JP2013002078A - 基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工性を向上しつつ、施工性を向上しつつ、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化を抑制することができる基礎構造を得ることを目的とする。
【解決手段】建物12を支持する基礎10は、地下建物12Aの下に形成された格子状地盤改良体20と、地下建物12A及び格子状地盤改良体20の外周に形成された壁状地盤改良体30と、壁状地盤改良体30に埋設された面外剛性付与部材としての芯材40と、を備えている。格子状地盤改良体20は、液状化層14Aと支持層14Bに渡って平面視にて格子状に形成されている。この格子状地盤改良体20によって液状化層14Aが複数の領域22に仕切られており、各領域22内の地盤14の変形が拘束されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の基礎構造に関する。
例えば、特許文献1には、地盤における液状化の可能性がある液状化層に平面視にてT字形状やL字形状等に形成された複数の地盤改良体と、これらの地盤改良体の外周を囲む地中連続壁とを備えた液状化防止構造が開示されている。この液状化防止構造では、液状化防止用の地中連続壁を山留壁としても利用している。
特開2002−47641号公報
しかしながら、特許文献1に開示された液状化防止構造では、地中連続壁の内側領域に複数の地盤改良体が間隔を空けて形成されるため、地中連続壁で囲まれた内側領域の地盤の液状化を十分に防止することができない。従って、地震時に液状化層が液状化すると、液状化に伴う土圧が地中連続壁の外側領域からだけでなく内側領域からも作用するため、地中連続壁が破損する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、施工性を向上しつつ、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化を抑制することができる基礎構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の基礎構造は、液状化層に平面視にて格子状に成された格子状地盤改良体と、前記格子状地盤改良体の外周に形成されると共に、該格子状地盤改良体の上方に構築される地下建物を囲む壁状地盤改良体と、前記壁状地盤改良体に埋設され、該壁状地盤改良体に面外剛性を付与する面外剛性付与部材と、を備えている。
請求項1に記載の基礎構造によれば、壁状地盤改良体によって格子状地盤改良体を囲むことにより、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域への地下水の浸水が抑制される。即ち、壁状地盤改良体は、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域への地下水の浸水を抑制する遮水壁(止水壁)として機能する。また、壁状地盤改良体には面外剛性付与部材が埋設されている。この面外剛性付与部材によって、壁状地盤改良体に面外剛性を付与することにより、土圧に対する壁状地盤改良体の抵抗力が増加する。従って、地震時に壁状地盤改良体の外側領域の地盤が液状化しても、壁状地盤改良体の破壊が抑制されるため、遮水性が確保される。
一方、格子状地盤改良体は平面視にて格子状に形成されており、この格子状地盤改良体によって壁状地盤改良体で囲まれた内側領域が複数の領域に仕切られている。これにより、従来(例えば、特許文献1)のように、複数の地盤改良体を地中連続壁の内側領域に間隔を空けて形成する構成と比較して、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤(液状化層)がより強固に拘束される。従って、地震時に、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化が抑制される。
また、壁状地盤改良体は、格子状地盤改良体の上方に構築された地下建物を囲んでいる。即ち、壁状地盤改良体は、地下建物を構築する地下スペースを形成する土留壁としても機能する。更に、前述したように、面外剛性付与部材によって壁状地盤改良体に面外剛性を付与することにより、地下スペース周囲の地盤の崩壊が抑制される。
このように本発明では、壁状地盤改良体を遮水壁として利用すると共に、土留壁として利用することにより、遮水壁と土留壁とを別々に施工する場合と比較して施工性を向上することができる。更に、格子状地盤改良体によって、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域を複数の領域に仕切ることにより、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化をより確実に抑制することができる。
請求項2に記載の基礎構造は、請求項1に記載の基礎構造において、前記面外剛性付与部材が、前記地下建物の外壁と一体化されて合成壁を構成する。
請求項2に記載の基礎構造によれば、面外剛性付与部材を地下建物の外壁と一体化して合成壁を構成することにより、地下建物の外壁を薄くすることができる。従って、地下建物内のスペースを広げることができる。
請求項3に記載の基礎構造は、請求項1又は請求項2に記載の基礎構造において、前記格子状地盤改良体の端部が、前記壁状地盤改良体の内壁面に連接される。
請求項3に記載の基礎構造によれば、格子状地盤改良体の端部を壁状地盤改良体の内壁面に連接することにより、壁状地盤改良体の面外剛性が増加する。これにより、土圧に対する壁状地盤改良体の抵抗力が更に増加する。従って、地震時に壁状地盤改良体の外側の地盤の液状化しても、壁状地盤改良体の破壊が抑制されるため、遮水性が確保される。更に、壁状地盤改良体の内壁面と格子状地盤改良体の端部との間が遮水されるため、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化が更に抑制される。
請求項4に記載の基礎構造は、請求項1〜3の何れか1項に記載の基礎構造において、前記格子状地盤改良体の外周に形成された前記壁状地盤改良体の下部の強度が、前記地下建物を囲む前記壁状地盤改良体の上部の強度よりも高くなっている。
請求項4に記載の基礎構造によれば、壁状地盤改良体の下部の強度が、壁状地盤改良体の上部の強度よりも高くなっている。ここで、壁状地盤改良体の上部は、少なくとも遮水性を有する土留壁として機能すれば良い。一方、壁状地盤改良体の下部には液状化層の液状化に伴って土圧が作用するため、当該下部の必要強度が壁状地盤改良体の上部の必要強度よりも高くなる可能性がある。従って、壁状地盤改良体の下部の強度を壁状地盤改良体の上部の強度よりも高くすることにより、液状化層の液状化に伴う壁状地盤改良体の下部の破壊を効率的に抑制することができる。
以上説明したように、本発明に係る基礎構造によれば、施工性を向上しつつ、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る基礎によって支持された建物を示す立面図である。 本発明の一実施形態における格子状地盤改良体及び壁状地盤改良体を示す図1の2−2線断面図である。 (A)は本発明の一実施形態における壁状地盤改良体を示す図1の一部拡大立面図であり、(B)は図3(A)の3B−3B線断面図であり、(C)は図3(A)の3C−3C線断面図である。 (A)は本発明の一実施形態における格子状地盤改良体の施工方法を説明する図2の一部拡大図に相当する説明図であり、(B)は本発明の一実施形態における格子状地盤改良体の他の施工方法を説明する図2の一部拡大図に相当する説明図である。 (A)及び(B)は、比較例に係る基礎によって支持された建物を示す立面図である。 比較例に係る基礎によって支持された建物を示す立面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る基礎によって支持された建物を示す立面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る基礎構造について説明する。
図1には、本実施形態に係る基礎構造が適用された基礎10と、基礎10によって支持された建物12が示されている。基礎10は、一例として、地表から順に液状化層14A、支持層14Bで構成された地盤14に適用されている。この液状化層14Aは主として砂質土で構成されると共に、地下水位が比較的高くなっており、地震時に液状化し易くなっている。一方、支持層14Bは建物12を支持可能な強度を有している。
建物12は、地下建物12Aを有している。この地下建物12Aは、地盤14を掘削して形成された地下スペース16に構築されている。建物12を支持する基礎10は、地下建物12Aの下に形成された格子状地盤改良体20と、地下建物12A及び格子状地盤改良体20の外周に形成された壁状地盤改良体30と、壁状地盤改良体30に埋設された面外剛性付与部材としての芯材40と、を備えている。
図2に示されるように、格子状地盤改良体20は、ソイルセメント柱列工法によって液状化層14Aと支持層14Bに渡って形成されており、複数の柱状改良体20Aと、複数の連接用柱状改良体20Bを有している。柱状改良体20A及び連接用柱状改良体20Bは、掘削オーガ等により、その先端からセメントミルク等を噴出しながら地盤を掘削し、掘削土とセメントミルクを地盤14中で撹拌、混合することにより造成されている。各柱状改良体20Aは平面視にて格子状に配列されると共に、隣接する柱状改良体20A同士が壁状に隙間なく連接されている。また、壁状に連接された柱状改良体20Aの端部には、連接用柱状改良体20Bが連接されている。各連接用柱状改良体20Bは、壁状地盤改良体30の内壁面30Wに連接されている。これにより、格子状地盤改良体20と壁状地盤改良体30とが一体化されている。この格子状地盤改良体20によって液状化層14Aが複数の領域22に仕切られており、各領域22内の地盤14(液状化層14A)の変形が拘束されるようになっている。
図1に示されるように、格子状地盤改良体20の外周には、壁状地盤改良体30が形成されている。壁状地盤改良体30は、地表から支持層14Bに渡って形成されており、格子状地盤改良体20及び当該格子状地盤改良体20の上方に構築された地下建物12Aを囲んでいる。図2に示されるように、この壁状地盤改良体30は、格子状地盤改良体20と同様にソイルセメント柱列工法によって構築されており、複数の柱状改良体30Aを有している。これらの柱状改良体30Aは、格子状地盤改良体20の外周に枠状に配列されると共に、隣接する柱状改良体30A同士が壁状に隙間なく連接されている。
また、図3(A)〜図3(C)に示されるように、各柱状改良体30Aの内部には、剛性付与手段としての芯材40が埋設されている。芯材40はH形鋼で構成され、対向する一対のフランジ部40Aと、一対のフランジ部40Aを繋ぐウェブ部40Bとを有し、柱状改良体30Aの略全長に渡って埋設されると共に、強軸方向(フランジ部40Aの対向方向)を壁状地盤改良体30の面外方向(矢印J方向)にして配置されている。この芯材40によって壁状地盤改良体30に面外剛性(矢印J方向の剛性)が付与されている。
なお、壁状地盤改良体30は、格子状地盤改良体20と比較して剛性が小さくされており、その内部に芯材40を打ち込み易いようになっている。また、本実施形態では、芯材40としてH形鋼を用いたが、L形鋼、T形鋼、ボックス鋼等を用いても良い。また、芯材40は、必ずしも全ての柱状改良体30Aに埋設する必要はなく、芯材40の数や配置(ピッチ)は、壁状地盤改良体30に求められる面外剛性に応じて適宜変更可能である。
地下建物12Aを囲む壁状地盤改良体30の上部は、地下建物12A用の地下スペース16を確保する土留壁とされている。この壁状地盤改良体30の上部における地下建物12A側の端部は削り取られており、芯材40のフランジ部40Aが露出している。また、露出されたフランジ部40Aには、接合手段としてのスタッド42が設けられている。このスタッド42を介して芯材40と地下建物12Aの外壁18(コンクリート製の外壁)とが一体化されており、芯材40と地下建物12Aの外壁18とによって合成壁が構成されている。これにより、芯材40が地下建物12Aの本設壁として評価可能になっている。
また、地下建物12Aから下方へ延びる芯材40のウェブ部40Bには、鉛直力伝達手段としての複数のスタッド44が設けられている。これらのスタッド42によって、芯材40と壁状地盤改良体30との一体性が高められており、芯材40から壁状地盤改良体30へ鉛直力が伝達されるようになっている。これにより、壁状地盤改良体30が地下建物12Aの外周部を支持する本設杭として評価可能になっている。
なお、本実施形態では、接合手段としてスタッド42を用いたが、接合手段は芯材40と地下建物12Aの外壁18とを接合可能であれば良く、例えば、異形鉄筋等を用いても良い。これと同様に、本実施形態では、鉛直力伝達手段としてスタッド44を用いたが、鉛直力伝達手段は芯材40と壁状地盤改良体30との一体性を高めることができれば良く、例えば、異形鉄筋等を用いても良い。
次に、本実施形態に係る基礎の施工方法の一例について説明する。
先ず、ソイルセメント柱列工法により、液状化層14Aと支持層14Bに渡って壁状地盤改良体30を平面視にて枠状に形成する。この際、図4(A)に示されるように、壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域に連接用柱状改良体20Bを形成し、壁状地盤改良体30の内壁面30Wに連接用柱状改良体20Bを連接する。次に、壁状地盤改良体30を構成する各柱状改良体30Aに芯材40を打ち込んで埋設する。なお、芯材40の下部におけるウェブ部40Bには、予めスタッド44を溶接しておく。
次に、壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域の地盤14を掘削し、地下建物12A用の地下スペース16を形成する。この際、壁状地盤改良体30の上部は、地下スペース16周囲の地盤14の崩壊を抑制する土留壁として機能する。次に、地下スペース16の底地盤に、ソイルセメント柱列工法により、液状化層14Aと支持層14Bに渡って格子状地盤改良体20を平面視にて格子状に形成する。この際、図4(A)に二点鎖線で示される位置に柱状改良体20Aを形成し、連接用柱状改良体20Bと柱状改良体20Aとを壁状に連接する。これにより、格子状地盤改良体20の端部が壁状地盤改良体30の内壁面30Wに連接される。
次に、重機等によって壁状地盤改良体30の上部における地下スペース16側の端部を芯材40のフランジ部40Aが露出するまで削り取る。そして、露出されたフランジ部40Aにスタッド42を溶接した後、地下建物12Aを施工し、地下建物12Aの外壁18と芯材40とを一体化する。これにより、地下建物12Aの外壁18と芯材40によって合成壁が構成される。
ここで、本実施形態では、前述したように壁状地盤改良体30の施工時に、格子状地盤改良体20の端部を構成する連接用柱状改良体20Bを壁状地盤改良体30の内壁面30Wに予め連接しておくことにより、壁状地盤改良体30から離れた位置(図4(A)において、二点鎖線で示される位置)で連接用柱状改良体20Bと柱状改良体20Aとを連接することができる。従って、柱状改良体20Aを施工する掘削オーガ等が、壁状地盤改良体30に埋設された芯材40に干渉しないため、施工性が向上すると共に芯材40の破損、損傷が抑制される。
なお、図4(B)に示されるように、例えば、芯材40が1本置きに柱状改良体30Aに埋設されている場合は、連接用柱状改良体20Bを壁状地盤改良体30の内壁面30Wに予め連接しておく必要はなく、芯材40が埋設されていない柱状改良体30Aに柱状改良体20Aを連接することができる。
また、上記した施工方法では、地下建物12A用の地下スペース16を形成した後に、地下スペース16の底地盤に格子状地盤改良体20を形成したが、地下スペース16を形成する前に、格子状地盤改良体20を形成しても良い。
次に、本実施形態に係る基礎構造の作用について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る基礎10では、格子状地盤改良体20の外周に壁状地盤改良体30が形成されており、この壁状地盤改良体30によって格子状地盤改良体20が囲まれている。また、壁状地盤改良体30はソイルセメント柱列工法によって形成されており、遮水性を有している。従って、壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域への地下水の浸水が抑制される。即ち、壁状地盤改良体30は、壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域への地下水の浸水を抑制する遮水壁(止水壁)として機能する。
また、壁状地盤改良体30には芯材40が埋設されている。この芯材40によって壁状地盤改良体30に面外剛性を付与することにより、土圧に対する壁状地盤改良体30の抵抗力が増加する。従って、地震時に壁状地盤改良体30の外側領域の地盤の液状化しても、壁状地盤改良体30の破損が抑制されるため、遮水性が確保される。
一方、図2に示されるように、格子状地盤改良体20は平面視にて格子状に形成されており、この格子状地盤改良体20によって壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域が複数の領域22に仕切られている。これにより、従来(例えば、特許文献1)のように、複数の地盤改良体を地中連続壁の内側領域に間隔を空けて形成する構成と比較して、壁状地盤改良体30の内側領域の地盤14(液状化層14A)がより強固に拘束される。従って、地震時における壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域の地盤14の液状化を抑制することができる。
また、図1に示されるように、壁状地盤改良体30は、格子状地盤改良体20の上方に構築された地下建物12Aを囲んでいる。即ち、壁状地盤改良体30は、地下建物12A用の地下スペース16を形成する土留壁としても機能する。また、壁状地盤改良体30は遮水性を有しており、従来の親杭横矢板等と比較して、地下スペース16への地下水の浸水を抑制することができる。更に、前述したように壁状地盤改良体30には、芯材40によって面外剛性が付与されている。これにより、土圧に対する壁状地盤改良体30の抵抗力が増加するため、地下スペースの周囲の地盤14の崩壊をより確実に抑制することができる。
このように本実施形態に係る基礎10では、壁状地盤改良体30の下部を遮水壁として利用すると共に、壁状地盤改良体30の上部を土留壁として利用することにより、遮水壁と土留壁とを別々に施工する場合と比較して施工性が向上する。
ここで、一般に格子状地盤改良体は、その周辺地盤の変形に対して主として面内剛性(図2において、矢印K方向の剛性)によって抵抗する。これに対して土留壁は、土圧に対して主として面外剛性(図3(A)において、矢印J方向の剛性)で抵抗する。そのため、土留壁には、一般にH形鋼等が埋設され、面外剛性が付与される。しかしながら、ソイルセメントで構成された土留壁にH形鋼等を埋設すると、面外剛性は増加するものの、ソイルセメントがH形鋼等に付着せず、土留壁内でH形鋼等が面内方向に傾き易くなるため、面内剛性が低下する。従って、土留壁を格子状地盤改良体の一部として利用すると不合理となる。
そこで、本実施形態に係る基礎10では、面内剛性が期待されない遮水壁として壁状地盤改良体30を利用することにより合理化を図っている。即ち、壁状地盤改良体30によって遮水性を確保し、格子状地盤改良体20によって壁状地盤改良体30で囲まれた内側領域の地盤の変形を拘束している。これにより、施工性を向上しつつ、液状化層14Aの液状化をより確実に抑制することができる。
また、図3(A)及び図3(B)に示されるように、壁状地盤改良体30に埋設された各芯材40の上部は、フランジ部40Aに設けられたスタッド42を介して地下建物12Aの外壁18と一体化され、当該外壁18と共に合成壁を構成している。これにより、地下建物12Aの外壁を薄くすることができるため、地下建物12A内のスペースを広げることができる。
更に、図3(C)に示されるように、地下建物12Aから下方へ延びる芯材40は、ウェブ部40Bに設けられたスタッド44を介して壁状地盤改良体30と一体化されている。従って、壁状地盤改良体30及び芯材40によって地下建物12Aの外周部が支持されるため、地下建物12Aの外周部を支持する杭等を省略することができる。
また、図2に示されるように、格子状地盤改良体20の端部を構成する連接用柱状改良体20Bは、壁状地盤改良体30の内壁面30Wに連接されている。これにより、壁状地盤改良体30の面外剛性が増加するため、土圧に対する壁状地盤改良体30の抵抗力が更に増加する。従って、地震時に壁状地盤改良体30の外側領域の地盤14(液状化層14A)が液状化しても、壁状地盤改良体30の破損が抑制されるため、遮水性が確保される。更に、壁状地盤改良体30の内壁面30Wと格子状地盤改良体20の端部とを連結することにより、壁状地盤改良体30の内壁面30Wと格子状地盤改良体20の端部との間が遮水されるため、壁状地盤改良体30の内側領域の地盤14の液状化が更に抑制される。
次に、比較例と対比しながら本実施形態に係る基礎10の作用をより具体的に説明する。なお、各比較例において、本実施形態と同様の構成については同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
図5(A)には、比較例に係る基礎100が示されている。この基礎100は格子状地盤改良体102を用いた直接基礎とされており、地下建物12Aの外周部が格子状地盤改良体102の外周壁102Aによって支持されている。この基礎100では、格子状地盤改良体102の外周壁102Aと土留壁104とが別々に施工されるため、施工が煩雑化する。また、格子状地盤改良体102の外周壁102Aを施工する際に、掘削オーガ等が芯材40に干渉しないように、土留壁104から地下建物12A側へ離れた位置(間隔D)に格子状地盤改良体102の外周壁102Aを形成する必要がある。従って、地下建物12A内のスペースが狭くなる。更に、土留壁104に埋設された芯材40と地下建物12Aの外壁18とを一体化して合成壁を構成するためには、土留壁104と地下建物12Aの外壁18との間隔Dを埋めるべく、コンクリートの増し打ち等が必要となる。
これに対して本実施形態に係る基礎10では、図2に示されるように、壁状地盤改良体30が格子状地盤改良体20を囲む遮水壁として機能する。従って、壁状地盤改良体30とは別に格子状地盤改良体20の外周壁を施工する必要がないため、施工性が向上する。また、図1に示されるように、壁状地盤改良体30と地下建物12Aとの間に間隔を空ける必要がないため、壁状地盤改良体30と地下建物12Aの外壁18とを一体化する際に、コンクリートの増し打ち等が不要になる。従って、施工性が向上すると共に、地下建物12A内のスペースを広げることができる。
次に、図5(B)に示される比較例では、格子状地盤改良体112と杭114とを併用した基礎(パイルド・ラフト基礎)110において、杭114によって地下建物12Aの外周部が支持されており、土留壁104から外側へ離れた位置(間隔E)に格子状地盤改良体112の外周壁112Aが形成されている。この基礎110では、格子状地盤改良体112の外周壁112Aを施工する際に、破線で示されるように土留壁104の外側の地盤14を掘削しなければならず、余分な掘削作業が発生する。
これに対して本実施形態に係る基礎10では、図1に示されるように、壁状地盤改良体30の外側に格子状地盤改良体20の外周壁を施工する必要がないため、余分な掘削作業が発生しない。
更に、図6に示される比較例では、格子状地盤改良体122を用いた基礎(直接基礎)120において、格子状地盤改良体122を構成する格子壁122Wの必要枚数(6枚)が、建物12の鉛直荷重に基づいて決定されている。即ち、液状化対策のために必要な格子壁122Wの枚数よりも、建物12を支持するために必要な格子壁122Wの枚数が多くなっている。この場合、格子壁122Wの枚数が増加するため、不経済となる。
これに対して本実施形態に係る基礎10では、図3(C)に示されるように、壁状地盤改良体30に埋設された芯材40が、ウェブ部40Bに設けられたスタッド44を介して柱状改良体30Aと一体化されており、これらの壁状地盤改良体30及び芯材40によって建物12が支持されている。従って、図1に示されるように、格子状地盤改良体20の格子壁が4枚で足りるため、格子状地盤改良体20の格子壁の枚数を削減することができる。
次に、本実施形態に係る基礎の変形例について説明する。
上記実施形態では、格子状地盤改良体20及び壁状地盤改良体30をソイルセメント柱列工法によって形成したが、地盤を溝状に掘削し、掘削された溝穴にソイルセメントを打設するソイルセメント連続壁工法で形成しても良いし、ソイルセメント柱列工法とソイルセメント連続壁工法とを適宜組み合わせて用いても良い。
また、上記実施形態では、壁状地盤改良体30と地下建物12Aの外壁18とによって合成壁を構成したが、壁状地盤改良体30は少なくとも土留壁及び遮水壁として機能すれば良く、必ずしも地下建物12Aの外壁18と合成壁を構成する必要はない。
また、格子状地盤改良体20の外周に形成された壁状地盤改良体30の下部の強度を、地下建物12Aを囲む壁状地盤改良体30の上部の強度よりも高くしても良い。ここで、前述したように壁状地盤改良体30の上部は、少なくとも遮水性を有する土留壁として機能すれば良いが、壁状地盤改良体30の下部には液状化層14Aの液状化に伴って土圧が作用するため、当該下部の必要強度が壁状地盤改良体30の上部の必要強度よりも高くなる可能性がある。従って、壁状地盤改良体30の下部の強度(面外方向の圧縮強度、破壊強度等)を壁状地盤改良体30の上部の強度(面外方向の圧縮強度、破壊強度等)よりも高くすることにより、液状化層14Aの液状化に伴う壁状地盤改良体30の下部の破壊を効率的に抑制することができる。
なお、壁状地盤改良体30の強度は、例えば、当該壁状地盤改良体30を構成する柱状改良体30Aに添加するセメントミルク等の固化材の量を増減することにより調整することができる。具体的には、柱状改良体30Aの下部に添加する単位体積当たりの固化材の量を柱状改良体30Aの上部に添加する単位体積当たりの固化材の量よりも多くすることにより、壁状地盤改良体30の下部の強度を壁状地盤改良体30の上部の強度よりも高くすることができる。また、壁状地盤改良体30の下部の強度を部分的に高くすることも可能である。
更に、上記実施形態では、壁状地盤改良体30の内壁面30Wに格子状地盤改良体20の端部を連接したが、壁状地盤改良体30の内壁面30Wと格子状地盤改良体20の端部とは必ずしも連接する必要はない。
更にまた、上記実施形態は、例えば、図7に示されるように、直接基礎と杭基礎(杭52)を用いたパイルド・ラフト基礎50にも適用可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 基礎(基礎構造)
12A 地下建物
14A 液状化層
18 外壁
20 格子状地盤改良体
30 壁状地盤改良体
30W 内壁面
40 芯材(面外剛性付与部材)
50 パイルド・ラフト基礎(基礎構造)

Claims (4)

  1. 液状化層に平面視にて格子状に成された格子状地盤改良体と、
    前記格子状地盤改良体の外周に形成されると共に、該格子状地盤改良体の上方に構築される地下建物を囲む壁状地盤改良体と、
    前記壁状地盤改良体に埋設され、該壁状地盤改良体に面外剛性を付与する面外剛性付与部材と、
    を備える基礎構造。
  2. 前記面外剛性付与部材が、前記地下建物の外壁と一体化されて合成壁を構成する請求項1に記載の基礎構造。
  3. 前記格子状地盤改良体の端部が、前記壁状地盤改良体の内壁面に連接される請求項1又は請求項2に記載の基礎構造。
  4. 前記格子状地盤改良体の外周に形成された前記壁状地盤改良体の下部の強度が、前記地下建物を囲む前記壁状地盤改良体の上部の強度よりも高くなっている請求項1〜3の何れか1項に記載の基礎構造。
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