JP7254040B2 - 河川構造物における洗掘抑制方法、及び、洗掘抑制構造 - Google Patents

河川構造物における洗掘抑制方法、及び、洗掘抑制構造 Download PDF

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本発明は、河川構造物における洗掘抑制方法、及び、洗掘抑制構造に関する。
河川中に設けられた構造物(以下、「河川構造物」という。)の脚部周辺で洗掘が進行した場合、例えば、河川構造物の基礎の露出により機能性や安全性が低下したり、脚部周辺の河床の低下により河川構造物の倒壊や流出が発生したりする恐れがある。すなわち河川中に構造物を固定して設置する場合、かかる河川構造物の脚部周辺において十分な洗掘対策を講じる必要がある。
河川構造物における洗掘対策としては、例えばシートパイル基礎の敷設や対策工(例えば蛇篭やブロック工)の敷設が挙げられる。
そして、特許文献1には、前述の対策工としての蛇篭の連結施工方法が開示されている。特許文献1に記載の施工方法によれば、蛇篭本体の断面と同形に形成された連結用の外枠を取り付けてなる複数の蛇篭を、該外枠に沿って移動自在の連結部材により相互に連結している。これにより、特許文献1に記載の施工方法によれば、隣接する蛇篭を地盤の変移に応じて上下方向に変異自在に連結することができる。
特開平7-158030号公報
しかしながら、例えば上述のシートパイル基礎を敷設した場合、設置したシートパイル工が河川から突出することで河積阻害率が大きくなり、シートパイル工の周辺で洗掘が進行し、この結果、河川構造物の脚部周辺での洗掘範囲が拡大する恐れがある。
また、特許文献1に記載の蛇篭の連結施工方法においては、蛇篭同士は連結部材により連結されるものの、蛇篭本体が河川構造物に対して固定されることについては記載がなく、例えば洪水時において蛇篭が流出する恐れがある。
そこで本発明は、河川構造物の脚部周辺における洗掘を適切に抑制する方法、特に複数の蛇篭を相互に連結する方法、及び、その構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、河川構造物における洗掘抑制方法であって、前記河川構造物の少なくとも一部は河川の流水に面して設けられ、平面視において、前記河川構造物における前記流水と面する部分を囲むように複数の蛇篭を設置し、隣接する前記蛇篭は、連結部材を介して相互に連結され、前記連結部材は、前記蛇篭の本体の側面に設けられる縦部材と、前記縦部材に周回して設けられるリング部材と、を有し、前記縦部材は、前記蛇篭の本体の側面に対して離隔して配置され、隣接する前記蛇篭は、前記リング部材を、それぞれの前記蛇篭に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、相互に連結されることを特徴としている。
本発明によれば、河川構造物を囲むようにして複数の蛇篭を設ける。これにより、河川構造物の流水に面する部分に対して到達する流水の流速が減速されて洗掘を抑制できる。またこの時、複数の蛇篭は連結部材により相互に連結される。これにより、河川構造物により蛇篭が係止された状態となるため、例えば洪水等が発生した場合であっても蛇篭が流出することを抑制できる。
複数の前記蛇篭における前記河川構造物が設けられている側の周面に沿って、複数の矢板がさらに設けられていてもよい。
前記縦部材は前記矢板にさらに設けられてもよい。かかる場合、前記蛇篭は、前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記矢板に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記矢板と相互に連結される。
前記縦部材は前記河川構造物にさらに設けられてもよい。かかる場合、前記蛇篭は、前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記河川構造物に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記河川構造物と相互に連結される。
前記リング部材は、前記縦部材の長手方向に対して移動自在に設けられることが好ましい。
本発明によれば、連結された蛇篭が相互に上下動自在に連結されるため、河床の変異に追随して、適切に蛇篭が上下動できる。すなわち、河床の変異により蛇篭の機能が損なわれることが抑制される。
前記河川の川幅方向に対する複数の前記蛇篭の設置幅は、前記河川構造物の設置幅の倍であってもよい。
前記河川構造物が、橋桁を支持する橋脚、及び、橋台であってもよい。
別な観点に係る本発明は、河川構造物における洗掘抑制構造であって、平面視において、前記河川構造物における河川の流水に面する部分を囲むように設けられる複数の蛇篭と、隣接する前記蛇篭を相互に連結する連結部材と、を有し、前記連結部材は、前記蛇篭の本体の側面に設けられる縦部材と、前記縦部材に周回して設けられるリング部材と、を有し、前記縦部材は、前記蛇篭の本体の側面に対して離隔して配置され、隣接する前記蛇篭は、前記リング部材を、それぞれの前記蛇篭に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、相互に連結されることを特徴としている。
複数の前記蛇篭における前記河川構造物が設けられている側の周面に沿って設けられる複数の矢板をさらに有していてもよい。
前記縦部材を前記矢板にさらに設けてもよい。かかる場合、前記蛇篭が、前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記矢板に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記矢板と相互に連結される。
前記縦部材を前記河川構造物にさらに設けてもよい。かかる場合、前記蛇篭が、前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記河川構造物に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記河川構造物と相互に連結される。
前記リング部材が、前記縦部材の長手方向に対して移動自在であることが好ましい。
本発明によれば、河川構造物の脚部周辺における洗掘を適切に抑制する方法、特に複数の蛇篭を相互に連結する方法、及び、その構造を提供することができる。
第1の実施形態に係る洗掘抑制構造の概略を示す断面図である。 第1の実施形態に係る洗掘抑制構造の概略を示す平面図である。 相互に連結された蛇篭の様子を示す側面図である。 相互に連結された蛇篭の様子を示す平面図である。 相互に連結された蛇篭の様子を示す側面図である。 矢板と連結された蛇篭の様子を示す側面図である。 矢板と連結された蛇篭の様子を示す平面図である。 矢板と連結された蛇篭の様子を示す側面図である。 第1の実施形態に係る洗掘抑制構造の変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る洗掘抑制構造の変形例を示す平面図である。 河川構造物と連結された蛇篭の様子を示す側面図である。 蛇篭20の設置範囲についての説明図である。 第2の実施形態に係る洗掘抑制構造の概略を示す断面図である。 第2の実施形態に係る洗掘抑制構造の概略を示す平面図である。 第2の実施形態に係る洗掘抑制構造の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<第1の実施形態に係る洗掘抑制構造>
図1及び図2は、河川構造物における洗掘を抑制するための、第1の実施形態に係る洗掘抑制構造1の概略を模式的に示す断面図及び平面図である。本実施形態に係る洗掘抑制構造1は、河川構造物Pが例えば橋桁を支持する橋脚である場合、換言すれば、平面視において河川構造物Pの全周が河川の流水に面して設けられる場合において、洗掘の進行を抑制する。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る洗掘抑制構造1は、河川構造物Pの全周を囲むようにして河川の流水中に設けられる複数の矢板10と、矢板10の河川構造物Pと反対側の周面に沿って設けられる複数の蛇篭20と、隣接する蛇篭20を相互に連結する連結部材30と、を有している。なお、以下の説明において洗掘抑制構造1の各部における河川構造物Pとの反対側の周面を「外周面」、外周面と対向する側の面を「内周面」という場合がある。すなわち、例えば複数の蛇篭20は矢板10の外周面に沿って設けられている。
矢板10は、図1及び図2に示すように、河床に打込み、平面視において河川構造物Pの全周を囲むように複数設置される。このように河川構造物Pを囲むように矢板10を設置することにより、河川構造物Pにおける洗掘の進行が抑制される。
なお、矢板10としては例えばシートパイル工や鋼管杭等、任意に選択することができる。
蛇篭20は、例えば菱形金網や溶接金網等により形成された断面四角形状をなす蛇篭本体の内部に詰め石(図示せず)をすることにより構成され、河川構造物Pの全周を囲むように設けられた矢板10の外周面に沿って複数設けられる。すなわち複数の蛇篭20は、矢板10の外周面に沿って河川構造物Pの全周を囲むように設けられている。なお、隣接する蛇篭20は、後述の連結部材30を介して相互に連結される。蛇篭20は、当該蛇篭20の内部において河川の流速を低減することができ、これにより、矢板10に到達する河川の流速が低減される。すなわち、矢板10における洗掘の進行を抑制して洗掘範囲の拡大を防ぐとともに、河川構造物Pにおける洗掘の進行をさらに適切に抑制する。
また本実施形態によれば、後述する連結部材30により隣接する蛇篭20を相互に連結し、これにより複数の蛇篭20を河川構造物Pの全周を囲むように一体に設ける。これにより、例えば洪水時において河川の流速や流量が増大した場合であっても、連結された蛇篭20が河川構造物Pに対して、より具体的には河川構造物Pを囲むように設けられる矢板10に対して係止された状態となるため、蛇篭20が河川に流出することが適切に抑制される。
なお、蛇篭20の形状は任意に選択することができるが、例えば菱形金網や溶接金網等により形成された断面四角形状をなす蛇篭本体の内部に詰め石(図示せず)をすることにより構成されていてもよい。このように蛇篭20の本体が断面四角形状を有する場合、当該蛇篭20の本体側面に対して後述の連結部材30を適切に設置することができる。
連結部材30は、流水中に設けられる複数の蛇篭20において、隣接する蛇篭20同士を相互に連結する。連結部材30は、図3及び図4に示すように、蛇篭20の本体側面に設けられる縦部材31と、縦部材31に周回して設けられるリング部材32と、を有している。
縦部材31は、図3及び図4に示すように蛇篭20の本体の側面全周に亘って複数、図示の例によれば、例えば1つの蛇篭20に対して6つ設けられる。縦部材31は、例えば蛇篭20に対して溶接や接着により剛接されてもよいし、例えばネジやバンドにより着脱自在に設けられていてもよい。
リング部材32は、隣接する蛇篭20のそれぞれに設けられた縦部材31を束ねるようにして周回して設けられ、これにより2本の縦部材31を、換言すれば隣接する2つの蛇篭20を相互に連結する。なお、図示の例においては、蛇篭20の連結に際して縦部材31の長手方向に2本のリング部材32を周回して設けているが、縦部材31を束ねるリング部材32の数は任意に決定することができる。すなわち、蛇篭20を適切に連結して連結強度を確保することができれば、縦部材31に周回させるリング部材32は1本であってもよく、または3本以上であってもよい。
ここで、図4に示すように、本実施形態においては縦部材31が蛇篭20の本体全周に亘って複数設けられているため、蛇篭20は、連結部材30を介して平面視における任意の方向に対して相互に連結することができる。すなわち、矢板10の外周面に沿って適切に複数の蛇篭20を連結させることができる。
またここで、図3及び図4に示すように、隣接して設けられる2つの蛇篭20の本体間には間隙L(例えば1~2cm程度)が形成され、リング部材32は縦部材31の長手方向(図示の例によれば上下方向)に対して移動自在に設けられる。すなわち、図5に示すように、連結される蛇篭20は相互に上下方向に移動自在に連結されており、蛇篭20の設置位置における河床形状に応じて、適切にそれぞれの蛇篭20を設置することができる。また例えば、例えば流水などにより河床形状が変形した場合であっても、かかる河床形状の変移に対してそれぞれの蛇篭20が適切に追従することができる。
第1の実施形態に係る洗掘抑制構造1は以上のように構成されている。次に、上述の洗掘抑制構造1の設置方法について説明する。
洗掘抑制構造1の設置にあたっては、先ず、河川構造物P(例えば橋脚)の全周を囲むようにして矢板10を設置する。矢板10は、例えば一端部を河床に挿入することにより流水中に設けられる。
矢板10を設置すると、次に、当該矢板10の外周面に沿って蛇篭20の本体部を設置する。具体的には、矢板10の外周面に沿った所定の位置に、側面の全周に亘って縦部材31が設けられてなる蛇篭20の本体を近接させて並設し、隣接する蛇篭20に設けられた縦部材31同士を、リング部材32により相互に連結する。
流水中に設けられた蛇篭20のすべてが一体に連結されると、次に、各蛇篭20の本体部に設けられた詰め石穴(図示せず)から詰め石を行った後、当該詰め石穴を閉塞する。そして、流水中に設けられたすべての蛇篭20の本体部に対しての詰め石が完了すると、一連の洗掘抑制構造1の設置が終了する。
なお、矢板10の内周側は、例えば詰め石やコンクリートがさらに施工されてもよい。換言すれば、河川構造物Pの周囲には例えばシートパイル基礎が施工されてもよい。このように矢板10の内周側に詰め石やコンクリート等を施工することにより、河川構造物Pの安定性を向上することができる。
<第1の実施形態に係る洗掘抑制方法>
本実施形態に係る洗掘抑制構造1によれば、複数の矢板10を河川構造物Pを囲むように設置することにより河川構造物Pにおける洗掘を抑制して河川構造物Pの安定性を向上させることができる。また、かかる矢板10の外周に沿って河川構造物Pを囲むように複数の蛇篭20を設置することにより、矢板10における洗掘を抑制して洗掘範囲の拡大を防ぐとともに、河川構造物Pにおける洗掘をさらに適切に抑制することができる。さらに、複数の蛇篭20は、隣接する蛇篭20を相互に連結することにより、河川構造物Pを囲んで一体に設けられるため、例えば洪水時などにおいて蛇篭20が流出することが適切に抑制される。
また本実施形態に係る連結部材30によれば、隣接する蛇篭20を相互に上下方向に移動自在に連結する。これにより、蛇篭20を河床形状に応じて適切に設置できるとともに、例えば流水などにより河床形状に変形が生じた場合であっても、かかる変形に追従してそれぞれの蛇篭20が適切に上下方向に移動することができる。すなわち、蛇篭20が河床に対して適切に設置された状態が維持され、蛇篭20に機能低下が生じることが適切に抑制される。
またさらに、本実施形態に係る洗掘抑制構造1の設置方法によれば、隣接する蛇篭20の相互の連結は、蛇篭20の本体部に予め設けられた縦部材31のそれぞれを、リング部材32を周回して束ねることのみによって行うことができるため、その施工が容易である。
なお、上記実施形態においては、洗掘抑制構造1の設置にあたって河川構造物Pの周囲に新たに矢板10を設置したが、河川構造物Pの周囲に予め矢板10が設置されている場合、例えば河川構造物Pの周囲にシートパイル基礎が既設されている場合であっても、本発明にかかる洗掘抑制構造1を設置することができる。かかる場合、上述の矢板10を設置する工程を省略することができるため、洗掘抑制構造1の施工がより容易になる。
なお、上記実施形態においては、連結部材30により隣接する蛇篭20を相互に連結したが、蛇篭20は矢板10に対してさらに連結されてもよい。
具体的には、図6及び図7に示すように、矢板10の外周面に縦部材31をさらに設置し、かかる縦部材31を、リング部材32により蛇篭20に設けられた縦部材31と束ねるように連結する。これにより、矢板10と蛇篭20とを相互に連結することができる。なお、縦部材31は矢板10に対して溶接や接着により剛接されてもよいし、例えばネジやバンドにより着脱自在に設けられていてもよい。
そして、このように矢板10と蛇篭20とを相互に連結することにより、蛇篭20が矢板10に対して係止されるため、例えば洪水時などにおいて蛇篭20が流出することをさらに適切に抑制することができる。また、上述のように矢板10に対して縦部材31を設置することのみによって蛇篭20を連結することができるようになるため、例えば既存のシートパイル基礎に対して蛇篭20を新たに連結する場合であっても、その施工が容易である。
また、このように矢板10に対して直接的に蛇篭20を連結させる場合であっても、本実施形態にかかる連結部材30によれば、図8に示すように、蛇篭20を矢板10に対して上下方向に移動可能に連結することができる。すなわち、蛇篭20を河床形状に応じて適切に設置できるとともに、例えば河床形状に変形が生じた場合であっても、適切に係る変形に追従して各蛇篭20が上下方向に変移することができる。
なお、上記実施形態においては、河川構造物Pを囲むようにして矢板10及び蛇篭20を設け、これにより河川構造物Pにおける洗掘の進行を抑制したが、蛇篭20による河川の流速の低下のみによって洗掘の進行を抑制できれば、矢板10は必ずしも設置される必要はない。
具体的には、図9及び図10に示すように、平面視において河川構造物Pの全周を囲むように、連結部材30で連結された複数の蛇篭20を一体に設置する。このように河川構造物Pの周囲に矢板10を設けない場合であっても、蛇篭20により河川構造物Pに到達する河川の流速が低減されるため、河川構造物Pにおける洗掘の進行を適切に抑制することができる。
またこの時、河川構造物Pと蛇篭20とをさらに連結してもよい。具体的には、図11に示すように、河川構造物Pの外周面に縦部材31をさらに設置し、かかる縦部材31を、リング部材32により蛇篭20に設けられた縦部材31と束ねるように連結する。これにより、河川構造物Pと蛇篭20とを相互に連結することができる。なお、縦部材31は河川構造物Pに対して剛接されてもよいし、着脱自在に設けられていてもよい。
このように河川構造物Pに対して蛇篭20を直接的に連結することにより、蛇篭20の流出を適切に抑制することができる。また、本発明に係る連結部材30によれば、蛇篭20は河川構造物Pに対して上下方向に移動自在に連結されるため、蛇篭20を河床形状に応じて適切に設置できるとともに、河床形状の変形に追従してそれぞれの蛇篭20が適切に上下方向に変移することができる。また更に、上述のように河川構造物Pに対して縦部材31を設置することのみによって蛇篭20を連結することができるようになるため、洗掘抑制構造1を設置するための施工が容易である。
なお、連結部材30を介して相互に連結される蛇篭20の数は、任意に決定することができるが、例えば、河川構造物Pの川幅方向片側に連結して設けられる蛇篭20の設置数は、図12に示すように、蛇篭20の川幅方向における設置幅20Lが、河川構造物Pの川幅方向における幅PLの2倍となるように決定されることが望ましい。このように蛇篭20の設置幅20Lを決定することにより、河川構造物P(矢板10)に到達する河川の流速を低減し、適切に洗掘の進行を抑制することができる。
また、上記実施形態においては、例えば菱形金網や溶接金網等により形成された断面四角形状をなす蛇篭20を用いたが、蛇篭20の形状はこれに限定されるものではなく、例えば円筒形形状や錐形状であってもよい。また例えば、平面視における形状は図示のように方形状には限られず、例えば台形であってもよい。ただし、隣接する蛇篭20を相互に連結するため、本体の側面には、少なくとも縦部材31を設置するための線形部を有していることが好ましい。
<第2の実施形態に係る洗掘抑制構造>
第1の実施形態に係る洗掘抑制構造1は、河川構造物Pが平面視において河川構造物Pの全周が河川の流水に面して設けられる(例えば橋脚である)場合に、洗掘の進行を抑制するものであったが、本発明が適用される河川構造物はこれに限られない。
図13及び図14は、河川構造物における洗掘を抑制するための、第2の実施形態に係る洗掘抑制構造100の概略を模式的に示す側面図及び平面図である。
本実施形態に係る洗掘抑制構造100は、河川構造物Qが例えば橋桁を支持する橋台である場合、換言すれば、平面視において背面が地盤に面して設けられ、河川構造物Qの周面の少なくとも一部が河川の流水に面している場合において、洗掘の進行を抑制する。なお、河川構造物Qの両側面(河川の上流側側面、及び、下流側側面)には、河川構造物Qに作用する土圧を軽減するための翼壁Qwが設けられている。
図13及び図14に示すように、第2の実施形態に係る洗掘抑制構造100は、河川構造物Q及び翼壁Qwの外周面(河川構造物Q及び翼壁Qwにおいて水流と接する側の面)を囲むようにして設けられる複数の矢板10と、矢板10の外周面に沿って設けられる複数の蛇篭20と、隣接する蛇篭20を相互に連結する連結部材30と、を有している。また、本実施形態に係る洗掘抑制構造100において内周側に設けられる蛇篭20は、連結部材30を介して矢板10と更に連結されている。また、本実施形態において蛇篭20は、例えば河床を掘削することにより、蛇篭20の上面が河床と略一致するように設けられている。
なお本実施形態においては、河川構造物Qと翼壁Qwとを併せて、洗掘抑制構造100により洗掘の進行を抑制する、本発明に係る「河川構造物」を構成するものとする。また、本発明においては、洗掘抑制構造100が「河川構造物」の全周を囲んで設けられていない場合、すなわち、図示のように河川構造物Q及び翼壁Qwにおける水流と面する部分のみを覆って洗掘抑制構造100を設ける場合であっても、洗掘抑制構造100が河川構造物を「囲むように」設置されているものとする。
なお、洗掘抑制構造100における蛇篭20は、隣接する蛇篭20との間で相互に上下方向に移動自在に連結されるとともに、矢板10に対しても上下方向に移動自在に連結されている。
<第2の実施形態に係る洗掘抑制方法>
本実施形態に係る洗掘抑制構造100によれば、複数の矢板10を河川構造物Q及び翼壁Qwの水流と面する部分を囲むように設置することにより、河川構造物Q及び翼壁Qwにおける洗掘を抑制することができる。また、かかる矢板10の外周に沿って複数の蛇篭20を設置することにより河川の流速が低減されるため、矢板10における洗掘を抑制して洗掘範囲の拡大を防ぐとともに、河川構造物Qにおける洗掘をさらに適切に抑制することができる。
また、本実施形態における洗掘抑制構造100においては、複数の蛇篭20は河川構造物Q及び翼壁Qwの全周を囲んで設けられてはいないが、内周側において矢板10と相互に連結されているため、適切に蛇篭20の流出が抑制される。
なお、上記実施形態においては河川構造物Q及び翼壁Qwの外周面を囲むようにして矢板10を設けたが、例えば河川構造物Qの下部にフーチング(図示せず)が設けられている場合、河川構造物Qに沿って矢板10を挿入できない場合がある。
かかる場合、洗掘抑制構造100においては、河川構造物Qの前面に、換言すれば、フーチングの形成範囲において矢板10の設置を省略してもよい。このように河川構造物Qの前面に矢板10を設置できない場合であっても、図15に示すように、河川構造物Qの前面においては隣接する蛇篭20を相互に連結し、かかる蛇篭20を、翼壁Qwの外周面において矢板10と相互に連結された蛇篭20と連結すればよい。すなわち、翼壁Qwの前面において蛇篭20が矢板10と相互に連結されているため、蛇篭20が流出することを適切に抑制することができる。
なお、第1の実施形態に係る洗掘抑制構造1と同様に、本実施形態に係る洗掘抑制構造100においても、矢板10の設置を省略し、蛇篭20を河川構造物Q及び翼壁Qwに対して直接連結してもよい。このように河川構造物Q及び翼壁Qwに蛇篭20を直接連結する場合であっても、蛇篭20により河川の流速が低減されるため、河川構造物Q及び翼壁Qwにおける洗掘を適切に抑制できる。また、洗掘抑制構造1の設置に際して矢板10の設置を省略することができるため、洗掘抑制構造100の施工がより容易になる。また更に、このように矢板10の設置が省略されるため、例えば河川構造物Qの下部にフーチングが形成されていた場合であっても、適切に洗掘抑制構造100を河川構造物Q及び翼壁Qwを囲むようにして設置することができる。
なお、本実施形態においても、連結部材30により蛇篭20は上下動自在に連結されている。すなわち、蛇篭20の設置位置における河床形状に応じて、適切にそれぞれの蛇篭20を設置することができる。また例えば、例えば流水などにより河床形状が変形した場合であっても、かかる河床形状の変移に対してそれぞれの蛇篭20が適切に追従することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了承される。
例えば、以上の説明においては河川構造物が橋桁を支持する橋脚、または、橋台である場合を例に説明を行ったが、本発明は、例えば河川構造物が水門等である場合にも適用できる。
本発明は、河川構造物における洗掘対策工法として有用であり、特に、複数の蛇篭同士を連結する場合に有用である。
1 洗掘抑制構造
10 矢板
20 蛇篭
30 連結部材
31 縦部材
32 リング部材
100 洗掘抑制構造
P 河川構造物
Q 河川構造物
Qw 翼壁

Claims (12)

  1. 河川構造物における洗掘抑制方法であって、
    前記河川構造物の少なくとも一部は河川の流水に面して設けられ、
    平面視において、前記河川構造物における前記流水と面する部分を囲むように複数の蛇篭を設置し、
    隣接する前記蛇篭は、連結部材を介して相互に連結され
    前記連結部材は、
    前記蛇篭の本体の側面に設けられる縦部材と、
    前記縦部材に周回して設けられるリング部材と、を有し、
    前記縦部材は、前記蛇篭の本体の側面に対して離隔して配置され、
    隣接する前記蛇篭は、
    前記リング部材を、それぞれの前記蛇篭に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、相互に連結されることを特徴とする、洗掘抑制方法。
  2. 複数の前記蛇篭における前記河川構造物が設けられている側の周面に沿って、複数の矢板がさらに設けられることを特徴とする、請求項に記載の洗掘抑制方法。
  3. 前記縦部材は前記矢板にさらに設けられ、
    前記蛇篭は、
    前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記矢板に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記矢板と相互に連結されることを特徴とする、請求項に記載の洗掘抑制方法。
  4. 前記縦部材は前記河川構造物にさらに設けられ、
    前記蛇篭は、
    前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記河川構造物に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記河川構造物と相互に連結されることを特徴とする、請求項に記載の洗掘抑制方法。
  5. 前記リング部材は、前記縦部材の長手方向に対して移動自在に設けられることを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の洗掘抑制方法。
  6. 前記河川の川幅方向に対する複数の前記蛇篭の設置幅は、前記河川構造物の設置幅の倍であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の洗掘抑制方法。
  7. 前記河川構造物が、橋桁を支持する橋脚、及び、橋台であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の洗掘抑制方法。
  8. 河川構造物における洗掘抑制構造であって、
    平面視において、前記河川構造物における河川の流水に面する部分を囲むように設けられる複数の蛇篭と、
    隣接する前記蛇篭を相互に連結する連結部材と、を有し、
    前記連結部材は、
    前記蛇篭の本体の側面に設けられる縦部材と、
    前記縦部材に周回して設けられるリング部材と、を有し、
    前記縦部材は、前記蛇篭の本体の側面に対して離隔して配置され、
    隣接する前記蛇篭は、
    前記リング部材を、それぞれの前記蛇篭に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、相互に連結されることを特徴とする、洗掘抑制構造。
  9. 複数の前記蛇篭における前記河川構造物が設けられている側の周面に沿って設けられる複数の矢板をさらに有することを特徴とする、請求項に記載の洗掘抑制構造。
  10. 前記縦部材を前記矢板にさらに設け、
    前記蛇篭が、
    前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記矢板に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記矢板と相互に連結されることを特徴とする、請求項に記載の洗掘抑制構造。
  11. 前記縦部材を前記河川構造物にさらに設け、
    前記蛇篭が、
    前記リング部材を、前記蛇篭に設けられた前記縦部材及び前記河川構造物に設けられた前記縦部材を束ねるように周回して設けることにより、前記河川構造物と相互に連結されることを特徴とする、請求項に記載の洗掘抑制構造。
  12. 前記リング部材が、前記縦部材の長手方向に対して移動自在であることを特徴とする、請求項11のいずれか一項に記載の洗掘抑制構造。
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