JP2009300899A - 導電性部材の評価方法、導電性部材、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

導電性部材の評価方法、導電性部材、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像評価結果と対応がとれた電気特性評価を得ることができる導電性部材の評価方法を提供する。
【解決手段】感光体ドラム6表面に帯電ローラ(導電性部材)7を近接(又は当接)配置して、感光体ドラム6及び帯電ローラ7を回転させるとともに、高圧電源31から帯電ローラ7に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して、測定装置32により帯電ローラ7から感光体ドラム6に流れる電流波形を測定し、測定した電流波形の面積の大きさから、帯電ローラ7の電気特性評価を行なう。
【選択図】図5

Description

本発明は、被帯電部材(像担持体)を帯電させる導電性部材の評価方法、導電性部材、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置では、像担持体としての感光体ドラムの表面を一様に帯電処理する帯電部材を有している。帯電部材として、ローラ状の帯電部材(帯電ローラ)を用いて、この帯電ローラを感光体ドラムに接触させて帯電処理する接触帯電方式が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、接触帯電方式では、帯電ローラを構成している物質が染み出して、当接している感光体ドラムの表面に付着移行する、所謂「帯電ローラ跡」が発生したり、また、帯電ローラに交流電圧を重畳して印加する方式では、帯電ローラが交流電圧の印加によって振動する、所謂「帯電音」が発生し易くなる。
更に、接触帯電方式では、トナー像の記録材(用紙)への転写後に感光体ドラムの表面に残った転写残トナー等が帯電ローラ側に転移することによって、帯電ローラの表面が汚れて帯電性能が低下したり、また、感光体ドラムの回転を長期間停止していると、帯電ローラの感光体ドラムとの当接部分が永久変形した状態になるなどの問題があった。
接触帯電方式による上記したような問題を解決するために、帯電ローラを感光体ドラムの表面に対して所定のギャップ(空隙)を有するように近接配置して帯電処理する近接帯電方式が考案されている(例えば、特許文献2参照)。このような近接帯電方式では、帯電ローラと感光体ドラムとの最近接距離(空隙)が50〜300μmになるように対向させ、帯電ローラに電圧を印加することにより、感光体ドラムの帯電を行うものである。この近接帯電方式では、帯電ローラと感光体ドラムとが接触していないために、前記した接触帯電方式で発生した問題を解消して、安定した帯電性能を維持することができる。
ところで、近接帯電方式に使用される帯電ローラに対する要求特性は、接触帯電方式に使用される帯電ローラのそれとは異なる。即ち、接触帯電方式で一般的に用いられてきた帯電ローラは、芯金の周囲に加硫ゴム等の弾性体が被覆された構成になっている。これは、接触帯電方式では感光体ドラムを均一に帯電させるため、感光体ドラムに対して帯電ローラが均一に接触することが必要とされるからである。
一方、近接帯電方式においては、このような弾性体で形成された帯電ローラを使用すると、以下のような不具合が生じる。
即ち、感光体ドラムと帯電ローラ間の空隙を形成させるために、帯電ローラの両端側の非画像領域にスペーサ等の空隙保持部材を介在し近接させる必要があるが、弾性体で形成された帯電ローラの場合、弾性体の変形により前記空隙を均一にすることが困難である。その結果、帯電電位変動やそれに起因する画像ムラが発生してしまう。また、弾性体を形成する加硫ゴム材料は、経時でのへたりや変形が生じやすく、そのため経時で前記空隙が変動する。
このような不具合を解消するために、近接帯電方式においては、非弾性体である熱可塑性樹脂で形成された帯電ローラを使用することで、感光体ドラムと帯電ローラ間の空隙を均一にすることが可能となる。
ところで、帯電ローラによる感光体ドラム表面への帯電メカニズムは、前記した接触帯電方式、近接帯電方式に関わらず、帯電ローラと感光体ドラム間の微小放電におけるパッシェンの法則に従った放電の寄与が大きいことが知られている。そのため、感光体ドラム表面を所定の電位に均一に帯電させるという帯電ローラの基本機能を評価するためには、帯電ローラの放電特性を評価することが重要となる。
特開平01−267667号公報 特開平05−107871号公報
しかしながら、従来の帯電ローラの電気特性の評価方法としては、帯電ローラに電極を接触させた状態で直流電圧を印加して、帯電ローラから電極に流れる電流値を測定し、安定した後の電流値から帯電ローラの抵抗値を算出して、算出した抵抗値から帯電ローラの電気的な良否を判断する方法が用いられてきた。この評価方法によると、抵抗値の低い帯電ローラほど導電性が高く、不均一な放電が発生し難いとされてきた。
ところで、帯電ローラの電気特性としては、電流値を抵抗成分、容量成分、放電成分の3つに分けることで、各成分の影響を評価可能であるが、前記した従来の評価方法では、3つの前記成分のうち抵抗成分のみについての評価であり、放電成分については評価できていない。
そのため、帯電ローラを、特に近接帯電方式で使用する場合においては、ローラ抵抗値の評価結果が画像評価結果と対応がとれない、即ち帯電ローラの材料処方によりローラ抵抗値は低いが、放電余裕度が小さく、不均一な放電による画像不良が発生し易いという現象が発生することが判明した。そこで、新たに放電特性も評価可能な電気特性評価方法を見出すことが必要とされてきた。
そこで、本発明は、画像評価結果と対応がとれた電気特性評価を得ることができる導電性部材の評価方法、導電性部材、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載の本発明の導電性部材の評価方法は、像担持体表面に導電性部材を当接又は近接配置して、前記像担持体及び前記導電性部材を回転させるとともに、前記導電性部材に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して、前記導電性部材から前記像担持体に流れる電流の波形面積の大きさから、前記導電性部材の電気特性評価を行なうことを特徴としている。
請求項2に記載の導電性部材の評価方法は、導電性部材に印加する交流電圧のピーク間電圧を、直流電圧の絶対値の2倍以上とすることを特徴としている。
請求項3に記載の導電性部材の評価方法は、像担持体と導電性部材は、逆方向に同じ線速度でそれぞれ回転されることを特徴としている。
請求項4に記載の導電性部材の評価方法は、導電性部材に印加する交流電圧の周波数をf、像担持体と導電性部材の線速をVとしたときに、f/Vを7以上12以下とすることを特徴としている。
請求項5に記載の導電性部材の評価方法は、導電性部材から像担持体に流れる電流を測定するときのデータサンプリングレートが、導電性部材に印加する交流電圧の周波数以上であることを特徴としている。
請求項6に記載の導電性部材の評価方法は、前記導電性部材の電気特性の良否評価は、測定環境23℃、50%RHにおいて、前記像担持体と前記導電性部材との間の空隙を30μm、ローラ状に形成した前記導電性部材の外径を12.7mm、互いに逆方向に回転される前記像担持体と前記導電性部材の線速を282mm/secして、前記導電性部材に、−0.7kVの直流電圧にピーク間電圧2.2kV、周波数2200Hzの交流電圧を重畳した電圧を印加した場合に、前記導電性部材から前記像担持体に流れる電流の波形面積の大きさで行い、前記導電性部材の1回転周期に相当する時間の電流波形面積が0.4mA・sec以上であれば、前記導電性部材の電気特性が良好であると評価することを特徴としている。
請求項7に記載の本発明の導電性部材は、像担持体表面に当接又は近接配置される導電性部材において、該導電性部材を、請求項6に記載の導電性部材の評価方法により、導電性部材の1回転周期に相当する時間の電流波形面積が0.4mA・sec以上となるように構成したことを特徴としている。
請求項8に記載の導電性部材は、像担持体表面に放電して帯電させる帯電部材であることを特徴としている。
請求項9に記載の本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも、請求項8に記載の帯電部材と、該帯電部材により帯電される像担持体とを一体のユニット構成として備えていることを特徴としている。
請求項10に記載の本発明の画像形成装置は、請求項9に記載のプロセスカートリッジが着脱自在に装着されることを特徴としている。
請求項1〜6に記載の発明の導電性部材の評価方法によれば、放電特性を評価することが可能となるので、画像評価結果と対応がとれた帯電ローラの電気特性評価を得ることができる。
請求項7、8に記載の本発明の導電性部材を用いることにより、不均一な放電の発生を抑えて、安定した帯電状態を得ることができる。
請求項9、10に記載の本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置によれば、不均一な放電の発生を抑えて、安定した帯電状態を得ることができるので、高品位な画像を得ることができる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図であり、本発明に係る導電性部材を、この画像形成装置の帯電部材としての近接帯電方式の帯電ローラに適用した例である。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式のカラー複写機、カラープリンタ等のタンデム型画像形成装置である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一定の間隔で配置された4つの画像形成部2a、2b、2c、2dと、各画像形成部2a、2b、2c、2dでそれぞれ形成された各色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のトナー画像を重ね合わせてフルカラーのトナー画像が転写(1次転写)される無端ベルト状の中間転写ベルト3と、中間転写ベルト3の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙等の記録材に転写(2次転写)するための2次転写ローラ4と、転写されたフルカラーのトナー画像を記録材の表面に定着させる定着装置5を備えている。
各画像形成部2a、2b、2c、2dは、感光体ドラム6、帯電ローラ7、現像装置8、1次転写ローラ9、ドラムクリーニング部材10をそれぞれ有している(なお、画像形成部2b、2c、2dにおけるこれらの部材への符号は省略している)。画像形成部2a、2b、2c、2dの各現像装置8は、現像剤としてのY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナーがそれぞれ収容されている。画像形成部2a、2b、2c、2dの各帯電ローラ7は、各感光体ドラム6の表面に対し所定の帯電ギャップ(空隙)を有するように近接配置されている。感光体ドラム6と帯電ローラ7は、それぞれ逆方向に同じ線速で回転されるように構成されている
無端ベルト状の中間転写ベルト3は、駆動ローラ11、従動ローラ12、対向ローラ13間に張架されており、駆動ローラ11の駆動により矢印a方向に移動する。これにより、中間転写ベルト3は、各画像形成部2a、2b、2c、2dの感光体ドラム6と1次転写ローラ9との間のニップ内を移動する。中間転写ベルト3の対向ローラ13と対向する外周面側には前記2次転写ローラ4が当接している。
(画像形成動作)
次に、前記した画像形成装置1による画像形成動作について説明する。
画像形成部2a、2b、2c、2dの各帯電ローラ7に電圧(直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加して回転させ、所定のプロセススピードで矢印方向に回転している各感光体ドラム6の表面を近接放電により均一に帯電する。そして、露光装置(不図示)からのレーザ光による露光Lにより各感光体ドラム6の表面に、入力した画像情報に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
そして、各感光体ドラム6の表面に形成された静電潜像に対して、各現像装置8により各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーをそれぞれ付着させて現像(可視像化)する。これにより、各感光体ドラム6の表面に、イエローのトナー画像、マゼンタのトナー画像、シアンのトナー画像、ブラックのトナー画像がそれぞれ形成される。
そして、転写バイアスが印加された各1次転写ローラ9により、これらの各色のトナー画像は、駆動ローラ11の駆動により移動する中間転写ベルト3上に順次重ね合わされるようにして転写され、中間転写ベルト3上にフルカラーのトナー画像が形成される。そして、このトナー画像の形成タイミングに合わせて用紙等の記録材Pが、中間転写ベルト3と2次転写ローラ4間の2次転写部に搬送され、記録材P上にフルカラーのトナー画像が転写される。なお、トナー画像転写後の各感光体ドラム6の表面に残留している転写残トナーは、ドラムクリーニング部材10により除去されて回収される。
トナー画像が転写された記録材Pは搬送ベルト14により定着装置5に搬送され、定着装置5の加圧ローラ5aと加熱部材(不図示)を内蔵した定着ローラ5bとの間の定着ニップにて加熱、加圧されることにより、記録材P上にトナー画像が定着される。トナー画像が定着された記録材Pは、排紙トレイ(不図示)に排出される。なお、前記画像形成装置1は、フルカラーのトナー画像を記録材上に転写、定着する画像形成動作以外にも、画像形成部2dのみを駆動して、モノクロのトナー画像を記録材上に転写、定着する画像形成動作も選択可能である。
また、本実施形態では、図2に示すように、各画像形成部2a、2b、2c、2dにおいて、主構成部材である感光体ドラム6、帯電ローラ7、現像装置8、ベルトクリーニング部材10を一体化したプロセスカートリッジ15としてユニット構成とし、このプロセスカートリッジ15を画像形成装置1の装置本体に着脱自在に装着可能な構成にしている。帯電ローラ7の表面には、回転可能に軸支されたローラ状の帯電ローラクリーニング部材16が当接している。帯電ローラクリーニング部材16は、帯電ローラ7の回転に伴って従動回転し、帯電ローラ7の表面に付着した残トナー、紙粉等の異物を除去する。
(帯電ローラ7の構成)
図3は、帯電ローラの断面を示す図、図4は、帯電ローラと感光体ドラムとの位置関係を示す図である。
図3に示すように、近接帯電方式の帯電ローラ7は、円柱状の導電性支持体17と、導電性支持体17の外周面に設けた電気抵抗調整層18と、電気抵抗調整層18の表面に設けたトナー等の付着物の付着を低減するための表面層19と、電気抵抗調整層18の両端側に該電気抵抗調整層18と感光ドラム6との間に所定の空隙(ギャップ)を形成するための一対の空隙保持部材20a,20b(図4参照)とを備えている。導電性支持体17の端部には、帯電ローラ7に電圧を印加する電源21が接続されている。
図4に示すように、帯電ローラ7の導電性支持体17の両端部は、軸受部22a,22bによって回転可能に軸支されており、導電性支持体17の両端部には、感光体ドラム6の駆動装置(不図示)に連結されたギア列(不図示)を有している。軸受部22a,22bには、帯電ローラ7を感光体ドラム6に加圧状態で接触させる圧縮ばね23a,23bの一端側が固定されている。圧縮ばね23a,23bの他端側は、帯電ローラ7が設置されているハウジング(不図示)に固定されている。これにより、感光体ドラム6の回転駆動によって、帯電ローラ7は感光体ドラム6の回転方向と逆方向に略同じ線速で従動回転される。なお、帯電ローラ7にも専用の駆動源(不図示)を連結して、この駆動源により帯電ローラ7を回転駆動させる構成でもよい。
帯電ローラ7の電気抵抗調整層18(表面層19)は、感光体ドラム6の画像形成領域A1の少し外側まで位置しており、電気抵抗調整層18(表面層19)の両端側に設けた各空隙保持部材20a,20bの外周面は、感光体ドラム6の両端部の非画像形成領域A2に当接している。電気抵抗調整層18(表面層19)の外径は、その両端側の空隙保持部材20a,20bの外径に対して僅かに小径に形成されている。これにより、帯電ローラ7の電気抵抗調整層18(表面層19)と感光体ドラム6との間に所定の空隙Gが形成される。
このように、空隙保持部材20a,20bによって、帯電ローラ7の電気抵抗調整層18(表面層19)と感光体ドラム6との間に所定の空隙Gが形成されることにより、帯電ローラ7に電圧を印加すると、帯電ローラ7の電気抵抗調整層18(表面層19)と感光体ドラム6との間で放電が生じ、感光ドラム6の表面が帯電される。電源21から帯電ローラ7に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が好ましく、重畳する交流電圧は、そのピーク間電圧を感光体ドラム6の帯電開始電圧の2倍以上にすることが好ましい。
なお、帯電開始電圧は、帯電ローラ7に直流のみを印加した場合に感光体ドラム6が帯電され始めるときの電圧の絶対値である。これにより、感光体ドラム6から帯電ローラ7への逆放電が生じ、そのならし効果で感光体ドラム6をより安定した状態で均一に帯電させることができる。また、重畳する交流電圧の周波数は、感光体ドラム6の周速度(プロセススピード)の7倍以上であることが望ましい。交流電圧の周波数を感光体ドラム6の周速度(プロセススピード)の7倍以上の周波数にすることにより、出力されるトナー画像に対してモアレ画像の発生を目視で認識できなくなる程度に抑えることができる。
帯電ローラ7と感光体ドラム6との間の空隙Gは、空隙保持部材20a,20bにより100μm以下、特に、5〜70μm程度の範囲に設定することが好ましい。空隙Gが100μm以上の場合には、パッシェンの法則の放電開始電圧が大きくなり、さらに、感光体ドラム6までの放電空間が大きくなることで、感光体ドラム6を所定電位に帯電させるためには放電による放電生成物が多量に必要となる。これにより、放電生成物が画像形成後も放電空間に多量に残留し、感光体ドラム6に付着して、感光体ドラム6の経時劣化を促進する原因になる。
また、この空隙Gが5μmよりも小さい場合には、放電エネルギーが小さくても感光体ドラム6を帯電させることができる。しかしながら、帯電ローラ7と感光体ドラム6により形成される空間が狭くなり、空気の流が悪くなってしまう。そのために、放電空間で形成された放電生成物はこの空間内に滞留するために、空隙Gが大きい場合と同様に画像形成後も放電空間に多量に残留し、感光体ドラム6に付着して、感光体ドラム6の経時劣化を促進する原因になる。
従って、放電エネルギーを小さくして放電生成物の生成を少なくし、かつ、空気が滞留しない程度の空間を形成することが好ましい。そのために、空隙Gは100μm以下であって、特に5〜70μmの範囲に設定することが好ましい。これにより、ストリーマ放電の発生を防止し、放電生成物の生成を少なくして感光体ドラム6に堆積する量を少なくして、斑点状の異常画像や像流れを防止することができる。
また、前記したように転写後に感光体ドラム6上に残留する転写残トナー等は、ドラムクリーニング部材10により除去されるが、完全に除去するのは困難であり、極僅かの転写残トナー等がドラムクリーニング部材10を通過し、帯電ローラ7へと搬送されてくる。このときに、転写残トナーの粒径が空隙Gより大きいと、転写残トナーは、回転する感光体ドラム6や帯電ローラ7により摺擦されて熱を帯び、帯電ローラ7に融着することがある。帯電ローラ7の転写残トナーが融着した部分は、感光体ドラム6に近くなるために優先的に放電が生ずる異常放電を起こす。従って、空隙Gは、現像装置8に使用されるトナーの最大粒径よりも大きいことが好ましい。
また、帯電ローラ7は前記したように、圧縮ばね23a,23bにより帯電ローラ7表面方向に押圧されている。これにより、導電性支持体17の偏位や機械的振動等があっても一定の空隙Gを形成することができる。圧縮ばね23a,23bにより帯電ローラ7表面方向に押圧する荷重は、4〜25N、好ましくは6〜15Nにする。
なお、前記荷重とは、空隙保持部材20a,20bを通して感光体ドラム6に加わるすべての荷重を意味する。この荷重の大きさは、帯電ローラ7の両端に設けられる圧縮ばね23a,23bのばね力、帯電ローラ7とクリーニング部材16の自重等により調整できる。荷重が小さいと、帯電ローラ7の回転時による変動、駆動するギア等の衝撃力による跳ね上がりを抑えることができない。逆に荷重が大きいと、帯電ローラ7と嵌合する軸受部22a,22bとの摩擦が大きくなり、経時的な摩耗量を大きくして変動を促進することになる。
従って、前記したように荷重を4〜25N、好ましくは、6〜15Nの範囲にすることにより、空隙Gを適正な範囲にして、放電生成物の生成を少なくして感光体ドラム6に堆積する量を少なくして感光体ドラム6の寿命を延ばし、かつ、斑点状の異常画像や画像流を防止することができる。
前記空隙Gは、電気抵抗調整層18と空隙保持部材20a,20bを同時に切削、研削等の除去加工することにより形成することができる。電気抵抗調整層18と空隙保持部材20a,20bを同時加工することにより、空隙Gを高精度に形成することが可能となる。
空隙保持部材20a,20bの電気抵抗調整層18と隣接する部分の高さを、電気抵抗調整層18の高さと同一、もしくは低く形成することで、空隙保持部材20a,20bと感光体ドラム6との接触幅が低減され、空隙Gを高精度にすることができる。このようにすることで、空隙保持部材20a,20bの内側端部(電気抵抗調整層18の両端側)の外表面が感光体ドラム6に当接することを防止することができる。
これにより、空隙保持部材20a,20bの端部を介して隣接する電気抵抗調整層18が感光体ドラム6に接触してリーク電流が発生してしまうことを防止することができる。また、空隙保持部材20a,20bの内側端部(電気抵抗調整層18の両端側)を低く加工することによって、この部分を、除去加工を行う際の切削刃等の逃げ代(逃げ加工)とすることができる。なお、この逃げ代(逃げ加工)の形状は、空隙保持部材20a,20bの内側端部(電気抵抗調整層18の両端側)の外表面が感光体ドラム6に当接しないような形状であれば、どのような形状であってもよい。
更に、表面層20をコーティングする際のマスキングを、電気抵抗調整層18と空隙保持部材20a,20bの境界で行うことは、ばらつきを考慮すると制御が難しく、段差を形成する際に、空隙保持部材20a,20bまで表面層を形成することで、電気抵抗調整層18上に確実に表面層19を形成することができる。
空隙保持部材20a,20bは、例えば、絶縁体または電気抵抗調整層18の体積抵抗率以上の体積抵抗率を有するテープを導電性支持体17の端部に貼り付けることによって形成することができる。
空隙保持部材20a,20bの必要な特性としては、感光体ドラム6との間の空隙Gを環境及び、長期(経時)に渡って安定して形成することであり、そのためには、吸湿性、耐摩耗性が小さい材料が望ましい。また、トナー及び、トナー添加剤が付着し難いことや、感光体ドラム6と当接し摺動するために、感光体ドラム6を摩耗させないということも重要であり、種々の条件に応じて適宜選択されるものである。
空隙保持部材20a,20bを形成する材料の具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂、ポリカーボネート(PC)、ウレタン、フッ素(PTFE)等が挙げられる。特に空隙保持部材20a,20bを確実に導電性支持体17上に固定するためには、接着剤を塗布して接着することができる。また、空隙保持部材20a,20bは絶縁性材料が好ましく、体積固有抵抗で1013Ωcm上であることが好ましい。絶縁性が必要である理由は、感光体ドラム6とのリーク電流の発生を無くすためである。
電気抵抗調整層18は、高分子型イオン導電材料が分散された熱可塑性樹脂組成物が特に好ましい。電気抵抗調整層18の体積固有抵抗は10〜10Ωcmであることが望ましい。電気抵抗調整層18の体積固有抵抗が10Ωcmを越えると、帯電能力や転写能力が不足してしまい、体積固有抵抗が10Ωcmよりも低いと、感光体ドラム6全体への電圧集中によるリークが生じてしまう。
また、電気抵抗調整層18に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂であれば、成形加工が容易であり好ましい。
前記熱可塑性樹脂に分散させる高分子型イオン導電材料としては、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する高分子化合物が好ましい。ポリエーテルエステルアミドはイオン導電性の高分子材料であり、マトリクスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化される。従って、導電性顔料を分散した組成物に見られるような分散不良に伴う抵抗値のバラツキが生じない。また、高分子材料であるため、ブリードアウトが生じ難い。配合量については、抵抗値を所望の値にする必要があることから、熱可塑性樹脂が30〜70重量%、高分子型イオン導電材が70〜30重量%とすることが好ましい。
電気抵抗調整層18は、イオン導電による導電機構を得るために、分子中に少なくともポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーを含有する熱可塑性樹脂(A)と、過塩素酸塩及び含フッ素有機アニオン塩を含有する樹脂材料より構成される。イオン導電性が必要な理由は、一般的にカーボンブラックのような電子導電系の導電剤を用いた場合、電荷がカーボンブラックを通して感光体ドラム6へ放電するために、カーボンブラックの分散状態に起因した微小な放電ムラが生じやすく、高画質化の妨げとなる。特に、高電圧印加時はこの現象が顕著となるからである。
イオン導電材料としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のような低分子量の塩があるが、通電のため、分極してブリードアウトしやすい。そこで高分子型イオン導電材料として、エーテル基を含む固体状のポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーが用いられる。分子中にエーテル基を有することにより、エーテル結合に含まれる酸素原子等により塩が安定化され、高い導電性を得ることが可能となる。この構成では、マトリクスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化されるので、導電性顔料を分散した組成物に見られるような分散不良に伴う導電性のバラツキが生じない。
また、高分子材料であるため、ブリードアウトが生じ難い。高分子型イオン導電材料としては、エーテル基を有する液状のポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドのようなポリエーテルポリオール類も挙げられるが、液状の場合は熱可塑性樹脂中に均一に分散させることができないため、固体状のポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーを用いることが必要となる。ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーは、一般に親水性、疎水性グレードに大別され、特性が大きく異なる。
そのため、目的の特性を得るために、複数のグレードをブレンドすることも可能である。ただし、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーを含む熱可塑性樹脂材料のみでは、電気抵抗調整層18として使用するための導電性を得ることができないため、電解質塩を併用することにより、導電性向上が達成できる。電解質塩としては、過塩素酸塩が最も一般的であり、その他に含フッ素有機アニオン塩や有機ホスホニウム塩等を使用することも可能である。
過塩素酸塩としては、一般的に用いられているものであれば、使用することは可能であるが、導電性を考慮すると、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩から選ばれた塩であることが望ましい。その中でも、特に過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウムが好ましい。
また、含フッ素有機アニオン塩としては、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が望ましい。上記陰イオンを備えた塩は、フルオロ基(−F)およびスルホニル基(−SO−)による強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するため、陰イオンが安定なポリマー組成物中で高い解離度を示し、高いイオン導電性を実現できる。中でも、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドのアルカリ金属塩およびフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩等は抵抗値の低下を容易に達成可能であり、望ましい。特に、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムの導電度の高いリチウム塩が好ましい。
過塩素酸塩、含フッ素有機アニオン塩は、高分子型イオン導電材料に添加して混練することにより、所定の割合に配合することが可能であり、それぞれ1種以上の電解質塩をブレンドして添加することもできる。また、過塩素酸塩を含有する高分子型イオン導電材料としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ製の「IRGASTAT P18」を用いることができ、含フッ素有機アニオン塩を含有する高分子型イオン導電材料としては、例えば、三光化学工業(株)の「サンコノール」シリーズを用いることができる。
塩の配合量としては、高分子型イオン導電材料中に0.01〜20重量%の割合で配合されていることが望ましい。配合量が0.01重量%よりも低い場合は、導電性が不足してしまい、20重量%よりも高い場合は、樹脂組成物中に均一に分散させることが困難となる。電気抵抗調整層18の体積固有抵抗は10〜10Ωcmであることが望ましい。体積固有抵抗が10Ωcmを越えると、帯電能力等が不足してしまい、体積固有抵抗が10Ωcmよりも低いと、感光体ドラム6全体への電圧集中によるリークが生じてしまう。
また、前記帯電ローラ7の電気抵抗調整層18の高精度化を達成するためは、切削、研削のような、機械加工が必要となる。ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーは柔らかく、機械加工しにくいという課題がある。そこで、必要に応じて、これらの樹脂より硬度が高い、他の熱可塑性樹脂(B)とブレンドすることが可能である。硬度が高くなることにより、機械加工性が向上する。高硬度の熱可塑性樹脂(B)は特に限定されるものではないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチック等であれば、成形加工が容易であり好ましい。配合量については、抵抗調整層の導電性を損なわない範囲であれば、目的の機械加工性に応じて設定することが可能である。
電気抵抗調整層18の導電性を向上させる際には、導電樹脂材料、電解質塩の選定と共に、分散状態の制御も重要となる。電解質塩の分散状態が粗い場合には、低温低湿環境で分散状態に起因した不均一な放電が発生しやすく、画像不良となってしまう。そのため、分散状態の緻密化を目的として、相溶化剤を添加することが望ましい。そのような相溶化剤としては、前述のポリアミドエラストマー、ポリオレフィンブロックポリマーを含有する熱可塑性樹脂(A)に親和性を有するグラフトコポリマー(C)が挙げられる。
具体的には、主鎖にポリカーボネート樹脂を、側鎖にアクリロニトリル-スチレン-グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマーを用いる。このグラフトコポリマーは、側鎖に含まれるアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が、アクリロニトリル成分及びスチレン成分と反応基であるグリシジルメタクリレート成分から成る。反応基のグリシジルメタクリレートは成分を溶融混練する際の加熱により、エポキシ基が熱可塑性樹脂(A)のエステル基やアミノ基と反応し、熱可塑性樹脂(A)と強固に化学的結合をするので、このグラフトコポリマーを添加することで、電解質塩の分散状態を均一かつ緻密化する。それにより、電解質塩の分散不良に伴う不均一な放電の発生を防止することができる。グラフトコポリマーの量は、熱可塑性樹脂(A)に対して1〜15重量%に設定することで分散状態を緻密化させることができる。
また、熱可塑性樹脂(A)を高硬度の熱可塑性樹脂(B)とブレンドした場合にも、このグラフトコポリマーが相溶化剤として機能を果たす。主鎖のポリカーボネート樹脂は有極性基、ジオキシ基の鎖をもつ分子構造のため、分子間引力が非常に強い。このため、力学的強度・クリープ特性などに優れ、特に衝撃強度は他プラスチックと比較してずばぬけて優れている。また、比較的低吸水であるため、吸水変動に伴う体積変動が少ない。これらの特性により、グラフトコポリマーの主鎖としてポリカーボネート樹脂を使用した系では、使用時の機械的・電気的ストレス・経時や環境での体積変動によるクラックが生じ難い。
更に、側鎖のアクリロニトリル成分及びスチレン成分は、高硬度の熱可塑性樹脂(B)との相溶性が良好である。そのため、グラフトコポリマー(C)は、熱可塑性樹脂(A)、(B)間の親和性が低い場合でも、相溶化剤として機能し、熱可塑性樹脂(A)、(B)の分散状態を均一かつ緻密化する。それにより、熱可塑性樹脂(A)、(B)の分散不良に伴うウェルド部の導電ムラや、使用時の電気的・機械的ストレスや経時・環境での体積変動により抵抗調整層のウェルド部分に発生するクラックを抑制することができる。その結果、主鎖の効果と合わせて強度的に優れた混練系の樹脂組成物を形成することができる。
樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はなく、各材料の混合物を二軸混練機、ニーダー等で溶融混練することによって、容易に製造できる。電気抵抗調整層18の導電性支持体17上への形成は、押出成形や射出成形等により導電性支持体17に前記した半導電性樹脂組成物を被覆することによって、容易に行うことができる。
導電性支持体17上に電気抵抗調整層18のみを形成して帯電ローラ7を構成すると、電気抵抗調整層18にトナー及び、トナーの添加剤等が固着して性能低下する場合がある。このような不具合は、電気抵抗調整層18上に表面層19を形成することで防止することができる。
表面層19の抵抗値は、電気抵抗調整層18のそれよりも大きくなるように形成され、それによって感光体ドラム6の欠陥部への電圧集中、過剰な放電(リーク)を回避することができる。ただし、表面層19の抵抗値を高くしすぎると帯電能力が不足してしまうため、表面層19と電気抵抗調整層18との抵抗値の差を10Ωcm以下にすることが好ましい。
表面層19を形成する材料としては、製膜性が良好であるという点で熱可塑性樹脂組成物が好適である。特に、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が非粘着性に優れ、トナー固着防止の面で好ましい。また、樹脂材料は電気的に絶縁性であるため樹脂に対して各種導電材料を分散することによって、表面層20の抵抗を調整する。また、表面層19の電気抵抗調整層18上への形成は、前記表面層構成材料を有機溶媒に溶解して塗料を作製し、スプレー塗装、ディッピング、ロールコート等の種々のコーティング方法で行なう。膜厚については、10〜30μm程度が望ましい。
表面層19の材料としては、1液性、2液性どちらも使用可能であるが、硬化剤を併用する2液性塗料にすることより、耐環境性、非粘着性、離型性を高めることができる。2液性塗料の場合、塗膜を加熱することにより、樹脂を架橋・硬化させる方法が一般的である。しかしながら、電気抵抗調整層18は熱可塑性樹脂のため、高い温度で加熱することができない。2液性塗料としては、分子中に水酸基を有する主剤及び、水酸基と架橋反応を起こす、イソシアネート系樹脂を用いることが有効である。
イソシアネート系樹脂を用いることにより、100℃以下の比較的低温で架橋・硬化反応が起こる。トナーの非粘着性から検討を進めた結果、シリコーン系樹脂でトナーの非粘着性が高い樹脂であることを確認し、特に、分子中にアクリル骨格を有するアクリルシリコーン樹脂が良好であった。
また、帯電ローラ7は、電気特性(抵抗値)が重要であるため、表面層19を導電性にする必要がある。導電性の形成方法は、樹脂材料中に導電剤を分散することにより可能である。導電性としては、特に制約を受けるものではなく、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。
また、導電性付与材としては、イオン導電性物質もあり、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、更に、エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の四級ホスホニウム塩、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等の有機イオン性導電性物質がある。
(帯電ローラの評価方法)
次に、本発明の実施形態における帯電ローラ(導電性部材)の評価方法について説明する。
前記したように、従来の帯電ローラの電気特性の評価方法としては、帯電ローラに電極を接触させた状態で直流電圧を印加して、帯電ローラから電極に流れる電流値を測定し、安定した後の電流値から帯電ローラの抵抗値を算出して、算出した抵抗値から帯電ローラの電気的な良否を判断する方法が用いられてきた。この評価方法では、抵抗値の低い帯電ローラほど導電性が高く、不均一な放電が発生し難いとされてきた。
しかしながら、帯電ローラの材料処方等の仕様によっては、ローラ抵抗値の評価結果が画像評価結果と対応がとれない、即ち、抵抗値は低いが放電余裕度が小さく、不均一な放電による画像不良が発生し易い、という現象が発生することが判明した。このことから、ローラ抵抗値による電気特性評価では、画像特性と相関の高い評価結果が得られないことが分かってきた。
そこで、本願発明者は、電圧を印加した帯電ローラにより感光体ドラムを帯電させたときに、帯電ローラから感光体ドラムに流れる電流の波形面積(絶対値の積分値)の大きさから、画像評価結果と対応がとれた帯電ローラの電気特性評価が得られることを見出した。
図5は、本発明で見出した新たな特性値項目である、電流波形面積の測定を行なう際に用いた電気特性評価装置を示す概略図である。この電気特性評価装置30では、帯電ローラ7と感光体ドラム6とを前記したように近接状態または接触状態で回転可能に軸支することができる。
感光体ドラム6と帯電ローラ7はそれぞれ駆動源を有しており、帯電ローラ7は感光体ドラム6の回転方向と逆方向に回転される。帯電ローラ7の回転させる線速度は、感光体ドラム6の線速度以上の線速度で回転させることが好ましく、同じ線速度がより好ましい。帯電ローラ7の線速度を感光体ドラム6より遅くした場合、印加する電圧によっては帯電が不安定になり、感光体ドラム6を均一に帯電させることが困難になるためである。
感光体ドラム6としては、アルミニウム素管上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層を順次積層した4層構造のものを用いる。電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料を用いる。表面層となる保護層にはポリカーボネート樹脂を用い、フィラーとして平均粒径0.05〜0.8μmのシリカを用いる。この感光体ドラム6を用いることにより、実機評価に近い状態を作り出すことが可能である。
電気特性評価装置30は、高圧電源31を備えており、この高圧電源31から帯電ローラ7の導電性支持体17にバイアス電圧が印加される。なお、この電気特性評価装置30では、帯電ローラ7及び感光体ドラム6の端部周辺部は電気的に絶縁な材質で構成されており、また、感光体ドラム6側が接地されている。そして、高圧電源31から帯電ローラ7にバイアス電圧を印加することにより、帯電ローラ7が感光帯ドラム6に近接配置されている場合は、帯電ローラ7と感光体ドラム6との間の空隙で放電電流が発生する。
そして、電流波形面積の測定時においては、帯電ローラ7及び感光体ドラム6を回転させた状態で、高圧電源31から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電ローラ7に印加して、帯電ローラ7から感光体ドラム6に流れる電圧、電流波形を、高圧電源31に接続されたオシロスコープなどの測定装置32でモニタリングする。なお、この電気特性評価装置30では、帯電ローラ7に印加するバイアス電圧は高電圧であるため、従来の電気特性評価方法のように静止状態の帯電ローラ7に高電圧を印加した場合には、帯電ローラ7と感光体ドラム6間でリーク電流が発生してしまい測定不可能となるので、回転状態で行なうことが必要である。
この電気特性評価装置30を用いた測定により、例えば、図6に示すような電圧波形、電流波形が得られる。ここで得られた電流波形(図6のa)は、電圧波形(図6のb)と同位相の正弦波の抵抗成分(図6のc)、電圧波形(図6のb)と位相差を持つ正弦波の容量成分(図6のd)、放電開始電圧以上の電圧で発生する放電成分(図6のe)の3つの成分が重ね合った波形であり、正弦波の極大、極小ピークとは別に現われるピーク部分(図6のa1)が放電成分となる。図7は、図6で得られた電流波形を示した波形図である。
帯電ローラ7の電気特性の良否評価には、電気特性評価装置30の測定により得られた電流波形面積(図7の斜線部分)の大きさ、すなわち絶対値の積分値を用いる。電流波形の面積が大きい方が、放電余裕度が高く、不均一な放電による画像不良が発生し難いことを示している。従来の帯電ローラの電気特性評価方法で評価していたのは、この電流波形の3つの成分のうち、抵抗成分と容量成分であり、放電成分を含んだ電流値に関しては評価できていなかった。
そのため、画像特性との相関が得られない現象が発生することがあった。例えば、図8に示すように、帯電ローラの材料処方等により、正弦波部分の波形面積と放電ピーク部分の波形面積の大きさが逆転した電流波形(図8のf)が得られる場合がある。なお、図8のaは、図6、図7に示した電流波形である。
図8のfのような電流波形が得られた場合、正弦波の波形面積が大きい方がローラ抵抗値としては低くなるが、放電ピーク部分の波形面積が小さいために放電余裕度は低く、不均一な放電による画像不良が発生し易い。一方、図8のaのような電流波形が得られた場合、ローラ抵抗値は高いが、放電ピーク部分の波形面積が大きいことにより放電余裕度が高く、不均一な放電の発生が抑えられ、高品位な画像を得ることができる。
このように、帯電ローラ7の電気特性としては、放電ピーク部分の面積が大きい方が良好となる。上記した本発明における帯電ローラ7の評価方法では、抵抗成分、容量成分、放電成分を含む電流波形から、電気特性の評価が可能となったため、画像特性と相関の高い結果を得ることが可能となった。
帯電ローラ7の放電特性を評価するためには、電流波形中に放電成分を発生させなければならないので、印加する交流電圧Vpp(kV)は放電開始電圧以上、すなわち直流電圧Vdc(V)の絶対値の2倍以上とすることが必要である。2倍未満の場合は、電流波形中に放電ピーク成分が出現しないので、放電特性を評価することができない。
また、交流電圧の周波数f(Hz)は、帯電ローラ7及び感光体ドラム6の線速V(mm/sec)に対して、周波数線速比f/Vが7以上12以下となるように設定する。周波数線速比が7より小さい場合は、放電回数が少ないため放電電流ムラが発生しやすく、12より大きい場合は、放電回数が多いため、過剰な放電となってしまうためである。更に、電圧、電流波形をモニタリングする際のサンプリングレートとしては、交流電圧の周波数以上とすることが必要である。交流周波数以下のサンプリングレートでは、電流波形の放電成分を正確に捉えることが困難となるためである。
電流波形面積の測定時間に関しては、特に制限はなく、帯電ローラ7の1回転周期以上の測定時間であれば、局所的に電気的欠陥部分があった場合にも測定可能である。
また、帯電ローラ7と感光体ドラム6間の空隙を任意の値に変更して測定を行なうことができるため、実機に搭載された状態の放電特性が得られ、より画像特性に近い評価を実施できる。この測定において、図7に示したような放電ピーク部分の面積が大きい電流波形面積が得られた仕様の帯電ローラでは、実機搭載時に放電余裕度不足に起因する不均一な放電による画像不良が発生しない。
例えば、測定環境23℃、50%RHにおいて、外径12.7mm、全長315mmの帯電ローラと外径40mmの感光体ドラムを用い、感光体ドラムと帯電ローラとの間の空隙が30μm、線速度が282mm/secの状態で、帯電ローラに直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=2.2kV、周波数f=2200Hz)を重畳した電圧を印加した場合に、帯電ローラの1回転周期に相当する時間の電流波形面積(図7参照)が0.4mA・sec以上であれば、放電が不均一になりやすい低温低湿環境(10℃、15%RH)においても、不均一な放電による画像不良の発生を防止することができた。
なお、図7に示した電流波形の1周期は、例えば約0.45msecと短く、帯電ローラの1回転周期は、例えば約143msecと電流波形の1周期よりも大幅に長いので、図7に示すような電流波形が得られた場合に、前記した帯電ローラの1回転周期に相当する時間における前記した0.4mA・sec以上の電流波形面積(斜線部分)は、電流波形314周期分程度以上の面積に相当する。
次に、構成の異なる2種類の帯電ローラに対する電気特性評価について、以下の実施例(実施例1〜5)と比較例(比較例1〜5)における条件により具体的に説明する。
実施例(実施例1〜5)、比較例(比較例1〜5)では、以下の構成を有する帯電ローラAと帯電ローラBを用いた。
[帯電ローラA]
ステンレスからなる芯軸(外径8mm、全長300mm)に、下記A、B、Cを220℃で溶融混練した樹脂組成物(体積固有抵抗:2×10Ωcm)を、射出成形により被覆して電気抵抗調整層を形成した。
A:IRGASTAT P18(チバスペシャルティケミカルズ製)60重量部
(以上、ポリアミドエラストマー、前記Aは過塩素酸塩類含有)
B:ABS樹脂(デンカABS GR−3000、電気化学工業製)40重量部
前記A、Bの混合物100重量部に対して、
C:ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーC L440−G、日本油脂製)4.5重量部
(グラフトコポリマー)
次いで切削加工によって、電気抵抗調整層の外径を12.7mmに同時仕上げを行なった。
次いで電気抵抗調整層の表面に、アクリル変性シリコーン樹脂(ムキコート3000VH、川上塗料社製)とイオン導電剤(PEL20A、日本カーリット社製)、イソシアネート樹脂(T4硬化剤、川上塗料社製)の混合物からなる塗料を、酢酸ブチル、トルエン、MEKからなる希釈溶剤で希釈後、スプレー塗装により膜厚約10μmの表面層を形成し、焼成工程を経て、帯電ローラを得た。
[帯電ローラB]
ステンレスからなる芯軸(外径8mm)の外周に、以下の層(下層、中間層、表面層)を下から順次に積層して3層構成の帯電ローラ(外径12.7mm、全長300mm)を作製した。
下層:カーボン分散の発泡EPDM(体積固有抵抗10Ωcm)
中間層:カーボン分散のNBR系ゴム(体積固有抵抗10Ωcm)
表面層:酸化スズ、カーボンを分散したフッ素系トレジン樹脂(体積固有抵抗1010Ωcm)
(実施例1)
測定環境23℃、50%RHにおいて、図5に示した電気特性評価装置30を用いて前記帯電ローラA,Bを、外径40mm、全長320mmの感光体ドラム表面にそれぞれ接触させ、両者を線速度282mm/secで逆方向に回転させた状態で、高圧電源(10/10B:トレック・ジャパン製)から帯電ローラA,Bに、直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=2.2kV、周波数f=2200Hz)を重畳した電圧を印加して、帯電ローラの周期に相当する時間の電流波形面積を測定した。
波形データサンプリングは、高圧電源のモニタリング端子からUSB型データ収集システム(NR−2000:キーエンス製)により、200kHzのサンプリングレートで行ない、PC(パソコン)を介してデータ収集システム上で電流波形面積を算出した。
(実施例2)
測定環境23℃、50%RHにおいて、図5に示した電気特性評価装置30を用いて前記帯電ローラA,Bを、外径40mm、全長320mmの感光体ドラム表面に対して30μmの空隙を設けて近接させ、両者を線速度282mm/secで逆方向に回転させた状態で、高圧電源(10/10B:トレック・ジャパン製)から帯電ローラA,Bに、直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=2.2kV、周波数f=2200Hz)を重畳した電圧を印加して、帯電ローラA,Bの周期に相当する時間の電流波形面積を測定した。
(実施例3)
実施例1の同様の測定を、帯電ローラA,Bに、直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=2.6kV、周波数f=2200Hz)を重畳した電圧を印加した状態で行なった。
(実施例4)
実施例1の同様の測定を、帯電ローラA,Bに、直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=2.2kV、周波数f=3000Hz)を重畳した電圧を印加した状態で行なった。
(実施例5)
本実施例では、図1に示したような構成を有する画像形成装置を用い、23℃、50%RHの環境下で、帯電ローラA,Bの通紙無し状態での通電空回し動作試験を120時間(150,000枚の画像形成動作に相当)実施し、この動作試験後の帯電ローラA,Bに対して、実施例1の同様の測定を行なった。
(比較例1)
測定環境23℃、50%RHにおいて、直流電圧(Vdc=0.1kV)を印加した帯電ローラA,Bに導電性ゴム電極をそれぞれ接触させた状態で抵抗測定を行なった。帯電ローラA,Bには、デジタル超高抵抗/微少電流計(R8340A:アドバンテスト製)から0.1kVの直流電圧を印加して、15秒後の値からローラ抵抗値を算出した。
(比較例2)
比較例1の同様の測定を、0.7kVの直流電圧を印加した状態で行なった。
(比較例3)
実施例1の同様の測定を、−0.7kVの直流電圧のみを印加した状態で行なった。
(比較例4)
実施例1の同様の測定を、帯電ローラA,Bに直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=1.0kV、周波数f=2200Hz)を重畳した電圧を印加した状態で行なった。
(比較例5)
実施例1の同様の測定を、帯電ローラA,Bに、直流電圧(Vdc=−0.7kV)に交流電圧(Vpp=2.2kV、周波数f=500Hz)を重畳した電圧を印加した状態で行なった。
下記の表1、表2は、実施例(実施例1〜5)、比較例(比較例1〜5)に対する評価の設定条件であり、表3は、実施例(実施例1〜5)、比較例(比較例1〜5)に対する評価結果である。
Figure 2009300899
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表3に示した評価結果から明らかなように、実施例1〜5では、帯電ローラAの方が帯電ローラBよりも電流波形面積が大きく、良好な電気特性が得られた。
一方、比較例1では、帯電ローラBの方が帯電ローラAよりも良好な電気特性が得られた。比較例2では、局所的にリーク現象が発生してしまい、測定不可能であった。比較例3では、電流値は一定で波形が出現せず、電流波形面積の算出が不可能であった。比較例4では、図9に示すように、電流波形中に放電ピーク部分が現われなかったため、帯電ローラA,Bともに差(ローラ差)が見られなかった。また、比較例5では、電流値のばらつきが非常に大きく、正確な測定が行なえなかった。
そして、帯電ローラA,Bを図1に示したような画像形成装置に用いて、低温低湿環境(10℃、15%RH)で前記したような画像形成動作を行い、不均一な放電による画像不良の有無に基づいて画像評価を行った。その結果、帯電ローラAを用いた場合には、不均一な放電による画像不良は未発生だったが、帯電ローラBを用いた場合には、不均一な放電による画像不良が発生した。
そして、実施例1〜5では、電気特性評価は画像評価といずれも対応がとれて、総合評価は良好であった。一方、比較例1〜5では、電気特性評価は画像評価といずれも対応がとれてなく、総合評価は良くなかった。
このように、本実施形態における帯電ローラ(導電性部材)の評価方法によれば、電圧を印加した帯電ローラにより感光体ドラムを帯電させたときに、帯電ローラから感光体ドラムに流れる電流の波形面積(絶対値の積分値)の大きさから、帯電時の放電特性を評価することで、画像評価結果と対応がとれた帯電ローラの電気特性評価を得ることが可能となった。
よって、前記構成の帯電ローラAを、図1〜図4に示した画像形成装置の帯電ローラとして使用し、前記実施例2の条件で画像形成動作を行うことにより、感光体ドラム表面を良好に均一に帯電することができるので、高品位な画像を得ることができる。
なお、図1〜図4に示した前記実施形態では、帯電ローラを感光体ドラムの表面に対して所定のギャップ(空隙)を有するように近接配置して帯電処理する近接帯電方式の画像形成装置であったが、前記実施例1、3、4、5のように、帯電ローラを感光体ドラムに接触させて帯電処理する接触帯電方式の画像形成装置においても同様に本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係る帯電ローラ(導電性部材)を備えた画像形成装置の要部を示す概略構成図。 本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図。 本発明の実施形態に係る帯電ローラ(導電性部材)を示す断面図。 帯電ローラと感光体ドラムとの位置関係を示す図。 本発明の実施形態に係る帯電ローラの電気特性評価(電流波形面積)の測定に用いる電気特性評価装置を示す概略図。 発明の実施形態に係る電気特性評価装置により測定された、電圧波形、電流波形の一例を示す図。 電流波形の面積を示す図。 発明の実施形態に係る電気特性評価により測定された電流波形と、従来の電気特性評価により測定された電流波形とを示す図。 比較例4の測定で得られた電流波形を示す図。
符号の説明
1 画像形成装置
2a、2b、2c、2d 画像形成部
3 中間転写ベルト
4 2次転写ローラ
5 定着装置
6 感光体ドラム(像担持体)
7 帯電ローラ(導電性部材)
8 現像装置
9 1次転写ローラ
10 ドラムクリーニング部材
15 プロセスカートリッジ
17 導電性支持体
18 電気抵抗調整層
19 表面層
20a,20b 空隙保持部材
21 電源
30 電気特性評価装置
31 高圧電源
32 測定装置

Claims (10)

  1. 像担持体表面に導電性部材を当接又は近接配置して、前記像担持体及び前記導電性部材を回転させるとともに、前記導電性部材に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して、前記導電性部材から前記像担持体に流れる電流の波形面積の大きさから、前記導電性部材の電気特性評価を行なうことを特徴とする導電性部材の評価方法。
  2. 前記導電性部材に印加する交流電圧のピーク間電圧を、直流電圧の絶対値の2倍以上とすることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材の評価方法。
  3. 前記像担持体と前記導電性部材は、逆方向に同じ線速度でそれぞれ回転されることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性部材の評価方法。
  4. 前記導電性部材に印加する交流電圧の周波数をf、前記像担持体と前記導電性部材の線速をVとしたときに、f/Vを7以上12以下とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導電性部材の評価方法。
  5. 前記導電性部材から前記像担持体に流れる電流を測定するときのデータサンプリングレートが、前記導電性部材に印加する交流電圧の周波数以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の導電性部材の評価方法。
  6. 前記導電性部材の電気特性の良否評価は、測定環境23℃、50%RHにおいて、前記像担持体と前記導電性部材との間の空隙を30μm、ローラ状に形成した前記導電性部材の外径を12.7mm、互いに逆方向に回転される前記像担持体と前記導電性部材の線速を282mm/secして、前記導電性部材に、−0.7kVの直流電圧にピーク間電圧2.2kV、周波数2200Hzの交流電圧を重畳した電圧を印加した場合に、前記導電性部材から前記像担持体に流れる電流の波形面積の大きさで行い、前記導電性部材の1回転周期に相当する時間の電流波形面積が0.4mA・sec以上であれば、前記導電性部材の電気特性が良好であると評価することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の導電性部材の評価方法。
  7. 像担持体表面に当接又は近接配置される導電性部材において、
    該導電性部材を、請求項6に記載の導電性部材の評価方法により、前記導電性部材の1回転周期に相当する時間の電流波形面積が0.4mA・sec以上となるように構成したことを特徴とする導電性部材。
  8. 前記導電性部材は、前記像担持体表面に放電して帯電させる帯電部材であることを特徴とする請求項7に記載の導電性部材。
  9. 少なくとも、請求項8に記載の前記帯電部材と、該帯電部材により帯電される像担持体とを一体のユニット構成として備えていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項9に記載の前記プロセスカートリッジが着脱自在に装着されることを特徴とする画像形成装置。
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