JP6779746B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置に関する。
従来から、複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置として、中間転写体を用いた構成の画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、1次転写工程として、像担持体としての感光ドラム表面に形成されたトナー像(現像剤像)を、感光ドラム対向部に配置された1次転写部材に電圧電源より電圧を印加することで、中間転写体上に転写する。その後、この1次転写工程を、複数色のトナー像に関して繰り返し実行することにより、中間転写体表面に複数色のトナー像を形成する。続けて、2次転写工程として、中間転写体表面に形成された複数色のトナー像を、2次転写部材へ電圧を印加することで、紙などの記録材表面に一括して転写する。続けて、静電クリーニング工程として、2次転写工程後の中間転写体上の残留トナー(以下、2次転写残トナー)は、まず電圧印加される静電クリーニング部材を通過する際に均一な帯電が行われる。そして、1次転写工程時に感光ドラムに逆転写され、感光ドラムのクリーニング手段により回収される。一方、一括転写されたトナー像は、その後、定着手段により、記録材に永久定着されることにより、カラー画像が形成される。
特許文献1には、低コスト化のため上記1次転写部材に印加する電圧電源をなくし、その代わりに、中間転写体とアースの間に、電圧維持素子としてのツェナーダイオードを備える回路を設ける構成が開示されている。本構成によると、2次転写部材や静電クリーニング部材から中間転写体を介して対向ローラに供給される電流により発生するツェナーダイオードの降伏電圧が、対向ローラ及び1次転写部材に印加される。
特開2013−231942号公報
一般的に特許文献1のような構成で、ツェナーダイオードが降伏電圧を維持している状態において、2次転写部材と静電クリーニング部材から対向ローラに供給される電流の総和は、1次転写電流とツェナーダイオードに流れる電流の総和と略等しい。つまり、1次転写部及び、対向ローラの電位を安定させる条件は、降伏電圧における1次転写電流に対して対向ローラにより多くの電流を供給することである。
しかしながら、対向ローラに多くの電流を供給できるか否かは、2次転写部材と静電クリーニング部材の各々に印加される電圧極性の組合せによる。例えば、上記両部材の電圧極性がともに同極性の場合は、両部材から同極性の電流が供給されるため対向ローラに多くの電流を供給することは容易である。一方で両部材の電圧極性が異なる場合、各々の部材から供給される電流の極性が異なり一部相殺されるため対向ローラに多くの電流を供給することが困難である。つまり対向ローラの電位を安定的に維持することが困難となる。
両部材の電圧極性が異なる一例としては、画像形成動作後のトナー吐出し工程が挙げられる。本工程では、1次転写部の電圧は、通過中の2次転写残トナーを回収するために正極性に、2次転写部の電圧は、1次転写部の電位を補助するために正極性にされる。また、静電クリーニング部は、ジョブラスト画像の2次転写残トナー通過直後に部材に付着し
たトナーを静電的に吐き出すために正極性から負極性に電圧を切替える。このような場合に対向ローラの電位が不安定になると所望の負極性の電圧に対して電位差を確保できなくなり部材のトナー吐出しが不十分となる。こうした状態が続くと部材の帯電性能低下や抵抗上昇を招きその結果クリーニング不良が発生する場合がある。
本発明の目的は、現像剤を各部材間で移動させるための各部材間の電位差を安定的に形成することができる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
現像剤像を担持する像担持体と、
前記像担持体と接触しつつ回転する無端状のベルトと、
前記ベルトの回転方向において前記像担持体とは異なる位置において前記ベルトに接触し、前記ベルトに電流を供給する複数の電流供給部材と、
大きさが可変の制御信号を出力する制御部と、
前記ベルトに接触する接触部材と、
前記接触部材に接続された電圧調整部材を有し、前記電圧調整部材を用いて前記複数の電流供給部材から前記ベルトを介して前記接触部材に流れる電流を調整することで、前記接触部材の電位を調整する電圧調整部と、
を備え、
前記複数の電流供給部材からそれぞれ前記ベルトへ供給される電流の量を合算した合算電流量の大きさが異なる複数の動作を実行する画像形成装置において、
前記電圧調整部は、前記接触部材に流れる電流の調整によって形成可能な前記接触部材の電位の上限値を、前記制御部から入力される前記制御信号の大きさに応じて変更可能に構成されており、
前記制御部は、前記上限値が、実行されている前記動作における前記合算電流量が前記接触部材の電位を前記上限値で維持するのに必要な電流量を超えることになる大きさとなるように、前記制御信号の大きさを変更することを特徴とする。
本発明によれば、現像剤を各部材間で移動させるための各部材間の電位差を安定的に形成することができる。
実施例1の画像形成装置の説明図 実施例1の画像形成に係わるコントローラを説明するブロック図 実施例1における1次転写部の回路の説明図 実施例1の低温低湿環境下の供給電流と2次転写対向ローラ電位の関係図 比較例の制御を説明するシーケンス図 実施例1におけるブラシの電圧と電流の関係の説明図 比較例の制御における問題点の説明図 実施例1の制御を説明するシーケンス図 実施例1の供給電流と2次転写対向ローラの電位の関係変化の説明図 実施例1と比較例の効果を比較した図 実施例2の画像形成装置の説明図 実施例2における1次転写部の回路の説明図 実施例2の低温低湿環境下の供給電流と2次転写対向ローラ電位の関係図 実施例2の制御を説明するシーケンス図 実施例2の供給電流と2次転写対向ローラの電位の関係変化の説明図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略図であり、図1を用いて本実施例の画像形成装置の構成及び動作を説明する。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式を利用した複写機、プリンタなどが挙げられ、ここではカラーレーザプリンタに適用した場合について説明する。尚、本実施例の画像形成装置は、a〜dの複数の画像形成ステーションを設けているいわゆるタンデムタイプのプリンタである。第1の画像形成ステーションaはイエロー(Y)、第2の画像形成ステーションbはマゼンタ(M)、第3の画像形成ステーションcはシアン(C)、第4の画像形成ステーションdはブラック(Bk)の各色の画像を形成する。各画像形成ステーションの構成は、収容するトナーの色以外では同じであり、以下、第1の画像形成ステーションaを用いて説明する。
第1の画像形成ステーションaは、像担持体としてドラム状の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1aと、帯電部材である帯電ローラ2aと、現像器4aと、クリーニング装置5aと、を備える。感光ドラム1aは、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動しトナー像(現像剤像)を担持する像担持体である。さらに、現像器4aは、現像剤としてイエローのトナーを収容し感光ドラム1aに形成された静電潜像をイエロートナーを用いて現像するための装置である。クリーニング装置5aは、感光ドラム1aに付着したトナーを回収するための部材である。クリーニング装置5aは、本実施例では、感光ドラム1aに当接するクリーニング部材であるクリーニングブレードと、クリーニングブレードが回収したトナーを収容する廃トナーボックスと、を備える。
画像信号によって、画像形成動作を開始すると感光ドラム1aは回転駆動される。感光ドラム1aは回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性(本実施例では負極性)で所定の電位に一様に帯電処理され、露光手段3aにより画像信号に応じた露光を受ける。これにより、目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において現像器(イエロー現像器)4aにより現像され、イエロートナー像として可視化される。ここで、現像器に収容されたトナーの正規の帯電極性は、負極性である。
中間転写ベルト10は、無端状のベルト体であり、支持部材としての張架部材11、12、及び2次転写対向ローラ13とで張架される。そして、感光ドラム1aと当接した対向部において感光ドラム1aと同方向に移動する向きに、感光ドラム1aと接触しつつ略同一の周速度で回転駆動される。また、感光ドラム1aの対向位置に、中間転写ベルト10を介して1次転写部材としての1次転写ローラ14aが配置されている。1次転写ローラ14aは、中間転写ベルト10を挟持する形で、感光ドラム1aに対し所定の押圧力で当接し、また、回転する中間転写ベルト10に対して従動して回転する。
感光ドラム1a上に形成されたイエロートナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10との、1次転写ニップを通過する過程で、中間転写ベルト10の上に転写される(1次転写)。感光ドラム1a表面に残留した1次転写残トナーは、クリーニング装置5aにより清掃、除去された後、帯電以下の画像形成プロセスに供せられる。以下、同様にして、第2、3、4の画像形成ステーションb、c、dによって第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10上
に順次重ねて転写される。これにより、目的のカラー画像に対応した合成カラー画像が得られる。
中間転写ベルト10上の4色のトナー像は、中間転写ベルト10と2次転写ローラ20が形成する2次転写ニップを通過する過程で、給紙手段50により給紙された記録材Pの表面に一括転写される(2次転写)。その後、4色のトナー像を担持した記録材Pは定着器30に導入され、そこで加熱および加圧されることにより4色のトナーが溶融混色して記録材Pに固定される。2次転写後に中間転写ベルト10上に残ったトナーは、帯電部材としてのクリーニングブラシ(以下、ブラシ)17により均一に散らされ電荷が付与される。ブラシ17により電荷が付与された2次転写残トナーは、本実施例では第1ステーションの感光ドラム1aに逆転写される。中間転写ベルト10から逆転写された感光ドラム1aに付着した2次転写残トナーは、クリーニング装置5aによって感光ドラム1aから除去され、回収される。以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
図2を参照して、本実施例の画像形成装置本体の制御を行うコントローラ100の構成について説明する。コントローラ100は、図2に示すように、制御部としてのCPU回路部150を有する。CPU回路部150は、ROM151、およびRAM152を内蔵する。CPU回路部150は、ROM151に格納されている制御プログラムに応じて、露光制御部101、帯電制御部102、現像制御部103、1次転写制御部104、2次転写制御部105、クリーニング制御部107を統括的に制御する。また、環境テーブルや転写制御の各種テーブルは、ROM151に格納されており、環境センサ106の情報を元に、CPUが呼び出して反映される。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また、制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
2次転写制御部105は、2次転写電源21を制御し、不図示の電流検出回路が検出する電流値に基づいて転写電源21から出力する電圧を制御している。クリーニング制御部107も同様に、クリーニング電源18から出力する電圧を制御する。また、1次転写制御部は、回路15へ信号を送ることにより、1次転写部の電位を一定に制御している。コントローラ100は、ホストコンピュータ(不図示)から画像情報と印字命令を受信すると、各制御部(露光制御部101、帯電制御部102、現像制御部103)を制御して印字動作に必要な画像形成動作を実行する。
以下、本実施例の転写部材の構成と電位生成回路について説明する。
・中間転写ベルト10
本実施例で使用した中間転写ベルト10は、周長700mm、厚さ90μmで、導電剤としてイオン系の導電剤を混合して成型された無端状のPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂を用いている。電気的特性としては、イオン導電性の特性を示し、高分子鎖間をイオンが伝播することによって電気伝導性が得られるため、雰囲気中の温湿度に対して抵抗値変動はするものの、抵抗値の周方向のムラ等が良いのが特徴である。本実施例では、基層の抵抗としては、体積抵抗率で1×10Ω・cm以下のものを使用した。体積抵抗率の測定は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)にリングプローブのタイプUR(型式MCP−HTP12)を使用して測定する。測定時の室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧100V、測定時間10secの条件で行った。また、本実施例では中間転写ベルト10は、2層構成であり、表面に高抵抗層を配置することで、非画像部への電流を抑制して転写性を更に高めている。但し、この構成に限定されるものではなく、単層構成にすることも可能で、更には3層以上の構成でも可能である。
また、本実施例では、中間転写ベルト10の材料としてPEN樹脂を使用したものの、他の材料でもよい。例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の材料及びこれらの混合樹脂を使用しても良い。
・1次転写ローラ14
1次転写部材としての1次転写ローラ14は、外形6mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗10Ω・cm、厚み3mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径12mmのものを用いている。また、1次転写ローラ14a、14b、14c、14dは、感光ドラム1a、1b、1c、1dに対して10Nの加圧力で当接し、1次転写ニップを形成している。
・2次転写ローラ20
本実施例における2次転写ローラ20は、本発明における2次転写部材であるとともに、中間転写ベルト10の回転方向において感光ドラム1とは異なる位置で中間転写ベルト10に接触し、該接触部に電流を供給する第1の電流供給部材でもある。2次転写ローラ20は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗10Ω・cm、厚み5mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。また、2次転写ローラ20は、中間転写ベルト10に対して、50Nの加圧力で当接し、2次転写部(以下、2次転写ニップ)を形成している。2次転写ローラ20は、中間転写ベルト10に対して従動回転し、また、中間転写ベルト10上のトナーを紙等の記録材Pに2次転写しているときに2次転写電圧供給手段としての2次転写電源21(高圧電源)により電圧が印加される。2次転写ローラ20には2次転写電源21から、−1.5〜+6.0kVの電圧印加が可能となっている。
・ブラシ17
帯電部材であるとともに第2の電流供給部材としてのブラシ17は、1×10〜1×10Ωcmの導電性を有するナイロン製の繊維から構成されたブラシを用いており、固定配置されている。ブラシ17にはクリーニング電圧供給手段としてのクリーニング電源18(高圧電源)が接続されており−1.5〜+4.0kVの電圧印加が可能となっている。
・電位生成回路
図1に示すように、本実施例では、中間転写ベルト10を張架する2次転写対向ローラ13と、1次転写ローラ14a、14b、14c、14dは、アースとの間に電圧調整部材としてのトランジスタを有する電圧調整回路15を接続している。各感光ドラム1a〜1d上のトナーを中間転写ベルト10上へ移動させる一次転写を行うための1次転写電圧は、2次転写電源21及びクリーニング電源18から出力される電圧を元に、電圧調整部としての電圧調整回路15によって調整されて生成される。すなわち、電圧調整回路15は、2次転写電源21から2次転写ローラ20を介して中間転写ベルト10に印加される電圧と、クリーニング電源18からブラシ17を介して中間転写ベルト10に印加される電圧と、を調整して1次転写電圧を生成する。ここで、接触部材としての2次転写対向ローラ13の電位は、1次転写電圧と同電位である。ここで生成された1次転写電圧は、1次転写ローラ14を介して中間転写ベルト10の表面電位を形成する。すなわち、電圧調整回路15によって所望の大きさに調整された1次転写電圧の印加により、中間転写ベルト10の表面電位は所望の1次転写電位となる。そして、その1次転写電位と各感光ドラム1a〜1dの表面電位との電位差(転写コントラスト)によって、1次転写が行われる。
図3を参照して、電圧調整手段の制御について説明する。図3は、本発明の実施例1における1次転写部の回路構成を説明する図である。まず、2次転写電源21とクリーニン
グ電源18により電圧が出力されることにより、2次転写ローラ20とブラシ17から、中間転写ベルト10、2次転写対向ローラ13を介して電圧調整回路15へ電流が流れる。電圧調整回路15は、2次転写対向ローラ13及び各1次転写ローラ14a〜14dを介して中間転写ベルト10に電気的に接続されるとともに、制御部としてのコントローラ100から制御信号としてPWM信号が入力される。電圧調整回路15は、入力されるPWM信号の大きさ、すなわち、オンデューティ比の大きさに応じて、電流供給部材としての2次転写ローラ20及びブラシ17から中間転写ベルト10へ流れる電流の大きさを変化させることができるように構成されている。つまり、コントローラ100がPWM信号のオンデューティ比を制御することで、2次転写ローラ20及びブラシ17から中間転写ベルト10へ流れる電流の大きさが制御される。その結果、その電流によって形成される1次転写電圧Vt1(図3のA点とアースの間の電位差)が制御される。
図3におけるA点とアースとの間の電位差である1次転写電圧Vt1は、電圧調整回路15が接続された2次転写対向ローラ13及び各1次転写ローラ14a〜14d(の表面)とアースとの間の電位差である。この電位差は、電圧調整回路15におけるトランジスタQ1のコレクタエミッタ間電圧に相当する。そして、2次転写対向ローラ13及び各1次転写ローラ14a〜14dの表面に巻き付けられた中間転写ベルト10の表面電位は、2次転写対向ローラ13及び各1次転写ローラ14a〜14dの表面電位と略同電位となる。トランジスタQ1のコレクタエミッタ間電圧は、トランジスタQ1のコレクタ電流が制御されることで制御される。つまり、コレクタ電流の制御によって、1次転写電圧Vt1、すなわち、中間転写ベルト10の表面電位が制御されることになる。2次転写電圧Vとクリーニング電圧が印加されることによって生成される電流は、トランジスタQ1のベース端子に電圧が印加されることで、コレクタ電流としてトランジスタQ1内を流れる。
コレクタ電流を制御すべくトランジスタQ1のベース端子に入力される電圧は、オペアンプIC1の出力電圧である。コントローラ100から出力されたPWM信号は、抵抗R7、コンデンサC1により平滑化される。この平滑化されたコントロール電圧(制御信号により生成される制御電圧)V−は、オペアンプIC1の反転入力端子(−端子)に入力される。オペアンプIC1の出力電圧は、抵抗R9、R10により分圧されトランジスタQ1のベース端子に入力される。上述したように、トランジスタQ1のベース端子に電圧がかかることで2次転写電圧とクリーニング電圧による電流が流れ、トランジスタQ1のコレクタ電流が制御されることで、コレクタエミッタ間で電圧が生成され、1次転写電圧Vt1となる。ここで生成された1次転写電圧Vt1はR5、R6で分圧され、その結果得られる電圧が、モニタ電圧V+として、オペアンプIC1の入力端(+端子)に入力される。したがって、1次転写電圧Vt1の大きさは、オペアンプIC1のバーチャルショート(V+=V−)により、コントロール電圧V−の大きさに応じて決定されることになる。コントロール電圧V−は、PWM信号のオンデューティにより制御される。すなわち、PWM信号のオンデューティを上げると、コントロール電圧V−は大きくなり、1次転写電圧Vt1も大きくなる。逆に、PWM信号のオンデューティを下げると、コントロール電圧V−は小さくなり、1次転写電圧Vt1も小さくなる。
以上のように、コントローラ100からのPWM信号により、トランジスタQ1の電圧を制御して1次転写電圧を決定している。尚、図3中の抵抗R8、コンデンサC2は、トランジスタQ1の応答性を決定する素子として構成されている。本実施例では、コントロール電圧V−を制御するために、コントローラ100からのPWM信号を用いたが、電圧調整部の構成としてはこれに限ることはなく、例えばコントローラ100のD/Aポートを用いた構成としても、同様の効果が得られる。
本実施例では、イオン導電形態の中間転写ベルト10を用いていることから抵抗値の環境変動を考慮する必要がある。この環境変動より電圧調整手段としてのトランジスタQ1
は、0〜800Vの範囲で可変可能なものを用いた。周囲の環境による中間転写ベルト10の抵抗値変動を予測し、予め、環境センサの出力値に応じたバイアス設定テーブルを作成するなどして、トランジスタQ1の可変可能な範囲で最適な1次転写電圧を決定する。本実施例の構成では低温低湿環境ほどトランジスタQ1での調整電圧を高く設定することで良好な1次転写性を確保することができる。例えば、低温低湿環境の一例として、温度15℃湿度10%の環境下ではコントロール電圧V−を600Vに設定する。この場合の2次転写電流とクリーニング電流から供給される供給電流と、Vt1(1次転写電圧であり2次転写対向ローラ電位であり中間転写ベルト10の電位である)の関係を図4の実線に示す。図4より前述の条件下においてVt1をコントロール電圧V−の600Vで維持するために必要な供給電流量は30μAである。
すなわち、第1動作としての画像形成動作時において、電圧調整部による中間転写ベルト10に流れる電流の調整によって形成可能なVt1の上限値は600Vに設定される。そして、画像形成動作中において中間転写ベルト10に供給される合算電流量が30μA以上(第1の合算電流量以上の電流量)に維持される限り、Vt1は600Vに維持することができる。この上限値は、コントローラ100が出力するコントロール電圧V−の大きさに応じて変更可能に構成されており、コントローラ100はコントロール電圧V−の大きさを可変に出力可能に構成されている。本実施例の画像形成装置は、第1の動作としての画像形成動作や第2の動作としてのトナー吐出し制御などの複数の動作を実行可能に構成されており、動作毎にベルトに供給される電流の合算電流量が異なる構成となっている。本実施例の画像形成装置では、いずれの動作モードにおいても、その動作モードにおける合算電流量が、Vt1を上限値で維持可能な電流量を超える状態が維持されるように、Vt1の上限値の大きさを変更する。
(比較例の制御)
次に本実施例の理解を容易とするために、まず比較例の制御について説明する。ここで説明する比較例は、ブラシ17を用いたクリーニング方式において一般的に実施される1次回収トナーの吐出し制御を行う構成となっている。
図5のシーケンスチャートを用いて1次回収トナーの吐出し制御について説明する。最初にプリント動作開始(S1)後、1次転写を行うために2次転写電圧とクリーニング電圧を立ち上げて1次転写電圧をVt1に立ち上げる。このときVt1を600Vで維持するために図5の供給電流と電圧維持電流の関係(B)におけるS1〜S2区間のように必要最低電流30μAより多い40μAを供給する。ここで、40μAの内訳は、2次転写電流及びクリーニング電流が各々20μAとする。
図6は、ブラシ17と2次転写対向ローラ13の間の電位差とクリーニング電流の関係を示した図である。図6から、クリーニング電流20μAを流すために必要なクリーニング電圧は、図6の1300Vに、2次転写対向ローラ電位の600Vを足し合わせた1900Vとなる。中間転写ベルト10に1次転写したトナー像を記録材に2次転写する際も同様の設定で制御を行う。
2次転写において記録材に転写されずに中間転写ベルト10上に残留した2次転写残トナーの極性には、正負両極性のトナーが混在している。この2次転写残トナーがブラシ17を通過する際、ブラシ17にはクリーニング電源18からクリーニング電流を供給するように電圧を印加する。このとき、2次転写残トナーのうち正極性のトナーは、ブラシ17から正極性の放電を受けて通過し、感光ドラム1に逆転写され除去される。一方、負極性のトナーは、ブラシ17内に1次回収される。全ての2次転写残トナーがブラシ17を通過したタイミング(S2)から1次回収トナーの吐出し制御を開始する。
ブラシ17の1次回収トナーは負極性であるため、ブラシ17に印加されるクリーニング電圧極性を切替え負極性のクリーニング電流(以下、トナー吐出し負電流)を流すことで1次回収トナーを中間転写ベルト10上に吐き出すことができる。さらにブラシ17に印加する電圧極性を短い時間間隔で交互に切替えることで負極性切替え時の1次回収トナーの吐き出しを4回行う。ブラシ17に印加する電圧極性を短い時間間隔で交互に切替えることで、ブラシ17に供給される電流は、その極性が所定の間隔で交互に反転されることになる。
ここで、1次回収トナーを効果的に吐き出すため必要なトナー吐出し負電流は−8μAである。図6に示すとおり、トナー吐出し負電流を−8μA流すために必要な2次転写対向ローラ13との電位差は、約900Vである。そこで、以下ではトナー吐出し電流を−10μA流すために、コントロール電圧V−に対して1000V低い電圧を、トナー吐出し負電圧として印加する。つまり、図5の(A)の電圧関係のとおりトナー吐出し負電圧を600Vに対して1000V低い電圧、つまり−400Vに設定する。これにより図5の(B)の電流関係になることが期待される。
しかしながら、図5の(B)のS2〜S3区間に示すようにトナー吐出し負電流が流れる間、2次転写電流とクリーニング電流の合算供給電流量(合算電流量)が600Vを維持するのに必要な供給電流量30μAを下回っている。すなわち、2次転写電流が20μAであるのに対し、クリーニング電流が−10μAであり、その合算供給電流量(20μA+(−10μA))は、10μAとなる。そのため、この区間においてVt1を600Vに維持することができなくなる。
実際にVt1を測定したところ、図7の(A)のようにトナー吐出し負電流が流れている間600Vから約300Vに低下していることがわかった。また、図7の(B)に示すとおり、トナー吐出し負電圧が−400Vであることから、2次転写対向ローラ13との電位差は狙いの1000Vから実際は700Vに減少する。図6より、−700Vにおけるトナー吐出し負電流は約−4μAであり、1次回収トナーの吐出しが不十分となってしまう。
以上より、比較例の制御では1次回収トナーがブラシ17に蓄積して抵抗上昇する恐れがある。
(本実施例の制御)
図8を参照して、本実施例の制御について説明する。本実施例の制御は、上記比較例におけるブラシ17の1次回収トナーの吐出し不足を防止するため制御である。本実施例においても2次転写残トナーの1次回収が終了するまで(S2)までは比較例と同様であるので、S2以降について説明する。また、比較例同様、2次転写電流は常時20μAを2次転写対向ローラ13に供給しているものとする。
本実施例ではS2のタイミングで図8の(A)に示すように電圧調整手段のコントロール電圧V−(制御電圧)を600Vから100Vへ切替える。この切替えにより供給電流とVt1の関係は図9の点線から実線へと切り替わり100Vで維持するために必要な供給電流は5μAとなる。また、V−の切替えに伴い、ブラシ17に印加されるトナー吐出し負電圧を図8の(A)に示すように100Vに対して1000V低い−900Vに設定する。
ここで、図8の(B)に示すとおり2次転写電流とトナー吐出し負電流の合算電流量10μAに対して、100Vを維持する供給電流量は5μAであり、Vt1は100Vで安定維持される。また、本実施例では1次回収トナー吐出し制御時の正極性の電圧をV−の
切替えに合わせて図8の(A)に示すように1900Vに対して500V低い1400Vにする。
以上の電圧調整手段によるコントロール電圧の切替えによりVt1を安定的に維持しトナー吐出し負電流を−10μA安定して流すことができる、つまり1次回収トナーを効果的に吐き出すことができ、ブラシ17の抵抗上昇を抑制することができる。
(比較例との比較評価)
次に比較例と本実施例の1次回収トナー吐出し制御の比較評価について説明する。本評価にあたり以下の条件で比較評価を行った。評価環境は、低温低湿環境(温度及び湿度が15℃、10%)で連続印字耐久評価を実施した。A4紙に印字率4%のテキスト画像を100枚ジョブ/1セットとして繰り返し通紙する(第1の動作としての画像形成動作を連続的に繰り返す)。つまり1セットにつき1回、1次回収トナー吐出し制御(第2の動作)が実施されるモードである。本モードで25k枚、50k枚、75k枚のタイミングでブラシ17に印加されるクリーニング電圧を測定するとともにクリーニング性を評価する。1次回収トナーの吐出しを効果的に行えていれば、ブラシ17に蓄積され抵抗となるトナー量を評価を通して少なく維持することができ所望のクリーニング電流を流すのに必要な電圧を低く抑えることができる。その結果評価を通して良好なクリーニング性を確保することができる。クリーニング性の評価は、連続3枚ジョブで、1枚目に全面200%を印字して、この1枚目を中間転写ベルト10上に印字した1周後の位相、つまり本実施例では3枚目の画像領域にクリーニング不良が発生するかどうかで判断する。
比較評価結果を図10に示す。
比較例は、25k枚まではクリーニング電源18の最大出力電圧の4.0kV以下で制御できているが、その後の抵抗上昇により50k枚以降は4.0kVとなっている。つまり1次回収トナーの吐出しが不十分のため、トナー蓄積によりブラシ17の抵抗が上昇し、その結果評価後半で所望のクリーニング電流を流せなくなっている。クリーニング電流は、50k枚では15μA、75k枚では5μA以下で2次転写残トナーの帯電不足によりクリーニング不良が発生した。
一方、本実施例は、1次回収トナーの吐出しが効果的に行えたことで、ブラシ17の抵抗上昇が抑制され、その結果75k枚まで最大出力電圧4.0kVに到達することなく、クリーニング電流を20μAで維持し良好なクリーニング性能を得ることができた。
以上説明したとおり、本実施例では、1次転写電圧と2次転写対向ローラ13の電位が同電位になる構成において、ブラシ17の1次回収トナーの吐出し制御時の電圧調整手段のコントロール電圧を画像転写中に対して低く設定する。これにより、トナー吐出し性能を維持することができ、装置寿命を通して良好なクリーニング性能を得ることができる。
本実施例では、1次回収トナーの吐出し制御にコントロール電圧V−を100Vに設定したが、ブラシ17の1次回収トナー吐出しに影響の出ない設定電圧値(制御電圧V2)は、以下のように算出することができる。以下、コントロール電圧V−の算出方法について述べる。
実際のVt1をコントロール電圧V−で安定化させるためにはコントロール電圧V−を維持するために必要な供給電流量を2次転写対向ローラ13に供給する必要がある。つまり1次転写電流をIt1、2次転写電流をIt2、クリーニング電流をIclとした場合、関係式It1≦It2+Iclが成り立つことが条件となる。
ここで、1次転写部の抵抗値をRt1、1次転写電圧としてコントロール電圧V−とするとオームの法則よりIt1=V−/Rt1であることから、前記関係式はV−≦Rt1
×(It2+Icl)と書きかえられる。
本実施例におけるRt1は図4より20MΩ(=600V/30μA)、It2(正極性電流Ib)は20μA、Icl(負極性電流Ia)はトナー吐出し負電流が−10μAであるので、前記関係式はV−≦200Vとなる。つまり、本実施例では制御電圧V2としてのコントロール電圧V−が200V以下であれば、Vt1をコントロール電圧V−で安定化させることができる。
また、本実施例では、2次転写対向ローラ電位に対して2次転写ローラ20が正極性電圧、ブラシ17が負極性電圧の場合を述べたが、本発明が適用可能な構成はかかる構成に限定されるものではない。例えば、2次転写ローラ20に付着したトナーを吐き出すために2次転写ローラ20を負極性電圧、ブラシ17を正極性電圧とする場合などにおいても本実施例の制御が有効であることは言うまでもない。
また、本実施例では、1次転写部の電圧を調整するため、電圧調整部材としてトランジスタを用いたものの、同様の効果を得られる素子であれば、これに限らず、デジタルボリューム(デジタル式の可変抵抗)等を用いても良い。
また、本実施例では、帯電部材として、ブラシ17を用いたが電流を供給するとともに2次転写残トナーを帯電可能な部材であれば形状はローラでも良い。
[実施例2]
本発明の実施例2に係る画像形成装置について説明する。本実施例の画像形成装置の構成において、前述の実施例1と同様のものには、同一符号を付し、説明を省略する。まず、図11、図12を参照して説明する。図11は、本発明の実施例2に係る画像形成装置の概略図である。図12は、本発明の実施例2における1次転写部の回路構成を説明する図である。
図11に示すように、本実施例では、感光ドラム1a、1b、1c、1dの対向位置に、中間転写ベルト10を介して1次転写ローラ14a、14b、14c、14dが配置されている。図12に示すように、中間転写ベルト10を張架する2次転写対向ローラ13と、1次転写ローラ14a〜14dは、電圧調整部材としてのトランジスタQ1と直列に接続された、電圧安定化素子としてのツェナーダイオードZD1を介して接地されている。また、本実施例では、ツェナーダイオードZD1と1次転写ローラ14a〜14dの間には、それぞれ図11のように抵抗Ra、Rb、Rc、Rdが接続されている。本実施例のように1次転写電圧が全ステーションで共通の場合、感光ドラムの絶縁帯電層の膜厚がステーションで異なると1次転写電流にステーション差が発生してしまう。そのため、本実施例では感光ドラムの膜厚の影響を抑制するためにステーションごとに抵抗Ra〜Rdを接続した。本実施例ではこれらの抵抗を40MΩとした。
次に、図12を用いて、電圧調整手段を説明する。本実施例では、抵抗Ra〜Rdを配置したことにより、実施例1に比べ1次転写に必要な電圧が、抵抗分高くなる。このため、図12示す通り、電圧調整部材としてのトランジスタQ1と直列に電圧維持手段としてのツェナーダイオードZD1を接続する。ツェナーダイオードZD1は、2次転写電源21及びクリーニング電源18により電圧が出力されることにより、2次転写ローラ20とブラシ17から、中間転写ベルト10、2次転写対向ローラ13を介して電流が流れる。このときツェナーダイオードZD1の降伏電圧となる十分な電流が流れ、降伏状態が維持され、ツェナーダイオードZD1は、降伏電圧を維持する。最終的な1次転写電圧は、トランジスタQ1から出力される電圧と、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧とを合算した値となるこれにより、更に高い一次転写電圧が選択できることになる。回路の具体的な動作は、実施例1と同様である。
本実施例では、電圧維持手段としてのツェナーダイオードZD1は、300Vの電位を維持するものを用い、電圧調整手段としてのトランジスタQ1は、実施例1と同様で0〜800Vのものを用いた。このため、本実施例の構成において、コントロール電圧V−は300〜1100Vの範囲で制御可能となる。
本実施例においても実施例1と同様に中間転写ベルト10の環境抵抗変動を考慮すると、例えば、低温低湿環境の一例として温度15℃湿度10%の環境下の1次転写性を確保するためにはコントロール電圧V−を900Vに設定する必要がある。2次転写電流とクリーニング電流から供給される供給電流量と、実際のVt1(1次転写電圧または2次転写対向ローラ電位)の関係を示したのが図13である。図13より前述の条件下においてVt1をコントロール電圧V−である900Vで維持するために必要な供給電流量は30μAである。
(本実施例の制御)
図14を参照して、本実施例の構成における1次回収トナーの吐出し制御について説明する。本実施例においても2次転写残トナーの1次回収が終了するまで(S2)は実施例1とほぼ同様である。すなわち、コントロール電圧V−が900Vになったことでクリーニング電流を20μA流すために必要なクリーニング電圧は、図14の(A)に示すように2200Vとなる。以下、S2以降について説明する。
本実施例における1次回収トナー吐出し制御時のコントロール電圧V−の条件は実施例1で述べた関係式V−≦Rt1×(It2+Icl)と図13から求めることができる。図13よりRt1が30MΩ(=900V/30μA)であるから、V−≦300Vと算出される。また前述したとおり、本実施例の電圧調整可能な電圧範囲は300〜1100Vであるため、コントロール電圧V−を300Vより低い電圧値には調整することができない。よって、図14の電圧関係(A)に示すように、本実施例ではS2のタイミングで電圧調整手段のコントロール電圧V−を900Vから300Vへ切替える。この電圧切替えに伴い実施例1同様、トナー吐出し負電流を−10μA流すためにコントロール電圧V−に対して1000V低い電圧をトナー吐出し負電圧として印加する。つまり、図14の(A)の電圧関係のとおり−700Vに設定する。また、本実施例では、1次回収トナー吐出し制御時の正極性の電圧を、V−の切替えに合わせて、図14の(A)に示すとおり2200Vに対して600V低い1600Vにする。
ここで、本実施例における1次回収トナー吐出し制御時の供給電流とVt1の関係を図15に示す。図15によると、Vt1をコントロール電圧V−(300V)で維持するために必要な供給電流量は、10μAである。一方で、1次回収トナー吐出し制御時の2次転写対向ローラ13に供給される電流は、2次転写電流が20μA、トナー吐出し負電流が−10μAであることから、10μAとなる。以上の電流関係を図14の(B)に示す。しかしながら、供給電流と電圧維持電流が同じもしくはその差がごく小さい場合、中間転写ベルト10やブラシ17の抵抗ばらつきで供給電流が電圧維持電流を下回りVt1が安定維持できなくなる恐れがある。
そこで、本実施例では、図14の電流関係(C)のように、1次回収トナー吐出し制御の区間(S2〜S3)で2次転写電流を20μAから25μAに増加させる。2次転写電流を増加させることで、2次転写対向ローラ13への供給電流量を底上げすることができ、電圧維持電流に対して供給電流が多い状況を作り出すことが可能となる。
以上より1次回収トナー吐出し制御時の2次転写対向ローラ13の電位Vt1が安定し、トナー吐出し負電流を−10μA安定して流すことができるため1次回収トナーを効果的に吐き出すことができ、実施例1同様抵抗上昇を抑制することができる。
以上説明した通り、本実施例では、1次転写の電圧調整手段として、トランジスタを用い、更には、電圧維持手段として、ツェナーダイオードを用いて、其々直列に接続した構成としている。かかる構成においても、ブラシ17の1次回収トナーの吐出し制御時の電圧調整手段の設定電圧を画像転写中の電圧からツェナーダイオードの降伏電圧まで低下させること、さらには2次転写電流を増加させることで、トナー吐出し性能を維持することができる。したがって、装置寿命を通して良好なクリーニング性能を得ることができる。
本実施例では、電圧維持手段としてツェナーダイオードを用いたが、それと同等の効果の得られるものであれば、これに限るものではなく、バリスタ等の素子を用いても良い。
1…感光ドラム、10…中間転写ベルト、13…2次転写対向ローラ、14…1次転写ローラ、15…電圧調整回路、17…ブラシ、18…クリーニング電源、20…2次転写ローラ、21…2次転写電源、100…コントローラ、Q1…トランジスタ、IC1…オペアンプ、ZD1…ツェナーダイオード

Claims (14)

  1. 現像剤像を担持する像担持体と、
    前記像担持体と接触しつつ回転する無端状のベルトと、
    前記ベルトの回転方向において前記像担持体とは異なる位置において前記ベルトに接触し、前記ベルトに電流を供給する複数の電流供給部材と、
    大きさが可変の制御信号を出力する制御部と、
    前記ベルトに接触する接触部材と、
    前記接触部材に接続された電圧調整部材を有し、前記電圧調整部材を用いて前記複数の電流供給部材から前記ベルトを介して前記接触部材に流れる電流を調整することで、前記接触部材の電位を調整する電圧調整部と、
    を備え、
    前記複数の電流供給部材からそれぞれ前記ベルトへ供給される電流の量を合算した合算電流量の大きさが異なる複数の動作を実行する画像形成装置において、
    前記電圧調整部は、前記接触部材に流れる電流の調整によって形成可能な前記接触部材の電位の上限値を、前記制御部から入力される前記制御信号の大きさに応じて変更可能に構成されており、
    前記制御部は、前記上限値が、実行されている前記動作における前記合算電流量が前記接触部材の電位を前記上限値で維持するのに必要な電流量を超えることになる大きさとなるように、前記制御信号の大きさを変更することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の動作には、前記複数の電流供給部材の少なくとも1つが、前記ベルトに供給する電流の極性を所定の間隔で交互に反転させて供給する動作が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記電圧調整部によって調整される前記上限値が第1の上限値となる大きさの第1の制御信号と、
    前記電圧調整部によって調整される前記上限値が前記第1の上限値よりも小さい第2の上限値となる大きさの第2の制御信号と、
    を出力可能であり、
    前記第1の上限値は、前記複数の電流供給部材からそれぞれ供給される電流の量が合算
    された合算電流量が、第1の合算電流量以上のときに維持される上限値であり、
    前記第2の上限値は、前記合算電流量が、前記第1の合算電流量よりも小さい第2の合算電流量以上のときに維持される上限値であり、
    前記第2の合算電流量は、前記複数の電流供給部材の少なくとも1つが、前記ベルトに供給する電流の極性を反転させた場合でも、前記第2の上限値が維持される前記合算電流量であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記複数の動作には、
    前記合算電流量が前記第1の合算電流量以上となる第1の動作と、
    前記合算電流量が前記第2の合算電流量以上となる第2の動作であって、前記複数の電流供給部材の少なくとも1つが、前記ベルトに供給する電流の極性を所定の間隔で交互に反転させて供給する第2の動作と、
    が含まれ、
    前記制御部は、
    前記第1の動作の間は、前記第1の制御信号を出力し、
    前記第2の動作の間は、前記第2の制御信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記電圧調整部は、
    前記電圧調整部材としてのトランジスタと、
    前記制御信号により生成される制御電圧が反転入力端子に入力され、その出力電圧が前記トランジスタのベース端子に入力されるオペアンプと、
    を有し、
    前記第2の動作において、前記ベルトに供給される電流のうち、
    負極性の電流をIa(<0)、
    正極性の電流をIb(>0)、
    1次転写部の抵抗値をRt1、
    としたときに、
    前記制御部は、前記オペアンプの前記反転入力端子に入力される制御電圧V2が、
    V2≦(Ia+Ib)×Rt1
    を満たす値となるように前記第2の制御信号の大きさを設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記複数の電流供給部材の少なくとも1つは、前記ベルトに担持されたトナーを帯電する帯電部材であり、
    前記第2の動作は、前記帯電部材に付着したトナーを前記ベルトに吐き出すための動作であることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
  7. 前記電圧調整部は、前記電圧調整部材としてのトランジスタを有する調整回路であり、
    前記制御信号は、前記トランジスタのベース端子に入力される電圧を制御する信号であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御信号は、PWM信号であり、
    前記電圧調整部は、前記制御部から入力される前記PWM信号のデューティ比の大きさに応じて、前記上限値の大きさを変化させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記複数の電流供給部材には、前記ベルトとの接触部に流す電流により現像剤像を前記ベルトから記録材に2次転写させる2次転写部材が含まれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記複数の電流供給部材には、前記ベルトに担持されたトナーを帯電する帯電部材が含まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記電圧調整部は、前記接触部材としての前記ベルトを支持する支持部材を介して前記ベルトに接続されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記支持部材と前記電圧調整部との間に接続される電圧維持素子をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記電圧維持素子は、ツェナーダイオードであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記ベルトは、イオン系の導電剤を混合して成型された無端状のベルト体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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