JP3874359B2 - 中間転写体、この中間転写体を用いた電子写真装置、および中間転写体の製造方法 - Google Patents

中間転写体、この中間転写体を用いた電子写真装置、および中間転写体の製造方法 Download PDF

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本発明は、画像形成工程で画像を一時的に保持する中間転写体、この中間転写体を用いた電子写真装置、および中間転写体の製造方法に関する。
中間転写体を使用した電子写真装置は、複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像を作成するのに非常に有効である。例えば特開昭63−301960号公報中で述べられた転写方法よりも各色のトナー画像を重ね合わせする際に色ずれを少なくすることができる。更に、特開昭63−301960号の図1のような保持手段(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率を持たせる等)を必要とせずに中間転写体から画像を被記録体に転写することができるため、被記録体を多種多様に選択することができる。例えば、薄い紙(40g/m2 紙)から厚い紙(200g/m2 紙)まで、また幅の広狭または長さの長短によらず転写可能である。従って封筒、ハガキ、ラベル紙等まで転写が可能である。
このような利点のため、すでに市場において中間転写体を用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始めている。
中間転写体の形状としては、ドラム状或いはベルト状のものが考えられるが、装置全体のコストの引き下げが可能であることや転写体配置設計の自由度が高いこと等からベルト状中間転写体が有効である。
ベルト状中間転写体としては、例えば特開昭59−77467号に記載されているように、ポリイミド等の耐熱性樹脂フィルム基体に、シリコーン系ゴムやフッ素ゴム等の転写層を積層した中間転写体が提案されている。
しかし、ベルト形状の中間転写体を使用した場合には次のような問題点があった。
すなわち、引っ張り弾性率の低いエラストマーで中間転写体を作った場合は、“伸び”のために、1回のカラー画像転写サイクルにおける中間転写体と感光ドラム間の相対位置が変化してしまい、トナー画像を重ね合わせたときに色ずれが発生するという不具合を生ずることがあった。
逆に、エラストマーに比べて引っ張り弾性率の比較的大きな樹脂フィルムのみを用いて中間転写体を作った場合、中間転写体の伸びは発生しない反面、長時間(数千時間)の使用によってクリープが発生し、外周長が規定よりも伸びてしまう場合があった。
更に、樹脂フィルムの場合、硬度(圧縮弾性率)がエラストマーに比べて高いため、図4に示すように画像転写時に画像100の輪郭部以外が十分に転写されない、いわゆる“中抜け”とよばれる現象が発生する不具合があった。
中間転写体の伸びやクリープを防止する目的で、中間転写体内に芯材(繊維或いはクロス)を含浸やプレス等の方法で埋め込むことも考えられる。実開平3−69166号には、ゴム状ベルトの内側面に糸又は布の芯材を設けた中間転写ベルトが記載されている。この場合には中間転写体に微視的な電気抵抗のムラが発生し、転写電流がばらつき、良好な画像が得られないことがあった。
また、ベルト状の中間転写体を用いた場合、ベルトの厚みむらやベルトを張架する支持ローラーの間隔が均一でないため、ベルトが支持ローラーに伝える力が不均一になり、ベルト位置が片側にずれる、いわゆる“寄り”が発生した。その結果、ベルト端部のひび割れや裂け、また、各成分色画像を重ね合わせたときにずれるという問題が生じた。
ベルト状中間転写体の寄りを防止する方法としては、例えば中間転写体の内側面に誘導リブを取り付け、支持ローラー上に設けた案内溝を走行させる方法がある。また、ベルト状中間転写体の両側にベルト端部検知センサーを設け、寄りが発生するとセンサーがベルト状中間転写体の端部を検知して支持ローラーの位置を変化させて寄りを戻すようにすることも可能である。
更に、支持ローラーの外周面にベルト状中間転写体の寄りを規制する突部を形成してもよい。しかし、寄り防止の方法はいずれも装置が複雑になりコストがかかった。
本発明の目的は、伸びやクリープの発生しない耐久性に優れた中間転写体を提供することにある。
本発明の他の目的は、寄り防止部材を用いなくても寄りの発生しない中間転写体を提供することにある。
本発明の他の目的は、中抜けや色ずれの発生がなく鮮明な画像の得られる電子写真装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、効率良く本発明の中間転写体を製造することができる中間転写体の製造方法を提供することにある。
本発明は、基層と、前記基層上に設けた表層とを有し、前記基層をポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンのうちのいずれかのエラストマーで形成すると共に、前記表層をポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかのエンジニアリングプラスチックで形成したものであり、
前記基層の内側面に、ステアリン酸塩の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEまたはPTFEのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子の少なくともいずれかを含む潤滑剤を含有させた潤滑層を形成するか、或いは、前記基層に前記潤滑剤を含有させたことを特徴とする中間転写体である。
また、本発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対して像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、前記静電潜像を現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像が転写される中間転写体とを有する電子写真装置において、前記中間転写体が、上記中間転写体であることを特徴とする電子写真装置である。
また、本発明は、円筒状ロータを回転させて前記ロータの内側面に、ポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかのエンジニアリングプラスチック製の表層を形成する工程と、前記表層を前記ロータから取り出さずに前記表層の内側面にポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンのうちのいずれかのエラストマー製の基層を形成する工程と、前記表層と基層を前記ロータから取り出さずに前記基層の内側面にステアリン酸塩の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEまたはPTFEのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子の少なくともいずれかを含む潤滑剤を含有する潤滑層を形成する工程とを有することを特徴とする中間転写体の製造方法である。また、本発明は、円筒状ロータを回転させて前記ロータの内側面に、ポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかのエンジニアリングプラスチック製の表層を形成する工程と、前記表層を前記ロータから取り出さずに前記表層の内側面にステアリン酸塩の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEまたはPTFEのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子の少なくともいずれかを含む潤滑剤を含有するポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンのうちのいずれかのエラストマー製の基層を形成する工程とを有することを特徴とする中間転写体の製造方法である。
本発明の中間転写体は、伸びやクリープが発生せず耐久性に優れる。また、本発明の中間転写体を用いた電子写真装置は中抜けや色ずれが発生しない。更に本発明の中間転写体の製造方法によれば、効率よく中間転写体を製造することができる。
本発明の中間転写体は、図1に示すように、少なくとも基層21と、この基層21上に設けた表層22とを有する。基層21はエラストマーで形成され、表層22はエンジニアリングプラスチックで形成される。
本発明の中間転写体は、無端ベルト状あるいは筒状であり、継ぎ目のないものが好ましい。
基層21に使用されるエラストマーは、ポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンである。上記エラストマーのうち、ゴム類については夫々のゴムに適した方法、例えば電子線等を照射する放射線架橋法、硫黄、過酸化物類、アミン類等を用いた化学架橋法あるいは主剤と硬化剤からなる2液を混合する方法等により、架橋ゴムとすることが望ましい。
基層21は中抜け防止の点から、硬度が40度−70度の範囲にあることが好ましい。本発明において硬度はJIS−A型硬度計を用いて測定した値である。
基層21の厚みは100μm−1500μm、更には500μm−1000μmが好ましい。
表層22に使用するエンジニアリングプラスチックとは、高温でもほとんど変形がなく、常温の機械的物性のほとんどが保持される高分子化合物をいう。特に、本発明で使用するエンジニアリングプラスチックは、引張り強さ50N/mm2 以上、曲げ弾性率2000N/mm2 以上、熱変形温度100℃以上の物性値を有するものである。更には引張り強さ5000/mm2 以下、曲げ弾性率200000N/mm2 以下、熱変形温度1500℃以下のものが好ましい。本発明において、引張り強さはASTM D−638に準拠して測定した値である。また、曲げ弾性率はASTM D−790に、熱変形温度はASTM D−648にそれぞれ準拠して測定した値である。
表層22に使用するエンジニアリングプラスチックは、優れた力学特性と耐熱、耐久性を持ったポリエステル、ポリアリレート、いわゆる5大エンジニアリングプラスチックのうちのポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネイト、長期での寸法安定性に優れるポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリフェニルサルホンである。エンジニアリングプラスチックは、樹脂の中でも引張り弾性率が高い。
このため、本発明の中間転写体は伸びがなく、寸法安定性に優れる。
表層22には、エンジニアリングプラスチック以外に、NBR,EPDMあるいはCR等の合成ゴムや、ウレタン等を含有してもかまわない。ただし、エンジニアリングプラスチックの含有量は、表層22に対して50重量%以上とするのが好ましい。
表層22の引張り弾性率は2000N/mm2 以上、更には2000−10000N/mm2 が好ましい。表層の引張り弾性率が小さ過ぎると、中間転写体が変形し易くなる。逆に、弾性率が大き過ぎると、支持ローラーの外周面に追従しにくくなり、破断し易くなる。本発明において引張り弾性率はJIS−7127に準拠し、引張り速度10mm/minで測定した値である。
表層22の厚みは、基層21の柔軟性を殺さないために薄くすることが好ましく、1mm以下、更には10μm−300μmが好ましい。
本発明の中間転写体は、硬度が40−100度、更には60−100度であることが好ましい。硬度が小さ過ぎると、中間転写体が変形し易くなりトナー画像の重ね合せずれが発生し易くなる。逆に硬度が大き過ぎると、中抜けが発生し易くなる。本発明において、中間転写体の硬度はJIS−A型硬度計を用いて、表層側から測定した値である。
本発明の中間転写体を製造する方法としては、基層及び表層を同一の製造装置で連続的に形成できるという点で遠心成形法が好ましい。
本発明の中間転写体は、基層と表層との接着に接着剤を用いないため、中間転写体の厚みを均一にすることができる。特に基層としてポリウレタン、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのうちのいずれかと、表層としてポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド及びポリイミドのうちのいずれかを用いた場合には、基層と表層とが強固に接着して好ましい。更には、本発明のように、基層としてポリウレタンを用い、表層としてポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかを用いた場合が好ましい。更に、基層としてポリウレタンを用い、表層としてポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル及びポリアミドを用いた場合が好ましい。
図2に示す装置は、遠心成形法を実施する遠心成形機で、加熱炉74内に円筒状のロータ72が設けられている。円筒状ロータ72の回転中心にはシャフト77が取り付けられている。シャフト77は駆動ベルト76を介して駆動モータ75の回転シャフト79と連動している。ロータ72の周囲にはスチームを利用した加熱フィン73が配置されていてロータ72を加熱する。
こうして、まず円筒状ロータ72の内部に成形品の材料78を液状にして投入する。次に駆動モータ75を駆動して円筒状ロータ72を回転させると共に、加熱フィン73により材料78を加熱する。この結果、ロータ72の内側面に無端ベルト状の成形品が形成される。
本発明の中間転写体を遠心成形法で製造する場合、まず表層の原料を円筒状ロータ72内部に投入して表層を形成する。その後、表面をロータ72から取り出さずに更に円筒状ロータ72内部に、基層の原料を投入して表層の内側面に基層を形成する。基層成形後、常温まで冷却して成形品を遠心成形機から取り出し本発明の中間転写体が得られる。
円筒状ロータ72の回転数は、200RPM−2000RPMが好ましい。加熱フィン73の温度は成形品の材料にもよるが70℃−200℃が好ましい。
また、中間転写体の表面粗さには、円筒状ロータ72の内側面で決まるため、ロータ72の内側面を精度よく仕上げておけば成形後に中間転写体を研磨する必要がない。
本発明の中間転写体は、厚み方向の体積抵抗率が105 −1012Ω・cm、更には108 −1010Ω・cmであることが好ましい。中間転写体の体積抵抗率が小さ過ぎると過大な転写電流が流れる。逆に体積抵抗率が大き過ぎると十分な電流が得られないため、トナーの転写が良好に行われない。本発明において体積抵抗率は、JIS−6911に準拠し、電圧500Vを印加して測定した値である。
中間転写体の体積抵抗率を調整するために、基層、表層あるいは基層及び表層の両方に導電性フィラーを含有してもよい。導電性フィラーとしては、通常使用されるものであればいずれも使用可能であるが、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、カーボンファイバー等の炭素系フィラーや、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン等に不純物イオンをドーピングした金属酸化物系フィラーが特に好ましい。
導電性フィラーの含有量は各層に対して1−35重量%が好ましい。
また、中間転写体上のトナー画像の転写効率を高めるため、或は、中間転写体の表面特性(特に粗さ)を長期に渡って維持するために、表層に潤滑剤を含有してもよい。潤滑剤としては、例えばETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂系粉末、2硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、シリコーン樹脂粒子等が好ましい。
潤滑剤の含有量は、表層に対し25−50重量%が好ましい。あるいは、潤滑剤の含有した潤滑層を表層上に設けてもよい。潤滑層を設ける場合も、潤滑剤の含有量は潤滑層に対して25−50重量%が好ましい。
図3を参照して、本発明の電子写真装置を説明する。
1は、繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器(コロナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手段による画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像が第1現像器41(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時第2〜第4の現像器42,43,44(シアン、イエロー、ブラック)は作動オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のマゼンタトナー画像は上記第2〜第4の現像器42〜44により影響を受けない。
感光ドラム1上に担持された上記第1色のマゼンタトナー画像は、感光ドラム1と中間転写体20とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に印加される一次転写バイアス電圧により、中間転写体20の外周面に転写されていく。一次転写バイアス電圧はバイアス電源30により印加される。
中間転写体20は支持ローラー60,61,62及び63に支持されて、矢示の時計方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
第1色のマゼンタトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置14により清掃される。
以下同様に第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体20上に転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
25は転写ローラーで、中間転写体20に接触したり、離れたりできるように配設してある。中間転写体20上のトナー画像は中間転写体20と転写ローラー25とで狭持された記録材24に転写される。転写ローラー25には、バイアス電源29により二次転写バイアス電圧が印加されており、この二次転写バイアス電圧によりトナー画像は記録材24に転写される。
紙等の転写材24は、給紙カセット9から中間転写体20の回転に同期して供給される。転写ローラー25は、トナー像画像が感光ドラム1から中間転写体20に転写する際には中間転写体20から離れている。
トナー画像の転写された転写材24は、定着器51へ搬送され加熱定着される。その後、中間転写体20上の残トナーは、中間転写体に当接されたクリーナ35によりクリーニングされる。
一次転写バイアス電圧は、トナーとは逆極性で+2kV−+5kVが好ましい。二次転写バイアス電圧は、+1kV−+3kVが好ましい。
上述した装置の説明では、カラー電子写真装置を例としたが、本発明の中間転写体は単色の電子写真装置にも当然用いることができる。
本発明の中間転写体は、内側面(支持ローラー60−63側の面)の摩擦係数を0.7以下、更には0.1−0.7とするのが好ましい。内側面の摩擦係数が大きい中間転写体は、電子写真装置に寄り防止部材が設けられていない場合には、中間転写体を支持する支持ローラー60−63相互の間隔が不均一であることが原因で、寄りを生ずる。内側面の摩擦係数を0.7以下とすることにより、寄り防止部材を設けなくても寄りの発生を防止することができる。あるいは、簡単なガイドを設けることによって、中間転写体に損傷を与えることなく、寄りの発生を防止することができる。
中間転写体の内側面の摩擦係数を0.7以下とするには、例えばエラストマーに潤滑剤を含有して形成した潤滑層を中間転写体の内側面に設けるとよい。
潤滑層に含有する潤滑剤は、ステアリン酸塩等の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEやPTFE等のフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子である。潤滑剤の平均粒子径は0.1μm−3μmが好ましい。
潤滑層に用いるエラストマーとしては、前述の基層に用いるエラストマーであればいずれも使用することができるが、接着剤を不要にするため、潤滑層及び基層に用いるエラストマーは同種であるか、少なくとも良好な親和性を有するものが好ましい。
潤滑剤の含有量は、潤滑層に対して15−50重量%が好ましい。潤滑層の厚みは5μm−30μmが好ましい。潤滑層は、基層の形成に引き続き、遠心成形法で設けることができる。
潤滑層を設けずに、基層に潤滑剤を含有してもよい。この場合、潤滑剤の含有量は、基層に対して15−50重量%が好ましい。
更に、潤滑剤を用いずにシリコーングラフトウレタン等の低摩擦性エラストマーを基層の材料に用いることによっても、中間転写体の内側面を低摩擦とすることができる。
中間転写体の内側面の摩擦係数は、JIS−7125に準拠して測定した値である。
[参考例1]
(表層の形成)
バインダーとしてポリフェニルサルホン100重量部を用い、バインダー濃度が20重量%となるように溶剤ジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解し、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD、ケッチェンブラック・インターナショナル社製)7重量部を添加してペイントシェーカーにより30分間分散させた。この分散液を、図2の遠心成形機に投入し、ロータ回転数1500RPM、ロータ内温度120℃、30分の条件で乾燥成形を行った。
ロータ2は、内径140mm、長さ350mmで、硬質クロームメッキが施されている。
(基層の作成)
基層をポリウレタンで作成した。ポリオール100重量部を80℃に加熱し、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)10重量部を添加して撹拌機で1時間分散し、これに80℃に加熱されたイソシアネート60重量部に加えて3分間撹拌機で分散させた。この分散液を表層形成に引き続き遠心成形機に投入し、2000RPM、120℃、3時間の条件で加熱硬化を行った。
その後80℃、15時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却を行い、成形機より成形品を取り出し端部切断を行い、本発明の中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚150μm、基層膜厚800μm、長さ250mm、硬度91、体積抵抗値は108 Ω・cmであった。
こうして得た中間転写体を図3の電子写真装置に搭載し、中間転写体に50Nの張力を加え、画像出力の耐久テストを行った。この実施例で用いた電子写真装置では、中間転写体を支持する支持ローラーの外周面に寄りを規制する突部が形成されている。テストは、カラーのテストパターンの画像形成を連続で300枚の記録紙に行った後、記録を行わずに200時間回転のみの連続運転を行い(張力は一定)、その後再び300枚の記録紙に画像形成を行うサイクルを繰り返し、試験開始から2000時間経過までの画像の評価と中間転写体伸び量の測定を行った。画像評価は各サイクルの300枚目の記録紙に形成された画像について行い、顕微鏡観察によってトナー画像の重ね合わせずれ及び中抜けの発生を調査した。その結果、いずれの画像にも中抜けは発生しなかった。また、耐久試験終了後に、中間転写体の外周長を計測し、下式により伸び率を算出した。
伸び率(%)=(試験終了後の外周長−試験開始前の外周長)÷試験開始前の外周長×100
評価結果を表1に示した。表中、重ね合わせずれのデータは一番最後の画像のものである。
[参考例2]
表層のバインダーとしてポリエーテルサルホンを使用し、その他は参考例1と同様の材料を用いて中間転写体を作成した。
得られた中間転写体は表層膜厚100μm、基層膜厚700μm、長さ250mm、硬度90、体積抵抗値107 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
[参考例3]
表層のバインダーとしてポリサルホンを使用し、また溶剤にジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、その他は参考例1と同様の材料を用いて中間転写体を作成した。
得られた中間転写体は表層膜厚80μm、基層膜厚900μm、長さ250mm、硬度91、体積抵抗値は109 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
[参考例4]
表層のバインダーとしてポリエーテルイミドを使用し、また溶剤に塩化メチレンを使用し、その他は参考例1と同様の材料を用いて中間転写体を作成した。
得られた中間転写体は表層膜厚50μm、基層膜厚600μm、長さ250mm、硬度88、体積抵抗値は108 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
Figure 0003874359
[参考例5]
(表層の形成)
バインダーとしてポリフェニルサルホン100重量部を使用し、バインダー濃度が20重量%となるように溶剤DMACに溶解し、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)8重量部を加えてペイントシェーカーにより30分間分散させた。この分散液を参考例1と同様の遠心成形機に投入し、ロータ回転数1500RPM、ロータ内温度120℃、30分の条件で乾燥成形を行った。
(基層の作成)
バインダーとして液状シリコーンを使用した。液状シリコーン100重量部、硬化剤50重量部、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)8重量部の割合で撹拌機により分散を行い、60℃に加熱し低粘度化させた。この分散液を表層形成に引き続き遠心成形機に投入し、2000RPM、150℃、1時間の条件で加熱硬化を行った。
その後常温まで自然冷却を行い、成形品を成形機より取り出し端部切断を行い、本発明の中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚250μm、基層膜厚700μm、長さ250mm、硬度90、体積抵抗値は105 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
[参考例6]
(表層の形成)
参考例5と同様の表層を形成した。
(基層の作成)
溶剤に溶解した100重量部EPDMに、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)10重量部の割合でペイントシェーカーにより20分間分散した。この分散液を表層形成に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数2000RPM、ロータ内温度90℃、1時間の条件で加熱乾燥を行った。
その後常温まで自然冷却を行い、成形機より成形品を取り出し端部切断を行い、本発明の中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚250μm、基層膜厚1000μm、長さ250mm、硬度95、体積抵抗値は106 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
Figure 0003874359
[参考例7]〈酸化錫による抵抗調整〉
(表層の形成)
バインダーとしてポリフェニルサルホン100重量部を用い、バインダー濃度が20重量%となるように溶剤DMACに溶解し、酸化錫(Sbドープ品)18重量部を加え、ペイントシェーカーにより30分間分散させた。この分散液を、図2の遠心成形機に投入し、1500RPM,120℃、30分の条件で乾燥成形を行った。
(基層の作成)
参考例1と同様の材料を用いて基層を形成した。
得られた中間転写体は表層膜厚50μm、基層膜厚500μm、長さ250mm、硬度85、体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表3に示した。
[参考例8]〈カーボンファイバーによる抵抗調整〉
酸化錫の代わりに導電材としてカーボンファイバー4重量部を使用し、その他は参考例7と同様の材料で中間転写体を作成した。カーボンファイバーは平均繊維径5μm、平均繊維長20μmのものを使用した。
得られた中間転写体は表層膜厚90μm、基層膜厚700μm、長さ250mm、硬度88、体積抵抗値は108 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表3に示した。
Figure 0003874359
[比較例1]
バインダーとしてポリフェニルサルホン100重量部を用い、バインダー濃度が20重量%となるように溶剤DMACに溶解し、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)8重量部を添加してペイントシェーカーにより30分間分散させた。この分散液を、
図2の遠心成形機に投入し、1500RPM、120℃、30分の条件で乾燥成形を行い中間転写体を得た。
得られた中間転写体の膜厚は150μm、長さ250mm、体積抵抗値は108 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表4に示した。
この中間転写体を用いて画像形成を行うと、転写時の圧力上昇によって画像の中抜けが発生した。
Figure 0003874359
[比較例2]
(基層の作成)
基層をポリウレタンで作成した。
ポリオール100重量部を80℃に加熱し、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)10重量部を添加して撹拌機で1時間分散し、これに80℃に加熱されたイソシアネート60重量部を加え、3分間撹拌機で分散させた。この分散液を遠心成形機に投入し、2000RPM、120℃、3時間の条件で加熱硬化を行った。その後80℃、15時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却を行い、成形機より成形品を取り出し端部切断を行った。
(表層の形成)
ポリエチレン100重量部に導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)9重量部を加え熱ロールにより分散を行った後、クロスヘッド押し出し機により表面を成形した。これと基層を150℃で加熱加圧し接着して中間転写体を得た。
表層の膜厚は130μm、基層の膜厚700μm、長さ250mm、体積抵抗値は109 Ω・cmであった。
この中間転写体について参考例1と同様に評価した。結果を表5に示した。
Figure 0003874359
[比較例3]
ポリオール100重量部を80℃に加熱し、導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)10重量部を添加して撹拌機で1時間分散し、これに80℃に加熱されたイソシアネート60重量部を加え3分間撹拌機で分散させた。この分散液を遠心成形機に投入し、2000RPM、120℃、3時間の条件で加熱硬化を行った。その後80℃、15時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却を行い、成形機より成形品を取り出し端部切断を行い、更にフッ素エラストマー系のラテックスをスプレー塗布、乾燥し中間転写体を得た。
得られた中間転写体は膜厚750μm、長さ250mm、体積抵抗値は108 Ω・cmであった。
この中間転写体について、参考例1と同様の評価を行ったところ、評価試験終了時の永久伸びは0.5%以下であり、中抜けも発生しなかったが、ベルトの弾性伸びに起因して、画像形成時のトナーの位置ずれが発生し、色の再現性がよくないことが分った。
[実施例1]
ポリフェニルサルホンをバインダーとする表層、2液型のポリウレタンの基層、PTFEと1液型ポリウレタンとの混合体からなる潤滑層の3層ベルトを次の方法で作成し、評価した。
(表層の形成)
バインダーとしてポリフェニルサルホン100重量部を用い、バインダー濃度が20重量%となるように溶剤N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、導電性カーボン(商品名ケッチェンブラック600JD、ケッチェンブラック・インターナショナル社製)10重量部を添加してペイントシェーカーにより30分間分散させた。この分散液を、図2の遠心成形機に投入し、ロータ回転数500RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、30分間乾燥して硬化させることにより表層を形成した。
(基層の作成)
ポリオール100重量部に導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)10重量部を添加してペイントシェーカーにより1時間分散し、これにイソシアネート60重量部を加えてペイントシェーカーで3分間混合させた。この分散液を表層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、1時間乾燥して硬化させることにより基層を積層した。
(潤滑層の作成)
潤滑層はPTFE(平均粒子径0.5μm)と1液型のMDI系ポリウレタンとの混合体により作成した。即ち、PTFE100重量部をトルエン/NMP混合溶剤に分散させ、7重量%の溶液とし、ポリウレタン30重量部を加えてペイントシェーカーにより分散させた。この分散液を基層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、30分間乾燥して硬化させることにより潤滑層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、本発明の中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚150μm、基層膜厚800μm、潤層膜厚4μm、長さ250μm、内側面の摩擦係数は0.31、硬度91、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
こうして得た中間転写体を図3の電子写真装置に搭載し、50Nの張力を加え、参考例1と同様の画像出力の耐久テストを行った。この際100時間毎に中間転写体の寄り具合や端部の状態の観察を行った。この実施例で用いた電子写真装置には寄りを防止する装置を設けなかった。
上記テストの結果、ベルトの寄り、端部の裂けは発生せず、試験開始から2000時間後も安定した駆動が保たれた。評価結果を表6に示した。
[実施例2]
潤滑層の潤滑粒子として二硫化モリブデン(平均粒子径0.5μm)、エラストマーとしてイソプレンゴムを使用し、その他は実施例1と同様な方法で中間転写体を作成した。
(潤滑層の作成)
二硫化モリブデン100重量部をn−ヘプタン/トルエン混合溶剤に分散させ7重量%の溶液とし、イソプレンゴム30重量部を加えてペイントシェーカーにより分散させた。この分散液を基層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、30分間乾燥し硬化させることにより潤滑層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、中間転写体を得た。
得られる中間転写体は表層膜厚150μm、基層膜厚800μm、潤滑層膜厚4μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は0.35、硬度90、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について実施例1と同様に評価した。結果を表6に示した。
[実施例3]
潤滑層の潤滑粒子としてグラファイト(平均粒子径0.5μm)エラストマーとしてシリコーンゴムを使用し、その他は実施例1と同様な方法で中間転写体を作成した。
(潤滑層の作成)
グラファイト100重量部をn−ヘプタン/キシレン混合溶剤に分散させ7重量%の溶液とし、イソプレンゴム30重量部を加えてペイントシェーカーにより分離させた。この分散液を基層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、30分間乾燥し硬化させることにより潤滑層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚150μm、基層膜厚800μm、潤滑層膜厚4μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は0.42、硬度88、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について実施例1と同様に評価した。結果を表6に示した。
[実施例4]
潤滑層の潤滑粒子としてシリコーン樹脂(平均粒子径0.5μm)、エラストマーとしてアクリルゴムを使用し、その他は実施例1と同様な方法で中間転写体を作成した。
(潤滑層の作成)
シリコーン樹脂100重量部をキシレン溶剤に分散させ7重量%の溶液とし、アクリルゴム30重量部を加えてペイントシェーカーにより分散させた。この分散液を基層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、30分間乾燥し硬化させることにより潤滑層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚150μm、基層膜厚800μm、潤滑層膜厚4μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は0.33、硬度90、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について実施例1と同様に評価した。結果を表6に示した。
[実施例5]
潤滑層の潤滑粒子として窒化ケイ素(平均粒子径0.5μm)、エラストマーとしてポリスチレンを使用し、その他は実施例1と同様な方法で中間転写体を作成した。
(潤滑層の作成)
窒化ケイ素100重量部をキシレン溶剤に分散させ7重量%の溶液とし、ポリスチレン30重量部を加えてペイントシェーカーにより分散させた。この分散液を基層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、30分間乾燥し硬化させることにより潤滑層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表面膜厚150μm、基層膜厚800μm、潤滑層膜厚5μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は0.68、硬度91、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について実施例1と同様に評価した。結果を表6に示した。
[実施例6]
潤滑層を設けず、2液型のポリウレタンとPTFE(平均粒子径0.5μm)との混合体を基層として用い、その他は実施例1と同様な方法で中間転写体を作成した。
(基層の作成)
PTFE100重量部をトルエン/NMP溶剤に分散させ7重量%の溶液とし、ポリオール100重量部と導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)15重量部を添加してペイントシェーカーにより1時間分散し、これにイソシアネート60重量部を加えてペイントシェーカーで3分間混合させた。この分散液を表層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、1時間乾燥して硬化させることにより基層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚150μm、基層膜厚800μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は0.47、硬度92、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について実施例1と同様に評価した。結果を表6に示した。
[実施例7]
潤滑層を設けず、シリコーングラフトウレタンを基層として用い、その他は、実施例1と同様な方法で中間転写体を作成した。
(基層の作成)
シリコーングラフトウレタン100重量部と導電性カーボン(ケッチェンブラック600JD)10重量部を添加してペイントシェーカーにより1時間分散した。この分散液を表層成形に引き続き遠心成形機に投入し、ロータ回転数1000RPM、ロータ内温度120℃の条件下で、1時間乾燥して硬化させることにより基層を積層した。その後80℃、2時間の条件でエージングを行ってから常温まで自然冷却し、成形機より成形品を取り出して端部切断を行い、中間転写体を得た。
得られた中間転写体は表層膜厚800μm、基層膜厚800μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は0.56、硬度90、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体について実施例1と同様に評価した。結果を表6に示した。
[比較例4]
潤滑層を設けなかったことの他は、参考例1と同様な方法で中間転写体を形成した。
得られた中間転写体は表面膜厚150μm、基層膜厚800μm、長さ250mm、ベルト内面の摩擦係数は3.2、厚さ方向の体積抵抗値は1010Ω・cmであった。
この中間転写体を実施例1と同様な方法で評価した。その結果、比較例4では中間転写体の寄りが著しく発生したため、耐久テストを中断し、寄りを修正してから試験を再開することを繰り返した。試験終了後の中間転写体は、端部が波状に伸び、一部裂けが生じていた。顕微鏡観察によるトナーの重ね合わせずれは120μmで、色の再現性は悪かった。しかし、中抜けは発生しなかった。結果を表6に示した。
Figure 0003874359
本発明の中間転写体の一例を示す斜視図である。 本発明の中間転写体を製造する遠心成形機の一例を示す側面図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す側面図である。 中抜け画像の一例を示す正面図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
20 中間転写体
21 基層
22 表層
72 ロータ
73 加熱フィン
100 画像

Claims (4)

  1. 基層と、前記基層上に設けた表層とを有し、前記基層をポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンのうちのいずれかのエラストマーで形成すると共に、前記表層をポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかのエンジニアリングプラスチックで形成したものであり、
    前記基層の内側面に、ステアリン酸塩の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEまたはPTFEのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子の少なくともいずれかを含む潤滑剤を含有させた潤滑層を形成するか、或いは、前記基層に前記潤滑剤を含有させたことを特徴とする中間転写体。
  2. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対して像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、前記静電潜像を現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像が転写される中間転写体とを有する電子写真装置において、前記中間転写体が、請求項1に記載の中間転写体であることを特徴とする電子写真装置。
  3. 円筒状ロータを回転させて前記ロータの内側面に、ポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかのエンジニアリングプラスチック製の表層を形成する工程と、前記表層を前記ロータから取り出さずに前記表層の内側面にポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンのうちのいずれかのエラストマー製の基層を形成する工程と、前記表層と基層を前記ロータから取り出さずに前記基層の内側面にステアリン酸塩の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEまたはPTFEのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子の少なくともいずれかを含む潤滑剤を含有する潤滑層を形成する工程とを有することを特徴とする中間転写体の製造方法。
  4. 円筒状ロータを回転させて前記ロータの内側面に、ポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド及びポリカーボネイトのうちのいずれかのエンジニアリングプラスチック製の表層を形成する工程と、前記表層を前記ロータから取り出さずに前記表層の内側面にステアリン酸塩の金属石けん、脂肪酸アミド、ETFEまたはPTFEのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化グラファイト、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粒子の少なくともいずれかを含む潤滑剤を含有するポリウレタン、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリスチレンのうちのいずれかのエラストマー製の基層を形成する工程とを有することを特徴とする中間転写体の製造方法。
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