JP3905776B2 - 護岸構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木建築分野における河川・港湾・構造物を中心とする、護岸・係船岸・土留め構造あるいは防波堤,導流堤、または河川や山岳部等の陸上部における土留め壁や砂防ダム等の壁体構造にも適用可能な護岸構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)「港湾の施設の技術上の基準・同解説」(社団法人日本港湾協会1999)第8編係留施設 第7章 鋼矢板セル式係船岸または、第8章鋼板セル式係船岸に示される通り、護岸等での土圧に抵抗するため、複数の鋼矢板や鋼板を円環状に併合したセル内に中詰め土を充填された剛壁体が、主に自体の重量により背面土からの土圧等の外力に抵抗する重力式の護岸や係船岸構造が知られている。
【0003】
図24で説明すると、同図は、円筒形の鋼矢板セルの護岸構造を示し、複数の直線型鋼矢板1を円筒形に接合した円筒形セル2を基礎地盤に打設して、各円筒形セル2間を同じく直線型鋼矢板1を接合してなる一対の円弧状の継手3で連結し、この円筒形セル2と一対の円弧状の継手3の内部に中詰め材4を充填している。
【0004】
(1)特公56−93911号(軟弱地盤用セル)では、鋼板セル式係船岸の軟弱地盤におけるセル本体の沈下を抑制するため、地中に基礎杭を打設後、当該基礎杭の上部に鋼板を円弧状にした部材を円形に併合した鋼板セル構造を設置し、セル内に中詰め土を充填する方法が示されている。
【0005】
(2)特公56−108255号(護岸工法)では、土圧等の外力に対する抵抗力を高めるため、セル等の重力式の護岸と基礎地盤中に打ち込んだ杭を一体化することにより、重力式構造の自重による抵抗と、杭の水平抵抗により背面からの土圧等の外力に抵抗する構造が示されている。
【0006】
(3)また、「港湾の施設の技術上の基準・同解説」(社団法人日本港湾協会1999)第8編係留施設 第17章 その他の形式の係船岸17.5には二重矢板式係船岸には、鋼矢板を2列に平行に地盤に打設し、相対する2列の鋼矢板の上部をPC鋼線等のタイ材で連結し、2列の鋼矢板間に中詰め土を投入し充填する、係船岸構造が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)〜(3)の従来技術には、次の問題がある。(1)は、鋼矢板セル式係船岸では、その壁体強度は、主に直線矢板を円形に併合したセル体の中に充填された中詰め材のせん断抵抗に支配されており、また、護岸としての安定は、前述したとおり、セルおよび中詰め材からなる剛壁体の自重による安定により、背面土からの土圧等の外力に抵抗する構造となっている。
【0008】
したがって、大規模、大水深の護岸を構築する場合、大きな土圧に抵抗するために必要な壁体の強度を確保するために、また、変形を抑制するために、セル径を大きくし、中詰め土の抵抗力を高める必要があった。しかし、セル径の増大にともない、セルに働く円周方向の引張力が増加し、現状では、直線矢板等の継手部の強度には制約があるため、一定の規模以上の直径を有するセルを作成することができないとい問題がある。
【0009】
また、壁体前面にマウンド(盛土)を設けることにより、セルに働く円周方向の引張力を低減することも可能であるが、マウンドを設けることにより必要とする護岸の水深が得られなかったり、比較的軟弱な地盤においては、セルやマウンドの占有面積が大きいと、セルおよびマウンド下の地盤の沈下を抑制するための地盤改良範囲が大きくなり、建設コストが増大するという問題がある。
【0010】
また、該鋼矢板セル式係船岸は、セル体を地上で組立てる必要があるため、広い組立て用地が必要であり、セルの設置や打設のためには、クレーン船等の施工機器が大型化するという問題がある。
【0011】
また、セルを基礎地盤に設置後中詰め材の充填が完了するまでの施工途上においては、波浪等の外力に対して不安定であり、施工時の安定性が低いという問題がある。
【0012】
(2)では、杭をセル下端に配置することによるセルの沈下を抑制する方法について示しているが、杭によるセルの水平抵抗の増加を図るための方法が示されていない。したがって、軟弱地盤上に大水深の護岸を構築する場合等では、(1)に示した様に、水平方向の土圧に対抗するためにセル径を大きくしたり、マウンドを設置する必要があり、建設コストが増大するという問題がある。
【0013】
(3)では、セルと杭を一体化することによる護岸の水平抵抗を増加させる事例が示されているが、杭とセルを併用することにより壁体の安定性の向上や変位を抑制することができるか、(1)に示した通り、直線矢板や鋼板を円形に併合する必要があり、また、壁体強度を高めるためにはセル径が大きくする必要があるため、護岸の壁体幅が広くなり、必要な鋼材量や必要な地盤改良範囲が広くなり、建設コストが高いという問題がある。
【0014】
(4)では、二重矢板式護岸は、2列に打設された矢板と中詰め土により水平力に抵抗する構造であるが、矢板の頭部がタイ材で連結されているだけなので、矢板に発生する断面力が大きく、壁体幅も広くなるため、必要な鋼材量や地盤改良範囲が広くなり、建設コストが高いという問題がある。また、矢板を連続して打設する必要があるため、工期が長いという問題がある。
【0015】
前記(1)〜(4)の問題点を解決した護岸構造を本出願人によって、特願2000−270132号として出願されている。これは、杭式ラーメン構造と、セル式護岸構造を併用し、護岸構造として安定性に優れ、遮水性に優れ、施工が容易で、安価な護岸構造を提案したものである。本発明は、前記の構造形式を用いて前記利点を生かしつつ、さらに鋼管矢板壁を併用することにより、さらに中詰め土を少なくすることができ、護岸構造として安定性に優れ、遮水性に優れ、施工が容易で、安価な護岸構造を提案することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る護岸構造は、次のように構成する。
【0017】
第1の発明は、所定の間隔で海底地盤等の地盤に打設された杭によって複数の杭列を平行に構築し、地中に打ち込まれると共に外側に凸の円弧状に配置され、相互間が継ぎ手で連結された複数の直線矢板の端部が前記各杭列におけるいずれか一方の杭列に配置されると共にその杭列における隣り合う各杭に連結されて壁体Aが構成され、地中に打ち込まれると共に直線状に配置され、相互間が継ぎ手で連結された複数の鋼管矢板の端部が他方の杭列における隣り合う各杭に連結されて壁体Bが構成され、且つ、前記壁体Bは前記壁体Aよりも深く地中に打ち込まれて配置されると共に、前記各杭列間が連係部材で連繋され、前記壁体A,B間に中詰め材が充填されたことを特徴とする。
【0018】
第2の発明は、第1の発明において、前記壁体Aが海側に設けられ、前記壁体Bが陸側に設けられていることを特徴とする。
の発明は、第1又は第2の発明において、前記杭列間を繋ぐ連係部材は、鋼管やH形鋼等の小型の鋼製梁部材でユニット化されていて、嵌合によりまたは継手部材を介して前記杭に連結されたことを特徴とする。
【0019】
の発明は、第1又は第2の発明おいて、前記杭列間を繋ぐ連係部材が、小型で、ユニット化された鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートやプレストレスコンクリートのパネルで構成され、継手部材を介して前記杭に連結されることを特徴とする。
【0020】
の発明は、第1〜4の発明において、前記杭と直線矢板の継手部間に、アスファルト等のすべりを許容する材料を介在させて連結されたことを特徴とする。
【0021】
の発明は、第1〜発明における壁体を構成する直線矢板の代わりに、端部に継手を有する円弧状の鋼板を用いたことを特徴とする。
【0022】
の発明は、第1〜発明の護岸構造で、複数の直線矢板または鋼管矢板の相互間を連結する継ぎ手の間隙に、止水性の高い材料が充填され連結されたことを特徴とする。
【0023】
第1発明によると、次の(a)(c)の作用効果がある。
(a)継ぎ手で相互に連結され円弧状に配置された直線矢板を壁体として用いることにより、外力に対して鋼材を引張状態で使用することができるため、鋼材を有効に使用し、壁体を構成する鋼材量の低減化が図れる。また、鋼管矢板を用いることにより、その剛性が高いので、直線状に配置して直線状の壁体Bとすることができ、壁体間の壁厚寸法を小さくすることができと共に、遮水性能を高めることができる。
【0024】
(b)各杭列間を鋼管やH型鋼からなる連係部材で連繋し、前記壁体間に中詰め材を充填することにより、壁体の強度は中詰め材のせん断強度と連係部材と杭からなるラーメン構造の強度を合成したものとなるため、十分に強固な連係部材を用いることにより、各杭列間を狭め壁体幅を低減することができる。また、セルの様に円形に併合する必要がないため、壁体幅を自由に選択できる。
【0025】
(c)前記した様に、中詰め材と各杭列間の連係部材からなる剛壁体と杭とを一体化させることにより、杭の水平抵抗を期待できるため、土圧等の外力に対して壁体構造の安定性を高めるとともに壁体の変位の抑制が可能となる。
【0026】
また、杭体を強固な基礎地盤に根入れすることにより、地盤沈下に伴う壁体の沈下を抑制できる。
【0027】
また、壁体は、連係部材で繋がれた杭式ラーメン構造に取付けるため、中詰め材の充填が完了するまでの間の施工時の波浪等に対する外力に対しても安定性が高い。
【0028】
第2発明によると、次の(d)の作用効果がある。
(d)本構造は、直線矢板からなる壁体Aと鋼管矢板からなる壁体Bが2重に配置されるとともに中詰め材が充填されているため遮水性の高い構造であるが、陸側に鋼管矢板からなる壁体Bを配置し、その壁体の打ち込み深さを、海側に配置の直線矢板からなる壁体Aの打ち込み深さよりも深くし、例えば、壁体の安定性の確保に必要な深さよりも大きくすることにより、鋼管矢板壁の引き抜き抵抗を向上させると共に、陸側に産業廃棄物処理場を設ける場合などには、遮水壁として、壁体部下側の止水性も高めることができる。
発明によると、次の(e)作用効果がある。
(e)各杭列を繋ぐ連係部材として、ユニット化された鋼製梁部材を用いる場合、連係部材は工場で製作することができるため壁体の急速施工が可能である。また、連係部材が軽量であるため、大きな施工機械が必要でない。
【0029】
発明によると、次の(f)の作用効果がある。
(f)連係部材として鉄筋コンクリートパネルや鉄骨鉄筋コンクリートパネルやプレストレスコンクリートのパネル等を用いることにより、高耐久性を有する連係部材を安価に製作でき、連係部材を現場で製作することも可能となる。また、中詰め材の充填は、材料供給・施工機械の能力に応じて施工する必要がある、連係部材として該パネル部材を用いることにより、中詰め材施工時の隣接施工区域との隔壁として使用することができる。
【0030】
発明によると、次の(g)の作用効果がある。
(g)前記杭と直線矢板の継手部間に、アスファルト等のすべりを許容する材料を介在させることにより、中詰め材の沈下に伴なう、杭の付加的外力の作用を抑制できる。
【0031】
発明によると、次の(h)の作用効果がある。
(h)壁体を構成する直線矢板の代わりに、端部に継手を有する円弧状の鋼板を用いることにより、壁体部に継手が少なくなるため、施工時の安定性が高く、遮水性能が高めることができる。
【0032】
発明によると、次の(i)の作用効果がある。
(i)本構造は、直線矢板からなる壁体Aと鋼管矢板からなる壁体Bが2重に配置されるとともに中詰め材が充填されているため遮水性の高い構造であるが、複数の直線矢板の相互間を連結する継ぎ手の間隙に、止水性の高い材料が充填することにより、壁体部の止水性をさらに高めることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1〜図8は実施形態1を説明するための参考図であり、図9〜図15は実施形態2を説明するための参考図であり、図16〜図21は実施形態3を説明するための参考図である
【0035】
実施形態1は、海底の基礎地盤10に打設された杭11によって形成された並行な2列の各杭列における一方の杭列間に鋼矢板壁15Aが構築されると共に他方の杭列間に鋼管矢板壁15Bが直線状に形成され、かつ、各杭11で構築される杭列12間が連係部材16で連繋され、この連係部材16がジャケットタイプである点に特長がある。また、実施形態2は、この連係部材16が鋼製内壁タイプである点に特長があり、実施形態3は、同じく連係部材16がPCパネルタイプである点に特長がある。以下順に説明する。
【0036】
なお、実施形態1で云うジャケットタイプ、実施形態2で云う鋼製内壁タイプ、実施形態3で云うPCパネルタイプの各用語は、各実施形態の構造的特徴を区別して表すために用いたもので、後述の構造説明から理解される。
【0037】
図1(A)、(B)は、実施形態1として、護岸壁の端部がストラップタイプ構造の護岸壁を示す概略平面図と側面図である。
【0038】
図2は、要部の全体説明図、図3は、杭列間を繋ぐ連係部材(例として、鋼製梁部材ユニット)の杭への挿入時の説明図、図4(A)は図2の鋼製梁部材ユニットの杭への挿入後の説明図、(B)は、同(A)の杭と鋼製梁部材ユニットの嵌合状態を示す平面図、(C)は、一方の杭列に構築される複数の直線矢板からなる壁体と他方の杭列に構築される複数の鋼管矢板からなる壁体を示す同(A)の平面図である。
【0039】
図5(A)は、ジャケットの主鋼管を介して杭と直線矢板との接合構造を示す部分拡大断面図、図5(B)は、ジャケットの主鋼管を介して杭と鋼管矢板との接合構造を示す部分拡大断面図、図6は、杭とジャケットの主鋼管との接合構造を示す部分拡大断面図、図7(A)、(B)、(C)は、護岸壁施工ステップを3段階で示す斜視図である。
【0040】
図1を参照して、実施形態1の概要を説明すると、護岸構造の壁体(後述)を補強する杭11が、所定の間隔で海底地盤10に打設され、複数の杭11で2つの杭列12が所定の間隔で、平行に構築されている。
【0041】
一方の杭列12における、各杭11間には、相互間が嵌合継ぎ手13で連結された複数の直線矢板14が配置され、この直線矢板14Aによって鋼矢板壁15Aが構築される。鋼矢板壁15Aは外側(例えば、沖側)に凸の円弧状に配置され、その両端がジャケットの主鋼管18を介して杭11に連結されている(詳細は後述する)。また、他方の杭列12における、各杭11間には、相互間が嵌合継ぎ手13で連結された複数の鋼管矢板14Bが配置され、この鋼管矢板14Bによって鋼管矢板壁15Bが構築される。鋼管矢板壁15Bは直線状に配置され、その両端がジャケットの主鋼管18を介して杭11に連結されている。前記一方の鋼矢板壁15Aは、例えば沖側に形成され、また、他方の鋼管矢板壁15Bは例えば、陸側の海底地盤に打設されて形成される。
【0042】
また、平行な杭列12の間が連係部材16で連繋されており、前記鋼矢板壁15Aと前記鋼管矢板壁15Bとの間のセル空間内に中詰め材17を投入、充填して護岸壁9が構築されている。図1において、(イ)が海側、(ロ)が、裏埋め土(砂)が投入される陸側である。なお、中詰め材には、砂や礫、またはスラグ等を用いることができる。
【0043】
護岸壁9の端部構造が、図1(A)、(B)のストラットタイプの場合は、各杭列12端部の2本の杭11を4辺形の2つの角部に打設し、他の2つの角部にも杭11aを打設し、この4辺形の角に位置する各杭11、11a間を斜材(ストラット)20で連結することで、護岸壁9の端部が構築される。
【0044】
本発明の実施形態1〜3に共通の特長は、(a)、一方の杭列には、直線矢板14Aからなる複数の円弧状の鋼矢板壁15Aを、継手を介して杭11に連結することで補強していること、また、他方の杭列には、鋼管矢板14Bからなる複数の直線状の鋼管矢板壁15Aを、継手を介して杭11に連結することで補強していること、(b)、各杭列12の間を連係部材16で連結することで補強していること、(c)、連係部材16は、製作面、施工面で有利なようにユニット化して構成していることの3点である。これの詳細を、まず実施形態1の場合につき、図2〜図6を参照して説明する。
【0045】
図2は、要部の全体図で、海岸には所定の範囲にわたって地盤改良(図7、図8に示す符号37の部分)がなされ、そこに盛土24がなされる。盛土24と海底地盤10を貫通して基礎地盤23に届く深さに、所定の杭11間隔で、かつ所定の杭列間隔で、2列の杭列12が打設されている(図には鋼管杭の例を示す)。図2では、図示左側の杭11の左側前方が海側(イ)、右側の杭11の右方が陸側(ロ)で、盛土24を介して背面土25が盛られている。22は海面である。
【0046】
2列の各杭列12間の杭11(図2の右左の各杭)を繋ぐ連係部材16は、ジャケットタイプの鋼製梁部材ユニット27で構成されている。鋼製梁部材ユニット27は、図3、図4に示すように、杭11より大径の2本の主鋼管18と、この両主鋼管18の間に両端が溶接で一体化される、上部水平材28と、下部水平材30と、2本の斜材31とから構成されている。ここで、鋼製梁部材ユニット27が、同ユニットを形成する上部水平材28、下部水平材30、2本の斜材31からなる構造をジャケットとし、ジャケットを用いる構造をジャケットタイプと呼ぶ。図3、図4に示すように、2つの主鋼管18は、杭列12と同じ間隔で設けられている。
【0047】
鋼製梁部材ユニット27は、予め工場などで各部材を溶接一体化して製作されていて、施工現場では、図3に示すように吊り降ろし(図7に示す)、ジャケットの主鋼管18の全長を図4に示すように、各列の杭11に嵌合し、所定の高さを保持し、その後、主鋼管をガイドとして後列の杭を打設し、両管の間隙33にモルタル等のグラウト材34を充填し、グラウト材34が硬化することで両管を一体化する(図5および図6参照)。図6には、斜材31の端部が溶接32で主鋼管18に接合された詳細が示されている。
【0048】
なお、ジャケットを据え付け後、グラウトで完全に固定するまでに、所定の高さにジャケットを保持するために杭に予め取付けたブラケットにジャケットを仮固定するか、地盤に打設した仮受杭でジャケットを仮固定する必要があるが、図面からは省略する。
【0049】
図5(A)には、鋼矢板壁15Aを構成する直線矢板14Aの嵌合継手13の詳細と、端部継手部材35がジャケットの主鋼管18に溶接され、この端部継手部材35と直線矢板14Aの嵌合継手13の係合を介して、壁体端部の直線矢板14Aが主鋼管18に接合されている詳細が示されている。また、図5(B)には、鋼管矢板壁15Bを構成する鋼管矢板14Bの嵌合継手13の詳細と、端部継手部材35がジャケットの主鋼管18に溶接され、この端部継手部材35と鋼管矢板14Bの嵌合継手13の係合を介して、壁体端部の鋼管矢板14Bが主鋼管18に接合されている詳細が示されている。
【0050】
図5(A)に示すように、一方の壁体における直線矢板14Aとジャケットの主鋼管18の端部継手部材35の嵌合部には、アスファルト等の滑り材13aが介在している。また、直線矢板間14Aの嵌合継手13には、止水材13bが塗布されている。さらに、図5(B)に示すように、他方の壁体における鋼管矢板14Bの嵌合継手13相互の嵌合部または嵌合継ぎ手13とジャケットの主鋼管18の端部継手部材35の嵌合部には、袋詰めセメントモルタル等の止水材13bが充填されている。また、鋼管矢板間14Bの嵌合継手13には、継手形式にもよるが、袋詰めセメントモルタル(図示の実施形態の場合)または袋詰めセメントモルタルとベントナイトモルタルの組み合わせ等の止水材13bが充填されている。
【0051】
図7、図8には、本発明の実施形態1が実施される[1]〜[9]の施工ステップのうち、主要な5ステップを斜視図で示している。[1]〜[12]の施工ステップを簡単に説明すると、[1]地盤改良、[2]前列鋼管杭打設、[3]ジャケット据付け、[4]後列鋼管杭打設、[5]グラウト打設、[6]盛土、[7]間仕切り仮設矢板打設、[8]鋼矢板壁および鋼管矢板壁据付け、[9]中詰め土施工、[10]間仕切り仮設矢板徹去、[11]上部工施工、[12]護岸背面土施工、の順で施工される。
【0052】
図7(A)は、前記[3]のジャケット据付けステップを示し、地盤改良範囲37において、クレーン船38で吊下げた鋼製梁部材ユニット27の主鋼管18を、海底地盤10に打設された杭11に嵌合している状況を示している。
【0053】
図7(B)は、前記[7]の間仕切り用架設矢板の打設ステップを示し、前ステップで鋼製梁部材ユニット27の主鋼管18の打設が終わった後、各杭列12間にクレーン船38で吊下げた間仕切り用架設矢板42を建て込む状況を示している。
【0054】
図7(C)は、前記[8]の鋼矢板壁および鋼管矢板壁据付けステップを示し、前ステップで間仕切り用架設矢板42を建て込みが終わった後、一方の杭列における各杭12間にクレーン船38で吊下げた直線矢板14Aからなる鋼矢板壁15Aを建て込む状況を示している。また、他方の杭列における各杭12間にクレーン船38で吊下げた鋼管矢板14Bを順次を建て込んだ状況、またはクレーン船38で吊下げた鋼管矢板14Bからなる鋼矢板壁15Bを建て込んだ状況を示している。
【0055】
図8(A)は、前記[11]の上部工施工ステップを示し、相対する鋼矢板壁15Aおよび鋼管矢板壁15B間のセルに中詰め土17が投入され、また、護岸壁9の上端に上部工39を設置する状況を示している。
【0056】
図8(B)は、最終ステップとして、前記[12]の護岸背面土施工を示し、上部工39を設置の後、背面に背面土25を施工した状況を示している。
【0057】
実施形態1の主要な作用として、一方の杭列側においては、外側に凸の円弧状に建て込まれる鋼矢板壁15Aの端部は、所定間隔に配置の杭11で支持されて、当該鋼矢板壁15Aが建込み補強されること、また、他方の杭列側においては、直線状に建て込まれる剛性および遮水性能の高い鋼管矢板壁15Bの端部は主鋼管18を介して杭11に連結される。また、杭列12間は、鋼製梁部材ユニット27で連結されて、一方の鋼矢板壁15Aおよび他方の鋼管矢板壁15Bを支える杭列12間が補強されることである。さらに、鋼製梁部材ユニット27は、ユニット化されていることで、製作面および、現場施工の面で著しく有利となる。
【0058】
実施形態2を図9〜図15によって説明する。
【0059】
実施形態2は、連係部材16を、内壁タイプの鋼製梁部材ユニット27aとした例を示す。この梁部材ユニット27aは、その両端部の構造及び、これと杭11との接合構造が実施形態1と相異している。他の構造は実施形態1と同じであるので、実施形態1と同一要素には、同一符号を付して、説明を省略し、以下では主に相異する構造について説明する。
【0060】
図9は要部の全体説明図で、実施形態1の図2に対応する。図10は、内壁タイプの鋼製梁部材ユニット27aの杭11への係合時の説明図で、図3に対応する。図11(A)は図10の鋼製梁部材ユニット27aの杭11との係合後の説明図で、図4(A)に対応し、図11(B)は、同(A)の杭と鋼製梁部材ユニットの係合状態を示す平面図で、図4(B)に対応する。図11(C)は、一方の杭列における各杭間に構築される複数の直線矢板からなる壁体と、他方の杭列における各杭間に構築される複数の鋼管矢板からなる壁体とを示す同図(B)の平面図で、図4(C)に対応する。
【0061】
図12(A)は、杭と直線矢板との接合構造を示す拡大断面図で、図12(B)は、杭と鋼管矢板との接合構造を示す拡大断面図で、それぞれ図5(A)(B)に対応する。図13は、杭と鋼製梁部材ユニットとの接合構造を示す拡大断面図で、図6に対応する。図14(A)、(B)、(C)、図15(A)、(B)は、[1]〜[12]の護岸施工ステップを5段階で示す斜視図で、図7(A)、(B)、(C)、図8(A)、(B)に対応する。
【0062】
次に、鋼製梁部材ユニット27aを図9〜図13によって説明する。鋼製梁部材ユニット27aの両端には、実施形態1の主鋼管18に代わって、嵌合継手13を先端に有する2対の矢板継手部材41が、上下方向に伸長して、平行に設けられていている。この矢板継手部材41の基端は、連結部材40を介して上部水平材28と、下部水平材30と、2本の斜材31のそれぞれの両端部に溶接で接合されている。
【0063】
図13には、鋼製梁部材ユニット27aと杭11の接合構造が示されている。つまり、杭11の外面に間隔をおいて平行な一対の端部継手部材35が溶接され、この端部継手部材35と矢板継手部材41のそれぞれの嵌合継手13を係合して、鋼製梁部材ユニット27aが杭11に接合されている。
【0064】
また、端部継手部材35と矢板継手部材41等で囲まれる内部空間にコンクリートやモルタル等のグラウト材34が充填される。さらに、杭11の外面で端部継手部材35の間隙の鋼製梁部材ユニット27aが取付けられる部分および鋼製梁部材の矢板継手部材41の間で、グラウト材34が充填される部分には、丸鋼や平鋼等のシアキー(鋼製ずれ止め部材)43が取付けられている。
【0065】
図11には、直線矢板14Aまたは鋼管矢板14Bと杭11の接合例として、杭11の外面に溶接された端部継手部材35と、鋼矢板壁15Aの端部に位置する直線矢板14Aにおける嵌合継手13および鋼管矢板15Bの端部に位置する鋼管矢板15Bにおける嵌合継手13が係合した例の詳細が示されている。
【0066】
鋼製梁部材ユニット27aは、実施形態1と同様、予め工場などで各部材を溶接一体化して製作され、施工現場では、図9に示すように吊り降ろし(図13に示す)、このとき、端部継手部材35と矢板継手部材41のそれぞれの嵌合継手13を係合させる。その後、端部継手部材35と矢板継手部材41で囲まれる空隙にグラウト34を充填し、グラウト材34が硬化することで鋼製梁部材ユニット27aと杭11とが一体化される。
【0067】
図14(A)、(B)、(C)、図15(A)、(B)には、実施形態2が実施される[1]〜[12]の護岸施工ステップのうち、主要な5ステップを斜視図で示している。[1]〜[12]の施工ステップは、実施形態1と若干相異しているので、簡単に説明すると、[1]地盤改良、[2]盛土、[3]前列鋼管杭打設、[4]鋼製梁部材ユニット27a据付け、[5]後列鋼管杭打設、[6]グラウト打設、[7]間仕切り仮設矢板42打設、[8]鋼矢板壁および鋼管矢板壁据付け、[9]中詰め土施工、[10]間仕切り仮設矢板徹去、[11]上部工施工、[12]護岸背面土施工、の順で施工される。
【0068】
図14(A)は、前記[3]のジャケット据付けステップを示し、地盤改良範囲37において、クレーン船38で吊下げた鋼製梁部材ユニット27aの矢板継手部材41を、海底地盤10に打設された杭11に嵌合している状況を示している。
【0069】
図14(B)は、前記[7]の間仕切り用架設矢板の打設ステップを示し、前ステップで鋼製梁部材ユニット27aの矢板継手部材41の打設が終わった後、各杭列12間にクレーン船38で吊下げた間仕切り用架設矢板42を建て込む状況を示している。
【0070】
図14(C)は、前記[8]の鋼矢板壁および鋼管矢板壁据付けステップを示し、前ステップで間仕切り用架設矢板42を建て込みが終わった後、一方の杭列における各杭12間にクレーン船38で吊下げた直線矢板14Aからなる鋼矢板壁15Aを建て込む状況を示している。また、他方の杭列における各杭12間にクレーン船38で吊下げた鋼管矢板14Bを順次を建て込んだ状況、またはクレーン船38で吊下げた複数の鋼管矢板14Bからなる鋼矢板壁15Bを建て込んだ状況を示している。
【0071】
図15(A)は、前記[11]の上部工施工ステップを示し、相対する鋼矢板壁15Aおよび鋼管矢板壁間のセルに中詰め土17が投入され、また、護岸壁9の上端に上部工39を設置する状況を示している。
【0072】
図15(B)は、最終ステップとして、前記[12]の護岸背面土施工を示し、上部工39を設置の後、背面に背面土25を施工した状況を示している。
【0073】
実施形態2の主要な作用は、実施形態1と同様で、一方の杭列側においては、外側に凸の円弧状に建て込まれる鋼矢板壁15Aの端部は、所定間隔に配置の杭11で支持され、また、当該鋼矢板壁15Aの建込み状況が補強されること、また、他方の杭列側においては、直線状に建て込まれる剛性および遮水性能の高い鋼管矢板壁15Bの端部は杭11に直接連結されて直線状の鋼管矢板壁となる。さらに、杭列12間は、鋼製梁部材ユニット27で連結され、一方の鋼矢板壁15Aおよび他方の鋼管矢板壁15Bを支える杭11間が補強されることである。しかも、鋼製梁部材ユニット27aは、ユニット化されていることで、製作面および、現場施工の面で著しく有利である。
【0074】
次に、実施形態3を、図16〜図21によって説明する。
【0075】
実施形態3では、杭列12間を補強する連係部材16が、PC(プレストレスコンクリート)パネルユニット27bで構成され、このPCパネルユニット27bの構造及び、これと杭11との接合構造が実施形態1、2と相異している。他の構造は実施形態1、2と同じであるので、実施形態1、2と同一要素には、同一符号を付して、説明を省略し、以下では相異する構造について説明する。
【0076】
図16は要部の全体説明図で、実施形態1、2の図2、図9に対応する。図17は、PCパネルユニット27bの杭11への係合時の説明図で、図3、図10に対応する。図18(A)は、図17のPCパネルユニット27bが杭11と係合した後の説明図で、図4(A)、図11(A)に対応し、図18(B)は、同(A)の杭11とPCパネルユニット27bの係合状態を示す平面図で、図4(B)、図11(B)に対応する。図18(C)は、一方の杭列における各杭11間に構築される複数の直線矢板14Aからなる壁体および他方の杭列における各杭11間に構築される複数の鋼管矢板14Bからなる壁体を示す同(A)の平面図で、図4(C)、図11(C)に対応する。
【0077】
図19(A)は、杭11と直線矢板14Aとの接合構造を示す拡大断面図、図19(B)は、杭11と鋼管矢板14Bとの接合構造を示す拡大断面図で、図5、図12に対応する。図20は、杭11とPCパネルユニット27bとの接合構造を示す拡大断面図で、図6、図13に対応する。図21(A)、(B)、(C)は、護岸施工ステップを3段階で示す斜視図で、図7(A)、(B)と図8(A)、および図14(A)、(B)と図15(A)に対応する。
【0078】
次に、PCパネルユニット27bを図16〜図20によって説明する。PCパネルユニット27bの両端には、実施形態2と同じ嵌合継手13を先端に有する2対の矢板継手部材41が、上下方向に伸長して、平行に設けられていている。つまり、この矢板継手部材41の基端は、PCパネル本体の両端部に接合されている。
【0079】
図19には、PCパネルユニット27bと杭11の接合構造が示されている(実施形態2と略同じである)。つまり、杭11の外面に端部継手部材35が溶接され、この端部継手部材35と矢板継手部材41のそれぞれの嵌合継手13を係合して、PCパネルユニット27bが杭11に接合されている。また、端部継手部材35と矢板継手部材41等で囲まれる内部空間にグラウト34が充填される。
【0080】
図18には、直線矢板14Aまたは鋼管矢板14Bと杭11の接合例として、杭11の外面に溶接された端部継手部材35と、矢板壁の端部に位置する直線矢板14Aの矢板継手部材41のそれぞれの嵌合継手13および鋼管矢板14Bにおける嵌合継手13が係合した例の詳細が示されている(実施形態2と同じである)。
【0081】
PCパネルユニット27bは、予めコンクリート工場や、現場近くの成形場所で製作され、施工現場では、図17に示すように吊り降ろし(図21に示す)、このとき、杭11と矢板継手部材41のそれぞれの嵌合継手13を係合させる。その後、端部継手部材35と矢板継手部材41で囲まれる空隙にコンクリートやモルタル等のグラウト材34を充填し、グラウト材34が硬化することで鋼製梁部材ユニット27aと杭11とを一体化する。
【0082】
PCパネルの矢板継手部材41間および端部継手部材35間のグラウト材(コンクリート)34の充填部には、コンクリート目荒らし又はコンクリート面を凹凸形状とした、シアキー(ずれ止め部材)43が取付けられている。なお、PCパネルを仮固定する、仮受け杭やブラケットの図示を省略する。
【0083】
図21(A)、(B)、(C)には、本発明の実施形態3の方法が実施される(a)(i)の施工ステップのうち、主要な3ステップを斜視図で図示している。(a)(i)の施工ステップは、実施形態1、2と若干相異しているので、簡単に説明すると、(a)地盤改良、(b)盛土、(c)鋼管杭打設、(d)PCパネルユニット27b据付け、(e)グラウト材打設、(f)鋼矢板壁および鋼管矢板壁据付け、(g)中詰め土施工、(h)上部工施工、(i)護岸背面土施工、の順で施工される。
【0084】
図21(A)は、前記(d)のPCパネルユニット27b据付けステップを示し、地盤改良範囲37において、海底地盤10に打設された杭11の端部継手部材35に、クレーン船38で吊下げたPCパネルユニット27bの矢板継手部材41を嵌合している状況を示している。
【0085】
図21(B)は、前記(f)の鋼矢板壁および鋼管矢板壁据付けステップを示し、一方の杭列12間にクレーン船38で吊下げた直線矢板14Aからなる鋼矢板壁15Aを建て込む状況を示している。また、他方の杭列における各杭12間にクレーン船38で吊下げた鋼管矢板14Bを順次を建て込んだ状況、またはクレーン船38で吊下げた鋼管矢板14Bからなる鋼矢板壁15Bを建て込んだ状況を示している。
【0086】
図21(C)は、最終ステップとして、(i)護岸背面土施工を示し、相対する鋼矢板壁15Aおよび鋼管矢板壁15B間のセルに中詰め土17が投入され、また、護岸壁9の上端に上部工39を設置の後、背面に背面土25を施工した状況を示している。
【0087】
実施形態3の主要な作用は、実施形態1、2と同様で、一方の杭列側においては、外側に凸の円弧状に建て込まれる鋼矢板壁15Aの端部は、所定間隔に配置の杭11で支持され、当該鋼矢板壁15Aの建込み状況が補強されることであり、また、他方の杭列側においては、直線状に建て込まれる剛性および遮水性能の高い鋼管矢板壁15Bの端部は杭11に直接連結されて直線状の鋼管矢板壁となる。さらに、杭列12間は、PCパネルユニット27bで連結され、一方の鋼矢板壁15Aおよび他方の鋼管矢板壁15Bを支える杭11間が補強されることである。しかも、PCパネルユニット27bは、ユニット化されていることで、製作面および、現場施工の面で著しく有利である。
【0088】
また、前記第1〜第3の実施形態を含めて、本発明を実施する場合、鋼矢板壁15Aまたは鋼管矢板壁15Bを海底地盤10等の地盤に打ち込んで形成する場合、いずれか一方の壁体の打ち込み深さを、壁体の安定性の確保に必要な深さよりも大きくすることにより、打ち込み深さの浅い一方の壁体部下側から流入する地下水があっても、他方の打ち込み深さの深い壁体により、阻止することができるので、壁体部下部の止水性も高めることができ、産業廃棄物処理場等を囲む壁体として有利となる。例えば、図22に示すように、陸側に、主鋼管18(または杭11)も含めて鋼管矢板14B等からなる壁体15Bを(海底)地盤10に深く打ち込むようにすると、背面土25等に対する壁体の曲げ抵抗が大きくなる。
【0089】
また、前記実施形態では、鋼管矢板壁15B側に背面土25を設ける形態を示したが、本発明を実施する場合、直線矢板壁15Aと鋼管矢板壁15Bの外側が海等の水域としてもよい。
【0090】
前記の鋼矢板壁15Aは中詰め土4の土圧を引張り力で抵抗する部材であるので、沖側に向って凸になるように、配置すると合理的であるが、岸壁などのように直線性を必要とする場合には、沖側に直線状の鋼管矢板壁を設けるようにすればよい。なお、鋼管矢板壁体15Bは、その剛性が大きいと共に遮水性能が直線矢板より高いので、これを海底地盤10に深く打ち込んだ方が有利である。
【0091】
なお、図示を省略するが、鋼管矢板の継手構造としては、公知のスリット付鋼管継手を両側に備えた鋼管矢板を使用してもよく、鋼管の一方に雄継手を他方にスリット付鋼管継手を備えた鋼管矢板等、各種の鋼管矢板を使用することができ、また、継手構造により、嵌合継手内に止水性の高い、袋詰めセメントモルタルあるいはセメントモルタルを充填する。また、スリット付鋼管継手相互の継手嵌合構造のように、継手嵌合内が内外2重構造となる場合には、内側にベントナイトモルタル、外側に前記袋詰めセメントモルタルまたはセメントモルタルを使用する。
【0092】
前記実施形態では、護岸構造について説明してが、河川や山岳部等の陸上部における土留め壁や砂防ダム等の壁体構造物にも適宜適用することができ、これらの場合に、剛性および曲げ抵抗の大きい鋼管矢板壁側を山側に配置するようにするとよく、盛土24を基礎地盤(マウンド)として用いるようにしてもよい。壁体間にモルタルあるいはセメントを充填するようにしてもよい。なお、本発明において、図示例の構成およびステップを、当業者が設計変更の範囲で適宜変更して実施することができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明により以下の効果が奏される。
【0094】
第1発明によると、次の効果がある。
【0095】
(a)一方の壁体を、継ぎ手で相互に連結され円弧状に配置された直線矢板を壁体として用いることにより、外力に対して鋼材を引張状態で使用することができるため、鋼材を有効に使用し、壁体を構成する鋼材量の低減が図れる。また他方の壁体を、継ぎ手で相互に連結され直線状に配置された鋼管矢板を壁体として用いることにより、直線矢板のみを使用して各壁体を構築する場合よりも、壁体間の壁寸法を小さくすることができ、また、中詰め土砂を少なくすることができ、護岸構造などの壁体構造物を小型にすることができる。
【0096】
(b)各杭列間を鋼管やH型鋼からなる連係部材で連繋し、前記壁体間に中詰め材を充填することにより、壁体の強度は中詰め材のせん断強度と連係部材と杭からなるラーメン構造の強度を合成したものとなるため、十分に強固な連係部材を用いることにより、各杭列間を狭め壁体幅を低減することができる。また、セルの様に円形に併合する必要がないため、壁体幅を自由に選択できる。
【0097】
(c)前記した様に、中詰め材と各杭列間の連係部材からなる剛壁体と杭とを一体化させることにより、杭の水平抵抗を期待できるため、土圧等の外力に対して壁体構造の安定性を高めるとともに壁体の変位の抑制が可能となる。
【0098】
また、杭体を強固な基礎地盤に根入れすることにより、地盤沈下に伴う壁体の沈下を抑制できる。
【0099】
また、壁体は、連係部材で繋がれた杭式ラーメン構造に取付けるため、中詰め材の充填が完了するまでの間の施工時の波浪等に対する外力に対しても安定性が高い。
【0100】
第2発明によると、次の効果がある。
(d)本構造は、直線矢板からなる壁体Aと鋼管矢板からなる壁体Bが2重に配置されるとともに中詰め材が充填されているため遮水性の高い構造であるが、陸側に鋼管矢板からなる壁体Bを配置し、その壁体の打ち込み深さを、海側に配置の直線矢板からなる壁体Aの打ち込み深さよりも深くし、例えば、壁体の安定性の確保に必要な深さよりも大きくすることにより、鋼管矢板壁の引き抜き抵抗を向上させると共に、陸側に産業廃棄物処理場を設ける場合などには、遮水壁として、壁体部下側の止水性も高めることができる。
【0101】
第3発明によると、次の効果がある。
(e)各杭列を繋ぐ連係部材として、ユニット化された鋼製梁部材を用いる場合、連係部材は工場で製作することができるため壁体の急速施工が可能である。また、連係部材が軽量であるため、大きな施工機械が必要でない。
【0102】
発明によると、次の効果がある。
【0103】
(f)連係部材として鉄筋コンクリートパネルや鉄骨鉄筋コンクリートパネルやプレストレスコンクリートのパネル等を用いることにより、高耐久性を有する連係部材を安価に製作でき、連係部材を現場で製作することも可能となる。また、中詰め材の充填は、材料供給・施工機械の能力に応じて施工する必要がある、連係部材として該パネル部材を用いることにより、中詰め材施工時の隣接施工区域との隔壁として使用することができる。
【0104】
発明によると、次の効果がある。
【0105】
(g)前記杭と直線矢板の継手部間に、アスファルト等のすべりを許容する材料を介在させることにより、中詰め材の沈下に伴なう、杭の付加的外力の作用を抑制できる。
【0106】
発明によると、次の効果がある。
【0107】
(h)壁体を構成する直線矢板の代わりに、端部に継手を有する円弧状の鋼板を用いることにより、壁体部に継手が少なくなるため、施工時の安定性が高く、遮水性能が高めることができる。
【0108】
発明によると、次の効果がある。
【0109】
(i)本構造は、直線矢板からなる壁体と鋼管矢板からなる壁体が2重に配置されるとともに中詰め材が充填されているため遮水性の高い構造であるが、複数の直線矢板あるいは鋼管矢板の相互間を連結する継ぎ手の間隙に、止水性の高い材料が充填することにより、壁体部の止水性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)、(B)は、護岸壁の端部がストラップタイプ構造の護岸壁を示す概略平面図と側面図である。
【図2】 実施形態1の要部の全体説明図である。
【図3】 杭列間を繋ぐ連係部材の例として、実施形態1に係る鋼製梁部材ユニットの杭への挿入時の説明図である。
【図4】 (A)は鋼製梁部材ユニットの杭への挿入後の説明図、(B)は、同(A)の杭と主鋼管との嵌合状態を示す平面図、(C)は、一方の杭列に構築される複数の直線矢板からなる外に凸の壁体と他方の杭列に構築される複数の鋼管矢板からなる直線状の壁体を示す同(A)の平面図である。
【図5】 (A)は主鋼管を介して杭と直線矢板との接合構造を示す部分拡大断面図、(B)は主鋼管を介して杭と鋼管矢板との接合構造を示す部分拡大断面図である。
【図6】 杭と主鋼管との接合構造を示す部分拡大断面図である。
【図7】 (A)、(B)、(C)は、実施形態1の護岸壁施工ステップを3段階で示す斜視図である。
【図8】 (A)、(B)は、実施形態1の護岸壁施工ステップを2段階で示す斜視図である。
【図9】 実施形態2の要部の全体説明図である。
【図10】 杭列間を繋ぐ連係部材の例として、実施形態2に係る内壁タイプの鋼製梁部材ユニットの杭への係合時の説明図である。
【図11】 (A)は鋼製梁部材ユニットと杭との係合後の説明図、(B)は、同(A)の杭と鋼製梁部材ユニットの係合状態を示す平面図、(C)は、一方の杭列における各杭間に構築される複数の直線矢板からなる外側に凸の壁体と、他方の杭列における各杭間に構築される複数の鋼管矢板からなる直線状の壁体とを示す同(A)の平面図である。
【図12】 (A)は、一方の壁体における杭と直線矢板との接合構造を示す部分拡大断面図、(B)は他方の壁体における杭と鋼管矢板との接合構造を示す部分拡大断面図である。
【図13】 杭と鋼製梁部材ユニットの接合構造を示す拡大断面図である。
【図14】 (A)、(B)、(C)は、実施形態2の護岸壁施工ステップを3段階で示す斜視図である。
【図15】 (A)、(B)は、実施形態2の護岸壁施工ステップを2段階で示す斜視図である。
【図16】 実施形態3の要部の全体説明図である。
【図17】 杭列間を繋ぐ連係部材の例として、実施形態3に係るRCパネルユニットの杭への係合時の説明図である。
【図18】 (A)はRCパネルユニットの杭への係合後の説明図、(B)は、同(A)の杭とRCパネルユニットの係合状態を示す平面図、(C)は、一方の杭列に構築される複数の直線矢板からなる外に凸の壁体と他方の杭列に構築される複数の鋼管矢板からなる直線状の壁体を示す同(A)の平面図である。
【図19】 (A)は杭と直線矢板壁との接合構造を示す拡大断面図、(B)は杭と鋼管矢板壁との接合構造を示す拡大断面図である。
【図20】 杭とRCパネルユニットとの接合構造を示す拡大断面図である。
【図21】 (A)、(B)、(C)は、実施形態3の護岸壁施工ステップを3段階で示す斜視図である。
【図22】 本発明の他の実施形態を示し、直線状鋼矢板壁に比べて鋼管矢板壁の打ち込み深さを深くした形態を示す全体説明図である。
【図23】 本発明の他の実施形態を示し、鋼管矢板壁に比べて直線状鋼矢板壁の打ち込み深さを深くした形態を示す全体説明図である。
【図24】 従来例を示し、(A)、(B)は、円筒形の鋼矢板セルとダイアフラム形セルの護岸構造の平面説明図である。
【符号の説明】
1 直線型鋼矢板
2 円筒型セル
3 円弧状の継手
4 中詰め土
5 円弧状鋼矢板壁
6 円弧状壁列
7 端部(少幅部)
8 鋼製連結部材
9 護岸壁
10 海底地盤
11 杭
12 杭列
13 嵌合継手
14A 直線矢板
14鋼管矢板
15A 鋼矢板壁
15B 鋼管矢板壁
16 連係部材
17 中詰め土
18 主鋼管
19 端部セル
20 斜材
22 海面
23 基礎地盤
24 盛土
25 背面土
26 接合部材
27 鋼製梁部材ユニット
27a 鋼製梁部材ユニット
27b RCパネルユニット
28 上部水平材
30 下部水平材
31 斜材
32 溶接
33 間隙
34 グラウト
35 端部継手部材
37 地盤改良範囲
38 クレーン船
39 上部工
40 連結部材
41 矢板継手部材
42 間仕切り用架設矢板
43 シアキー
(イ) 海側
(ロ) 陸側

Claims (7)

  1. 所定の間隔で海底地盤等の地盤に打設された杭によって複数の杭列を平行に構築し、
    地中に打ち込まれると共に外側に凸の円弧状に配置され、相互間が継ぎ手で連結された複数の直線矢板の端部が前記各杭列におけるいずれか一方の杭列に配置されると共にその杭列における隣り合う各杭に連結されて壁体Aが構成され、
    地中に打ち込まれると共に直線状に配置され、相互間が継ぎ手で連結された複数の鋼管矢板の端部が他方の杭列における隣り合う各杭に連結されて壁体Bが構成され、
    且つ、前記壁体Bは前記壁体Aよりも深く地中に打ち込まれて配置されると共に、
    前記各杭列間が連係部材で連繋され、前記壁体A,B間に中詰め材が充填されてなる護岸構造。
  2. 前記壁体Aが海側に設けられ、前記壁体Bが陸側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の護岸構造。
  3. 前記杭列間を繋ぐ連係部材は、鋼管やH形鋼や鋼板等の鋼製梁部材ユニットで構成されていて、嵌合によりまたは、継手部材を介して前記杭に連結されることを特徴とする請求項1又は2記載の護岸構造。
  4. 前記杭列間を繋ぐ連係部材はユニット化された鉄筋コンクリートパネル、鉄骨鉄筋コンクリートパネルやプレストレスコンクリートパネルで構成され、継手部材を介して前記杭に連結されることを特徴とする請求項1又は2記載の護岸構造。
  5. 前記杭と直線矢板の継手部間に、アスファルト等のすべりを許容する材料を介在させて連結されたことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項記載の護岸構造。
  6. 壁体を構成する直線矢板の代わりに、端部に継手を有する円弧状の鋼板を用いた請求項1〜の何れか1項記載の護岸構造。
  7. 複数の直線矢板または鋼管矢板の相互間を連結する継ぎ手の間隙に、止水性の高い材料が充填され連結されたことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項記載の護岸構造。
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