JP2004070006A - クリーニングローラ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のクリーニングローラは、画像形成装置において、像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、像担持体表面に残留するトナーを除去するためのクリーニングローラ1であって、芯材11と、芯材を囲繞する弾性多孔質層13(例えば、ウレタンフォーム等からなるもの)と、弾性多孔質層表面に短繊維(例えば、ポリアミド等)が植毛されて形成された短繊維体15とを備える。弾性多孔質層は、セル数が30〜3000個/25mm、且つアスカC硬度が0.5〜50°の弾性多孔質体からなることが好ましい。本発明のクリーニングローラの製造方法は、芯材の周面に形成された弾性多孔質層表面に、短繊維を静電力により植毛する短繊維体形成工程を備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーニングローラ及びその製造方法に関する。更に詳しくは、残留トナーのクリーニング性に優れ、像担持体の損傷を極めて低減できるクリーニングローラ及びその製造方法に関する。
本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等に適用される電子写真方式の画像形成装置に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成し、それを現像剤であるトナーで現像し、トナー像を形成して、そのトナー像を記録媒体に静電的に転写する方式のものが広く採用されている。また、カラーレーザー複写機、カラーレーザープリンタ等の電子写真方式のカラー画像形成装置においては、像担持体上に形成された4色のトナー像を一旦中間転写体上に静電的に一次転写し、中間転写体上に形成されたトナー像を記録媒体に二次転写する、いわゆる中間転写方式のものが普及しつつある。
【0003】
しかし、上記のいずれの方式においても記録媒体にトナー像を完全に転写することは困難である。この原因としては、記録媒体の表面形状や厚さに様々な種類があり、記録媒体に付着している個々のトナー粒子に均一に圧接力が働かないことが挙げられる。そのため、転写後に感光体又は中間転写体等の像担持体上に残存するトナーを除去して、転写率を高めてやる必要性がある。一般に、その残留トナーのクリーニング手段としては、ウレタンゴム等の弾性材料からなるクリーニングブレードのエッジを像担持体表面に当接させて残留トナーを掻き落とす方式のものが広く用いられていた。
【0004】
ところが、近年、この方式の画像形成装置に対する高画質化の要求が高まりつつあり、その一つの方法として、現像剤として用いられるトナー粒子の小径化及び球形化が進められている。しかし、このようなトナー粒子を用いた場合、トナーの一部がクリーニングブレードをすり抜けてしまい、クリーニング性が低下している。これを解決するため、クリーニングブレードの圧接力を単に増加させてやると、クリーニング性を改善することができないばかりでなく、像担持体の駆動トルクを増大させ、像担持体の寿命を短縮させてしまう。
【0005】
そのため、クリーニングブレードに代えて、又はクリーニングブレードと組み合せて使用するものとして、ブラシローラやフォームローラが提案されている(例えば、特開平10−282854号公報、特開昭63−68871号公報等)。このブラシローラは、ポリアミド等の合成繊維が、像担持体に対して略垂直となるように、回転するシャフトの周りに配設され、繊維の先端により残留トナーを掻き落とすものである。また、フォームローラは、ウレタンやシリコーン等の柔軟性を有する高分子樹脂多孔体がシャフトの周りに配設されており、像担持体表面とある程度広い接触面積をもって摺擦する際に、外周面に存在する多数の微細な孔を形成する壁部のエッジにより機械的に残留トナー等を掻き落とすものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ブラシローラでは、使用と共に繊維の屈曲変形が次第に大きくなり、いわゆる毛倒れ状態になる。このような状態になると、繊維がトナーに作用する力が小さくなってしまい、トナーを掻き落とす力が不足してしまう。また、これを解決するために、繊維の剛性を高めたり、繊維を太くしてやると、今度は像担持体表面に傷が付き易くなってしまう。更には、トナーが繊維間をすり抜け易くなり、十分なクリーニング性が得られなくなってしまう。
また、フォームローラでは、フォーム本来の柔らかさや、トナーとの化学的な極性が近いことにより発泡体のセル骨格にトナーが付着し、その上に更にトナーが付着しながらセル構造にトナーが侵入して、表面近くの多くのセルにトナーが詰まって、固くなり、いわゆるトナー詰まりが発生する。トナー詰まりが生じると、トナーが押しつぶされ、擦りつけられるようになり、トナーフィルミングが発生し、残留トナーをクリーニングすることができなくなってしまう。これを抑制するため、高分子骨格を固くすると、骨格へのトナーの付着は抑制できるが、像担持体表面を傷つけてしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、残留トナーのクリーニング性に優れ、像担持体の損傷を極めて低減できるクリーニングローラ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、クリーニングローラの構成において検討した結果、芯材と、残留トナーを掻き落とす能力に優れる短繊維体との間に、像担持体と当接されることで圧縮変形する弾性多孔質層を設けることで、残留トナーのクリーニング性に優れ、像担持体の損傷を極めて低減できるクリーニングローラとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明のクリーニングローラは、画像形成装置において、像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、該像担持体表面に残留するトナーを除去するためのクリーニングローラであって、芯材と、該芯材を囲繞する弾性多孔質層と、該弾性多孔質層表面に短繊維が植毛されて形成された短繊維体とを備えることを特徴とする。
また、上記弾性多孔質層は、セル数が30〜3000個/25mm、且つアスカC硬度が0.5〜50°の弾性多孔質体からなるクリーニングローラとすることができる。
更に、上記短繊維の長さは、0.1〜2mmであるクリーニングローラとすることができる。
また、上記短繊維体は、接着層により上記弾性多孔質層の表面に固着されているクリーニングローラとすることができる。
本発明のクリーニングローラの製造方法は、上記クリーニングローラの製造方法であって、芯材の周面に形成された弾性多孔質層表面に、短繊維を静電力により植毛する短繊維体形成工程を備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
上記「芯材」は、十分な機械的強度を有し、その表面に弾性多孔質層を支持できるものであればよく、その材質等は特に限定されない。この芯材としては、例えば、快削鋼等にめっきを施した芯材、アルミニウム合金及びステンレス鋼等からなる芯材、樹脂製の基体にめっきを施し、導電性を付与した芯材等を使用することができる。
また、芯材の長さ方向の断面形状は、特に限定されないが、通常、円形又は略円形であり、楕円形、四角又は三角形等の形状であってもよい。更に、この芯材は中実体であっても、中空体であってもよい。
【0011】
上記「弾性多孔質層」は、弾性多孔質体からなり、芯材の周面に形成されているものである。この弾性多孔質体としては、例えば、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、メラミンフォーム、エチレンプロピレン非共役ジエンゴムスポンジフォーム、及びクロロプレンゴムスポンジフォーム等が挙げられる。なかでも、ウレタンフォームが用いられることが多い。
【0012】
この弾性多孔質体の硬度は特に限定されないが、アスカC硬度が0.5〜50°であることが好ましく、より好ましくは0.5〜40°、更に好ましくは0.5〜30°である。このアスカC硬度が0.5〜50°である場合、トナーフィルミングの発生を十分に抑えることができ、より残留トナーのクリーニング性に優れる。
また、弾性多孔質体のセル数は、特に限定されないが、30〜3000個/25mmであることが好ましく、より好ましくは40〜3000個/25mm、更に好ましくは50〜3000個/25mmである。このセル数が30〜3000個/25mmである場合、弾性多孔質層へのトナー詰まりがより低減される。
更に、弾性多孔質体の圧縮永久歪が小さいほど、大きなニップ量で像担持体に当接できるため好ましい。
【0013】
特に、弾性多孔質体のアスカC硬度が0.5〜50°であり、且つセル数が30〜3000個/25mmであることが好ましく、より好ましくはアスカC硬度が0.5〜40°であり、且つセル数が40〜3000個/25mm、更に好ましくはアスカC硬度が0.5〜30°であり、且つセル数が50〜3000個/25mmである。このような組み合わせの場合、残留トナーのクリーニング性により優れ、像担持体の損傷を極めて低減できる。
【0014】
上記「短繊維体」は、弾性多孔質層の表面に複数の短繊維が植毛されて形成されている。この短繊維体は、通常、接着層により弾性多孔質層の表面に固着されている。
短繊維は、トナーを掻き落とすのに十分な硬度を有するものであればよく、例えば、ポリアミド、ポリエステル、アクリル及びレーヨン等の樹脂繊維などが用いられる。また、導電性物質を練り込んで繊維状にしたもの、繊維表面に導電性高分子や無機導電性物質を付着したもの等の導電性繊維を使用することもできる。導電性繊維としては、例えば、商品名「サンダーロン」(日本蚕毛株式会社製)、商品名「REC−B」(ユニチカ株式会社製)、商品名「ベルトロン」(株式会社カネボウ製)等が挙げられる。
【0015】
短繊維の長さは特に限定されないが、0.1〜2mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5mm、更に好ましくは0.2〜1.5mm、特に好ましくは0.2〜1mmである。この長さが0.1〜2mmである場合、毛倒れ状態になりにくく、トナーを十分に掻き落とすことができるため、よりクリーニング性に優れる。
また、短繊維の太さは特に限定されないが、0.5〜4dTであることが好ましく、より好ましくは0.5〜3dT、更に好ましくは1〜3dT、特に好ましくは1〜2.5dTである。この太さが0.5〜4dTである場合、像担持体にほとんど傷をつけることなくトナーを掻き落とすことができる。また、トナーが繊維の間をすり抜けにくく、クリーニング性に優れる。
【0016】
短繊維は弾性多孔質層の表面に均一に植毛されていることが好ましく、弾性多孔質層の表面に対する短繊維の本数の割合は、その太さにもよるが特に限定されず、50〜1000本/mm2であることが好ましく、より好ましくは75〜800本/mm2、更に好ましくは80〜600本/mm2である。この割合が50〜1000本/mm2である場合、トナーを十分に掻き落とすことができるため、よりクリーニング性に優れる。
また、短繊維は、弾性多孔質層に対して、30〜90°の角度で植毛されていることが好ましく、より好ましくは50〜90°、更に好ましくは70〜90°である。この角度が90°に近いほど、トナーを十分に掻き落とすことができるため、よりクリーニング性に優れる。
【0017】
短繊維体を固着する接着層を形成する接着剤としては、公知の接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、合成ゴム及び天然ゴム等を主成分とする接着剤を用いることができる。また、これらの樹脂を主成分とする水系接着剤は、弾性多孔質層を膨潤させることが少ないため好ましい。特に、この樹脂としてはアクリル樹脂であることが好ましい。例えば、アクリル樹脂は、非反応性ポリアクリル酸エステル(非架橋型)、反応性ポリアクリル酸エステル(メチロールメラミンを架橋剤として用いる)及び自己架橋型ポリアクリル酸エステルに分けられ、反応型、自己架橋型は耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性等に優れるため、多く用いられている。また、反応型アクリル樹脂の場合、物性を改良するために官能基としてカルボキシル基、アミド、アミノ基、エポキシ基、及び/又はヒドロキシル基等を導入したものであってもよい。
【0018】
また、本発明のクリーニングローラにおいては、弾性多孔質層及び短繊維体を弾性多孔質層に固着する接着層のうちの少なくとも一方が導電性を有していることが好ましい。これらが導電性を有していることにより、ファンデルワールス力や、摩擦帯電による静電気力に加え、電圧印加による静電気力をトナーに対して作用させることができ、像担持体上のトナーをクリーニングローラ側に移動させたり、クリーニングローラに付着したトナーを逆に他のトナー除去装置側に回収したりすることが容易となる。この場合、短繊維体が長手方向や周方向にほぼ一定の電位となるようにする必要があるため、弾性多孔質層及び接着層のうちの導電性を有するものの体積抵抗率が10−6〜1010Ωcmであることが好ましく、特に10−4〜108Ωcmであることが好ましい。
【0019】
本発明のクリーニングローラの製造方法は特に限定されないが、例えば、芯材11の周面に形成された弾性多孔質層13表面に、静電力により短繊維を植毛し、短繊維体15を形成することにより図1に示すようなクリーニングローラ1を製造することができる。
芯材の周面に弾性多孔質層が形成されたローラは、例えば、弾性多孔質体ブロックを形成し、芯材が通る孔を開け、その後、接着剤を塗布した芯材を挿入し、弾性多孔質体ブロックと芯材とを接着し、次いで、芯材を回転させながらローラ形状となるように外形を研磨等することにより得ることができる。また、仮シャフトを用いたモールド成形等により得られたものであってもよい。
【0020】
また、短繊維体の形成は、通常、静電力を利用した静電植毛法により行われる。具体的には、芯材の周面に形成された弾性多孔質層の表面に、短繊維体を固着するための接着剤を塗布し、導電性シャフトに高電圧を印加しながら、所定長さの短繊維を弾性多孔質層に向けて供給し、静電的に接着剤が塗布された弾性多孔質層に植え込み、その後、接着剤を乾燥及び/又は硬化させることで短繊維体を弾性多孔質層に固着させる。
この際の接着剤の塗布量は、所望の本数の短繊維を固着できれば特に限定されないが、20g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは20〜200g/m2、更に好ましくは40〜150g/m2である。
また、接着剤の塗布方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、スプレー塗布、ロールコート及び浸漬塗布等の方法が挙げられる。なかでも、均一に塗布することができ、塗布量の制御が容易であり、且つ塗布後の不要のラテックス液等を絞ったりするなどの後工程を必要としない、スプレー塗布法により塗布することが好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
(1)クリーニングローラの製造
実施例1
図2を用いて、実施例1のクリーニングローラ1の製造方法を説明する。
芯材11(直径;6mm、長さ;250mm、材質;SUM22)の表面に、厚さ20μm程度となるようにホットメルト接着剤(乾燥後、接着層12となる。)を塗布し、この芯材11を、予め芯材11が通る孔を開けた弾性多孔質体(エステル系軟質ウレタンフォーム、株式会社イノアックコーポレーション製、アスカC硬度;1°、セル数;50個/25mm、密度;30kg/m3、体積抵抗率;1012Ωcm)の孔に挿通し、加熱して接着させた。その後、外形を研削、研磨し、弾性多孔質層13を備えるローラ(直径;10mm)を製造した。次いで、得られたローラの弾性多孔質層13表面に、アクリル系ラテックス接着剤(不揮発分;約45%)を、塗着量が3gとなるように均一にスプレー塗布した。その後、静電植毛装置(株式会社メサック製)により、ナイロン66繊維(長さ;0.5mm、太さ;1.7dT)を30kVの電圧で、ローラの弾性多孔質層13に対して垂直の向きとなるように植毛(植毛密度;300本/mm2)し、温度120℃に調整した熱風循環乾燥炉内で30分間乾燥させ、弾性多孔質層13の表面に接着層14により固着された短繊維体15を備えるクリーニングローラ1を製造した。
【0022】
実施例2
実施例1で用いたエステル系軟質ウレタンフォームに代えて、導電性軟質ウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製、アスカC硬度;1°、セル数;70個/25mm、密度;50kg/m3、体積抵抗率;106Ωcm)を弾性多孔質体として用い、且つ実施例1で用いたアクリル系ラテックス接着剤100部に、導電性カーボンブラック(ライオン株式会社製、商品名「ケッチェンブラックEC600JD」)10部、純水50部を加えて十分に混合したものを、塗着量が12gとなるようにスプレー塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性を有するクリーニングローラを製造した。
【0023】
比較例1(短繊維体を有していないクリーニングローラ)
実施例1で用いたポリエステル系軟質ウレタンフォームに代えて、メラミンフォーム(メラミン/ホルムアルデヒド樹脂を発泡剤により発泡させて得たもの。株式イノアックコーポレーション製、アスカC硬度;5°、セル数;150個/25mm、密度;10kg/m3、体積抵抗率;1012Ωcm)を弾性多孔質体として用い、且つ短繊維体を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、多孔質層を有するクリーニングローラを製造した。
【0024】
比較例2(短繊維体を有していないクリーニングローラ)
短繊維体を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、多孔質層を有し、且つ導電性を有するクリーニングローラを製造した。
【0025】
(2)クリーニングローラの性能評価
各実施例及び各比較例のクリーニングローラを用い、市販のレーザープリンタのクリーニングローラと取り替えて、黒ベタ画像の印刷を100000枚連続で行い、10、25000、50000、75000、100000枚の各枚数において、以下の測定を行った。尚、各実施例及び各比較例のローラは3本ずつ用いて、これらの測定を3回行い、その平均値で評価した。これらの結果を表1に示す。
▲1▼ローラ通過トナー量
所定枚数出力後、クリーニングローラとクリーニングブレードとの間の感光体上に存在するトナー量を測定した。尚、この量が少ないほど、クリーニング性に優れる。
▲2▼クリーニング不良の有無
印刷画像の汚れ、にじみ、擦れ、ぼけ等の有無を目視により評価した。
▲3▼ローラの状態
弾性多孔質層へのトナーの固着の有無を、未使用のローラと比較し、目視により評価した。尚、トナーの固着量が多く、弾性多孔質層の一部を塞いでしまったものの評価は「トナー詰まりあり」とした。
▲4▼感光体傷の有無
感光体における傷の有無を目視により評価した。尚、表1中の「増加中」は、前回(25000枚前)の測定時よりも増えていたことを示す。
【0026】
また、実施例1のクリーニングローラの断面を光学顕微鏡により観察し、このクリーニングローラの顕微鏡写真による説明図を図3(倍率;25倍)に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
(3)実施例の効果
表1によれば、短繊維体を有していない比較例1のクリーニングローラでは、25000枚印刷した時点で感光体に傷が生じており、100000枚印刷後まで、感光体への傷は増え続けた。尚、ローラ通過トナー量、クリーニング不良の有無、ローラの状態においては問題なかった。
また、短繊維体を有していない比較例2のクリーニングローラでは、25000枚印刷した時点でローラ通過トナー量は0.01g/cm2となり、弾性多孔質層へのトナーの付着が確認された。また、50000枚印刷後には、ローラ通過トナー量は0.023g/cm2となり、弾性多孔質層へのトナー詰まりが生じた。更に、75000枚印刷後には、ローラ通過トナー量は0.052g/cm2となり、トナー詰まりに加え、クリーニング不良及び感光体傷が生じた。そして、100000枚印刷後には、ローラ通過トナー量が0.065g/cm2となり、感光体の傷が更に増えていた。
このように、比較例1及び2の各クリーニングローラでは、像担持体を傷つけることなく、残留トナーをクリーニングすることはできなかった。
【0029】
これに対して、実施例1及び2のクリーニングローラでは、100000枚印刷後においても、ローラ通過トナー量は共に0.008g/cm2と少なく、比較例2の値(0.065g/cm2)と比べると極めて優れており、残留トナーのクリーニング性に優れていることが分かった。また、各印刷枚数におけるクリーニング不良の有無、ローラの状態、感光体傷の有無の評価においても共に全て「なし」であり、像担持体を損傷することなく、残留トナーを十分にクリーニングすることができた。
また、図3によれば、実施例1のクリーニングローラの弾性多孔質層の表面には、複数の短繊維が植毛されて短繊維体が形成されていることが分かる。
更に、実施例2のクリーニングローラでは、弾性多孔質体及び短繊維体を固着している接着層が導電性を有しているため、感光体上のトナーをクリーニングローラ側に移動させたり、クリーニングローラに付着したトナーを逆に他のトナー除去装置側に回収したりすることが容易となっている。
【0030】
【発明の効果】
本発明のクリーニングローラでは、短繊維体が感光体や中間転写体等の像担持体に当接する際、弾性多孔質層が圧縮変形し、短繊維体のたわみ量が少なくなって毛倒れが防止され、更には短繊維体と像担持体との接触面積がより広く確保されるため、残留トナーのクリーニング性に優れており、且つ像担持体の損傷を極めて低減でき、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等に適用される電子写真方式の画像形成装置に有用である。
また、弾性多孔質層を構成する弾性多孔体のセル数及び硬度を特定の範囲の値とした場合には、残留トナーのクリーニング性により優れ、像担持体の損傷を極めて低減できるクリーニングローラとすることができる。
更に、短繊維体を構成する短繊維の長さを特定の範囲の値とした場合には、十分に残留トナーを掻き落とすことができ、よりクリーニング性に優れるクリーニングローラとすることができる。
また、弾性多孔質層の表面に短繊維体を接着層により固着した場合には、短繊維体が弾性多孔質層に強固に固定され、安定したクリーニング性を有するクリーニングローラとすることができる。
本発明の製造方法によれば、残留トナーのクリーニング性に優れ、像担持体の損傷を極めて低減できるクリーニングローラを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーニングローラを説明する模式図である。
【図2】クリーニングローラの断面を説明する模式図である。
【図3】実施例1のクリーニングローラの断面の光学顕微鏡による説明図である。
【符号の説明】
1;クリーニングローラ、11;芯材、12;接着層、13;弾性多孔質層、14;接着層、15;短繊維体。
Claims (5)
- 画像形成装置において、像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、該像担持体表面に残留するトナーを除去するためのクリーニングローラであって、
芯材と、該芯材を囲繞する弾性多孔質層と、該弾性多孔質層表面に短繊維が植毛されて形成された短繊維体とを備えることを特徴とするクリーニングローラ。 - 上記弾性多孔質層は、セル数が30〜3000個/25mm、且つアスカC硬度が0.5〜50°の弾性多孔質体からなる請求項1記載のクリーニングローラ。
- 上記短繊維の長さは、0.1〜2mmである請求項1又は2に記載のクリーニングローラ。
- 上記短繊維体は、接着層により上記弾性多孔質層の表面に固着されている請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のクリーニングローラ。
- 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のクリーニングローラの製造方法であって、芯材の周面に形成された弾性多孔質層表面に、短繊維を静電力により植毛する短繊維体形成工程を備えることを特徴とするクリーニングローラの製造方法。
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