JP6613990B2 - 堤体 - Google Patents

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Description

本発明は、堤体に関し、特にプレキャスト化された壁体を備えた堤体に関する。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波は、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらし、原子力発電所からの大量の放射性物質の放出という事態ももたらした。
この大被害を受けて、日本全国の沿岸部や原子力発電所の立地地域では、大津波に対する対策が喫緊の課題となっており、大津波に対する対策の一端を担う構造物である堤防や胸壁等の堤体(例えば、非特許文献1参照)を短工期で構築することが求められている。
現地施工期間の短縮のためには堤体をプレキャスト化することが考えられるが、防波堤においては杭にプレキャスト化した壁体を取り付けた構造はすでに用いられている(例えば、特許文献1、2、非特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1、2および非特許文献2に記載された、杭にプレキャスト化した壁体を取り付けた構造にはフーチングがなく、安定性の点で大津波を防ぎ切ることは難しいと考えられる。
一方、フーチングを設けた場合、壁体とフーチングとが一体化してプレキャスト化された堤体では重量が大きくなるため、クレーン等の施工機材の制約により施工が困難となる場合も想定される。
これに対して、特許文献3では、フーチングと壁体のうち少なくとも壁体がプレキャスト化された堤体であって、かつ、フーチングと壁体との接合部において必要となる鉄筋量を少なく抑えることができて施工性に優れる堤体が提案されている。
この堤体は、鋼管杭と、該鋼管杭に支持されたフーチングと、該フーチングの上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔を有し、該壁体貫通孔の内面には壁体さや管を有するプレキャスト壁体と、を備えた堤体であって、前記フーチングは厚さ方向に貫通するフーチング貫通孔を有し、該フーチング貫通孔の内面にはフーチングさや管が備えられ、該フーチングさや管は前記フーチングの上面よりも上方の位置まで延伸し、該フーチングさや管に前記鋼管杭が差し込まれ、前記フーチングさや管は前記プレキャスト壁体の前記壁体さや管に差し込まれ、前記フーチングさや管と該フーチングさや管に差し込まれた前記鋼管杭との間隙にはグラウト材が充填されていることを特徴とする堤体である。
特開2001−3331号公報 特開2005−248661号公報 特許第5024489号公報
「海岸保全施設の技術上の基準・同解説」、海岸保全施設技術研究会、2004年6月発行 「港湾の施設の技術上の基準・同解説」、社団法人日本港湾協会、2007年9月発行、p.873−p.874
しかしながら、特許文献3で提案されている堤体では、壁体を支える芯材は基礎の鋼管杭であるが、この鋼管杭の杭径は基礎構造から決定される。このため、堤体の壁の高さが低い場合には、壁体の芯材としては応力的に余裕がある場合があり、その余裕の分だけ不経済な設計となる場合がある。
また、特許文献3で提案されている堤体では、壁体を支える芯材が基礎の鋼管杭であり、基礎の鋼管杭にプレキャスト壁体を差し込む構造であるため、壁体に要求される耐力および壁体とフーチングとの接合部に要求される耐力に関わらず、壁体の厚さが基礎の鋼管杭の杭径から決定される場合がある。このような場合、壁体の厚さが耐力面から要求される厚さよりも厚くなり、1つのプレキャスト壁体の重量が増加してしまうことがある。一方、壁体の厚さが厚くなっても1つのプレキャスト壁体の重量の増加を抑えるためには、プレキャスト壁体の高さを低くすることが必要となり、この場合には積み上げるプレキャスト壁体の段数が増え、施工効率の点でマイナスとなる。
また、そもそも壁体の厚さが耐力面から要求される厚さよりも厚くなると、壁体全体の重量が必要以上に増加し、堤体全体に対して、設計面、施工面およびコスト面において悪影響を与える。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであって、プレキャスト化された壁体が用いられ、かつ、フーチングを有する堤体であるが、より経済的な設計が可能な堤体を提供することを課題とする。
本発明は、以下の堤体により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係る堤体は、管状の第1の基礎杭と、管状の第2の基礎杭と、前記第1の基礎杭および前記第2の基礎杭に支持されたフーチングと、前記フーチングの上方に配置され、略鉛直方向に貫通する壁体貫通孔を有するプレキャスト壁体と、を備えた堤体であって、前記フーチングは、前記プレキャスト壁体と略直交する略水平方向に配置されたフーチング骨格部材と、前記フーチング骨格部材の一端部に設けられて前記フーチング骨格部材よりも上方および下方の両方向に延びる上下方向部材と、前記フーチング骨格部材の他端部に設けられて前記フーチング骨格部材よりも下方に延びる下方向部材と、を有し、前記フーチング骨格部材と前記上下方向部材とは一体化されており、かつ、前記フーチング骨格部材と前記下方向部材とは一体化されており、前記上下方向部材の前記フーチング骨格部材よりも下側の部位の少なくとも一部は前記管状の第1の基礎杭の内空部に差し込まれていて、かつ、前記第1の基礎杭の内空部に差し込まれた前記上下方向部材の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、前記上下方向部材は前記管状の第1の基礎杭と一体化されており、前記上下方向部材の前記フーチングよりも上側の部位の少なくとも一部は前記プレキャスト壁体の前記壁体貫通孔に差し込まれていて、かつ、前記プレキャスト壁体の前記壁体貫通孔に差し込まれた前記上下方向部材の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、前記上下方向部材は前記プレキャスト壁体と一体化されており、前記下方向部材の前記フーチング骨格部材よりも下側の部位の少なくとも一部は前記管状の第2の基礎杭の内空部に差し込まれていて、かつ、前記第2の基礎杭の内空部に差し込まれた前記下方向部材の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、前記下方向部材は前記管状の第2の基礎杭と一体化されていることを特徴とする堤体である。
ここで、「プレキャスト壁体と略直交する略水平方向」とは、プレキャスト壁体の延びる水平方向と略直交する略水平方向のことである。
前記プレキャスト壁体は、少なくとも一方の側端部の壁厚が本体部の壁厚よりも厚くなっていることが好ましい。
ここで、プレキャスト壁体の側端部とは、プレキャスト壁体の幅方向(壁体の厚さ方向と直交する水平方向)の端部のことである。
また、プレキャスト壁体の本体部とは、プレキャスト壁体の側端部および壁体貫通孔を設けることに伴って壁厚が厚くなった部位を除いた部位のことである。
前記プレキャスト壁体の側端部の壁厚は、想定される地震によって地盤変動が生じて堤体が傾斜しても、隣り合う堤体のプレキャスト壁体同士の間に目違いが生じない最小の厚さとすることが好ましく、さらには前記最小の厚さに適切な安全係数を乗じた厚さとすることがより好ましい。
ここで目違いとは、隣り合う堤体が連なる方向に堤体を見たときに、隣り合う堤体のプレキャスト壁体同士の間に生じる隙間のことを言う。
壁厚が前記本体部の壁厚よりも厚くなっている前記側端部には、前記壁体貫通孔は設けられていないことが好ましい。
前記壁体貫通孔は、前記プレキャスト壁体の外面とは反対側の面から突出した部位に設けられていることが好ましい。
ここで、プレキャスト壁体の外面とは、想定される外力を受ける側のプレキャスト壁体の壁面のことである。
前記フーチング骨格部材、前記上下方向部材および前記下方向部材は、例えば、断面形状がH形の鋼材を用いてもよい。
前記壁体貫通孔は、上方から見た形状が四角形となるようにしてもよい。
前記第1の基礎杭および前記第2の基礎杭としては、鋼管杭を用いてもよい。
前記フーチング骨格部材は、長手方向に分割された複数の部位から構成されていてもよく、この場合、該複数の部位は連結部材を介して機械的に連結されて一体化されていてもよい。
前記プレキャスト壁体を上下方向に複数設け、上下方向に積み重ねて配置してもよい。
前記プレキャスト壁体を略水平方向に複数設け、複数の前記プレキャスト壁体を略水平方向に隣り合うように並べ、複数の前記プレキャスト壁体をその外面が連続するように配置してもよい。
本発明によれば、プレキャスト化された壁体が用いられ、かつ、フーチングを有する堤体であるが、より経済的な設計が可能な堤体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る堤体を該堤体の延びる方向から見た側面図 本発明の第1実施形態に係る堤体を上方から見た平面図 本発明の第1実施形態に係る堤体10をフーチング16のコンクリート部分を除いて描いた斜視図 本発明の第1実施形態に係る堤体10のフーチング16の有する骨格部材(フーチング鉄骨18)を示す斜視図 本発明の第1実施形態に係る堤体10のプレキャスト壁体24を示す斜視図 本発明の第1実施形態に係る堤体10のプレキャスト壁体24の変形例であるプレキャスト壁体26を示す斜視図 本発明の第2実施形態に係る堤体30をフーチング16のコンクリート部分を除いて描いた斜視図 本発明の第2実施形態に係る堤体30(フーチング16のコンクリート部分は描いていない)を隣り合うように配置した状態を描いた斜視図 隣り合うように配置した本発明の第2実施形態に係る堤体30が地震による地盤変動の影響を受けた後の一例を示す斜視図 図9の状態の堤体30を上方から見た上面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る堤体を該堤体の延びる方向から見た側面図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る堤体を上方から見た平面図である。本発明の第1実施形態に係る堤体を津波や高潮に対する防波堤として用いる場合、堤体の延びる方向は、海岸線にほぼ沿う方向となることが多い。
本第1実施形態に係る堤体10は、第1の基礎杭12と、第2の基礎杭14と、フーチング16と、フーチング鉄骨(フーチング骨格部材)18と、上下方向鉄骨(上下方向部材)20と、下方向鉄骨(下方向部材)22と、プレキャスト壁体24と、を備えてなる。
第1の基礎杭12および第2の基礎杭14は、中空部を有する管状の部材であり、所定の支持力が確保できる深さまで地中に打ち込まれており、フーチング16を下方から支持して堤体10を安定させて、大津波等の外力を受けても、堤体10全体が転倒することのないようにする役割を有する。第1の基礎杭12および第2の基礎杭14の材質は特に限定されず、所定の機械的特性(強度、弾性率等)を満たすものであれば使用可能であり、例えば鉄鋼材料を好適に用いることができる。本第1実施形態では、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14として、鋼製の円筒部材である鋼管杭を用いている。ただし、本発明において、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14の全体を鋼製の円筒部材とすることは必ずしも必要なく、少なくとも、上下方向鉄骨(上下方向部材)20または下方向鉄骨(下方向部材)22が差し込まれる部位を鋼製の円筒部材とすればよい。第1の基礎杭12および第2の基礎杭14において、上下方向鉄骨(上下方向部材)20または下方向鉄骨(下方向部材)22が差し込まれる部位よりも下の部位は鋼製としなくてもよく、例えば、鉄筋コンクリート製としてもよい。
第1の基礎杭12および第2の基礎杭14は、想定する外力の方向に並ぶように配置されており、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14が並んでいる方向は、プレキャスト壁体24の延びる水平方向と略直交する略水平方向になっている。
フーチング16は、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14と連結されて強固に地盤に固定されている。また、フーチング16は、受圧面積の広い土台である。このため、フーチング16は、堤体10の全体の安定性を保持する役割を有する。
フーチング16は、フーチング鉄骨(フーチング骨格部材)18と、上下方向鉄骨(上下方向部材)20と、下方向鉄骨(下方向部材)22と、を有している。フーチング16は、そのほとんどの部分がコンクリートで形成されていて、フーチング鉄骨18、上下方向鉄骨20、および下方向鉄骨22は、フーチング16のコンクリートと一体化されている。
フーチング16は、現場打ちコンクリートで作製したものでもよいし、あるいはプレキャスト化されたものでもよい。ただし、フーチング16をプレキャスト化した場合には、フーチング鉄骨18、上下方向鉄骨20、および下方向鉄骨22が、フーチング16のコンクリートと一体化された状態で運搬や据え付けを行うことになるので、運搬や据え付けのことに十分に配慮して、フーチング16をプレキャスト化するかどうか検討する必要がある。
図3は、本第1実施形態に係る堤体10をフーチング16のコンクリート部分を除いて描いた斜視図であり、図4は、フーチング16の有する骨格部材(フーチング鉄骨18)を示す斜視図である。
フーチング鉄骨18は、フーチング16のコンクリート内部に配置された鉄骨であり、その長手方向がプレキャスト壁体24の延びる水平方向と略直交する略水平方向(第1の基礎杭12および第2の基礎杭14が並んでいる方向)に配置されている。フーチング鉄骨18をその長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状はH形の形状であり、図3および図4に示すように、フーチング鉄骨18は、その長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の鋼材である。
フーチング鉄骨18の一端部18Bには上下方向鉄骨20が配置され、フーチング鉄骨18の他端部18Cには下方向鉄骨22が配置されている。ここで、フーチング鉄骨18の一端部18Bおよび他端部18Cとは、端部の端面よりも少し内側の部位も含む概念であり、図4に示すフーチング鉄骨18と下方向鉄骨22との位置関係(下方向鉄骨22がフーチング鉄骨18の端部の端面よりも少し内側に位置している)のような場合も含む概念である。
フーチング鉄骨18と上下方向鉄骨20とは一体化されており、また、フーチング鉄骨18と下方向鉄骨22とは一体化されている。ここで、一体化とは、想定される断面力を伝達するのに十分な程度に連結されていることを意味し、一体化のための態様は特には限定されず、例えば、溶接による一体化でも、機械的な連結による一体化でもよい。本第1実施形態では、フーチング鉄骨18と上下方向鉄骨20との一体化およびフーチング鉄骨18と下方向鉄骨22との一体化は、溶接によりなされている。
また、フーチング鉄骨18は、図4に示すように、複数に分割されていてもよい。本第1実施形態では、フーチング鉄骨18は2つに分割されており、連結部材18Aを介して機械的に連結されている。図3および図4においては、フーチング鉄骨18は2つに分割されているが、3つ以上に分割されていてもよい。
フーチング鉄骨18は、上下方向鉄骨20および下方向鉄骨22と連結されているので、外力を受けたプレキャスト壁体24から上下方向鉄骨20に伝達された断面力は、フーチング鉄骨18を介して下方向鉄骨22にも伝達される。上下方向鉄骨20および下方向鉄骨22に伝達された断面力は、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14を介して地盤に伝達される。
なお、本第1実施形態では、2つに分割されたフーチング鉄骨18は連結部材18Aを介して機械的に連結されているが、想定される断面力を伝達するのに十分な連結であれば連結方法は機械的な連結に限定されるわけではなく、例えば溶接により連結してもよい。
また、本第1実施形態では、その長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の形状である鋼材をフーチング鉄骨18として用いたが、想定される断面力を十分に伝達することができるのであれば、断面形状がH形以外の形状の鋼材を用いてもよい。また、想定される断面力を十分に伝達することができるのであれば、フーチング鉄骨18に替えて、鋼以外の材質である部材をフーチング骨格部材として用いてもよい。
上下方向鉄骨20は、その長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状はH形の形状であり、図3および図4に示すように、上下方向鉄骨20はその長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の鋼材である。上下方向鉄骨20は、その長手方向が略鉛直方向となるように配置され、図3に示すように、フーチング鉄骨18よりも下側の部位の少なくとも一部は第1の基礎杭12の内空部に差し込まれており、また、フーチング16よりも上側の部位の少なくとも一部はプレキャスト壁体24の突出部24Bに設けられた壁体貫通孔24Cに差し込まれている。第1の基礎杭12の内空部に差し込まれた上下方向鉄骨20の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、上下方向鉄骨20と第1の基礎杭12とは一体化されている。また、プレキャスト壁体24の突出部24Bに設けられた壁体貫通孔24Cに差し込まれた上下方向鉄骨20の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、上下方向鉄骨20とプレキャスト壁体24とは一体化されている。
また、前述したように、上下方向鉄骨20は、フーチング鉄骨18の一端部18Bと溶接により連結されて一体化されている。
このため、外力を受けたプレキャスト壁体24から上下方向鉄骨20に伝達された断面力は、フーチング鉄骨18を介して下方向鉄骨22にも伝達される。上下方向鉄骨20および下方向鉄骨22に伝達された断面力は、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14を介して地盤に伝達される。このように、上下方向鉄骨20は、プレキャスト壁体24が受けた外力を地盤に伝達するための重要な役割を担っている。
なお、上下方向鉄骨20は、1つの部材のみで形成されていなくてもよく、想定される断面力の伝達を十分になすことができるのであれば、複数の部材を溶接や機械的な接合により連結させたものであってもよい。また、上下方向鉄骨20とフーチング鉄骨18との一体化のための態様は特には限定されず、溶接による一体化でなくてもよく、例えば、機械的な連結による一体化でもよい。
また、本第1実施形態では、その長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の形状である鋼材を上下方向鉄骨20として用いたが、想定される断面力を十分に伝達することができるのであれば、断面形状がH形以外の形状の鋼材を用いてもよい。また、想定される断面力を十分に伝達することができるのであれば、上下方向鉄骨20に替えて、鋼以外の材質である部材を上下方向部材として用いてもよい。
下方向鉄骨22は、その長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の形状であり、図4に示すように、下方向鉄骨22はその長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の鋼材である。下方向鉄骨22は、その長手方向が略鉛直方向となるように配置され、図3に示すように、フーチング鉄骨18よりも下側の部位の少なくとも一部は第2の基礎杭14の内空部に差し込まれている。第2の基礎杭14の内空部に差し込まれた下方向鉄骨22の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、下方向鉄骨22と第2の基礎杭14とは一体化されている。
また、前述したように、下方向鉄骨22は、フーチング鉄骨18の他端部18Cと溶接により連結されて一体化されている。
このため、外力を受けたプレキャスト壁体24から上下方向鉄骨20に伝達された断面力は、フーチング鉄骨18を介して下方向鉄骨22にも伝達される。上下方向鉄骨20および下方向鉄骨22に伝達された断面力は、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14を介して地盤に伝達される。
なお、下方向鉄骨22は、1つの部材のみで形成されていなくてもよく、想定される断面力の伝達を十分になすことができるのであれば、複数の部材を溶接や機械的な接合により連結させたものであってもよい。また、下方向鉄骨22とフーチング鉄骨18との一体化のための態様は特には限定されず、溶接による一体化でなくてもよく、例えば、機械的な連結による一体化でもよい。
また、本第1実施形態では、その長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状がH形の形状である鋼材を下方向鉄骨22として用いたが、想定される断面力を十分に伝達することができるのであれば、断面形状がH形以外の形状の鋼材を用いてもよい。また、想定される断面力を十分に伝達することができるのであれば、下方向鉄骨22に替えて、鋼以外の材質である部材を下方向部材として用いてもよい。
図5は、本第1実施形態におけるプレキャスト壁体24を示す斜視図である。
プレキャスト壁体24は、本第1実施形態に係る堤体10において、想定される外力を直接に受ける面状のプレキャスト部材である。本第1実施形態では、プレキャスト壁体24は、鉄筋コンクリートで形成されており、想定される外力に応じて壁厚および図示せぬ鉄筋の配置および量が定められている。
図1および図3に示すように、本第1実施形態に係る堤体10においては、プレキャスト壁体24は、上下方向に3段に積み重ねられている。ただし、プレキャスト壁体24を積み重ねる段数は3段に限定されるわけではなく、2段または4段以上であってもよく、あるいは積み重ねずに1段のみとしてもよい。
プレキャスト壁体24は、想定される外力を直接に受ける外面24Aを、想定される外力の進行方向に向けるように配置されている。外面24Aと反対側の壁面には、図3および図5に示すように、四角柱状の突出部24Bが設けられている。突出部24Bは、上方から見たときの形状(水平断面の形状)が正方形状である。また、突出部24Bには、上方から見たときの形状が正方形状の壁体貫通孔24Cが上下方向に設けられている。
プレキャスト壁体24は、図3に示すように、壁体貫通孔24Cに上下方向鉄骨20が差し込まれるように配置する。壁体貫通孔24Cに差し込まれた上下方向鉄骨20の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、プレキャスト壁体24と上下方向鉄骨20とは一体化されている。
プレキャスト壁体24は、外面24Aと反対側の壁面に正方形状の突出部24Bを設けているので、本体部の壁厚を厚くせずに、上下方向鉄骨20を差し込むための壁体貫通孔24Cを設けている。このため、壁体貫通孔24Cを設けることによってプレキャスト壁体24全体の重量が増加することを抑制している。
また、本第1実施形態に係る堤体10においては、図2に示すように、複数のプレキャスト壁体24を、水平方向に外面24Aが連続するように配置している。複数のプレキャスト壁体24を、水平方向に外面24Aが連続するように配置することで、例えば海岸線に沿って延びる堤体を構築することができる。
なお、本第1実施形態に係る堤体10においては、プレキャスト壁体24は、鉄筋コンクリート製としたが、プレキャスト壁体24の材質は鉄筋コンクリートに限定されるわけではなく、想定される外力を受け止めるのに十分な強度および剛性を有しているのであれば、鉄筋コンクリート以外の材質も適用可能である。
また、プレキャスト壁体24において、突出部24Bの形状は、水平断面が正方形状の四角柱でなくてもよい。例えば、図6(プレキャスト壁体24の変形例であるプレキャスト壁体26を示す斜視図)に示す突出部26Bのように、突出部の形状は、水平断面が等脚台形状の四角柱であってもよい。プレキャスト壁体26において、突出部26Bには、上方から見たときの形状が正方形状の壁体貫通孔26Cが上下方向に設けられている。
また、突出部24B、26Bの水平断面の形状は、四角形でなくてもよく、四角形以外の多角形であってもよい。さらに、突出部24B、26Bの水平断面の形状は、多角形でなくてもよく、例えば半円状であってもよい。
また、壁体貫通孔24C、26Cの水平断面の形状は正方形状でなくてもよく、正方形以外の四角形でもよい。また、壁体貫通孔24C、26Cの水平断面の形状は四角形でなくてもよく、四角形以外の多角形であってもよい。また、壁体貫通孔24C、26Cの水平断面の形状は、多角形でなくてもよく、例えば円状であってもよい。
以上、本第1実施形態に係る堤体10の各構成要素について説明したが、次に本第1実施形態に係る堤体10の作用効果を説明する。
プレキャスト壁体24が受ける想定外力は水平方向の外力であるが、その外力に直接的に対向してプレキャスト壁体24の位置を保持するための芯材は、上下方向鉄骨20であり、基礎杭12、14ではない。このため、本第1実施形態に係る堤体10においては、基礎の設計で定められた基礎杭の径が直接的にプレキャスト壁体24の壁厚に影響を及ぼすことはなく、プレキャスト壁体24の壁厚については、原則として、想定される外力に対して必要な壁厚に抑えることができる。
即ち、本第1実施形態に係る堤体10においては、プレキャスト壁体24の壁厚を基礎の設計とは切り離すことができ、経済的な設計をすることが可能である。
一方、特許文献3に記載された堤体では、プレキャスト壁体の芯材が鋼管杭であったため、基礎の設計で定められた基礎杭の径が直接的にプレキャスト壁体の壁厚に影響を及ぼすことがあり、前述したように、不経済な設計となることがあった。
本第1実施形態に係る堤体10においては、プレキャスト壁体24の芯材を上下方向鉄骨20として、基礎杭12、14とは別部材としたので、基礎杭の径が上部工の設計に直接的な影響を及ぼすことがなく、不経済な設計を避けることができる。
このように、本第1実施形態に係る堤体10は、プレキャスト壁体24の芯材と基礎杭12、14とを別部材とすることで経済的な設計をすることを可能としたが、プレキャスト壁体24の芯材(上下方向鉄骨20)と基礎杭12、14とを別部材としても、上下方向鉄骨20と第1の基礎杭12との断面力の伝達は十分に行えるようにする必要がある。この点に関しては、上下方向鉄骨20を管状の第1の基礎杭12の内空部に差し込む構造とし、第1の基礎杭12の内空部に差し込んだ上下方向鉄骨20の部位の周囲にグラウト材を充填することで、断面力の伝達も十分に行えるようにしている。
次に、堤体10の設置手順の一例について説明する。
まず、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14を、所定の位置において、所定の支持力が確保できる深さまで地中に打ち込む。
次に、クレーンを用いて、一体化された鉄骨(フーチング鉄骨18、上下方向鉄骨20、下方向鉄骨22)を持ち上げ、上下方向鉄骨20および下方向鉄骨22を、第1の基礎杭12および第2の基礎杭14の内空部にそれぞれ差し込む。
そして、第1の基礎杭12の内空部に差し込んだ上下方向鉄骨20の部位の周囲にグラウト材を充填して一体化するとともに、第2の基礎杭14の内空部に差し込んだ下方向鉄骨22の部位の周囲にグラウト材を充填して一体化する。
次に、フーチング16の鉄筋を配置するとともに、型枠を配置してコンクリートを打ち、フーチング16を形成する。
フーチング16の形成完了後、クレーンを用いて、プレキャスト壁体24を持ち上げて、壁体貫通孔24Cを上下方向鉄骨20に差し込むように、プレキャスト壁体24を配置する。
プレキャスト壁体24を配置した後、壁体貫通孔24Cに差し込まれた上下方向鉄骨20の部位の周囲にグラウト材を充填して一体化する。プレキャスト壁体24を複数段配置する場合は、クレーンによるプレキャスト壁体24の配置作業およびグラウト材の充填作業を必要な回数だけ繰り返す。
充填するグラウト材の材質は、想定される断面力の伝達に十分な連結状態が得られるのであれば特に限定されず、例えば、セメント(モルタル)系グラウト材、ガラス系グラウト材、合成樹脂系グラウト材等を用いることができる。
なお、プレキャスト壁体24を複数段配置する場合のグラウト材の充填時期は特には限定されず、例えば、プレキャスト壁体24を1段積むごとに行ってもよいし、プレキャスト壁体24を複数段積んだ後に複数段の分のグラウト材を一度に充填してもよい。
以上のように施工することにより、図1に示すような堤体10を得ることができる。
このような施工を、繰り返し行うことにより、図2に示すように、外面24Aが連続するように複数のプレキャスト壁体24が略水平方向に隣り合うように配置された堤体10を構築することができる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る堤体30をフーチング16のコンクリート部分を除いて描いた斜視図であり、図8は、本発明の第2実施形態に係る堤体30(図8ではフーチング16のコンクリート部分は描いていない)を隣り合うように配置した状態を描いた斜視図である。なお、本発明の第1実施形態に係る堤体10と同様の構成部分については同一の符号を付し、説明は省略する。
図7および図8に示すように、本第2実施形態に係る堤体30で用いるプレキャスト壁体34は、側端部34Dの壁厚(外面34Aと直交する方向の厚さ)が、本体部34Eの壁厚よりも厚くなっており、この点が、本発明の第1実施形態に係る堤体10で用いるプレキャスト壁体24との大きな相違点となっている。この相違点による作用効果は後に図9および図10を用いて詳しく説明する。
プレキャスト壁体34は、本第2実施形態に係る堤体30において、想定される外力を直接に受ける面状のプレキャスト部材である。本第2実施形態では、プレキャスト壁体34は、鉄筋コンクリートで形成されており、想定される外力に応じて壁厚および図示せぬ鉄筋の配置および量が定められている。
図7および図8に示すように、本第2実施形態に係る堤体30においては、プレキャスト壁体34は、上下方向に3段に積み重ねられている。ただし、プレキャスト壁体34を積み重ねる段数は3段に限定されるわけではなく、2段または4段以上であってもよく、あるいは積み重ねずに1段のみとしてもよい。
プレキャスト壁体34は、想定される外力を直接に受ける外面34Aを、想定される外力の進行方向に向けるように配置されている。外面34Aと反対側の壁面には、図7および図8に示すように、四角柱状の突出部34Bが設けられている。突出部34Bは、上方から見たときの形状(水平断面の形状)が等脚台形状である。また、突出部34Bには、上方から見たときの形状が正方形状の壁体貫通孔34Cが上下方向に設けられている。
プレキャスト壁体34は、図7に示すように、壁体貫通孔34Cに上下方向鉄骨20が差し込まれるように配置する。壁体貫通孔34Cに差し込まれた上下方向鉄骨20の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、プレキャスト壁体34と上下方向鉄骨20とは一体化されている。
プレキャスト壁体34は、外面34Aと反対側の壁面に等脚台形状の突出部34Bを設けているので、本体部34Eの壁厚を厚くせずに、上下方向鉄骨20を差し込むための壁体貫通孔34Cを設けている。このため、壁体貫通孔34Cを設けることによってプレキャスト壁体34全体の重量が増加することを抑制している。
また、本第2実施形態に係る堤体30においては、図8に示すように、複数のプレキャスト壁体34を、水平方向に外面34Aが連続するように配置している。複数のプレキャスト壁体34を、水平方向に外面34Aが連続するように配置(隣り合う堤体30の隣接部位50において段差が生じないように配置)することで、例えば海岸線に沿って延びる堤体を構築することができる。
なお、本第2実施形態に係る堤体30においては、プレキャスト壁体34は、鉄筋コンクリート製としたが、プレキャスト壁体34の材質は鉄筋コンクリートに限定されるわけではなく、想定される外力を受け止めるのに十分な強度および剛性を有しているのであれば、鉄筋コンクリート以外の材質も適用可能である。
また、プレキャスト壁体34において、突出部34Bの形状は、水平断面が等脚台形状の四角柱でなくてもよい。例えば、第1実施形態の堤体10で用いるプレキャスト壁体24の突出部24Bのように、突出部の形状は、水平断面が正方形状の四角柱であってもよい。
また、突出部34Bの水平断面の形状は、四角形でなくてもよく、四角形以外の多角形であってもよい。さらに、突出部34Bの水平断面の形状は、多角形でなくてもよく、例えば半円状であってもよい。
また、壁体貫通孔34Cの水平断面の形状は正方形状でなくてもよく、正方形以外の四角形でもよい。また、壁体貫通孔34Cの水平断面の形状は四角形でなくてもよく、四角形以外の多角形であってもよい。また、壁体貫通孔34Cの水平断面の形状は、多角形でなくてもよく、例えば円状であってもよい。
前述したように、本第2実施形態に係る堤体30で用いるプレキャスト壁体34は、側端部34Dの壁厚(外面34Aと直交する方向の厚さ)が、本体部34Eの壁厚よりも厚くなっており、この点が本第2実施形態に係る堤体30の大きな特徴点となっている。そこで、図9および図10を用いて、この特徴点に基づく作用効果について以下説明する。
図9は、隣り合うように配置した本発明の第2実施形態に係る堤体30(図8参照)が地震による地盤変動の影響を受けた後の一例を示す斜視図である。図10は、図9の状態の堤体30を上方から見た上面図である。
図9および図10に示す状態においては、外面34Aがやや下を向くように、右側の堤体30の全体が傾いてしまっている。そのため、隣り合う堤体30の隣接部位50に段差が生じてしまっている。
しかしながら、本第2実施形態に係る堤体30で用いるプレキャスト壁体34の側端部34Dの壁厚が厚くなっているため、隣り合う堤体30の隣接部位50にある程度の段差が生じてしまっても、隣り合う堤体30の隣接部位50に目違いは生じていない。このため、地震による地盤変動の影響を受けた後の図9および図10に示す状態(右側の堤体30の全体が傾いてしまっていて、隣接部位50に段差が生じてしまっている状態)で津波が襲来しても、隣接部位50から津波流が浸入することはない。
したがって、本第2実施形態に係る堤体30は、壁厚が厚くなっている側端部34Dを有していることにより、地震による地盤変動の影響を受けても、堤体としての機能を喪失しにくくなっている。
以上説明したように、壁厚が厚くなっている側端部34Dを有する第2実施形態に係る堤体30は、地震により地盤変動が生じても、堤体としての機能は喪失されにくくなっている。津波が襲来するのは地震が起きた後であるので、第2実施形態に係る堤体30のように、地震により地盤変動が生じても、堤体としての機能が喪失されにくいということは、堤体として極めて重要な性能である。
なお、本第2実施形態に係る堤体30で用いるプレキャスト壁体34においては、左右どちらの側端部34Dも、壁厚が本体部34Eよりも厚くなっているが、片方の側端部34Dのみ壁厚が厚くなっている場合でも、地震時に堤体としての機能は喪失されにくいという効果(地震により地盤変動が生じても、隣り合う堤体の隣接部位に目違いは生じにくいという効果)を得ることができる。ただし、プレキャスト壁体34の両方の側端部34Dの壁厚が厚くなっている場合(隣接部位50で隣接する側端部34Dの壁厚がどちらも厚くなっている場合)の方が、片方の側端部34Dの壁厚が厚くなっている場合(隣接部位50で隣接する側端部34Dの一方のみの壁厚が厚くなっている場合)よりも、地震時に堤体としての機能は喪失されにくいという効果(地震により地盤変動が生じても、隣り合う堤体の隣接部位に目違いは生じにくいという効果)が大きくなるので好ましい。
また、側端部34Dの壁厚が大きいほど、地震時に堤体としての機能は喪失されにくいという効果(地震により地盤変動が生じても、隣り合う堤体の隣接部位に目違いは生じにくいという効果)が大きくなるので、側端部34Dの壁厚はできる限り大きくした方が好ましいとも考えられるが、側端部34Dの壁厚を過度に大きくし過ぎると、堤体の重量増や景観面でのデメリット等が無視できなくなると考えられる。この観点から、プレキャスト壁体34の側端部の壁厚は、想定される地震によって地盤変動が生じて堤体30が傾斜しても、隣り合う堤体30のプレキャスト壁体34同士の間に目違いが生じない最小の厚さとすることが好ましく、さらには前記最小の厚さに適切な安全係数を乗じた厚さとすることがより好ましい。
なお、側端部34Dは壁厚が厚くなっているので、その側端部34Dに、鉛直方向に壁体貫通孔を設けて、フーチング16に断面力を伝達することができる上下方向に延びる部材を配置することも考えられる。しかしながら、このようにすると、プレキャスト壁体34の両側端部34Dにそれぞれ設ける壁体貫通孔の間の距離が長くなり、壁体貫通孔に配置する前記上下方向に延びる部材の間の距離が長くなるため、プレキャスト壁体34の本体部34Eの壁厚を厚くすることが必要になると考えられる。このため、設計面およびコスト面を考慮すると、側端部34Dには、壁体貫通孔は設けない方が好ましい。
また、製作上および施工上の誤差のため、隣り合うプレキャスト壁体34同士の間には隙間が生じるが、この隙間には公知のシール材を施す。
10、30…堤体
12…第1の基礎杭
14…第2の基礎杭
16…フーチング
18…フーチング鉄骨(フーチング骨格部材)
18A…連結部材
18B…一端部
18C…他端部
20…上下方向鉄骨(上下方向部材)
22…下方向鉄骨(下方向部材)
24、26、34…プレキャスト壁体
24A、34A…外面
24B、26B、34B…突出部
24C、26C、34C…壁体貫通孔
34D…側端部
34E…本体部
50…隣接部位

Claims (8)

  1. 管状の第1の基礎杭と、
    管状の第2の基礎杭と、
    前記第1の基礎杭および前記第2の基礎杭に支持されたフーチングと、
    前記フーチングの上方に配置され、略鉛直方向に貫通する壁体貫通孔を有するプレキャスト壁体と、
    を備えた堤体であって、
    前記フーチングは、前記プレキャスト壁体と略直交する略水平方向に配置されたフーチング骨格部材と、前記フーチング骨格部材の一端部に設けられて前記フーチング骨格部材よりも上方および下方の両方向に延びる上下方向部材と、前記フーチング骨格部材の他端部に設けられて前記フーチング骨格部材よりも下方に延びる下方向部材と、を有し、
    前記フーチング骨格部材と前記上下方向部材とは一体化されており、かつ、前記フーチング骨格部材と前記下方向部材とは一体化されており、
    前記上下方向部材の前記フーチング骨格部材よりも下側の部位の少なくとも一部は前記管状の第1の基礎杭の内空部に差し込まれていて、かつ、前記第1の基礎杭の内空部に差し込まれた前記上下方向部材の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、前記上下方向部材は前記管状の第1の基礎杭と一体化されており、
    前記上下方向部材の前記フーチングよりも上側の部位の少なくとも一部は前記プレキャスト壁体の前記壁体貫通孔に差し込まれていて、かつ、前記プレキャスト壁体の前記壁体貫通孔に差し込まれた前記上下方向部材の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、前記上下方向部材は前記プレキャスト壁体と一体化されており、
    前記下方向部材の前記フーチング骨格部材よりも下側の部位の少なくとも一部は前記管状の第2の基礎杭の内空部に差し込まれていて、かつ、前記第2の基礎杭の内空部に差し込まれた前記下方向部材の部位の周囲にはグラウト材が充填されていて、前記下方向部材は前記管状の第2の基礎杭と一体化されており、
    前記プレキャスト壁体は、少なくとも一方の側端部の壁厚が本体部の壁厚よりも厚くなっており、
    壁厚が前記本体部の壁厚よりも厚くなっている前記側端部には、前記壁体貫通孔は設けられていないことを特徴とする堤体。
  2. 前記壁体貫通孔は、前記プレキャスト壁体の外面とは反対側の面から突出した部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の堤体。
  3. 前記フーチング骨格部材、前記上下方向部材および前記下方向部材は、H形の鋼材であることを特徴とする請求項1または2に記載の堤体。
  4. 前記壁体貫通孔を上方から見た形状は四角形であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の堤体。
  5. 前記第1の基礎杭および前記第2の基礎杭は、鋼管杭であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の堤体。
  6. 前記フーチング骨格部材は長手方向に分割された複数の部位からなり、該複数の部位は連結部材を介して機械的に連結されて一体化されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の堤体。
  7. 前記プレキャスト壁体は上下方向に複数あり、上下方向に積み重ねられて配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の堤体。
  8. 前記プレキャスト壁体は略水平方向に複数あって、複数の前記プレキャスト壁体が略水平方向に隣り合うように並べられており、複数の前記プレキャスト壁体は外面が連続するように配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の堤体。
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