JP2010163771A - 構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法 - Google Patents

構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな面積、ボリュームを要することなく、新設、既存の構造物に対しても、確実且つ好適に液状化による損傷を防止(軽減)することが可能な構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法を提供する。
【解決手段】液状化層1の上に非液状化層2がある地盤Gに杭基礎3を備えて構築される構造物4に対し、液状化対策構造10を設けて液状化による被害を軽減させる。そして、この液状化対策構造10が、構造物4の水平方向外側の地盤G内に設けられるとともに、液状化層1よりも下層の非液状化層5に下端部11a側を根入れし、液状化層1内の杭基礎3を内包するように配設された変位低減用壁体11を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、杭基礎を備えた構造物の液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法に関する。
液状化層1の上に非液状化層2がある地盤Gは、地震時に液状化が生じると、例えば図8に示すように液状化層1より上の地盤G(上層の非液状化層2)が大きく変位する。そして、例えば図9に示すように、このような地盤Gに杭基礎(杭)3を備えた構造物(建物)4を構築した場合には、地震時に液状化が生じるとともに、液状化層1と上層の非液状化層2、及び液状化層1とこの液状化層1よりも下層の非液状化層5の境界部分で杭3が損傷することが多い。
従来では、この地盤Gの液状化に伴う杭3の損傷(構造物4の被害)を防止するために、地盤Gを液状化させないように地盤改良を行ったり、杭3を補強して液状化時に発生する荷重Fにも耐えられるようにする対策が多用されていた。しかしながら、地盤改良による対策では、特に液状化層1が深部まで連続的に存在する場合に、莫大なボリュームの地盤Gを改良することが必要になるため、対策費用が非常に高額になるという問題があった。また、地盤改良による対策や杭3を補強する対策は、既存の杭基礎構造物4に採用することが難しいという問題があった。
これに対し、例えば図10に示すように、構造物4(上部構造4a)の根入れ部4bに、液状化層1より軟質な材料(軟質材6)を充填する液状化対策工法が提案されている。この対策では、液状化時に構造物4に作用する力Fを軟質材6で吸収することにより、構造物4に与える影響を軽減させるようにしている。
また、例えば図11に示すように、構造物4(上部構造4a)の周りに軽量材7を埋設する液状化対策工法も提案されている。この対策では、液状化時の地盤変位による受動抵抗を小さくすることにより、構造物4に与える影響を軽減させるようにしている。
さらに、例えば図12(図12(a):断面図、図12(b):平面図)に示すように、構造物4(上部構造4a)の周囲の地盤Gを壁状の砂8で置換する液状化対策工法も提案されている。この対策では、置換した壁状の砂8を液状化させることにより、液状化時の地盤変位を抑制して構造物4に与える影響を軽減させるようにしている。
また、例えば特許文献1に開示されるように、構造物の基礎を筒状の基礎本体と控え壁とを備えて格子状に形成し、この基礎の内方に位置する液状化層の液状化を地盤拘束効果で抑制することにより、構造物に与える影響を軽減させる対策も提案されている。
特開2004−92048号公報
しかしながら、軟質材6を構造物4の根入れ部4bに充填する対策では、根入れ部4b周辺の地盤Gが軟らかくなることにより、構造物4(上部構造4a)の揺れを根入れ部4bで抑制する効果が小さくなってしまう。このため、液状化を生じることがない中小地震時には、逆に構造物4の揺れによって杭3の応力が増大して損傷が生じるおそれがある。
また、構造物4の周りに軽量材7を埋設する対策では、液状化時の地盤変位による受動抵抗を確実に小さくするために、軽量材7を大きな面積で埋設することが必要になるという問題があった。
さらに、構造物4の周囲の地盤Gを砂8で置換する対策においても、確実に壁状の砂8を液状化させるために、地下水位Tが地表面付近にあることが必要で、どのような条件下の構造物4であっても適用できる訳ではなく、その採用に大きな制限があるという問題があった。
また、構造物の基礎を筒状の基礎本体と控え壁とを備えて格子状に形成して液状化層の液状化を防止する対策では、構造物の基礎自体を液状化対策構造にするものであるため、やはり既存の構造物4への採用が難しい。
本発明は、上記事情に鑑み、大きな面積、ボリュームを要することなく、新設、既存の構造物に対しても、確実且つ好適に液状化による損傷を防止(軽減)することが可能な構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の構造物の液状化対策構造は、液状化層の上に非液状化層がある地盤に杭基礎を備えて構築される構造物に対し、液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策構造であって、前記構造物の水平方向外側の地盤内に設けられるとともに、前記液状化層よりも下層の非液状化層に下端部側を根入れし、上端部を前記液状化層内あるいは前記液状化層の上の上層の非液状化層内に配して、前記液状化層内の前記杭基礎を内包するように配設された変位低減用壁体を備えていることを特徴とする。
また、本発明の構造物の液状化対策工法は、液状化層の上に非液状化層がある地盤に杭基礎を備えて構築される構造物に対し、液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策工法であって、液状化時の前記液状化層の変位を低減させるための変位低減用壁体を、前記液状化層よりも下層の非液状化層に下端部側を根入れし、上端部を前記液状化層内あるいは前記液状化層の上の上層の非液状化層内に配して、前記液状化層内の前記杭基礎を内包するように前記構造物の水平方向外側の地盤内に設けることを特徴とする。
これら構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法の発明においては、液状化層よりも下層の非液状化層に下端部側を根入れし、上端部を前記液状化層内あるいは前記液状化層の上の上層の非液状化層内に配して、液状化層内の杭基礎を内包するように配設した変位低減用壁体が、液状化が生じるような大地震時に液状化層の液状化によって生じる力(荷重)を負担することになり、この変位低減用壁体によって液状化層の変位を小さく抑えることが可能になる。このように変位低減用壁体によって液状化層の変位を小さく抑えることで、液状化層の上の上層の非液状化層の変位も小さく抑えることが可能になる。
ここで、上端部を液状化層内に配して変位低減用壁体を設けた場合には、液状化層の液状化によって変位低減用壁体が負担する荷重が小さくなり、低剛性の変位低減用壁体で液状化層の変位ひいては上層の非液状化層の変位を小さく抑えることが可能になる。
一方、上端部を上層の非液状化層内に配して変位低減用壁体を設けた場合には、液状化層の液状化によって変位低減用壁体が負担する荷重が大きくなるため、破壊が生じないように高剛性の変位低減用壁体を設ける必要が生じるが、上層の非液状化層内に配された変位低減用壁体の上端部側で構造物(上部構造)に作用する力を負担することが可能になるため、上部構造の被害を確実に軽減させることが可能になる。
本発明の構造物の液状化対策構造においては、前記変位低減用壁体が前記構造物の外周に沿って連続的に設けられていることが望ましい。
また、本発明の構造物の液状化対策工法においては、前記変位低減用壁体を前記構造物の外周に沿って連続的に設けることが望ましい。
これら構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法の発明においては、構造物の外周に沿って変位低減用壁体を連続的に設けることにより、確実に液状化層の変位ひいては上層の非液状化層の変位を小さく抑えることが可能になる。
本発明の構造物の液状化対策構造においては、前記変位低減用壁体の内面に端部が繋がり、前記変位低減用壁体で内包した水平方向内側の地盤内に延びる控え壁体を備えていることがより望ましい。
また、本発明の構造物の液状化対策工法においては、前記変位低減用壁体とともに、該変位低減用壁体の内面に端部が繋がり、前記変位低減用壁体で内包した水平方向内側の地盤内に延びる控え壁体を設けることがより望ましい。
これら構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法の発明においては、変位低減用壁体に繋がる控え壁体を備えているため、すなわち液状化対策構造が例えば格子状やバッドレス状に形成されるため、液状化対策構造(変位低減用壁体)の剛性を控え壁体で増大させることが可能になる。これにより、より確実に液状化層の変位ひいては上層の非液状化層の変位を小さく抑えることが可能になる。
本発明の構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法においては、液状化が生じるような大地震時に、変位低減用壁体によって液状化層の変位を小さく抑えることが可能になり、液状化層の上の上層の非液状化層の変位も小さく抑えることが可能になる。これにより、従来の液状化対策のように地盤の液状化を抑制するのではなく、上記のように変位低減用壁体で液状化時の地盤の変位を抑制して、杭基礎の損傷を確実に防止あるいは軽減することが可能になる。また、地盤の液状化を許容することで、従来の液状化対策のように地盤の液状化を抑制した場合よりも構造物に伝達される地震力が低減し、構造物の上部構造の被害も軽減させることが可能になる。
さらに、変位低減用壁体を構造物の水平方向外側の地盤内に設けて構造物の損傷を防止あるいは軽減できるため、従来の液状化対策のように大きな面積、改良ボリュームを必要とせず、また、新設の構造物、既存の構造物を問わずに、容易に液状化対策を講じることが可能になる。また、非液状化層の種類(砂、粘土)や地下水位を問わずに対策を講じることが可能になる。
よって、本発明の構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法によれば、杭基礎と上部構造を含む構造物全体の損傷を確実且つ好適に防止あるいは軽減させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造によって液状化時の地盤変位が抑制されることを示す図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の変形例(格子状の液状化対策構造)を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の変形例(バッドレス状の液状化対策構造)を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造の変形例(格子状の液状化対策構造)を示す断面図である。 液状化層の上に非液状化層がある地盤の液状化時の変位を示す図である。 液状化による構造物の損傷に関する説明に用いた図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図である。 従来の構造物の液状化対策を示す断面図及び平面図である。
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法について説明する。本実施形態は、液状化時の構造物(杭基礎構造物)の被害を防止あるいは軽減させるための構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法に関するものである。
本実施形態の構造物4は、図1に示すように、液状化層1の上に非液状化層2がある地盤Gに構築され、地盤G内に打設した複数の杭(杭基礎3)で上部構造4aを支持させて構築されている。また、上部構造4aは、下端部側(根入れ部4b)を上層の非液状化層2に根入れして構築されている。
そして、本実施形態の構造物の液状化対策構造10は、図1及び図2に示すように、変位低減用壁体11からなり、構造物4の水平方向外側の地盤G内に設けられている。また、本実施形態の変位低減用壁体11は、構造物4の外周に沿って連続的に設けられ、液状化層1よりも下層の非液状化層5に下端部11a側を根入れし、液状化層1内の複数の杭3を内包するように設けられている。また、このとき、変位低減用壁体11は、その上端部11bを液状化層1と上層の非液状化層2の境界付近の液状化層1内に配して設けられている。なお、変位低減用壁体11は、所望の剛性を備えていれば、特に材質を限定する必要はない。
ついで、上記構成からなる構造物の液状化対策構造10を構築する方法(構造物の液状化対策工法)について説明するとともに、本実施形態の構造物の液状化対策構造10及び構造物の液状化対策工法の作用及び効果を説明する。
本実施形態の構造物の液状化対策構造10を構築する際には、例えば構造物4(上部構造4a)の外周に沿って地盤改良を行ったり、構造物4の外周に沿って鋼矢板を打設するなどして変位低減用壁体11を構築する。このとき、単に鉛直方向に延びる変位低減用壁体11を構造物4の水平方向外側の地盤G内に構築することによって液状化対策構造10が構築されるため、従来の液状化対策のように大きな面積や莫大な改良ボリュームを要することなく、容易に液状化対策構造10が構築される。また、構造物4の水平方向外側の地盤G内に変位低減用壁体11を構築するため、新設の構造物4、既存の構造物4を問わず、容易に液状化対策構造10が構築されることになる。さらに、非液状化層2の種類(砂、粘土)や地下水位Tに関わりなく、液状化対策構造10が構築される。
そして、上記のように構築した本実施形態の液状化対策構造10(及び液状化対策工法)では、図3に示すように、大地震によって液状化層1が液状化した際に、液状化層1よりも下層の非液状化層5に下端部11a側を根入れし、液状化層1内の杭3を内包するように配設した変位低減用壁体11が液状化層1の液状化によって生じる力(荷重F)を負担する。このため、変位低減用壁体11によって液状化した液状化層1の変位が小さく抑えられる。
ここで、液状化層1の上に非液状化層2がある地盤Gに構造物4を構築した場合、地震時に上層の非液状化層2の変位を小さくすれば、構造物4に与える影響が小さくなる。そして、上層の非液状化層2は、大地震によって液状化する液状化層1の上に積層されているため、すなわち、海に浮かんだ氷山のようなものであるため、液状化層1の変位を抑えることで、上層の非液状化層2の変位も小さく抑えられる。このため、上記のように変位低減用壁体11によって液状化層1の変位が小さく抑えられることにより、上層の非液状化層2の変位が確実に小さく抑えられることになる。
また、このとき、変位低減用壁体11がその上端部11bを液状化層1内に配して設けられているため、液状化層1の液状化によって変位低減用壁体11が負担する荷重F1が小さくて済み、この負担荷重F1に応じた剛性(低剛性)の変位低減用壁体11で確実に液状化層1の変位ひいては上層の非液状化層2の変位が小さく抑えられることになる。
そして、このように、変位低減用壁体11を設けることで、大地震によって地盤G(液状化層1)が液状化した場合であっても液状化層1の変位及び上層の非液状化層2の変位が小さくなるため、液状化層1と下層の非液状化層5の境界部分、液状化層1と上層の非液状化層2の境界部分に大きな力が作用することがなく、杭3の損傷が防止あるいは軽減されることになる。
また、変位低減用壁体11によって上層の非液状化層2の変位が小さくなることで、構造物4(上部構造4a)に作用する力F2も小さくなる。さらに、従来の液状化対策のように地盤Gの液状化を抑制するのではなく、地盤Gの液状化を許容しつつ変位低減用壁体11で液状化時の地盤Gの変位を抑制するため、従来の液状化対策と比較して構造物4に伝達される地震力が低減する。このため、構造物4の上部構造4aの被害も軽減されることになる。
さらに、本実施形態のように変位低減用壁体11が構造物4の外周に沿って連続的に設けられていることにより、確実に液状化層1の変位ひいては上層の非液状化層2の変位が小さく抑えられ、構造物4(杭基礎3及び上部構造4a)の被害が防止あるいは軽減されることになる。
したがって、本実施形態の構造物の液状化対策構造10及び構造物の液状化対策工法においては、液状化が生じるような大地震時に、液状化層1よりも下層の非液状化層5に下端部11a側を根入れし、液状化層1内の杭基礎3を内包するように配設した変位低減用壁体11が液状化層1の液状化によって生じる力(荷重F1)を負担し、この変位低減用壁体11によって液状化層1の変位を小さく抑えることが可能になる。そして、変位低減用壁体11によって液状化層1の変位を小さく抑えることで、液状化層1の上の上層の非液状化層2の変位も小さく抑えることが可能になる。
また、このとき、上端部11bを液状化層1内に配して変位低減用壁体11を設けることにより、液状化層1の液状化によって変位低減用壁体11が負担する荷重F1が小さくなり、低剛性の変位低減用壁体11で液状化層1の変位ひいては上層の非液状化層2の変位を確実に小さく抑えることが可能になる。
さらに、構造物4の外周に沿って変位低減用壁体11を連続的に設けることにより、より確実に液状化層1の変位ひいては上層の非液状化層2の変位を小さく抑えることが可能になる。
これにより、従来の液状化対策のように地盤Gの液状化を抑制するのではなく、変位低減用壁体11で液状化時の地盤Gの変位を抑制して、杭基礎3の損傷を確実に防止あるいは軽減することが可能になる。また、地盤Gの液状化を許容することで、従来の液状化対策のように地盤Gの液状化を抑制した場合よりも構造物4に伝達される地震力が低減し、構造物4の上部構造4aの被害も軽減させることが可能になる。
さらに、変位低減用壁体11を構造物4の水平方向外側の地盤G内に設けて構造物4の損傷を防止あるいは軽減できるため、従来の液状化対策のように大きな面積、改良ボリュームを必要とせず、また、新設の構造物4、既存の構造物4を問わずに、容易に液状化対策を講じることが可能になる。また、非液状化層2の種類(砂、粘土)や地下水位Tを問わずに対策を講じることが可能になる。
よって、本発明の構造物の液状化対策構造10及び構造物の液状化対策工法によれば、杭基礎3と上部構造4aを含む構造物4全体の損傷を確実且つ好適に防止あるいは軽減させることが可能になる。
以上、本発明に係る構造物の液状化対策構造及び構造物の液状化対策工法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、液状化対策構造10を構成する変位低減用壁体11が、その上端部11bを液状化層1内に配して設けられている(構築される)ものとしたが、本発明に係る変位低減用壁体11は、例えば図4に示すように、上層の非液状化層2内に上端部11bを配して設けられていてもよい(構築してもよい)。この場合には、液状化層1の液状化によって変位低減用壁体11が負担する荷重が大きくなるため、すなわち液状化層1と上層の非液状化層2がそれぞれ変位することにより変位低減用壁体11が負担する荷重が大きくなるため、破壊が生じないように高剛性の変位低減用壁体11を設ける必要が生じるが、この一方で上層の非液状化層2内に配された変位低減用壁体11の上端部11b側で構造物4(上部構造4a)に作用する力F2を負担することが可能になるため、上部構造4aの被害を確実に軽減させることが可能になる。また、上端部11b側を上層の非液状化層2内に配設することで、上層の非液状化層2の変位をさらに小さく抑えることができ、液状化層1と上層の非液状化層2の境界部分に作用する力をさらに低減させることが可能になる。このため、より確実に杭基礎3及び上部構造4aの被害を防止あるいは低減させることが可能になる。
また、本実施形態では、構造物の液状化対策構造10が変位低減用壁体11のみで構成されているものとしたが、本発明に係る構造物の液状化対策構造10(構造物の液状化対策工法)を、変位低減用壁体11の内面11cに端部12aが繋がり、変位低減用壁体11で内包した水平方向内側の地盤G内に延びる控え壁体12を備えて(設けて)、例えば図5に示すように格子状に構成したり、例えば図6に示すようにバッドレス状に構成してもよい。この場合には、液状化対策構造10(変位低減用壁体11)の剛性を控え壁体12で増大させることが可能になる。これにより、本実施形態よりもさらに確実に液状化層1の変位ひいては上層の非液状化層2の変位を小さく抑えることが可能になる。
また、この控え壁体12は、変位低減用壁体11の全長(地盤Gの深度方向の全長)に設けられてもよいし、例えば図7に示すように、液状化層1と上層の非液状化層2の境界部分、液状化層1と下層の非液状化層5の境界分などの強度が必要な部分に局所的に設けてもよい。なお、このような控え壁体12は、構造物4の新設時に設置することになるが、適宜手段によって可能であれば、勿論、既設の構造物4に適用してもよい。
さらに、本実施形態では、変位低減用壁体11が構造物4の外周に沿って連続的に設けられているものとしたが、複数の変位低減用壁体11を間隔をあけて並設して液状化対策構造10を構成してもよく、必ずしも変位低減用壁体11を連続的に設けることに限定しなくてもよい。
1 液状化層
2 上層の非液状化層
3 杭(杭基礎)
4 構造物
4a 上部構造
4b 根入れ部
5 下層の非液状化層
6 軟質材
7 軽量材
8 砂
10 構造物の液状化対策構造
11 変位低減用壁体
11a 下端部
11b 上端部
12 控え壁体
12a 端部
F 力(荷重)
F1 変位低減用壁体に作用する力(荷重)
F2 上部構造に作用する力(荷重)
G 地盤
T 地下水位

Claims (6)

  1. 液状化層の上に非液状化層がある地盤に杭基礎を備えて構築される構造物に対し、液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策構造であって、
    前記構造物の水平方向外側の地盤内に設けられるとともに、前記液状化層よりも下層の非液状化層に下端部側を根入れし、上端部を前記液状化層内あるいは前記液状化層の上の上層の非液状化層内に配して、前記液状化層内の前記杭基礎を内包するように配設された変位低減用壁体を備えていることを特徴とする構造物の液状化対策構造。
  2. 請求項1記載の構造物の液状化対策構造において、
    前記変位低減用壁体が前記構造物の外周に沿って連続的に設けられていることを特徴とする構造物の液状化対策構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の構造物の液状化対策構造において、
    前記変位低減用壁体の内面に端部が繋がり、前記変位低減用壁体で内包した水平方向内側の地盤内に延びる控え壁体を備えていることを特徴とする構造物の液状化対策構造。
  4. 液状化層の上に非液状化層がある地盤に杭基礎を備えて構築される構造物に対し、液状化による被害を軽減させるための構造物の液状化対策工法であって、
    液状化時の前記液状化層の変位を低減させるための変位低減用壁体を、前記液状化層よりも下層の非液状化層に下端部側を根入れし、上端部を前記液状化層内あるいは前記液状化層の上の上層の非液状化層内に配して、前記液状化層内の前記杭基礎を内包するように前記構造物の水平方向外側の地盤内に設けることを特徴とする構造物の液状化対策工法。
  5. 請求項4記載の構造物の液状化対策工法において、
    前記変位低減用壁体を前記構造物の外周に沿って連続的に設けることを特徴とする構造物の液状化対策工法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の構造物の液状化対策工法において、
    前記変位低減用壁体とともに、該変位低減用壁体の内面に端部が繋がり、前記変位低減用壁体で内包した水平方向内側の地盤内に延びる控え壁体を設けることを特徴とする構造物の液状化対策工法。
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