JP3448629B2 - 既設構造物基礎の耐震補強工法 - Google Patents

既設構造物基礎の耐震補強工法

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JP3448629B2
JP3448629B2 JP2000390895A JP2000390895A JP3448629B2 JP 3448629 B2 JP3448629 B2 JP 3448629B2 JP 2000390895 A JP2000390895 A JP 2000390895A JP 2000390895 A JP2000390895 A JP 2000390895A JP 3448629 B2 JP3448629 B2 JP 3448629B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、橋脚、ビル等の既
設構造物の基礎を耐震補強するための耐震補強工法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、既設構造物基礎の補強工法の代表
的なものとしては、既存の杭基礎の周囲に増し杭(場所
打ち杭)を打設し、この増し杭と既設フーチングとを一
体化する増し杭工法、増し杭の代わりに鋼管矢板を打設
して、これと既設フーチングとを一体化する鋼管矢板基
礎増設工法があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した増し
杭工法によれば、所望の鉛直方向の支持力を得ようとす
ると、地中深くに存在する支持層まで杭を打設しなけれ
ばならず、一方、水平方向の支持力を高めようとする
と、大口径の杭を打設しなければならず、鉛直方向およ
び水平方向に大きな支持力が要求される場合には、施工
が大がかりとなるばかりか、工期の延長や工費の上昇が
避けられない、という問題があった。また、鉛直方向の
支持力が高まったとしても、それは、専ら先端支持に依
存してのことであり、押込み方向の支持力は十分となっ
ても引抜き方向の支持力は期待できず、地震により構造
物が大きく横揺れを起こすような場合は、引抜き方向の
支持力が不足して、耐震補強としては不十分であった。
また、上記鋼管矢板基礎増設工法によれば、大口径の鋼
管の使用により水平方向の支持力は十分となるものの、
一般には圧入方式での打設を採用するため鉛直方向の支
持力特に引抜き方向の支持力は期待できず、上記した増
し杭工法と同様に耐震補強の面で不十分であった。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、大がか
りな施工を行うことなく鉛直方向(押込み、引抜き両方
向)および水平方向の支持力を十分に高めることがで
き、もって耐震補強の面で有用な既設構造物基礎の補強
工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、地盤中に高圧噴射攪拌工法により改良体
を造成した後、この改良体内に既製杭を建込んで複合杭
を形成する施工を、既設構造物のフーチング下の基礎の
周りで行って、該基礎の周りに前記複合杭を間隔を置い
て配置し、しかる後、前記既製杭の杭頭部を包むように
前記フーチングを増設することを特徴とする。
【0006】高圧噴射攪拌工法は、注入ロッドを地盤中
に回転および軸方向移動させながら、その先端の噴射ノ
ズルから注入ロッドと直角方向へグラウト(地盤改良
材)を単独に、あるいは高圧水または圧縮エアと混合し
て高圧噴射し、地盤改良材と周辺土砂とを攪拌混合して
改良体を造成する工法で、小型の施工機械を用いて大径
の改良体を造成できる利点がある。本発明は、この高圧
噴射攪拌工法により造成した改良体に既製杭を建込んで
複合杭とするもので、本発明によれば、各既製杭は、大
径の改良体に支持されて鉛直方向(押込み、引抜き両方
向)および水平方向に大きな支持力を発揮するものとな
る。
【0007】本発明は、上記複合杭を、鉛直杭として形
成してもよいが、この鉛直杭の一部または全部を斜杭で
置換するようにしてもよいものである。斜杭は、水平方
向に大きな支持力を発揮することが知られており、複合
杭の一部または全部を斜杭とすることで、耐震補強の面
で有利に働く。ただし、斜杭の傾斜角度は、あまり小さ
いと前記した効果が小さく、逆にあまり大きいと施工機
械と既設構造物との干渉等の問題や隣接構造物への侵害
の問題が生じて施工性が低下するので、10〜20°程
度とするのが望ましい。
【0008】本発明において、上記改良体内に既製杭を
建込む方法は任意であるが、比較的小口径(500mm以下)
の既製杭を用いる場合は、改良体内に事前に縦穴を掘削
し、この縦穴に既製杭を挿入すると共に該既製杭の周り
の空隙にグラウトを充填するのが望ましく、これにより
既製杭が改良体内に強固に定着される。この場合、水平
方向の支持力は既製杭の上部側部分が負担するので、既
製杭としては、上部側部分(例えば、全長のほぼ1/3〜1
/2長に相当する部分)をその下部側部分より大径とした
異径杭を用いることにより、既製杭の重量が全体として
軽減され、コスト的に有利となる。
【0009】本発明は、水平方向の支持力をより高める
べく、比較的大口径(500〜1000mm)の既製杭を改良体
内に建込むようにしてもよいものであるが、このような
大口径の既製杭の建込みに際しては、上記のように高圧
噴射攪拌工法により改良体を造成した後、この改良体が
未硬化のうちに該改良体内に既製杭を直接圧入するよう
にしてもよい。この場合は、上記した改良体に対する事
前削孔およびグラウト充填を省略することができる。
【0010】本発明において、既製杭は、上記した口径
の大きさ如何にかかわらず、節付きとするのが望まし
く、これにより鉛直方向(押込み、引抜き両方向)の支
持力がより一層高まるようになる。
【0011】本発明は、地盤中に液状化危険層が存在す
る場合、上記フーチングの増設に先行して、該液状化危
険層に対して複合杭と連接するように高圧噴射攪拌工法
により改良体を増設するのが望ましく、これにより既設
構造物のフーチング下の液状化危険層が改良体からなる
複合杭で囲まれ、既設構造物下への地震波の侵入が抑制
されて、既設構造物下の地盤の液状化が未然に防止され
る。本発明は、この液状化対策として、上記改良体の増
設に代えて、中空ドレーン材(ドレーンパイプ)を打設
するようにしてもよく、中空ドレーン材を鉛直方向はも
ちろん、既設構造物下の液状化危険層に向けて斜めに打
設することで、地震時に液状化危険層に発生する過剰間
隙水が中空ドレーン材を通して地上へ排出され、既設構
造物下の地盤の液状化が未然に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基いて説明する。
【0013】図1乃至図3は、本発明に係る耐震補強工
法の第1の実施の形態を示したものである。本第1の実
施の形態は、既設構造物としての橋脚1の基礎を対象に
なされたもので、橋脚1は、その底部に一体に設けたフ
ーチング2を地盤3中に打設した複数の杭4上に載せた
状態で据付け固定されている。各杭4は、それぞれの先
端が支持層5に到達するまで地盤3内に打込まれてお
り、その複数がまとまって一つの杭基礎6を構成し、所
定の耐力(支持力)を発揮するようになっている。この
杭基礎6の周りには本工法による複数の複合杭(鉛直
杭)10が形成され、一方、地盤3の地表面側には、各
複合杭10の上端部と橋脚1のフーチング(既設フーチ
ング)2とを連接一体化するフーチング(増設フーチン
グ)11が増設されている。
【0014】上記複合杭10は、後述する高圧噴射攪拌
工法により地盤3中に造成された大径の改良体12と、
この改良体12の軸心位置に形成した縦穴13内に挿入
された既製杭14と、この既製杭14の周りの空所に充
填された定着層15とからなっており、その改良体12
は前記既設フーチング2の側方位置と前記支持層5より
も浅い位置との間に造成されている。既製杭14は、そ
の上端部(杭頭部)14aが改良体12の上端より若干
突出するように設けられており、前記増設フーチング1
1は、この既製杭14の杭頭部14aを包むように打設
されている。なお、既製杭14の杭頭部14aは、各複
合杭10の相互間で鉄筋、フレーム等の連結部材(図示
略)により連結された状態で増設フーチング11に包ま
れており、これにより、各複合杭10と既設フーチング
2とは増設フーチング11を介して強固に一体化されて
いる。
【0015】ここで、上記既製杭14は、その全長の1/
3〜1/2長に相当する上部側部分を比較的大口径(一例と
して、250〜500mm)の大径部16とすると共に、それよ
り下部側部分を比較的小口径(一例として、150〜250m
m)の小径部17とする異径杭として提供されている。
既製杭14はまた、その全長にわたって所定ピッチで節
18を設けた節付き杭として提供されている。
【0016】本工法の実施に際しては、図4に示すよう
に、先端に噴射ノズル20を有する注入ロッド(単管ま
たは二重管)21を用意し、先ず、この注入ロッド21
を回転させながら地盤3中に貫入させ、その先端の噴射
ノズル20が計画改良域の上限深さD1 (ここでは、既
設フーチング2の側方)に達したら、注入ロッド21内
に超高圧(30〜40MPa 程度)の水を供給し(圧縮空気
を併用する場合もある)、その噴射ノズル20から水平
方向へ超高圧水を噴射させる。この超高圧水の噴射によ
り地盤3が広範囲に切削攪拌(プレカッティング)さ
れ、地盤3内には大径の切削攪拌層Aが形成され、この
切削攪拌層Aは、注入ロッド21の回転下降に応じて下
方へ拡大する()。なお、この時発生する余剰スライ
ムは注入ロッド21の周りの空隙を通して地上へ排出さ
れる。
【0017】そして、前記切削攪拌層Aの形成が計画改
良域の下限深さD2 (ここでは、支持層5より浅い位
置)に達したら、前記超高圧水をグラウト(セメントミ
ルク:水セメント比W/C =60〜70程度)に切替え、噴射
ノズル1から超高圧(40MPa程度)のグラウトを水平
方向へ噴射させながら(圧縮空気を併用する場合もあ
る)、注入ロッド21を回転上昇させる()。このグ
ラウトの高圧噴射により、前記切削攪拌層A内の土砂は
グラウトと攪拌混合されてグラウト混合層Bに変質し、
このグラウト混合層Bは注入ロッド21の回転上昇に応
じて上方へ拡大する。この時、余剰スライムは地上へ誘
導排出されるが、この段階では水の噴射が停止されてい
るので、その誘導排出の程度はわずかであり、グラウト
の無駄な消費が抑えられる。このようにしてグラウト混
合層Bの形成が計画改良域の上限深さD1 に達したら、
注入ロッド21に対するグラウトの供給を停止し、注入
ロッド21を地盤3から引抜き、そのまま養生させる。
この養生によりグラウト混合層Bが硬化し、計画改良域
には前記した大径の改良体12()が造成される。
【0018】次に、上記のように造成された改良体12
に、例えばアースオーガー23を用いて前記縦穴13を
掘削する。この縦穴13の掘削は、改良体12の底面近
傍まで行い、掘削終了後、アースオーガー23を改良体
12から引抜き()、次に、この縦穴13内に、例え
ば体積膨張型グラウト24を所定量供給する()。そ
の後、縦穴13内に、前記節18付きの、先端閉じの既
製杭(異径杭)14を挿入する。すると、予め供給され
ていたグラウト24が既製杭14と縦穴13の内壁との
空隙内にオーバーフローし、該空隙にグラウト24が充
填される。このグラウト24は、所定時間養生させるこ
とで体積膨張しながら硬化して前記定着層15となり、
この定着層15により既製杭14は、強固に改良体12
に接合一体化される。
【0019】このようにして複合杭10の一つが完成
し、以降、上記施工を繰り返して、前記既設フーチング
2下の杭基礎6の周りに複数の複合杭10を所定の間隔
を置いて形成する。そして、一連の複合杭10の形成が
完了したら、先ず、この上の地表面を掘削して既製杭1
4の杭頭部14aと既設フーチング2とを露出させ、次
に、各既製杭14の杭頭部14aを相互に連結部材を用
いて連結する。また、これと並行して既設フーチング2
の表面をはつり、場合によっては鉄筋を露出させる。鉄
筋を露出させた場合は、その鉄筋および杭頭部14a同
士を連結する連結部材に接続する状態で、既設フーチン
グ2の周りに新規の鉄筋を組込み、これら鉄筋、既設杭
14の杭頭部14a、既設フーチング2を包むように前
記増設フーチング11を打設する。
【0020】この結果、各複合杭10が増設フーチング
11を介して既設フーチング2に強固に一体化される
が、高圧噴射攪拌工法により形成した改良体12に既製
杭14を建込むので、各既製杭14は、支持層5まで建
込まなくても鉛直方向に大きな支持力を発揮するものと
なる。また、各既製杭14は、大径の改良体12と一体
となって水平方向に大きく抵抗するので、水平方向にも
大きな支持力を発揮するものとなり、既設構造物として
の橋脚1の基礎の耐力(支持力)が著しく増大し、地震
時の揺れにも十分に耐えるようになる。
【0021】特に、本第1の実施の形態では、改良体1
2の縦穴13内に既製杭14を建込む際、グラウト24
として体積膨張型のものを用いているので、定着層18
が既製杭14の周りの空隙を十分に埋め、しかも、既製
杭14が節18を有する形状となっているので、これと
定着層15との摩擦抵抗が著しく増大し、既製杭14は
鉛直方向に著しく大きな支持力を発揮するものとなる。
また、既製杭14は、地震による水平力を受ける上部側
の1/3〜1/2長部分が大径部16となっているので、水平
方向の支持力を犠牲にすることなく、全体の軽量化を図
ることができ、コスト的に有利となっている。
【0022】図5は、本発明に係る補強工法の第2の実
施の形態を示したものである。本第2の実施の形態の特
徴とするところは、上記第1の実施の形態における複合
杭10を鉛直方向に対して所定の傾斜角度θ(=10〜
20°)で形成した点にある。なお、この複合杭10の
構造は、既製杭14としてストレート杭を用いている他
は、第1の実施の形態と基本的に同じであるので、ここ
では、同一部分に同一符号を付することとする。また、
この複合杭10の形成方法も第1の実施の形態と同じで
あるので、ここでは、その形成方法も省略する。
【0023】本第2の実施の形態においては、複合杭1
0が斜杭として形成されているので、水平方向に大きな
支持力を発揮するものとなり、耐震補強を図る上で極め
て有用となる。また、第1の実施の形態のように鉛直杭
(複合杭)10と同等の水平方向支持力を確保しようと
する場合は、既製杭14としてより小口径のものを用い
ることが可能になり、その分、コスト的に有利となる。
【0024】ところで、既設フーチング2下の地盤3中
には、図6に示すように液状化危険層30が存在する場
合があり、このような液状化危険層30が存在すると、
上記第1の実施の形態のように杭基礎6の周りに断続的
に複合杭10を配列しただけでは、既設フーチング2下
の地盤に地震波が侵入し、地盤のせん断変形による液状
化を防止することはできない。
【0025】本発明に係る補強工法の第3の実施の形態
は、このような液状化危険層30が存在する場合に好適
となるもので、図6および図7に示すように、上記した
高圧噴射攪拌工法により杭基礎6の周りに改良体12を
造成する際、前記液状化危険層30に対して、複合杭1
0として用いられる改良体12と連接するように高圧噴
射攪拌工法によりサブ改良体31を相互にラップさせて
造成し、杭基礎6に含まれる液状化危険層30の周り
を、改良体12およびサブ改良体31を連接してなる連
続壁32で囲むようにする。本第3の実施の形態におい
て、前記した連続壁32を造成した後は、第1の実施の
形態と同様の手順で、各改良体12に対する縦穴13の
掘削、縦穴13内へのグラウト24の供給および縦穴1
3内への既製杭14の挿入を行って(図4〜)、複
合杭10を完成させ、さらに増設フーチング11の打設
を行う。
【0026】本第3の実施の形態によれば、上記第1の
実施の形態と同様に鉛直方向および水平方向の支持力が
十分になることに加え、既設フーチング2下の液状化危
険層30を囲む連続壁32が地震波の侵入を抑えて、該
液状化危険層30の液状化を防止するので、耐震補強の
面できわめて有用となる。
【0027】ここで、地盤3中に液状化危険層30が存
在する場合は、上記第3の実施の形態におけるサブ改良
体31(図6、7)の打設に代えて、図8に示すよう
に、中空ドレーン材(ドレーンパイプ)35を打設する
ようにしてもよい。本発明に係る補強工法の第4の実施
の形態は、この中空ドレーン材35を打設する工法を含
むもので、中空ドレーン材の打設工法としては、例えば
特許第2920501号公報に記載の工法を採用するこ
とができる。この工法は、先端にカッタを取付けたガイ
ド管を回転および軸方向移動させて地盤に穴を削孔した
後、このガイド管内に中空ドレーン材を挿入し、しかる
後、中空ドレーン材の上端を押えながらガイド管を地盤
から引抜くようにするもので、前記した高圧噴射攪拌工
法、あるいはマイクロパイル打設工法と同様の小型機械
を用いて簡単に中空ドレーン材を打設できる利点を有し
ている。
【0028】本第4の実施の形態においては、前記第1
または第2の実施の形態におけると同様の手順で杭基礎
6の周りに複合杭10を形成した後、各複合杭10の間
のスペースを利用して上記中空ドレーン材の打設工法を
実施し、図8に示すように、液状化危険層30に対して
複数の中空ドレーン材35を打設し、この際、鉛直方向
はもちろん、既設構造物下の液状化危険層30へ向かう
傾斜方向へも複数の中空ドレーン材35を打設するよう
にする。また、フーチング2の周りの地盤3中に、例え
ば砕石等を用いて環状の排水溝36を構築すると共に、
この排水溝36と各中空ドレーン材35の上端部とを連
絡する連絡溝37を構築する。このように、中空ドレー
ン材35を打設することで、地震時に液状化危険層30
に過剰間隙水が発生すると、この過剰間隙水は中空ドレ
ーン材35を通して排水溝36へ排出され、該液状化危
険層30の液状化が未然に防止されて、前記第3の実施
の形態と同様に、耐震補強の面できわめて有用となる。
【0029】なお、上記各実施の形態においては、改良
体12中への既製杭14の建込みに際し、予め縦穴13
内に定着用グラウト24を供給して、このグラウト24
を既製杭14の挿入に応じてその周りの空隙にオーバー
フローさせるようにしたが(図4)、本発明は、既製杭
として逆止弁付きの杭を用いて、杭内部から注入機(パ
ッカー)を用いて逆止弁を通じて杭周りにグラウトを噴
出させる、いわゆるマイクロパイル打設工法を採用する
ようにしてもよいものである。
【0030】さらに、上記各実施の形態においては、高
圧噴射攪拌工法により造成した改良体12に機械的に縦
穴13を形成し、この縦穴13内に既製杭14を建込む
ようにしたが、本発明は、高圧噴射攪拌工法で使用する
グラウトに硬化を遅らせる遅延剤を添加して、この改良
体が未硬化のうちに該改良体内に既製杭を直接圧入する
ようにしてもよい。この場合は、上記した改良体12に
対する縦穴13の削孔が不要になることに加え、縦穴1
3内への定着用グラウト24の供給が不要になり、効率
のよい施工が可能になる。しかも、縦穴13を削孔する
必要がないので、500〜1000mm程度の大口径の既製杭の
建込みも可能となり、このような大口径の既製杭を改良
体12に建込むことで、水平方向の支持力も著しく高ま
るようになる。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る既
設構造物基礎の耐震補強工法によれば、高圧噴射攪拌工
法により造成した大径の改良体内に既製杭を建込んだ複
合杭を既設フーチングの補強に用いるようにしたので、
増し杭工法や鋼管矢板基礎増設工法などによる場合に比
べて、鉛直方向および水平方向の支持力が著しく増強さ
れ、耐震補強に対する信頼性の向上に大きく寄与するも
のとなる。また、高圧噴射攪拌工法による改良体の造成
は簡単な施工機械を用いて行うことができるので、施工
が大がかりになることもなく、工期の短縮や工費の低減
も可能になる。さらに、地盤中に液状化危険層が存在す
る場合には、該液状化危険層に対して複合杭と連接する
ように高圧噴射攪拌工法により改良体を増設し、あるい
は複合杭の相互間を通して中空ドレーン材を打設するこ
とにより、簡単に液状化対策を行うことができ、総じて
本発明の利用価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐震補強工法の第1の実施の形態
を示す断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態における補強状態を平面的に
示す模式図である。
【図4】第1の実施の形態における複合杭形成の施工手
順を示す断面図である。
【図5】本発明に係る耐震補強工法の第2の実施の形態
を示す断面図である。
【図6】本発明に係る耐震補強工法の第3の実施の形態
を示す断面図である。
【図7】第3の実施の形態における補強状態を平面的に
示す模式図である。
【図8】本発明に係る耐震補強工法の第4の実施の形態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 橋脚(既設構造物) 2 既設フーチング 3 地盤 4 既設杭 5 支持層 10 複合杭 11 増設フーチング 12 改良体 13 縦穴 14 既製杭 15 定着層 16 既製杭の大径部 17 既製杭の小径部 18 既製杭の節 30 液状化危険層 31 サブ改良体 32 連続壁 35 中空ドレーン材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 390036515 株式会社鴻池組 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号 (73)特許権者 000148346 株式会社銭高組 大阪府大阪市西区西本町2丁目2番11号 (73)特許権者 391058657 利根地下技術株式会社 東京都大田区南蒲田2丁目16番2号 (73)特許権者 000230788 日本基礎技術株式会社 大阪府大阪市北区松ヶ枝町6番22号 (72)発明者 岡 憲二郎 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1 号 東洋建設株式会社内 (72)発明者 大下 武志 茨城県つくば市大字旭1番地 建設省土 木研究所内 (72)発明者 福井 次郎 茨城県つくば市大字旭1番地 建設省土 木研究所内 (72)発明者 松田 哲夫 東京都文京区大塚2丁目15番6号 財団 法人先端建設技術センター内 (72)発明者 三木 健男 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1 号 東洋建設株式会社内 (56)参考文献 特開2000−273881(JP,A) 特開 平10−252080(JP,A) 特開 平11−181793(JP,A) 特開 昭59−106628(JP,A) 実開 昭60−22534(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 27/34 E02D 5/48 E02D 5/50 E02D 27/32

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に高圧噴射攪拌工法により改良体
    を造成した後、この改良体内に既製杭を建込んで複合杭
    を形成する施工を、既設構造物のフーチング下の基礎の
    周りで行って、該基礎の周りに前記複合杭を間隔を置い
    て配置し、しかる後、前記既製杭の杭頭部を包むように
    前記フーチングを増設することを特徴とする既設構造物
    基礎の耐震補強工法。
  2. 【請求項2】 複合杭を、鉛直杭として形成することを
    特徴とする請求項1に記載の耐震補強工法。
  3. 【請求項3】 鉛直杭の一部または全部を斜杭で置換す
    ることを特徴とする請求項2に記載の耐震補強工法。
  4. 【請求項4】 斜杭の傾斜角度が、10〜20°である
    ことを特徴とする請求項3に記載の耐震補強工法
  5. 【請求項5】 改良体内に既製杭を建込む際、改良体内
    に事前に縦穴を掘削し、この縦穴に既製杭を挿入すると
    共に該既製杭の周りの空隙にグラウトを充填することを
    特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の耐震補
    強工法。
  6. 【請求項6】 既製杭として、その上部側部分を下部側
    部分より大径とした異径杭を用いることを特徴とする請
    求項5に記載の耐震補強工法。
  7. 【請求項7】 改良体内に既製杭を建込む際、改良体が
    未硬化のうちに該改良体内に既製杭を圧入することを特
    徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の耐震補強
    工法。
  8. 【請求項8】 既製杭が、節付きであることを特徴とす
    る請求項1乃至7の何れか1項に記載の耐震補強工法。
  9. 【請求項9】 地盤中に液状化危険層が存在する場合、
    フーチングの増設に先行して、該液状化危険層に対して
    複合杭と連接するように高圧噴射攪拌工法により改良体
    を増設することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1
    項に記載の耐震補強工法。
  10. 【請求項10】 地盤中に液状化危険層が存在する場
    合、フーチングの増設に先行して、該液状化危険層に対
    して複合杭の相互間を通して中空ドレーン材を打設する
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の
    耐震補強工法。
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