JP6477565B2 - 既設鋼矢板壁の補強構造及び補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、長年の使用により腐食や破損により劣化した既設の切梁式鋼矢板護岸の既設鋼矢板壁を補強する既設鋼矢板壁の補強構造及び補強方法に関する。
経年劣化した鋼矢板壁の対策として、例えば特許文献1の背景技術に記載されたように、既存壁の前面にさらに新たな壁を構築する方法が一般的である。この方法は、既存の鋼矢板壁が腐食や破損により劣化し、所定の性能が損なわれた場合、前面側(水際側)に、新たに同一性能の鋼矢板壁を向かい合う形で打設し、両鋼矢板壁の間には土砂などにより間詰めして構築される。
しかしながら、上記の一般的な方法では、既設壁が切梁式護岸の場合、新設壁の打設にあたり、切梁構造が障害となることから、切梁構造の事前の撤去や、切梁撤去時の壁体構造の強度不足を補うための仮設補強工が必要となり、工事が大掛かりになる。(工期、工費の増大)
また、護岸に必要な構造性能を回復できる点では目的を達成するが、新設壁が大きく水際側に張り出すため、河川においては川幅を狭めて洪水の危険性が増すおそれがある。
他の方法として、特許文献1においては、「補強を要する該既設護岸前方の水底地盤を掘り下げ、掘り下げた該水底地盤にコンクリート等による水平な基礎を打設し、該基礎上に擁壁ブロックをクレーンにより吊り下げ、前記既設護岸に沿うよう並列に配置し、該擁壁ブロックと前記既設護岸との隙間を裏込めして擁壁とし、前記擁壁ブロックの周囲を土砂もしくはコンクリート等で打設して新たな水底地盤とし、前記擁壁を新規護岸とすることを特徴としてなる既設護岸の補強方法。」(特許文献1の請求項1参照)が提案されている。
特開2010−196271号公報
特許文献1の方法では、護岸に必要な構造性能を回復するとともに、既設壁が切梁式護岸の場合においても、現場コンクリート打設などにより、切梁構造の撤去なしで、施工できる可能性がある。
しかしながら、特許文献1の方法の場合、コンクリート擁壁が大きく水際側に張り出すため、前述の一般的な方法と同様に、河川においては川幅を狭めて洪水の危険性が増すおそれがある。
また、コンクリート擁壁を安定的に支持するため、地盤改良などが必要となる場合が多く、工期、工費の増大に繋がるおそれもある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、既設壁が切梁式護岸の場合においても、切梁構造の撤去なしで施工でき、水際側への張り出しを抑えて川幅の縮小を避けることができ、さらには地盤改良などが不要な既設鋼矢板壁の補強構造及び補強方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る既設鋼矢板壁の補強構造は、U形鋼矢板もしくはハット形鋼矢板で構成され、壁面に凹凸部が交互に連続し、その頭部付近において切梁構造によって水平支持された既設鋼矢板壁の補強構造であって、前記既設鋼矢板壁の凹部の表面に当接させて縦方向に設置された補強部材と、該補強部材の下部と前記既設鋼矢板壁の下部を一体的に支持する下部支持構造と、前記補強部材の上端部に構築されて該補強部材の上端部と前記既設鋼矢板壁の上部を一体的に支持する上部支持構造とを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、該継手付き土留め部材と前記補強部材及び前記既設鋼矢板壁との間に打設されたコンクリートを備えてなることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、前記補強部材の下端部に配設されて該補強部材と前記継手付き土留め部材を連結して一体化する連結腹起し材とを備えてなることを特徴とするものである。
(4)本発明に係る既設鋼矢板壁の補強方法は、U形鋼矢板もしくはハット形鋼矢板で構成され、壁面に凹凸部が交互に連続し、その頭部付近において切梁構造によって水平支持された既設鋼矢板壁の補強方法であって、前記既設鋼矢板壁の凹部の表面に当接させて補強部材を縦方向に設置する工程と、該補強部材の下部と前記既設鋼矢板壁の下部を一体的に支持する下部支持構造を構築する工程と、前記補強部材の上端部と前記既設鋼矢板壁の上部を一体的に支持する上部支持構造を構築する工程とを備えたことを特徴とするものである。
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、該継手付き土留め部材と前記補強部材及び前記既設鋼矢板壁との間の所定区間に打設されたコンクリートを備えてなり、前記下部支持構造を構築する工程は、補強部材を設置する前に継手付き土留め部材を既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設し、前記補強部材を設置した後に該補強部材と前記既設鋼矢板壁との間にコンクリートを打設することを特徴とするものである。
(6)また、上記(4)に記載のものにおいて、前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、前記補強部材の下端部に配設されて該補強部材と前記継手付き土留め部材を連結して一体化する連結腹起し材とを備えてなり、前記下部支持構造を構築する工程は、補強部材を設置する前に継手付き土留め部材を既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設し、前記補強部材を設置した後に該補強部材と前記既設鋼矢板壁とを連結腹起し材で連結することを特徴とするものである。
本発明においては、既設鋼矢板壁の凹部の表面に当接させて縦方向に設置された補強部材と、該補強部材の下部と前記既設鋼矢板壁の下部を一体的に支持する下部支持構造と、前記補強部材の上端部に構築されて該補強部材の上部と前記既設鋼矢板壁の上部を一体的に支持する上部支持構造とを備えたことにより以下の効果を奏することができる。
既設鋼矢板壁が切梁式護岸の場合においても、既設の切梁構造の撤去なしで施工が可能である。
また、補強部材は、前記既設鋼矢板壁の凹部に配置されることから、水際側への張り出しが抑えられ、川幅の縮小を避けることができる。
さらに、補強部材の下部と上部はそれぞれ下部支持構造と上部支持構造により既設鋼矢板壁と一体的に支持されるので既設鋼矢板壁と一体となって土圧および水圧などの外力に抵抗できることから、地盤改良などは不要であり、経済的かつ省スペースの施工が可能となる。
本発明の実施の形態1に係る既設鋼矢板壁の補強構造の説明図である。 実施の形態1における補強部材の設置方法の説明図である。 実施の形態1における下部支持構造の説明図であり、図1の矢視A−A図である。 実施の形態1に用いる継手付き土留め部材の説明図である。 実施の形態1における下部支持構造の構築方法の説明図である(その1)。 実施の形態1における下部支持構造の構築方法の説明図である(その2)。 実施の形態1における上部支持構造の説明図であり、図1の矢視B−B図である。 実施の形態1における上部支持構造の他の態様の説明図である。 実施の形態1に用いる補強部材の他の態様の説明図である(その1)。 実施の形態1に用いる補強部材の他の態様の説明図である(その2)。 実施の形態1に用いる補強部材の他の態様の説明図である(その3)。 本発明の実施の形態1に係る既設鋼矢板壁の補強方法の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る既設鋼矢板壁の補強構造の説明図である。 実施の形態2における下部支持構造の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る既設鋼矢板壁の補強方法の説明図である
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る既設鋼矢板壁の補強構造1は、既設鋼矢板壁3の凹部3aの壁面に当接するように設置された補強部材5と、補強部材5の下部と既設鋼矢板壁3の下部を一体的に支持する下部支持構造7と、補強部材5の上端部に構築されて補強部材5の上部と既設鋼矢板壁3の上部を一体的に支持する上部支持構造9とを備えたものである。
以下、既設鋼矢板壁の補強構造1(以下、単に「補強構造1」という)を構成する各要素について詳細に説明する。
<既設鋼矢板壁>
補強の対象となる既設鋼矢板壁3は、U形鋼矢板もしくはハット形鋼矢板で構成され、壁面に凹凸部が交互に連続し、その頭部付近において既設切梁構造11によって水平支持されたものである(図1、図2、図6参照)。
なお、本実施の形態では、U形鋼矢板で構築された既設鋼矢板壁3を例示して説明する。
<補強部材>
補強部材5は、既設鋼矢板壁3の凹部3aの表面に当接するように縦方向に設置された、例えばH形鋼19からなる柱状の部材である。
補強部材5は、その下端が壁前面地盤13に到達するように配置すると、壁体の施工上も構造安定上も好ましい。
また、補強部材5と既設鋼矢板壁3との一体性をより高めるため、ボルト接合や溶接により、両者を固定してもよい。その際、既設鋼矢板壁3の腐食等の劣化が生じている場合は、補強のため添接板を用いてもよい。
なお、河川において、河積を大きくする必要がある場合は、壁前面地盤13(水底)を掘削してから、補強部材5を配置してもよい(図2参照)。図2(a)は壁前面地盤13を掘削した状態を示し、図2(b)は掘削された壁前面地盤13上に補強部材5を設置した状態を示している。
壁前面地盤13(水底)掘削時に既設鋼矢板壁3に変形が生じていることが分かり、これが問題になるような場合は、仮留め支保工やアンカー工など補強工を施したうえで本発明構造を構築することも可能である。
なお、補強部材5の断面形状については、種々のものが適用できるが、この点については後述する。
<下部支持構造>
下部支持構造7は、補強部材5の下部と既設鋼矢板壁3の下部を一体的に水平支持するものである。
下部支持構造7は、既設鋼矢板壁3の壁前面地盤13に打設した、例えば、図4に示すような、継手付き土留め部材15と、継手付き土留め部材15と補強部材5及び既設鋼矢板壁3との間に打設された充填コンクリート17によって構成されている(図1、図3参照)。
《継手付き土留め部材》
継手付き土留め部材15としては、図4に示すように、H形鋼19の一方のフランジに半裁した直線形鋼矢板21を接合したものが考えられ、H形鋼19の両側にある連結継手部材23によって連結可能になっている。
継手付き土留め部材15は、i)壁前面地盤13においてより高い抵抗土圧を得ること、ii)充填コンクリート17を打設する際の型枠とすること、iii)新設土留めの法線方向の打設精度を高めることという機能を有しておれば、図4に示す形状のものに限定されず、他の形状であってもよい。
継手付き土留め部材15の地中への打設長は、補強部材5の下端に作用する想定水平荷重に対し、それを上回る抵抗土圧が得られる長さとすればよく、通常は既設鋼矢板壁3の壁前面地盤13への根入れ長以下でよい。
《充填コンクリート》
補強部材5と継手付き土留め部材15との間に充填する充填コンクリート17は、図5に示すように、継手付き土留め部材15の頭部をコンクリート充填する区間分突出させておき(図5(a)参照)、既設鋼矢板壁3と継手付き土留め部材15の間に充填するようにしてもよいし(図5(b)参照)、あるいは、図6に示すように、継手付き土留め部材15を壁前面地盤13まで打設し(図6(a)参照)、既設鋼矢板壁3と継手付き土留め部材15の間の地盤25を掘削して、掘削した部分に充填するようにしてもよい(図6(b)参照)。
図5に示した方法は、地盤掘削が不要であるため、より施工が容易であるが、突出した部分が、河川の流れを阻害する可能性もある。これが問題となる場合は、継手付き土留め部材15の前面側(既設護岸とは反対側)の壁前面地盤13を掘削して、河積を大きくすることも可能である。
他方、図6に示した方法は、地盤掘削の手間がかかるものの、従来からの河川の流れを阻害するおそれはない。ただし、従来よりもさらに河積を大きくしようとする場合には、上記したように、継手付き土留め部材15の前面側(既設護岸とは反対側)の壁前面地盤13を掘削して、河積を大きくすることも可能である。
なお、充填コンクリート17の代替としては、モルタルやその他、経年固結性の材料を用いてよい。
また、充填コンクリート17を補強するため、鉄筋を配置してもよい。
コンクリート充填する区間長さ(深度方向)としては、1×H(H:補強部材5の壁法線直角方向の断面高さ)以上とすることが望ましい。
<上部支持構造>
上部支持構造9は、補強部材5の上端部に構築されて補強部材5の上部と既設鋼矢板壁3の上部を一体的に水平支持するものであり、例えば切梁構造27又はアンカー構造33を有してなる。
《切梁構造》
新設の切梁構造27は、新しく配置した補強部材5とともに、既設鋼矢板壁3の凸面にも接するように配置した腹起し材29と、腹起し材29に当接させて配設した切梁材31によって構成され、切梁材31には腹起し材29を介して補強部材5および既設鋼矢板壁3の両者から荷重が伝達されるように構築されている(図1、図7参照)。
なお、図1の切梁構造27は、切梁材31と腹起し材29を組合せた鋼構造の例を示しているが、これを鉄筋コンクリート構造など他の構造としてもよい。
また、既設鋼矢板壁3の施工精度のバラツキから、実際には既設鋼矢板壁3の凸面の不整も考えられるので、腹起し材29に均等に荷重を伝えるため、補強部材5および既設鋼矢板壁3と腹起し材29との間に緩衝材を設けるようにしてもよい。
《アンカー構造》
新設のアンカー構造33ついては、新しく配置した補強部材5とともに、既設鋼矢板壁3の凸面にも接するように、腹起し材29を配置し、補強部材5および既設鋼矢板壁3の両者からアンカー35に荷重が伝達するよう構築する(図8参照)。
なお、図8では地中アンカー工の例を示しているが、控え杭式など他のアンカー工法を用いてもよい。アンカー段数は補強部材5の上端の1段を基本とするが、必要に応じて、段数を増やすことも可能である。
また、切梁構造27において述べたように、既設鋼矢板壁3の施工精度のバラツキから、実際には、既設鋼矢板壁3の凸面の不整も考えられるので、腹起し材29に均等に荷重を伝えるため、補強部材5および既設鋼矢板壁3と腹起し材29との間に緩衝材を設けてもよい。
なお、上記の説明では、上部支持構造9として、切梁構造27又はアンカー構造33のいずれかを設ける場合について説明したが、切梁構造27とアンカー構造33を併用してもよい。例えば、新設の切梁構造27のみでは、壁の支持力が足りない場合に、それを補うものとして、切梁構造27の下方にアンカー構造33を設けることが考えられる。
なお、上述した補強部材5は、図1、図3、図7に示すように、最も一般的な形状として、H形鋼19を示しているが、補強部材5における上端部の一方の面で既設鋼矢板壁3の凹部3aに接触し、また、他方の面で上部支持構造9を構成する腹起し材29と面接触できればよく、H形鋼以外の形状のものも含む。例えば、図9に示すフランジ長さの異なる形鋼37、図10に示す角型鋼管39、図11に示す台形鋼管41などの適用も可能である。
次に、上記のように構成された本実施の形態の補強構造1の構築方法について図12に基づいて説明する。
補強前の既設の切梁式鋼矢板護岸(図12(a)参照)に対して、既設鋼矢板壁3の前面に継手付き土留め部材15を打設する(図12(b)参照)。その後、補強部材5を既設鋼矢板壁3の凹部3aに当接させ、かつ下端部が地盤に到達するように設置し、補強部材5の上端部に切梁構造27を構築する(図12(c)参照)。最後に、補強部材5と継手付き土留め部材15との間に充填コンクリート17を充填し、充填コンクリート17が固結した後に、既設切梁構造11を撤去して、完了となる(図12(d)参照)。
補強部材5を設置する前に継手付き土留め部材15を打設することで、継手付き土留め部材15が補強部材5の下端部が河川中心方向にずれるのを防止するため、補強部材5のずれ防止を別途行う必要がないので、作業効率がよい。
以上のような本実施の形態の補強構造1及び補強方法によれば以下のような効果を奏することができる。
既設壁が切梁式護岸の場合においても、既設切梁構造11の撤去なしで施工が可能である。
また、補強部材5は、既設鋼矢板壁3の凹部3aに接触し、かつ壁側面の位置が、既設鋼矢板壁3の凸部の面に略合致するように配置されることから水際側への張り出しが抑えられ、川幅の縮小を避けることができる。
さらに、補強部材5は、その上端において、切梁構造27またはアンカー構造33による水平支持構造が形成されるとともに、その下端は、充填コンクリート17を介して、継手付き土留め部材15により水平支持され、既設鋼矢板壁3と一体となって土圧および水圧などの外力に抵抗できることから、地盤改良などは不要であり、経済的かつ省スペースの施工が可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る補強構造45について、図13、図14に基づいて説明する。
実施の形態2に係る補強構造45は、基本構造は実施の形態と同じであり、図13、図14において、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態2においては、下部支持構造7において継手付き土留め部材15と既設鋼矢板壁3との間にコンクリートを充填することはなく、連結腹起し材43を設置した点が実施の形態1と異なる。
<連結腹起し材>
連結腹起し材43は、補強部材5と継手付き土留め部材15とを連結するものであり、ボルト接合もしくは溶接による接合、またはこれらを併用することが好適である。
なお、図13、図14では、連結腹起し材43として、H形鋼19を適用した例を示しているが、角形鋼管など他の形状の部材を用いてもよい。さらに必要に応じて、鉛直方向に複数段となるように配置してもよい。
なお、上記の例では、実施の形態1と同様に継手付き土留め部材15を用いているが、本実施の形態2では、コンクリートを充填する必要が無く、継手付き土留め部材15には型枠としての機能は不要である。そのため、継手部材無しでも、十分な抵抗土圧、施工性精度が得られる場合は、これを省力することも可能である。
次に、上記のように構成された本実施の形態の補強構造45の構築方法について図15に基づいて説明する。
補強前の既設の切梁式鋼矢板護岸(図15(a)参照)に対して、既設鋼矢板壁3の前面に継手付き土留め部材15を打設する(図15(b)参照)。その後、補強部材5を既設鋼矢板壁3の凹部3aに当接させ、かつ下端部が地盤に到達するように設置し、補強部材5の上端部に切梁構造27を構築する(図15(c)参照)。最後に、補強部材5と継手付き土留め部材15との間に連結腹起し材43を設置し、これを、補強部材5と、継手付き土留め部材15に固定した後、既設切梁構造11を撤去して、完了となる(図15(d)参照)。
本実施の形態に係る補強構造45及び補強方法においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
1 既設鋼矢板壁の補強構造(実施の形態1)
3 既設鋼矢板壁
3a 凹部
5 補強部材
7 下部支持構造
9 上部支持構造
11 既設切梁構造
13 壁前面地盤
15 継手付き土留め部材
17 充填コンクリート
19 H形鋼
21 直線形鋼矢板
23 連結継手部材
25 地盤
27 切梁構造
29 腹起し材
31 切梁材
33 アンカー構造
35 アンカー
37 形鋼
39 角型鋼管
41 台形鋼管
43 連結腹起し材
45 既設鋼矢板壁の補強構造(実施の形態2)

Claims (6)

  1. U形鋼矢板もしくはハット形鋼矢板で構成され、壁面に凹凸部が交互に連続し、その頭部付近において切梁構造によって水平支持された既設鋼矢板壁の補強構造であって、
    前記既設鋼矢板壁の各凹部のそれぞれに該凹部の表面に当接させ、かつ前記既設鋼矢板壁側の面の位置が前記既設鋼矢板壁の凸部の面に略合致するようにして縦方向に設置された柱状の補強部材と、これら各補強部材の下部と前記既設鋼矢板壁の下部を一体的に支持する下部支持構造と、前記補強部材の上端部に構築されて補強部材の上端部と前記既設鋼矢板壁の上部を一体的に支持する上部支持構造とを備えたことを特徴とする既設鋼矢板壁の補強構造。
  2. 前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、
    前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、該継手付き土留め部材と前記補強部材及び前記既設鋼矢板壁との間に打設されたコンクリートを備えてなることを特徴とする請求項1記載の既設鋼矢板壁の補強構造。
  3. 前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、
    前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、前記補強部材の下端部に配設されて該補強部材と前記継手付き土留め部材を連結して一体化する連結腹起し材とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の既設鋼矢板壁の補強構造。
  4. U形鋼矢板もしくはハット形鋼矢板で構成され、壁面に凹凸部が交互に連続し、その頭部付近において切梁構造によって水平支持された既設鋼矢板壁の補強方法であって、
    前記既設鋼矢板壁の各凹部のそれぞれに該凹部の表面に当接させて、かつ前記既設鋼矢板壁側の面の位置が前記既設鋼矢板壁の凸部の面に略合致するように柱状の補強部材を縦方向に設置する工程と、これら各補強部材の下部と前記既設鋼矢板壁の下部を一体的に支持する下部支持構造を構築する工程と、補強部材の上端部と前記既設鋼矢板壁の上部を一体的に支持する上部支持構造を構築する工程とを備えたことを特徴とする既設鋼矢板壁の補強方法。
  5. 前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、
    前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、該継手付き土留め部材と前記補強部材及び前記既設鋼矢板壁との間に打設されたコンクリートを備えてなり、
    前記下部支持構造を構築する工程は、補強部材を設置する前に継手付き土留め部材を既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設し、前記補強部材を設置した後に該補強部材と前記既設鋼矢板壁との間にコンクリートを打設することを特徴とする請求項4記載の既設鋼矢板壁の補強方法。
  6. 前記上部支持構造は、切梁構造又はアンカー構造を有してなり、
    前記下部支持構造は、前記既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設した継手付き土留め部材と、前記補強部材の下端部に配設されて該補強部材と前記継手付き土留め部材を連結して一体化する連結腹起し材とを備えてなり、
    前記下部支持構造を構築する工程は、補強部材を設置する前に継手付き土留め部材を既設鋼矢板壁の壁前面地盤に打設し、前記補強部材を設置した後に該補強部材と前記既設鋼矢板壁とを連結腹起し材で連結することを特徴とする請求項4記載の既設鋼矢板壁の補強方法。
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