JP2004197403A - 鋼管矢板井筒基礎 - Google Patents

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    • E02D5/04Prefabricated parts, e.g. composite sheet piles made of steel
    • E02D5/06Fitted piles or other elements specially adapted for closing gaps between two sheet piles or between two walls of sheet piles

Abstract

【課題】継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎において、鋼管矢板としては、従来の鋼管矢板よりも全体の強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも、継手の降伏耐力を高めることで、継手のせん断耐力を著しく向上させることができるものである。
【解決手段】鋼管矢板1は、鋼管2相互を各鋼管2の周面にフランジ端縁が結合するH鋼4のつなぎ部材で一体的に連結したH鋼連結型鋼管に、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手7はH鋼雌継手8のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、さらに全体として閉鎖形状に組み合わせ可能なように必要に応じて鋼管矢板1はH鋼4のつなぎ部材に対してH鋼雄継手7、H鋼雌継手8は突出する向きに適宜角度をつけた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁基礎などの構築に採用される鋼管矢板井筒基礎に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来・地盤掘削時の土留め工法には鋼矢板が用いられてきた。鋼矢板より長尺で断面剛性の大きい鋼管矢板は、昭和38年に日本で初めて矢板式岸壁に用いられた。その後、昭和41年に鋼管矢板の特性を生かした鋼管矢板基礎が、溶鉱炉の基礎に採用された。
【0003】
この基礎形式は、支持層の深い軟弱な地盤における確実な施工性が評価され、昭和44年に橋梁基礎として、石狩河口橋の基礎に採用された。鋼管矢板基礎は、水中基礎において仮締切り兼用方式(仮設の締切り壁を本体壁として採用する方式)が開発されたことにより、現在までに1000基を超える基礎が建設されている。
【0004】
鋼管矢板基礎は、鋼管矢板を現場で、図8に示すような円形(a)、小判形、(b)、矩形(c)の閉鎖形状に連続して打ち込み、鋼管矢板の頭部に頂版を設けて結合することにより、鋼管矢板個々の剛性ばかりでなく井筒全体としての剛性を持たせ、大きな水平抵抗と鉛直支持力を期待できる基礎構造物である。鋼管矢板基礎の特徴を、以下に列挙する。
1.施工的には鋼管杭と同様な機械化施工や急速施工が可能である。
2.設計的にはケーソンと杭の中間的な考え方が用いられる。
3.仮締切り兼用工法を取り得る。
【0005】
3.の仮締切り工法は、水中に橋梁基礎を施工する場合、鋼管矢板基礎が仮締切り壁と基礎本体とを兼用した工法であり、他の工法に比べ工期が短縮でき、鋼管矢板の高剛性により施工時の安全性が極めて高いという特徴を有する。
【0006】
鋼管矢板井筒基礎は、例えば、図10に示すように橋脚11の基礎とする場合、複数本の鋼管矢板12を小判形に組み合わせて並べ、小判形の内部が閉鎖空間となるように締め切り、該小判形の内部に下層から敷砂13、底版コンクリートの打設により底版14、頂版コンクリートの打設により頂版15を順に施工し、鋼管矢板12の内部には中詰コンクリート16を充填する。
【0007】
前記鋼管矢板12は、鋼矢板と同様に、連続した土留め壁を構築する目的で、鋼管に継手12a(形状によりP−P型、P−P型、L−T型に分類できる)を設けた土留め用鋼材である。図9に最も多く使用されるP−P型鋼管矢板継手の形状を示す。通常、鋼管矢板基礎では、仮締切り壁部の継手部止水に低強度モルタルを注入処理する必要がある。
【0008】
前記鋼管矢板基礎に水平方向の外力が作用した場合、継手12aの部分については、上下方向のせん断力が作用する。このせん断力が継手のせん断耐力より大きくなると、継手部のずれ変形が急増し、鋼管矢板基礎全体の曲げ剛性低下の度合いも大きくなる。
【0009】
継手自体のせん断耐力を向上させる方法としては、例えば、継手部材の円形鋼管の内面に対して多数の突起を設けるものであって、その突起の効果によって円形鋼管とモルタルとの付着強度を増加させて継手のせん断耐力を向上させるものや、継手部材を構成する円形鋼管の径を大きくする方法であって、径を大きくすることで鋼管とモルタルとの付着面積を増加させて、継手のせん断耐力を向上させるもの、下記特許文献1にあるように、継手としての円形鋼管の内面に凹凸を設けると共に、円形鋼管における鋼管矢板本管への取付け部からスリット位置まで円周方向に延びる2つの円弧のうち、円弧長が長い側の当該円形鋼管の外面と、本管外面とを補強部材で連結するものなどの方法がある。
【0010】
【特許文献1】
特開平2000−220135号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
継手12aのせん断剛度およびせん断耐力の増加により、矢板に発生する応力度は低減される。継手耐力を増加し、水平荷重作用時における継手のずれ変形が減少されると、鋼管矢板基礎全体の曲げ剛性が増大し、水平耐力が増加する。これらのことが、実験により実証されている。また、従来型の継手では、昨今の鋼管矢板基礎の大径化や軟弱地盤への適用に対応しきれなくなっている。
【0012】
前記特許文献1は、従来の継手と比較すると、2.2倍のせん断耐力が得られている。これは、リブにより付着面積が1.3倍に増加したことにより、モルタルの付着強度が見かけ上1.7倍に増加したことが原因と考えられた。つまり、大型パイプ継手、内面突起付き継手、縞鋼板継手は従来のパイプ継手に比べ高耐力を有することが押し抜きせん断試験により実証きれた。しかし、パイプ継手の形状に固執するあまり、大幅な改良に至っていなし、これらでも継手12aの強度は十分と言えるものではなかった。
【0013】
また、前記鋼管矢板12はディーゼルパイルハンマによる打設(杭打)機で打ち込む場合もあるが、これは打設にともなう騒音振動が大きく建設公害となる。そこで、アースオーガ掘削により嵌入抵抗を低減しながら、油圧ジャッキやバイブロハンマにより圧入する方法も採用されるが、いずれの場合も鋼管2を一本ずつセットしていくものである。
【0014】
このように1本ずつ鋼管矢板12を掘削孔に挿入したり、打設したりして締切り工を施工するのでは非常な手間がかかるとともに、施工の際に継手12aの部分の挿入抵抗が多いので曲がりやすく鋼管矢板12自体の垂直精度の確保が困難である。
【0015】
さらに前記のごとくアースオーガ掘削を先行させて掘削孔内に鋼管矢板1をセットする場合に、このアースオーガに多軸のオーガ機を使用すれば掘削孔については一度に複数のものが同時形成できるが、鋼管矢板12の配置に関しては前記のように1本ずつ行うことを原則としているので、工数の削減にはならない。
【0016】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎において、鋼管矢板としては、従来の鋼管矢板よりも全体の強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも、継手の降伏耐力を高めることで、継手のせん断耐力を著しく向上させることができる鋼管矢板井筒基礎を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、継手部材を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎において、鋼管矢板は、鋼管相互を各鋼管の周面にフランジ端縁が結合するH鋼のつなぎ部材で一体的に連結したH鋼連結型鋼管に、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、さらに全体として閉鎖形状に組み合わせ可能なように必要に応じて鋼管矢板はH鋼のつなぎ部材に対してH鋼雄継手、H鋼雌継手は突出する向きに適宜角度をつけたことを要旨とするものである。
【0018】
第2に、H鋼のつなぎ部材は、フランジ同士の長さを異ならせてH形形状を適宜変更することを要旨とするものである。
【0019】
請求項1記載の本発明によれば、H鋼連結型鋼管を用いることにより、施工性、環境への影響、水平耐力の視点から下記作用が得られる。
▲1▼2本同時打設が可能
▲2▼施工時の鉛直精度の向上
▲3▼止水処理剤の削減
▲4▼単位長さ当りの曲げ剛性の増加
▲5▼任意の断面形状に閉合可能
▲6▼土砂流出の防止
【0020】
▲1▼従来型鋼管矢板では鋼管杭を1本ずつ打設する必要があるが、H鋼連結型鋼管矢板では施工前に2本の鋼管杭とH鋼が溶接で繋がれているため、2本同時に打設することが可能になる。これにより、施工時間が大幅に短縮できる。施工手間の低減率の一例として、周径、同肉厚の鋼管杭を用いたH鋼連結型鋼管矢板と従来型鋼管矢板を施工した場合、従来型鋼管矢板を使用する場合の打設手間を100%とするとH鋼連繕型鋼管矢板では49%に減少する。
【0021】
▲2▼従来型鋼管矢板は、鋼管杭を1本ずつ打設するため、鉛直精度を保つにはかなりの注意と施工経験が必要である。しかし、H鋼連結型鋼管矢板は、施工前に2本の鋼管が連結されていることで鉛面精度が向上し、鋼管矢板および鋼管矢板基礎の施工時において、継手管がせりあったり外れたりする可能性が無くなり、施工精度が向上する。また、先に打設したH鋼連結型鋼管矢板の継手をガイドとして、後で打設するH鋼連結型鋼管矢板の継手を嵌合しながら打込むことができ、より精度を向上させることができる。
【0022】
▲3▼鋼管矢板および鋼管矢板基礎を施工する際、継手管内にモルタルや薬液を注入し、止水処理を施す必要がある。しかし、H鋼連結型の場合はH鋼のつなぎ部材に止水処理を施す必要が無い。よって、単純に止水処理剤の注入量を半分に減らすことができ、止水処理剤(モルタルや薬液)の流出による水質汚染を縮小できる。止水処理剤の注入量を従来型鋼管矢板の48%に削減できる。これにより、従来型鋼管矢板よりも環境にやさしいものとなる。
【0023】
▲4▼従来型鋼管矢板では、継手部がずれるため十分に曲げ剛性を考慮できないが、H鋼連結型鋼管矢板の鋼管同士はH鋼のつなぎ部材で連結されるので、適切に鋼管杭と溶接されていれば、曲げ剛性を十分考慮できる。よって、単位長さ当りの曲げ剛性は、従来型鋼管矢板よりも増加する。従来型鋼管矢板の並列方向の単位長さ当りの曲げ剛性は9.47×10(k N・m/m)、H鋼連結型鋼管矢板の並列方向の単位長さ当りの曲げ剛性は1.35×10(k N・m/m)となり、43%増加する。よって、H鋼連結型鋼管矢板の鋼管径および肉厚を縮小し、鋼材料の削減が可能となる。
【0024】
また、曲げ剛性の増加により水平耐力の増加が見込まれる。その検証のひとつとして、図11に示す地盤中に打設された長さ500mmH鋼連結型鋼管矢板と従来型鋼管矢板の模型に対し、遠心模型実験を行った。載荷方向の違いにより曲げ剛性が異なることを考慮して、2方向(直列方向、並列方向)に水平載荷した。
【0025】
模型鋼管矢板の諸元と実験パターンをこの図11に示す。鋼管径Dの10%まで変位させ、プロトタイプ換算した実験結果を図12に示す。
【0026】
並列方向に載荷した場合では、曲げ剛性がほぼ等しいため、同等の水平耐力を示している。直列方向に載荷した場合では、本発明に使用するH鋼連結型鋼管矢板は従来型鋼管矢板と比較して、約1.35倍の水平耐力を示している。これは、従来型継手が変位の増大とともに鉛直方向にずれ、一体となって挙動するとして算出した曲げ剛性を保持できないためである。よって、鋼管矢板基礎として本発明のようなH鋼連結型鋼管矢板を用いた場合、基礎全体の水平耐力は従来型鋼管矢板より極めて大きいと期待できる。
【0027】
しかし、本発明のように鋼管矢板基礎としてH鋼連結型鋼管矢板を用いる掲合、継手部分に応力集中が発生する可能性がある。本発明では、この継手部分においてもH鋼雄継手とH鋼雌継手の嵌合として剛性を高めることができ、鋼管矢板を矩形などに繋ぎ合わせた(井筒)模型鋼管矢板基礎として十分な強度を得ることができる。
【0028】
▲5▼本発明で使用するH鋼連結型鋼管矢は、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合するものであり、従来型の鋼管矢板のように継手部分の接合の自由度がないが、これらH鋼雄継手はH鋼雌継手のの突出する向きに適宜角度をつけることで、任意の形状の鋼管矢板基礎の施工が可能となる。
【0029】
▲6▼港湾構造物としてH鋼連結型鋼管矢板を用いた場合、矢板背面の裏込め地盤が波浪等の影響によって湾内に流出する可能性が長期的になくなる。すなわち、背面地盤が土砂流出の影響によって陥没することを防止できる。
【0030】
請求項2記載の本発明によれば、前記作用に加えて、H鋼連結型鋼管矢板の中間の継手であるH鋼の形状を変える(一方を他方より短くする)ことで、曲率を持つH鋼連結型鋼管矢板のユニットができ、これらを連結することでより一層きめ細やかな滑らかな曲線で任意の形状の鋼管矢板基礎の施工が可能となる。よって、従来どおり任意の断面形状の鋼管矢板基礎が建設可能であり、施工精度も向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図3は本発明の鋼管矢板井筒基礎の第1〜3実施形態を示す平面図で、先に本発明で使用するH鋼連結型鋼管矢の1ユニットから説明すると図4に示すように、H鋼連結型鋼管矢1は並列させる鋼管2の相互を各鋼管2の周面にフランジ端縁が結合するつなぎ部材としてH形鋼4でこのH形鋼4の幅分だけ間隔を存して一体的に連結し、また、かかる相互連結と反対側にはH鋼雄継手7、H鋼雌継手8を設けるようにした。
【0032】
このH形鋼4は形鋼圧延によるものでもまた、適宜溶接により工場等で独自に組み立てたものでもよい。圧延形鋼を利用する場合はフランジ4aの左右端縁を鋼管周面に溶接することになり、これら平行するフランジ4aと鋼管2、2とで四方を囲繞した密閉空間5を形成する。図中4bはウエブである。
【0033】
前記H鋼雄継手7、H鋼雌継手8は鋼管2の相互のつなぎ部材と同じく、横断面形がH形のものとしてフランジ7a、8aとウエブ7b、8bの組み合わせからなり、フランジ7a、8aの端縁が鋼管2の周面に結合するものである。H鋼雄継手7はH鋼雌継手8に対して多少小振りなものとする。
【0034】
H鋼雄継手7とH鋼雌継手8との嵌合は、H鋼雌継手8のフランジ8a間にH鋼雄継手7のフランジ7aが入り込み、さらにフランジ7aの先端はH鋼雌継手8のウエブ8bに近接し、フランジ7a、8a、ウエブ7b、8bで囲繞された密閉空間が形成できるので、ここにトレミー管を用いてコンクリートやモルタル等の充填材9を充填することもでき、必要に応じて鉄筋をこの密閉空間に配設することも可能である。
【0035】
図1はH鋼連結型鋼管矢1をもって矩形の井筒になるように組み合わせたものであるが、コーナー部を形成するH鋼連結型鋼管矢1は、図5に示すように一方のH鋼雄継手7またはH鋼雌継手8はH鋼のつなぎ部材であるH形鋼4に対して約90°の角度をもって突出させた。
【0036】
図2は角部が傾斜した変形矩形の場合であり、コーナー部を形成するH鋼連結型鋼管矢板1は、図6に示すように一方のH鋼雄継手7またはH鋼雌継手8はH鋼のつなぎ部材であるH形鋼4に対して約120°の角度をもって突出させた。
【0037】
図3はH鋼連結型鋼管矢板1をもって円形の井筒になるように組み合わせたものである。この場合は、図6に示すように一方のH鋼雄継手7またはH鋼雌継手8はH鋼のつなぎ部材であるH形鋼4に対してわずかな角度をもって突出させた。
【0038】
なお、他の実施形態として、図7に示すように、H鋼連結型鋼管矢板1のH形鋼4のつなぎ部材は、フランジ4a同士の長さを異ならせてH形鋼4のH形形状を適宜変更することにより、H鋼連結型鋼管矢板1の全体に曲率を持たせた。
【0039】
この場合に、前記第1〜3実施形態のようにH鋼連結型鋼管矢板1のH鋼雄継手7またはH鋼雌継手8はH鋼のつなぎ部材であるH形鋼4に対して角度を付けてもよいし、また、付けなくてもよい。
【0040】
このように、曲率を持つH鋼連結型鋼管矢板1のユニットが得られ、これらを連結することでより一層きめ細やかな滑らかな曲線で任意の形状の鋼管矢板基礎の施工が可能となる。
【0041】
さらに、図3にも示すがH鋼雄継手7またはH鋼雌継手8はそれぞれフランジ7a、8aで平行する相互の長さを異ならせ、その結果としてこのH鋼雄継手7とH鋼雌継手8の嵌合部分で曲率を確保することも可能である。また、前記つなぎ部材であるH形鋼4の異形とこのH鋼雄継手7またはH鋼雌継手8とを組み合わせてことも可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の鋼管矢板井筒基礎は、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎において、鋼管矢板としては、従来の鋼管矢板よりも全体の強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも、継手の降伏耐力を高めることで、継手のせん断耐力を著しく向上させることができるものである。
【0043】
特に使用する鋼管矢板としては、陸上や海上の基礎工事に使用するものとして、一度に複数本の鋼管矢板をセットできるので手間の削減と工期の短縮が可能であるとともに、建込み精度が向上し、また、継手の数が少なくなるので、継手部分による建込み時の抵抗が少なく、止水性も高いものである。このように止水性が高いので、薬注等の補助工法も省略できるか、簡素化できる。
【0044】
さらに、継手の降伏耐力を高めることで、継手部のせん断耐力を著しく向上させることができる。
【0045】
また、陸上や海上の基礎工事に使用するものとして、一度に複数本の鋼管矢板をセットできるので手間の削減と工期の短縮が可能であるとともに、建込み精度が向上し、また、継手の数が少なくなるので、継手部分による建込み時の抵抗が少なく、止水性も高いものである。このように止水性が高いので、薬注等の補助工法も省略できるか、簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼管矢板井筒基礎の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明の鋼管矢板井筒基礎の第2実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明の鋼管矢板井筒基礎の第3実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明で使用するH鋼連結型鋼管矢の1ユニットを示す平面図である。
【図5】第1実施形態でのコーナー部のH鋼連結型鋼管矢の平面図である。
【図6】第2実施形態でのコーナー部のH鋼連結型鋼管矢の平面図である。
【図7】本発明の鋼管矢板井筒基礎の第4実施形態の平面図である。
【図8】鋼管矢板井筒基礎の説明図である。
【図9】従来の鋼管矢板の継手部を示す平面図である。
【図10】橋脚基礎の施工に用いる鋼管矢板井筒基礎の一部切り欠いた正面図である。
【図11】模型鋼管矢板と実験パターンを示す説明図である。
【図12】遠心模型実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…鋼管矢板 2…鋼管
3…継手 3a…スリット
4…H形鋼 4a…フランジ
4b…ウエブ 5…密閉空間
7…雄継手 8…雌継手
7a、8a…フランジ 7b、8b…ウエブ
9…充填材
11…橋脚 12…鋼管矢板
12a…継手 13…敷砂
14…底版 15…頂版
16…中詰コンクリート

Claims (2)

  1. 継手部材を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎において、鋼管矢板は、鋼管相互を各鋼管の周面にフランジ端縁が結合するH鋼のつなぎ部材で一体的に連結したH鋼連結型鋼管に、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、さらに全体として閉鎖形状に組み合わせ可能なように必要に応じて鋼管矢板はH鋼のつなぎ部材に対してH鋼雄継手、H鋼雌継手は突出する向きに適宜角度をつけたことを特徴とする鋼管矢板井筒基礎。
  2. H鋼のつなぎ部材は、フランジ同士の長さを異ならせてH形形状を適宜変更する請求項1記載の鋼管矢板井筒基礎。
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