JP6760529B1 - 防水壁および防水壁の構築方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1−1)第1実施形態の構成および作用効果
図1は、本発明の第1実施形態に係る防水壁10を示す斜視図であり、図2は、図1の防水壁10の基礎部12を拡大して示す拡大斜視図であり、図3は基礎部12の一部(図1のIII部)を拡大して示す一部拡大平面図である。図1では、本第1実施形態に係る防水壁10の構成をわかりやすく示すため、左から順に、(a)基礎部12のみを示す状態、(b)壁部連結鋼材22を設置した状態、(c)プレキャスト壁体24を1段積んだ状態、(d)プレキャスト壁体24を2段積んだ状態、(e)プレキャスト壁体24を3段積んだ状態、を示している。
孔24Xには壁部連結鋼材22が挿通されている。本第1実施形態に係る防水壁10においては、プレキャスト壁体24の壁体貫通孔24Xは、円柱状の形状であるが、壁部連結鋼材22を挿通させることができるのであれば、壁体貫通孔24Xの形状は特には限定されず、例えば角柱状であってもよい。
第1実施形態に係る防水壁10の構築方法は、後述する第2実施形態に係る防水壁30の構築方法と同様であり、第2実施形態に係る防水壁30は、壁部連結鋼材22が連結された棒状鋼材である下方突出鋼材34が直線形鋼矢板14の下端よりもさらに下方に突出している点のみが、本第1実施形態に係る防水壁10と異なるので、後述する第2実施形態に係る防水壁30の構築方法の説明を以って、本第1実施形態に係る防水壁10の構築方法の説明に替えることとする。
(2−1)第2実施形態の構成および作用効果
図5は、本発明の第2実施形態に係る防水壁30を示す斜視図である。図5では、本第2実施形態に係る防水壁30の構成をわかりやすく示すため、左から順に、(a)基礎部32のみを示す状態、(b)壁部連結鋼材22を設置した状態、(c)プレキャスト壁体24を1段積んだ状態、(d)プレキャスト壁体24を2段積んだ状態、(e)プレキャスト壁体24を3段積んだ状態、を示している。
本第2実施形態に係る防水壁30を構築する施工手順を、図面を参照しつつ、ステップに分けて説明する。図6〜図9は、本第2実施形態に係る防水壁30を構築する際の代表的な工程を模式的に示す斜視図である。
想定される浸透流の進行を食い止めるのに必要な直線形鋼矢板14の埋め込み深さを算出して、直線形鋼矢板14の長さを決定するとともに、本壁部20が受ける想定水圧による想定外力に基づいて、下方突出鋼材34の必要な埋め込み深さを算出して、下方突出鋼材34の長さを決定する。そして、直線形鋼矢板14の一方の面に長手方向が上下方向となるように棒状鋼材16を溶接して一般部矢板部材36を製作するとともに、直線形鋼矢板14の一方の面に長手方向が上下方向となるように下方突出鋼材34を溶接して連結部矢板部材38を製作する。
ステップS1で製作した一般部矢板部材36および連結部矢板部材38を、幅方向に隣り合う直線形鋼矢板14同士の継手14Aを係合させた状態で、圧入機80(図6参照)を用いて地盤中に圧入して設置する。このようにして、第2実施形態に係る防水壁30の基礎部32の地盤中への設置が完了した状態を図7に示す。なお、圧入機80を用いて地盤中に圧入して設置する際には掘削をすることは原則として不要である。また、現場の状況に応じて、圧入機80による圧入工法に替えて、振動工法による打設を採用することも可能である。
ステップS2で設置した基礎部32において、図8に示すように、連結部矢板部材38の下方突出鋼材34の上端部に、壁部連結鋼材22の下端部を、添接板26およびボルト26A(図4参照)によって接合して、壁部連結鋼材22を立設する。
クレーン(図示せず)で吊り上げたプレキャスト壁体24の壁体貫通孔24Xを、ステップS3で立設した壁部連結鋼材22が挿通するように、プレキャスト壁体24を吊り下げて、基礎部32の上方にプレキャスト壁体24を3段に積み上げて配置する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る防水壁40を示す斜視図である。図10では、本第3実施形態に係る防水壁40の構成をわかりやすく示すため、左から順に、(a)基礎部42にプレキャスト壁体24を積む前の状態、(b)プレキャスト壁体24を1段積んだ状態、(c)プレキャスト壁体24を2段積んだ状態、(d)プレキャスト壁体24を3段積んだ状態、を示している。
図11は、本発明の第4実施形態に係る防水壁50を示す斜視図である。図11では、本第4実施形態に係る防水壁50の構成をわかりやすく示すため、左から順に、(a)基礎部52にプレキャスト壁体24を積む前の状態、(b)プレキャスト壁体24を1段積んだ状態、(c)プレキャスト壁体24を2段積んだ状態、(d)プレキャスト壁体24を3段積んだ状態、を示している。
第1〜4実施形態に係る防水壁10、30、40、50では、直線形鋼矢板14の面のうち、浸透流と対峙する外面14Bとは反対側の面のみに棒状鋼材16を溶接で取り付けているが、直線形鋼矢板14の両面に棒状鋼材16を取り付けてもよい。また、第1〜4実施形態に係る防水壁10、30、40、50のように、幅方向に複数の直線形鋼矢板14を継いで基礎部を構成する場合、浸透流と対峙する面(外面14B)およびその反対側の面に、所定の数ごとに交互に棒状鋼材16を取り付けるようにしてもよい。
12、32、42、52…基礎部
14…直線形鋼矢板
14A、60A…継手
14B…外面
16、62…棒状鋼材
20、46、56…本壁部
22…壁部連結鋼材
24…プレキャスト壁体
24X…壁体貫通孔
26…添接板
26A…ボルト
28…グラウト
34…下方突出鋼材
36…一般部矢板部材
38…連結部矢板部材
44…上方突出鋼材
54…上下突出鋼材
60…ハット形鋼矢板
80…圧入機
Claims (17)
- 地盤に固定されている基礎部と、該基礎部の上方に配置された本壁部と、を有する防水壁であって、
前記基礎部は、鋼矢板と、前記鋼矢板の一方の壁面に長手方向が上下方向となるように取り付けられた棒状鋼材と、を備え、
前記本壁部は、壁部連結鋼材と、該壁部連結鋼材が挿入される壁体孔が形成されたプレキャスト壁体と、を有し、前記プレキャスト壁体の前記壁体孔内に前記壁部連結鋼材の少なくとも一部が位置する状態で前記壁部連結鋼材に前記プレキャスト壁体が固定されたものであり、
前記基礎部の前記棒状鋼材の上端部と前記本壁部の前記壁部連結鋼材の下端部とは接合されていることを特徴とする防水壁。 - 前記本壁部は前記プレキャスト壁体を複数備え、前記プレキャスト壁体は上下方向に複数段に積み上げられて前記本壁部の壁面を形成しており、前記プレキャスト壁体の前記壁体孔に挿入された前記壁部連結鋼材の上端は、複数段に積み上げられた前記プレキャスト壁体のうち、最上段に配置された前記プレキャスト壁体の上端近傍まで達していることを特徴とする請求項1に記載の防水壁。
- 地盤に固定されている基礎部と、該基礎部の上方に配置された本壁部と、を有する防水壁であって、
前記基礎部は、鋼矢板と、前記鋼矢板の一方の壁面に長手方向が上下方向となるように取り付けられた棒状鋼材と、を備え、
前記本壁部は、前記鋼矢板の上端よりも上方に突出した前記棒状鋼材の突出部位と、該棒状鋼材の前記突出部位が挿入される壁体孔が形成されたプレキャスト壁体とを有し、前記プレキャスト壁体の前記壁体孔内に前記棒状鋼材の前記突出部位の少なくとも一部が位置する状態で前記突出部位に前記プレキャスト壁体が固定されたものであることを特徴とする防水壁。 - 前記本壁部は前記プレキャスト壁体を複数備え、前記プレキャスト壁体は上下方向に複数段に積み上げられて前記本壁部の壁面を形成しており、前記プレキャスト壁体の前記壁体孔に挿入された前記棒状鋼材の前記突出部位の上端は、複数段に積み上げられた前記プレキャスト壁体のうち、最上段に配置された前記プレキャスト壁体の上端近傍まで達していることを特徴とする請求項3に記載の防水壁。
- 前記鋼矢板一つに対して前記棒状鋼材が一つ取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防水壁。
- 前記基礎部は前記鋼矢板を複数備え、該複数の鋼矢板は、それぞれ幅方向両端部に継手部を有し、水平断面形状が直線状である直線形鋼矢板であり、幅方向に隣り合う前記直線形鋼矢板同士は、お互いの前記継手部同士が係合して連結していることを特徴とする請求項5に記載の防水壁。
- 前記基礎部は前記鋼矢板を複数備え、該複数の鋼矢板は、それぞれ幅方向両端部に継手部を有し、水平断面形状が凹凸状であるハット形鋼矢板であり、幅方向に隣り合う前記ハット形鋼矢板同士は、お互いの前記継手部同士が係合して連結していることを特徴とする請求項5に記載の防水壁。
- 前記基礎部は前記棒状鋼材を複数備え、前記複数の棒状鋼材のうち、少なくとも一つの前記棒状鋼材の下端は、前記鋼矢板の下端よりも下方に突出していることを特徴とする請
求項1〜7のいずれかに記載の防水壁。 - 前記鋼矢板の下端よりも下端が下方に突出している前記棒状鋼材の上端部には、延長鋼材が継がれていることを特徴とする請求項8に記載の防水壁。
- 前記棒状鋼材および前記壁部連結鋼材は、H形鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の防水壁。
- 前記棒状鋼材は、H形鋼であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の防水壁。
- 鋼矢板と棒状鋼材とを有し、前記鋼矢板の一方の壁面に長手方向が上下方向となるように前記棒状鋼材が取り付けられてなる矢板部材を地盤中に設置する基礎部設置工程と、
前記基礎部設置工程で地盤中に設置された前記矢板部材の前記棒状鋼材の上端部に壁部連結鋼材の下端部を接合して、前記壁部連結鋼材を立設する壁部連結鋼材立設工程と、
プレキャスト壁体の壁体孔内に前記壁部連結鋼材が位置するように前記プレキャスト壁体を配置して、前記壁体孔内にグラウトを充填して前記壁部連結鋼材に前記プレキャスト壁体を固定するプレキャスト壁体配置固定工程と、
を有することを特徴とする防水壁の構築方法。 - 前記プレキャスト壁体配置固定工程では、前記プレキャスト壁体は上下方向に複数段に積み上げられていて、前記プレキャスト壁体の前記壁体孔内に位置する前記壁部連結鋼材の上端は、複数段に積み上げられた前記プレキャスト壁体のうち、最上段に配置された前記プレキャスト壁体の上端近傍まで達していることを特徴とする請求項12に記載の防水壁の構築方法。
- 鋼矢板と棒状鋼材とを有し、前記鋼矢板の一方の壁面に長手方向が上下方向となるように前記棒状鋼材が取り付けられてなる矢板部材を地盤中に設置する基礎部設置工程と、
前記基礎部設置工程で地盤中に設置された前記矢板部材の前記棒状鋼材には前記鋼矢板の上端よりも上方に突出した突出部位があり、プレキャスト壁体の壁体孔内に前記棒状鋼材の前記突出部位が位置するように前記プレキャスト壁体を配置して、前記壁体孔内にグラウトを充填して前記突出部位に前記プレキャスト壁体を固定するプレキャスト壁体配置固定工程と、
を有することを特徴とする防水壁の構築方法。 - 前記プレキャスト壁体配置固定工程では、前記プレキャスト壁体は上下方向に複数段に積み上げられていて、前記プレキャスト壁体の前記壁体孔内に位置する前記棒状鋼材の前記突出部位の上端は、複数段に積み上げられた前記プレキャスト壁体のうち、最上段に配置された前記プレキャスト壁体の上端近傍まで達していることを特徴とする請求項14に記載の防水壁の構築方法。
- 前記基礎部設置工程では、前記矢板部材を圧入又は打設により地盤中に設置することを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の防水壁の構築方法。
- 想定される浸透流の進行を食い止めるのに必要な地盤中への前記矢板部材の埋め込み深さを算出する算出工程を有することを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の防水壁の構築方法。
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