JP2009150075A - 構造物の沈下抑制構造 - Google Patents

構造物の沈下抑制構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2009150075A
JP2009150075A JP2007327235A JP2007327235A JP2009150075A JP 2009150075 A JP2009150075 A JP 2009150075A JP 2007327235 A JP2007327235 A JP 2007327235A JP 2007327235 A JP2007327235 A JP 2007327235A JP 2009150075 A JP2009150075 A JP 2009150075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
support
layer
improved ground
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007327235A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5071852B2 (ja
Inventor
Miharu Asaka
美治 浅香
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP2007327235A priority Critical patent/JP5071852B2/ja
Publication of JP2009150075A publication Critical patent/JP2009150075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5071852B2 publication Critical patent/JP5071852B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】構造物の沈下を確実に抑制することができ、しかもコストの低減が図れる。
【解決手段】構造物2の沈下抑制構造をなす杭構造1は、構造物2の構築領域で、粘性土層G3より浅い部分に構造物2の荷重を支持することができる中間支持層G2が存在する地盤Gに施工され、粘性土層G3内に達する深さまで打設された摩擦杭4、4、…と、中間支持層G2内に達する深さまで配設されるとともに、平面視で摩擦杭4を囲うようにして造成された改良地盤支持体3とからなる。改良地盤支持体3は、平面視で格子状に区画された形状となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤上に構築される構造物の沈下抑制構造に関する。
従来、過圧密比の低い粘性土層を有する地盤上に構造物を構築する場合には、構造物の沈下を抑制する基礎工事が施されている。例えば粘性土層より浅い位置に杭の支持力が確保可能な程度の地盤強度を有する支持層(中間支持層)が存在する地盤の場合には、その中間支持層内に支持杭を打設した杭構造が構築されている。
図6は従来の支持杭8を用いた杭構造を示したものであり、地盤Gの深い部分に粘性土層G3がある場合には、それより浅い部分に中間支持層G2が存在しても、構造物2全体の荷重が中間支持層G2に作用し、この構造物2の荷重応力Sは中間支持層G2から粘性土層G3に伝達され、粘性土層G3に作用する応力がその圧密降伏応力Sbを超え(図6に示す符号Pの範囲)、圧密沈下が生じることになる。この場合には、粘性土層より深い位置に存在する岩盤等の支持層(下部支持層G4)に達するように支持杭8を打設し、この下部支持層G4に支持させる杭構造とするのが一般的となっている。
また、他の構造物の杭構造として、摩擦杭を利用するものがあり、構造物の基礎盤底をなす直接基礎(ラフト)と杭(パイル)とを併用して構造物を支持することで、構造物の不同沈下を低減するパイルド・ラフト基礎がある(例えば、特許文献1参照)。パイルド・ラフト基礎は、摩擦杭を支持力を確保できる支持層内に打設させることなく、摩擦杭と地盤との摩擦力を利用して構造物を支持することを可能とした構造をなしている。
特許文献1は、構造物の分布荷重が大きくなる部分で摩擦杭を長尺とし、地盤と摩擦杭との摩擦を大きくするようにした杭構造について開示したものである。
特開2002−61203号公報
しかしながら、従来の構造物の沈下抑制構造では以下のような問題があった。
すなわち、粘性土層より浅い位置に存在する支持層(中間支持層)内に支持杭を設ける杭構造(図6参照)では、上述したように粘性土層より深く且つ岩盤のように大きな支持力を有する支持層(下部支持層)に達するまで支持杭を打設する必要があり、とくに粘性土層の厚さが大きい場合には支持杭の杭長が長尺となるうえ、大規模な基礎工事となることから、大幅なコストアップとなる問題があった。
また、パイルド・ラフト基礎の場合には、構造物を直接基礎と摩擦杭とで支持するため、直接基礎の支持力を確保できるだけの地盤が構造物の床付け付近に必要であり、床付け付近が軟弱地盤の場合には、確実に不同沈下を抑制することができないといた問題があった。しかも、図6に示すように中間支持層G2にパイルド・ラフト基礎の摩擦杭の先端を位置させて支持させると、摩擦杭に過大な荷重が作用し、杭体の耐力を超えてしまうおそれがあった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、構造物の沈下を確実に抑制することができ、しかもコストの低減が図れる構造物の沈下抑制構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る構造物の沈下抑制構造では、構造物の構築領域で、粘性土層より浅い部分に構造物の荷重を支持することができる中間支持層が存在する地盤に施工する構造物の沈下抑制構造であって、粘性土層内、又は粘性土層より深い地層内に達する深さまで打設された摩擦杭と、中間支持層内に達する深さまで配設されるとともに、平面視で摩擦杭を囲うようにして造成された改良地盤支持体とからなることを特徴としている。
本発明では、摩擦杭を粘性土層内、又は粘性土層より深い地層内(以下、単に粘性土層とする)に打設することで、構造物の荷重に対する支持力を中間支持層と粘性土層とに分散させることができるので、改良地盤支持体が達している中間支持層において構造物の荷重を受けることによって生じる応力(構造物の荷重応力)を小さくすることができ、中間支持層から粘性土層に伝達される有効応力を減少させることができる。そのため、粘性土層に作用する有効応力(すなわち、粘性土層の初期有効応力と荷重応力の和)が粘性土層の圧密降伏応力を超えることがなくなり、粘性土層の圧密沈下を防いで構造物の沈下を抑制することができる。
また、本杭構造では、中間支持層に達するようにして改良地盤支持体を設け、粘性土層又は粘性土層より深い地層に摩擦杭を設ける構造であることから、従来のように粘性土層の下方に存在して支持力を有する岩盤等の地層(下部支持層)に達するように杭長の長い摩擦杭を設置する必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
また、本発明に係る構造物の沈下抑制構造では、改良地盤支持体は、平面視で格子状に区画されていることが好ましい。
本発明では、格子状に形成される改良地盤支持体の区画内に摩擦杭を配置させることで、摩擦杭が改良地盤支持体によって周囲が囲まれた状態となるため、改良地盤支持体に囲まれた範囲内の摩擦杭及び地盤における水平方向への移動が規制され、水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、格子状の改良地盤支持体とすることで、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができる。
また、本発明に係る構造物の沈下抑制構造では、改良地盤支持体は、所定間隔をもって平行に配列された複数の壁状体からなることが好ましい。
本発明では、平行に配列されている壁状体どうしの間に摩擦杭を配置させた構造とすることで、摩擦杭が改良地盤支持体によって周囲の一部が塞がれた状態となるため、改良地盤支持体の壁状体どうしによって挟まれた範囲内の摩擦杭及び地盤における前記壁状体どうしによって挟まれる方向の水平方向への移動が規制され、その水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、改良地盤支持体を複数の壁状体とすることで、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができる。
また、本発明に係る構造物の沈下抑制構造では、改良地盤支持体は、所定間隔をもって配列された平面視で略四角形状をなす複数の角柱体からなることが好ましい。
本発明では、摩擦杭の周囲に複数の角柱体をなす改良地盤支持体を配置させることで、摩擦杭が改良地盤支持体によって周囲の一部が塞がれた状態となるため、改良地盤支持体の角柱体どうしによって挟まれた範囲内の摩擦杭及び地盤における前記角柱体どうしによって挟まれる方向の水平方向への移動が規制され、その水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、角柱体をなす改良地盤支持体を、複数の円柱形状の改良地盤支持体をオーバーラップさせるようにして形成させることで、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができる。
また、本発明に係る構造物の沈下抑制構造では、改良地盤支持体は、平面視で構造物の構築範囲の略全体にわたって改良されていることが好ましい。
本発明では、造成した改良地盤支持体の改良範囲内に摩擦杭を配置させることで、摩擦杭が改良地盤支持体によって覆われた状態となるため、改良地盤支持体の範囲内に位置する摩擦杭の水平方向への移動が規制され、その水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、構造物の構築範囲の略全体にわたって改良された改良地盤支持体では、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができる。
本発明の構造物の沈下抑制構造によれば、構造物の荷重の一部を粘性土層内、又は粘性土層より深い地層内に打設された摩擦杭で支持させることで、それら摩擦杭の支持力分だけ中間支持層内に造成される改良地盤支持体の負担を小さくすることができるとともに、中間支持層から粘性土層に伝達される構造物の荷重(荷重応力)を減少させることができることから、粘性土層の圧密沈下を防いで構造物の沈下を確実に抑制することができる。
そして、改良地盤支持体を支持杭として機能させることが可能となることから、高価な既製コンクリート杭、場所打ちコンクリート杭、鋼管杭などを打設する従来工法の代わりに安価な地盤改良工法を採用することができるので、工事費の低減を図ることができる。
以下、本発明による構造物の沈下抑制構造について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態による杭構造の構成と地盤中の応力分布とを示す図、図2は図1に示すA−A線断面図である。
図1に示すように、本第1の実施の形態による構造物の沈下抑制構造(以下、「杭構造1」という)は、過圧密比の低い粘性土層G3が存在するとともに、その粘性土層G3の上方に例えばN値30〜50以上で構造物2に対する支持力は十分であるが層厚がさほど厚くない支持層(中間支持層G2)が存在する地盤G上に構造物2を構築する場合に適用されるものであり、構造物2の沈下を抑制するための構造である。
具体的に地盤Gは、地表側から深さ方向に向かって軟弱層G1、中間支持層G2、粘性土層G3、下部支持層G4の順に積層された地層となっている。軟弱層G1は例えば埋立地等のように構造物2の直接基礎の支持力を確保できない程度の地層であり、中間支持層G2は上述したように構造物2に対する支持力は十分であるが層厚がさほど厚くない地層であり、粘性土層G3の過圧密比が構造物2の荷重に比して小さい地層である。そして、下部支持層G4は、構造物2に対して十分な支持力と層厚を有する地層である。
図1に示すように、杭構造1は、中間支持層G2内に達する深さにまで造成された改良地盤支持体3と、改良地盤支持体3の深さ寸法より長尺をなしていて粘性土層G3内の所定の深さまで打設された複数の摩擦杭4、4、…とからなる。
つまり、本杭構造1は、構造物2が構築される領域において、改良地盤支持体3と複数の摩擦杭4、4、…との周面摩擦抵抗と先端支持力とによって構造物2の荷重を支持する構造となっている。
改良地盤支持体3は、例えばソイルモルタル等のセメント系の固化材料による地盤改良、薬液注入固化による地盤改良、或いは締固め砂杭による地盤改良等によって造成され、軟弱層G1及び中間支持層G2から受ける周面摩擦抵抗と中間支持層G2の先端支持力とによって構造物2の荷重を支持するものである。そして、このような改良地盤支持体3は、例えば注入工法、機械攪拌工法、噴射攪拌工法などの地盤改良工法によって施工され、断面円形の柱状体同士に重なりを設けるようにして連続した壁体が形成されている。
図2に示すように、具体的に改良地盤支持体3は、構造物2の構築領域において、平面視で格子状に区画されてなり、それぞれの区画内に1本の摩擦杭4が配置され、中間支持層G2内に達する深さまで造成させたものである。つまり、各摩擦杭4は、改良地盤支持体3によって周囲が囲まれた状態となっている。そのため、改良地盤支持体3に囲まれた範囲内の摩擦杭4及び地盤における水平方向への移動が規制された状態となり、水平抵抗に対する剛性を増大させた構造となっている。
なお、改良地盤支持体3の壁厚は、軟弱層G1の層厚、地盤強度、地質などの条件を考慮して設計することが好ましいとされる。
摩擦杭4、4、…は、軟弱層G1、中間支持層G2及び粘性土層G3から受ける周面摩擦抵抗と粘性土層G3の先端支持力とによって構造物2の荷重を支持するために設けられたものであって、構造物2の圧密沈下を抑える役割を果たしている。
摩擦杭4、4、…は、本第1の実施の形態では長さが一様ではなく、複数(本実施の形態では2つ)の杭長をなす摩擦杭4A、4B(深さ寸法の浅い方を第1摩擦杭4A、深さ寸法の深い方を第2摩擦杭4Bとする)が縦横方向にに交互に配設されている。
そして、これら摩擦杭4、4、…の長さ寸法や打設本数は、改良地盤支持体3の改良範囲(改良形状)などの条件によって設定される。つまり、改良地盤支持体3は、詳しくは後述するが、粘性土層G3に作用する応力(粘性土層G3における有効応力と改良地盤支持体3により粘性土層G3に伝達される構造物2の荷重応力との和)が許容値、すなわち粘性土層G3の圧密降伏応力Sbを超えないような形状で造成されている。
そして、本杭構造1では、中間支持層G2と粘性土層G3に改良地盤支持体3及び摩擦杭4を設ける構造であることから、従来のように粘性土層G3の下方に位置する下部支持層G4に達するように杭長の長い摩擦杭を設置する必要がなく、コストの低減が図れる構造となっている。
次に、このように構成される杭構造1の作用について図面を参照して説明する。
図1の右側に示す応力分布図は、本第1の実施の形態による地盤に作用する応力を示したものである。この応力分布図において、図中の符号Saの線は構造物2の影響を受けていない状態の地盤(以下、「原地盤」という)の有効応力、符号Sbの点線は粘性土層G3の圧密降伏応力を示している。そして、符号Sで示す領域(図中斜線部)は、杭構造1(改良地盤支持体3、摩擦杭4)を介して構造物2の荷重が地盤Gに与える応力(荷重応力)を示している。
原地盤の有効応力Saは、土粒子の骨格構造を通して伝達される圧縮力やせん断力であって土の変形と破壊を支配する応力をなし、本地盤Gでは深度が大きくなるにしたがって応力が大きくなっている。
粘性土層G3の圧密降伏応力Sbは、粘性土層G3の上部から下部に向けてその応力値が大きくなり、本第1の実施の形態では、粘性土層G3の上端付近(中間支持層G2との境界付近)で圧密降伏応力Sbが最小値となっている。
そして、応力分布図に示すように、杭構造1における構造物2の荷重応力Sは、格子状の改良地盤支持体3によって影響を受ける第1荷重応力S1と、第1摩擦杭4Aによって影響を受ける第2荷重応力S2と、第2摩擦杭4Bによって影響を受ける第3荷重応力S3とに分散させることができる。
つまり、本杭構造1では、粘性土層G3内に達するように配置されている摩擦杭4を長短2種類の杭長とすることで、粘性土層G3に作用する構造物2の荷重応力Sを一箇所に集中させることなく深さ方向に分散させることができる。すなわち、各第1〜第3荷重応力S1、S2、S3の最大値を抑えることができるので、改良地盤支持体3が達している中間支持層G2において構造物2の荷重を受けることによって生じる応力(構造物2の荷重応力S)を小さくすることができ、中間支持層G2から粘性土層G3に伝達される有効応力を減少させることができる。そのため、粘性土層G3に作用する有効応力(すなわち、粘性土層G3の初期有効応力と荷重応力Sの和)が粘性土層G3の圧密降伏応力Sbを超えることがなくなり、粘性土層G3の圧密沈下を防いで構造物2の沈下を抑制することができる。
そして、本杭構造1では、格子状に形成される改良地盤支持体3の区画内に摩擦杭4を配置させることで、摩擦杭4が改良地盤支持体3によって周囲が囲まれた状態となるため、改良地盤支持体3に囲まれた範囲内の摩擦杭4及び地盤における水平方向への移動が規制され、水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、格子状の改良地盤支持体3とすることで、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができる。
また、本杭構造1では、中間支持層G2に達するようにして改良地盤支持体3を設け、粘性土層G3又は粘性土層G3より深い地層に摩擦杭4、4、…を設ける構造であることから、従来のように粘性土層G3の下方に存在して支持力を有する岩盤等の地層(下部支持層G4)に達するように杭長の長い摩擦杭を設置する必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
さらに、本杭構造1では、改良地盤支持体3によって軟弱地盤が耐震強化されるので、建物荷重を支持することのみならず、軟弱地盤の地震時応答の低減や、液状化防止効果を期待することができる。
上述した本第1の実施の形態による構造物の沈下抑制構造では、構造物2の荷重の一部を粘性土層G3内に打設された摩擦杭4、4、…で支持させることで、それら摩擦杭4、4、…の支持力分だけ中間支持層G2内に造成される改良地盤支持体3の負担を小さくすることができるとともに、中間支持層G2から粘性土層G3に伝達される構造物2の荷重(荷重応力)を減少させることができることから、粘性土層G3の圧密沈下を防いで構造物2の沈下を確実に抑制することができる。
そして、改良地盤支持体3を支持杭として機能させることが可能となることから、高価な既製コンクリート杭、場所打ちコンクリート杭、鋼管杭などを打設する従来工法の代わりに安価な地盤改良工法を採用することができるので、工事費の低減を図ることができる。
次に、本発明の第2乃至第4の実施の形態について、図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
図3は本発明の第2の実施の形態による杭構造の構成を示す水平断面図であって、図2に対応する図である。
図3に示すように、第2の実施の形態による杭構造1Aは、第1の実施の形態の改良地盤支持体3(図2参照)の造成形状を変えて造成したものである。すなわち、本改良地盤支持体3Aは、複数の平面状の壁状体からなり、互いに所定間隔をもって平行に配列された状態で造成されている。そして、平行に配列されている壁状体どうしの間に摩擦杭4が配置された構造となっている。そして、摩擦杭4、4、…は、各壁状体の延設方向に沿って配置されている。
本第2の実施の形態による杭構造1Aでは、摩擦杭4が改良地盤支持体3Aによって周囲の一部が塞がれた状態となるため、改良地盤支持体3Aの壁状体どうしによって挟まれた範囲内の摩擦杭4及び地盤における壁状体どうしによって挟まれる方向の水平方向への移動が規制され、その水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、本改良地盤支持体3Aでは、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができ、上述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏する。
また、図4は本発明の第3の実施の形態による杭構造の構成を示す水平断面図であって、図2に対応する図である。
図4に示すように、第3の実施の形態による杭構造1Bは、第1及び第2の実施の形態の改良地盤支持体3、3A(図2及び図3参照)の造成形状を変えて造成したものである。すなわち、本改良地盤支持体3Bは、平面視で略四角形状をなす複数の角柱体からなり、互いに所定間隔をもって配列された状態で造成されている。そして、摩擦杭4の周囲に複数の角柱体をなす改良地盤支持体3Bを配置させた構造となっている。
本第3の実施の形態による杭構造1Bでは、摩擦杭4が改良地盤支持体3Bによって周囲の一部が塞がれた状態となるため、改良地盤支持体3Bの角柱体どうしによって挟まれた範囲内の摩擦杭4及び地盤における角柱体どうしによって挟まれる方向の水平方向への移動が規制され、その水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、角柱体をなす改良地盤支持体3Bを、複数の円柱形状の改良地盤支持体をオーバーラップさせるようにして形成させることで、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができ、上述した第1及び第2の実施の形態と同様の作用、効果を奏する。
また、図5は本発明の第4の実施の形態による杭構造の構成を示す水平断面図であって、図2に対応する図である。
図5に示すように、第4の実施の形態による杭構造1Cは、第1乃至第3の実施の形態の改良地盤支持体3、3A、3B(図2、図3及び図4参照)の造成形状を変えて造成したものである。すなわち、本改良地盤支持体3Cは、平面視で構造物2(図1参照)の構築範囲の略全体にわたって改良され、その改良範囲内に複数の摩擦杭4、4、…が設けられた構造をなし、これら摩擦杭4の周囲を覆うようにして改良地盤支持体3Cが造成された構造となっている。
本第4の実施の形態による杭構造1Cでは、摩擦杭4、4、…が改良地盤支持体3Cによって覆われた状態となるため、改良地盤支持体3Cの範囲内に位置する摩擦杭4、4、…の水平方向への移動が規制され、その水平抵抗に対する剛性を増大させることができる。そして、本改良地盤支持体3Cでは、例えば円柱形状の改良地盤支持体に比べて大断面となるため、より大きな建物荷重を負担することができ、上述した第1乃至第3の実施の形態と同様の作用、効果を奏する。
以上、本発明による構造物の沈下抑制構造の第1乃至第4の実施の形態について説明したが、本発明は上記の第1乃至第4の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本第1乃至第4の実施の形態の改良地盤支持体3、3A、3B、3Cの具体的な厚さ寸法、深さ寸法など、及び摩擦杭4における本数、外径寸法、杭長等は、構造物2の荷重、大きさ、形状等や、地盤Gの条件(例えば各地層の厚さ、粘性土層G3の圧密状態)、構造物2の沈下分布に対応して任意に設定することができる。
また、適宜な形状で造成される改良地盤支持体に対する摩擦杭4の配置形態は任意であり、例えば第1実施の形態では格子状に区画された改良地盤支持体3の区画内に1本の摩擦杭4が配置されているが、これに限定されることはなく、1区画内に複数の摩擦杭4を配置するようにしてもかまわない。
また、本第1乃至第4の実施の形態では地表から軟弱層G1、中間支持層G2、粘性土層G3、下部支持層G4の順で積層された地盤Gとしているが、このような地盤Gであることに制限されることはない。要は、粘性土層G3より浅い位置に中間支持層G2を有する地盤Gであればよく、本杭構造(沈下抑制構造)を適用できる対象地盤とすることができる。
さらに、本第1乃至第4の実施の形態では粘性土層G3内に打設される摩擦杭4A、4Bを二つの異なる杭長としているが、これに限らず、三つ以上の異なる杭長の摩擦杭4としてもかまわない。
さらにまた、摩擦杭4は、必要に応じてその先端部(下端部)を粘性土層G3内ではなく、粘性土層G3よりさらに深い地層内に達するまで打設して根入れさせるようにしてもかまわない。この場合、第1乃至第4の実施の形態と同様に、粘性土層G3に作用する応力がその圧密降伏応力を超えることをなくすことができることから、粘性土層G3の圧密沈下を防いで構造物2の沈下を抑制させることができる。
本発明の第1の実施の形態による杭構造の構成と地盤中の応力分布とを示す図である。 図1に示すA−A線断面図である。 本発明の第2の実施の形態による杭構造の構成を示す水平断面図であって、図2に対応する図である。 本発明の第3の実施の形態による杭構造の構成を示す水平断面図であって、図2に対応する図である。 図5は本発明の第4の実施の形態による杭構造の構成を示す水平断面図であって、図2に対応する図である。 従来の杭構造の構成と地盤中の応力分布とを示す図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C 杭構造(沈下抑制構造)
2 構造物
3、3A、3B、3C 改良地盤支持体
4 摩擦杭
G 地盤
G1 軟弱層
G2 中間支持層
G3 粘性土層
G4 下部支持層
Sa 原地盤の有効応力
Sb 粘性土層の圧密降伏応力
S 構造物の荷重応力

Claims (5)

  1. 構造物の構築領域で、粘性土層より浅い部分に前記構造物の荷重を支持することができる中間支持層が存在する地盤に施工する構造物の沈下抑制構造であって、
    前記粘性土層内、又は前記粘性土層より深い地層内に達する深さまで打設された摩擦杭と、
    前記中間支持層内に達する深さまで配設されるとともに、平面視で前記摩擦杭を囲うようにして造成された改良地盤支持体と、
    からなることを特徴とする構造物の沈下抑制構造。
  2. 前記改良地盤支持体は、平面視で格子状に区画されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物の沈下抑制構造。
  3. 前記改良地盤支持体は、所定間隔をもって平行に配列された複数の壁状体からなることを特徴とする請求項1に記載の構造物の沈下抑制構造。
  4. 前記改良地盤支持体は、所定間隔をもって配列された平面視で略四角形状をなす複数の角柱体からなることを特徴とする請求項1に記載の構造物の沈下抑制構造。
  5. 前記改良地盤支持体は、平面視で前記構造物の構築範囲の略全体にわたって改良されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物の沈下抑制構造。
JP2007327235A 2007-12-19 2007-12-19 構造物の沈下抑制構造 Active JP5071852B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007327235A JP5071852B2 (ja) 2007-12-19 2007-12-19 構造物の沈下抑制構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007327235A JP5071852B2 (ja) 2007-12-19 2007-12-19 構造物の沈下抑制構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009150075A true JP2009150075A (ja) 2009-07-09
JP5071852B2 JP5071852B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=40919495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007327235A Active JP5071852B2 (ja) 2007-12-19 2007-12-19 構造物の沈下抑制構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5071852B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109024578A (zh) * 2018-07-02 2018-12-18 中铁大桥勘测设计院集团有限公司 一种钢柱砼根深水基础结构及其施工方法
JP7467815B2 (ja) 2019-12-09 2024-04-16 株式会社竹中工務店 地盤改良構造

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104131578B (zh) * 2014-02-21 2016-05-18 中国建筑第四工程局有限公司 流塑状土质下地下室承台底板倒置施工工艺及结构

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03158525A (ja) * 1989-11-16 1991-07-08 Takenaka Komuten Co Ltd 固化工法を用いた高水平耐力基礎工法
JPH11256563A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Takenaka Komuten Co Ltd 軟弱地盤における地盤改良基礎工法
JP2002129584A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Shimizu Corp 基礎構造
JP2005083174A (ja) * 2003-09-11 2005-03-31 Shimizu Corp 構造物の基礎地盤の液状化対策構造
JP2008297802A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Shimizu Corp 構造物の沈下抑制構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03158525A (ja) * 1989-11-16 1991-07-08 Takenaka Komuten Co Ltd 固化工法を用いた高水平耐力基礎工法
JPH11256563A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Takenaka Komuten Co Ltd 軟弱地盤における地盤改良基礎工法
JP2002129584A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Shimizu Corp 基礎構造
JP2005083174A (ja) * 2003-09-11 2005-03-31 Shimizu Corp 構造物の基礎地盤の液状化対策構造
JP2008297802A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Shimizu Corp 構造物の沈下抑制構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109024578A (zh) * 2018-07-02 2018-12-18 中铁大桥勘测设计院集团有限公司 一种钢柱砼根深水基础结构及其施工方法
CN109024578B (zh) * 2018-07-02 2020-09-01 中铁大桥勘测设计院集团有限公司 一种钢柱砼根深水基础结构及其施工方法
JP7467815B2 (ja) 2019-12-09 2024-04-16 株式会社竹中工務店 地盤改良構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP5071852B2 (ja) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6613358B2 (ja) 地盤改良基礎構造
JP2008280828A (ja) 地盤改良体及びべた基礎からなる建築物の基礎の構造並びに地盤改良べた基礎工法
JP4281567B2 (ja) 既設橋脚基礎の補強構造および既設橋脚基礎の補強方法
US20080253845A1 (en) Building foundation structure formed with soil improving body and raft foundation and construction method for soil improvement and raft foundation
JP4793643B2 (ja) 基礎杭の応力低減構造及び応力低減方法
JP5032012B2 (ja) 矢板併用型直接基礎及びその施工方法
JP6357323B2 (ja) 液状化対策構造およびその構築方法
JP5043582B2 (ja) 基礎構造
JP5071852B2 (ja) 構造物の沈下抑制構造
JPH03158525A (ja) 固化工法を用いた高水平耐力基礎工法
JP5296585B2 (ja) ソイルセメント改良体の接合構造、及びパイルド・ラフト基礎
JP6238088B2 (ja) 改良地盤及び地盤改良工法
JP2007009421A (ja) 構造物の基礎構造
JP6007092B2 (ja) 構造物荷重を利用した地盤の液状化対策構造
JP2014051852A (ja) 地盤改良構造
JP4986041B2 (ja) 構造物の沈下抑制構造
JP5396196B2 (ja) 建物
JP2006077447A (ja) 構造物の基礎構造
JP2005314926A (ja) 建造物の基礎構造及びその構築方法
JP6590767B2 (ja) 液状化対策工法
JP6691751B2 (ja) 液状化免震構造
JP7467815B2 (ja) 地盤改良構造
JP5190044B2 (ja) 基礎構造
JP4367814B2 (ja) 基礎構法
JP2008101379A (ja) 構造物基礎の支持構造及び施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5071852

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3