JP2009199027A - 帯電装置及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置 Download PDF

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豊 成田
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誠 中村
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忠幸 大島
Hiromoto Furubayashi
宏基 古林
Tomohito Terajima
智史 寺嶋
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Abstract

【課題】帯電部材の表面に付着した汚染物質を効果的にクリーニングすることができると共に、そのクリーニング性能を長期にわたって維持することができる帯電装置。
【解決手段】前記帯電部材(帯電ローラ)9に対して連れ回りするように固定された、前記帯電部材9の表面をクリーニングする円筒形状のクリーニング部材91を有する帯電装置90において、(イ)前記クリーニング部材91が、連続気泡構造を有する樹脂発泡体909と、その両端に形成された静止摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部910と、で構成され、そして、(ロ)前記連れ回り補助部910が、前記帯電部材9における、感光体ドラム2Yの非画像形成部に相当する、部分に当接されているものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において用いられる帯電装置及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置に関する。
従来の電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体(感光体ドラム)に対して帯電処理を行う帯電装置が用いられている。図7は、従来の帯電ローラを有する電子写真方式の画像形成装置の説明図である。
図7において、130は、従来の電子写真方式の画像形成装置である。従来の電子写真方式の画像形成装置130は、静電潜像が形成される感光体ドラム111、感光体ドラム111に接触して帯電処理を行う帯電部材(帯電ローラ)112、レーザ光等の露光手段113、感光体ドラム111の静電潜像にトナー115を付着させるトナー担持体(現像ローラ)114、感光体ドラム111上のトナー像を記録紙117に転写処理する転写部材(転写ローラ)116、及び、転写処理後の感光体ドラム111をクリーニングするためのクリーニング部材(クリーニングブレード)118を有している。図7おいて、119は、感光体ドラム111の表面に残留したトナー115ーがクリーニング部材118により除去された排トナーであり、120は、現像装置であり、そして、121は、クリーニング装置である。なお、図7では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本件では必要としないので、省略してある。
次に、従来の電子写真方式の画像形成装置130の基本的な作像動作について説明する。
感光体ドラム111に接触された帯電ローラ112に対してDC電圧をパワーパック(図示せず)から給電すると、感光体ドラム111の表面は、一様に高電位に帯電する。その直後に、画像光が感光体ドラム111の表面に露光手段113により照射されると、感光体ドラム111の照射された部分は、その電位が低下する。このような帯電ローラ112による感光体ドラム111の表面への帯電メカニズムは、帯電ローラ112と感光体ドラム111との間の微少空間におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。
画像光は、画像の白/黒に応じた光量の分布であるので、かかる画像光が照射されると、画像光の照射によって感光体ドラム111の面に記録画像に対応する電位分布、即ち、静電潜像が形成される。このように静電潜像が形成された感光体ドラム111の部分が現像ローラ114を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電画像を可視像化したトナー像が形成される。かかるトナー像が形成された感光体ドラム111の部分に、記録紙117が所定のタイミングでレジストローラ(図示せず)により搬送され、前記トナー像に重なる。そして、このトナー像が転写ローラ116によって記録紙に転写された後、該記録紙117は、感光体ドラム111から分離される。分離された記録紙117は、搬送経路を通って搬送され、定着ユニット(図示せず)によって、加熱定着された後、機外へ排出される。このようにして転写が終了すると、感光体ドラム111は、その表面がクリーニング部材118によりクリーニング処理され、さらに、クエンチングランプ(図示せず)により、残留電荷が除去されて、次回の作像処理に備えられる。
前述したような従来の画像形成装置において、像担持体(感光体)の表面を帯電する方法としては、近年では、導電性の部材でローラ状に形成した帯電ローラを感光体の表面に近接又は接触させ、その状態で帯電ローラと感光体との間に電圧を印加することにより、感光体の表面を帯電させる帯電装置が、低オゾン化と低電力化が図れるという利点があることから、実用化されている。
しかしながら、トナー像転写後の感光体の表面に残留する転写残トナーがクリーニング工程において、完全に除去されず、帯電ローラと近接又は接触する領域に達すると、これらの転写残トナーが帯電ローラに付着するという問題があった。転写残トナーの中には、帯電極性と同極性とに帯電したものを正規極性トナーとするならば、現像剤との攪拌において正規極性に帯電せずに、逆の極性に帯電してしまうトナー、いわゆる、逆帯電トナーが存在することになる。正規極性に帯電したトナーであれば、このトナーと帯電ローラとは静電気的に反発するので、その表面に付着することはないが、逆帯電トナーは静電気的に引きつけ合い、帯電ローラの表面に付着することとなる。また、逆帯電トナー以外にも、例えば、紙粉等のゴミのうち電荷を帯びて帯電ローラと静電気的に引き合うものであれば、付着してしまう。
近年、画像の高画質、高精細化の需要が高まる中、現像工程においては、小粒径化、球形化されたトナーが使用されるようになってきている。このようなトナーを用いることで、静電潜像に緻密にトナーを付着させようというものである。しかしながら、小粒径化、球形化されたトナーは、クリーニング工程において、クリーニングブレードをすり抜けやすいので、帯電ローラの表面の汚染を一層深刻化させる、という問題があった。
また、感光体の表面の帯電処理をより均一に行うために、直流(DC)電圧に交流(AC)電圧を重畳させた帯電バイアスを印加する手法がとられている。このAC電圧を重畳させると、放電エネルギーによって感光体の表面が荒らされるので、感光体の表面の磨耗が多くなる。そこで、感光体の表面の磨耗を防ぐために、脂肪酸金属塩等の潤滑剤を感光体の表面に塗布して感光体の表面を保護する手法がとられている。このように、潤滑剤を感光体の表面に塗布することは、感光体の表面の摩擦係数の低減にもつながり、また、トナー像の転写率や、クリーニングブレードによる転写残トナーのクリーニング等を向上させる方向にも働く。
しかしながら、感光体の表面に設けられた潤滑剤の薄層には、トナーから脱離したシリカ等の硬い外添剤粒子が補足されやすいので、これらの外添剤粒子がクリーニングブレードの当接面を通過する際にクリーニングブレードのエッジを傷つけたり、また、クリーニングブレードの欠けや磨耗を発生させる、という問題があった。クリーニングブレードの磨耗が進むと、ブレードをすり抜けるトナー量も増大して、帯電ローラ表面汚染を増大する。さらには、潤滑剤自身が、帯電バイアスの放電エネルギーによって分解されて、帯電ローラと静電気的に引き合って帯電ローラに付着するので、帯電ローラの表面の汚染を一層深刻化させる。
したがって、上記したように、クリーニングブレードをすり抜けるトナー等が帯電ローラに付着して感光体の表面の均一な帯電が行えなくなるのを防ぐために、帯電ローラの表面のクリーニングが必要となる。
帯電ローラのクリーニング部材としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等のスポンジ部材(特許文献1を参照。)やブラシローラ(特許文献2を参照。)が用いられている。これらのクリーニング部材は、これを帯電ローラの表面に当接させ摺察させることにより、トナー等の付着物を除去する。これらのトナー等の付着物は、スポンジ材であれば内部の気孔に溜め込まれ、また、ブラシローラであればブラシの繊維間に溜め込まれる。しかしながら、これらのクリーニング部材に溜め込まれる付着物の量には限界があるので、クリーニング部材のクリーニング性能を長期にわたって維持することには、課題が残されている。例えば、帯電ローラを含んで構成されるプロセスカートリッジにおいては、他の構成部材の寿命に合わせて、帯電ローラのクリーニング性能が維持されることが必要であるが、上記のクリーニング部材を備えたクリーニング機構では不十分である。
そこで、上記クリーニング部材に代わって、帯電ローラの性能を長期にわたって維持できるものとして、連続気泡構造を有するメラミン樹脂発泡体からなるクリーニング部材を用いることが提案されている(特許文献2,3を参照。)。これらのクリーニング部材によれば、従来のスポンジ材のように一箇所の気孔内に汚れが詰まってしまうことがないので、長期にわたって帯電ローラの表面のクリーニング機能を維持することができる。
しかしながら、本発明者らは、上記クリーニング部材について検討を進めたところ、ローラ表面汚染は従来より低減するものの、そのクリーニング性能は完全なものではなく、長期にわたって使用していく中でローラ表面の汚染はやはり進行していくことを見出した。そして、本発明者らは、このようなローラ表面の汚染が進行してゆく原因について探求したところ、クリーニング部材を帯電ローラに対して、自重あるいは加圧力付与手段によって当接させる構成とした場合には、クリーニング部材と帯電ローラとの間にスリップが生じるので、トナー等の付着物が帯電ローラ表面にこすり付けられて融着してしまい、そのために、ローラ表面汚染が発生する、ということを見出した。
また、従来においては、帯電ローラとしては、導電材が分散されたゴムやエラストマー等の弾性体を芯金周囲に被覆したものが多く用いられてきたが、このような弾性体では、経時においてへたりや変形が生じやすく、特に、像担持体(感光体)と帯電ローラとを非接触で近接させる方式の帯電装置では、感光体と帯電ローラとの間隙が経時で変化するので、帯電電位が変化することによる画像ムラが発生する、という問題があった。そのために、帯電ローラをゴムやエラストマー等の弾性体に変えて、熱可塑性樹脂等の非弾性体を用いて構成することが有効であることもわかってきた。
しかしながら、非弾性体を用いて形成した帯電ローラを有する画像形成装置においては、非弾性体を用いて形成した帯電ローラは、高硬度を有しているので、クリーニング部材とのスリップがより生じやすく、そのために、ローラ表面へのトナー等の付着物の融着が起こりやすく、よって、ローラ表面の汚染がより深刻となってしまう、という問題があった。
特開平5−297690号公報 特開平7−140763号公報 特開2005−70750号公報 特開2005−221981号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、帯電部材の表面に付着した汚染物質を効果的にクリーニングすることができると共に、そのクリーニング性能を長期にわたって維持することができる帯電装置及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、導電性支持体、該導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層、及び、該電気抵抗調整層の両端に設けられた空隙保持部材を有する帯電性部材と、前記帯電部材に自重又は圧力付与手段によって加圧当接されると共に、前記帯電部材に対して連れ回りするように固定された、前記帯電製部材の表面をクリーニングする円筒形状のクリーニング部材と、を有する帯電装置において、
(イ)前記クリーニング部材が、連続気泡構造を有する樹脂発泡体と、その両端に形成された静止摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部と、で構成され、そして、
(ロ)前記連れ回り補助部が、前記帯電部材における感光体ドラムの非画像形成部に相当する部分に当接されている
ことを特徴とする帯電装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体が、メラミン樹脂で構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体が、元形状から加熱圧縮されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記連れ回り補助部が、弾性材料で構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、前記弾性材料が、ゴム及び架橋剤を含浸したメラミン樹脂発泡体に架橋反応処理を施して得た弾性材料で構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5いずれか1項に記載された発明において、前記電気抵抗調整層が、熱可塑性樹脂に高分子型イオン導電剤を分散させた熱可塑性樹脂で構成されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6いずれか1項に記載された発明において、前記電気抵抗調整層の体積固有抵抗値が、106 〜109 Ω・cmであることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7いずれか1項に記載された発明において、前記電気抵抗調整層の表面には、表面層が設けられていることを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、請求項8に記載された発明において、前記表面層の抵抗値が、前記電気抵抗調整層の抵抗値より大きいことを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明は、潜像を形成する像担持体と、帯電装置と、を少なくとも備え、一体に支持されて画像形成装置の本体に着脱自在に固定された、プロセスカートリッジにおいて、前記帯電装置が、請求項1〜9記載の帯電装置で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項11に記載された発明は、プロセスカートリッジと、像担持体の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段と、像担持体の表面の静電潜像にトナーを供給して可視化する現像手段と、像担持体の表面の可視化像を転写媒体に転写する転写手段と、を少なくとも備えた画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項10に記載のプロセスカートリッジで構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、導電性支持体、該導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層、及び、該電気抵抗調整層の両端に設けられた空隙保持部材を有する帯電性部材(帯電ローラ)と、前記帯電部材に自重又は圧力付与手段によって加圧当接されると共に、前記帯電部材に対して連れ回りするように固定された、前記帯電部材の表面をクリーニングする円筒形状のクリーニング部材と、を有する帯電装置において、(イ)前記クリーニング部材が、連続気泡構造を有する樹脂発泡体と、その両端に形成された静止摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部と、で構成され、そして、(ロ)前記連れ回り補助部が、前記帯電部材における感光体ドラムの非画像形成部に相当する部分に当接されているので、クリーニング部材の帯電部材(帯電ローラ)に対するスリップを防止して、トナー等の付着物が帯電ローラの表面にこすり付けられて融着してしまうことを防止することができ、そのために、帯電部材の表面に付着した汚染物質を効果的にクリーニングすることができると共に、そのクリーニング性能を長期にわたって維持することができる帯電装置を提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体がメラミン樹脂で構成されているので、連続気泡構造を容易に形成でき、そのために、帯電部材へ付着した物質の前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体の気泡内における滞留を防止でき、よって、クリーニング性能をいっそう長期にわたって維持することができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記樹脂発泡体が元形状から加熱圧縮されているので、非圧縮の樹脂発泡体に生じるピンホール部でのクリーニング性の低下を防止でき、そのために、クリーニング性能をいっそう長期にわたって維持することができる。
請求項4に記載された発明によれば、前記連れ回り補助部が弾性材料で構成されているので、クリーニング部材のスリップをいっそう防止することができ、そのために、クリーニング性能を長期にわたって維持することができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記弾性材料が、ゴム及び架橋剤を含浸したメラミン樹脂発泡体に架橋反応処理を施して得た弾性材料で構成されているので、摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部を容易に形成することができ、そのために、クリーニング部材のスリップをよりいっそう防止することができ、そのために、クリーニング性能をよりいっそう長期にわたって維持することができる。
請求項6に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層が熱可塑性樹脂に高分子型イオン導電剤を分散させた熱可塑性樹脂で構成されているので、導電性顔料が分散した樹脂組成物にみられるような分散不良に伴う電気抵抗値のばらつきやブリードアウトを効果的に防止することができる。
請求項7に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層の体積固有抵抗値が106 〜109 Ω・cmであるので、十分な帯電能力及び転写能力を確保することができると共に、像担持体への電力集中による異常放電の発生を防止することができ、それらのために、均一画像を得ることができる。
請求項8に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層の表面には、表面層が設けられているので、トナー、及び、トナーに添加されている添加剤が長期に渡って帯電部材の表面に付着することを防止することができる。
請求項9に記載された発明によれば、表面層の抵抗値が前記電気抵抗調整層の抵抗値より大きいので、像担持体の欠陥部への電圧集中及び異常放電の発生を防止することができる。
請求項10に記載された発明によれば、潜像を形成する像担持体と、帯電装置と、を少なくとも備え、一体に支持されて画像形成装置の本体に着脱自在に固定された、プロセスカートリッジにおいて、前記帯電装置が、請求項1〜9記載の帯電装置で構成されているので、長期にわたって安定した画質を得ることができ、且つ、交換もユーザーメンテナンスが可能であり簡素化される。
請求項11に記載された発明によれば、プロセスカートリッジと、像担持体の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段と、像担持体の表面の静電潜像にトナーを供給して可視化する現像手段と、像担持体の表面の可視化像を転写媒体に転写する転写手段と、を少なくとも備えた画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項10に記載のプロセスカートリッジで構成されているので、高画質を得ることができると共に、長期にわたって安定した画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す帯電部材(帯電ローラ)を像担持体上に配置した状態を示す模式図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の概略説明図である。図3は、本発明の一実施の形態を示す画像形成装置における画像形成部の構成を示す概略説明図である。図4は、オイラーベルト法による静止摩擦係数の測定の一例を示す模式図である。図5は、記録紙の部分図であって、(a)は、帯電ローラに汚れが生じなかったことにより、記録紙に汚れができなかったことを示し、そして、(b)は、帯電ローラに汚れが生じたことにより、記録紙に縦スジができたことを示す。図6は、帯電ローラが回転を開始したときからクリーニング部材が帯電ローラの回転に追従して連れ回りを開始するまでのスリップ時間と、クリーニング部材の連れ回り補助部の静止摩擦係数との関係を示すグラフである。
図1において、90は、帯電装置である。帯電装置90は、導電性支持体(芯金)903、該導電性支持体903上に形成された電気抵抗調整層902、及び、該電気抵抗調整層902の両端に設けられた空隙保持部904を有する帯電部材(帯電ローラ)9と、前記帯電部材9に自重又は圧力付与手段(圧縮バネ)908によって加圧当接されると共に、前記帯電部材9に対して連れ回りするように固定された、前記帯電部材9の表面をクリーニングする円筒形状のクリーニング部材91と、を有している。そして、前記帯電装置90においては、(イ)前記クリーニング部材91が、連続気泡構造を有する樹脂発泡体909と、その両端に形成された静止摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部910と、で構成され、そして、(ロ)前記連れ回り補助部910が、前記帯電部材9における、感光体ドラム2Yの非画像形成部に相当する、部分に当接されている。図1において、901は、表面層であり、905は、軸受であり、そして、907は、空隙保持部材904を像担持体2Yに加圧当接させる圧力付与手段(圧縮バネ)である。
このように、導電性支持体(芯金)903、該導電性支持体903上に形成された電気抵抗調整層902、及び、該電気抵抗調整層902の両端に設けられた空隙保持部材904を有する帯電部材(帯電ローラ)9と、前記帯電部材9に自重又は圧力付与手段(圧縮バネ)908によって加圧当接されると共に、前記帯電部材9に対して連れ回りするように固定された、前記帯電部材9の表面をクリーニングする円筒形状のクリーニング部材91と、を有する帯電装置90において、(イ)前記クリーニング部材91が、連続気泡構造を有する樹脂発泡体909と、その両端に形成された静止摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部910と、で構成され、そして、(ロ)前記連れ回り補助部910が、前記帯電部材9における、感光体ドラム2Yの非画像形成部に相当する、部分に当接されていると、クリーニング部材91の帯電部材(帯電ローラ)9に対するスリップを防止して、トナー等の付着物が帯電部材9の表面にこすり付けられて融着してしまうことを防止することができ、そのために、帯電部材9の表面に付着した汚染物質を効果的にクリーニングすることができると共に、そのクリーニング性能を長期にわたって維持することができる帯電装置90を提供することができる。
前記クリーニング部材91は、図1に示すように、帯電部材(帯電ローラ)9の矢印方向の回転に対し連れ回りしている。このように、クリーニング部材91が帯電ローラ9の回転に従動されると、クリーニング部材91に駆動装置が不要となるので、構成を簡易にすることができる。
本発明においては、前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体909は、好ましくは、メラミン樹脂で構成されている。このように、前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体909がメラミン樹脂で構成されていると、連続気泡構造を容易に形成でき、そのために、帯電部材9へ付着した物質の前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体909の気泡内における滞留を防止でき、よって、クリーニング性能をいっそう長期にわたって維持することができる。
前記樹脂発泡体909の物性値としては、少なくとも帯電ローラ9との当接部分の密度は、好ましくは、5kg/m3 以上であり、そして、引っ張り強度は、好ましくは、1.2kg/cm2 以上である。前記帯電ローラ9との当接部分の密度が5kg/m3 より小さいと、帯電部材(帯電ローラ)9との当接面が少なすぎるので、十分なクリーニング性能が得られず、そのために、早期に帯電不良が発生し、よって、画像に地汚れ等の不具合を発生させる。また、前記引っ張り強度が2kg/cm2 未満であると、強度が十分でなく、そのために、樹脂発泡体909が早期にボロボロになり、よって、クリーニング性能が発揮されない。それ故、前記物性値を示す樹脂発泡体909の中でも、特に、メラミン樹脂で構成されたものが好ましい。メラミン樹脂で構成された樹脂発泡体909は、網目状の繊維が硬いので、帯電ローラ9上の付着物を容易に削り取ることができるか、又は、引っかけ剥ぎ取ることができる。このように、本発明の帯電装置90は、そのクリーニング部材91がクリーニング性能に優れると共に、前記したように脆い性質を示すので、常に、クリーニング部材91のフレッシュな面が帯電ローラ9の表面と接し、そのために、良好なクリーニング性能を維持することができる。
前記メラミン樹脂で構成される樹脂発泡体909は、発泡倍率にばらつきがあるので、その表面にφ1〜3mm程度のピンホールが多く存在する。このようなピンホールの存在は、クリーニングすべき帯電ローラ9との接触面積を減らし、部分的にクリーニング不良を発生して、帯電ムラを起こす原因となる。そこで、メラミン樹脂発泡体を上記の圧縮率範囲で加熱圧縮すると、連続気泡構造を緻密にすることができ、そのために、クリーニング性能を向上させることができる。
したがって、本発明においては、前記樹脂発泡体909は、好ましくは、元形状から加熱圧縮されている。このように、前記樹脂発泡体909が元形状から加熱圧縮されていると、非圧縮の樹脂発泡体909に生じるピンホール部でのクリーニング性の低下を防止でき、そのために、クリーニング性能をいっそう長期にわたって維持することができる。
前記クリーニング部材9を構成する樹脂発泡体909の圧縮率は、好ましくは、30%以上である。前記圧縮率は、次の式
圧縮率(%)={(圧縮前直径−圧縮後直径)/圧縮前直径}×100
によって求められる。
本発明においては、前記連れ回り補助部910は、好ましくは、弾性材料で構成されている。このように、前記連れ回り補助部910が弾性材料で構成されていると、クリーニング部材91のスリップをいっそう防止することができ、そのために、クリーニング性能を長期にわたって維持することができる。
本発明においては、前記弾性材料は、好ましくは、ゴム及び架橋剤を含浸したメラミン樹脂発泡体に架橋反応処理を施して得た弾性材料で構成されている。このように、前記弾性材料がゴム及び架橋剤を含浸したメラミン樹脂発泡体に架橋反応処理を施して得た弾性材料で構成されていると、摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部を容易に形成することができ、そのために、クリーニング部材91のスリップをよりいっそう防止することができ、そのために、クリーニング性能をよりいっそう長期にわたって維持することができる。
前記クリーニング部材91の形状は、円筒形状をしている。このように、円筒形状としたクリーニング部材91を回転自在に取り付けると、クリーニングする面を常に換えることができ、また、芯金903にメラミン樹脂で構成される樹脂発泡体909を円筒状に巻き付けるなどして形成することができる。
帯電クリーニング部材の製造方法について、以下説明する。
メラミン樹脂で構成される樹脂発泡体を加熱圧縮した後、芯金を挿入し、次に、研磨等の手段により外径を整える。そして、その両端部に低分子量ゴム及び架橋剤をディッピング等の手段で含浸させ、架橋反応せしめて、ゴム状物質を形成させることにより、連れ回り補助部を形成させる。このように形成された連れ回り補助部の外径精度を向上させるために、含浸後に研磨を行ってもよい。前記ゴムは、天然ゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム、塩素ゴム、熱可塑エラストマー等のいずれでも良く、摩擦係数が高いウレタンゴム等が好ましい。またディッピング等の作業性を向上させるため、各種ゴムを有機溶媒等で希釈しても良い。架橋剤についても、特に限定されるものではなく、イソシアネート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂等の硬化剤や、硫黄、有機含硫黄化合物、過酸化物等の物質を適宜選択することができる。
本発明においては、前記電気抵抗調整層902は、好ましくは、熱可塑性樹脂に高分子型イオン導電剤を分散させた熱可塑性樹脂で構成されている。このように、前記電気抵抗調整層902が熱可塑性樹脂に高分子型イオン導電剤を分散させた熱可塑性樹脂で構成されていると、導電性顔料が分散した樹脂組成物にみられるような分散不良に伴う電気抵抗値のばらつきやブリードアウトを効果的に防止することができる。
本発明においては、前記電気抵抗調整層902の体積固有抵抗値は、好ましくは、106 〜109 Ω・cmである。このように、前記電気抵抗調整層902の体積固有抵抗値が106 〜109 Ω・cmであると、十分な帯電能力及び転写能力を確保することができると共に、像担持体2Yへの電力集中による異常放電の発生を防止することができ、それらのために、均一画像を得ることができる。
本発明においては、前記電気抵抗調整層902の表面には、好ましくは、表面層901が設けられている。このように、前記電気抵抗調整層902の表面に、表面層901が設けられていると、トナー、及び、トナーに添加されている添加剤が長期に渡って帯電部材9の表面に付着することを防止することができる。
本発明においては、前記表面層901の抵抗値は、好ましくは、前記電気抵抗調整層902の抵抗値より大きい。このように、前記表面層901の抵抗値が前記電気抵抗調整層の抵抗値より大きいと、像担持体2Yの欠陥部への電圧集中及び異常放電の発生を防止することができる。
次に、帯電装置90について詳細に説明する。図1に示されているように、本発明の帯電装置90は、感光体ドラム2Yに対向配置される円筒形状の帯電部材9と、帯電部材が感光体ドラム2Yと対向する面と反対側の面に当接するように配置される円筒形状の帯電クリーニング部材91とからなる。また、帯電部材9は、その両端部を圧力付与手段である圧縮ばね907によって、それぞれ感光体ドラム2Yの側に付勢している。帯電部材9は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。その電圧は、直流(DC)電圧のみでもよいが、DC電圧に交流(AC)電圧を重畳させた電圧であることが好ましい。AC電圧を印加することにより、感光体ドラム2Yの表面をより均一に帯電することができる。帯電部材9は、感光体ドラム2Yに接触させて設けてもよいが、本実施の形態においては、感光体ドラム2Yに対して微小間隙Gをもって配設される。この微小間隙Gは、帯電部材9の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有する空隙保持部材904を付与するなどして、空隙保持部材904の表面を感光体ドラム2Yの表面に当接させることで、設定することができる。
帯電部材9と感光体ドラム2Yとの微小間隙Gは、空隙保持部材より100μm以下、好ましくは、5〜70μm程度の範囲にする。これにより、帯電装置90の作動時における異常画像の形成を抑えることができる。微小間隙Gが、100μm以上では、感光体ドラム2Yに到達するまでの距離も長くなることで、パッシェンの法則の放電開始電圧が大きくなり、さらに、感光体ドラム2Yまでの放電空間が大きくなると、感光体ドラム2Yを所定の帯電をさせるためには、放電による放電生成物が多量に必要となり、これが画像形成後も放電空間に多量に残留し、感光体ドラム2Yに付着して、感光体ドラム2Yの経時劣化を促進する原因になる。また、この微小間隙Gが小さいと、感光体ドラム2Yまでの到達距離も短くなるので、放電エネルギーが小さくても感光体ドラム2Yを帯電させることができる。しかし、帯電部材9と感光体ドラム2Yにより形成される空間Gが狭くなり、空気の流が悪くなってしまう。そのために、放電空間で形成された放電生成物は、この空間内に滞留するので、微小間隙Gが大きい場合と同様に、画像形成後も放電空間に多量に残留し、感光体ドラム2Yに付着して、感光体ドラム2Yの経時劣化を促進する原因になる。従って、放電エネルギーを小さくして放電生成物の生成を少なくし、かつ、空気が滞留しない程度の空間を形成することが好ましい。そのために、微小間隙Gは、100μm以下であって、5〜70μmの範囲にすることが好ましい。これにより、ストリーマ放電の発生を防止し、放電生成物の生成を少なくして感光体ドラム2Yに堆積する量を少なくして、斑点状の画像斑・像流れを防止することができる。
ここで、感光体ドラム2Y上に現像後に残留するトナーは、感光体ドラム2Yに対向して設けられるクリーニング装置64によりクリーニングされるが、完全に除去するのは困難であり、極わずかのトナーがクリーニング装置64を通過し、帯電装置90へと搬送されてくる。このときに、トナーの粒径が微小間隙Gより大きいと、トナーは感光体ドラム2Yや帯電部材9により摺擦されて熱を帯び、帯電部材9に融着することがある。このトナーが融着した部分は、感光体ドラム2Yに近くなるために優先的に放電が生ずる異常放電を起こす。従って、微小間隙Gは、画像形成装置1に用いられるトナーの最大粒径よりも大きいことが好ましい。
また、帯電部材9は、図1、3に示すように、帯電装置の図示しないハウジングの側板に設けられる軸受に嵌合され、軸受には従動しない摩擦係数の低い樹脂による軸受905に設ける圧縮バネ907により感光体ドラム表面方向に押圧されている。これにより、機械的振動、芯金903の偏位があっても一定の微小間隙Gを形成することができる。押圧する荷重は、好ましくは、4〜25N、さらに好ましくは、6〜15Nである。帯電部材9は、軸受905で固定されていても、稼動時の振動、帯電部材の表面の凹凸により微小間隙Gの大きさが変動し、微小間隙Gが適正な範囲からはずれる場合があり、このために、経時的には感光体ドラム2Yの劣化を促進することになる。ここで、荷重とは、空隙保持部材904を通して感光体ドラム2Yに加わるすべての荷重を意味する。これは、帯電部材9の両端に設けられる圧縮バネ907の力、帯電部材9とクリーニング部材91の自重等により調整できる。荷重が小さいと、帯電部材9の回転時による変動、駆動するギア等の衝撃力による跳ね上がりを抑えることができない。荷重が大きいと、帯電部材9と嵌合する軸受905との摩擦が大きくなり、経時的な摩耗量を大きくして変動を促進することになる。従って、荷重を、好ましくは、4〜25N、さらに好ましくは、6〜15Nの範囲にすることにより、微小間隙Gを適正な範囲にして、放電生成物の生成を少なくして感光体ドラム2Yに堆積する量を少なくして感光体ドラム2Yの寿命を延ばし、かつ、斑点状の異常画像・画像流を防止することができる。
前記帯電部材9の形状は、図1,3に示すように、円筒形状とし、両端をギア又は軸受905で回転可能に支持されている。このように、帯電部材9が、像担持体2Yへの最近接部から、感光体ドラム(像担持体)2Yの移動方向の上下流に漸次離間する曲面で形成されていると、像担持体2Yをより均一に帯電させることができる。像担持体2Yに対向する帯電部材9が、先鋭な部分があると、その部分の電位が高くなるために優先的に放電が開始され、像担持体2Yの均一な帯電が困難になる。従って、円筒状の形状で、曲面を有することで均一な像担持体2Yの帯電が可能になる。また、帯電部材9の放電している表面は強いストレスを受ける。放電が常に同じ面で発生するので、その劣化が促進され、さらに、削り落ちることがある。そのために、帯電部材9の全面を放電する面として使用できるのであれば、回転させることで、早期の劣化を防止することで、長期にわたって使用することができる。
次に、帯電部材(帯電ローラ)9を構成する空隙保持部材904,電気抵抗調整層902、及び、表面層901について詳細に説明する。
<空隙保持部材904について>
空隙保持部材904の必要な特性としては、感光体2Yとの微少空隙Gを環境及び長期(経時)に渡って安定して形成することであり、そのためには、吸湿性、耐摩耗性が小さい材料が望ましい。また、トナー及び、トナー添加剤が付着しにくいことや、感光体2Yと当接し、摺動するために、感光体2Yを摩耗させないということも重要であり、種々の条件に応じて、適宜選択されるものである。空隙保持部材904を構成する材料としては、具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、及び、それらの共重合体(AS,ABS)等の汎用樹脂、ポリカーボネート(PC)、ウレタン、フッ素(PTFE)等があげられる。特に、空隙保持部材904を確実に固定するためには、接着剤を塗布して接着することができる。また、空隙保持部材904は、絶縁性材料が好ましく、体積固有抵抗で10-13 Ωcm以上であることが好ましい。絶縁性が必要である理由は、感光体2Yとのリーク電流の発生を無くすためである。空隙保持部材904は、成型加工により成形されたものである。
空隙保持部材904は、その一部が電気抵抗調整層902と高低差を有している。微少間隙Gを形成する方法としては、電気抵抗調整層902と空隙保持部材904を切削、研削等の除去加工により同時加工することにより形成することができる。空隙保持部材904と電気抵抗調整層902を同時加工することにより、間隙Gを高精度に形成することが可能となる。空隙保持部材904の電気抵抗調整層902と隣接する部分の高さを、電気抵抗調整層902の高さと同一、又は、低く形成することで、空隙保持部材904と感光体2Yとの接触幅が低減され、帯電部材9と感光体2Yとの間隙Gを高精度にすることができる。このようにすると、空隙保持部材904の電気抵抗調整層902側端部の外表面が像担持体2Yに当接することを防止することができるので、この端部を介して隣接する電気抵抗調整層902が像担持体2Yに接触してリーク電流が発生してしまうことを防止することが可能となる。また、空隙保持部904の電気抵抗調整層902側の端部を低く加工することによって、この部分を、除去加工を行う際の切削刃等の逃げ代(逃げ加工)とすることができる。なお、逃げ代(逃げ加工)の形状は、空隙保持部材904の端部の外表面が像担持体2Yに当接しないような形状であるならばどのような形状であっても良い。更に、表面層901をコーティングする際のマスキングを電気抵抗調整層902と空隙保持部材904との境界で行うことは、ばらつきを考慮すると制御が難しいので、段差を形成する際に、電気抵抗調整層902と同一又は低く形成された空隙保持部材904まで表面層901を形成することにより、電気抵抗調整層902上に確実に表面層901を形成することができる。
<電気抵抗調整層902について>
電気抵抗調整層902は、高分子型イオン導電材料が分散された熱可塑性樹脂組成物により形成されている。電気抵抗調整層902の体積固有抵抗は、好ましくは、10-6〜10-9Ωcmである。10-9Ωcmを越えると、帯電能力や転写能力が不足してしまい、また、10-6Ωcmよりも体積固有抵抗が低いと、感光体2Y全体への電流集中によるリークが生じてしまう。電気抵抗抵抗調整層902は、好ましくは、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、及び、それらの共重合体(AS,ABS)、ポリアミド、ポリカーボーネート(PC)等の熱可塑性樹脂で構成される。これらの熱可塑性樹脂に分散させる高分子型イオン導電材料としては、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する高分子化合物が好ましい。ポリエーテルエステルアミドはイオン導電性の高分子材料であり、マトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化される。したがって、金属酸化物、カーボンブラック等の電子伝導系導電剤を分散した組成物に見られるような分散不良に伴う抵抗値のばらつきが生じない。また、帯電部材(帯電ローラ)9として、高い印加電圧を掛ける際には、電子伝導系導電剤の場合、局所的に電気の流れやすい経路が形成さるので、像担持体2Yへのリーク電流が発生し、帯電部材9の場合、異常画像である白・黒ポチ画像が発生する。ポリエーテルエステルアミドは、高分子材料であるため、ブリードアウトが生じ難い。配合量については、抵抗値を所望の値にする必要があることから、熱可塑性樹脂が20〜70重量%、高分子型イオン導電剤が80〜20重量%とする必要がある。
さらに、抵抗値を調整するために、電解質(塩類)を添加することも可能である。塩類としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等のアルカリ金属塩、リチウムビスイミド、リチウムトリスメチド等のリチウムイミド塩、エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の四級ホスホニウム塩が挙げられる。導電剤は物性を損なわない範囲で、単独若しくは、複数をブレンドして用いても構わない。導電材料をマトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散させるためには、相溶化剤を添加することにより、帯電材料におけるミクロ分散が可能になるので、相溶化剤を適宜使用しても構わない。相溶化剤としては、反応基であるグリシジルメタクリレート基を有するものが挙げられる。その他、物性を損なわない範囲において、酸化防止剤等の添加剤を使用しても構わない。樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はなく、各材料を混合し二軸混練機、ニーダー等で溶融混練することによって、容易に製造できる。また、電気抵抗調整層902としての導電性支持体(芯金)903上への形成は、押出成形や射出成形等の手段で導電性支持体903に前記、導電性樹脂組成物903を被覆することによって、容易に行うことができる。
<表面層901について>
本発明においては、表面層901の体積固有抵抗は、電気抵抗調整層902の体積固有抵抗より大きくしている。このように、表面層901の体積固有抵抗を電気抵抗調整層902の体積固有抵抗より大きくしていると、像担持体2Yの欠陥部への電圧集中及び異常放電の発生を防止することができる。ただし、表面層901の電気抵抗値を高くしすぎると帯電能力や転写能力が不足してしまうので、表面層901と電気抵抗調整層902との電気抵抗値の差を103 Ωcm以下にすることが好ましい。表面層901を形成する材料としては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が非粘着性に優れ、クリーニング性の面で好ましい。また、表面層901の電気抵抗調整層902上への形成は、前記表面層901の構成材料を有機溶媒に溶解して塗料を作製し、スプレー塗装、ディッピング、ロールコート等の種々のコーティング方法で行う。その膜厚は、好ましくは、10〜30μmである。
表面層材料は、一液性、二液性どちらも使用可能であるが、硬化剤を併用する二液性塗料にすることにり、耐環境性、非粘着性、離型性を高めることができる。2液性塗料の場合、塗膜を加熱することにより、樹脂を架橋・硬化させる方法が一般的である。しかしながら、電気抵抗調整層902は、熱可塑性樹脂で構成されているので、高い温度で加熱することができない。2液性塗料としては、分子中に水酸基を有する主剤及び、水酸基と架橋反応を起こす、イソシアネート系樹脂を用いることが有効である。イソシアネート系樹脂を用いることにより、100℃以下の比較的低温で架橋・硬化反応が起こる。トナーの非粘着性から検討を進めた結果、シリコーン系樹脂でトナーの非粘着性が高い樹脂であることを確認し、特に、分子中にアクリル骨格を有するアクリルシリコーン樹脂が良好である。
帯電部材(帯電ローラ)9は、電気特性(電気抵抗値)が重要であるので、表面層901を導電性にする必要がある。表面層901を導電性にする方法には、表面層を構成する樹脂材料中に導電剤を分散する方法がある。このような導電剤は、特に、制約を受けるものではないが、例えば、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム等の金属、及び、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等を挙げることができる。また、導電性付与材として、イオン導電性物質もあり、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、更に、エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の四級ホスホニウム塩、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等の有機イオン性導電性物質がある。
図2,3に示されているように、本発明のプロセスカートリッジ7Yは、潜像を形成する像担持体2Yと、帯電装置90と、を少なくとも備え、一体に支持されて画像形成装置1の本体に着脱自在に固定されている。そして、本発明のプロセスカートリッジ7Yにおいては、前記帯電装置90は、請求項1〜9記載の帯電装置90で構成されている。このように、前記帯電装置90が請求項1〜9記載の帯電装置90で構成されていると、長期にわたって安定した画質を得ることができ、且つ、交換もユーザーメンテナンスが可能であり簡素化される。
また、図2,3に示されているように、本発明の画像形成装置1は、プロセスカートリッジ7Yと、像担持体2Yの表面に露光して静電潜像を形成する露光手段Lと、像担持体2Yの表面の静電潜像にトナーを供給して可視化する現像手段11と、像担持体2Yの表面の可視化像を転写媒体(中間転写ベルト3)に転写する転写手段(転写ローラ25)と、を少なくとも備えている。そして、本発明の画像形成装置1においては、前記プロセスカートリッジ7Yは、請求項10に記載のプロセスカートリッジで構成されている。このように、前記プロセスカートリッジ7Yが請求項10に記載のプロセスカートリッジで構成されていると、高画質を得ることができると共に、長期にわたって安定した画像を得ることができる。
次に、画像形成装置1について詳細に説明する。図2,3に示されているように、本発明の画像形成装置1は、複数の支持ローラ4,5,6に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト3と、その中間転写ベルト3に対向配置された第1〜4のプロセスカートリッジ7Y,7C,7M,7BKを有している。各プロセスカートリッジ7Y〜7BKは、それぞれ異なった色のトナー像が形成されるドラム状の感光体として構成された像担持体2Y,2C,2M,2BKを有し、その各像担持体上に異なった色のトナー像がそれぞれ形成され、その各トナー像が中間転写ベルト3上に重ねて転写される。中間転写ベルト3は、像担持体2Y,2C,2M,2BKに形成されたトナー像が転写される転写材の一例を構成するものである。第1〜4のプロセスカートリッジ7Y〜7BKの各像担持体2Y〜2BK上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト3に転写する構成は、トナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一であるため、第1のプロセスカートリッジ7Yの像担持体2Yにトナー像を形成し、これを中間転写ベルト3に転写する構成だけを説明する。
図3は、第1のプロセスカートリッジ7Yの拡大断面図である。ここに示したプロセスカートリッジ7Yの像担持体2Yは、ユニットケース8に回転自在に支持されていて、図示していない駆動装置によって時計方向に回転駆動される。このとき、ユニットケース8に回転自在に支持された帯電ローラ9に帯電電圧が印加され、これによって像担持体2Yの表面が所定の極性に帯電される。帯電後の像担持体2Yには、プロセスカートリッジ7Yとは別体の図2に示した光書き込み装置10から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって像担持体2Yに静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置11によってイエロートナー像として可視像化される。
現像装置11は、ユニットケース8の一部によって構成された現像ケース12を有し、この現像ケース12には、トナーとキャリアを有する二成分系の乾式現像剤Dが収容されている。また、この現像ケース12には、現像剤Dを撹拌する2本のスクリュー13,13と、図3における反時計方向に回転駆動される現像ローラ23とが配置され、その現像ローラ23の周面に汲み上げられた現像剤は、該現像ローラ23の周面に担持されて、当該現像ローラ23の回転方向に搬送され、ドクターブレード24を通過した現像剤が現像ローラ23と像担持体2Yの間の現像領域に運ばれる。このとき、その現像剤中のトナーが像担持体2Yに形成された静電潜像に静電的に移行して、その潜像がトナー像として可視像化される。現像領域を通過した現像剤は、現像ローラ23から分離され、スクリュー13,14によって撹拌される。このようにして、像担持体2Yにトナー像が形成されるのである。キャリアを有さない一成分系現像剤を用いる現像装置を採用することもできる。
一方、中間転写ベルト3を挟んでプロセスカートリッジ7Yと反対側には一次転写ローラ25が配置され、この一次転写ローラ25に転写電圧が印加されることによって、像担持体2Y上のトナー像が、矢印A方向に回転駆動される中間転写ベルト3上に一次転写される。トナー像転写後の像担持体2Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置26によって除去される。本例のクリーニング装置26は、ユニットケース8の一部によって構成されたクリーニングケース27と、先端エッジ部が像担持体2Yの表面に圧接したクリーニングブレード28と、そのクリーニングブレード28を保持するブレードホルダ29と、クリーニングケース27内に配置されたトナー搬送スクリュー30とを有している。クリーニングブレード28は、像担持体2Yの表面移動方向に対してカウンタ向きに配置されている。前記クリーニングブレード28は、ゴムなどの弾性体により構成され、そのクリーニングブレード28の基端側は、例えば接着剤によってブレードホルダ29に固定されている。かかるクリーニングブレード28の先端エッジ部が像担持体2Yの表面に圧接することによって、像担持体2Y上の転写残トナーが掻き取り除去される。除去されたトナーは、回転駆動されるトナー搬送スクリュー30によってクリーニングケース外に搬送される。このようにして、クリーニングブレード28は、トナー像が転写材(図2の例では中間転写ベルト3)に転写された後の像担持体2Yを清掃する用をなす。
また、プロセスカートリッジ7Yには、像担持体2Yに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置31と、像担持体2Yに塗布された潤滑剤を均す作用を有するブレード32が設けられているが、これらについては後に詳しく説明する。
前記したものと全く同様にして、図2に示した第2〜4の像担持体2C,2M,2BK上にシアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト3上に順次重ねて一次転写され、中間転写ベルト3上に合成トナー像が形成される。トナー像転写後の各像担持体2C,2M,2BK上の転写残トナーがクリーニング装置により除去されることも第1の像担持体2Yの場合と変わりはない。
一方、図2に示すように、画像形成装置本体1内の下部には、例えば転写紙より成る記録媒体Pを収容した給紙カセット14と、給紙ローラ15を有する給紙装置16が配置され、給紙ローラ15の回転によって最上位の記録媒体Pが矢印B方向に送り出される。送り出された記録媒体は、レジストローラ対17によって、所定のタイミングで支持ローラ4に巻き掛けられた中間転写ベルト3の部分と、これに対置された二次転写ローラ18との間に給送される。このとき、二次転写ローラ18には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト3上の合成トナー像が記録媒体Pに二次転写される。合成トナー像を二次転写された記録媒体Pは、さらに上方に搬送されて定着装置19を通り、このとき記録媒体P上のトナー像が熱と圧力の作用により定着される。定着装置19を通過した記録媒体Pは、画像形成装置1の上部の排紙部22に排出される。また、トナー像転写後の中間転写ベルト3上に付着する転写残トナーはクリーニング装置20によって除去される。
図3に示したクリーニングブレード28及び像担持体2Yの摩耗を抑え、しかも、小粒径の球形トナーを用いたときも、クリーニングブレード28による高いクリーニング性能が維持されるように、本例の画像形成装置には、前述の潤滑剤塗布装置31が設けられている。かかる潤滑剤塗布装置31は、第2〜4のプロセスカートリッジ7C,7M,7BKにも設けられているが、その構成と作用は全て同一であるので、ここでも図3に示したプロセスカートリッジ7Yの潤滑剤塗布装置31だけを説明する。
図3に示した潤滑剤塗布装置31は、像担持体2Yの表面に当接するブラシローラ33と、このブラシローラ33に対置された固形潤滑剤34と、その固形潤滑剤34を固定支持する潤滑剤ホルダ35と、その潤滑剤ホルダ35を介して固形潤滑剤34を案内するガイド36と、加圧手段の一例である圧縮コイルばね37とを有している。ブラシローラ33は、芯軸38と、その芯軸38に基端部が固定された多数のブラシ繊維39とを有している。かかるブラシローラ33は、像担持体2Yに対してほぼ平行に、しかもその像担持体2Yに沿って長く延びていて、ブラシローラ33の芯軸38の長手方向各端部が図示していない軸受を介して、ユニットケース8に対して回転自在に支持されている。画像形成動作時には、ブラシローラ33は図3における反時計方向に回転駆動される。また、固形潤滑剤34は、ブラシローラ33に対して平行に長く延びた直方体状に形成され、そのブラシローラ33を向いた側の先端面がブラシローラ33のブラシ繊維39に当接し、これとは反対の基端側の面が潤滑剤ホルダ35に固定されている。本例のガイド36は、互いに平行に間隔をあけて対向配置された一対のガイド板40,41を有し、これらのガイド板40,41は連結板42によって一体化されている。一対のガイド板40,41と連結板42は、ユニットケース8の一部によって構成されている。潤滑剤ホルダ35は、一対のガイド板40,41の間に配置され、その各ガイド板40,41の互いに対向した面に潤滑剤ホルダ35が摺動可能に当接する。潤滑剤をブラシローラへ押圧する方法は、バネ等の手段によって達成でき、潤滑剤ホルダ35を介して、固形潤滑剤34をブラシローラ33に対して加圧する。図3には、この加圧方向を矢印Cで示してある。圧縮コイルばねに代えて、ねじりコイルばねや板ばねなどから成る加圧手段を用いることもできる。
前述したようにして、固形潤滑剤34がブラシローラ33のブラシ繊維39に圧接すると共に、そのブラシ繊維39が像担持体2Yの表面に圧接し、その際、ブラシローラ33が回転するので、固形潤滑剤34の潤滑剤がブラシ繊維39によって削り取られ、その削り取られた粉体状の潤滑剤が像担持体2Yの表面に塗布される。このように、ブラシローラ33は、固形潤滑剤34から削り取られた粉体状の潤滑剤を像担持体表面に供給する潤滑剤供給部材の一例を構成している。固形潤滑剤34はブラシローラ33によって削り取られて消費され、経時的にその厚みが減少するが、固形潤滑剤34は圧縮コイルばね37によって加圧されているので、その固形潤滑剤34は常時ブラシローラ33のブラシ繊維39に当接することができる。
前記像担持体2Yの表面には、潤滑剤が塗布されるので、像担持体表面の摩擦係数を低く抑えることができ、これによって像担持体2Yとクリーニングブレード28の摩耗を抑え、その寿命を伸ばすことができる。しかも、小粒径で球形のトナーを用いたときも、クリーニングブレード28による像担持体2Yのクリーニング性能が大きく低下することを阻止できる。また、前記潤滑剤塗布装置31には、ガイド36が設けられ、そのガイド36によって、潤滑剤ホルダ35と固形潤滑剤34が、実質的に、ブラシローラ33に対して接近又は離間する方向、すなわち圧縮コイルばね37による加圧方向Cと、その逆の方向にだけ移動できるように、その潤滑剤ホルダ35と固形潤滑剤34が案内される。このため、固形潤滑剤34が、この方向と直交する方向Eに大きく振れ動くことはない。これによって、固形潤滑剤34は常にほぼ同じ面積でブラシローラ33に当接することができ、常にほぼ一定量の潤滑剤が、ブラシローラ33を介して、像担持体表面に供給され、像担持体表面への潤滑剤の塗布むらを防止できる。
前記画像形成装置1においては、図3に示されているように、潤滑剤ホルダ35が一対のガイド板40、41に当接し、その潤滑剤ホルダ35を介して、固形潤滑剤34がガイド36によって案内されるように構成されているが、固形潤滑剤34をガイド36によって直に案内するように構成することもできる。また、固形潤滑剤34が、実質的に、ブラシローラ33に対して接近又は離間する方向Cにだけ移動できるように、固形潤滑剤34がガイド36により案内されるとは、固形潤滑剤34が、この方向Cに対して直交する方向Eに、多少の遊び分だけ遊動してもよいことを示している。
以上のように、前記潤滑剤塗布装置31は、回転しながら像担持体2Yに当接するブラシローラ33より成る潤滑剤供給部材と、その潤滑剤供給部材に対置された固形潤滑剤34と、該固形潤滑剤34が、実質的に、潤滑剤供給部材に対して接近又は離間する方向にだけ移動できるように、該固形潤滑剤34を案内するガイド36と、該固形潤滑剤34を潤滑剤供給部材に対して加圧する加圧手段とを有している。また、図3に示した画像形成装置は、均しブレード32として構成された潤滑剤均し手段を有しており、この均しブレード32は、ゴムなどの弾性体より成り、その先端エッジ部が像担持体2Yの表面に当接し、その基端側がホルダ45に固定されている。均しブレード32は像担持体表面の移動方向に対してトレーリング向きに配置されている。一方、前述のブラシローラ33より成る潤滑剤供給部材は、図3から明らかなように、クリーニングブレード28よりも像担持体表面移動方向下流側に配置されている。
前記した画像形成装置1によれば、トナー像転写後の像担持体表面に付着する転写残トナーはクリーニングブレード28により除去され、これによってクリーンな状態となった像担持体2Yの表面に、ブラシローラ33によって潤滑剤が塗布される。次いでその塗布された潤滑剤は、像担持体表面に当接した均しブレード32を通過するとき、像担持体2Yの表面に一様に押し広げられて均一に均される。これにより、像担持体上に厚みの均一な潤滑剤層が形成される。このように、像担持体2Yを清掃した直後に、潤滑剤を塗布し、その潤滑剤を均すことによって、像担持体表面への潤滑剤塗布量の偏りやその表面の摩擦係数の偏りが生じることを防止でき、記録媒体上に形成された画像の画質を高めることができる。しかも、均しブレード32は、像担持体表面の移動方向に対してトレーリング向きに配置されているので、像担持体2Yの駆動トルクが過度に大きくなることを阻止できる。
(実施例1)
ABS樹脂(GR−3000、電気化学工業社製)40重量%、及び、ポリエーテルエステルアミド(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)60重量%を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物100部にポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂製)4部を添加して、溶融混練することにより、樹脂溶融組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とした。そして、この樹脂溶融組成物を、SUM22(Niメッキ処理)からなる支持体(外径10mm)上に射出成形して電気抵抗調整層を形成し、この電気抵抗調整層のゲートカット、及び、長さ調整を行った後、その両端部に高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックPP HY540、日本ポリプロ社製)で構成されるリング状の空隙保持部材を圧入し、前記空隙保持部材の外径を12.5mm、前記電気抵抗調整部の外径を12.4mmに同時切削加工してローラを得た。次ぎに、前記ローラにおける電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコーン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、カーボンブラック(全固形分に対して30重量%)からなる樹脂組成物(体積固有抵抗:2×1010Ωcm)をスプレーコーティングして、膜厚約10μmの表面層を形成することにより、空隙保持部材と表面層との間に約40μmの段差が形成された帯電部材(帯電ローラ)を得た。続いて、SUM22(Niメッキ処理)からなる支持体(外径6mm)の外周面に、メラミン樹脂発泡体(バソテクト、BASF社製)からなる層を加熱圧縮させて接着剤で貼りつけた後、その表面を回転研磨して、外径9.5mmに仕上げことにより、ローラを得た。そして、このローラの両端部にポリエーテル(PEL−20A、日本カーリット社製)及びイソシアネート系硬化剤で構成されるゴム状物質を含浸させ加熱圧縮させて連れ回り補助部材を形成することによりクリーニング部材(クリーニングローラ)を得た。その際の圧縮率は、30%とした。
(実施例2)
前記連れ回り補助部材を形成する際に、前記ローラの両端部にポリエーテル(PEL−AK1、日本カーリット社製)及びイソシアネート系硬化剤で構成されるゴム状物質を含浸させた以外は、実施例1と同様にして、帯電部材(帯電ローラ)及びクリーニング部材(クリーニングローラ)を得た。
(実施例3)
前記連れ回り補助部材を形成する際に、前記ローラの両端部にポリエーテル(ネオポリナールNo.800、大橋化学社製)及びイソシアネート系硬化剤で構成されるゴム状物質を含浸させた以外は、実施例1と同様にして、帯電部材(帯電ローラ)及びクリーニング部材(クリーニングローラ)を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして帯電部材(帯電ローラ)を得た。
(比較例2)
前記連れ回り補助部材を形成する際に、前記ローラの両端部にアクリルシリコーン(ムキコート 3000VH、川上塗料社製)及びイソシアネート系硬化剤で構成されるゴム状物質を含浸させた以外は、実施例1と同様にして、帯電部材(帯電ローラ)及びクリーニング部材(クリーニングローラ)を得た。
(試験1)
前記実施例及び比較例で得た各クリーニング部材における連れ回り補助部について、静止摩擦係数を測定した。静止摩擦係数の測定方法は、図4に示すようなオイラーベルト法を用いて行った。
(試験2)
前記実施例及び比較例で得た帯電部材(帯電ローラ)及びクリーニング部材(クリーニングローラ)を図3に示されるプロセスカートリッジに搭載し、そして、図2に示される画像形成装置(imagioMPC3000)を用いて、画像面積率が5%の画像(A4横)の連続画像出しを行い、10000枚毎に評価用画像として、600dpiの2×2ハーフトーン画像A3を出力して、画像の縦スジの発生状況を目視で確認した。図5(a)は、帯電ローラに汚れが生じなかったことにより、記録紙に汚れができなかったことを示し、そして、図5(b)は、帯電ローラに汚れが生じたことにより、記録紙に縦スジができたことを示している。 本評価においては、帯電ローラ表面の汚れを加速するために、ステアリン酸亜鉛の感光体表面への塗布量をアップさせるため圧縮コイルばね908による加圧力を通常5.5N→8Nとして評価を行った。画像出し環境は23〜25℃、30〜60%RHの通常環境で行った。この評価では、画像形成装置の目標耐久枚数である80000枚以下で画像に縦スジが発生した場合を不良(×)と判断し、80000枚を超えても画像に縦スジが発生しなかった場合を良(○)と判断した。評価結果は、次の表1に示される。
(試験3)
以上、前記実施例及び比較例で得た帯電部材(帯電ローラ)及びクリーニング部材(クリーニングローラ)について、帯電装置において、帯電ローラが回転を開始したときからクリーニング部材が帯電ローラの回転に追従して連れ回りを開始するまでのスリップ時間と、クリーニング部材の連れ回り補助部の静止摩擦係数との関係について調べたところ、図6に示すグラフを得た。このグラフからわかるように、静止摩擦係数が1.0未満では、スリップ時間が3ms以上であるのに対して、本発明のように静止摩擦係数が1.0以上では、静止摩擦係数が2msec以下と安定している。
本発明の一実施の形態を示す帯電ローラを像担持体上に配置した状態を示す模式図である。 本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の概略説明図である。 本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の画像形成部の構成を示す概略説明図である。 オイラーベルト法による静止摩擦係数の測定の一例を示す模式図である。 記録紙の部分図であって、(a)は、帯電ローラに汚れが生じなかったことにより、記録紙に汚れができなかったことを示し、そして、(b)は、帯電ローラに汚れが生じたことにより、記録紙に縦スジができたことを示す。 帯電ローラが回転を開始したときからクリーニング部材が帯電ローラの回転に追従して連れ回りを開始するまでのスリップ時間と、クリーニング部材の連れ回り補助部の静止摩擦係数との関係を示すグラフである。 従来の画像形成装置の概略説明図である。
符号の説明
2Y 像担持体(感光体、感光体ドラム)
9 帯電部材(帯電ローラ)
90 帯電装置
91 クリーニング部材(クリーニングローラ)
901 表面層
902 電気抵抗調整層
903 導電性支持体(芯金)
904 空隙保持部材
905 軸受
907 圧力付与手段(圧縮バネ)
908 圧力付与手段(圧縮バネ)
909 樹脂発泡体
910 連れ回り補助部材
G 微少間隙

Claims (11)

  1. 導電性支持体、該導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層、及び、該電気抵抗調整層の両端に設けられた空隙保持部材を有する帯電性部材と、前記帯電部材に自重又は圧力付与手段によって加圧当接されると共に、前記帯電部材に対して連れ回りするように固定された、前記帯電部材の表面をクリーニングする円筒形状のクリーニング部材と、を有する帯電装置において、
    (イ)前記クリーニング部材が、連続気泡構造を有する樹脂発泡体と、その両端に形成された静止摩擦係数が1.0以上の連れ回り補助部と、で構成され、そして、
    (ロ)前記連れ回り補助部が、前記帯電部材における感光体ドラムの非画像形成部に相当する部分に当接されている
    ことを特徴とする帯電装置。
  2. 前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体が、メラミン樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  3. 前記連続気泡構造を有する樹脂発泡体が、元形状から加熱圧縮されていることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電装置。
  4. 前記連れ回り補助部が、弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電装置。
  5. 前記弾性材料が、ゴム及び架橋剤を含浸したメラミン樹脂発泡体に架橋反応処理を施して得た弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の帯電装置。
  6. 前記電気抵抗調整層が、熱可塑性樹脂に高分子型イオン導電剤を分散させた熱可塑性樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
  7. 前記電気抵抗調整層の体積固有抵抗値が、106 〜109 Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電装置。
  8. 前記電気抵抗調整層の表面には、表面層が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の帯電装置。
  9. 前記表面層の抵抗値が、前記電気抵抗調整層の抵抗値より大きいことを特徴とする請求項8に記載の帯電装置。
  10. 潜像を形成する像担持体と、帯電装置と、を少なくとも備え、一体に支持されて画像形成装置の本体に着脱自在に固定された、プロセスカートリッジにおいて、前記帯電装置が、請求項1〜9記載の帯電装置で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. プロセスカートリッジと、像担持体の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段と、像担持体の表面の静電潜像にトナーを供給して可視化する現像手段と、像担持体の表面の可視化像を転写媒体に転写する転写手段と、を少なくとも備えた画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項10に記載のプロセスカートリッジで構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010019980A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Ricoh Co Ltd クリーニングローラ、帯電装置、プロセスユニット及び画像形成装置
JP2010231165A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Hodaka Kogyo Kk クリーニングローラ及びクリーニングローラの製造方法

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