JP2010015143A - 多層ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、画像形成装置における中間転写ベルトとして有用で、表面粗さが10μmを超える、所謂非塗工紙に小粒径トナーを効率よく転写することができるとともに、画像形成に際して白抜けの生じにくい多層ベルトの提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の多層ベルトは、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層され、前記表層が、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く、5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤とを有するものであるか、または、フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤とを有し、また、その表層における表面エネルギーが20mN/m〜40mN/mであり、かつ、ナノインデンターで測定した3μm押し込み時硬度が0.1MPa〜1.5MPaのものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、多層ベルトに関し、電子写真方式の画像形成装置における中間転写ベルトとして好適に用いられ、粉体トナーのみならず液体トナーを使用した場合も紙への転写効率等を高めるものである。
画像形成装置においては、感光ドラム等の感光体上に静電潜像が形成され、該感光体上にトナーが供給され、トナー像が形成される。このトナー像は感光体から中間転写ベルトを介して紙等の記録媒体に転写され、定着される。
近年、使用される紙の種類は多様化しており、種々の紙で高画質な画像を転写できるシステムが求められている。例えば、比較的大きな凹凸が表面に付与された非塗工紙を用いることがあるが、中間転写ベルト上に形成されたトナー像をこのような表面粗さを有する紙上に転写する際に、転写効率が悪かったり、紙の凹部にまでトナーが転写されず白抜けする現象が生じる場合がある。このような問題を解決することを目的として、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている多層ベルトにおいて、その中間層である弾性層の硬度や厚み等を特定することが知られている(特許文献1、特許文献2)。
しかし、最近の画像形成装置では、高画質化や省エネルギー化を狙い、トナーとして小粒径化した重合トナー、溶剤中により小さい径のトナーを分散させた液体トナーが開発されており、小粒径重合トナーの粒径は3〜6μm程度、液体トナーの粒径は1〜3μm程度と微細化の方向にあるが、紙の繊維による紙表面の凹凸は数十μmピッチであるため、トナーが紙の繊維による凹凸の凹部に入り込むことが可能となっている。このように、紙の表面のうねりによる凹凸の凹部にまでトナーを転写させるだけでなく、紙の繊維による微細な凹凸の凹部にまでトナーが転写されなければ、画像形成に際して白抜けが発生するという問題があり、トナーの小径化に伴い、例えば表面粗さが10μm程度の紙への二次転写不良を防ぐためには、さらなる改善の余地がある。
特開2005−134840号 特開2006−178232号
本発明は、中間転写ベルトとして有用で、表面粗さが10μmを超える、所謂非塗工紙に小粒径トナーを効率よく転写することができるとともに、画像形成に際して白抜けの生じにくい多層ベルトの提供を課題とする。
本発明の多層ベルトは、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層され、前記表層が、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く、5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤と、を有することを特徴とする。
本発明の多層ベルトは、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層され、前記表層が、フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤と、を有することを特徴とする。
多層ベルトの表層における表面エネルギーが20mN/m〜40mN/mであり、かつ、ナノインデンターで測定した表面硬度であって、前記表層側からの3μm押し込み時硬度が0.1MPa〜1.5MPaであることを特徴とする。
弾性層のJIS−A硬度が25°〜70°であることを特徴とする。
表層の膜厚が3μm〜20μmであることを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる多層ベルトが示された斜視図である。 多層ベルトの断面図である。 本発明の多層ベルトの製造方法において、ベース層を形成する工程を説明するための図である. 図4におけるノズル先端の形状およびノズルと金型の接触位置の説明図である。 ナノインデンテーション法による多層ベルトの表層からの硬度測定方法を説明するための図である。 本発明の実施例10で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法で得られる荷重−変位曲線図である。 本発明の実施例10で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法で得られる硬度−変位曲線図であり、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度(mgf/μm2 )を示す図である。 本発明の実施例10で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法で得られる硬度−変位曲線図であり、3μm押し込み時のHM硬度(mgf/μm2 )を示す図である。 本発明の実施例10で得られる多層ベルトの表層側からの光学顕微鏡写真(視野範囲:130mm×105mm)であり、その十字線の交点はナノインデンテーション法での硬度測定点である。
以下、本発明の多層ベルトの実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態の多層ベルト1を示す。多層ベルト1の全体形状は略円筒状のシームレスベルトであり、可撓性に富んでいて自重等で自在に変形し得るので、種々の形状となり得る。また、断面は、図2に示すように、ベース層3、弾性層5および表層7を順次積層した3層の積層体構造としている。実施形態の多層ベルトは、ベース層、弾性層および表層の3層からなるが、3層以上の積層構造を有していてもよく、例えば、ベース層と弾性層または/および弾性層と表層の間に他の層が挟まれて存在していてもよい。多層ベルト1を画像形成装置の中間転写ベルトとして用いる場合、外周面9はトナー等が付着する面であり、内周面11は回転中に駆動軸等と直接接触する面となる。
ベース層3を構成するベース層材料は、樹脂製であることが好ましい。ベース層を構成し得る樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーンイミド樹脂、ウレタンイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂等が挙げられる。中でもポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリウレア樹脂が好適であり、特にポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂が好ましい。
ベース層材料には、表面電気抵抗率を上記一定範囲内とするため電子導電剤が配合されている。電子導電剤としては、ケッチェンブラック、ファーネスブラックもしくはアセチレンブラック等のカーボンブラック、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズもしくはグラファイト等の導電性金属酸化物またはカーボン繊維等の電子導電剤が使用される。なかでも電子導電剤としてカーボンブラックを用いることが好ましい。電子導電剤の配合量は、電子導電剤の種類やベース層を構成する樹脂の種類によるので一概には言えないが、一般的には樹脂固形分100質量部に対して約1〜50質量部程度、さらに好ましくは約3〜40質量部程度である。
本発明の多層ベルトにおけるベース層3は、厚さが50μm〜150μm、引張弾性率が1000MPa以上、かつ表面電気抵抗率が106 Ω/□〜1012Ω/□であることが好ましい。ベース層の厚みを50μm以上とするのは、周方向の伸びを規制するに足る強度を保持してベルトスピードの変動を抑制し良好な画像を得るためである。一方、150μm以下とするのは、ベース層における亀裂の発生を防ぐと共に、ベルト駆動時の軸上での曲げ剛性が高くならないようにし、スムーズな駆動を実現するためである。より好ましくは、ベース層の厚みは70〜110μmである。
また、ベース層の引張弾性率を1000MPa以上とすることで、ベルトの伸びを押さえてベルトスピードの変化を少なくすることが可能となり、ひいては近年の画像形成装置の高速化に十分対応できるとともに、カラープリンターやカラー複写機においては画像の色ずれを防止できる。ベース層の引張弾性率は、2000MPa以上がより好ましく、2300MPa以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、通常8000MPa以下とされる。
ベース層の表面電気抵抗率は、106 Ω/□〜1012Ω/□とし、また、ベース層の表側に積層される弾性層の体積抵抗率は106 Ω・cm〜1012Ω・cmとすることが好ましい。これにより、下記に詳述するように弾性層の厚みを比較的大きくしても中間転写ベルトとして用いた場合に一次転写および二次転写のいずれにおいても優れた転写性を発揮できる適度な導電性を付与することができる。ベース層の表面電気抵抗率を106 Ω/□以上としているのは、106 Ω/□未満であるとベルトの帯電特性が悪くなり、帯電したトナーの電荷が移動し易くなり、転写するトナー像に乱れが生じる。ベース層の表面電気抵抗率を1012Ω/□以下としているのは、1012Ω/□を越えると1次転写に大きな転写電圧が必要となり、転写効率が悪くなる上にベルトの除電が困難となり、ベルト上に残留した余分なトナーのクリーニング性が悪くなる。ベース層の表面電気抵抗率は、107 Ω/□〜1010Ω/□が特に好ましい。
更に、好ましくは、ベース層3は、引張弾性率が2300〜3500Mpa、かつ内周面側の表面電気抵抗率が109 Ω/□(1.0×109 Ω/□〜9.9×109 Ω/□〉とし、厚さは約70〜90μmである。
次に、弾性層5を構成する弾性層材料は、エラストマー製であることが好ましい。エラストマーは一定範囲の体積抵抗率を示す限り、イオン導電性を有するエラストマーまたは電子導電性を有するエラストマーのいずれであってもよい。しかし電気抵抗の均一性に優れていることから、イオン導電性を有するエラストマーであることが好ましい。
イオン導電性を有するエラストマーとしては公知のイオン導電性ゴムが使用でき、イオン導電剤が添加されているエラストマーを用いても良い。イオン導電性ゴムとしては組成物中に極性基を持つゴム材料が挙げられ、具体的にはアクリロニトリルブタジエンゴム、エピハロヒドリンゴム(特にエピクロルヒドリンゴム)、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム等)、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム等)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、ト.リフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、弾性層材料にはポリウレタンエラストマーを50〜100質量%の割合で主成分として含んでいることが好ましい。該ポリウレタンエラストマーとして、ポリプロピレングリコールまたは/および水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとから得られる末端イソシアネートプレポリマーを主剤とし、これを硬化剤である芳香族ジアミンまたは/およびポリオールで硬化させてなるポリウレタンエラストマーを用いることがより好ましい。低硬度を実現しやすく難燃性も付与しやすい上に、比較的低コストで製造することができるからである。
ポリオールとしては物性上の理由により、リン含有ポリオールまたは水酸基末端液状ゴムがより好ましく、1種あるいは複数種を混合して用いることができる。水酸基末端液状ゴムとしては、例えば水酸基末端液状ポリブタジエン、水酸基末端液状ポリイソプレン、水酸基末端液状スチレンーブタジエンゴム、水酸基末端液状アクリロニトリルーブタジエンゴム、液状ポリ(オキシプロピレン)グリコール、液状ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、液状ポリオレフィングリコールまたは水酸基末端液状シリコンゴム等が用いられ、なかでも水酸基末端液状ポリブタジエンが物性のバランス面から好適に用いられる。
末端イソシアネートプレポリマーは、ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートとの反応物、および、水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応物の2つの反応物を混合してなるものとするのが好ましい。これにより電気抵抗のばらつきをさらに低減することができる。その他、末端イソシアネートプレポリマーは、(1〉ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートとの反応物からなるもののみ、(2)水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応物からなるもののみ、(3)ポリプロピレングリコールと水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールとの混合物を芳香族ジイソシアネートと反応させたもの等とすることもできる。
弾性層材料にポリウレタンエラストマーを用いるに際して、弾性層のJISA硬度を本発明が規定するように70°以下に下げるためには、末端イソシアネートプレポリマーに長鎖の直鎖状ポリオールを導入したり、プレポリマーに対して架橋硬化反応をする両末端アミン化合物の割合を減らしたりするなどの手法を用いることができる。
弾性層材料には、体積抵抗率を調節する目的でイオン導電剤であるビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩、好ましくはリチウムービストリフルオロメタンスルホニルイミドが含まれていることが好ましい。
弾性層材料には、電気抵抗のばらつきを生じない範囲内で電子導電性剤により補助的に導電性を付与してもよい。これにより電気抵抗の環境依存性を小さくすることができる。電子導電剤の添加量は適宜選択すればよいが、印加電圧250V、温度23℃、相対湿度55%の条件下における電子導電剤が補助的に付与された弾性層の体積抵抗率をR、同条件下での電子導電性剤を配合していない弾性層の体積抵抗率をR1とし、Log(R)−Log(R1)=Log(R2)とすると、0.1≦Log(R2)≦5程度、好ましくは0.2≦Log(R2)≦3程度、さらに好ましくは0.3≦Log(R2)≦2程度となる条件で補助的に電子導電性剤を配合するのがよい。弾性層材料に電子導電剤を配合する場合には、前記ベース層と同様にケッチェンブラック、ファーネスブラックもしくはアセチレンブラック等のカーボンブラック、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズもしくはグラファイト等の導電性金属酸化物またはカーボン繊維等の電子導電剤が使用される。
弾性層材料には各種ポリオールや分子量調整のための添加剤、ベルト状に加工する際の加工性を向上させる消泡剤やレベリング剤、硬化剤等を配合することもできる。なかでも難燃性化合物を配合することが好ましい。難燃性化合物としては、リン系化合物、ハロゲン化合物、リン酸エステル系化合物、赤りン系化合物、水酸化マグネシウム系化合物、水酸化アルミニウム系化合物、難燃性ポリマーグラフトポリオール等の難燃剤が挙げられる。特にリン系化合物もしくはハロゲン化合物等の反応性を有する難燃性化合物を用いることが好ましい。このように反応性を有する難燃性化合物を配合することにより、難燃性を付与できるとともに、ブリードによる感光体汚染やトナーの付着等の問題を低減することができる。一方、本発明の多層ベルトを画像形成装置内に組み込んで使用する際に、長期使用により感光体をはじめとする他の部材への汚染などの不具合を避けるため、弾性層材料中には、可塑剤のような染み出しやすい物質を配合しない方が好ましい。
弾性層5は、厚さが100〜1500μm、JIS A硬度が70°以下、かつ体積抵抗率が106 Ω・cm〜1012Ω・cmであることが好ましい。弾性層の厚みが100μm未満であると、転写時のニップ幅が十分にとれず、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、紙の凹部で白抜けが発生し得る。一方、弾性層の厚みが1500μmを超えると、ベルトの質量が大きくなりすぎて、駆動時にかかる機械的負担が大きくなりすぎる。より好ましくは、弾性層の厚みは200〜1200μmである。
また、弾性層のJIS A硬度は70°以下、好ましくは25°〜50°であることが好ましい。JIS A硬度が70°を越えると、転写時のニップ幅が十分にとれず、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、紙の凹部で白抜けが発生し得る。一方、硬度が低くなりすぎると弾性層の形状保持性が悪くなるため、下限は25°程度とするのが好ましい。
また、弾性層の体積抵抗率を106 Ω・cm以上としているのは、106 Ω・cm未満であるとベルトの帯電特性が悪くなり、帯電したトナーの電荷が移動し易くなり、転写するトナー像に乱れが生じるためである。弾性層の体積抵抗率を1012Ω・cm以下としているのは、1012Ω・cmを越えると1次転写に大きな転写電圧が必要となり転写効率が悪くなるためである。弾性層の体積抵抗率は106 Ω・cm〜1010Ω・cmがより好ましく、107 Ω・cm〜109 Ω・cmが特に好ましい。
弾性層の体積抵抗率およびベース層の内周面側の表面電気抵抗率が前記した一定範囲内とすると、中間転写ベルトとした場合に記録媒体への二次転写のみならず、感光体等の像保持体から中間転写ベルトヘの一次転写においても転写性が極めて良好である。そのうえ、弾性層の硬度をやや低めに抑えることにより、2次転写時におけるベルトと記録媒体の間のニップ幅が広がり、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いても紙の凹部での白抜けの発生をさらに抑制することができる。好ましくは、弾性層5はJIS A硬度が25°〜70°、かつ体積抵抗率が108 Ω・cm(1.0×108 Ω・cm〜9.9×108 Ω・cm)とし、厚さは200〜600μmである。
次に、表層7を構成する表層材料としては、(1)フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤の組合せ、または(2)フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤との組合せが挙げられる。
(1)について説明する。ゴムラテックスは、フッ素ゴムと加硫剤、および所望により通常の添加剤、例えば充填材、着色剤、受酸剤、加硫促進剤、共加硫剤または塗料添加剤などを含むフッ素ゴムラテックスに、フッ素樹脂が配合されているものである。
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)およびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が挙げられる。TFEと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、例えばエチレンもしくはプロピレンなどのオレフィン類、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフルオロライド、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオロライドなどのハロゲン化オレフィン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFVE〉類等が挙げられる。これらとTFEとの共重合体の具体例としては、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)などが挙げられる。
フッ素ゴムとしては特に限定されず、例えば、コモノマーとしてフッ化ビニリデンを含むものであるフッ化ビニリデン系共重合体、コモノマーとしてテトラフルオロエチレンを含むものであるテトラフルオロエチレン系共重合体、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ホスファーゼン系ゴム等が挙げられる。フッ化ビニリデン系共重合体としては、例えばフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。テトラフルオロエチレン系共重合体としては、例えば、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
加硫剤としては通常使用されるフッ素ゴムの加硫剤を用いることができる。好ましい加硫剤の例を以下に示す。
(1)ポリアミン系加硫剤
ポリアミンとしては、エチレンアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、エタノールアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ−2−スピロ[5.5]−ウンデカン等の脂肪族ポリアミンおよびその塩、ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族アミンおよびその塩、変性ポリアミン、ポリアミドアミン、さらに一般式:
Figure 2010015143
(式中、Rはメチル基またはエチル基を表し、Xは単結合、−C2 4 NH−、−CONH−または−C2 4 NH−C2 4 NH−NH−を表し、nは2または3である。〉
で表されるアミノシラン化合物またはその部分もしくは完全加水分解物などが好ましい。
(2)ポリオール系加硫剤
ポリオールとしては、水酸基、特にフェノール性水酸基を分子内に少なくとも2個有する化合物および高分子化合物であって、加硫性能を有するものが挙げられる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ヒドロキノン等のフェノール誘導体およびその塩、フェノール樹脂等のエノール型水酸基を分子内に2個駆上有するポリヒドロキシ化合物およびその塩、Rf(CH2 OH)2 (ただし、Rfは、パーフルオロアルキルポリエーテル基である。)で示されるポリオールなどが好ましい。
(3〉ポリチオール系加硫剤
ポリチオールとしては、トリアジンチオール、1,6−ヘキサンジチオール、4,4′−ジメチルメルカプトジフェニル、1,5−ナフタレンジチオールなどが好ましい。加硫剤の配合量は、フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。また、ゴムラテックス全体の質量を100質量部とすると、加硫剤の配合量は3質量部以下であることが好ましい。加硫剤としては、媒体が有機溶剤の場合にはその有機溶剤に、水の場合には水に可溶なものを用いるのが好ましい。
加硫を促進させるために加硫助剤を用いることもできる。加硫助剤の配合量は、フッ素ゴム100質量部に対して0〜10質量部、好ましくは0,1〜5質量部である。加硫助剤としては、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ジメチルデシルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ミリスチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ココナットトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,4−フェニレンジメチレンビストリメチルアンモニウムジクロライド、1,4−フェニレンジメチレンビストリエチルアンモニウムジクロライド、エチレンビストリエチルアンモニウムジブロマイドなどのアルキルおよびアラルキル第4級アンモニウム塩;
8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム−メチルサルフェート、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド、8−プロピル−1,3−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド、8−ドデシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ドデシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−テトラコシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド等の第4級1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム塩などの第4級アンモニウム塩;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジメチルn−ブチルアミン、ジメチルイソブチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル−sec−ブチルアミン、ジメチル−tert−ブチルアミン、トリアリルアミン、ジアリルメチルアミン、アリルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン、N−アリルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−シクロヘキシルピロリジン、N−n−ブチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−ベンジルピロリジン、2,4,6−トリメチルピリジンなどの3級アミン、およびトリフェニルホスフィンベンジルクロライド塩等の4級ホスホニウム塩等が挙げられる。媒体が、有機溶剤の場合にはその有機溶剤に、水の場合には水に可溶なものを用いるのが好ましい。
充填材としてはカーボンブラック、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、珪酸カルシウムなどが挙げられる。着色剤としては、無機顔料、複合酸化物顔料などが挙げられる。受酸剤としては酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化亜鉛、炭酸鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイトなどの複塩が挙げられる。通常、受酸剤はその活性度に応じて適宜配合量を調節すればよいが、例えばフッ素ゴム100質量部に対し1〜40質量部配合できる。
ゴムラテックスを調製するに際し、フッ素樹脂、フッ素ゴム、加硫剤および他の添加剤を溶解または分散させる物質を媒体として、例えば有機溶剤、水などを用いる。環境問題などの観点から媒体としては水を用いることが特に好ましい。
有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸イソペンチルなどのエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;トルエン、キシレン等の炭化水素類;N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;およびメタノール、エタノール等のアルコール類などが挙げられる。媒体は、組成物全体の質量を基準にして30〜90質量%の割合で用いることが好ましい。
媒体として水を用いる場合には、フッ素ゴムやフッ素樹脂を水中に分散させるため分散剤を用いる。分散剤としては、ラウリル硫酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、ω−ハイドロパーフルオロアルキルカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール誘導体などの非イオン性界面活性剤;アルキルポリエチレングリコールエーテル、アルキルフェニルポリエチレングリコールエーテル、アルキルポリエチレングリコールエステル、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、ポリエチレングリコールアルキルエステル等が挙げられる。分散剤は組成物全体の質量を基準にして0.1〜10質量%の割合で用いることが好ましい。また、ゴムラテックスには安定剤を添加することができる。安定剤としては、炭素数1〜12の有機酸、好ましくは炭素数1〜4の有機酸が用いられる。より好ましい有機酸は蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸である。
ゴムラテックスにおいては、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く、かつ、5質量部以下、好ましくは1.1質量部〜4質量部の割合で含ませるとよく、これにより、表層における表面自由エネルギーを所望値に調整することができる。フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムの含有量が等量以下であると、フッ素樹脂の混合割合が多くなり、表面自由エネルギーが小さくなりすぎる傾向が見られ、また、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを5質量部より多く含有させると、フッ素樹脂を混合する効果が現れず、表層における表面自由エネルギーが大きくなりすぎる傾向が見られる。
本発明においては、例えばダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス」を使用して調製するとよい。例えば「ダイエルラテックス GLS−213F」は、上述のフッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなり、着色剤を含有するフッ素ゴムラテックスである。また、「ダイエルラテックス GLS−213CR」は、上述のフッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックスである。さらに、「ダイエルラテックス GL−252」は、上述のフッ素ゴム50質量%からなり、着色剤を含有するフッ素ゴムラテックスとして市販されている。本発明においては、各品番のものを適宜混合して、フッ素樹脂とフッ素ゴムとの含有割合を調節するとよい。
次に、(2)について説明する。表層7を構成する表層材料として、フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤からなるものとしても、表層における表面自由エネルギーを所望値に調整することができる。水系ウレタン樹脂に含まれるポリウレタン樹脂は、ポリオール(水酸基を2個以上含有する化合物)とポリイソシアネート(イソシアネート基を2個以上含有する化合物)を付加反応させて得られる。ポリオールとしては、分子内に水酸基を2個以上有する脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールが挙げられる。具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、ヒマシ油ポリオール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等が使用できる。この他に、上記ポリイソシアネートをカルボジイミドで変性したポリイソシアネート、上記ポリイソシアネートをイソシアヌレートで変性したポリイソシアネート等も使用できる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
ポリウレタン樹脂を水系組成物とするためには、ポリウレタン樹脂を水性乳濁液または水性可溶液とすることが必要である。ポリウレタン樹脂の水性乳濁液または水性可溶液は、ポリオールと過剰のポリイソシアネートとを付加反応させて、イソシアネート基を分子末端にもつウレタンプレポリマーを合成し、次いで界面活性剤を用いてウレタンプレポリマーを水に乳化分散または可溶化させることによって得ることができる。
付加反応におけるポリオール:ポリイソシアネートのモル比は1:1.1〜10であることが好ましく、1:1.3〜5であることがより好ましい。ポリオール:ポリイソシアネートのモル比が1:1.1より小さいと、逐次付加重合が起こりやすく、高分子量体が生成する。前記モル比が1:10より大きいと、遊離イソシアネート残存量が多くなり、保存時の安定性が低下する場合がある。
界面活性剤としては特に制限はなく、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両イオン性界面活性剤を好適に用いることができる。また、前記乳化分散または可溶化は公知の乳化装置を用いて行えばよい。
ポリウレタン樹脂の水性乳濁液または水性可溶液を調製する場合、ポリオールとポリイソシアネートに加え、更にイソシアネート基と反応する活性水素原子および塩形成基を有する化合物を使用してウレタンプレポリマーを合成し、得られたウレタンプレポリマーを塩形成剤を使用して水に乳化または可溶化させてもよい。
イソシアネート基と反応する活性水素原子および塩形成基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシ酸、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、ヒドロキシスルホン酸類等であり、それに対する塩形成剤とは、金属水酸化物、アンモニア、3級アミン化合物等である。また、上記とは異なる他のイソシアネート基と反応する活性水素原子および塩形成基を有する化合物としては、アミノアルコール、アミン類等が挙げられ、それに対する塩形成剤としては、有機酸、無機酸、反応性ハロゲン原子を有する化合物が挙げられる。
更に、上記とは異なる他のイソシアネート基と反応する活性水素原子および塩形成基を有する化合物としては、ハロゲン原子を有するアルコールが挙げられ、それに対する塩形成剤としては、3級アミン、スルフィド類、フォスフィン類等が挙げられる。この方法において界面活性剤を併用してもよい。塩形成剤は、通常、等量になる量を添加する。
また、ポリウレタン樹脂の水性乳濁液または水性可溶液を調製する場合、上記ポリオールとポリイソシアネート、更にポリオキシエチレンモノアルキルエーテルおよび/またはポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンモノアルキルエーテルを使用してウレタンプレポリマーを合成し、得られたウレタンプレポリマーを水に乳化または可溶化させてもよい。この方法において界面活性剤を併用してもよい。
水性乳濁液または可溶化液中のウレタンプレポリマーは、水との反応により高分子量化させるか、または得られた水性乳濁液または可溶化液に多価アミン化合物を添加して、多価アミン化合物との反応により高分子量化させることにより、ポリウレタン樹脂の水性乳濁液または水性可溶液とすることができる。
本発明で用いる水系ウレタン樹脂においては、ポリウレタン樹脂の水性乳濁液または水性可溶液の構成比率としては固形分換算で20〜60質量%が好ましく、より好ましくは30〜50質量%である。
本発明で用いる水系ウレタン樹脂に含まれるフッ素樹脂としては、前記ゴムラテックスに含まれるフッ素樹脂と同じ化合物が例示できる。
本発明で用いる水系ウレタン樹脂に含まれるシリコン成分としては、どのような形態を有していても良い。シリコン成分としては例えばシロキサン単位を有した水溶性または水分散シリコン化合物が挙げられる。また、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、アクリル変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性などの反応性シリコンやポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、親水化特殊変性した非反応性シリコンを使用することもできる。さらには、ジメチルシリコンオイルやメチルフェニルシリコンオイルなどのシリコンオイルとして含まれていても良い。このようなシリコン成分は水系ウレタン樹脂に0.5〜10質量%の割合で含まれていることが好ましい。
本発明で用いる水系ウレタン樹脂においては、シリコン成分がシリコン変性ポリウレタン樹脂の形態で含まれていても良い。シリコン変性ポリウレタン樹脂は、主鎖にウレタン結合をもち一部シロキサン結合を有する構造のものがブロック状および/またはグラフト状に組み入れられた共重合体である。この場合、主鎖の構造単位に対するシロキサン結合単位の比率は任意のものを使用することができる。
シリコン変性ウレタン樹脂は、有機珪素化合物とポリオールとを反応させて得られるシリコン変性ポリオールおよび/または有機珪素化合物とイソシアネートとを反応して得られるシリコン変性イソシアネート(シリコン変性ポリイソシアネートプレポリマーであっても良い)を用い、(1)シリコン変性ポリオールとイソシアネート、(2)ポリオールとシリコン変性イソシアネート、(3)シリコン変性ポリオールとシリコン変性イソシアネートの如き組み合わせで反応させて得られたものである。ここでシリコン変性に用いる有機珪素化合物としては、ポリオルガノシロキサンであって、少なくとも1個の活性水素基またはアルコキシ基を有するポリオルガノシロキサンで主鎖がポリジメチルシロキサンであるものが好ましい。
表層7は、乾燥後の厚さが3〜20μm、好ましくは5〜15μmである。表層の厚みを3μm以上としているのは、使用中に表層が摩滅してトナー粒子の離脱性が低減することを防ぐためである。20μm以下としているのは、表層の形成に要する時間と手間を省き、製造コストの低廉化を図るためである。
本発明者は、多層ベルトを中間転写ベルトとして用いたときの記録媒体への転写性能を追求していく中で、中間転写ベルト上のトナーを効率よく紙に転写する転写効率と、凹凸のある紙の繊維の奥までトナーを付着させることができる紙への埋り率という2つの性能の両立が必要であることを知見した。中間転写ベルト上から紙上へとトナーを転写する際には帯電したトナーを静電気力により紙側へ移動させるが、転写効率の向上を図るべく鋭意検討したところ、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が積層されている多層ベルトにおいて、表層が、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く、5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤とを有するか、または、フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤とを有するものとするか、またはその表層における表面エネルギーを20mN/m〜40mN/mのものとし、かつ、ナノインデンテーション法で測定した表面硬度であって、前記表層側からの3μm押し込み時硬度を0.1MPa〜1.5MPaのものとすることにより、転写効率の向上と共に紙への埋り率の向上を図ることができ、転写効率と紙への埋り率を共に良好にできることを見いだした。
表層の表面自由エネルギーは、トナーを効率良く移動させてベルトからトナーが離れ易くする基準となるが、表面自由エネルギーが20mN/mより低いと、表層に対するトナーの付着力が小さすぎ、絵ズレ等の画像欠陥の原因となり、また、40mN/mを超えると、表層に対するトナーの付着力が大きくなり、トナー離れが悪くなり、紙への転写効率が悪くなる。また、表面自由エネルギーが20mN/mより低くても、また、40mN/mを超えても、その詳細な理由は不明であるが、紙への埋り率が低下する。本発明の多層ベルトは、その表層の表面自由エネルギーを20〜40mN/mとすることにより、トナー離れがよく優れた転写効率を示すと共に、転写する紙の凹凸に追従し、紙への優れた埋り率を示すものである。
また、本発明の多層ベルトにおいては、上述した表面自由エネルギーと共に、ナノインデンテーション法で測定した表層側からの3μm押し込み時硬度を一定の範囲のものとすることにより紙への埋り率を向上しうることを見いだした。ナノインデンテーション法による硬度の測定は、微小なダイヤモンド圧子を薄膜に押し込みながらその荷重と押し込み深さ(変位量)の関係を測定し、測定値から硬度を算出する方法であり、μNオーダーの荷重を加えながら、ナノメートルの精度で変位量を測定できるものであり、一般には、薄層の銅または亜鉛等の金属層や酸化ケイ素等の無機化合物層における物性特定として用いられている。弾性層上に積層された薄層の表層の積層構造を有する多層ベルトに対する3μm押し込み時硬度は、その表面におけるトナー粒子に対する捕捉しやすさ、また、離れやすさの基準となると考えられる。また、紙などの転写材への埋まり性の基準となると考えられる。本発明者等は、表層側からの3μm押し込み時硬度を検討する中で、0.1MPa〜1.5MPa、好ましくは0.3MPa〜0.5MPaのものとすることにより、紙への埋り率の向上を図ることができることを見いだしたもので、3μm押し込み時硬度が、0.1MPaより低いと、トナーを捕捉する力が大きくなるために、ベルト表面から離れにくくなり、転写効率や埋まりが低下するという問題が生じ、また、1.5MPaより高くなると転写効率と紙への埋り率の両方を同時に向上させることができない。
表層を弗素樹脂等からなるものとすると共に、その表面エネルギー、また、3μm押し込み時硬度を併せ有することにより、本発明の多層ベルトを中間転写ベルトとして用いたときに優れた二次転写性能が発揮され、高画質な画像が得られる。中間転写ベルトとして本発明の多層ベルトを用いた場合、80%以上の転写効率と、80%以上の紙への埋り率を示す。
また、表層7における引張弾性率は、特に特定しないが、0.1〜100MPaの範囲のものとされるとよく、また、表面電気抵抗率は、107 Ω/□〜1014Ω/□の範囲のものとされるとよい。
次に、多層ベルトの製造方法について説明する。
円筒状の金型を回転させながらノズルからベース層材料を金型の外面に連続的に供給し、それと同時にノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記材料を均一に塗布後、硬化させることによりベース層を形成し、ついで同一の方法でベース層上に弾性層を形成し、その後、弾性層上に表層を塗装する製造方法が好ましい態様として挙げられる。
この製造方法において、金型の離型性を良くするため、シリコーンオイル等からなる離型剤を金型表面に塗布してもよく、または金型をセラミックスコーティングしてもよい。セラミックスとしては、ゾルゲル法でコーティングしたシリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素;溶射法でコーティングしたアルミナ、ジルコニア;あるいはスパッタリング法でコーティングした窒化アルミ等が挙げられる。
図3に示すように、円筒状の金型33を周方向に回転させながら、ベース層材料32をノズル31から連続的に供給すると同時に、ノズル31を金型の回転軸方向に移動させている。これにより、供給したベース層材料32はらせん状に巻回される。ノズル31の移動速度および金型33の回転速度を調整することにより、らせん状に巻回された液状の材料32は隣接部分が結合して均一な塗布層を形成する。この塗布工程の後、常法により塗布した液状の材料を硬化させ、ベース層を形成する。
前記ベース層材料32を金型33に塗布するノズル31は、図4に示すように、液吐出口を管状とし、その先端を斜めとし、かつ、壁厚を0.3〜3.0mm程度、より好ましくは0.5〜2.0mm程度としている。また、前記ノズル(液吐出口)の内径は0,5〜5mm、好ましくは1〜3mm程度としている、前記ノズル31の液吐出口の中央部が金型33の外面に接しながら金型の回転軸方向に移動するように設定し、ノズル31の液吐出口と金型33に塗布された材料が接触されている。
ノズル移動速度V(mm/秒)と金型の回転数R(回転/秒)とは、(V/R)<1.5、好ましくは0.85<(V/R)<1.5の関係を満たすように設定する。上記範囲の条件で塗布を行うことにより、ノズルの液吐出口近傍での液の攪拌効果等により縞模様および凹凸の発生を防止できる。
低コスト化を考えた場合、塗布時間は短いほうが好ましい。金型の回転数を上げることにより塗布時間を短くすることができるが、遠心力により液が飛散しないようにする必要があるため金型の回転数には上限がある。そこで、ノズルの液吐出口を管状でその壁厚を0.3〜3.0mm程度、より好ましくは0.5〜2.0mm程度として、塗布時間を短縮しつつ縞模様および凹凸が発生しないようにしている。弾性層は、ベース層の形成方法と全く同様にしてベース層上に形成することができる。
ベース層上に弾性層を形成した後、弾性層と表層の接着性を向上させるために、弾性層表面にプライマーを塗布しても良い。弾性層上に表層材料を塗装する方法としては、ロールコータもしくはバーコートによる塗装、スプレー塗装、静電塗装、ディップ塗装等が挙げられるが、比較的薄く均一に塗布する必要があることから静電塗装が好ましい。
このような製造方法によれば、各層の厚さの精度が良好で材料ロスが小さいという利点がある。さらに、ノズルからの材料の供給量やノズルの回転軸方向への移動速度などを調整することにより、軸方向に厚みが変化するベルトを得ることができるという利点もある。さらに、ベース層材料または弾性層材料が2液混合タイプの材料である場合、所望の割合で2液を混合し、ノズルに供給することができる装置を用いることができ、これにより生産工程の効率化を図ることができる。
本発明の多層ベルトの製造方法としては、他に、例えば、(1)表層、弾性層、ベース層の順に遠心成形する方法、(2)弾性層、ベース層の順に遠心成形し、脱型した後、表層を塗布する方法、(3)ベース層のみ遠心成形し、脱型した後、弾性層、表層の順に塗布する方法、(4)ベース層材料と弾性層材料を用いて、積層押出成形によりベース層と弾性層が積層されたベルトを作製し、弾性層上に表層を塗布する方法、(5)押出成形によりベース層のみからなる単層ベルトを作製し、ベース層上に円筒状の金型を回転させながらノズルから弾性層材料を金型の外面に連続的に供給し、それと同時にノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記材料を均一に塗布後、硬化させることにより弾性層を形成し、弾性層上に表層を塗布する方法、(6)ベース層材料と弾性層材料と表層材料を用いて3層を同時押出成形する方法等が挙げられる。
本発明の多層ベルトは、レーザービームプリンター、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置における中間転写ベルトとして好適に用いることができる。なかでも、電子写真方式のカラープリンター、カラーコピー機の中間転写ベルトとして用いることが好ましい。
また、画像形成装置は粉体トナーを使用する乾式現像方式の画像形成装置、または液体トナーを使用する湿式現像方式の画像形成装置のいずれであってもよい。
後述する実施例では、ページプリンターとしてセイコーエプソン社製「LP−S7000R」を使用すると共に、トナーとしては下記のトナーを使用した。
(トナーの調製)
(マスターバッチの作製)
三洋化成工業株式会社製「架橋ポリエステル樹脂 ES−803」70質量部に、顔料として大日精化工業社製「ECR−101」30質量部を混合し、これを三井鉱山社製連続2本ロール「ニーデックス100」により混練して、顔料を分散させたマスターバッチを作製した。
このマスターバッチをフェザーミルにて粗粉砕した後、三洋化成工業株式会社製「架橋ポリエステル樹脂 ES−803」を124質量部、三洋化成工業株式会社製「線状ポリエステル樹脂 ES−8022」を273質量部、前述のマスターバッチを83質量部、離型剤として日本ワックス社製「精製カルナバWAX type#1」を15質量部、帯電制御剤としてオリエント化学社製「Bontron W−81」5質量部を混合し、これを東芝機械社製2軸押出機により希釈混練した。更に、この希釈混練物をフェザーミルにて粗粉砕し、気流衝突型粉砕機にて粉砕、気流式分級機により復旧し、分級後の体積平均粒径が8.1μmのトナー母粒子を作製した。
このトナー母粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 RX200、粒径12nm)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合攪拌して、マゼンタ色トナーを得た。このとき、マゼンタ色トナー中の離型剤の配合量は3質量%であった。そして、この離型剤の分散状態を透過型電子顕微鏡でトナー断面を観察したところ、離型剤は均一に分散しており、離型剤の分散粒子の円相当径で、最大径1200nm、算術平均径で780nmであった。また、このマゼンタ色トナーのTgは59.7℃、Tmは111.5℃であった。
以下、実施例、比較例により本発明を説明するが、実施例および比較例で作製した多層ベルトの各物性は以下のように測定したものである。
(1) 表面自由エネルギー; 多層ベルトの小片を切り取り、水、ヨードメタン、ブロモナフタレンを表層上に滴下したときの接触角を測定した。測定にはFirst Ten Angstroms社(米国)製「FTA125」を用い、KITAZAKIの式を使って算出した。
(2) 多層ベルトの表面硬度: 微小硬さ測定装置(ナノインデンタ)を使用して測定するもので、この装置は、図5に示すように、トランデューサーaと先端形状が正三角形のダイヤモンド Berkovich圧子bを有し、多層ベルト表面にmgfオーダーの荷重を加えることにより、nmの精度で変位量(押し込み深さ)を測定するものである。市販のものとしては、エリオニクス社製「ENT−2100」(三角錐圧子、稜間度115度)を使用できる。この装置は、測定面からの反力(mgf/μm2 )を測定するもので、本発明においては、3μm押し込み時硬度HM(マルテンス硬度)、10mgf荷重時の硬度HM(マルテンス硬度)を測定する。後述する各例においては5点測定の平均値である。また、このときの標準偏差は測定結果に対して1桁以上小さい値であり、測定の有意性を示すものである。なお、1mgf/μm2 =10MPa、1mgf=10μNである。
(3) 引張弾性率;JISK7113に従って測定。表層の引張弾性率は、実施例および比較例それぞれの表層材料をシリコンゴム製の型上に流し込み、室温乾燥後、実施例および比較例それぞれの硬化条件と同一の条件で硬化させて作製したシートを用いて測定した。10mm幅のチャック間50mm応力曲線の線形部分から測定。
(4) 表面抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUPMCP−HT450型」を用い、URSプローブにて印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%である。
(5) 体積抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUPMCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%である。
(6) 弾性層のJIS A硬度;JIS K6253(1993)に従って測定し、タイプAを用いた。
(7) 多層ベルトのIRHD硬度: Wallace硬度計{針形状は球状(φ0.395mm)}で押し込み深さを硬度に変換表を使用して変換するもので、得られる硬度は無次元、押し圧は15.6gfであり、例えば硬度50は160μmの押し込み深さに相当する。
(8) タック;直径3mmの円柱をベルト表面に所定荷重にて押圧し、一定速度にてベルトから遠ざけていったときにベルトから円柱面が受ける力である。
(9) 引張強度;引張弾性率の測定(JISK7113)によって得られた応力の最大値である。
(10) 延び;引張弾性率の測定(JISK7113)によって破断が発生する延びである。
(1) ベース層の作製
・ トリメリット酸とジフエニルメタンジイソシアネートから公知の方法で合成したポリアミドイミドワニス ・・・ 100質量部
・ カーボンブラック(ファーネスブラック) ・・・ 7.0質量部
・ 分散剤 ・・・ 0.1質量部
をビーズミルにて均一に混合し、ベース層材料を作成した。
金型として外径200mmφのアルミニウム製円柱の外面にセラミックスをコーチィングしたものを使用し、この円柱状金型を回転させながら、ノズルを金型外面に接触させた。この状態でノズルから上記ベース層材料を定量供給しながら、ノズルを金型の回転軸方向に一定速度で移動させて前記材料の塗布を行った。このとき、ローター回転数6rpm、(V/R)=1.17(mm/回転)(式中、Vはノズルの移動速度(mm/秒)、Rは金型の回転数(回転/秒)を示す。)の条件で塗布した。ノズルには、内径2mm、外径4mmのPTFE製チューブを使用した。
図4に示すようにノズル31の先端は45度に切り落とし、切り落とした面の中央部が金型33の外面に接しながら金型の軸方向に移動するようにノズル位置を設定した。次いで、金型を回転させながら300℃まで段階的に加熱し、冷却することにより材料を硬化させ、厚さ80μmのベース層を形成した。その引張弾性率は2800MPa、表面抵抗率(logΩ/□)は9.4であった。
(2) 弾性層の作製
下記の表1に弾性層材料を示す。表1に示した硬化剤に含まれる成分を表1の割合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表1に記載の割合で混合して、弾性層材料を作成した。かかる材料をベース層作製時と同じ装置を用いてベース層上に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは230μm、JIS A硬度 27、体積抵抗率(logΩ・cm)は9.5であった。
Figure 2010015143
・ 主剤;ポリプロピレングリコールとトリレンジイソシアネートから得られるNCO含有量6.9%の末端プレポリマー(住化バイエルウレタン株式会社製)
・ Acclaim4220;ポリプロピレングリコール(住化バイエルウレタン株式会社製)
・ エタキュアー300;ジメチルチオトルエンジアミン(アルベマール社製)
・ 制電剤;三光化学工業株式会社製「サンコノールPEO−20R」(リチウムービス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをポリオールに溶解した水溶液)
・ 消泡剤;共栄社化学株式会社製「フローレンAC326F」。
(3) 表層の作製
次に、上記で得たベース層上の弾性層上に、下記の組成の表層をそれぞれ形成して、実施例1〜8および比較例1の多層ベルトとした。また、下記の実施例10で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法による表面硬度の測定例を示す。
図5に示すナノインデンター(エリオニクス社製「ENT−2100」)に多層ベルトを設定し、荷重変化が一定となるように荷重速度:15mgf/secとした試験荷重:150mgfとして、分割数:500step、ステップインターバル:20msecで、また、温度32℃で測定した。
図6に、得られた変位vs荷重の関係を示す。図6は、(多層ベルト表面に圧子を押圧する荷重時)→(圧子を除荷する除荷時)での荷重(mgf)と変位(μm)との関係を示すものである。この図から、荷重が10mgf時での変位Aは、2μmであることがわかる。
また、硬度(mgf/μm2 、HM、マルテンス硬さ)は、
HM=P/A
(Pは圧子に加えられた(最大)荷重であり、Aはそのときの圧子と試料間の接触射影面積である。)
で求められるものであるが、この装置を使用して、図7に示すごとき、変位(μm)vs硬度(mgf/μm2 )曲線を得ることができる。図7から、変位A(2μm)に相当する硬度(B)が得られ、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.48MPaであることがわかる。また、図8に、図7における変位(3μm)に相当する硬度(A)を示す。3μm押し込み時硬度は、0.46MPaであることがわかる。
また、図9に、測定に供した多層ベルトの表層側からの光学顕微鏡写真(視野範囲:130mm×105mm)を示す。なお、十字線の交点はナノインデンテーション法での硬度測定点である。
(実施例1)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 40質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 60質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 1.5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを4質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例1の多層ベルトを作製した。なお、静電塗装ガンにて膜厚10μmの表層を作成したが、ダイヤルゲージを用いてベース層から表層までの高さと表層を塗布していない領域(ベース層と弾性層のみの領域)の高さの差を測定(以下、ダイヤルゲージを用いた測定という)しなおしたところ、表層の膜厚は14.8μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、22.6であった。なお、引張弾性率(MPa)は5.2、タック(gf)は90、硬度(IRHD)は68.1であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.41MPa、3μm押し込み時硬度は、0.41MPaであった。
(実施例2)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 60質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 40質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 1.5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを2.33質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例2の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、14.2μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、28.3であった。なお、引張弾性率(MPa)は10.7、タック(gf)は62、硬度(IRHD)は77.9であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、1.00MPa、3μm押し込み時硬度は、0.68MPaであった。
(実施例3)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 80質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 20質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 1.5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.5質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例3の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、15.3μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、33.4であった。なお、引張弾性率(MPa)は19、タック(gf)は49、硬度(IRHD)は86であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、1.50MPa、3μm押し込み時硬度は、0.89MPaであった。
(実施例4)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 90質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 10質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 1.5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.22質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例4の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、13.1μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、40であった。なお、引張弾性率(MPa)は33.1、タック(gf)は30、硬度(IRHD)は90.4であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、1.60MPa、3μm押し込み時硬度は、0.93MPaであった。
(実施例5)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 40質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 60質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを4質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例5の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、16.6μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、25.9であった。なお、引張弾性率(MPa)は10.1、タック(gf)は70、硬度(IRHD)は78.2であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.78MPa、3μm押し込み時硬度は、0.64MPaであった。
(実施例6)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 60質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 40質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを2.33質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例6の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、14.4μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、22であった。なお、引張弾性率(MPa)は26.2、タック(gf)は38、硬度(IRHD)は86.2であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、1.34MPa、3μm押し込み時硬度は、0.88MPaであった。
(実施例7)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 80質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 20質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.5質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例7の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、14.2μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、30であった。なお、引張弾性率(MPa)は50、タック(gf)は22であった。硬度(IRHD)は94.0であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、1.75MPa、3μm押し込み時硬度は、1.00MPaであった。
(実施例8)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 90質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム50質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 10質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.22質量部の割合で含有する表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、実施例8の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、12.8μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、34であった。なお、引張弾性率(MPa)は75、タック(gf)は18であった。硬度(IRHD)は97.0であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、1.80MPa、3μm押し込み時硬度は、1.02MPaであった。
(比較例1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂を表層とする多層ベルトを作製し、比較例1とした。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、12.8μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は18であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、5.11MPa、3μm押し込み時硬度は、2.22MPaであった。
次に、弾性層の膜厚を変化させると共に、表層をフッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤からなる場合について、実施例9〜11、比較例2により説明する。
(実施例9)
(弾性層の形成)
実施例1と同様のベース層上に、上記の表1に示した硬化剤に含まれる成分を表1の割合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表1に記載の割合で混合して、弾性層材料を作成し、ベース層作製時と同じ装置を用いて同様に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは600μm、JIS A硬度 27、体積抵抗率(logΩ・cm)は9.5であった。
(表層の形成)
ウレタン樹脂をバインダーとする水系ウレタン塗料であり、フッ素樹脂粉末(PTFE)を1質量%以下、シリコン樹脂を5〜20質量%の割合でそれぞれ含有する塗料(日本アチソン株式会社製ウレタン塗料「TW805」)を主剤とし、これに硬化剤(日本アチソン株式会社製「WHI」)を主剤:硬化剤=95:5(質量比)の割合で混合し、表層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて弾性層上に塗装した。乾燥後に120℃のオーブン内で10分間硬化させ、膜厚8μmの表層を形成し、実施例9の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、10.3μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、28であった。なお、引張弾性率(MPa)は5.9、硬度(IRHD)61.5、引張強度(MPa)1.2、延び(%)22.2であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.41MPa、3μm押し込み時硬度は、0.41MPaであった。
(実施例10)
(弾性層の形成)
実施例1と同様のベース層上に、上記の表1に示した硬化剤に含まれる成分を表1の割合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表1に記載の割合で混合して、弾性層材料を作成し、ベース層作製時と同じ装置を用いて同様に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは200μm、JIS A硬度 27、体積抵抗率(logΩ・cm)は9.5であった。
次いで、実施例9と同様に、表層を形成した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、10.9μmであった。表層における物性値は同様であった。なお、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法によると、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.48MPa、3μm押し込み時硬度は、0.46MPaであった。
(実施例11)
(弾性層の形成)
実施例1と同様のベース層上に、上記の表1に示した硬化剤に含まれる成分を表1の割合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表1に記載の割合で混合して、弾性層材料を作成し、ベース層作製時と同じ装置を用いて同様に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは100μm、JIS A硬度 27、体積抵抗率(logΩ・cm)は9.5であった。
次いで、実施例9と同様に、表層を形成した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、12.1μmであった。表層における物性値は同様であった。なお、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法によると、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.97MPa、3μm押し込み時硬度は、0.74MPaであった。
(比較例2)
実施例1と同様のベース層と弾性層上に、自己硬化型ウレタンである水系ウレタン塗料を表層材料とし、静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で10分間硬化させ、膜厚10μmの表層を形成し、比較例2の多層ベルトを作製した。なお、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定しなおしたところ、12.1μmであった。表層の表面自由エネルギー(mN/m)は48であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、3.22MPa、3μm押し込み時硬度は、1.60MPaであった。
(実施例12)
実施例8で得られる得られた表層材料を静電塗装ガンにて、実施例8同様に弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定したところ6μmである表層を形成し、実施例12の多層ベルトを作製した。
表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、34であった。なお、引張弾性率(MPa)は75、タック(gf)は18であった。また、硬度(IRHD)96であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.48MPa、3μm押し込み時硬度は、0.44MPaであった。
(実施例13)
実施例7で得られる得られた表層材料を静電塗装ガンにて、実施例7同様に弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定したところ6.4μmである表層を形成し、実施例13の多層ベルトを作製した。
表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、30であった。なお、引張弾性率(MPa)は50、タック(gf)は22であった。また、硬度(IRHD)92であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.56MPa、3μm押し込み時硬度は、0.49MPaであった。
(実施例14)
実施例3で得られる得られた表層材料を静電塗装ガンにて、実施例3同様に弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定したところ7.8μmである表層を形成し、実施例14の多層ベルトを作製した。
表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、33であった。なお、引張弾性率(MPa)は33、タック(gf)は49であった。また、硬度(IRHD)86であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.46MPa、3μm押し込み時硬度は、0.44MPaであった。
(実施例15)
実施例2で得られる得られた表層材料を静電塗装ガンにて、実施例2同様に弾性層上に塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、実施例1同様にダイヤルゲージを用いて膜厚を測定したところ7.7μmである表層を形成し、実施例15の多層ベルトを作製した。
表層の表面自由エネルギー(mN/m)は、28であった。なお、引張弾性率(MPa)は10、タック(gf)は63であった。また、硬度(IRHD)78であった。また、上述したナノインデンテーション法と同様の測定方法により、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.30MPa、3μm押し込み時硬度は、0.34MPaであった。
実施例1〜実施例15、比較例1、2で得た多層ベルトを、ページプリンター(セイコーエプソン社製「LP−S7000R」)に組み込むと共に、上記したトナーを使用し、記録媒体として紙(富士ゼロックス株式会社製「J紙」、表面粗さ30〜40μm)に印字し、それぞれの転写効率、紙への埋り率を測定した。
転写効率は、転写前の中間転写ベルト上のトナー量(A)を測定した後、黒ベタ画像を印刷し、中間転写ベルトから紙ヘトナーを転写した際に中間転写ベルトに残ったトナー量(B)を測定し、その重量比から計算するもので、二重丸が90%以上、○印が80〜90%、×印が80%以下の転写効率を示す。結果を下記表に示す。
紙への埋り率は、転写効率と同様にして全面露光して印刷した画像をベタ画像とし、その際の紙上のベタ画像をマイクロスコープなどを用いて拡大した。紙上の凹部は紙への埋りが悪いと白抜けしてしまう。そこで、画像処理により白抜け部の面積の割合を算出し、白抜けがない画像を紙への埋り率100%として評価するもので、二重丸が95%以上、○印が85〜95%、×印が85%以下の紙への埋り率を示す。結果を下記表に示す。
Figure 2010015143
Figure 2010015143
Figure 2010015143
表から、中間転写ベルト(多層ベルト)における表層の表面自由エネルギーおよび3μm押し込み時硬度が本発明の範囲にあると、小粒径トナーを使用し、表面粗さが10μmを超える紙に転写しても、転写効率、紙への埋り率共に優れた画像が形成できることがわかる。
1…多層ベルト(中間転写ベルト)、3…ベース層、5…弾性層、7…表層、9…外周面、11…内周面、31…ノズル、32…ベース層材料、33…金型、a…トランデューサー、b… Berkovich圧子

Claims (5)

  1. ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層され、前記表層が、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く、5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤と、を有することを特徴とする多層ベルト。
  2. ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層され、前記表層が、フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤と、を有することを特徴とする多層ベルト。
  3. 表層における表面エネルギーが20mN/m〜40mN/mであり、かつ、ナノインデンターで測定した表面硬度であって、前記表層側からの3μm押し込み時硬度が0.1MPa〜1.5MPaである請求項1、または請求項2に記載の多層ベルト。
  4. 弾性層のJIS−A硬度が25°〜70°である請求項1、または請求項2に記載の多層ベルト。
  5. 表層の膜厚が3μm〜20μmである請求項1〜請求項3のいずれか1つ記載の多層ベルト。
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