JP6447669B2 - 防潮堤及び防潮堤の構築方法 - Google Patents

防潮堤及び防潮堤の構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6447669B2
JP6447669B2 JP2017119949A JP2017119949A JP6447669B2 JP 6447669 B2 JP6447669 B2 JP 6447669B2 JP 2017119949 A JP2017119949 A JP 2017119949A JP 2017119949 A JP2017119949 A JP 2017119949A JP 6447669 B2 JP6447669 B2 JP 6447669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foundation pile
ground
sheath tube
inland
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017119949A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017186892A (ja
Inventor
佐藤 光一
光一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2017119949A priority Critical patent/JP6447669B2/ja
Publication of JP2017186892A publication Critical patent/JP2017186892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6447669B2 publication Critical patent/JP6447669B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Description

本発明は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤及び防潮堤の構築方法に関する。
従来より、原子力発電所等が構築された沿岸部に襲来する津波対策として、防潮堤や堤体を沿岸部に短い工期で構築することが必要となっており、例えば、沿岸部に構築されて内陸部の津波被害を防止するものとして、特許文献1に開示されるような堤体が提案されている。
特許文献1に開示された堤体は、鋼管杭、フーチング及びプレキャスト壁体を備えるものである。プレキャスト壁体は、フーチングの上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔を有し、壁体貫通孔の内面には壁体さや管を有する。フーチングは、厚さ方向に貫通するフーチング貫通孔を有し、フーチング貫通孔の内面にはフーチングさや管を有する。フーチングさや管は、フーチングの上面よりも上方の位置まで延伸し、フーチングさや管に鋼管杭が差し込まれ、フーチングさや管はプレキャスト壁体の壁体さや管に差し込まれ、フーチングさや管とフーチングさや管に差し込まれた鋼管杭との間隙にはグラウト材が充填されている。
特許第5024489号公報
しかし、特許文献1に開示された堤体は、フーチングにプレキャスト部材が用いられ、このプレキャストフーチングの重量が大きいものとなるとともに、このプレキャストフーチングの上面からフーチングさや管が延伸されて突出したものとなっている。このため、特許文献1に開示された堤体は、プレキャストフーチングの重量が大きく、さらに、フーチングさや管が障害となり、このプレキャストフーチングを製造場所から設置場所まで運搬輸送することが困難となるという問題点があった。
また、特許文献1に開示された堤体は、鉛直方向に積み上げられた複数のプレキャスト壁体の各々の壁体さや管が、鉛直方向で互いに分断されて一体化されていないため、堤体全体の完成断面において、壁体さや管の構造的強度への貢献度が極めて低いものとなり、壁体さや管が設けられているにもかかわらず、所定の構造的強度を備える堤体を構築するための施工コストが増大するという問題点があった。
さらに、特許文献1に開示された堤体は、フーチングさや管に鋼管杭が差し込まれるとともに、フーチングさや管がプレキャスト壁体の壁体さや管に差し込まれるため、プレキャスト壁体とプレキャストフーチングとの接合部が三重管構造となっている。このため、特許文献1に開示された堤体は、三重管構造の接合部の応力状態が複雑なものとなり、構造計算が困難となるという問題点があった。また、特許文献1に開示された堤体は、三重管構造の接合部の剛性が過大となって応力集中が発生し、接合部の断面力が過大となるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、前方基礎杭及び後方基礎杭に断面方向連結梁を容易、迅速に接合することができ、防潮堤を構成する部材の輸送コストを低減させることのできる防潮堤及び防潮堤の構築方法を提供することにある。
第1発明の防潮堤は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭とに架設される断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、前記断面方向連結梁は、前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管とを有し、海側の地盤に前記前方鞘管が埋め込まれるとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管が埋め込まれて、前記断面方向連結梁の全体が海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込まれて配設され、沿岸部に複数並べて配設されて、隣り合う各々の前記前方鞘管及び前記後方鞘管の何れか一方又は両方に架設される延長方向連結部材で連結され、前記延長方向連結部材は、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた隣り合う前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の各々の地盤から上方に向けて延伸された延伸部に架設されることを特徴とする。
第2発明の防潮堤は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭との間の地盤に設けられる中間基礎杭と、前記前方基礎杭、前記後方基礎杭及び前記中間基礎杭に架設される前記断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、前記断面方向連結梁は、前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管と、前記中間基礎杭が挿通される中間鞘管とを有し、海側の地盤に前記前方鞘管が埋め込まれるとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管が埋め込まれて、前記断面方向連結梁の全体が海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込まれて配設され、沿岸部に複数並べて配設されて、隣り合う各々の前記中間鞘管に架設される延長方向連結部材で連結され、前記延長方向連結部材は、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた隣り合う前記中間基礎杭の各々の地盤から上方に向けて延伸された延伸部に架設されることを特徴とする。
第3発明の防潮堤は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭とに架設されるとともに鋼管が用いられる断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、前記断面方向連結梁は、前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管とを有し、海側の地盤に前記前方鞘管が埋め込まれるとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管が埋め込まれて、前記断面方向連結梁の全体が海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込まれて配設されて、前記前方基礎杭は、地盤から上方に向けて延伸された延伸部を有し、前記延伸部が前記プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通されて、前記プレキャスト壁体は、地盤に埋め込まれた下端部が、前記前方鞘管の上端部又は前記前方鞘管の上端部に設けられたブラケットに載置されることを特徴とする
第4発明の防潮堤は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭との間の地盤に設けられる中間基礎杭と、前記前方基礎杭、前記後方基礎杭及び前記中間基礎杭に架設されるとともに鋼管が用いられる断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、前記断面方向連結梁は、前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管と、前記中間基礎杭が挿通される中間鞘管とを有して、海側の地盤から内陸側の地盤にかけて配設されて、前記中間基礎杭又は前記後方基礎杭は、地盤から上方に向けて延伸された延伸部を有し、前記延伸部が前記プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通されて、前記プレキャスト壁体は、地盤に埋め込まれた下端部が、前記後方鞘管の上端部若しくは前記中間鞘管の上端部又は前記後方鞘管の上端部若しくは前記中間鞘管の上端部に設けられたブラケットに載置されることを特徴とする。
発明の防潮堤は、第1発明〜第4発明のいずれかにおいて、前記前方鞘管と前記前方基礎杭との間に形成された間隙、及び、前記後方鞘管と前記後方基礎杭との間に形成された間隙の何れか一方又は両方に、経時硬化性材料が充填されることを特徴とする。
発明の防潮堤は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記前方鞘管の内面及び前記前方基礎杭の外面の何れか一方又は両方に形成された突出部、並びに、前記後方鞘管の内面及び前記後方基礎杭の外面の何れか一方又は両方に形成された突出部の何れか一方又は両方を有することを特徴とする。
発明の防潮堤の構築方法は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤の構築方法であって、前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、後方基礎杭が挿通される後方鞘管とを有する断面方向連結梁を、海側の地盤に前記前方鞘管を埋め込むとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管を埋め込んで、前記断面方向連結梁の全体を海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込んで配設する断面方向連結梁設置工程と、前記前方鞘管に挿通させながら前記前方基礎杭を海側の地盤に打ち込むとともに、前記後方鞘管に挿通させながら前記後方基礎杭を内陸側の地盤に打ち込む基礎杭設置工程と、前記基礎杭設置工程で地盤に打ち込まれた前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の地盤から上方に向けて延伸された延伸部を、プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通させて、地盤の上方に前記プレキャスト壁体を設ける壁体設置工程とを備え、前記壁体設置工程では、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた複数の前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭を、隣り合う前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の各々の前記延伸部に架設される延長方向連結部材で連結することを特徴とする。
発明の防潮堤の構築方法は、沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤の構築方法であって、前方基礎杭を海側の地盤に打ち込むとともに、後方基礎杭を内陸側の地盤に打ち込む基礎杭設置工程と、前記前方基礎杭を前方鞘管に挿通させるとともに、前記後方基礎杭を後方鞘管に挿通させながら、海側の地盤に前記前方鞘管を埋め込むとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管を埋め込んで、断面方向連結梁の全体を海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込んで配設する断面方向連結梁設置工程と、前記基礎杭設置工程で地盤に打ち込まれた前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の地盤から上方に向けて延伸された延伸部を、プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通させて、地盤の上方に前記プレキャスト壁体を設ける壁体設置工程とを備え、前記壁体設置工程では、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた複数の前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭を、隣り合う前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の各々の前記延伸部に架設される延長方向連結部材で連結することを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、前方鞘管に前方基礎杭が挿通されるとともに、後方鞘管に後方基礎杭が挿通されることで、断面方向連結梁を前方基礎杭及び後方基礎杭に接合部で容易、迅速に接合することが可能となる。
また、第1発明〜第発明によれば、プレキャストフーチングと比較して、軽量で加工が容易な断面方向連結梁が用いられるため、断面方向連結梁を製造場所から設置場所まで容易に運搬輸送することができ、防潮堤を構成する部材の輸送コストを低減させることが可能となる。
特に、第発明によれば、前方鞘管と前方基礎杭との間に形成された間隙に経時硬化性材料が充填され、また、後方鞘管と後方基礎杭との間に形成された間隙に経時硬化性材料が充填されることで、接合部の接合強度を向上させることが可能となる。
特に、第発明によれば、前方鞘管の内面及び前方基礎杭の外面の何れか一方又は両方に突出部が形成され、また、後方鞘管の内面及び後方基礎杭の外面の何れか一方又は両方に突出部が形成されることで、接合部の上下方向のズレ止めとして突出部を機能させ、接合部の接合強度を向上させることが可能となる。
特に、第発明、第発明によれば、複数のプレキャスト壁体を上方部延長方向連結部材で幅方向に固定して、複数のプレキャスト壁体の目地部分が幅方向に開くことを防止することが可能となる。特に、第発明、第発明によれば、上方部延長方向連結部材の上面に落下防止柵を設けることによって、上方部延長方向連結部材の上面を、管理用通路、散策用通路として利用することも可能となる。
特に、第発明〜第発明によれば、地震や台風が発生することによって、海から津波や高潮が押し寄せた場合であっても、プレキャスト壁体が奥行方向で倒壊することのないように支持することができ、プレキャスト壁体で津波や高潮を確実に遮断して、津波や高潮による内陸部の浸水被害を防止することが可能となる。
発明〜第発明によれば、前方鞘管に前方基礎杭が挿通されるとともに、後方鞘管に後方基礎杭が挿通されることで、断面方向連結梁を前方基礎杭及び後方基礎杭に接合部で容易、迅速に接合することが可能となり、また、プレキャストフーチングと比較して、軽量で加工が容易な断面方向連結梁が用いられるため、断面方向連結梁を製造場所から設置場所まで容易に運搬輸送することができ、防潮堤を構成する部材の輸送コストを低減させることが可能となる。
特に、第発明によれば、断面方向連結梁設置工程で設置された各々の断面方向連結梁の前方鞘管及び後方鞘管をガイド治具として用いることができ、位置決めを容易にしながら前方基礎杭及び後方基礎杭を地盤に打ち込むことが可能となる。
特に、第発明〜第発明によれば、前方基礎杭等に支持されたプレキャスト壁体を、沿岸部の幅方向に複数並べて設置して、防潮堤を地盤に構築することが可能となり、地震や台風が発生することによって、海から津波や高潮が押し寄せた場合であっても、プレキャスト壁体で津波や高潮を確実に遮断して、津波や高潮による内陸部の浸水被害を防止することが可能となる。
特に、第発明、第発明、によれば、複数のプレキャスト壁体を下方部延長方向連結部材又は上方部延長方向連結部材で幅方向に固定して、複数のプレキャスト壁体の目地部分が幅方向に開くことを防止することが可能となる
本発明を適用した防潮堤を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と後方基礎杭と断面方向連結梁とを示す側面図であり、(b)は、その後方基礎杭の変形例を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部を示す拡大側面図であり、(b)は、その拡大平面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の後方基礎杭と後方鞘管との接合部を示す拡大側面図であり、(b)は、その拡大平面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤のプレキャスト壁体を示す正面図であり、(b)は、その平面図である。 本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部とプレキャスト壁体とを示す拡大側面図である。 本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部の第1変形例を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部の第1変形例とプレキャスト壁体とを示す拡大側面図である。 本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部の第2変形例を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤の前方基礎杭と前方鞘管との接合部の第2変形例とプレキャスト壁体とを示す拡大側面図である。 本発明を適用した防潮堤の構築方法の断面方向連結梁設置工程を示す平面図である。 本発明を適用した防潮堤の構築方法の基礎杭設置工程を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤の構築方法の壁体設置工程を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤の第1実施形態を示す正面図である。 本発明を適用した防潮堤の第1実施形態を示す平面図である。 本発明を適用した防潮堤に津波や高潮が押し寄せる状態を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤の第1実施形態において中間基礎杭が設けられた状態を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の第2実施形態を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の第2実施形態における前方基礎杭の変形例を示す側面図であり、(b)は、その後方基礎杭の変形例を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の第3実施形態を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤の第3実施形態における前方基礎杭の変形例を示す側面図であり、(b)は、その中間基礎杭の変形例を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤において、隣り合う断面方向連結梁の各々の前方鞘管、後方鞘管又は中間鞘管に架設される延長方向連結部材を示す平面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤おいて、下方部延長方向連結部材が幅方向で全長に亘って設けられた状態を示す平面図であり、(b)は、下方部延長方向連結部材が幅方向で一部においてのみ設けられた状態を示す平面図である。 本発明を適用した防潮堤において、前方鞘管の上端部、後方鞘管の上端部又は中間鞘管の上端部に、プレキャスト壁体の下端部が載せ置かれた状態を示す側面図である。 本発明を適用した防潮堤において、断面方向連結梁の上面や、ブラケットに、プレキャスト壁体の下端部が載せ置かれた状態を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤において、上方部延長方向連結部材が用いられた状態を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤において、上方部延長方向連結部材が用いられた部分を示す拡大正面図であり、(b)は、その拡大側面図である。 (a)は、本発明を適用した防潮堤のプレキャスト壁体の変形例を示す正面図であり、(b)は、その平面図である。
以下、本発明を適用した防潮堤1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した防潮堤1は、図1に示すように、沿岸部に構築されるものであり、海から押し寄せる津波や高潮を遮断して、津波や高潮による内陸部の浸水被害を防止するものである。
本発明を適用した防潮堤1は、第1実施形態において、海側Aの地盤9に設けられる前方基礎杭2と、内陸側Bの地盤9に設けられる後方基礎杭3と、前方基礎杭2と後方基礎杭3とに架設される断面方向連結梁4とを備える。本発明を適用した防潮堤1は、さらに、海側Aの地盤9の上方に設けられるプレキャスト壁体5を備えるものとすることができる。
前方基礎杭2は、断面略円形状の鋼管杭が用いられ、図2に示すように、海側Aの地盤9に打ち込まれることによって設けられる。前方基礎杭2は、これに限らず、如何なる材質で如何なる断面形状のものが用いられてもよい。
前方基礎杭2は、上下方向Yに延伸された延伸部22を有し、海側Aの地盤9で上下方向Yに延びて設けられた状態で、海側Aの地盤9から上下方向Yの上方に向けて、延伸部22が突出されるものとなる。
後方基礎杭3は、断面略円形状の鋼管杭が用いられ、内陸側Bの地盤9に打ち込まれることによって設けられる。後方基礎杭3は、これに限らず、如何なる材質で如何なる断面形状のものが用いられてもよい。
後方基礎杭3は、図2(a)に示すように、内陸側Bの地盤9で略鉛直方向に延びて設けられる。また、後方基礎杭3は、変形例として、図2(b)に示すように、下端部3aから上端部3bにかけて、海側Aに傾斜させて設けられてもよい。後方基礎杭3は、下端部3aから上端部3bまで内陸側Bの地盤9に埋め込まれるものとなる。
断面方向連結梁4は、断面略円形状の鋼管等が用いられ、図2に示すように、前方鞘管41と後方鞘管44とを有する。断面方向連結梁4は、海側Aの地盤9に前方鞘管41が埋め込まれるとともに、内陸側Bの地盤9に後方鞘管44が埋め込まれて、全体が海側Aの地盤9から内陸側Bの地盤9にかけて埋め込まれ、略水平に又は傾斜させて配設される。
前方鞘管41は、図2、図3に示すように、断面方向連結梁4の前端部4aに、前方基礎杭2の外径よりも大きい内径の鞘管が溶接等によって取り付けられて設けられるものである。前方鞘管41は、海側Aの地盤9に埋め込まれた状態で、前方基礎杭2が挿通されるものとなる。
前方鞘管41は、図3に示すように、前方基礎杭2が挿通された接合部7で、前方鞘管41と前方基礎杭2との間に形成された間隙Gに、モルタル、セメントミルク等の経時硬化性材料71が充填される。また、前方鞘管41は、前方基礎杭2が挿通された接合部7で、前方鞘管41の内面42に、鉄筋、溶接ビード等の突出部72が形成される。
前方基礎杭2は、前方鞘管41に挿通された接合部7で、前方基礎杭2の外面21に、鉄筋、溶接ビード等の突出部72が形成される。前方基礎杭2は、前方鞘管41に挿通された接合部7や横抵抗に有効な地盤深さに対応する部位で、高強度化鋼管又は高剛性化鋼管を用いることができる。高強度化鋼管は、強度の大きい鋼管が使用されるものである。高剛性化鋼管は、鋼管の板厚を部分的に厚くすることにより構成されてもよいし、鋼管の中にコンクリート等を充填して合成構造とすることにより構成されてもよいし、グラウトで接合された二重鋼管とすることにより構成されてもよい。
後方鞘管44は、図2、図4に示すように、断面方向連結梁4の後端部4bに、後方基礎杭3の外径よりも大きい内径の鞘管が溶接等によって取り付けられて設けられるものである。後方鞘管44は、内陸側Bの地盤9に埋め込まれた状態で、後方基礎杭3が挿通されるものとなる。
後方鞘管44は、図4に示すように、後方基礎杭3が挿通された接合部7で、後方鞘管44と後方基礎杭3との間に形成された間隙Gに、モルタル、セメントミルク等の経時硬化性材料71が充填される。また、後方鞘管44は、後方基礎杭3が挿通された接合部7で、後方鞘管44の内面45に、鉄筋、溶接ビード等の突出部72が形成される。
後方基礎杭3は、後方鞘管44に挿通された接合部7で、後方基礎杭3の外面31に、鉄筋、溶接ビード等の突出部72が形成される。後方基礎杭3は、後方鞘管44に挿通された接合部7や横抵抗に有効な地盤深さに対応する部位で、高強度化鋼管又は高剛性化鋼管を用いることができる。高強度化鋼管は、強度の大きい鋼管が使用されるものである。高剛性化鋼管は、鋼管の板厚を部分的に厚くすることにより構成されてもよいし、鋼管の中にコンクリート等を充填して合成構造とすることにより構成されてもよいし、グラウトで接合された二重鋼管とすることにより構成されてもよい。
前方基礎杭2及び後方基礎杭3は、図2に示すように、海側Aで陸上の地盤9から内陸側Bで陸上の地盤9にかけて埋め込まれた断面方向連結梁4の前方鞘管41及び後方鞘管44に挿通されることによって、地盤9の中で強固に固定されるものとなる。
プレキャスト壁体5は、図5に示すように、プレキャストコンクリート製の複数の壁体ユニット50が上下方向Yに積み上げられて用いられる。プレキャスト壁体5は、上下方向Yに延びる壁体挿通孔51が内側に形成される。プレキャスト壁体5は、最上段の壁体ユニット50において、貫通又は非貫通の壁体挿通孔51が形成される。
プレキャスト壁体5は、図6、図8、図10に示すように、前方基礎杭2の延伸部22が壁体挿通孔51に挿通されて、海側Aの地盤9の上方に設けられる。プレキャスト壁体5は、図7、図9、図11に示すように、壁体挿通孔51と前方基礎杭2の延伸部22との間に形成された間隙Gに、モルタル、セメントミルク等の経時硬化性材料71が充填される。
プレキャスト壁体5は、図6、図8、図10に示すように、最下段の壁体ユニット50から、最上段の壁体ユニット50まで、前方基礎杭2の延伸部22が連続するように壁体挿通孔51に挿通されて、海側Aの地盤9の上方に向けて複数段に亘って設けられるものとなる。
プレキャスト壁体5は、図6に示すように、プレキャスト壁体5の下端部5aが海側Aの地盤9に埋め込まれ、図7に示すように、前方鞘管41と前方基礎杭2との接合部7で、前方鞘管41の上端部41aに、プレキャスト壁体5の下端部5aが直接に載せ置かれる。
また、プレキャスト壁体5は、図8に示すように、プレキャスト壁体5の下端部5aが海側Aの地盤9に埋め込まれ、図9に示すように、前方鞘管41と前方基礎杭2との接合部7の第1変形例において、前方鞘管41の上端部41aに設けられたブラケット61に、プレキャスト壁体5の下端部5aが載せ置かれて支持される。
さらに、プレキャスト壁体5は、図10に示すように、プレキャスト壁体5の下端部5aが海側Aの地盤9に埋め込まれ、図11に示すように、前方鞘管41と前方基礎杭2との接合部7の第2変形例において、前方鞘管41の上端部41aがプレキャスト壁体5の壁体挿通孔51に挿通される。このとき、プレキャスト壁体5の下端部5aは、前方鞘管41に設けられたブラケット61と、断面方向連結梁4の上面40とに載せ置かれて支持される。
本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、図12、図13に示すように、海側Aの地盤9から内陸側Bの地盤9にかけて断面方向連結梁4を配設する断面方向連結梁設置工程と、前方基礎杭2を海側Aの地盤9に打ち込むとともに、後方基礎杭3を内陸側Bの地盤9に打ち込む基礎杭設置工程とを備える。
断面方向連結梁設置工程では、図12に示すように、地盤9が掘削された状態で、必要に応じて複数の断面方向連結梁4が沿岸部に並べて配設される。断面方向連結梁設置工程では、各々の断面方向連結梁4の前方鞘管41及び後方鞘管44が上下方向Yに開口した状態となるように、複数の断面方向連結梁4が設置される。複数の断面方向連結梁4は、隣り合う断面方向連結梁4の各々の後方鞘管44に架設される角形鋼管やH形鋼等、任意の断面形状の延長方向連結部材62で連結される。
基礎杭設置工程では、図13に示すように、沿岸部に並べて設置された複数の断面方向連結梁4に対して、前方鞘管41に挿通させながら前方基礎杭2を海側Aの地盤9に打ち込むとともに、後方鞘管44に挿通させながら後方基礎杭3を内陸側Bの地盤9に打ち込む。このとき、前方基礎杭2は、海側Aの地盤9から延伸部22が突出して設けられ、掘削された地盤9が埋め戻される。
これにより、本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、断面方向連結梁設置工程で設置された各々の断面方向連結梁4の前方鞘管41及び後方鞘管44をガイド治具として用いることができ、位置決めを容易にしながら前方基礎杭2及び後方基礎杭3を地盤9に打ち込むことが可能となる。
なお、本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、これに限らず、前方基礎杭2を海側Aの地盤9に打ち込むとともに、後方基礎杭3を内陸側Bの地盤9に打ち込む基礎杭設置工程と、前方基礎杭2を前方鞘管41に挿通させるとともに、後方基礎杭3を後方鞘管44に挿通させながら、海側Aの地盤9から内陸側Bの地盤9にかけて断面方向連結梁4を配設する断面方向連結梁設置工程とを備えるものとしてもよい。
本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、さらに、図14に示すように、プレキャスト壁体5に形成された壁体挿通孔51に、海側Aの地盤9から上方に向けて突出して設けられた前方基礎杭2の延伸部22を挿通させて、プレキャスト壁体5の下端部5aが部分的に地盤9に埋め込まれた状態で、掘削された地盤9が埋め戻されて、海側Aの地盤9の上方にプレキャスト壁体5を設ける壁体設置工程を備える。
壁体設置工程では、複数の壁体ユニット50をプレキャスト壁体5として用いることができ、最下段の壁体ユニット50から、最上段の壁体ユニット50まで、前方基礎杭2の延伸部22を連続するように壁体挿通孔51に挿通させて、海側Aの地盤9の上方に向けて複数段に亘ってプレキャスト壁体5を設けるものとなる。
このとき、本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、図15、図16に示すように、前方基礎杭2に支持されたプレキャスト壁体5を、沿岸部の幅方向Xに複数並べて設置して、防潮堤1を地盤9に構築することが可能となる。
これにより、本発明を適用した防潮堤1は、図17に示すように、地震や台風が発生することによって、海から津波や高潮が押し寄せた場合であっても、プレキャスト壁体5が奥行方向Zで倒壊することのないように後方基礎杭3で支持することができ、プレキャスト壁体5で津波や高潮を確実に遮断して、津波や高潮による内陸部の浸水被害を防止することが可能となる。
本発明を適用した防潮堤1は、第1実施形態において、図18に示すように、奥行方向Zで前方基礎杭2と後方基礎杭3との間に設けられる中間基礎杭6をさらに備え、前方基礎杭2、後方基礎杭3及び中間基礎杭6に架設される断面方向連結梁4を用いることもできる。このとき、断面方向連結梁4は、中間基礎杭6の外径よりも大きい内径の鞘管が溶接等によって取り付けられて、中間基礎杭6が挿通される中間鞘管47が設けられるものとなる。なお、本発明を適用した防潮堤1は、如何なる数量の中間基礎杭6が設けられてもよい。
本発明を適用した防潮堤1は、第2実施形態において、図19に示すように、中間基礎杭6が地盤9から上下方向Yの上方に向けて延伸された延伸部60を有するものとすることができる。このとき、中間鞘管47は、中間基礎杭6が挿通された接合部7で、中間鞘管47と中間基礎杭6との間に形成された間隙Gに、経時硬化性材料71が充填される。中間鞘管47又は中間基礎杭6は、中間基礎杭6が挿通された接合部7で、突出部72を形成させることができ、また、接合部7や横抵抗に有効な地盤深さに対応する部位で、高強度化鋼管や高剛性化鋼管を用いることができる。
このとき、プレキャスト壁体5は、中間基礎杭6の延伸部60が壁体挿通孔51に挿通されて、地盤9の上方に設けられる。プレキャスト壁体5は、壁体挿通孔51と中間基礎杭6の延伸部60との間に形成された間隙Gに、経時硬化性材料71が充填される。前方基礎杭2は、変形例として、図20(a)に示すように、下端部2aから上端部2bにかけて、内陸側Bに傾斜させて設けられてもよい。さらに、後方基礎杭3は、変形例として、図20(b)に示すように、下端部3aから上端部3bにかけて、海側Aに傾斜させて設けられてもよい。
本発明を適用した防潮堤1は、第3実施形態において、図21に示すように、後方基礎杭3が地盤9から上下方向Yの上方に向けて延伸された延伸部32を有するものとすることができる。このとき、プレキャスト壁体5は、後方基礎杭3の延伸部32が壁体挿通孔51に挿通されて、地盤9の上方に設けられる。プレキャスト壁体5は、壁体挿通孔51と後方基礎杭3の延伸部32との間に形成された間隙Gに、経時硬化性材料71が充填される。前方基礎杭2は、変形例として、図22(a)に示すように、下端部2aから上端部2bにかけて、内陸側Bに傾斜させて設けられてもよい。さらに、中間基礎杭6は、変形例として、図22(b)に示すように、下端部6aから上端部6bにかけて、内陸側Bに傾斜させて設けられてもよい。
本発明を適用した防潮堤1は、第1実施形態〜第3実施形態の何れにおいても、図23に示すように、断面方向連結梁4が沿岸部に複数並べて配設されて、隣り合う断面方向連結梁4の各々の前方鞘管41、後方鞘管44又は中間鞘管47に架設される延長方向連結部材62で、幅方向Xに連結されるものとすることができる。延長方向連結部材62は、防潮堤1の幅方向Xで複数の角形鋼管やH形鋼等、任意の断面形状のものをボルト接合等によって接合させて用いられる。
このとき、本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、断面方向連結梁設置工程において、沿岸部に並べて配設された複数の断面方向連結梁4を、隣り合う断面方向連結梁4の各々の前方鞘管41、後方鞘管44又は中間鞘管47に架設される延長方向連結部材62で、防潮堤1の幅方向Xに連結するものとなる。
また、本発明を適用した防潮堤1は、第1実施形態〜第3実施形態の何れにおいても、図23、図24に示すように、プレキャスト壁体5の下方で、沿岸部に複数並べて設けられた隣り合う断面方向連結梁4の各々の前方鞘管41、後方鞘管44又は中間鞘管47に、下方部延長方向連結部材63が架設されるものとすることができる。このとき、下方部延長方向連結部材63は、図24(a)に示すように、防潮堤1の幅方向Xで全長に亘って設けられてもよい。また、下方部延長方向連結部材63は、図24(b)に示すように、防潮堤1の幅方向Xで隣り合う複数のプレキャスト壁体5の目地部分5bを跨いで、防潮堤1の幅方向Xの一部においてのみ設けられてもよい。
下方部延長方向連結部材63は、図25に示すように、例えば、前方鞘管41、後方鞘管44又は中間鞘管47の上部又は中間部に取り付けられて、プレキャスト壁体5が設置される。このとき、プレキャスト壁体5の下端部5aは、図25(a)に示すように、前方鞘管41の上端部41a、後方鞘管44の上端部44a又は中間鞘管47の上端部47aに載せ置かれてもよい。また、プレキャスト壁体5の下端部5aは、図25(b)に示すように、下方部延長方向連結部材63の上面に載せ置かれてもよく、図25(c)に示すように、下方部延長方向連結部材63の上方に設けられた隙間調整部材65に載せ置かれてもよい。
さらに、プレキャスト壁体5の下端部5aは、図26(a)に示すように、下方部延長方向連結部材63の上面と、断面方向連結梁4の上面40とに載せ置かれてもよく、図26(b)に示すように、ブラケット61の上面に載せ置かれてもよく、図26(c)に示すように、下方部延長方向連結部材63の上方に設けられた隙間調整部材65と、断面方向連結梁4の上面40とに載せ置かれてもよい。なお、下方部延長方向連結部材63は、角形鋼管やH形鋼等、任意の断面形状のものが用いられる。
本発明を適用した防潮堤1は、第1実施形態〜第3実施形態の何れにおいても、図27に示すように、プレキャスト壁体5の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた隣り合う前方基礎杭2の各々の延伸部22、隣り合う後方基礎杭3の各々の延伸部32又は隣り合う中間基礎杭6の各々の延伸部60に、上方部延長方向連結部材64が架設されるものとすることができる。このとき、上方部延長方向連結部材64は、防潮堤1の幅方向Xで隣り合う複数のプレキャスト壁体5の目地部分5bを跨いで、防潮堤1の幅方向Xで断続的に設けられてもよく、また、防潮堤1の幅方向Xで連続して設けられてもよい。
上方部延長方向連結部材64は、図28(a)に示すように、前方基礎杭2の延伸部22、後方基礎杭3の延伸部32又は中間基礎杭6の延伸部60が挿通される連結部材挿通孔64aが形成される。連結部材挿通孔64aは、前方基礎杭2、後方基礎杭3又は中間基礎杭6が挿通された状態で、前方基礎杭2の上端部2b、後方基礎杭3の上端部3b又は中間基礎杭6の上端部6bの内部に亘って経時硬化性材料71が充填される。
このとき、本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、壁体設置工程において、プレキャスト壁体5の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた複数の前方基礎杭2、後方基礎杭3又は中間基礎杭6を、隣り合う前方基礎杭2の各々の延伸部22、隣り合う後方基礎杭3の各々の延伸部32又は隣り合う中間基礎杭6の各々の延伸部60に架設される上方部延長方向連結部材64で連結するものとなる。
これにより、本発明を適用した防潮堤1は、幅方向Xに地震力等による荷重が作用した場合であっても、下方部延長方向連結部材63又は上方部延長方向連結部材64で荷重を幅方向Xに分散させることができ、特定の箇所に荷重が集中的に作用することを防止することが可能となる。また、本発明を適用した防潮堤1は、複数のプレキャスト壁体5を下方部延長方向連結部材63又は上方部延長方向連結部材64で幅方向Xに固定して、複数のプレキャスト壁体5の目地部分5bが幅方向Xに開くことを防止することが可能となる。さらに、本発明を適用した防潮堤1は、図28(b)に示すように、上方部延長方向連結部材64の上面に落下防止柵66を設けることによって、上方部延長方向連結部材64の上面を、管理用通路、散策用通路として利用することが可能となる。
また、本発明を適用した防潮堤1は、上方部延長方向連結部材64の上面の形状を工夫することによって、プレキャスト壁体5の上方部の重心位置を変化させることができる。例えば、本発明を適用した防潮堤1は、プレキャスト壁体5の上方部の重心位置を内陸側Bに配置することで内陸側Bに曲げモーメントが作用するものとなり、防潮堤1に津波や高潮が押し寄せることによってプレキャスト壁体5に作用する海側Aへの曲げモーメントに対抗することが可能となる。
本発明を適用した防潮堤1は、想定される津波や高潮の高さに応じて、複数の壁体ユニット50を略鉛直方向に積み上げて用いることができ、プレキャスト壁体5の高さを任意に高くすることが可能となる。また、本発明を適用した防潮堤1は、奥行方向Zに所定の数量で中間基礎杭6が設けられることで、プレキャスト壁体5が奥行方向Zで倒壊することのないように、プレキャスト壁体5を前方基礎杭2、中間基礎杭6及び後方基礎杭3で強固に支持することが可能となる。
本発明を適用した防潮堤1は、プレキャストフーチングと比較して、軽量で加工が容易な断面方向連結梁4が用いられるため、断面方向連結梁4を製造場所から設置場所まで容易に運搬輸送することができ、防潮堤1を構成する部材の輸送コストを低減させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、プレキャスト壁体5は、図5に示すように、幅方向Xの2箇所に壁体挿通孔51が形成されるものに限らず、図29に示すように、幅方向Xの1箇所に壁体挿通孔51が形成された壁体ユニット50を組み合わせて用いることもできる。また、プレキャスト壁体5は、場所打ちコンクリート方式で構築されるものであってもよく、また、プレキャストコンクリート製のものと場所打ちコンクリート方式のものとを組み合わせたものであってもよい。
本発明を適用した防潮堤1の構築方法は、基礎杭設置工程で地盤9に打ち込まれた前方基礎杭2より海側Aで、地盤9中に止水壁8を構築する止水壁設置工程をさらに備えるものとできる。これにより、本発明を適用した防潮堤1は、前方基礎杭2より海側Aで、地盤9中に鋼矢板や鋼管矢板等を打ち込んで止水壁8を構築することができ、地盤9の内部で海水が内陸側Bに浸透するのを遮断することが可能となる。
1 :防潮堤
2 :前方基礎杭
2a :下端部(前方基礎杭)
2b :上端部(前方基礎杭)
21 :外面(前方基礎杭)
22 :延伸部(前方基礎杭)
3 :後方基礎杭
3a :下端部(後方基礎杭)
3b :上端部(後方基礎杭)
31 :外面(後方基礎杭)
32 :延伸部(後方基礎杭)
4 :断面方向連結梁
4a :前端部(断面方向連結梁)
4b :後端部(断面方向連結梁)
40 :上面(断面方向連結梁)
41 :前方鞘管
41a :上端部(前方鞘管)
42 :内面(前方鞘管)
44 :後方鞘管
44a :上端部(後方鞘管)
45 :内面(後方鞘管)
47 :中間鞘管
47a :上端部(中間鞘管)
5 :プレキャスト壁体
5a :下端部(プレキャスト壁体)
50 :壁体ユニット
51 :壁体挿通孔
6 :中間基礎杭
6a :下端部(中間基礎杭)
6b :上端部(中間基礎杭)
60 :延伸部(中間基礎杭)
61 :ブラケット
62 :延長方向連結部材
63 :下方部延長方向連結部材
64 :上方部延長方向連結部材
65 :隙間調整部材
66 :落下防止柵
7 :接合部
71 :経時硬化性材料
72 :突出部
8 :止水壁
9 :地盤
A :海側
B :内陸側
G :間隙
X :幅方向
Y :上下方向
Z :奥行方向

Claims (8)

  1. 沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、
    海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭とに架設される断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、
    前記断面方向連結梁は、
    前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管とを有し、海側の地盤に前記前方鞘管が埋め込まれるとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管が埋め込まれて、前記断面方向連結梁の全体が海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込まれて配設され
    沿岸部に複数並べて配設されて、隣り合う各々の前記前方鞘管及び前記後方鞘管の何れか一方又は両方に架設される延長方向連結部材で連結され、
    前記延長方向連結部材は、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた隣り合う前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の各々の地盤から上方に向けて延伸された延伸部に架設されること
    を特徴とする防潮堤。
  2. 沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、
    海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭との間の地盤に設けられる中間基礎杭と、前記前方基礎杭、前記後方基礎杭及び前記中間基礎杭に架設される前記断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、
    前記断面方向連結梁は、
    前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管と、前記中間基礎杭が挿通される中間鞘管とを有し、海側の地盤に前記前方鞘管が埋め込まれるとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管が埋め込まれて、前記断面方向連結梁の全体が海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込まれて配設され、
    沿岸部に複数並べて配設されて、隣り合う各々の前記中間鞘管に架設される延長方向連結部材で連結され、
    前記延長方向連結部材は、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた隣り合う前記中間基礎杭の各々の地盤から上方に向けて延伸された延伸部に架設されること
    を特徴とする防潮堤。
  3. 沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、
    海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭とに架設されるとともに鋼管が用いられる断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、
    前記断面方向連結梁は、前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管とを有し、海側の地盤に前記前方鞘管が埋め込まれるとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管が埋め込まれて、前記断面方向連結梁の全体が海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込まれて配設されて、
    前記前方基礎杭は、地盤から上方に向けて延伸された延伸部を有し、前記延伸部が前記プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通されて、
    前記プレキャスト壁体は、地盤に埋め込まれた下端部が、前記前方鞘管の上端部又は前記前方鞘管の上端部に設けられたブラケットに載置されること
    を特徴とする防潮堤。
  4. 沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤であって、
    海側の地盤に設けられる前方基礎杭と、内陸側の地盤に設けられる後方基礎杭と、前記前方基礎杭と前記後方基礎杭との間の地盤に設けられる中間基礎杭と、前記前方基礎杭、前記後方基礎杭及び前記中間基礎杭に架設されるとともに鋼管が用いられる断面方向連結梁と、地盤の上方に設けられるプレキャスト壁体とを備え、
    前記断面方向連結梁は、前記前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、前記後方基礎杭が挿通される後方鞘管と、前記中間基礎杭が挿通される中間鞘管とを有して、海側の地盤から内陸側の地盤にかけて配設されて、
    前記中間基礎杭又は前記後方基礎杭は、地盤から上方に向けて延伸された延伸部を有し、前記延伸部が前記プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通されて、
    前記プレキャスト壁体は、地盤に埋め込まれた下端部が、前記後方鞘管の上端部若しくは前記中間鞘管の上端部又は前記後方鞘管の上端部若しくは前記中間鞘管の上端部に設けられたブラケットに載置されること
    を特徴とする防潮堤。
  5. 前記前方鞘管と前記前方基礎杭との間に形成された間隙、及び、前記後方鞘管と前記後方基礎杭との間に形成された間隙の何れか一方又は両方に、経時硬化性材料が充填されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の防潮堤。
  6. 前記前方鞘管の内面及び前記前方基礎杭の外面の何れか一方又は両方に形成された突出部、並びに、前記後方鞘管の内面及び前記後方基礎杭の外面の何れか一方又は両方に形成された突出部の何れか一方又は両方を有すること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の防潮堤。
  7. 沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤の構築方法であって、
    前方基礎杭が挿通される前方鞘管と、後方基礎杭が挿通される後方鞘管とを有する断面方向連結梁を、海側の地盤に前記前方鞘管を埋め込むとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管を埋め込んで、前記断面方向連結梁の全体を海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込んで配設する断面方向連結梁設置工程と、
    前記前方鞘管に挿通させながら前記前方基礎杭を海側の地盤に打ち込むとともに、前記後方鞘管に挿通させながら前記後方基礎杭を内陸側の地盤に打ち込む基礎杭設置工程と
    前記基礎杭設置工程で地盤に打ち込まれた前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の地盤から上方に向けて延伸された延伸部を、プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通させて、地盤の上方に前記プレキャスト壁体を設ける壁体設置工程とを備え
    前記壁体設置工程では、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた複数の前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭を、隣り合う前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の各々の前記延伸部に架設される延長方向連結部材で連結すること
    を特徴とする防潮堤の構築方法。
  8. 沿岸部に構築されて内陸部の浸水被害を防止する防潮堤の構築方法であって、
    前方基礎杭を海側の地盤に打ち込むとともに、後方基礎杭を内陸側の地盤に打ち込む基礎杭設置工程と、
    前記前方基礎杭を前方鞘管に挿通させるとともに、前記後方基礎杭を後方鞘管に挿通させながら、海側の地盤に前記前方鞘管を埋め込むとともに、内陸側の地盤に前記後方鞘管を埋め込んで、断面方向連結梁の全体を海側の地盤から内陸側の地盤にかけて埋め込んで配設する断面方向連結梁設置工程と
    前記基礎杭設置工程で地盤に打ち込まれた前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の地盤から上方に向けて延伸された延伸部を、プレキャスト壁体に形成された壁体挿通孔に挿通させて、地盤の上方に前記プレキャスト壁体を設ける壁体設置工程とを備え
    前記壁体設置工程では、前記プレキャスト壁体の上方で、沿岸部に複数並べて設けられた複数の前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭を、隣り合う前記前方基礎杭又は前記後方基礎杭の各々の前記延伸部に架設される延長方向連結部材で連結すること
    を特徴とする防潮堤の構築方法。
JP2017119949A 2017-06-19 2017-06-19 防潮堤及び防潮堤の構築方法 Expired - Fee Related JP6447669B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017119949A JP6447669B2 (ja) 2017-06-19 2017-06-19 防潮堤及び防潮堤の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017119949A JP6447669B2 (ja) 2017-06-19 2017-06-19 防潮堤及び防潮堤の構築方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013110099A Division JP6263864B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 防潮堤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017186892A JP2017186892A (ja) 2017-10-12
JP6447669B2 true JP6447669B2 (ja) 2019-01-09

Family

ID=60046248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017119949A Expired - Fee Related JP6447669B2 (ja) 2017-06-19 2017-06-19 防潮堤及び防潮堤の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6447669B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7362325B2 (ja) * 2019-07-16 2023-10-17 日本原子力発電株式会社 防潮堤

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62260913A (ja) * 1986-05-07 1987-11-13 Kajima Corp 既設海洋構造物の補強工法
JP2001248134A (ja) * 2000-03-02 2001-09-14 Kawasaki Steel Corp トラス構造体
JP3905776B2 (ja) * 2002-03-01 2007-04-18 新日本製鐵株式会社 護岸構造
JP4069004B2 (ja) * 2003-04-09 2008-03-26 新日本製鐵株式会社 護岸構造
JP2006057312A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Kyokuto Corp 杭体とプレキャスト版との接合方法
JP5464370B2 (ja) * 2010-12-20 2014-04-09 新日鐵住金株式会社 盛土の補強構造
JP5024489B1 (ja) * 2012-02-08 2012-09-12 Jfeエンジニアリング株式会社 堤体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017186892A (ja) 2017-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6263864B2 (ja) 防潮堤
JP6241325B2 (ja) 堤体、堤体構成部材および堤体の施工方法
JP2015183453A (ja) 堤体
KR200452946Y1 (ko) 용접 h형 강널말뚝 및 이를 이용한 일체형 합성 차수벽체
JP6997451B2 (ja) 壁体構造物
JP6447669B2 (ja) 防潮堤及び防潮堤の構築方法
JP6060855B2 (ja) 堤体
JP5165455B2 (ja) 鋼製スリットダム及びその施工方法
JP3905776B2 (ja) 護岸構造
JP4958064B2 (ja) 岸壁の耐震補強構造
JP6292028B2 (ja) 盛土補強構造
JP6977688B2 (ja) 堤体および堤体用プレキャストフーチング
JP6971874B2 (ja) 鋼構造物とプレキャストコンクリート部材の接続構造、その接続構造を有する構造壁および鋼構造物とプレキャストコンクリート部材の接続方法
JP6166547B2 (ja) 堤体
JP6264442B1 (ja) 重力式プレキャスト防潮堤
JP6070894B1 (ja) 重力式プレキャスト防潮堤
JP2548634B2 (ja) 水底地盤打込み部材を用いた水域構造物
JP2005139755A (ja) 壁体構成部材と壁体および壁体構造物
JP6298688B2 (ja) 堤体
JP7254040B2 (ja) 河川構造物における洗掘抑制方法、及び、洗掘抑制構造
JP7308491B2 (ja) 二重矢板式水上構造物とその施工方法
JP7240284B2 (ja) 鋼構造物とプレキャストコンクリート部材の接続構造、その接続構造を有する構造壁および鋼構造物とプレキャストコンクリート部材の接続方法
KR100227536B1 (ko) 벨 타입 강각(鋼殼) 케이슨 공법
KR102638704B1 (ko) 지하공간 구조물 벽체를 위한 강재 지중연속벽 및 이의 시공방법
JP7126889B2 (ja) 鋼製壁およびその構築工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6447669

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees