JP6800365B1 - 既設ケーソン基礎の補強方法 - Google Patents

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【課題】ドライな作業空間を確保せず作用する水圧を低減することで簡易な仮設構造物を用いてケーソン基礎を補強可能な既設ケーソン基礎の補強方法を提供する。【解決手段】既設のケーソン基礎F1を鋼板で補強する方法において、仮締切(仮締切体3)を設置して仮締切3内のケーソン基礎F1の上方の土砂を掘削する仮締切3内掘削工程と、ケーソン基礎F1を補強する補強鋼板を既設ケーソン基礎F1の周囲の地盤に圧入する補強鋼板圧入工程と、を備え、前記仮締切内掘削工程では、仮締切3内の土砂を、仮締切3内の水を水底まで抜かずに存置したまま掘削して排土する。【選択図】図2

Description

本発明は、既設橋梁の橋脚と断面形状もしくは寸法が異なる部分を有するケーソン基礎を鋼板で補強する既設ケーソン基礎の補強方法に関する。
大規模地震の逼迫性が指摘される中、既設橋梁の耐震性能を向上するために、既設橋梁の基礎も耐震補強することが求められている。しかし、既設橋梁の基礎は、多くの場合、河床に埋設されて土被りがある土中及び水中に存在している。このため、既設基礎の耐震補強を実施する場合には、先ず、土留めや仮締切などの仮設構造物を設置した上、既設基礎を露出させて、その周りにドライな作業空間を確保する必要がある。その後、コンクリート巻立、鋼板巻立、又は増し杭などの種々の耐震補強工事を実施する方法が一般的である。
仮設構造物としては、通常、鋼矢板やライナープレート、鋼製パネルなどが使用され、このような仮設構造物は、その内側にドライな空間を確保するために必要な耐土圧、耐水圧を考慮して設計されている。
このような仮設構造物を用いた既設橋梁の基礎の耐震補強方法としては、例えば、特許文献1には、本願出願人が提案した、橋脚3の外周に複数の鋼板部材1aを当てがい、その接合端部を接合して鋼板ブロック1を形成し、鋼板ブロック1上に、押圧板5と、テンション伝達用のロッド12に上端部を固定可能にされた油圧ジャッキ11を備える圧入装置2とを設置し、油圧ジャッキ11を伸長操作することで鋼板ブロック1を地中に所定量圧入後に、圧入装置2を分解除去して、圧入した鋼板ブロック1の上に次の鋼板ブロック1を継ぎ足し、ついで、その鋼板ブロック1の上に圧入装置2を組み立て設置し、油圧ジャッキ11を伸長操作することで前記の鋼板ブロック1を地中に圧入し、この施工工程の繰り返しで鋼板ブロック1を地中に圧入する柱状構造物の補強方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0020]〜[0033]、図面の図5〜図9等参照)。
特許文献1に記載の柱状構造物の補強方法は、柱状構造物に対して鋼板巻立の作業空間を確保しないで圧入により地中埋設部分を補強することができるというメリットがある。しかし、特許文献1に記載の柱状構造物の補強方法は、断面がストレートで橋脚から基礎まで変化しない柱状構造物には適用できるものの、断面が橋脚と異なって断面積が大きくなった部分を有する既設ケーソン基礎に適用する場合、土留めや仮締切などを設置して、補強対象である既設ケーソン基礎の上端部分を露出させて確認し、施工基面を整正して補強工事を実施する必要があった。
そのため、特許文献1に記載の柱状構造物の補強方法をケーソン基礎に適用した場合に用いられる仮締切などの仮設構造物は、水位、土被りの水圧及び土圧を考慮して設計されることが必要であった。特に、水深や土被りが深い場合は、仮設構造物が大規模となり、工期がかかる上、工事の仮設費用が嵩み、経済性が悪化するという問題があった。
また、特許文献1に記載の柱状構造物の補強方法は、補強対象の既設基礎の外周において補強鋼板を接合・圧入し、既設基礎と補強鋼板の隙間を洗浄し、充填材を充填する補強方法であるため、断面形状が下部で拡大するケーソン基礎に適用した場合、次のような問題があった。即ち、断面形状が小さいケーソン基礎の上方の橋脚部分では、補強鋼板と橋脚の隙間が大きくなり、補強鋼板の偏心制御が困難になるという問題、隙間の洗浄が困難になるという問題、充填材が大量に必要であり通常の充填方法では充填できないという問題等が発生する。
また、ケーソン基礎を補強対象とした補強方法としては、特許文献2に、本願出願人らが提案した、既設ケーソン基礎の耐震補強構造において、既設ケーソン基礎11の周囲地盤に該ケーソンと一定の間隔を隔てて該ケーソンを囲むように地中壁12aを設け、前記ケーソンと前記地中壁とで包囲される地盤全体について地盤改良により改良体を造成し、前記地中壁及び前記改良体並びに前記ケーソン基礎とを固着させて一体化させた既設ケーソン基礎の耐震補強構造が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項3、明細書の段落[0022]〜[0026]、図面の図1〜図3等参照)。
しかし、特許文献2のケーソン基礎の耐震補強構造は、鋼矢板を設置してケーソン基礎との間を、高圧噴射撹拌機を用いて地盤改良を行うものであり、仮設構造物である鋼矢板を設置する点においては、前述の従来の補強方法と変わらず、仮設構造物が大規模となり、工期がかかる上、工事の仮設費用が嵩み、経済性が悪化するという問題など、前述の問題を解消できるものではなかった。
特開2002−4301号公報 特開2005−299188号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ドライな作業空間を確保せず作用する水圧を低減することで簡易な仮設構造物を用いてケーソン基礎を補強可能な既設ケーソン基礎の補強方法を提供することにある。
請求項1に係る既設ケーソン基礎の補強方法は、既設ケーソン基礎を鋼板で補強する既設ケーソン基礎の補強方法であって、仮締切を設置して仮締切内の前記ケーソン基礎の上方の土砂を掘削する仮締切内掘削工程と、ケーソン基礎を補強する補強鋼板を既設ケーソン基礎の周囲の地盤に圧入する補強鋼板圧入工程と、を備え、前記仮締切内掘削工程では、前記仮締切内の土砂を、前記仮締切内の水を水底まで抜かずに存置したまま掘削して排土するとともに、前記補強鋼板圧入工程の前に、前記補強鋼板の圧入をガイドするガイド部材を設置するガイド部材設置工程を有し、前記補強鋼板圧入工程では、前記ガイド部材で前記補強鋼板の圧入方向をガイドしながら前記補強鋼板を圧入することを特徴とする。
請求項に係る既設ケーソン基礎の補強方法は、請求項に係る既設ケーソン基礎の補強方法において、前記補強鋼板圧入工程では、補強工事の際に一時的に設置した仮設構造物の少なくとも自重を圧入反力として利用して前記補強鋼板を圧入することを特徴とする。
請求項に係る既設ケーソン基礎の補強方法は、請求項又はに記載の既設ケーソン基礎の補強方法において、前記補強鋼板圧入工程では、前記補強鋼板の上方に、前記補強鋼板と略同大の仮設構造体であるヤットコ鋼板を増設しながら圧入することを特徴とする。
請求項に係るは、請求項1ないしのいずれかに記載の既設ケーソン基礎の補強方法において、仮設構造物である前記仮締切を組み立てて圧入装置で圧入して前記仮締切を設置することを特徴とする。
請求項1〜に係る発明によれば、仮締切内掘削工程で水底まで水を抜かないことにより、外部から仮締切に作用する水圧を低減して安価で簡易な仮締切とすることができる。このため、仮設費用を低減してケーソン基礎の補強工事全体の費用も低減することができる。
また、請求項1〜4に係る発明によれば、補強鋼板と橋脚の隙間が大きくなり、補強鋼板の偏心制御が困難になるという問題を解決して、補強鋼板との隙間を狭めて圧入時の補強鋼板を適切にガイドして補強鋼板の偏心を防ぐことができる。
特に、請求項に係る発明によれば、既設橋脚から得るだけでは圧入時の反力が足りない場合に、アースアンカー等を水底に打ち込むなど他の反力手段を確保することを省略すること、又は他の反力手段を確保する作業期間を短縮することができる。このため、結果的に工事全体の施工期間を短縮して施工費用を低減することができる。
特に、請求項に係る発明によれば、鋼板で補強を行う位置が深い場合でも容易に補強を行うことが可能となる。
特に、請求項に係る発明によれば、仮締切の設置作業の時間を短縮して施工費用を低減することができる。
図1は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法で補強するケーソン基礎の施工前の状態を示す図である。 図2は、同上の既設ケーソン基礎の補強方法の仮締切組立・圧入工程を示す工程説明図である。 図3は、同上の既設ケーソン基礎の補強方法の仮締切内掘削工程を示す工程説明図である。 図4は、同上の既設ケーソン基礎の補強方法のガイド部材設置工程を示す工程説明図である。 図5は、同上の既設ケーソン基礎の補強方法の補強鋼板組立工程を示す工程説明図である。 図6は、同上の既設ケーソン基礎の補強方法の補強鋼板圧入工程を示す工程説明図である。 図7は、同上の既設ケーソン基礎の補強方法の施工後の完了状態を示す図である。
以下、本発明に係る既設ケーソン基礎の補強方法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図7を用いて、本発明の実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法について説明する。本実施形態では、河川に架け渡された既設橋梁の橋脚P1の基礎が、橋脚P1より水平断面の寸法が拡大して太くなった部分を有するケーソン基礎F1であり、そのケーソン基礎の周りに鋼板を設置して耐震補強を行う場合を例示して説明する。
(施工前)
先ず、図1を用いて、耐震補強工事の対象となる構造物の施工前の状態を説明する。図1は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法で補強するケーソン基礎の施工前の状態を示す図である。図1に示すように、符号B1が、耐震補強の対象となる既設橋梁B1であり、符号P1が、その既設橋脚P1である。また、符号F1が、既設橋脚P1の既設ケーソン基礎F1である。この既設ケーソン基礎F1は、橋脚P1より水平断面の寸法が拡大して太くなったケーソン基礎であり、オープンケーソン工法などで鉄筋コンクリート製のケーソン(函体)を沈設して築造したものである。
(1.仮締切組立・圧入工程)
図2に示すように、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、仮設構造物である仮締切を組み立てて圧入装置で圧入する仮締切組立・圧入工程を行う。図2は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法の仮締切組立・圧入工程を示す工程説明図である。
先ず、河川の水面上において、平面視で円弧状の鋼材からなる複数の仮締切材2をボルト等で接合して組み立てて円筒状の仮締切体3を構築する。そして、河川水面下に自重で仮締切体3を沈降させ、その上段(上方)に水上又は水中で仮締切材2を組み立て仮締切体3を増設する。このように仮締切体3の増設・沈降を繰り返して、仮締切体3の下端を河底(水底)に着床させ、水面上方から水底に達する円筒状の仮締切体3を構築する。なお、図2に示すように、仮締切体3の最下段には、地盤圧入時に抵抗を小さくするための断面三角形状の下端先端が鋭利な刃口が設けられている。
その後、水面上方の既設橋脚P1に、アンカー等で固定して既設橋脚P1から反力を得る、複数の油圧ジャッキからなる圧入装置1を設置する。そして、円筒状の仮締切体3の上端に架け渡された圧力鋼材4を介して、この圧入装置1により仮締切体3を河床(水底)の地盤に圧入する。仮締切体3を圧入する深さは、図2に示すように、既設ケーソン基礎F1の上面より少し深い程度までの深さである。
なお、圧入装置1を設置するタイミングは、仮締切体3の構築途中でも構築前の事前準備段階でも構わない。要するに、圧入装置1は、仮締切体3を地盤に圧入する前に構築されれば、どのタイミングで構築されても構わない。
また、仮締切体として円筒状のものを例示したが、仮締切体は、円筒状に限られず、水平断面が小判形状や楕円形状、矩形状など、既設ケーソン基礎F1の周囲に所定間隔を確保できる形状であればよい。
(2.仮締切内掘削工程)
次に、図3に示すように、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、既設ケーソン基礎F1の上方、且つ、前工程で組立・圧入した仮締切体3の内側の土砂を、仮締切体3の内側に水を水底まで抜かずに存置したまま掘削・排土する仮締切内掘削工程を行う。図3は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法の仮締切内掘削工程を示す工程説明図である。
本工程では、仮締切体3の内側の水中にダイバーが潜り、水面下にある既設ケーソン基礎F1の上方にある土被りの地盤や、その上に堆積した土砂を、ケーソン基礎F1の上面が露出するまで掘削する。その後、サクションポンプ、浚渫用のバケット、バックホウなどを利用して、掘削した土砂を仮締切体3の外側に排土する。このようにして、補強対象である既設ケーソン基礎F1の天端(上面)を露出させて確認し、施工基面を整正する。
従来のケーソン基礎の補強方法では、背景技術で述べたように、仮締切体3の内側の水をポンプ等で汲み上げてドライな作業空間を作り、掘削・排土を行っていた。よって、ダイバーが潜って行う点で本工程自体の作業効率は、従来と比べて低下すると考えられる。
しかし、前仮締切組立・圧入工程で構築される仮締切体3は、本工程で水を抜かないことにより、少なくとも外部から作用する水圧に対抗する必要がなくなる。但し、後工程の水上での作業スペースを確保するために、仮締切内の一部の水を抜いても構わない。それでも、仮締切体3に外部から作用する水圧を低減できることは明らかである。
また、従来の仮締切工法では、補強工事をドライな作業空間で行うため、鋼矢板や仮締切体を補強対象のケーソン基礎F1の最下部よりさらに深い位置まで圧入する必要があった。これに対して、本工程で圧入する深さは、ケーソン基礎F1の上面が露出する程度の深さであり、仮締切体3は、その程度の深さの土圧のみに対抗する薄い材厚の鋼板や鋼材等からなる簡易で安価な仮締切体3とすることができる。このため、工事完了時には撤去してしまう仮設構造体の費用を低減して工事全体の費用を削減することができる。
(3.ガイド部材設置工程)
次に、図4に示すように、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、後工程の補強鋼板の圧入をガイドするガイド部材を設置するガイド部材設置工程を行う。図4は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法のガイド部材設置工程を示す工程説明図である。
本工程では、水平断面の外周が既設ケーソン基礎F1の断面と略同径(略同大)の円筒状のガイド部材5をボルト接合等で組み立て、自重で沈降させるとともに、その上段にガイド部材5を増設し、これらを繰り返して既設ケーソン基礎F1の上方にガイド部材5を設置する。勿論、このガイド部材5も円筒状に限られず、ケーソン基礎F1の断面形状に応じた形状であればよいことは云うまでもない。
この円筒状のガイド部材5は、圧入する補強鋼板6と既設橋脚P1との間の隙間が大きくなり、補強鋼板6の偏心制御が困難になるという問題を解決するために、補強鋼板6との隙間を狭めて圧入時の補強鋼板6をガイドする機能を有している。
(4.補強鋼板組立工程)
次に、図5に示すように、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、既設ケーソン基礎F1の外周に設置して補強する補強鋼板6を組み立てる補強鋼板組立工程を行う。図5は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法の補強鋼板組立工程を示す工程説明図である。
本工程では、仮締切体3の最上段にブラケット足場8を取り付け、補強鋼板6を組み立てるための作業足場を水面上に構築する。補強鋼板6は、既設ケーソン基礎F1を補強するための撤去しない本設用の鋼板であるため、水中では接合が困難な完全溶け込み溶接等で接合する必要があるからである。
本工程では、水平断面が円弧状又は半円状の鋼板を接合して組み立てるとともに、自重で補強鋼板6を沈下し、その上段に円弧状又は半円状の鋼板をされに組み立てて増設する。この組立・沈下を繰り返し、既設ケーソン基礎F1の水平断面より少し内径(断面積)が大きく、且つ、既設ケーソン基礎F1の構造計算上必要な範囲となる所定高さの耐震補強の本設の補強鋼板6を組み立てる。
(5.補強鋼板圧入工程)
次に、図6に示すように、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、圧入装置1を用いて、前ガイド部材設置工程で設置したガイド部材で圧入方向をガイドさせつつ、前補強鋼板組立工程で組み立てた補強鋼板6を既設ケーソン基礎F1の周囲の地盤に圧入する補強鋼板圧入工程を行う。図6は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法の補強鋼板圧入工程を示す工程説明図である。
本工程では、水面上のある圧入装置1を用いて水底にある所定の地盤に圧入するため、圧入装置1から既設ケーソン基礎F1の天端(上面)までの距離(高さ)を稼ぐ必要がある。このため、本工程では、本設の補強鋼板6の上方に、外周が補強鋼板6と略同径(同大)の仮設の円筒体であるヤットコ鋼板7を増設しながら圧入する。
このとき、図6に示すように、強固な既設ケーソン基礎F1の周囲の地盤に、補強鋼板6を所定の深さまで圧入する必要があるため、仮締切体3を圧入する際の圧力より遥かに高い圧力が必要である。そのため、地盤の強度にもよるが、圧入の際の圧入反力も大きくなり、アンカーを介して既設橋脚P1から得られる圧入反力だけでは足りない事態が想定される。
そこで、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、仮設構造体である仮締切体3と圧入装置1をゲビン棒等の鋼材を用いて接合し、仮締切体3の自重や仮締切体3と地盤との摩擦力をも圧入反力として利用して補強鋼板6を河床の地盤に耐震補強に必要な所定の深さまで圧入しても構わない。そうすることで、特許文献1に記載された従来の補強方法のように、台船からアースアンカー等を水底に打ち込んで反力を得る必要がなくなるからである。
但し、アースアンカー等を水底に打ち込んでそこから反力を得ることを併用しても構わない。アースアンカーから反力を得て圧入する場合でも、仮設構造体である仮締切体3から反力を得ることで、アースアンカーを水底に打ち込む深さを浅くすることができ、結果的に施工期間を短縮して施工費用を低減することができる。
(6.充填材充填工程)
次に、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、前補強鋼板圧入工程で圧入して所定の位置に設置した補強鋼板6と既設ケーソン基礎F1との隙間に充填材を充填する充填材充填工程を行う。
本工程では、補強鋼板6と既設ケーソン基礎F1との隙間をウォータージェット等を用いて土砂等を洗い落として洗浄した後、モルタル等のセメント系経時硬化材を充填し、充填材を硬化させ、補強鋼板6を既設ケーソン基礎F1と一体化させて補強する。勿論、充填する充填材は、セメント系経時硬化材に限られず、エポキシ系樹脂などの補強鋼板6を既設ケーソン基礎F1に一体化できる他の充填材とすることもできる。
(7.仮設構造物撤去工程)
次に、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、補強工事の際に一時的に設置した仮設構造物を撤去する仮設構造物撤去工程を行う。
具体的には、水中作業にて仮設構造物であるヤットコ鋼板7、ガイド部材5、仮締切体3、ブラケット足場8など、を解体して撤去する。また、仮締切内掘削工程で排土した土砂を、ケーソン基礎F1の上方に土被りとして埋め戻し、既設ケーソン基礎の補強方法の全ての工程が終了する。本工程が終了すると、図7に示す状態となる。図7は、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法の施工後の完了状態を示す図である。
以上説明した本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法によれば、仮締切内掘削工程で仮締切体3内の水を水底まで抜かないことにより、外部から仮締切体3に作用する水圧を低減して安価で簡易な仮締切とすることができる。このため、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、仮設費用を低減してケーソン基礎F1の補強工事の費用も低減することができる。
また、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法によれば、既設橋脚P1と補強鋼板6との隙間をガイド部材5を介在させることで狭めて圧入時の補強鋼板6を適切にガイドして補強鋼板6の偏心を防ぐことができる。このため、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、補強鋼板6の偏心制御の時間を短縮して圧入作業をスムーズに行うことができ、この点でもケーソン基礎の補強工事の費用も低減することができる。
特に、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法によれば、少なくとも仮締切体3の自重を利用するので、既設橋脚P1からとるだけでは補強鋼板6の圧入時の反力が足りない場合に、アースアンカー等を水底に打ち込んで他の反力手段を確保することを省略すること、又は他の反力手段を確保する作業期間を短縮することができる。このため、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法では、結果的に施工期間を短縮して施工費用を低減することができる。
特に、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法によれば、補強鋼板6の上方に、外周が補強鋼板6と略同径(同大)の仮設の円筒体であるヤットコ鋼板7を増設しながら圧入するので、補強鋼板6で補強を行う既設ケーソン基礎F1の位置が深い場合でも容易に補強を行うことが可能となる。
特に、本実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法によれば、仮締切を組み立てて圧入装置で圧入して仮締切を設置するので、仮締切の設置作業の時間を短縮して施工費用を低減することができる。
以上、本発明の実施形態に係る既設ケーソン基礎の補強方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、仮締切を設置する方法として、仮締切体を組み立てた後に圧入する場合を例示して説明したが、従来同様に、鋼矢板をバイブロハンマー等で打ち込み、仮締切を設置する場合など、仮締切の特定の設置方法にかかわらず、本発明を適用することができる。
1:圧入装置
2:仮締切材
3:仮締切体
4:圧力鋼材
5:ガイド部材
6:補強鋼板
7:ヤットコ鋼板
8:ブラケット足場
B1:既設橋梁
P1:既設橋脚
F1:既設ケーソン基礎

Claims (4)

  1. 既設ケーソン基礎を鋼板で補強する既設ケーソン基礎の補強方法であって、
    仮締切を設置して仮締切内の前記ケーソン基礎の上方の土砂を掘削する仮締切内掘削工程と、
    ケーソン基礎を補強する補強鋼板を既設ケーソン基礎の周囲の地盤に圧入する補強鋼板圧入工程と、を備え、
    前記仮締切内掘削工程では、前記仮締切内の土砂を、前記仮締切内の水を水底まで抜かずに存置したまま掘削して排土するとともに、
    前記補強鋼板圧入工程の前に、前記補強鋼板の圧入をガイドするガイド部材を設置するガイド部材設置工程を有し、
    前記補強鋼板圧入工程では、前記ガイド部材で前記補強鋼板の圧入方向をガイドしながら前記補強鋼板を圧入すること
    を特徴とする既設ケーソン基礎の補強方法。
  2. 前記補強鋼板圧入工程では、補強工事の際に一時的に設置した仮設構造物の少なくとも自重を圧入反力として利用して前記補強鋼板を圧入すること
    を特徴とする請求項に記載の既設ケーソン基礎の補強方法。
  3. 前記補強鋼板圧入工程では、前記補強鋼板の上方に、前記補強鋼板と略同大の仮設構造体であるヤットコ鋼板を増設しながら圧入すること
    を特徴とする請求項又はに記載の既設ケーソン基礎の補強方法。
  4. 仮設構造物である前記仮締切を組み立てて圧入装置で圧入して前記仮締切を設置すること
    を特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の既設ケーソン基礎の補強方法。
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