを備えた躯体を海上の所定位置に曳航して海上に支持する工程と、スパッドを躯体に対して昇降ジャッキによって降下させて海底に打設することで躯体を海面より上方の波浪の影響を受けない高さ位置に上昇させる工程と、この位置で躯体内の容器にバラスト水を注入して躯体の重量を増大させる工程と、躯体に設けた杭打設用孔を通して杭をスパッドより深く海底に打設して杭を躯体に固定する工程とを備える。
特開平4−281915号公報 特開平10−140564号公報 特開2004−162370号公報 特開2005−146671号公報 特開2013−204399号公報
ここで、鋼管杭を打設する方法として、鋼管杭の下端部周囲に流動性固化材(例えばセメントミルク)を固結させて根固めを設ける根固め式の施工方法がある。しかしながら、根固め式の施工方法を海上施工で用いた場合、流動性固化材が固結するまで(例えば、1日〜2日程度)の間、鋼管杭の自沈を防ぐ必要がある。この自沈防止の対策として、導杭及び導枠を仮設材に用いて鋼管杭を固定する方法が挙げられるが、この方法では、導杭を海底地盤に打設し、導杭の海上から突出している部分に導枠を水平方向に溶接やボルト接合で取り付け、鋼管杭の根固め部の流動性固化材が固結したのち、導枠及び導杭を撤去する工程が生じる。また、鋼管杭が大径・長尺になるほど鋼管杭の自重が大きくなるので、導枠及び導杭も大型化したり、1本の導杭で支えられる鋼管杭の本数を減らしたりする必要がある。このような導杭及び導枠に関する工程は、鋼管杭の打設に関する施工を含む海上施工全体の施工期間の長期化を招くため、材料コストと施工費から成る材工費の増加が課題となっている。
そして、特許文献1〜3に開示された方法は、陸上における施工に関する技術の開示であり、陸上施工に比べて作業が難しい海上施工における鋼管杭の自沈防止について開示されていない。特許文献4、5に開示された方法は、鋼管矢板集合体又は杭を海底に直接打設しており、根固め式の施工方法における鋼管杭の自沈について開示されていない。また、特許文献4、5に開示された方法では、大組枠支持杭又はスパッドを海底に打設するため、仮に鋼管杭の自沈防止策として用いた場合、上述した内容と同様に施工期間の長期化、材工費の増加が課題となる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現させることのできる鋼管杭の自沈防止装置、自沈防止構造及び自沈防止工法を提供することにある。
第1発明に係る鋼管杭の自沈防止装置は、鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止装置であって、海水に浮かび、鋼管杭と連結される浮体部を備え、前記浮体部は、海底地盤内に流動性固化材を充填した根固め部の中に設けられた前記鋼管杭の下端部を、前記根固め部の底面部から離間した状態で、連結される前記鋼管杭に浮力を伝達して、前記鋼管杭の位置を保持するものであることを特徴とする。
第2発明に係る鋼管杭の自沈防止装置は、第1発明において、前記浮体部及び海底地盤内に打設されたアンカーと連結される1本又は複数の拘束材をさらに備え、前記拘束材は、連結される前記浮体部に前記浮力によって発生する引張力を伝達して、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つものであることを特徴とする。
第3発明に係る鋼管杭の自沈防止装置は、第1発明又は第2発明において、前記浮体部は、気密性の高い空間と、前記空間の内部の流体を吸排する吸排部とを有し、前記吸排部は、前記空間の内部の前記流体を吸排して、前記浮体部の前記浮力を制御するものであることを特徴とする。
第4発明に係る鋼管杭の自沈防止装置は、第3発明において、前記浮体部の高さ方向の位置を測定するセンサ部をさらに備え、前記吸排部は、前記センサ部の測定した結果に基づき、前記空間の内部の前記流体を吸排して、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つものであることを特徴とする。
第5発明に係る鋼管杭の自沈防止装置は、第4発明において、前記センサ部は、前記浮体部に作用する水圧と前記海底地盤面での水圧とを測定する水圧計、及び前記浮体部の標高を測定する位置情報装置の少なくとも何れかを有することを特徴とする。
第6発明に係る鋼管杭の自沈防止装置は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記浮体部と前記鋼管杭との間に設けられた緩衝材をさらに備え、前記緩衝材は、前記鋼管杭の横揺れを防ぐものであることを特徴とする。
第7発明に係る鋼管杭の自沈防止構造は、鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止構造であって、海水に浮かび、鋼管杭と連結される浮体部を有する鋼管杭の自沈防止装置と、海底地盤内に打設された導杭と、前記鋼管杭及び前記導杭と連結される導枠とを備え、前記浮体部は、連結される前記鋼管杭に浮力を伝達するものであり、前記浮体部及び前記導枠は、海底地盤内に流動性固化材を充填した根固め部の中に設けられた前記鋼管杭の下端部を、前記根固め部の底面部から離間した状態で、前記鋼管杭の位置を保持するものであることを特徴とする。
第8発明に係る鋼管杭の自沈防止工法は、鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止工法であって、鋼管杭の自沈防止装置を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程を備え、前記鋼管杭の自沈防止装置は、海水に浮かぶ浮体部を有し、前記杭打工程は、前記鋼管杭を前記浮体部と連結し、海底地盤内に流動性固化材を充填した根固め部の中に設けられた前記鋼管杭の下端部を、前記根固め部の底面部から離間した状態で、前記鋼管杭の位置を保持し、前記流動性固化材を固結させることを特徴とする。
第9発明に係る鋼管杭の自沈防止工法は、第8発明において、前記杭打工程は、前記浮体部及び海底地盤内に打設されたアンカーに拘束材を連結し、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つことを特徴とする。
第10発明に係る鋼管杭の自沈防止工法は、第8発明において、前記浮体部は、気密性の高い空間と、前記空間の内部の流体を吸排する吸排部と、を有し、前記杭打工程は、前記吸排部により前記空間の内部の前記流体を吸排して、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つことを特徴とする。
第11発明に係る鋼管杭の自沈防止工法は、第8発明において、前記杭打工程は、海底地盤内に打設された導杭及び前記鋼管杭に導枠を連結し、前記浮体部及び前記導枠で、前記鋼管杭の下端部を前記根固め部の底面部から離間した状態で、前記鋼管杭の位置を保持することを特徴とする。
第1発明〜第6発明によれば、浮体部と鋼管杭とを連結し、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持することで、鋼管杭を支える導枠及び導杭等の他の構成への負荷を軽減して根固めを設けることができ、他の構成を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
特に、第2発明によれば、浮体部及びアンカーに連結される1本又は複数の拘束材を備え、海底地盤面から浮体部までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭を支える他の構成を用いずに、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持することができるため、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
特に、第3発明〜第5発明によれば、吸排部が、空間の内部の流体を吸排して、海底地盤面から浮体部までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭を支える他の構成を用いずに、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持することができるため、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
特に、第6発明によれば、浮体部と鋼管杭との間に緩衝材を備えることで、波浪に伴う鋼管杭の横揺れを抑制できるため、海上の環境に対して影響を受け難い根固め式の鋼管杭の施工を実施することが可能である。
第7発明によれば、浮体部と鋼管杭とを連結し、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持することで、導杭及び導枠への負荷を軽減し、1本の導枠に連結できる鋼管杭の数を増やし、導杭及び導枠を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭の施工における導杭及び導枠の施工時間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
第8発明によれば、鋼管杭の自沈防止装置の有する浮体部を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程を備える。杭打工程では、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持して、流動性固化材を固結させることで、鋼管杭を支える他の構成への負荷を軽減して根固めを設けることができ、他の構成を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
特に、第9発明によれば、杭打工程では、アンカー及び浮体部に拘束材を連結し、海底地盤面から浮体部までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭を支える他の構成を用いずに、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持して、流動性固化材を固結させることができるため、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
特に、第10発明によれば、杭打工程では、吸排部により空間の内部の流体を吸排して、海底地盤面から浮体部までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭を支える他の構成を用いずに、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持して、流動性固化材を固結させることができるため、根固め式の鋼管杭の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
特に、第11発明によれば、杭打工程では、海底地盤内に打設された導杭及び鋼管杭に導枠を連結し、浮体部及び導枠で、鋼管杭の下端部を根固め部の底面部から離間した状態で、鋼管杭の位置を保持して、流動性固化材を固結させることで、導杭及び導枠の負荷を軽減し、1本の導枠に連結できる鋼管杭の数を増やし、導杭及び導枠を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭の施工における導杭及び導枠の施工時間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態における連結治具として用いられたワイヤを示す平面図であり、(b)は、その連結治具として用いられたワイヤを拡大して示す部分拡大断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態における連結治具として用いられたボルト及びナットを示す平面図であり、(b)は、その連結治具として用いられたボルト及びナットを拡大して示す部分拡大断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態における緩衝材として用いられたダンパを示す平面図であり、(b)は、その緩衝材として用いられたダンパを拡大して示す部分拡大断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態における緩衝材として用いられた防振ゴムを示す平面図であり、(b)は、その緩衝材として用いられた防振ゴムを拡大して示す部分拡大断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態における拘束材として用いられたワイヤを示す平面図であり、(b)は、その拘束材として用いられたワイヤを拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第1実施形態における各構成に作用する力を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法の第1実施形態における鋼管杭の自沈防止装置を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程の前半を示す正面図である。 (a)及び(b)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法の第1実施形態における鋼管杭の自沈防止装置を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程の後半を示す正面図であり、(c)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法の第1実施形態における鋼管杭の自沈防止装置を撤去する撤去工程を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置の第2実施形態を示す正面図である。 本発明を適用したセンサ部を備える鋼管杭の自沈防止装置の第2実施形態を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法の第2実施形態における鋼管杭の自沈防止装置を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程の前半を示す正面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法の第2実施形態における鋼管杭の自沈防止装置を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程の後半を示す正面図であり、(b)は、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法の第2実施形態における鋼管杭の自沈防止装置を撤去する撤去工程を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法における鋼管杭の自沈防止構造を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程の前半を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法における鋼管杭の自沈防止構造を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程の後半を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法における鋼管杭の自沈防止構造を撤去する撤去工程を示す正面図である。
以下、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1を実施するための第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、図1に示すように、主に海上で施工する根固め式の鋼管杭8の自沈を防止するものとして用いられる。
鋼管杭8は、主にスパイラル鋼管(例えば外径400mm以上1600mm以下程度)が用いられる。鋼管杭8は、例えば、孔開き鋼板等の接続部8aを有し、接続部8aを用いてワイヤ等の連結治具3と連結される。接続部8aは鋼管杭8の外周に溶接等で取り付けられる。接続部8aは、例えば、3本以上の複数設けられる。複数の接続部8aは、例えば、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられる。なお、複数の接続部8aは、同一円周上に等間隔で設けられるものに限定されない。
鋼管杭8は、主に、港湾工事で桟橋基礎等に適用され、複数設けられる。鋼管杭8は、高さ方向Zに延び、海底地盤9内に下端部8uが打設される。鋼管杭8の下端部8uは、海底地盤9内の根固め部81の中に設けられる。鋼管杭8は、根固め部81の底面部81uから離間した状態で下端部8uが設けられることで、下端部8uから鋼管杭8の荷重が分散され、支持力が得られる。
鋼管杭8の施工において、鋼管杭8は、下端部8u周辺の根固め部81に流動性固化材(例えばセメントミルク)を充填し固結することで、根固めが設けられる。このとき、鋼管杭8は、流動性固化材が固結する前に、主に自重による自沈により、底面部81uと接する海底地盤9に下端部8uが位置する場合があり、この場合には、下端部8uに接する海底地盤9に局所的に大きな力が作用し、海底地盤9が破壊され、十分な支持力が得られないことが起こり得る。このため、鋼管杭8は、流動性固化材が固結していない状態において、自重による自沈を防止し、下端部8uを底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持し、下端部8uの荷重を根固め部81内に分散させる必要がある。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、海水に浮かび、鋼管杭8と連結される浮体部2を備える。
浮体部2は、主に鋼鉄製の容器が用いられ、空気や海水等の流体を内部に長時間保持できる気密性の高い空間20sを有する。浮体部2は、鋼鉄製の材料の他、例えば、樹脂製の材料が用いられてもよい。
浮体部2は、例えば、鋼管杭8の外周を囲む筒状の容器が用いられ、鋼管杭8の外径よりも一回り大きい中空部20が形成される。浮体部2は、主に、外径1600mm、板厚22mm、全長20m程度の鋼管杭8に対して、外径2500mm、厚み150mm、全長15m程度の筒状である。浮体部2の形状は、筒状の他、例えば、球状等の立体でもよい。
浮体部2は、例えば、孔開き鋼板等の第1接続部2aと第2接続部2bとを有し、第1接続部2a及び第2接続部2bの少なくとも何れかにワイヤ等が連結されてもよい。浮体部2は、主に、第1接続部2aが容器の内側面に溶接等で取り付けられ、第2接続部2bが容器の外側面に溶接等で取り付けられる。第1接続部2aは、例えば、3本以上の複数設けられる。複数の第1接続部2aは、例えば、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられる。なお、複数の第1接続部2aは、同一円周上に等間隔で設けられるものに限定されない。第2接続部2bは、例えば、1本又は複数設けられ、より好ましくは、3本以上の複数設けられる。複数の第2接続部2bは、例えば、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられる。なお、複数の第2接続部2bは、同一円周上に等間隔で設けられるものに限定されない。
浮体部2は、例えば、空間20sの内部に流体を吸排する吸排部21を有する。吸排部21は、浮体部2の容器の表面に設けられる。吸排部21は、空間20sの内部の流体、例えば海水を吸排することで、浮体部2の浮力を制御する。吸排部21は、空間20sの内部と外部とをつなぐ吸排口を有する他、例えば、空間20sの内部の流体を吸排するポンプ等を有してもよく、自動で空間20sの内部の流体を吸排する制御回路等を有してもよい。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、1本の鋼管杭8に対して1つの浮体部2が連結される他、例えば、1本の鋼管杭8に対して複数の浮体部2が連結されてもよい。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、1本の鋼管杭8に対して複数の浮体部2が用いられる場合、例えば、各浮体部2が同一の形状でもよく、それぞれ異なる形状でもよい。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、図2に示すように、ワイヤ等の連結治具3により浮体部2が鋼管杭8と連結される。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、浮体部2の第1接続部2aが、鋼管杭8の接続部8aよりも高さ方向Zの上方に設けられる。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、連結治具3に引張力が作用するように、第1接続部2a及び接続部8aが連結治具3で連結される。このとき、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。
連結治具3は、図2(a)では4本設けられているが、3本以上の複数設けられてもよい。複数の連結治具3は、例えば、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられる。なお、複数の連結治具3は、同一円周上に等間隔で設けられるものに限定されない。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、連結治具3としてワイヤが用いられる他、例えば図3に示すように、連結治具3としてボルト及びナットが用いられてもよい。この場合、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、第1接続部2a及び接続部8aが、高さ方向Zに沿って互いに略同一の位置で、かつボルトの締結が可能な上端や下端に設けられ、第1方向X又は第2方向Yに沿って互いに隣接する。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、ナットに螺設されたボルトにより、第1接続部2aが接続部8aと連結され、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば図4に示すように、ダンパ等の緩衝材5を備える。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、第1接続部2a及び接続部8aが、高さ方向Zに沿って互いに略同一の位置に設けられ、第1方向X又は第2方向Yに沿って互いに対向する。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、緩衝材5が、互いに対向する第1接続部2a及び接続部8aに、ボルト等を用いて連結される。このとき、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、緩衝材5が、浮体部2から与えられた力に応じて長さが変動(図4(b)の矢印方向)し、鋼管杭8の横揺れを防ぐ。
緩衝材5は、図4(a)では4本設けられているが、3本以上の複数設けられてもよい。複数の緩衝材5は、例えば、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられる。なお、複数の緩衝材5は、同一円周上に等間隔で設けられるものに限定されない。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、緩衝材5としてダンパが用いられる他、例えば図5に示すように、緩衝材5として防振ゴム等を用いてもよい。この場合、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、緩衝材5が、浮体部2の内側面及び鋼管杭8の外周に、図示しないボルト等を用いて連結される。このとき、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、緩衝材5が、浮体部2から与えられた力に応じてせん断変形(図5(a)の矢印方向)し、鋼管杭8の横揺れを防ぐ。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、連結治具3及び緩衝材5の少なくとも何れかが設けられる他、例えば、連結治具3及び緩衝材5を設けずに、鋼管杭8と連結されてもよい。この場合、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、体積を膨張させた浮体部2が、鋼管杭8と密着して連結されてもよい。このとき、浮体部2の浮力が摩擦力等によって鋼管杭8に伝達される状態となる。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば図6に示すように、ワイヤ等の拘束材4を備える。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、拘束材4が、浮体部2の第2接続部2b、及び海底地盤9内に打設されたアンカー41と連結される。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、拘束材4に引張力が作用するように、第2接続部2b及びアンカー41が拘束材4で連結される。このとき、拘束材4の引張力が浮体部2に伝達される状態となり、海底地盤9面から浮体部2までの距離が略一定に保たれる。
拘束材4は、1本又は複数設けられ、より好ましくは、3本以上の複数設けられる。複数の拘束材4は、例えば、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられる。なお、複数の拘束材4は、同一円周上に等間隔で設けられるものに限定されない。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、図7に示すように、鋼管杭8には、沈む方向に自重Gが作用し、浮かぶ方向に、連結される浮体部2から伝達される浮力Fが作用する。このとき、浮力Fが自重G以上のため、浮体部2を鋼管杭8に連結することで、鋼管杭8の自沈を防止することができる。
また、浮体部2には、浮かぶ方向に浮力Fが作用し、沈む方向に、連結される鋼管杭8から伝達される自重G、及び連結される拘束材4から、浮力Fによって発生した引張力Tが作用する。このとき、自重G及び引張力Tの合力が浮力Fと略等しいため、海底地盤9面から浮体部2までの距離が略一定に保たれ、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持することができる。
ここで、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、図8(a)〜図9(b)に示すように、鋼管杭の自沈防止装置1を取り付けて鋼管杭8を海底地盤9内に打ち込む杭打工程を備える。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、図9(c)に示すように、根固め部81の流動性固化材が固結したのち、必要に応じて鋼管杭の自沈防止装置1を撤去する撤去工程を備えてもよい。
杭打工程では、図8(a)に示すように、浮体部2を鋼管杭8の打設予定位置の上方に浮かばせ、アンカー41が鋼管杭8の打設予定位置の周辺に打設される。杭打工程では、複数のアンカー41を打設する場合、例えば、鋼管杭8の打設予定位置の高さ方向Zを中心として、同一円周上に等間隔で複数のアンカー41を打設する。なお、杭打工程では、複数のアンカー41を、同一円周上に等間隔で打設するものに限定されない。なお、最初にアンカー41を鋼管杭8の打設予定位置の周辺に打設し、浮体部2を海上に浮かべても良い。
杭打工程では、次に、図8(b)に示すように、図示しないバイブロハンマ等を用いて、鋼管杭8を、中空部20に挿通し、海底地盤9内に打設する。杭打工程では、水又は流動性固化材を噴射する複数のノズル等を、予め鋼管杭8の下端部8u側の周方向に所定の間隔で取り付けておく。このノズルから水を噴射して鋼管杭8を打設、その後、海底地盤9内に打設された鋼管杭8の下端部8uの周辺に、流動性固化材を充填した根固め部81が設けられる。杭打工程では、バイブロハンマ等を吊っている海上クレーン等で鋼管杭8を支えて、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持する。なお、鋼管杭8の打設において水ではなく流動性固化材を噴射してもよいし、水や流動性固化材は噴射せずにバイブロハンマ等のみで打設してもよい。
杭打工程では、例えば、バイブロハンマ等を用いる他、例えば、鋼管杭8内に挿入した図示しない掘削ロッドを用いて、鋼管杭8を海底地盤9内に打設したあと、鋼管杭8の下端部8uの周辺に流動性固化材を充填した根固め部81を設けてもよい。
杭打工程では、次に、図9(a)に示すように、ワイヤ等の連結治具3を用いて、浮体部2と鋼管杭8とを連結する。杭打工程では、浮体部2の第1接続部2a及び鋼管杭8の接続部8aに、潜水士等が海中で連結治具3を取り付ける。
杭打工程では、第1接続部2a及び接続部8aに連結治具3を取り付ける前に、例えば吸排部21により浮体部2の空間20sの内部に海水を給水する等を行い、浮体部2を沈ませる。そして、杭打工程では、第1接続部2a及び接続部8aに連結治具3を取り付けたあとに、例えば吸排部21により空間20sの内部の海水を排水する等を行い、浮体部2を浮上させる(図9(a)の矢印方向)。杭打工程では、浮体部2を浮上させると、連結治具3に引張力が作用するように、第1接続部2a及び接続部8aが連結治具3で連結される。このとき、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。
杭打工程では、連結治具3に引張力を作用させるとき、吸排部21により空間20sの内部に海水を吸排し、浮体部2の浮力を制御する他、例えば、吸排部21により空間20sの内部に空気を吸排し、浮体部2の浮力を制御してもよく、例えば、浮体部2を意図的に海中に押し込んだあと、連結治具3を取り付け、浮体部2の押し込みを終了して、連結治具3に引張力が作用するようにしてもよい。
杭打工程では、連結治具3を用いて浮体部2と鋼管杭8とを連結する他、例えば図4及び図5に示す緩衝材5を用いて、浮体部2と鋼管杭8とを連結してもよい。
杭打工程では、次に、図9(b)に示すように、浮体部2及びアンカー41にワイヤ等の拘束材4を連結する。杭打工程では、浮体部2の第2接続部2b及びアンカー41に、潜水士等が海中で拘束材4を取り付ける。
杭打工程では、第2接続部2b及びアンカー41に拘束材4を取り付けたあとに、例えば吸排部21により空間20sの内部の海水を排水する等を行い、浮体部2を浮上させる(図9(b)の矢印方向)。杭打工程では、浮体部2を浮上させると、拘束材4に引張力が作用するように、浮体部2及びアンカー41が拘束材4で連結される。このとき、拘束材4の引張力が浮体部2に伝達される状態となる。
杭打工程では、浮体部2及びアンカー41に拘束材4を連結したあと、海上クレーン等で吊っているバイブロハンマ等から鋼管杭8を取り外す。このとき、杭打工程では、拘束材4の引張力が浮体部2に伝達されることで、海底地盤9面から浮体部2までの距離が略一定に保たれ、浮体部2の必要以上の浮き上がりを防止し、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置が保持される。この状態で根固め部81に充填された流動性固化材を固結させる(例えば、1〜2日程度)。
なお、杭打工程では、アンカー41の打設及び浮体部2を海上に浮かばせたあと、鋼管杭8を打設する順番の他、例えば、鋼管杭8を打設したあと、アンカー41の打設及び浮体部2を海上に浮かばせる順番で行ってもよい。
撤去工程は、杭打工程を行ったあと、必要に応じて行われる。撤去工程では、図9(c)に示すように、根固め部81の流動性固化材を固結させたあと、鋼管杭の自沈防止装置1を撤去する。撤去工程では、拘束材4及び連結治具3に引張力が作用しないように、浮体部2の空間20sの内部の海水を調整し、潜水士等が、第2接続部2b及びアンカー41に連結された拘束材4を取り外して回収し、海底地盤9内に打設されたアンカー41を引き抜いて回収する。撤去工程では、潜水士等が、第1接続部2a及び接続部8aに連結された連結治具3を取り外して回収する。
撤去工程では、拘束材4及びアンカー41を回収したあと、連結治具3を回収する順番の他、例えば、連結治具3を回収したあと、拘束材4及びアンカー41を回収する順番で行ってもよい。
撤去工程では、拘束材4及び連結治具3を取り外したあと、浮体部2を回収することで、鋼管杭8の施工が完了する。このとき、根固め部81の中に、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で設けられる。撤去工程で回収した浮体部2、連結治具3、及び拘束材4は、例えば、別の杭打工程に再利用されてもよい。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、浮体部2及びアンカー41に連結される1本又は複数の拘束材4を備え、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭8を支える他の構成を用いずに、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持することができるため、根固め式の鋼管杭8の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、特に、3本以上の複数の拘束材4を備え、鋼管杭8の軸方向を中心として、同一円周上に等間隔で設けられることで、波浪等に伴う鋼管杭8の横揺れの力が各拘束材4へ均等に伝達されるため、海上の環境に対して影響を受け難い根固め式の鋼管杭8の施工を実施することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、浮体部2と鋼管杭8との間に緩衝材5を備えることで、波浪に伴う鋼管杭8の横揺れを抑制できるため、海上の環境に対して影響を受け難い根固め式の鋼管杭8の施工を実施することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、鋼管杭の自沈防止装置1の有する浮体部2を取り付けて鋼管杭8を海底地盤9内に打ち込む杭打工程を備える。杭打工程では、アンカー41及び浮体部2に拘束材4を連結し、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭8を支える他の構成を用いずに、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持して、流動性固化材を固結させることができるため、根固め式の鋼管杭8の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、特に、根固め部81に充填された流動性固化材を固結したあと、鋼管杭の自沈防止装置1を撤去する撤去工程を実施することで、鋼管杭の自沈防止装置1を回収及び再利用できるため、材工費を削減することが可能である。
次に、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1を実施するための第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、図10に示すように、吸排部21が、海面よりも上に気体用吸排口21aと、液体用排出口21bとを有し、海面よりも下に液体用吸入口21cを有する。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、吸排部21が、気体用吸排口21a、液体用排出口21b、及び液体用吸入口21cを有する他、例えば、海面よりも上に気体用の吸排と液体用の排出とを共有する1つの吸排口、及び海面よりも下に液体用吸入口21cを有してもよい。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、潮位に応じて浮体部2の空間20sの内部から、吸排部21により流体を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つ。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、干潮(図10(a))から満潮(図10(b))にかけて海底地盤9面と海面との距離が大きくなるとき、液体用吸入口21cから空間20sの内部に海水91を吸入して、浮体部2を沈ませることで、海底地盤9面と浮体部2との距離を略一定に保つ。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、満潮から干潮にかけて海底地盤9面と海面との距離が小さくなるとき、液体用排出口21bから空間20sの内部の海水91を排出して、浮体部2を浮上させることで、海底地盤9面と浮体部2との距離を略一定に保つ。このため、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、空間20sの内部の海水91が、図10(a)に示す干潮時に最も少なく、図10(b)に示す満潮時に最も多い。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、浮体部2の高さ方向Zの位置を測定するセンサ部60を備える。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、吸排部21が、センサ部60の測定した結果に基づき、空間20sの内部の流体を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つ。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば図11(a)に示すように、センサ部60が水圧計を有する。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、水圧計が、海面よりも下における浮体部2に設けられた第1水圧計61aと、海底地盤9面に設けられた第2水圧計61bとを有する。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、第1水圧計61aが浮体部2に作用する水圧を測定し、第2水圧計61bが海底地盤9面での水圧を測定する。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、吸排部21が、各水圧計61a、61bの測定した結果の差分に基づいて、空間20sの内部の流体を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つ。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、各水圧計61a、61bの測定した結果の差分が一定の範囲内の場合に、吸排部21が海底地盤9面から浮体部2までの距離を一定と判断し、空間20sの内部に海水91の吸排を実施しない。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、各水圧計61a、61bの測定した結果の差分が一定の範囲を外れた場合に、吸排部21が、空間20sの内部に海水91を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つ。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば図11(b)に示すように、センサ部60が主に標高を測定するGPS(Global Positioning System)等の位置情報装置62を有する。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、位置情報装置62が、海面よりも上における浮体部2に設けられる。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、吸排部21が、位置情報装置62の観測した結果に基づいて、空間20sの内部の流体を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つ。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、位置情報装置62の測定した結果が一定の範囲内の場合に、吸排部21が海底地盤9面から浮体部2までの距離を一定と判断し、空間20sの内部に海水91の吸排を実施しない。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、例えば、位置情報装置62の測定した結果が一定の範囲を外れた場合に、吸排部21が、空間20sの内部に海水91を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を一定に保つ。
ここで、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、図12(a)〜図13(a)に示すように、鋼管杭の自沈防止装置1を取り付けて鋼管杭8を海底地盤9内に打ち込む杭打工程を備える。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、図13(b)に示すように、根固め部81の流動性固化材が固結したのち、必要に応じて鋼管杭の自沈防止装置1を撤去する撤去工程を備えてもよい。
杭打工程では、最初に、図12(a)に示すように、浮体部2を海上に浮かばせる。杭打工程では、浮体部2を鋼管杭8の打設予定位置の上方に浮かばせる。
杭打工程では、次に、図12(b)に示すように、図示しないバイブロハンマを等用いて、鋼管杭8を、中空部20に挿通し、海底地盤9内に打設する。杭打工程では、水又は流動性固化材を噴射する複数のノズル等を、予め鋼管杭8の下端部8u側の周方向に所定の間隔で取り付けておく。このノズルから水を噴射して鋼管杭8を打設、その後、海底地盤9内に打設された鋼管杭8の下端部8uの周辺に、流動性固化材を充填した根固め部81が設けられる。杭打工程では、バイブロハンマ等を吊っている海上クレーン等で鋼管杭8を支えて、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持する。
杭打工程では、次に、図13(a)に示すように、ワイヤ等の連結治具3を用いて、浮体部2と鋼管杭8とを連結する。杭打工程では、浮体部2の第1接続部2a及び鋼管杭8の接続部8aに、潜水士等が海中で連結治具3を取り付ける。
杭打工程では、第1接続部2a及び接続部8aに連結治具3を取り付ける前に、例えば液体用吸入口21cにより浮体部2の空間20sの内部に海水を給水する等を行い、浮体部2を沈ませる。そして、杭打工程では、第1接続部2a及び接続部8aに連結治具3を取り付けたあとに、例えば液体用排出口21bにより空間20sの内部の海水を排水する等を行い、浮体部2を浮上させる。杭打工程では、浮体部2を浮上させると、連結治具3に引張力が作用するように、第1接続部2a及び接続部8aが連結治具3で連結される。このとき、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。
杭打工程では、浮体部2及び鋼管杭8を連結したあと、海上クレーン等で吊っているバイブロハンマ等から鋼管杭8を取り外す。このとき、杭打工程では、潮位に応じて吸排部21により空間20sの内部の流体を吸排することで、海底地盤9面から浮体部2までの距離が略一定に保たれ、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置が保持される。この状態で根固め部81に充填された流動性固化材を固結させる。
なお、杭打工程では、浮体部2を海上に浮かばせたあと、鋼管杭8を打設する順番の他、例えば、鋼管杭8を打設したあと、浮体部2を海上に浮かばせる順番で行ってもよい。
撤去工程は、杭打工程を行ったあと、必要に応じて行われる。撤去工程では、図13(b)に示すように、根固め部81の流動性固化材を固結させたあと、鋼管杭の自沈防止装置1を撤去する。撤去工程では、連結治具3に引張力が作用しないように、浮体部2の空間20sの内部の海水を調整し、潜水士等が、第1接続部2a及び接続部8aに連結された連結治具3を取り外して回収する。
撤去工程では、連結治具3を取り外したあと、浮体部2を回収することで、鋼管杭8の施工が完了する。このとき、根固め部81の中に、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で設けられる。撤去工程で回収した浮体部2及び連結治具3は、例えば、別の杭打工程に再利用されてもよい。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、吸排部21が、空間20sの内部の流体を吸排し、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭8を支える他の構成を用いずに、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持することができるため、根固め式の鋼管杭8の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、鋼管杭の自沈防止装置1の有する浮体部2を取り付けて鋼管杭8を海底地盤9内に打ち込む杭打工程を備える。杭打工程では、吸排部21により空間20sの内部の流体を吸排して、海底地盤9面から浮体部2までの距離を略一定に保つことで、鋼管杭8を支える他の構成を用いずに、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持して、流動性固化材を固結させることができるため、根固め式の鋼管杭8の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、特に、根固め部81に充填された流動性固化材を固結したあと、鋼管杭の自沈防止装置1を撤去する撤去工程を実施することで、鋼管杭の自沈防止装置1を回収及び再利用できるため、材工費を削減することが可能である。
次に、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、図14に示すように、浮体部2を有する鋼管杭の自沈防止装置1と、海底地盤9内に打設された導杭71と、鋼管杭8及び導杭71と連結される導枠72とを備える。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、導杭71として、主に鋼管が用いられる。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、導杭71が、海上から高さ方向Zに延び、海底地盤9内に打設される。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、導杭71の下端部周辺には、流動性固化材を固結させた根固めが設けられず、鋼管杭8の施工後に導杭71が撤去される。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、導杭71が、例えば、連結される複数の鋼管杭8と一列に並ぶ。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、導枠72として、主にH形鋼が用いられる。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、導枠72が、導杭71に対して略垂直(海面と略平行)に延び、導杭71と連結される。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、例えば、導枠72が、3本以上の鋼管杭8を支える。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、浮体部2及び導枠72が鋼管杭8と連結され、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置が保持される。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、浮体部2が、鋼管杭8を支える導枠72への負荷を軽減する。このとき、浮体部2は、海底地盤9面と浮体部2との距離が略一定に保たれる他、例えば、海底地盤9面と浮体部2との距離が潮位等により変動した場合においても、導枠72への負荷を軽減することができる。
ここで、本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、図15〜図16に示すように、鋼管杭の自沈防止構造7を取り付けて鋼管杭8を海底地盤9内に打ち込む杭打工程を備える。本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、図17に示すように、根固め部81の流動性固化材が固結したのち、必要に応じて鋼管杭の自沈防止構造7を撤去する撤去工程を備えてもよい。
杭打工程では、最初に、図15(a)に示すように、海底地盤9内に導杭71を打設し、導杭71に導枠72を連結する。杭打工程では、導枠72が鋼管杭8の打設予定位置の上方に配置される。
杭打工程では、次に、図15(b)に示すように、浮体部2を海上に浮かばせる。このとき、杭打工程では、浮体部2を鋼管杭8の打設予定位置の上方に浮かばせる。打設工程では、導杭71を打設し、導枠72を配置したあと、浮体部2を浮かばせる順番の他、例えば、浮体部2を浮かばせたあと、導杭71を打設し、導枠72を配置する順番で行ってもよい。
杭打工程では、次に、図16(a)に示すように、図示しないバイブロハンマ等を用いて、鋼管杭8を、中空部20に挿通し、海底地盤9内に打設する。杭打工程では、水又は流動性固化材を噴射する複数のノズル等を、予め鋼管杭8の下端部8u側の周方向に所定の間隔で取り付けておく。このノズルから水を噴射して鋼管杭8を打設、その後、海底地盤9内に打設された鋼管杭8の下端部8uの周辺に、流動性固化材を充填した根固め部81が設けられる。杭打工程では、バイブロハンマ等を吊っている海上クレーン等で鋼管杭8を支えて、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持する。
杭打工程では、次に、図16(b)に示すように、導枠72と鋼管杭8とを連結し、ワイヤ等の連結治具3を用いて、浮体部2と鋼管杭8とを連結する。杭打工程では、浮体部2の第1接続部2a及び鋼管杭8の接続部8aに、潜水士等が海中で連結治具3を取り付ける。
杭打工程では、第1接続部2a及び接続部8aに連結治具3を取り付ける前に、例えば吸排部21により浮体部2の空間20sの内部に海水を給水する等を行い、浮体部2を沈ませる。そして、杭打工程では、第1接続部2a及び接続部8aに連結治具3を取り付けたあとに、例えば吸排部21により空間20sの内部の海水を排水する等を行い、浮体部2を浮上させる(図16(b)の矢印方向)。杭打工程では、浮体部2を浮上させると、連結治具3に引張力が作用するように、第1接続部2a及び接続部8aが連結治具3で連結される。このとき、浮体部2の浮力が鋼管杭8に伝達される状態となる。
杭打工程では、浮体部2及び鋼管杭8に連結治具3を連結したあと、海上クレーン等で吊っているバイブロハンマ等から鋼管杭8を取り外す。このとき、杭打工程では、浮体部2及び導枠72がバイブロハンマ等の代わりに鋼管杭8を支え、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置が保持される。この状態で根固め部81に充填された流動性固化材を固結させる。
なお、杭打工程では、導杭71を打設し、導枠72を配置し、浮体部2を浮かばせたあと、鋼管杭8を打設する順番の他、例えば、鋼管杭8を打設したあと、導杭71を打設し、導枠72を配置し、浮体部2を浮かばせる順番で行ってもよい。
撤去工程は、杭打工程を行ったあと、必要に応じて行われる。撤去工程では、図17(a)に示すように、根固め部81の流動性固化材を固結させたあと、導枠72を導杭71及び鋼管杭8から取り外して回収する。撤去工程では、導枠72を取り外して回収したあと、海底地盤9内に打設された導杭71を引き抜いて回収する。
撤去工程では、図17(b)に示すように、連結治具3に引張力が作用しないように、浮体部2の空間20sの内部の海水を調整し、潜水士等が、第1接続部2a及び接続部8aに連結された連結治具3を取り外して回収する。撤去工程では、連結治具3を取り外したあと、浮体部2を回収することで、鋼管杭8の施工が完了する。このとき、根固め部81の中に、鋼管杭8の下端部8uが根固め部81の底面部81uから離間した状態で設けられる。撤去工程で回収した浮体部2、連結治具3、導杭71、及び導枠72は、例えば、別の杭打工程に再利用されてもよい。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止装置1は、浮体部2と鋼管杭8とを連結し、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持することで、鋼管杭8を支える他の構成への負荷を軽減して根固めを設けることができ、他の構成を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭8の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止構造7は、浮体部2と鋼管杭8とを連結し、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持することで、導杭71及び導枠72への負荷を軽減し、1本の導枠72に連結できる鋼管杭8の数を増やし、導杭71及び導枠72を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭8の施工における導杭71及び導枠72の施工時間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、鋼管杭の自沈防止装置1の有する浮体部2を取り付けて鋼管杭8を海底地盤9内に打ち込む杭打工程を備える。杭打工程では、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持して、流動性固化材を固結させることで、鋼管杭8を支える他の構成への負荷を軽減して根固めを設けることができ、他の構成を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭8の施工を含む海上施工全体の施工期間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、特に、杭打工程では、海底地盤9内に打設された導杭71及び鋼管杭8に導枠72を連結し、浮体部2及び導枠72で、鋼管杭8の下端部8uを根固め部81の底面部81uから離間した状態で、鋼管杭8の位置を保持して、流動性固化材を固結させることで、導杭71及び導枠72の負荷を軽減し、1本の導枠72に連結できる鋼管杭8の数を増やし、導杭71及び導枠72を設ける数を削減できるため、根固め式の鋼管杭8の施工における導杭71及び導枠72の施工時間の短縮及び材工費の削減を実現することが可能である。
本発明を適用した鋼管杭の自沈防止工法は、特に、根固め部81に充填された流動性固化材を固結したあと、鋼管杭の自沈防止構造7を撤去する撤去工程を実施することで、鋼管杭の自沈防止構造7を回収及び再利用できるため、材工費を削減することが可能である。
なお、上述した説明における「略一定」とは、流動性固化材となるソイルセメント等の最大粒径以下の範囲内として用いた。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :鋼管杭の自沈防止装置
2 :浮体部
2a :第1接続部
2b :第2接続部
20 :中空部
20s :空間
21 :吸排部
21a :気体用吸排口
21b :液体用排出口
21c :液体用吸入口
3 :連結治具
4 :拘束材
41 :アンカー
5 :緩衝材
60 :センサ部
61a :第1水圧計
61b :第2水圧計
62 :位置情報装置
7 :鋼管杭の自沈防止構造
71 :導杭
72 :導枠
8 :鋼管杭
8a :接続部
8u :下端部
81 :根固め部
81u :底面部
9 :海底地盤
91 :海水
X :第1方向
Y :第2方向
Z :高さ方向

Claims (11)

  1. 鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止装置であって、
    海水に浮かび、鋼管杭と連結される浮体部を備え、
    前記浮体部は、海底地盤内に流動性固化材を充填した根固め部の中に設けられた前記鋼管杭の下端部を、前記根固め部の底面部から離間した状態で、連結される前記鋼管杭に浮力を伝達して、前記鋼管杭の位置を保持するものであること
    を特徴とする鋼管杭の自沈防止装置。
  2. 前記浮体部及び海底地盤内に打設されたアンカーと連結される1本又は複数の拘束材をさらに備え、
    前記拘束材は、連結される前記浮体部に前記浮力によって発生する引張力を伝達して、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つものであること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管杭の自沈防止装置。
  3. 前記浮体部は、気密性の高い空間と、前記空間の内部の流体を吸排する吸排部とを有し、
    前記吸排部は、前記空間の内部の前記流体を吸排して、前記浮体部の前記浮力を制御するものであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の鋼管杭の自沈防止装置。
  4. 前記浮体部の高さ方向の位置を測定するセンサ部をさらに備え、
    前記吸排部は、前記センサ部の測定した結果に基づき、前記空間の内部の前記流体を吸排して、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つものであること
    を特徴とする請求項3記載の鋼管杭の自沈防止装置。
  5. 前記センサ部は、前記浮体部に作用する水圧と前記海底地盤面での水圧とを測定する水圧計、及び前記浮体部の標高を測定する位置情報装置の少なくとも何れかを有すること
    を特徴とする請求項4記載の鋼管杭の自沈防止装置。
  6. 前記浮体部と前記鋼管杭との間に設けられた緩衝材をさらに備え、
    前記緩衝材は、前記鋼管杭の横揺れを防ぐものであること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の鋼管杭の自沈防止装置。
  7. 鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止構造であって、
    海水に浮かび、鋼管杭と連結される浮体部を有する鋼管杭の自沈防止装置と、海底地盤内に打設された導杭と、前記鋼管杭及び前記導杭と連結される導枠とを備え、
    前記浮体部は、連結される前記鋼管杭に浮力を伝達するものであり、
    前記浮体部及び前記導枠は、海底地盤内に流動性固化材を充填した根固め部の中に設けられた前記鋼管杭の下端部を、前記根固め部の底面部から離間した状態で、前記鋼管杭の位置を保持するものであること
    を特徴とする鋼管杭の自沈防止構造。
  8. 鋼管杭の自沈を防止する鋼管杭の自沈防止工法であって、
    鋼管杭の自沈防止装置を取り付けて鋼管杭を海底地盤内に打ち込む杭打工程を備え、
    前記鋼管杭の自沈防止装置は、海水に浮かぶ浮体部を有し、
    前記杭打工程は、前記鋼管杭を前記浮体部と連結し、海底地盤内に流動性固化材を充填した根固め部の中に設けられた前記鋼管杭の下端部を、前記根固め部の底面部から離間した状態で、前記鋼管杭の位置を保持し、前記流動性固化材を固結させること
    を特徴とする鋼管杭の自沈防止工法。
  9. 前記杭打工程は、前記浮体部及び海底地盤内に打設されたアンカーに拘束材を連結し、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つこと
    を特徴とする請求項8記載の鋼管杭の自沈防止工法。
  10. 前記浮体部は、気密性の高い空間と、前記空間の内部の流体を吸排する吸排部と、を有し、
    前記杭打工程は、前記吸排部により前記空間の内部の前記流体を吸排して、海底地盤面から前記浮体部までの距離を略一定に保つこと
    を特徴とする請求項8記載の鋼管杭の自沈防止工法。
  11. 前記杭打工程は、海底地盤内に打設された導杭及び前記鋼管杭に導枠を連結し、前記浮体部及び前記導枠で、前記鋼管杭の下端部を前記根固め部の底面部から離間した状態で、前記鋼管杭の位置を保持すること
    を特徴とする請求項8記載の鋼管杭の自沈防止工法。



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