JP5986429B2 - ケーソン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、躯体を地中に沈設させて構築されたケーソン及びその製造方法に関するものである。
従来、地中に立坑等を構築する場合にケーソン躯体すなわち筒形状の躯体が用いられている。この躯体を圧入沈設させて構築されたケーソンは、その構築後、ケーソン本体の底部に設けられた底版から地下水による浮力を受ける。この浮力によりケーソン本体が所定の深さから地上に向けて浮き上がる虞がある。
このため、従来のケーソンでは、前記浮力に抗してケーソン本体が所定の深さから浮き上がらないように前記躯体の重量を大きくし、すなわちケーソン本体の重量が前記浮力よりも大きくなるように構成されている。具体的には、前記ケーソン本体を構成する躯体の側壁の厚さを、該躯体自体の強度を確保するために必要な厚さよりも大きく設定している。その結果、前記ケーソンは、前記浮力に抗して所定の深さで安定して設置することができる。
しかし、従来のケーソンは、該ケーソンの設置場所でコンクリートを打設し、前記躯体を製造することから、ケーソンの工期が長くなる。さらに、躯体は、該躯体の重量を増加させるために躯体の必要強度以上に該躯体の側壁の厚みすなわちコンクリートの厚みを厚くすることから製造コストも高くなる。
このため、ケーソンの工期を短縮するとともに製造コストを低下させるべく、工場でセグメントを製造し、前記設置場所で複数の前記セグメントを互いにリング状に接続させてリング状躯体すなわち躯体を組立て、前記設置場所の地表面から地中に圧入沈設してケーソンを構築するセグメント圧入工法が知られている。
上記セグメントは、前記工場から前記設置場所まで移送やコスト面を考慮して、通常は金属(一般的には鉄)で薄く作られている。このため、上記セグメント圧入工法で構築されたケーソンは、コンクリートで構築されたケーソンより重量が軽くなることから、前記浮力の影響を受けやすく、ケーソン本体の自重で前記浮力に抗しきれずにケーソンが浮き上がってしまうという欠点を有している。このため、躯体の圧入沈設時に用いるアースアンカーを利用してケーソンを地中の所定の深さに保持するケーソンがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載されたケーソンは、地中深くに設置されたアースアンカーを反力としてセグメントを圧入沈設後、セグメントの地上部外周にブラケットを設けている。このブラケットに前記アースアンカーの鋼線を固定することにより、前記ケーソンは、地下水の浮力により浮き上がろうとしても前記アースアンカーの反力により所定の深さに保持することができる。
しかし、特許文献1に記載されたケーソンでは、地中深く設置されたアースアンカーを永久構造物として残置しなければならない。このため、前記ケーソン近傍の地下空間を開発する際、前記アースアンカーが工事の支障になる虞があり、或いは工事により前記アースアンカーと前記ブラケットとの間の前記鋼線が破損することにより前記ケーソンが前記浮力に抗しきれなくなり、該ケーソンが浮き上がる虞がある。
また、前記浮力への反力としてアースアンカーを利用しないものもある(例えば、特許文献2及び3)。特許文献2に記載されたケーソンでは、円形ケーシング内部の土砂を掘削して排土した後に、円形ケーシングの底部からケーソン外にはみ出すように複数枚の鋼板を機械的に押し出し、そのはみ出した部分の抵抗でケーソンの浮上を防止している。
しかし、特許文献2に記載されたケーソンでは、前記鋼板を前記ケーソンから地中に押し出すが、前記鋼板を押し出す地盤が岩盤等の強固な地盤である場合、前記鋼板が前記強固な地盤に貫入しない。このため、前記鋼板を押し出す地盤は、軟弱地盤に限られ、さらに鋼板を薄くしなければ軟弱地盤であっても貫入しない。さらに、特許文献2に記載されたケーソンでは、前記鋼板が薄いことから該鋼板と前記ケーソンとの取付部の取付強度が大きく取れず、前記浮力の大きさが取付部の取付強度以上である場合には前記ケーソンを所定の深さに保持することができない。
また、特許文献2に記載されたケーソンにおいて、前記鋼板のケーソン内への設置及びケーソン外への前記鋼板の押し出しは、前記ケーソンの底版設置前に行われる。このため、特許文献2に記載されたケーソンでは、作業員が前記ケーソン内に地下水が満たされた環境で上記作業をしなければならず、潜水状態での作業が必要となることから作業性に劣る。
また、特許文献3に記載のマンホールでは、該マンホールの地表開口端側の側面周囲から張り出してアンカー部材が形成され、該アンカー部材の基部はマンホール管の管側面に固定され、前記管側面から張り出した部分は、地表面の舗装部分に埋設されている。
しかし、特許文献3に記載のマンホールでは、舗装面に埋め込んだアンカー部材より上方に土砂が存在しないことから、前記アンカー部材には土砂の重みや土砂のせん断抵抗が作用しない。このため、ケーソンにおいてこのアンカー部材を用いた場合、地下水の大きな浮力に抗しきれず、前記アンカー部材が埋め込まれた舗装部分が路面から剥離破壊され、或いはアンカー部材が前記舗装部分から引き抜かれることとなる。したがって、前記アンカー部材では、前記ケーソンを所定の深さに保持することができない。
また、土中でうける圧力に抗して位置や姿勢を保持するものとして、推進施工中の推進管の据付時に掘削機先端の面板に大きな水圧や土圧が作用し、推進管列が発進立坑内に押し戻されるバッキングを防止する装置を備えたシールド掘進機がある(例えば、特許文献4)。
特許文献4に記載されたシールド掘進機には、その外殻外周に油圧装置により外周面から突出するように構成された複数の貫入ピン又は摩擦板が設けられている。前記貫入ピン又は摩擦板は、ワンブロック分掘進した後に油圧装置により前記外周面から地山に押し出されて前記シールド掘進機が戻らないように前記水圧や土圧に抵抗する。
しかし、前記シールド掘進機の周囲の地盤が硬い地盤である場合、前記貫入ピン又は前記摩擦板が前記硬い地盤に貫入せず、或いは前記貫入ピン又は前記摩擦板が所定の位置まで突出せず、前記貫入ピン又は前記摩擦板と前記硬い地盤との摩擦力のみで前記水圧や土圧に抗して前記シールド掘進機を所定の位置に保持しなければならない。このため、特許文献4に記載された発明をケーソンに適用した場合、推進管に比べて大きな浮力がケーソンには作用していることから、前記摩擦力のみでは前記ケーソンを所定の深さに保持することができない。
特開平8−105054号公報 特開2001−280056号公報 特開平8−165671号公報 特開2003−193792号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その目的は、構造体としての強度条件を満たす範囲で軽く構成された躯体を用いて立坑等のケーソンを構築する際に、地下水の浮力によって浮き上がることがないケーソン、及び当該ケーソンの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の一つの態様に係るケーソンの製造方法は、躯体を地中に沈設させて立坑又は基礎を構築するケーソンの製造方法であって、前記躯体を地中の所定の深さまで沈設する沈設工程と、前記沈設工程の後に、前記躯体の側壁から側方の地中に向かって突出させ、前記側壁に固定された浮き防止部材を設ける工程と、を備え、前記浮き防止部材を設ける工程は、前記躯体の前記側壁から地中に向かって前記浮き防止部材を突出させるための孔を掘削する工程と、前記側壁の内面に一端が取り付けられ、他端が前記内面から前記ケーソンの中心方向に向かって延びる管状のフランジ部材を介して前記孔に前記浮き防止部材を突出させ、前記フランジ部材及び前記側壁に前記浮き防止部材を固定する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の第1の態様に係るケーソンの製造方法は、躯体を地中に沈設させて立坑又は基礎を構築するケーソンの製造方法であって、前記躯体を地中の所定の深さまで沈設する沈設工程と、前記沈設工程の後に、前記躯体の側壁から地中に向かって突出させ、前記側壁に固定された浮き防止部材を設ける工程と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、躯体を沈設させた後、浮き防止部材を躯体の側壁から地中に向かって突出させて前記浮き防止部材を側壁に固定して設けている。これにより、前記浮き防止部材には、土砂のせん断抵抗が負荷として作用する。このため、前記浮き防止部材は、沈設後のケーソンに作用する地下水による大きな浮力に抗して、前記ケーソンを所定の深さで維持し、前記ケーソンの浮き上がりを防止することができる。したがって、本態様によれば、前記作用効果を奏するケーソンを設置することができる。
さらに、本態様によれば、前記浮き防止部材には前記浮力に抗する負荷が生ずることから、前記ケーソンを所定の深さに維持するために該ケーソンの自重を大きくする必要がない。したがって、前記浮き防止部材を設けることにより、前記ケーソンの自重を小さくすることができ、ひいては躯体の側壁の厚さを薄くすることができる。
ここで「立坑」とは、垂直の坑道を言い、トンネル掘削の発進地、中間地、到達地等、また資材や諸機械の搬入口及び搬出口やトンネルの完成後の施設維持管理出入り口等として使用される。また、「基礎」とは、例えば橋梁等の構造物の基礎をいう。
「ケーソン」とは、この明細書においては「立坑」と「基礎」を総称する用語として使われている。
さらに、「躯体」とは、筒形状の構造体であり、該躯体の複数個が上下方向に連結されてケーソンが構築される。該躯体の材質は、スチール製、鉄筋コンクリート製、コンポジット製等である。また、筒形状の躯体の横断面形状は、円形、小判形(楕円形)、矩形等である。
尚、躯体が複数個ではなく、一個でそのままケーソンを構成するものもある。
本発明の第2の態様に係るケーソンの製造方法は、第1の態様において、前記浮き防止部材を設ける工程は、前記躯体の前記側壁から地中に向かって前記浮き防止部材を突出させるための孔を掘削する工程と、前記孔に前記浮き防止部材を突出させ、前記側壁に前記浮き防止部材を固定する工程とを含むことを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記浮き防止部材を前記側壁から地中に突出するために孔を掘削することから、強固な岩盤層等に対しても前記浮き防止部材の先端側を確実に突出させることができる。そして、前記浮き防止部材の基端側は、前記ケーソンの側壁に強固に固定されていることから、地下水による大きな浮力を受ける前記ケーソンを当該浮き防止部材によって前記岩盤層に駐止させることができる。
本発明の第3の態様に係るケーソンの製造方法は、第1又は第2の態様において、前記浮き防止部材が前記側壁に固定される深さは、液状化しない深さであることを特徴とする。
本態様によれば、前記浮き防止部材が液状化しない深さに設けられる。このため、第1又は第2の態様と同様の作用効果に加え、地震による液状化の影響により前記ケーソンが地上に浮き上がる虞がなく、あるいは該虞を少なくすることができる。
ここで「液状化しない深さ」について説明する。「地震発生時液状化現象が生じる地層より深い地層とは」(社団法人日本道路協会編 道路橋示方書V.耐震設計編・同解説 平成24年3月26日改訂版参照)によれば、下記の3つの条件すべてに該当する場合、液状化が生じる可能性があり、道路橋示方書V.耐震設計編8.2.3(2)項に基づき液状化に対する抵抗値(Fl)を算定し、液状化の判断を行うものとされている。
条件1)地下水位が現地盤面より10m以内にあり、かつ、現地盤面から20m以内の深さに存在する飽和土層。
条件2)細粒分含有率FCが35パーセント以下の土層、またはFCが35パーセントを超えても塑性指数Ipが15以下の土層。
条件3)平均粒径D50が10mm以下で、かつ10パーセント粒径D10が1mm以下である土層。
したがって、「液状化しない深さ」とは、上記条件1から3の全てを満たすことがない深さである。
本発明の第4態様に係るケーソンの製造方法は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記浮き防止部材が前記側壁に固定される深さは、地中20m以上の深さであることを特徴とする。
地中20m以上の深さでは、地震による液状化現象はほとんど起こらない。従って、本態様によれば、浮き防止部材を地震発生時において液状化現象が生じる地層よりも深い、例えば岩盤層等に設けることができる。これにより、地震による液状化の影響により前記ケーソンが地上に浮き上がる虞がなく、あるいは少なくすることができる。
本発明の第5の態様に係るケーソンの製造方法は、第1から第4の態様のいずれか一の態様において、前記沈設工程後に前記躯体に底版を設け、前記ケーソン内の水を抜いた後、前記浮き防止部材を設ける工程を行うことを特徴とする。
本態様によれば、前記躯体に底版を設け、前記ケーソン内の水を抜いた後、前記浮き防止部材を設けることから、浮き防止部材を設置する作業員が水中で作業する必要がなく、前記浮き防止部材を設ける工程の作業性を向上させ、工期の短縮を図ることができる。また、前記浮き防止部材を設ける工程は、前記ケーソンの底版設置後に行われることから、作業員がケーソン内における掘削作業及び土砂排出作業を行う必要がなく、作業員の安全性を高めることができる。
本発明の第6の態様に係るケーソンは、地中に沈設された躯体と前記躯体に設けられた底版とを備えて構成されたケーソンの側壁に、前記ケーソン内から外部の地中に向かって突出され、前記側壁を貫通して該側壁に固定された浮き防止部材を備えることを特徴とする。
本態様に係るケーソンは、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第7の態様に係るケーソンは、第6の態様において、前記浮き防止部材は前記ケーソンの前記側壁から前記地中に向かって掘削された孔に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第6の態様と同様の作用効果に加え、強固な岩盤層等を掘削して開けた孔に前記浮き防止部材を突出させることができる。その結果、前記浮き防止部材は、前記ケーソンの側壁に固定されていることから、地下水による大きな浮力を受ける前記ケーソンを前記岩盤層に駐止させることができる。したがって、ケーソンを所定の深さに保持することができる。
本発明の第8の態様に係るケーソンは、第6または第7の態様において、前記浮き防止部材は多段に設けられ、且つ各段の周方向の位置がずれていることを特徴とする。
本態様によれば、第6または第7の態様と同様の作用効果に加え、前記浮き防止部材は多段に複数設けられ、各段の浮き防止部材の位置がそれぞれ周方向にずれていることから、前記浮き防止部材のそれぞれに土砂のせん断抵抗が作用する。その結果、浮き防止部材を複数設けることにより、前記ケーソンに作用する浮力に抗する力が増大し、該ケーソンを所定の深さに安定して駐止することができる。
本発明の第9の態様に係るケーソンは、第6から第8のいずれか一の態様において、前記ケーソンが、セグメントを周方向に連結した躯体を上下方向に多段に連結したものであることを特徴とする。
上記セグメントには、該セグメントを構成する材質によりスチールセグメント、鉄筋コンクリートセグメント、コンポジットセグメント等がある。各セグメントをリング状(筒形状)に接続させて構成される躯体の形状は、横断面が円形、小判形(楕円形)、矩形等である。
本態様によれば、第6から第8のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、躯体を複数のセグメントから構成するので、躯体を現場打ちのコンクリートで構成する必要がなくなり、以って工期の短縮を図ることができる。
また、各セグメントには、その長手方向の中央部にグラウト用の貫通孔が設けられているものが多い。本態様によれば、この貫通孔を前記浮き防止部材の固定に利用することができる。
本発明の第10の態様に係るケーソンは、第6から第9のいずれか一の態様において、前記浮き防止部材は前記底版近傍に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第6から第9のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記浮き防止部材を地中深く岩盤層等に設けることにより、前記ケーソンが前記液状化の影響を受け難くすることができる。
本発明の第11の態様に係るケーソンは、第6から第10のいずれか一の態様において、前記浮き防止部材は、液状化しない深さに設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第6から第10のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、第4の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第12の態様に係るケーソンは、第6から第11のいずれか一の態様において、前記浮き防止部材は、地中20m以上の深さに設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第6から第11のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、第5の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第1の実施例に係るケーソンの側断面図。 本発明の第1の実施例に係るケーソンの躯体の斜視図。 本発明の第1の実施例に係るセグメントの斜視図。 (A)は本発明の第1の実施例に係る浮き防止部材を取り付ける貫通孔の側断面図であり、(B)は浮き防止部材を取り付けない貫通孔の側断面図。 本発明の第1の実施例に係る浮き防止部材を備える躯体の斜視図。 浮き防止部材に作用する土砂のせん断抵抗の模式図。 (A)は図6に示した浮き防止部材を図6におけるY軸方向から見た模式図であり、(B)は図6に示した浮き防止部材を図6におけるX軸方向から見た模式図。 複数の浮き防止部材に作用する土砂のせん断抵抗の模式図。 ケーソン及び浮き防止部材に作用する力の模式図。 (A)は本発明の第1の実施例に係るケーソンの製造方法の第1の工程を示す側断面図であり、(B)は第2の工程を示す側断面図であり、(C)は第3の工程を示す側断面図。 (A)は本発明の第1の実施例に係るケーソンの製造方法の第4の工程を示す側断面図であり、(B)は第5の工程を示す側断面図であり、(C)は第6の工程を示す側断面図。 (A)は浮き防止部材の設置工程の第1の工程を示す側面図であり、(B)は浮き防止部材の設置工程の第2の工程を示す側面図。 (A)は浮き防止部材の設置工程の第3の工程を示す側面図であり、(B)は浮き防止部材の設置工程の第4の工程を示す側面図。 (A)は浮き防止部材の設置工程の第5の工程を示す側面図であり、(B)は浮き防止部材の設置工程の第6の工程を示す側面図。 (A)は浮き防止部材の設置工程の第7の工程を示す側面図であり、(B)は浮き防止部材の設置工程の第8の工程を示す側面図。 (A)は浮き防止部材の設置工程の第9の工程を示す側面図であり、(B)は浮き防止部材の設置工程の第10の工程を示す側面図。 (A)は浮き防止部材の設置工程の第11の工程を示す側面図であり、(B)は浮き防止部材の設置工程の第12の工程を示す側面図。 (A)は、フランジの斜視図であり、(B)は浮き防止部材の斜視図。 (A)は掘削孔内に浮き防止部材が固定された状態のケーソン内から見た斜視図であり、(B)はフランジと浮き防止部材とを結合する固定具の斜視図。 掘削孔内に配置された浮き防止部材とスペーサーとの関係を示す断面図。 (A)は第2の実施例における浮き防止部材の設置工程の第1の工程を示す側面図であり、(B)は第2の工程を示す側面図。 (A)は第2の実施例における浮き防止部材の設置工程の第3の工程を示す側面図であり、(B)は第4の工程を示す側面図。 第3の実施例におけるケーソンの側断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
■■■第1の実施例■■■■
<ケーソンの構造について>
図1を参照するに、本発明に係るケーソン10が示されている。ケーソン10は、地中に沈設されるケーソン本体12と、該ケーソン本体の側壁14からケーソン本体12の外側の地中に向かって突出する複数の浮き防止部材16と、ケーソン本体12の底部に設けられた底版18とを備えて構成されている。
ケーソン本体12は、図2に示すように複数の躯体20を積み重ねて構成されている。躯体20は、本実施例では、複数のセグメント22を接合してリング状部材として構成されている。セグメント22は、図3に示すように円を分割した円弧状の構造物であり、鋼材等により形成されている。セグメント22の材質は、鋼材(スチール製)の他に、鉄筋コンクリート製、コンポジット製等がある。
セグメント22は、外面24と、該外面24の上端及び下端にそれぞれ配置された主桁25,25と、外面24の側部にそれぞれ配置された継手板26,26と、セグメント22を補強するとともに上下方向に延びる複数のリブ27aと、セグメント22を補強するとともに周方向に延びる複数のリブ27bと、外面24の内側に配置されるとともにリブ27a及び27bに接合された補強板28と、外面24と補強板28とを貫通するとともに開閉可能なグラウト用の貫通孔30と、補強板28において貫通孔30の周囲に設けられた複数のボルト孔31とを備えて構成されている。
また、セグメント22は、本実施例では鋼製セグメントが使われている。後述する浮き防止部材16をケーソン10の側壁14に取り付ける際、その取り付け部分は充分な強度が要求される。このため、後述する浮き防止部材16をグラウト用の貫通孔30を利用して取り付ける際には、貫通孔30の周囲を補強する必要がある。前記補強板28は前記補強の役割を果たしている。更に、後述するフランジ部材52を補強板28に取り付けることも行われる。
セグメント22は、隣り合ったセグメント22とボルト等の接続手段により接続され、複数のセグメント22を接続することにより円筒形状の躯体20を構成する。また、再度図2を参照するに、図2における紙面上下方向すなわちケーソン本体12の沈設方向において積み重ねられた複数の躯体20は、該躯体20を構成するセグメント22が周方向にずれるようにすなわち千鳥状に配置されるように接続されている。このため、グラウト用の貫通孔30もケーソン本体12の沈設方向に沿って周方向に千鳥状に配置されている。
図4(A)を参照するに、後述する浮き防止部材16を取り付けるグラウト用の貫通孔30には、後述するフランジ部材52が取り付けられている。フランジ部材52は複数のボルト56と貫通孔30の周囲に配置されたボルト孔31とを螺合させて補強板28に固定されている。グラウト用の貫通孔30の内部には、モルタル29が充填され、地山UGから土砂が地下水とともにケーソン10内に流入しないように閉塞されている。充填に使用するモルタル29は、貧配合モルタルであり、鋼板やコンクリートと比べて切削が容易である。
尚、貫通孔30に逆止弁(図示せず)が設けられている構造である場合には、地下水がケーソン10内に流入することがないことから、モルタル29を貫通孔30に充填しなくとも良い。
図4(B)を参照するに、浮き防止部材16を取り付けないグラウト用の貫通孔30には、グラウト用ニップル33が溶接や埋め込み等により取り付けられている。グラウト用ニップル33には、グラウト用キャップ35が取り付けられ、貫通孔30を開閉可能に閉じている。
躯体20沈設完了後に底版18(水中コンクリート)を打設し、ケーソン本体12内の水を汲み上げた後、グラウト用キャップ35をグラウト用ニップル33から取り外し、ケーソン本体12内からモルタルをグラウトする。モルタルをグラウトすることにより躯体20と地山との空隙を充填して、地盤に躯体20を密着させるとともに地盤沈下を防止することができる。また、貫通孔30には、地下水圧が高くケーソン本体12内に湧水する場合に備えて逆止弁(図示せず)を設けてもよい。
図5は、ケーソン本体12の底部近傍を示している。ケーソン本体12の底部近傍の複数段の躯体20には、複数の浮き防止部材16が躯体20から該躯体20の外側の地中に向かって突出するように設けられている。図示の例では、浮き防止部材16は、グラウト用の貫通孔30を介してセグメント22の外側に向かって延びている。したがって、浮き防止部材16も、ケーソン本体12の沈設方向に沿って複数段の躯体20に千鳥状に配置されている。
ここで、図5に示すように、地中に沈設されたケーソン本体12には、該ケーソン本体12が沈設された土壌中に含まれる地下水からケーソン本体12を浮き上がらせようと浮力σが底版18(図1参照)に作用している。このため、ケーソン本体12には、該ケーソン本体を浮力σに抗して所定の深さに保持すべく、複数の浮き防止部材16を介して反力F(図9参照)が作用している。
図6ないし図9を参照して、浮力σに抗してケーソン本体12を所定の深さに保持する反力Fについて詳細に説明する。反力Fは、以下詳細に説明するが土砂のせん断抵抗τに基づく。
ここで、図6は浮き防止部材16が地中に存在する場合における該浮き防止部材及びケーソン本体12に作用する浮力と土砂のせん断抵抗τとの関係を示した模式図である。図6において、浮き防止部材16には、Z方向下方から浮力σが作用している。浮力σに抗して浮き防止部材16には、Z軸方向に対して斜め上方から土砂のせん断抵抗τが作用している。土砂のせん断抵抗τは、図7(A)及び図7(B)を参照して、以下の式(1)から求められる。

τ=C+σtanθ (1)
ここでτは土砂のせん断抵抗(KN/m)、Cは粘着力(KN/m)、θはせん断抵抗角または内部摩擦角度、tanθは摩擦係数を示している。
すなわち、土砂のせん断抵抗τは、図6、図7(A)及び図7(B)に示すように、Z軸方向に対して角度θで傾斜して浮き防止部材16から該浮き防止部材16の上方に延びる4つの傾斜面32のそれぞれにおいて該浮き防止部材16に作用する力である。したがって、この力は、浮き防止部材16に作用する浮力σに抗するように浮き防止部材16に作用し、浮き防止部材16が浮力σにより浮き上がることを防止する。
また、図8に示すように、浮き防止部材16の基端は、ケーソン本体12の側壁14に固定されている。このため、ケーソン本体12の側壁14から突出する各浮き防止部材16には、浮き防止部材16の両側に位置する2面と、浮き防止部材16の先端側に位置する1面との合計3つの傾斜面32でせん断抵抗τが作用している。
したがって、ケーソン本体12には、1つの浮き防止部材16に作用するせん断抵抗τにケーソン本体12に設けられた浮き防止部材16の数nを掛け合わせた合計のせん断抵抗nτ(KN/m)が作用することとなる。図8の例では、浮き防止部材16の数は、3つであることから、ケーソン本体12には3τ(KN/m)のせん断抵抗が作用している。
図9を参照するに、地表面34から−Z方向に沿って沈設されたケーソン本体12が示されている。各浮き防止部材16には、ケーソン本体12の沈設方向すなわち−Z方向にτ(KN/m)の大きさの力が作用している。
したがって、ケーソン本体12には、nτ(KN/m)の大きさの反力Fが作用している。また、反力Fは、ケーソン本体12に設ける浮き防止部材16の数nを増減することにより、その大きさを調整することが可能である。このため、ケーソン10は、浮力σに抗する反力Fを浮き防止部材16の数nにより調整することからケーソン本体12の自重を重くする必要がない。そのため、浮き防止部材16の数nを増やすことにより躯体20の自重を軽くすることができ、コストダウンを図ることができる。
また、後述するように浮き防止部材16はケーソン本体12の底版18設置後に設けられることから、浮き防止部材16の設置作業が容易であり、ケーソン本体12に設けられた浮き防止部材16の数nを増やすことは容易である。したがって、ケーソン10が設置された近傍の土壌中の地下水の増加によりケーソン本体12に作用する浮力σが増加した場合においても、浮き防止部材16をケーソン10の完成後に追加することができ、ケーソン10が浮き上がることを容易に防止することができる。
さらに、浮き防止部材16が設けられる躯体20を所定の深さ、すなわち深さ20m以上の深さとすることにより、浮き防止部材16が岩盤層等の強固な地盤に設けられることから、地震により引き起こされる液状化の影響を受ける虞がなく、あるいは虞が少ない。このため、浮き防止部材16は、ケーソン10を所定の深さに保持することができる。
<ケーソン本体の沈設工程>
次いで、図10(A)、図10(B)、図10(C)、図11(A)、図11(B)及び図11(C)を参照して、本発明に係るケーソン10の設置方法について説明する。
図10(A)において、アースアンカー36の上部にグリッパロッド(符号は省略)を連結し、ケーソン刃口44を有する躯体20をケーソン10の構築位置に設置する。該躯体20の上面に加圧桁38を載置し、該加圧桁38に油圧ジャッキ(センターホールジャッキ)40を取付ける。そして、該油圧ジャッキ40に前記アースアンカー36の上部のグリッパロッドを挿入して連結し、躯体20の圧入に備える。
図10(B)において、加圧桁38及び躯体20の自重と油圧ジャッキ40の油圧を利用した圧入作用(油圧ジャッキ40がグリッパロッドを引っ張る)によって、躯体20を地盤G中に圧入沈降させる。そして躯体20の圧入沈降を先行させながら躯体20内部の地盤Gの掘削をクレーン46及びクラブバケット48等を利用して進めていく。尚、図10(B)、図10(C)、図11(A)、図11(B)及び図11(C)においてWLは地下水の水位を表す。
図10(C)において、さらに所定の深さまで躯体20の圧入沈降を繰り返すとともに躯体20内部の地盤Gの掘削を所定深さまで進める。所定深さまで躯体20の圧入沈降及び地盤Gの掘削を終えると、図11(A)に示すように、圧入沈降させた躯体20の内部に水中コンクリートを打設し、底版18を形成する。
図11(B)に示すように、底版18形成後、ケーソン本体12の内部にたまっている水を図示しないポンプ等を使用して地上に汲み上げ、ケーソン本体12内部から水を排出する。その後、底版18近傍の躯体20の内部からケーソン本体12の側壁14の外側の地中に向かって複数の浮き防止部材16を突出させる。尚、浮き防止部材16の設置工程については、詳細に後述する。
次いで、図11(C)に示すように、アースアンカー36、加圧桁38及び油圧ジャッキ40を撤去し、所定深さのケーソン10が完成する。そして当該ケーソン10をシールドトンネルの発進立坑や到達立坑として利用する。
<浮き防止部材の設置工程>
次いで、図12ないし図20を参照して、浮き防止部材16のケーソン本体12への設置工程について説明する。尚、以下の説明では、グラウト用の貫通孔30を利用して浮き防止部材16をケーソン本体12の側壁14に固定する場合を取り上げる。図12(A)において、第1の工程としてケーソン本体12の側壁14を構成するセグメント22のグラウト用の貫通孔30にフランジ部材52(図18(A)参照)をボルト56で取り付ける。ここで図18(A)を参照して、フランジ部材52について説明する。
フランジ部材52は管状部材として形成され、その一端部54はフランジ状に形成されている。他端部58の外周面には雄ねじ60が形成され、他端部58の内周面には雌ねじ62が形成されている。フランジ部材52は、複数のボルト56によりフランジ状の一端部54が側壁14に取り付けられ、該側壁14に強固に固定される。
次いで図12(B)に示すように第2の工程として、フランジ部材52の他端部58に止水装置64を取り付ける。止水装置64は、中空パイプ66と、該中空パイプ66の先端部68(図12(B)左方)側から順に取り付けられた第1仕切バルブ70と、注入用バルブ72と、排泥用バルブ74と、第2仕切バルブ76と、グランドパッキン78とを備えて構成されている。
また、止水装置64は第1仕切バルブ70と注入用バルブ72及び排泥用バルブ74との間の位置で、注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76が第1仕切バルブ70に対して取り外し可能に構成されている。尚、取り外し可能構造は、公知の構造であって特定の構造に限定されないので、その詳細な図示は省略されている。
中空パイプ66の先端部68には雄ねじが形成されている。止水装置64は、中空パイプ66の前記雄ねじとフランジ部材52の雌ねじ62とを螺合させることによりフランジ部材52を介して側壁14に取り付けられる。尚、図12(B)において、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76は閉じられた状態にある。
第3の工程として、図13(A)に示すように、第2仕切バルブ76を開き、中空パイプ66の後端部80側から図示しない駆動源により駆動される開孔カッター82を中空パイプ66内に挿入する。さらに、第4の工程として、図13(B)に示すように、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72及び排泥用バルブ74を開き、開孔カッター82により、貫通孔30に充填されたモルタル29を掘削し、貫通孔30を再度開口させる。
この際、中空パイプ66のグランドパッキン78より先端側に注入用バルブ72から水が供給され、あるいは、止水装置64から中空パイプ内を通り開孔カッター82先端に水が供給され、開孔カッター82によるモルタル29の加工屑の除去が行われる。そして加工屑とともに水は排泥用バルブ74から排出される。
尚、グランドパッキン78は、開孔カッター82の外周面に接して、前記水が中空パイプ66の後端部80側に噴出することを防止している。
そして、開孔カッター82は貫通孔30を再度開口させた後、後端部80側に引き戻され、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76が閉じられる。その後、開孔カッター82は、中空パイプ66から取り外される。
尚、貫通孔30に逆止弁(図示せず)が設けられている構造である場合には、第3の工程及び第4の工程を省略することができる。
次いで第5の工程として、図14(A)に示すように、第2仕切バルブ76を開き、中空パイプ66の後端部80側から図示しない駆動源により駆動される掘削カッター86を中空パイプ66内に挿入する。尚、削孔水は中空パイプ66内に送水され、掘削カッター86から中空パイプ66と地山との間を後端部80方向に流れて排泥されるので、掘削カッター86の直径は開孔カッター82の直径より小さく設定されている。
さらに、第6の工程として、図14(B)に示すように、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72及び排泥用バルブ74を開き、掘削カッター86を開口部84まで前進させ、側壁14の外側の地山UGを掘削し、側壁14から地山UGに延びる掘削孔88を設ける。
この際、中空パイプ66のグランドパッキン78より先端側に注入用バルブ72から、あるいは掘削カッター86先端から水が供給され、掘削カッター86による地山UGから掘削した土砂の除去が行われる。そして土砂とともに水は排泥用バルブ74から排出される。
そして、掘削カッター86は、掘削孔88を側壁14の外側の地山UG中に設けた後、後端部80側に引き戻され、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76が閉じられる。その後、掘削カッター86は、中空パイプ66から取り外される。
次いで第7の工程として、図15(A)に示すように、第2仕切バルブ76を開き、中空パイプ66の後端部80側から浮き防止部材16を中空パイプ66内に挿入する。浮き防止部材16は、図18(B)に示すように管状部材として形成され、その一端部(基端部)90には雄ねじ92が形成されている。尚、浮き防止部材16は、一端部(基端部)90が中空パイプ66の後端部80側になるように中空パイプ66内に挿入される。
また、浮き防止部材16を中空パイプ66内に挿入する際、図20に示すように、浮き防止部材16と中空パイプ66との間に複数の棒状のスペーサー94が配置されるようにしてもよい。スペーサー94は、浮き防止部材16の周囲に略等角度で配置され、浮き防止部材16の中心軸と中空パイプ66の中心軸(ひいては掘削孔88の中心軸)とを一致させる役割を果たす。
また、浮き防止部材16の後端には、該浮き防止部材を押す挿入突棒96が配置されている。そして、第8の工程として、図15(B)に示すように第1仕切バルブ70を開き、浮き防止部材16を複数のスペーサー94とともに挿入突棒96により掘削孔88内に押し込む。その後、挿入突棒96を中空パイプ66の後端部80側に引き戻し、第2仕切バルブ76を閉じる。
そして、注入用バルブ72を開き、掘削孔88に向けてモルタル98を注入し、掘削孔88内にモルタル98を充填する。モルタル98を注入後、図15(B)に示すように、第1仕切バルブ70及び注入用バルブ72を閉じる。
さらに第9の工程として、図16(A)に示すように、止水装置64の注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76を第1仕切バルブ70から取り外す。そして第10の工程として、図16(B)に示すように、掘削孔88に充填したモルタル98が固化した後、第1仕切バルブ70をフランジ部材52から取り外す。
第11の工程として、図17(A)に示すように、固化したモルタル98の一部を除去し、浮き防止部材16の一端部(基端部)90の雄ねじ92を露出させる。雄ねじ92を露出させると、図19(A)に示すように、フランジ部材52の他端部58から浮き防止部材16の一端部(基端部)90の雄ねじ92が突出した状態となる。
第12の工程として、図17(B)に示すように、浮き防止部材16をフランジ部材52及び結合部材100を介して側壁14に結合する。結合部材100は、図19(B)に示すように、円筒状部材として形成され、一端部102に凹所104が形成され、さらに凹所104の底部106から他端部108側に向けて凹所110が形成されている。
凹所104は、フランジ部材52の他端部58が受け入れ可能に形成され、凹所104の内周面にはフランジ部材52の雄ねじ60と螺合する雌ねじ112が形成されている。凹所110は、浮き防止部材16の一端部(基端部)90が受け入れ可能に形成され、凹所110の内周面には浮き防止部材16の雄ねじ92と螺合する雌ねじ114が形成されている。
したがって、浮き防止部材16の一端部(基端部)90とフランジ部材52の他端部58とは結合部材100により結合される。このため、浮き防止部材16は、結合部材100及びフランジ部材52を介して側壁14に強固に固定される。さらに、浮き防止部材16は、浮き防止部材16と掘削孔88との間及び浮き防止部材16と開口部84との間にはモルタル98が充填されていることから十分な強度を有している。
このため、浮き防止部材16は、浮力σの作用によりケーソン本体12の側壁14に対して撓んだ際に浮き防止部材16が損傷する虞がなく、あるいは損傷する虞が少ない。したがって、浮き防止部材16は、該浮き防止部材に作用する土砂のせん断抵抗及び土砂の重さに耐えうることからケーソン本体12に作用する浮力σに抗して、ケーソン本体12を所定の深さに維持することができる。
■■■第2の実施例■■■■
次いで、図21ないし図22を参照して、第2の実施例としてグラウト用の貫通孔30を利用しないで浮き防止部材16をケーソン本体12の側壁14に固定する場合を説明する。図21(A)において、第1の工程としてケーソン本体12の側壁14にフランジ部材52(図18(A)参照)をボルト56で取り付ける。フランジ部材52は、複数のボルト56によりフランジ状の一端部54が側壁14に取り付けられ、該側壁14に強固に固定される。
次いで図21(B)に示すように第2の工程として、フランジ部材52の他端部58に止水装置64を取り付ける。止水装置64は、中空パイプ66の前記雄ねじとフランジ部材52の雌ねじ62とを螺合させることによりフランジ部材52を介して側壁14に取り付けられる。尚、図21(B)において、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76は閉じられた状態にある。
第3の工程として、図22(A)に示すように、第2仕切バルブ76を開き、中空パイプ66の後端部80側から開孔カッター82を中空パイプ66内に挿入する。さらに、第4の工程として、図22(B)に示すように、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72及び排泥用バルブ74を開き、開孔カッター82により、側壁14を掘削し、該側壁に開口部84を設ける。
この際、中空パイプ66のグランドパッキン78より先端側に注入用バルブ72から水が供給され、あるいは、止水装置64から中空パイプ内を通り開孔カッター82先端に水が供給され、開孔カッター82による側壁14の加工部分の冷却と加工屑の除去が行われる。そして加工屑とともに水は排泥用バルブ74から排出される。
そして、開孔カッター82は開口部84を側壁14に設けた後、後端部80側に引き戻され、第1仕切バルブ70、注入用バルブ72、排泥用バルブ74及び第2仕切バルブ76が閉じられる。その後、開孔カッター82は、中空パイプ66から取り外される。尚、以後の工程は、上記第1の実施例において説明した第5の工程から第12の工程と同じであり、その説明を省略する。
■■■第3の実施例■■■■
上記第1の実施例及び第2の実施例においてケーソン10は圧入ケーソン工法により構築されているが、ニューマチックケーソン工法により構築することができる。ケーソン10をニューマチックケーソン工法により構築する際、図23に示すように、底版を施工する前にケーソン本体12内から浮き防止部材16を地山UGに突出させることができる。
また、図23においてはケーソン本体12下部に設けた作業室116より上方すなわち作業室スラブ118より上方のケーソン本体12内に水を満たした状態で浮き防止部材16を施工するが、ケーソン本体12内から水を汲み出した状態において浮き防止部材16を施工しても良い。
さらに、ケーソン10の沈設方向においてケーソン本体12内部と高気圧下の作業室116との間に大気圧下のメンテナンスルーム(図示せず)を設け、該メンテナンスルームから浮き防止部材16を地山UGに突出させる構成とすることもできる。
上記説明をまとめると、本実施形態のケーソン10の製造方法は、躯体20を地中の所定の深さまで沈設する沈設工程と、前記沈設工程の後に、躯体20の側壁14から地中に向かって突出させ、側壁14に固定された浮き防止部材16を設ける工程と、を備えている。
さらに、本実施形態のケーソン10の製造方法は、前記沈設工程後に前記躯体20に底版18を設け、ケーソン本体12内の水を抜いた後、浮き防止部材16を設ける工程を行い、前記浮き防止部材を設ける工程は、躯体20の側壁14から地中に向かって浮き防止部材16を突出させるための掘削孔88を掘削する工程と、掘削孔88に浮き防止部材16を突出させ、側壁14に浮き防止部材16を固定する工程とを含んでいる。また、浮き防止部材16が前記側壁14に固定される所定深さは、液状化しない深さである。本実施例では、地中20m以上の深さである。
また、本実施形態のケーソン10は、地中に沈設された躯体20と該躯体20に設けられた底版18とで構成されたケーソン本体12の側壁14に、該側壁14を貫通して前記ケーソン外部の地中に向かって突出され、当該側壁14に固定された浮き防止部材16を備えている。浮き防止部材16は、ケーソン本体12の側壁14から前記地中に向かって掘削された孔88に設けられ、浮き防止部材16は多段に設けられ、且つ各段の周方向の位置がずれている。
ケーソン10は、セグメント22を周方向に連結した躯体20を上下方向に多段に連結したものであり、浮き防止部材16は底版18近傍に設けられているとともに液状化しない深さあるいは地中20m以上の深さに設けられている。
<<<実施例のその他の変形例>>>
(1)セグメント22は鋼製セグメントとしたが、鉄筋コンクリートセグメント、コンポジットセグメントであっても良い。また、セグメント22から構成される躯体20の形状は円形だけでなく小判型、楕円、矩形等の形状であっても良い。また、躯体20はセグメント22を使わずにリング状の鋼製ケーシングや鉄筋コンクリート製のものであっても良い。
(2)浮き防止部材16は管状部材としたが、棒状部材、板状部材であっても良い。
(3)浮き防止部材16は、複数段の躯体20において千鳥状に配置する構成に代えて、周方向において浮き防止部材16が設けられた位置が一致する構成としても良い。
(4)浮き防止部材16は、底版18施行後にケーソンの側壁に設ける方法を説明したが、浮き防止部材16をケーソン本体12の側壁14に予め内蔵させておき、沈設終了後に突出させるようにしてもよい。
(5)浮き防止部材16は、地山UGに掘削孔88を掘削した後、側壁14から突出させる構成としたが、地山UGに直接突出させる構成としても良い。
(6)フランジ部材52は、側壁14への固定手段としてボルト56で固定する構成に代えて、フランジ部材52を側壁14に溶接する構成としても良い。
(7)浮き防止部材16と結合部材100とは螺合する構成に代えて、浮き防止部材16と結合部材100とを溶接する構成としても良く、またフランジ部材52と結合部材100とは螺合する構成に代えて、フランジ部材52と結合部材100とを溶接する構成としても良い。さらに結合部材100を使用せずに、浮き防止部材16とフランジ部材52とを直接結合する構成としても良い。
(8)スペーサー94は図20の例に代えて、浮き防止部材16の中心軸と掘削孔88の中心軸とが一致する構成であれば、略等角度に配置しなくても良い。
(9)スペーサー94は棒状部材としたが、管状部材等であっても良い。
(10)本発明のケーソン10は、立坑だけでなく、構造物の基礎として構築しても良い。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
10 ケーソン、12 ケーソン本体、14 側壁、16 浮き防止部材、18 底版、20 躯体、22 セグメント、24 セグメント外面、25 主桁、26 継手板、27a リブ、27b リブ、28 補強板、29 モルタル、30 グラウト用の貫通孔、31 ボルト孔、32 面、33 グラウト用ニップル、34 地表面、35 グラウト用キャップ、36 アースアンカー、38 加圧桁、40 油圧ジャッキ、44 ケーソン刃口、46 クレーン、48 クラブバケット、50 グラウト材、52 フランジ部材、54 フランジ部材の一端部、56 ボルト、58 フランジ部材の他端部、60,92 雄ねじ、62,112,114 雌ねじ、64 止水装置、66 中空パイプ、68 中空パイプの先端部、70 第1仕切バルブ、72 注入用バルブ、74 排泥用バルブ、76 第2仕切バルブ、78 グランドパッキン、80 中空パイプの後端部、82 開孔カッター、84 開口部、86 掘削カッター、88 掘削孔、90 浮き防止部材の一端部、94 スペーサー、96 挿入突棒、98 モルタル、100 結合部材、102 結合部材の一端部、104,110 凹所、106 凹所104の底部、108 結合部材の他端部、116 作業室、118 作業室スラブ、F 反力、G 地盤、UG 地山、τ せん断抵抗、σ 浮力、C 粘着力、θ せん断抵抗角または内部摩擦角度、tanθ 摩擦係数、WL 地下水の水位

Claims (11)

  1. 躯体を地中に沈設させて立坑又は基礎を構築するケーソンの製造方法であって、
    前記躯体を地中の所定の深さまで沈設する沈設工程と、
    前記沈設工程の後に、前記躯体の側壁から側方の地中に向かって突出させ、前記側壁に固定された浮き防止部材を設ける工程と、
    を備え、
    前記浮き防止部材を設ける工程は、
    前記躯体の前記側壁から地中に向かって前記浮き防止部材を突出させるための孔を掘削する工程と、
    前記側壁の内面に一端が取り付けられ、他端が前記内面から前記ケーソンの中心方向に向かって延びる管状のフランジ部材を介して前記孔に前記浮き防止部材を突出させ、前記フランジ部材及び前記側壁に前記浮き防止部材を固定する工程とを含む、
    ことを特徴とするケーソンの製造方法。
  2. 請求項に記載のケーソンの製造方法において、
    前記浮き防止部材が前記側壁に固定される深さは、液状化しない深さであることを特徴とするケーソンの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のケーソンの製造方法において、
    前記浮き防止部材が前記側壁に固定される深さは、地中20m以上の深さであることを特徴とするケーソンの製造方法。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載されたケーソンの製造方法において、前記沈設工程後に前記躯体に底版を設け、前記ケーソン内の水を抜いた後、前記浮き防止部材を設ける工程を行うことを特徴とするケーソンの製造方法。
  5. 地中に沈設された躯体と前記躯体に設けられた底版とを備えて構成されたケーソンにおいて、
    前記躯体の側壁の内面に一端が取り付けられ、他端が前記内面から前記ケーソンの中心方向に向かって延びる管状のフランジ部材と、
    前記フランジ部材を介して前記ケーソン内から側方の地中に向かって突出され、前記側壁を貫通して前記フランジ部材及び前記側壁に固定された浮き防止部材を備えることを特徴とするケーソン。
  6. 請求項に記載されたケーソンにおいて、
    前記浮き防止部材は、前記ケーソンの前記側壁から前記地中に向かって掘削された孔に設けられていることを特徴とするケーソン。
  7. 請求項または請求項6に記載されたケーソンにおいて、
    前記浮き防止部材は多段に設けられ、且つ各段の周方向の位置がずれていることを特徴とするケーソン。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載されたケーソンにおいて、
    前記ケーソンが、セグメントを周方向に連結したセグメントリングを上下方向に多段に連結したものであることを特徴とするケーソン。
  9. 請求項5から請求項8のいずれか1項に記載されたケーソンにおいて、
    前記浮き防止部材は前記底版近傍に設けられていることを特徴とするケーソン。
  10. 請求項から請求項9のいずれか1項に記載されたケーソンにおいて、
    前記浮き防止部材は、液状化しない深さに設けられていることを特徴とするケーソン。
  11. 請求項から請求項10のいずれか1項に記載されたケーソンにおいて、
    前記浮き防止部材は、地中20m以上の深さに設けられていることを特徴とするケーソン。
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