JPH1048963A - 中間転写体、画像形成装置及びその製造方法 - Google Patents

中間転写体、画像形成装置及びその製造方法

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JPH1048963A
JPH1048963A JP21496696A JP21496696A JPH1048963A JP H1048963 A JPH1048963 A JP H1048963A JP 21496696 A JP21496696 A JP 21496696A JP 21496696 A JP21496696 A JP 21496696A JP H1048963 A JPH1048963 A JP H1048963A
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JP21496696A
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English (en)
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Masaaki Takenaka
正明 竹中
Takuya Konno
卓哉 今野
Mihoko Oda
美穂子 小田
Hitoshi Kakii
仁志 柿井
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Canon Chemicals Inc
Original Assignee
Canon Chemicals Inc
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】画像形成中に色ずれが少なく、中抜けの発生し
ない、かつ、クリ−プの小さな中間転写体を提供するこ
とである。 【解決手段】少なくとも絶縁性短繊維により補強された
エラストマ−からなる層を有する無端ベルトであること
を特徴とする中間転写体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成
されたトナ−像を、一旦中間転写体上に転写させた後に
第2の画像担持体上に転写させ画像形成物を得る複写
機、プリンタ−、ファクシミリ等の画像形成装置及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラ−画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラ−画像や多色画像に合成再現した画
像形成物を出力するカラ−画像形成装置や多色画像形成
装置、もしくはカラ−画像形成機能や多色画像形成機能
を具備させた画像形成装置として有効であり、各成分色
画像の重ね合わせずれ(色ずれ)のない画像を得ること
が可能である。
【0003】前述の中間転写体を用いた画像形成装置を
有するカラ−電子写真装置は、従来の技術である転写ド
ラム上に第2の画像支持体を張り付けまたは吸着せし
め、そこへ第1の画像支持体から画像を転写する画像形
成装置を有したカラ−電子写真装置が例えば特開昭63
−301960号公報中で述べられたような転写方法よ
りは次の点で勝っている。即ち、各色のトナ−画像の重
ね合わせ時の色ずれが少ない。次に図1に示されるよう
に、第2の画像支持体になんら加工、制御(例えばグリ
ッパ−に把持する、吸着する、曲率を持たせる等)を必
要とせずに中間転写体から画像を転写することができる
ため、第2の画像支持体を多種多様に選択できる。
【0004】例えば薄い紙(40g/m2 )から厚い紙
(200g/m2 )までの選択が可能。第2の画像支持
体の幅の広狭、厚さの厚薄によらず転写可能。更には封
筒、葉書、ラベル紙等までの対応が可能である。
【0005】中間転写体の形状としては、ドラム状ある
いはベルト状のものが考えられるがベルト状中間転写体
採用時のメリットとしては装置全体のコストの引き下げ
が可能であることや転写体配置設計の自由度が高いこと
等を挙げることができる。その場合ベルトは継ぎ目のな
い無端ベルトであることが望ましいとされている。
【0006】このように、中間転写体を用いることによ
る利点のため、既に市場においてはこの画像形成装置を
用いたカラ−複写機、カラ−プリンタ−等が稼働し始め
ている。しかし、上記従来例、特に無端ベルト形状の中
間転写体については次の問題点があった。
【0007】即ち、ベルトは通常一定の張力をかけた状
態で使用されるが、ベルト材料として引っ張り弾性率の
低いエラストマ−系を用いた場合、低弾性率に起因する
変形(伸び)のために、1回のカラ−画像転写サイクル
におけるベルトと感光ドラム間の相対位置が変化してし
まいトナ−の重ね合わせずれ(色ずれ)が発生するとい
う不都合を生ずることがあった。
【0008】逆に、エラストマ−系に比べて引っ張り弾
性率の比較的大きな熱可塑性樹脂フィルムのみを用いた
場合、1画像形成サイクル中の伸びは発生しない反面、
長時間(数千時間)の使用によってクリ−プが発生し、
規定の周長から外れてしまうため、ベルトを交換する等
の処置が必要であった。更に樹脂フィルムの場合、硬度
(圧縮弾性率)がエラストマ−系に比べて高いため、画
像転写時に画像の輪郭部以外が十分に転写されない”中
抜け”と呼ばれる現象が発生する不都合があった。
【0009】また、基材に伸びやクリ−プを防止する目
的で芯材(長繊維あるいはクロス)を種々の方法で埋め
込むことも検討されているが、この場合にはベルトの成
形方法が限定され、遠心成形法等のコスト面で有利な製
造方法を採用できないという問題点があった。
【0010】一方、表層が高弾性率熱可塑性樹脂フィル
ム、基層がエラストマ−からなり、変形防止を主として
表層の高弾性率に依存している多層構成のベルトの場
合、色ずれ、中抜け及びクリ−プの発生は防止できる
が、ベルトの製造を遠心成形法によって行う際に、熱可
塑性樹脂を用いることに伴う煩雑な温度管理が必要とな
り、その結果、製造装置が複雑高価になり、生産性が低
下し、製造コストの上昇を招くことになるという問題点
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】第1に色ずれ、中抜け
及びクリ−プを少なくした中間転写体を用いた画像形成
装置を提供することである。第2に該中間転写体の有利
な製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は少なくとも絶縁
性短繊維により補強されたエラストマ−からなる層を有
する無端ベルトであることを特徴とする中間転写体から
構成される。
【0013】また、本発明は第1の画像担持体上に形成
された画像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担
持体上に更に転写する画像形成装置において、該中間転
写体が少なくとも絶縁性短繊維により補強されたエラス
トマ−からなる層を有する無端ベルトであることを特徴
とする画像形成装置から構成される。
【0014】また、絶縁性短繊維により補強されたエラ
ストマ−からなる層がエラストマ−100重量部に対し
て絶縁性短繊維1重量部以上、50重量部以下を含有す
る本発明の画像形成装置から構成される。
【0015】また、絶縁性短繊維により補強されたエラ
ストマ−からなる層の引っ張り弾性率が200N/mm
2 以上である本発明の画像形成装置から構成される。
【0016】また、ベルトの厚み方向に測定した体積抵
抗率が105 〜1012Ω・mm2 である本発明の画像形
成装置から構成される。
【0017】また、本発明は第1の画像担持体上に形成
された画像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担
持体上に更に転写する画像形成装置において、該中間転
写体が少なくとも絶縁性短繊維により補強されたエラス
トマ−からなる層を有する無端ベルトであり、該無端ベ
ルトを遠心成形法により成形することを特徴とする画像
形成装置の製造方法から構成される。
【0018】本発明の中間転写体について詳細に説明す
る。ベルト用の基材には柔軟性が要求され、通常はエラ
ストマ−が使用される。本発明において絶縁性短繊維
(以下、短繊維という)に補強されたエラストマ−(短
繊維エラストマ−複合体)をベルト基材として用いる理
由は、エラストマ−を単独で用いた場合に不可避的に発
生する前述の色ずれやクリ−プ等の不都合を防止するた
めである。短繊維は一般に弾性率が高く、これを複合化
することにより、エラストマ−単独の場合よりは引っ張
り弾性率が向上し、上記不都合が防止される。短繊維エ
ラストマ−複合体の引っ張り弾性率は200N/mm2
以上が好ましく、これより小さいと張力による微小変形
により色ずれ発生の原因となることがある。
【0019】更に、エラストマ−は一般に低硬度であ
り、短繊維により複合化してもベルト硬度の上昇は少な
く、従って、中抜けは発生しにくい。
【0020】使用されるエラストマ−としては、例えば
天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニト
リルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコ−ン
ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピ
クロロヒドリンゴム、ノルボルネンゴム、エチレン−ア
クリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポ
リエチレン、多硫化ゴム及びフォスファゼンゴム等のゴ
ム類、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタ
ン系、ポルエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブ
タジエン系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル
系、天然ゴム系、フッ素ゴム系、トランス−ポリイソプ
レン系、塩素化ポリエチレン系等の熱可塑性エラストマ
−類等が挙げられる。上記エラストマ−のうち、ゴム類
については夫々のゴムに適した方法、例えば電子線等を
照射する放射線架橋法、硫黄、過酸化物類、アミン類等
を用いた化学架橋法あるいは主剤と硬化剤からなる2液
を混合する方法等により、架橋ゴムとすることが望まし
い。
【0021】次に、本発明において使用される短繊維と
しては、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、レ−ヨン、キ
ュプラ、アセテ−ト、プロミックス、ナイロン、アクリ
ル、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾエ−ト、
ポリクラ−ル等の化学繊維、セラミック繊維、ガラス繊
維、アラミド繊維、フェノ−ル系繊維、ポリウレタン系
繊維、フッ素系繊維等の特殊機能繊維等が挙げられる。
【0022】なお、本発明において絶縁性短繊維は、体
積抵抗率が1010Ω・cm以上であることが好ましい。
【0023】一方、炭素繊維、金属繊維あるいは導電剤
複合繊維等の導電性短繊維は、一般に半導電体であるベ
ルトの導電性を著しく高めると共にミクロな抵抗の不均
一を生じる場合がある。
【0024】短繊維の繊維長は特に限定されるものでは
ないが、一般的にはアスペクト比(=長さ/直径)が大
きいほど補強効果が大きいことが知られており、通常は
アスペクト比10以上が望ましい。一方、繊維長が長す
ぎると成形加工が困難となるため、通常は平均繊維長が
10mm以下であることが望ましい。繊維の直径につい
ては特に制限はないが、通常は平均20μm以下が望ま
しい。
【0025】上述のエラストマ−と短繊維を混合するこ
とによって得られる短繊維エラストマ−複合体が十分な
強度を有するためには、両者が良好な親和性または接着
性を有することが必要である。両者の単なる混合では親
和性が十分でない場合にはシラン系、チタネ−ト系、ア
ルミネ−ト系等のカップリング剤、脂肪酸、油脂、非イ
オン系界面活性剤、ワックス、カルボン酸系カップリン
グ剤、リン酸系カップリング剤等の表面処理剤等を用い
て短繊維の親和性を向上させるための処理をすることが
望ましい。あるいは、逆に、エラストマ−中に上記各種
表面処理剤、カップリング剤等、または、短繊維とエラ
ストマ−両者に親和性を有するグラフトまたはブロック
ポリマ−等を添加する方法も好ましく使用できる。
【0026】エラストマ−中に短繊維を混合する方法と
しては、公知のゴム混練りプロセスを採用してもよく、
また、適当な溶剤中にエラストマ−を溶解し、これに短
繊維を混合して分散液を得る方法であってもよい。
【0027】短繊維エラストマ−複合体中の短繊維の含
有量については特に制限はないが、通常はエラストマ−
100重量部に対して、短繊維1重量部以上、50重量
部以下が好適である。1重量部未満では補強効果が不十
分であり、50重量部を超えると加工性が悪くなる場合
がある。
【0028】中間転写体としては転写電流制御のための
電気抵抗調整が必要になる。これは上記短繊維により補
強されたエラストマ−に下記の導電性フィラ−から選ば
れた少なくとも1種を添加することにより実現される。
導電性フィラ−としては通常使用されるものであればい
ずれも使用できるが、特にカ−ボンブラック、グラファ
イト等の炭素系フィラ−、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チ
タン等に不純物イオンをド−ピングした金属酸化物系導
電性フィラ−等が好ましい。
【0029】上記短繊維により補強されたエラストマ−
からなる層のみによりベルトを構成することもできる
が、上記短繊維補強エラストマ−層を基層とし、その上
に表層あるいは更に表層の下(ベルトの内面)に裏面層
を設けた多層構成であってもよい。上記表層用材料は、
通常、離型性及び潤滑性が良好であることが望ましく、
必要ならばベ−スポリマ−中に離型剤、潤滑剤等を混合
し、更に必要に応じて上記導電性フィラ−から選ばれた
少なくとも1種を混合したものが使用される。
【0030】表層用離型剤または潤滑剤としてはステア
リン酸塩等の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEやP
TFE等のフッ素樹脂系粉末、二硫化モリブデン、グラ
ファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、シリコ−
ン樹脂粒子、シリコ−ンオイル及びシリコ−ンゴム粒子
等が挙げられる。
【0031】ベルトの抵抗は、厚み方向に測定した体積
抵抗率が105 〜1012Ω・cmの範囲にあることが好
ましい。この範囲よりも体積抵抗率が小さい場合、過大
な転写電流が流れ、逆に体積抵抗率が大きい場合には、
十分な電流が得られないため良好な転写が行われない。
ベルトが表層及び/または裏面層を有する場合には各層
ごとに体積抵抗率が異なるような構成とすることがで
き、その場合、全層にわたる体積抵抗率の好ましい範囲
は上述のとおりである。
【0032】上記短繊維エラストマ−複合体により形成
されたベルトの全膜厚は、3mm以下0.3mm以上が
よく、硬度はJIS−A型硬度計により表面側で測定し
た場合、40以上100以下であることが好ましく、表
層等を設けて多層化した場合にも上記範囲内であること
が好ましい。硬度がこの範囲より小さい場合は、転写時
の変形が大きすぎトナ−の位置ずれの原因となる。逆に
大きい場合には、転写部の圧力が上がりすぎるため中抜
けを発生することがある。
【0033】中間転写ベルトの製造方法としては、いく
つかの手段が考えられるが、短繊維エラストマ−複合体
からなる基層を含む無端ベルトの成形方法としては遠心
成形が特に好ましい。
【0034】遠心成形法では、液状の材料(エラストマ
−を溶剤に溶解し、短繊維や導電性フィラ−等を分散さ
せることにより液状とする場合が多い)を使用し、高速
で回転する円筒状ロ−タ−の内側に上記液状材料を投入
し、遠心力を利用して均一な膜厚に展開させた後、溶剤
を含む場合には溶剤の蒸発により固化させ、ポリウレタ
ン等の本来液状である材料の場合には触媒や硬化剤等の
作用により硬化させ、膜厚が均一で表面粗さ及び外径を
所定の値に制御した無端ベルトを製造することができ
る。
【0035】遠心成形法は次のような多くの利点を有す
る。即ち、表層、基層及び裏面層等からなる多層ベルト
であっても同一の設備で順次各層を積層する方法が採用
できるため、生産効率が高く、設備負担が少なく、装置
間での移し替え等の工程数を低減できる等の理由により
製造コストの引き下げが可能である。また、表層成形
後、その内側に重ねて液状の材料を投入し固化させて基
層とする等の工程を経るため、材料の組み合わせが適切
であれば接着層等を必要とせずに積層が可能である。厚
みの精度も出しやすい。また、ベルトの外径はロ−タ−
の内径と材料の収縮率で決まるため容易に制御できる。
【0036】前述のように中間転写体が高弾性率の熱可
塑性樹脂表層によりベルトの強度を確保するタイプの多
層ベルトである場合、これを遠心成形法により製造しよ
うとすると、表層が熱可塑性であることに伴い製造時の
温度管理が煩雑になる。即ち、固化または硬化したベル
トをロ−タ−から取り出す際にロ−タ−温度を下げない
とベルトの永久変形が起きやすいのである。固化または
硬化のための温度は通常かなりの高温であり、取り出し
温度は低温にせざるを得ず、ロ−タ−温度の上げ下げが
必要になる。その結果、装置が複雑化し生産性が低下す
る。
【0037】本発明は、基層に用いる短繊維エラストマ
−複合体によりベルトの強度を確保するものであり、従
って表層の材質は限定されず、熱硬化性エラストマ−
(加硫ゴム)を用いれば上記のような煩雑な温度管理は
不要となり、製造コストの低減が可能になる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成装置は例えば図
2に示すような電子写真プロセスを利用したカラ−画像
形成装置である。中間転写体として無端ベルトを使用し
ている。第1の画像担持体は、繰り返し使用される回転
ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)
であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロセススピ
−ド)をもって回転駆動される。感光ドラム1は回転過
程で、一次帯電器(コロナ放電器)により所定の極性・
電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手
段による画像露光を受けることにより目的のカラ−画像
の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した
静電潜像が形成される。
【0039】次いで、その静電潜像が第1現像器(マゼ
ンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナ−により
現像される。この時第2〜第4の現像器(例えばシア
ン、イエロ−、ブラック)の各現像器は作動オフになっ
ていて感光ドラムには作用せず、第1色のマゼンタトナ
−画像は第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0040】中間転写体は矢示の反時計方向に感光ドラ
ムと同じ周速度をもって回転駆動されている。中間転写
体は、無端ベルト形状であり、エラストマ−状弾性基層
と、その外周面に形成された樹脂層からなる。
【0041】図2において、感光ドラム上に形成担持さ
れた第1色のマゼンタトナ−画像が、感光ドラムと中間
転写体とのニップ部を通過する過程で、中間転写体に印
加される一次転写バイアスにより形成される電界によ
り、中間転写体の外周面に順次中間転写されていく。中
間転写体に対応する第1色のマゼンタトナ−画像の転写
を終えた感光ドラムの表面は、クリ−ニング装置により
清掃される。
【0042】以下同様に、第2色のシアントナ−画像、
第3色のイエロ−トナ−画像、第4色のブラックトナ−
画像が順次中間転写体上に重畳転写され、目的のカラ−
画像に対応する合成カラ−画像が形成される。
【0043】感光ドラムから中間転写体への第1色〜第
4色のトナ−画像の順次重畳転写のための一次転写バイ
アスは、トナ−とは逆極性(+)でバイアス電源から印
加される。その印加電圧は+2kV〜+5kVの範囲で
ある。
【0044】転写ロ−ラ−は中間転写体に対応し平行に
軸受けさせて下面部に接触させて配設してある。感光ド
ラムから中間転写体への第1色〜第4色のトナ−画像の
順次転写実行工程において、転写ロ−ラ−は中間転写体
から離間することも可能である。
【0045】中間転写体上に重畳転写された合成カラ−
トナ−画像の第2の画像担持体である転写材への転写
は、転写ロ−ラ−が中間転写体に当接されると共に、給
紙カセットから中間転写体と転写ロ−ラ−との当接ニッ
プに所定のタイミングで転写材が給送され、同時に二次
転写バイアスがバイアス電源から転写ロ−ラ−に印加さ
れる。この二次転写バイアスにより中間転写体から第2
の画像担持体である転写材へ合成カラ−トナ−画像が転
写される。トナ−画像転写を受けた転写材は定着器へ導
入され加熱定着される。転写材への画像転写終了後、中
間転写体上の転写残トナ−は中間転写体クリ−ナ−が当
接されクリ−ニングされる。
【0046】本発明における中間転写体は例えばつぎの
ように製造される。
【0047】フッ素ゴム溶剤に溶解し、導電性カ−ボ
ン、潤滑剤及び架橋剤を加え、ペイントシェ−カ−によ
り分散させて分散溶液を得た。該分散溶液を遠心成形機
に投入し表層を形成した。
【0048】基層の形成はアクリルゴムを溶剤に溶解し
て溶液とし、導電性カ−ボンを加えてペイントシェ−カ
−により分散させ、該分散溶液に短繊維としてビニロン
繊維、テトラエチレンペンタミンを加え撹拌機で撹拌す
ることにより成形用液状材料を得た。前述の表層成形に
引き続き、上記短繊維含有液状材料を遠心成形機に投入
し、表層と同一条件のもとで溶剤を蒸発させ、同時にア
クリルゴムをアミン架橋させることにより基層を積層し
た。成形されたベルトは、ロ−タ−内の温度設定を変更
せずに取り出すことができた。これにより、潤滑性を有
する表層と短繊維エラストマ−複合体により形成された
基層が積層された2層無端ベルトである中間転写体を得
た。
【0049】
【実施例】
実施例1 フッ素ゴムをベ−スポリマ−とする表層、及びビニロン
短繊維アクリルゴム複合体を基層とする2層ベルトを次
の方法で作成し、評価した。
【0050】(表層の形成)フッ素ゴム(商品名フロ−
レルFC−2145、住友スリ−エム(株)製)100
重量部を濃度20重量%となるように溶剤(DMAC)
に溶解し、導電性カ−ボン(商品名ケッチェンブラック
600JD、ケッチェンブラック・インタ−ナショナル
社製)7重量部、潤滑剤としてPTFE粒子(商品名ル
ブロンL−2、ダイキン工業(株)製)50重量部及び
架橋剤としてテトラエチレンペンタミン3重量部を加
え、ペイントシェ−カ−により30分間分散させたて分
散溶液を得た。該分散溶液100gを遠心成形機に投入
し、ロ−タ−回転数400RPM、ロ−タ−内温度10
0℃の条件下で30分間乾燥して硬化させることにより
表層を形成した。
【0051】遠心成形機の該略を図1に示す。遠心成形
機本体71の中心部に円筒状ロ−タ−72があり、最大
2000RPMで回転させることができる。ロ−タ−7
2は内径140mm、円筒部奥行き(ベルト幅)250
mm、表面材質は硬質クロ−ムメッキである。遠心成形
機本体71はスチ−ムによる加熱フィン73を有し、最
大180℃まで昇温可能であり、蒸発した溶剤を機外に
排出するための不図示のダクト及び送風機が取り付けら
れている。
【0052】(基層の形成)アクリルゴム(商品名Ni
polAR54、日本ゼオン(株)製)100重量部を
トルエンに溶解して20重量%の溶液とし、導電性カ−
ボン(商品名ケッチェンブラック600JD、ケッチェ
ンブラック・インタ−ナショナル社製)10重量部を加
えてペイントシェ−カ−により30分間分散させた。該
分散溶液に短繊維としてビニロン繊維(商品名チョップ
ドタイプAA、ユニチカ(株)製)10重量部、テトラ
エチレンペンタミン2重量部を加え撹拌機で30分間撹
拌することにより成形用液状材料を得た。上記ビニロン
繊維はカット長6mm、繊維径1.6デニ−ルであっ
た。前述の表層成形に引き続き、上記短繊維含有液状材
料400gを遠心成形機に投入し、表層と同一条件のも
とで溶剤を蒸発させ、同時にアクリルゴムをアミン架橋
させることにより基層を積層した。
【0053】成形されたベルトは、ロ−タ−内の温度設
定を変更せずに取り出すことができた。これにより、潤
滑性を有する表層と短繊維エラストマ−複合体により形
成された基層が積層された2層無端ベルトである中間転
写体を得た。中間転写体の全膜厚は950μm、厚さ方
向の体積抵抗値は108 Ω・cm、基層の引っ張り弾性
率は340N/mm2 であった。
【0054】(中間転写体の評価方法)画像出力、耐久
の評価に使用した転写装置である画像形成装置の該略図
を図2に示す。図2は電子写真プロセスを利用したカラ
−画像形成装置(複写機あるいはレ−ザ−ビ−ムプリン
タ−)である。中間転写体として無端ベルト20を使用
している。1は第一の画像担持体として繰り返し使用さ
れる回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム
と記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピ−ド)をもって回転駆動される。
【0055】感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の画像露光手段(カラ−原稿画像の色分解・結像
露光光学系・画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレ−ザ−ビ−ムを出力するレ−ザ−
キャスナによる走査露光系等)による画像露光3を受け
ることにより目的のカラ−画像の第一の色成分像(例え
ばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0056】次いで、その静電潜像が第1現像器41
(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナ−
Mにより現像される。この時第2〜第4の現像器42、
43、44(シアン、イエロ−、ブラック)の各現像器
は作動オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上
記第1色のマゼンタトナ−画像は上記第2〜第4の現像
器42〜44により影響を受けない。
【0057】中間転写体20は矢示の反時計方向に感光
ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。本
実施例中の中間転写体20は、無端ベルト形状であり、
図3に示すように、短繊維エラストマ−複合体により形
成された基層21と、その外周面に形成された潤滑性表
層22からなる。
【0058】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のマゼンタトナ−画像が、感光ドラム1と中間転写体
20とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に
印加される一次転写バイアスにより形成される電界によ
り、中間転写体20の外周面に順次中間転写されてい
く。中間転写体20に対応する第1色のマゼンタトナ−
画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリ−ニン
グ装置14により清掃される。以下同様に、第2色のシ
アントナ−画像、第3色のイエロ−トナ−画像、第4色
のブラックトナ−画像が順次中間転写体20上に重畳転
写され、目的のカラ−画像に対応する合成カラ−画像が
形成される。
【0059】25は転写ロ−ラ−で、中間転写体20に
対応し平行に軸受けさせて下面部に接触させて配設して
ある。
【0060】感光ドラム1から中間転写体20への第1
色〜第4色のトナ−画像の順次重畳転写のための一次転
写バイアスは、トナ−とは逆極性(+)でバイアス電源
61から印加される。その印加電圧は+2kV〜+5k
Vの範囲である。
【0061】感光ドラム1から中間転写体20への第1
色〜第4色のトナ−画像の順次転写実行工程において、
転写ロ−ラ−25は中間転写体20から離間することも
可能である。
【0062】中間転写体20上に重畳転写された合成カ
ラ−トナ−画像の第2の画像担持体である転写材24へ
の転写は、転写ロ−ラ−25が中間転写体20に当接さ
れると共に、給紙カセット9から中間転写体20と転写
ロ−ラ−25との当接ニップに所定のタイミングで転写
材24が給送され、同時に二次転写バイアスがバイアス
電源29から転写ロ−ラ−25に印加される。この二次
転写バイアスにより中間転写体20から第2の画像担持
体である転写材24へ合成カラ−トナ−画像が転写され
る。トナ−画像転写を受けた転写材24は定着器51へ
導入され加熱定着される。転写材24への画像転写終了
後、中間転写体20上に転写残トナ−は中間転写体クリ
−ナ−35が当接されクリ−ニングされる。
【0063】(中間転写体の評価)この装置に本実施例
で作成した中間転写体を搭載し、50Nの張力を加え、
画像出力の耐久テストを行った。テストは300枚のカ
ラ−のテストパタ−ンイメ−ジを連続で出力した後、2
00時間回転のみの連続運転を行い(張力は一定)、再
び300枚の出力を行うサイクルを繰り返し、試験開始
から2000時間経過後の中間転写体のクリ−プを測定
した。画像評価は最初の出力300枚目についてのみ行
い、顕微鏡観察によるトナ−の重ね合わせずれ(色ず
れ)及び中抜けの発生の有無を調査した。なお、クリ−
プは試験終了後の中間転写体の周長を実測により計測
し、下式により算出した。 クリ−プ(%)=(試験終了時の周長−初期の周長)/
初期の周長×100 上記耐久テストの結果を示す。 クリ−プ : 0.4% 色ずれ : 50μm 中抜け : 発生せず
【0064】実施例2 単層ベルトを次の方法で作成し、評価した。アクリルゴ
ム(商品名NipolAR54、日本ゼオン(株)製)
100重量部をトルエンに溶解して20重量%の溶液と
し、導電性カ−ボン(商品名ケッチェンブラック600
JD、ケッチェンブラック・インタ−ナショナル社製)
10重量部、PTFE粒子(商品名ルブロンL−2、ダ
イキン工業(株)製))40重量部を加えてペイントシ
ェ−カ−により30分間分散させた。該分散溶液に短繊
維としてアラミド繊維(商品名ケブラ−ドライパルプ、
デュポン社製)10重量部、テトラエチレンペンタミン
2重量部を加え撹拌機で30分間撹拌することにより成
形用液状材料を得た。上記アラミド繊維は平均長0.8
mm、繊維径3μmであった。上記短繊維含有液状材料
500gを前記遠心成形機に投入し、ロ−タ−回転数4
00RPM、ロ−タ−内温度100℃の条件下で30分
間乾燥して硬化させることにより単層無端ベルトである
中間転写体を得た。成形された上記無端ベルトはロ−タ
−内温度設定を変更せずに取り出すことができた。該単
層無端ベルトの表面には遠心力を受けてPTFE粒子が
濃縮され、表面の潤滑性が向上していた。
【0065】得られた中間転写体の全膜厚は950μ
m、厚さ方向の体積抵抗値は8.0×107 Ω・cm、
基層の引っ張り弾性率は420N/mm2 であった。上
記中間転写体の評価は実施例1と同様にして行い、次の
結果を得た。 クリ−プ : 0.3% 色ずれ : 45μm 中抜け : 発生せず
【0066】比較例1 ビニロン繊維を添加しなかったことの他は、実施例1と
同様にして表層及び基層を形成した。得られたベルトを
用いて実施例1と同様の条件で耐久テストを行い、次の
結果を得た。なお、ベルトの全膜厚及び体積抵抗率は実
施例1と大差なく、基層の引っ張り弾性率は75N/m
2 であった。 クリ−プ : 15.2% 色ずれ : 270μm 中抜け : 発生せず
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、第1に画像形成中に色
ずれが少なく、中抜けの発生しない、かつ、クリ−プの
小さな中間転写体を備えた画像形成装置を提供でき、第
2にコストの低減された中間転写体を製造できるという
顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる遠心成形機の1例の該略図であ
る。
【図2】本発明のカラ−画像形成装置の1例の該略図で
ある。
【図3】本発明に用いる中間転写体の1例の模式断面図
である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 一次帯電器 3 画像露光 9 給紙カセット 14 クリ−ニング装置 20 中間転写体 21 基層 22 表層 24 転写材 25 転写ロ−ラ− 29 バイアス電源 35 中間転写体クリ−ナ− 41 第1現像器(マゼンタ現像器) 42 第2現像器(シアン現像器) 43 第3現像器(イエロ−現像器) 44 第4現像器(ブラック現像器) 51 定着器 61 バイアス電源 71 遠心成形機本体 72 ロ−タ− 73 加熱フィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿井 仁志 茨城県稲敷郡茎崎町茎崎1888−2キヤノン 化成株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも絶縁性短繊維により補強され
    たエラストマ−からなる層を有する無端ベルトであるこ
    とを特徴とする中間転写体。
  2. 【請求項2】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が少なく
    とも絶縁性短繊維により補強されたエラストマ−からな
    る層を有する無端ベルトであることを特徴とする画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 絶縁性短繊維により補強されたエラスト
    マ−からなる層がエラストマ−100重量部に対して絶
    縁性短繊維1重量部以上、50重量部以下を含有する請
    求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 絶縁性短繊維により補強されたエラスト
    マ−からなる層の引っ張り弾性率が200N/mm2
    上である請求項1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 ベルトの厚み方向に測定した体積抵抗率
    が105 〜1012Ω・mm2 である請求項1記載の画像
    形成装置。
  6. 【請求項6】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が少なく
    とも絶縁性短繊維により補強されたエラストマ−からな
    る層を有する無端ベルトであり、該無端ベルトを遠心成
    形法により成形することを特徴とする画像形成装置の製
    造方法。
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