JPH10240025A - 中間転写体、該中間転写体を用いた電子写真装置及び該中間転写体の最外層の評価方法 - Google Patents

中間転写体、該中間転写体を用いた電子写真装置及び該中間転写体の最外層の評価方法

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JPH10240025A
JPH10240025A JP5545197A JP5545197A JPH10240025A JP H10240025 A JPH10240025 A JP H10240025A JP 5545197 A JP5545197 A JP 5545197A JP 5545197 A JP5545197 A JP 5545197A JP H10240025 A JPH10240025 A JP H10240025A
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Takuya Konno
卓哉 今野
Hitoshi Kakii
仁志 柿井
Yoko Hori
陽子 堀
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Canon Chemicals Inc
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クラックやクリ−プ等の発生がなく長期の耐久
性に優れる、飛び散りの発生しない、中間転写体を提供
することである。 【解決手段】第1の画像担持体上に形成された画像を中
間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上にさらに
転写する多層無端ベルトからなる中間転写体において、
該中間転写体の最外層の動的貯蔵弾性率が、応力振動周
波数0.1Hz〜10Hzの引っ張り負荷の条件で、1
0℃〜60℃の温度領域で1MPa〜200MPaの範
囲にあることを特徴とする中間転写体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を一時的に保
持する中間転写体および該中間転写体を用いた電子写真
装置、また該中間転写体の最外層評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した電子写真装置は、
被記録体をグリッパ−に把持する、吸着する、曲率をも
たせる等の手段を必要とせずに複数の成分色画像を順次
積層転写してカラ−画像を作成できるため、各色のトナ
−画像を重ね合わす際に色ズレを少なくすることが可能
なだけでなく、被記録体を多種多様に選択することがで
きるため非常に有効である。
【0003】このような利点のため、既に市場において
中間転写体を用いたカラ−複写機、カラ−プリンタ−等
が稼働し始めている。
【0004】中間転写体の形状としては、ドラム状ある
いはベルト状のものが考えられるが、装置全体のコスト
の引き下げが可能であることや転写体配置設計の自由度
が高いこと等からベルト状中間転写体が有効である。
【0005】しかし、ベルト形状の中間転写体使用時に
は次の問題点があった。
【0006】中間転写ベルトは、軸間(通常3軸)に張
架された規定の応力が負荷され回転する。また装置の使
用環境は通常の事務機器の使用環境と同様に、例えば4
0℃、90%のような高温高湿から10℃、10%のよ
うな低温低湿下まで幅広いものになる一方で、耐用年数
としては5年以上の長期にわたるため、このような環境
下及び使用期間内に中間転写体の諸特性に劣化が起こる
ことがあった。
【0007】中間転写体は通常表面性や内部の物性の適
当な制御の容易性から多層構造を採ることが多い。画像
の転写性の視点で見れば、最外層(被覆層)はトナ−画
像担持面であるため、弾性率は高い方がよい。つまり主
材料の弾性率がエラストマ−系等の小さいものである
か、硬度が低いものであると転写時において、図5に示
したような画像の周辺にトナ−が飛び散ってしまう、い
わゆる「飛び散り」が発生することがあった。逆に硬度
が高すぎる場合、図4に示したような画像の輪郭部以外
が転写されない、「中抜け」と呼ばれる不具合が発生す
ることがあった。つまり、図6に示したような良好な転
写状態を実現するためには、最外層材料の弾性率や硬度
には適正な硬度や弾性率の領域が存在し、この範囲にあ
る材料を使用するのが好ましい。
【0008】一方で、ベルトとしての耐久性の視点から
見れば、中間転写体の表面層に弾性率の高い材料を使用
した場合、繰り返し回転や、長期にわたる負荷の影響
で、中間転写体表面にクラックが生じたり、クリ−プの
発生のために、ベルトの周長が変化してしまい画像の転
写に影響を与えるという不具合が生ずることがあった。
【0009】従って、飛び散りや中抜けが発生せず、か
つ最外層にクリ−プやクラックの発生しない長期に安定
な中間転写体とするには、これらの物性(弾性率や硬度
等)を適正な領域内に制御する必要がある。
【0010】しかしながら、上記の画像転写性と耐久性
の両面から中間転写体の最外層物性を考える場合、種々
な問題点があった。
【0011】例えば、硬さの目安となる硬度値を用いて
材料の物性を考察しようとする場合、JIS−A法では
押し圧が大きすぎて最外層の硬度を特定できないし、マ
イクロ硬度法では、最外層が100μm程度の場合下地
(基層)による影響で、微妙な差が検出できないため、
耐久寿命との明確な相関が分からなかった。この際、最
外層材料を数mm程度に成形し硬度の厳密な測定が可能
な程度に厚く成形する方法もあるが、肉厚にする必要性
から、硬度測定用サンプルの成形はキャスト法等に限定
されてしまうのに対して、実際は100μm以下の薄肉
で成形され、かつスプレ−塗工や遠心成形等の方法を採
るため硬化物の物性値が違ったものになってしまう。
【0012】また、硬さの一つの目安となる弾性率を、
通常よく用いられる、引っ張り試験等による静的弾性率
測定法により測定すれば相対的な違いはある程度特定で
きるものの、実際にベルトに掛る応力は、周期性を有す
る繰り返し応力であるため、耐久寿命との定量的な相関
は得られにくい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
クラックやクリ−プ等の発生がなく長期の耐久性に優れ
る、飛び散りの発生しない、中間転写体及び該中間転写
体を用いた電子写真装置を提供すること、第2の目的は
転写性と耐久性の両面から中間転写体最外層の適当な物
性値を決定する評価方法を提供することである。る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は第1の画像担持
体上に形成された画像を中間転写体上に転写した後、第
2の画像担持体上にさらに転写する多層無端ベルトから
なる中間転写体において、該中間転写体の最外層の動的
貯蔵弾性率が、応力振動周波数0.1Hz〜10Hzの
引っ張り負荷の条件で、10℃〜60℃の温度領域で1
MPa〜200MPaの範囲にあることを特徴とする中
間転写体から構成される。
【0015】また、本発明の中間転写体においては、最
外層が樹脂を主成分とし、基層がエラストマ−系材料で
ある構成とすることができる。
【0016】また、本発明の中間転写体においては、最
外層の主成分樹脂がポリエステル樹脂である構成とする
ことができる。
【0017】また、本発明の中間転写体においては、最
外層の主成分樹脂がポリエステルポリウレタン樹脂であ
る構成とすることができる。
【0018】また、本発明の中間転写体においては、基
層の主成分がポリウレタン系エラストマ−である構成と
することができる。
【0019】また、本発明の中間転写体においては、最
外層の体積抵抗率が10 〜1016(Ω・cm)で
ある構成とすることができる。
【0020】また、本発明は、前記本発明の中間転写体
を用いた電子写真装置から構成される。
【0021】また、本発明は、前記動的粘弾性測定を用
いた中間転写体用最外層の評価方法から構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の中間転写体は図1に示し
ように、少なくとも基層21と、この上に設けた最外層
22とを有する。基層21はエラストマ−で形成され、
最外層22は上記の動的粘弾性特性を満足するものであ
る。形状としては、無端ベルト状あるいは筒状であり、
継ぎ目のないものが好ましい。
【0023】また、本発明の電子写真装置は、電子写真
感光体と、これを帯電させる帯電手段と、これに対して
像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、前記静
電潜像を現像して感光体上にトナ−像を形成する現像手
段と、前記トナ−像が転写される中間転写体を有するも
のである。
【0024】更に、本発明の中間転写体最外層の評価方
法は、最外層の使用温度域における動的貯蔵弾性率を粘
弾性試験で、試験条件として応力振動周波数0.1Hz
〜10Hzの引っ張り測定で、昇温速度は1℃/分によ
り行うものである。
【0025】粘弾性試験機はフィルム等の熱分析用に市
販されているものであれば、使用可能であり、上記以外
の測定条件、例えば試験片の断面積や長さ、初期張力
や、初期歪み等は特に限定されるものではなく、得よう
とする特性デ−タ(動的貯蔵弾性率や損失弾性率、損失
正接等)の本来の値を損ねない範囲で、装置仕様に準ず
る形で決定される。1例を挙げれば、試験片形状とし
て、厚み150μm、幅10mm、長さ20mm、初期
張力110%、振幅変位80μm等である。
【0026】以下、本発明の中間転写体について詳細に
説明する。
【0027】先ず、耐久寿命の推定は、繰り返し応力下
での材料疲労についての考察であるため、応力、弾性
率、温度、更に時間(周期)、これらをモデル化した形
で論ずることが重要となる。本発明者等は、熱物性測定
の1つである動的粘弾性特性をもちいて、各種ポリマ−
類と耐久寿命との相関を検討した結果、この系のモデル
における相関を見いだすことができた。
【0028】即ち、充分な耐久性(連続負荷回転で、4
00時間以上)を有し、かつ、画像転写にも悪影響を及
ぼさない物性値としては、最外層の貯蔵弾性率が動的粘
弾性試験において応力振動周波数0.1Hz〜10Hz
の引っ張り負荷の条件で、10℃〜60℃の温度領域で
1MPa〜200MPaの範囲にあることが必要であ
る。更には飛び散り等の画像転写性との両立を考えれば
50MPa〜200MPaの範囲にあることが好まし
く、特には100MPa−200MPaの範囲にあるこ
とが好ましい。200MPa以上であると応力負荷によ
り、クラックが生じていまい400時間も持たないし中
抜け等の不具合の1因となる。逆に1MPa未満である
と、転写時に画像の飛び散りや重ね合わせずれ等の不具
合の1因となる。
【0029】本発明の具体的な中間転写体の形成方法に
ついて説明する。最外層に使用される主材料として貯蔵
弾性率を前記の範囲に調節可能な、樹脂類やエラストマ
−類または、両者のブレンド等が使用可能であるが、こ
れに限定されるものではない。また、主たるバインダ−
ポリマ−は単一成分でもブレンドでも使用可能であり、
可塑材等の添加により物性の調整を行ってもよい。
【0030】具体的な主材料としてはポリエステル系樹
脂、特にはポリエステルにある程度のウレタンを含んだ
ポリエステルポリウレタン樹脂が好ましい。
【0031】これらのポリマ−を、分子構造の調整やブ
レンド、可塑剤の添加等により動的粘弾性特性が応力振
動周波数0.1Hz〜10Hzの引っ張り負荷の条件
で、10℃〜60℃の温度領域で1MPa〜200MP
aの範囲にあるように、調整し、バインダ−とする。
【0032】実際の中間転写体としては最外層及び基層
各々について転写電流制御のための電気抵抗調整が必要
になるが、抵抗調整方法として、導電性フィラ−を用い
るのが好ましい。
【0033】導電性フィラ−の種類としては通常使用さ
れる導電性フィラであれば何れも使用できるが、特に好
ましくはファ−ネスブラック、アセチレンブラック、ケ
ッチェンブラック、グラファイト、カ−ボンファイバ−
等のカ−ボン系フィラ−や、酸化スズや酸化亜鉛の不純
物ド−ピング品に代表される金属酸化物系の導電性フィ
ラ−等の添加混練により行われる。
【0034】最外層の体積抵抗率は107 〜1016 Ω
・cmの範囲 にあることが好ましい。この範囲よりも体
積抵抗率が小さい場合、過大な転写電流が流れ、逆に体
積抵抗率が大きい場合には、充分な電流が得られないた
め良好な転写が行われない。
【0035】最外層の膜厚は、具体的には20μm〜3
00μm、更には40μm〜200μm、特には80μ
m〜150μmがよい。300μm以上であると、最外
層の抵抗分が上昇し、中間転写体全体の抵抗調整を難し
くする。逆に20μm以下であると、最外層が膜として
の強度を出せない。
【0036】成形方法は、最外層原料を塗料化し、成形
後硬化させるものであり、基層形成後にスプレ−あるい
はディッピング等により最外層を形成する方法の他、別
々に成形された各層を接着剤等で張り合せても得られ
る。更には、遠心成形法により予め最外層を形成し、続
けて基層を同手法により形成する方法が下記の理由で好
ましい。
【0037】即ち、最外層、基層共、同一の設備で連続
的に生産するため、設備負担が少なく、装置間での移し
換えの工数も低減できる。また、最外層成形後に液状の
基層を投入こかさせるため、適切な材料の組み合わせに
よれば接着剤等を必要とせず、厚みの精度も出やすい。
【0038】図2は本発明において使用される遠心成形
機の該略図である。74は成形機の断熱炉であり、スチ
−ムによる加熱手段73を有し最大180℃まで可能に
なっている、炉内にある成形用材料を投入するロ−タ−
72は内径140mm、円筒部奥行(ベルト幅)250
mmである。本ロ−タ−はシャフト77及び駆動ベルト
76を介し、外部モ−タ−75により駆動される。78
は遠心成形機で成形される成形物、79はモ−タ−75
の回転を駆動ベルト76に伝達するシャフトである。
【0039】基層に使用される材料としては、例えばス
チレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合
体、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチ
ルゴム、シリコ−ンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、
ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム
及びノルボルネンゴム等が挙げられる。
【0040】基層の静的引っ張り弾性率は実際に使用さ
れる装置における中間転写体ベルトのテンション設定
と、規定の周長に合わせて決定されるが、通常10MP
a〜200MPaの範囲である。
【0041】基層の形成方法としては、押し出し成形、
遠心成形等が挙げられる。基層の膜厚は0.5mm〜2
mmの範囲であることが好ましい。
【0042】
【実施例】
実施例1 (中間転写体の作成)最外層はポリエステルポリウレタ
ン100重量部をバインダ−ポリマ−濃度が20wt%
となるように溶剤(メチルエチルケトン)に溶解し、導
電性酸化チタン(商品名FT−3000、石原テクノ
(株)製)10重量部を加え、ペイントシェ−カ−によ
り30分間分散させた後、遠心成形機により、乾燥成形
を行った。
【0043】基層はポリウレタンにより次のように作成
した。ポリエステル系ポリオ−ル100重量部を80℃
に加熱し導電性カ−ボン(商品名ケッチェンブラック6
00JD、ケチェンブラック・インタ−ナショナル
(株)製)10部を加え撹拌機で1時間分散し、これに
80℃に加熱されたMDI系イソシアネ−ト60重量部
を加え3分間撹拌機で分散させた後、最外層成形後に引
き続き遠心成形機に投入し、加熱硬化を行った。その後
80℃、1時間の条件でエ−ジングを行ってから常温ま
で自然冷却を行い、成形機より取り出し端部切断を行
い、中間転写体を得た。
【0044】得られた中間転写体は最外層膜厚140μ
m、基層膜厚600μmであった。最外層の物性評価は
粘弾性試験により行った。試験は実使用時の応力の周期
を考慮し、1Hzを基準周波数として、測定を行った。
周波数は10Hzより大きくても0.1Hzより小さく
ても転移点近傍の弾性率デ−タのシフトの影響を受ける
ため、実使用の応力負荷環境を反映したものにならな
い。測定範囲は使用温度領域を充分カバ−できる領域、
即ち、−20℃〜+100℃とし、昇温速度1℃/分で
貯蔵弾性率、損失弾性率および損失正接を測定する。
【0045】本例と同様にして作成した最外層のみの粘
弾性試験における貯蔵弾性率は10℃、10%RHで1
90MPa、40℃、80%RHで50MPaであっ
た。
【0046】また、基層の引っ張り弾性率は40MPa
であった。
【0047】中間転写体の体積抵抗値は108 Ω・cm
であり、最外層の単独の体積抵抗値は109 Ω・cm、
基層の体積抵抗値は108 Ω・cmである。
【0048】(評価)耐久寿命評価は中間転写体を2軸
間に張架し(軸径は、駆動軸10mmφ、従動軸10m
mφ)、これに0.4N/mm2 の応力を加え、周速1
20mm/分で連続回転を行い、最外層のクラックの有
無を観察し、クラックが発生した時点で、耐久寿命とし
た。試験環境は、23℃、60%RH及び10℃、15
%RHの2基準である。試験は50時間毎の最外層の目
視観察を行いながら継続したが、500時間までの連続
運転において最外層のクラックは発生しなかった。試験
終了時の中間転写体の外周長を測定した結果、伸びは
0.2%以内であり、クリ−プは発生していないことが
分かった。
【0049】画像出力評価の概要を、図3に示した中間
転写体として無端ベルト20を使用した電子写真装置を
参照して説明する。1は繰り返し使用される回転ドラム
型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)であ
り、矢示の時計方向に所定の周速度(プロセススピ−
ド)を以て回転駆動される。感光ドラム1は回転過程
で、一次帯電器(コロナ放電器)2により所定の極性・
電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手
段による画像露光3を受けることにより目的のカラ−画
像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応し
た静電潜像が形成される。
【0050】次いで、その静電潜像が第1現像器41
(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナ−
Mにより現像される。この時、第2〜第4の現像器4
2、43、44(シアン、イエロ−、ブラック)は作動
オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1
色野マゼンタトナ−画像は上記第2〜第4の現像器42
〜44により影響を受けない。
【0051】感光ドラム1上に担持された上記第1色の
マゼンタトナ−画像は、感光ドラム1と中間転写体20
とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に印加
される一次転写バイアス電圧により中間転写体20の外
周面に転写されていく。一次転写バイアス電圧はバイア
ス電源30により印加される。
【0052】中間転写体20は支持ロ−ラ−60、6
1、62及び63に支持されて矢示の時計方向に感光ド
ラム1と同じ周速度をもって回転駆動される。第1色の
マゼンタトナ−画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリ−ニング装置14により清掃される。
【0053】次いで、同様に第2色のシアントナ−画
像、第3色のイエロ−トナ−画像、第4色のブラックト
ナ−画像が順次中間転写体20上に転写され、目的のカ
ラ−画像に対応した合成カラ−トナ−画像が形成され
る。
【0054】25は転写ロ−ラ−で、中間転写体20に
接触したり、離れたりできるように配設してある。中間
転写体20上のトナ−画像は、中間転写体20と転写ロ
−ラ−25とで挟持された記録材24へ転写される。転
写ロ−ラ−25にはバイアス電源29から二次転写バイ
アス電圧が印加されており、この二次転写バイアス電圧
により合成カラ−トナ−画像は記録材24へ転写され
る。
【0055】紙等の転写材24は給紙カセット9から中
間転写体20の回転に同期して給送される。転写ロ−ラ
−25は、トナ−画像が感光ドラム1から中間転写体2
0に転写する際には中間転写体から離れている。
【0056】トナ−画像の転写された転写材24は、定
着器51へ搬送され、加熱定着される。その後、中間転
写体20上の残トナ−は、中間転写体に当接されたクリ
−ナ−35によりクリ−ニングされる。
【0057】一次転写バイアス電圧は、トナ−とは逆極
性(+)で+100V〜+4kVが好ましい。
【0058】上述した装置の説明では、カラ−電子写真
装置を例としたが、本発明の中間転写体は単色の電子写
真装置にも当然用いることができる。
【0059】この装置に中間転写体を搭載し、0.4N
/mm2 の応力を加え、テストパタ−ンによる画像出力
を行い、初期出力10枚目について中抜け及び飛び散り
の発生状況を顕微鏡による100倍の拡大観察によって
調査した。
【0060】また、耐久に伴う出力画像評価としては連
続回転を行い、50時間毎に、10枚のカラ−画像出力
を行い、10枚目の出力画像について中抜け及び飛び散
りの発生状況を顕微鏡による100倍の拡大観察によっ
て調査した。
【0061】評価の結果、初期及び耐久評価中の画像出
力において中抜けや飛び散りは図6に示した転写後の拡
大写真のごとく発生しておらず、良好なものであった。
【0062】実施例2 最外層の主材料にポリアミドを用いた他は、実施例1と
同様にして中間転写体を作成した。ポリアミドはメタノ
−ルに溶解させた後塗料化を行っている。
【0063】本例と同様にして作成した最外層のみの粘
弾性試験における貯蔵弾性率は10℃、10%RHで4
5MPa、40℃、80%RHで8MPaであった。
【0064】また、基層の引っ張り弾性率は40MPa
であった。
【0065】中間転写体の体積抵抗値は108 Ω・cm
であり、本例と同じ方法で最外層を単独で成形したもの
は体積抵抗値109 Ω・cmであり、同様に基層の体積
抵抗値は108 Ω・cmであった。
【0066】この中間転写体の評価を実施例1と同様の
方法で行った結果、500時間までの連続運転において
最外層のクラックは発生しなかった。また、目視で確認
できる状態変化は起こらなかった。
【0067】試験終了時の中間転写体の外周長を測定し
た結果、伸びは0.1%以内であり、クリ−プは発生し
ていないことが分かった。また、初期及び耐久評価中の
画像出力において中抜けや飛び散りは発生しておらず、
良好なものであった。
【0068】実施例3 基層にEPDMを用いた他は、実施例1と同様にして、
中間転写体を作成した。
【0069】本例と同様にして作成した最外層のみの粘
弾性試験における貯蔵弾性率は10℃、10%RHで7
0MPa、40℃、80%RHで15MPaであった。
【0070】また、基層の引っ張り弾性率は1MPaで
あった。
【0071】中間転写体の体積抵抗値は108 Ω・cm
であり、本例と同じ方法で最外層を単独で成形したもの
は体積抵抗値109 Ω・cmであり、同様に基層の体積
抵抗値は108 Ω・cmであった。
【0072】この中間転写体の評価を実施例1と同様の
方法で行った結果、500時間までの連続運転において
最外層のクラックは発生しなかった。また、目視で確認
できる状態変化は起こらなかった。
【0073】試験終了時の中間転写体の外周長を測定し
た結果、伸びは0.2%以内であり、クリ−プは発生し
ていないことが分かった。また、初期及び耐久評価中の
画像出力において中抜けや飛び散りは発生しておらず、
良好なものであった。
【0074】比較例1 最外層の主材料にポリエステル樹脂を用いて、粘弾性試
験における貯蔵弾性率が10℃、10%RHで220M
Pa、40℃、80%RHで80MPaになるようにし
た他は、実施例1と同じ方法によって中間転写体を作成
した。
【0075】この中間転写体を用いて実施例1と同じ方
法で評価した結果、耐久回転において23℃、60%R
Hでは、最外層に変化はなかったものの、10℃、15
%RHの環境下では、70時間経過時に最外層に1mm
程度の微小なクラックが確認され、その後の試験継続で
は100時間でこれが数cmに成長し、ここへの応力集
中に起因して、120時間でベルトに亀裂が入ってしま
った。
【0076】また、画像評価においては、50時間経過
後の出力画像にクラックが原因と考えられる、スジが数
ヶ所発生し、100時間では、明らかな転写不良が、中
間転写体亀裂部に対応して発生していた。
【0077】比較例2 最外層の主材料にアクリロニトリル−ブタジエンゴム
(商品名NBR、日本合成ゴム(株)製)を用いた他
は、実施例1と同じ系の材料及び方法によって中間転写
体を作成した。最外層のみの粘弾性試験における貯蔵弾
性率が10℃、10%RHで0.1MPa、40℃、8
0%RHで0.05MPaであった。
【0078】耐久評価試験において、最外層のクラック
やクリ−プ等の問題は発生しなかった一方で、画像評価
では、40℃、80%RHでの画像評価において、最外
層の貯蔵弾性率が低過ぎることに起因して初期の出力画
像に図5に示すごとく画像飛び散りや色の重ねあわせず
れが発生し、耐久時にこれが改善されることはなかっ
た。なお、10℃、10%RHでの評価では、問題は発
生しなかった。
【0079】比較例3 最外層の主材料にポリ塩化ビニルを用い、粘弾性試験に
おける貯蔵弾性率を10℃、10%RHで1000MP
a、40℃、80%RHで700MPaに調整した他
は、実施例1と同じ方法によって中間転写体を作成し
た。
【0080】この中間転写体を用いて実施例1と同じ方
法で評価した結果、耐久回転において23℃、60%R
Hで10時間経過時に最外層にクラックが確認され、そ
の後の試験継続では2時間でベルトに亀裂が入ってしま
った。また、画像評価においては、イニシャルの出力画
像に図4で示すような中抜けが発生した。
【0081】比較例4 硬度と寿命の相関を見るために材料組成により最外層の
硬度を変え、更に基層の圧縮弾性率を変化させ、実施例
1と同様の方法で3つの中間転写体A、B及びCを作成
した。
【0082】中間転写体A:ポリエステルポリウレタン
100重量部にポリ塩化ビニルを20重量部加え、最外
層用バインダ−とした。基層はポリウレタンであり、J
IS−A硬度92のものを使用した。 中間転写体B:ポリエステルポリウレタン100重量部
にポリ塩化ビニルを40重量部加え、最外層用バインダ
−とした。基層はポリウレタンであり、JIS−A硬度
92のものを使用した。 中間転写体C:ポリエステルポリウレタン100重量部
にポリ塩化ビニルを5重量部加え、最外層用バインダ−
とした。基層はポリウレタンであり、JIS−A硬度9
1のものを使用した。
【0083】硬度値は成形後のサンプルの最外層側から
JIS−A硬度計及びマイクロ硬度計により測定した。
【0084】この中間転写体を用いて実施例1と同じ方
法で評価した結果、実施例1〜3、比較例1及び2にお
いて行った最外層評価方法である本発明において提示す
る動的貯蔵弾性率による評価結果と異なり、表1に示す
ごとく耐久回転結果と硬度値との間に定量的な相関を見
出すことはできなかった。ただし、判定は500時間以
上を○、100時間未満を×とした。
【表1】
【0085】
【発明の効果】本発明の中間転写体は、高温高湿や低温
低湿の環境下における長時間の連続運転においてもクラ
ックやクリ−プの発生しない、高耐久なものであるとい
う効果を奏する。また、本発明の中間転写体を用いた電
子写真装置は画像転写時の中抜けや、飛び散りが発生し
ないという効果を奏する。更に、本発明による中間転写
体の最外層の評価方法によれば、材料の設計段階におい
て、高画質、高耐久なものに調整できるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写体の1例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の中間転写体を製造する遠心成形機の1
例を示す斜視図である。
【図3】本発明の電子写真装置の1例を示す側面図であ
る。
【図4】画像評価による中抜けの発生例である。
【図5】画像評価による飛び散りの発生例である。
【図6】画像評価による良好な転写例である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 一次帯電器 3 画像露光 9 給紙カセット 14 クリ−ニング装置 20 中間転写体 21 基層 22 最外層 24 転写材 25 転写ロ−ラ 29 二次バイアス電源 30 一次バイアス電源 35 中間転写体クリ−ナ− 41 第1現像器(マゼンタ現像器) 42 第2現像器(シアン現像器) 43 第3現像器(イエロ−現像器) 44 第4現像器(ブラック現像器) 51 定着器 60 支持ロ−ラ 61 支持ロ−ラ 62 支持ロ−ラ 63 支持ロ−ラ 72 ロ−タ− 73 スチ−ムによる加熱手段 74 成形機の断熱炉 75 外部モ−タ− 76 駆動ベルト 77 シャフト 78 成形物 79 シャフト

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する多層無端ベルトからなる中間転写体において、
    該中間転写体の最外層の動的貯蔵弾性率が、応力振動周
    波数0.1Hz〜10Hzの引っ張り負荷の条件で、1
    0〜60℃の温度領域で1〜200MPaの範囲にある
    ことを特徴とする中間転写体。
  2. 【請求項2】 前記最外層が樹脂を主成分とし基層がエ
    ラストマ−系材料である請求項1記載の中間転写体。
  3. 【請求項3】 前記最外層の主成分がポリエステル樹脂
    である請求項2記載の中間転写体。
  4. 【請求項4】 前記最外層の主成分がポリエステルポリ
    ウレタン系樹脂である請求項2記載の中間転写体。
  5. 【請求項5】 前記基層の主成分がポリウレタン系エラ
    ストマ−である請求項2記載の中間転写体。
  6. 【請求項6】 前記最外層の体積抵抗率が107〜10
    16(Ω・cm)である請求項1〜5記載の中間転写体。
  7. 【請求項7】 電気抵抗の調整が導電性フィラ−により
    行われ、無端ベルトの厚み方向に測定した体積抵抗率が
    107〜1015(Ω・cm)である請求項1〜6記載の
    中間転写体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の中間転写体を用いた電子
    写真装置。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の中間転写体を用いた電子
    写真装置。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の中間転写体を用いた電
    子写真装置。
  11. 【請求項11】 請求項4記載の中間転写体を用いた電
    子写真装置。
  12. 【請求項12】 請求項5記載の中間転写体を用いた電
    子写真装置。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の中間転写体を用いた電
    子写真装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の動的粘弾性率測定を用
    いた中間転写体用最外層の評価方法。
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