JP2003268209A - 導電部材及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

導電部材及びそれを用いた画像形成装置

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JP2003268209A JP2002071820A JP2002071820A JP2003268209A JP 2003268209 A JP2003268209 A JP 2003268209A JP 2002071820 A JP2002071820 A JP 2002071820A JP 2002071820 A JP2002071820 A JP 2002071820A JP 2003268209 A JP2003268209 A JP 2003268209A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程でのエネルギーの低減や、リサイク
ルが可能であるといった利点を有する熱可塑性エラスト
マー材料を用いた導電性樹脂組成物からなる導電部材で
あって、通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一
性を改善し、電界依存性が少なく、環境による抵抗の変
化の少ない、導電部材を提供すること、及び前記導電部
材を用いた画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
と、該エポキシ化ジエン系ブロック共重合体以外の熱可
塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂及びアミノ基を有
する化合物と、導電剤と、を含む導電性樹脂組成物から
なることを特徴とする導電部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンタ等に使用される導電部材及びそれを用い
た画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した画像形成装置
は、静電潜像担持体(感光体)表面に一様な電荷を形成
し(帯電)、画像信号を変調したレーザー等により静電
潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現
像してトナー画像とする。そして、前記トナー画像を、
中間転写体を介して、あるいは直接記録媒体に静電的に
転写することにより、所望の転写画像を得ることができ
る。
【0003】前記中間転写体を用いた転写方式において
は、中間転写体として半導電性の無端ベルト(半導電性
ベルト)が採用されているが、この半導電性ベルトは、
ベルト駆動時の制御の容易さ等から、弾性材料で構成さ
れるのが一般的であり、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM)やウレタンゴム、エピクロルヒドリン
ゴム等の加硫ゴム材料が一般的に用いられる。
【0004】また、例えば特開平2−264277号公
報では、体積固有抵抗が1015〜1016ΩcmのEPD
Mゴムにポリエチレンフィルムを積層したベルトを用い
ることが提案されている。さらに、特開昭63−837
64号公報では、体積固有抵抗が1010〜1013Ωcm
程度の素材として弾性体を用いた半導電性ベルト等が提
案されている。
【0005】上記半導電性ベルトは、素材が弾性体であ
るため、エラストマーよりも高い引張強度を有するもの
となっている。ここで、画像形成のための転写用半導電
性ベルトには、高い引張強度の他に所定の通紙耐久性も
要求される。この通紙耐久性に関しては、ベルトの厚み
を所定の厚みに設定することで良好な性能が得られてい
る。
【0006】このような高い引張強度と所定の通紙耐久
性を得るために、例えば、上記特開平2−264277
号公報に記載された体積固有抵抗が1015〜1016Ωc
mの転写搬送ベルト、特開昭63−83764号公報に
記載された体積固有抵抗が1010〜1013Ωcm程度の
高い体積固有抵抗を有する転写搬送ベルトを用いた場合
には、転写のために必要な電界が大きくなり、ベルトに
電圧を印加する電源の負担が大きくなってしまうという
問題点がある。
【0007】また、転写搬送ベルトは、静電的な吸着力
を介して転写材(記録媒体)を保持しているために、転
写材がベルトと分離する際に放電が生じる場合がある。
この場合には、転写材表面の転写画像に乱れが生じるこ
とがある。この放電は、特に低温低湿の環境下で生じや
すい。ところが、転写搬送ベルトとして、前記体積固有
抵抗が高い半導電性ベルトを用いた場合には、ベルトが
転写材を保持するために高い電圧を必要とするために放
電が生じやすく、この放電現象により、転写材表面のト
ナーの一部が逆極性となり、転写不良が発生し、転写材
表面では一部白抜けという画像欠陥が起きる。このため
転写像の乱れが生じやすく、良好な画質が得られ難いと
いう問題がある。
【0008】また、転写搬送ベルトの体積抵抗率が10
2Ωcm未満の場合には、電荷が流れ易くなるために静
電的な吸着力を介して転写材を保持することができなく
なる問題がある。
【0009】一方、特開平8−185068号公報に
は、転写搬送ベルトとして、体積固有抵抗を109Ωc
m以下とするクロロプレンゴムなど弾性体の表面に、ナ
イロン系樹脂コートまたはウレタン系樹脂コートを施し
たベルトが提案されている。上記クロロプレンゴムに表
面層にナイロン系樹脂をコートした場合には、表面のコ
ート層が硬いために、ロール形状の支持体を通過する曲
率部での転写搬送ベルトの変形に追随することができ
ず、表面層にクラックが発生する場合がある。また、ウ
レタン系樹脂コートの場合には、コート層としては柔軟
性を有しており、前記のようにコート層表面にクラック
を発生する問題はないが、トナーが付着し易く汚れやす
いなどの問題をもっている。
【0010】また、上記、転写搬送ベルトとして、カー
ボンブラックなどを分散したクロロピレンゴム等の弾性
体を用いた場合において、109Ωcm付近の半導電性
の抵抗領域は抵抗制御の難しい領域であるために、通常
のゴム材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して
も所望の抵抗値を安定して得ることがほとんどできな
い。このため、上記弾性体を用いたベルトの抵抗のバラ
ツキを体積抵抗の常用対数値で1桁以内に安定して製造
することは難しく、抵抗の面内バラツキが1桁以上とな
る場合には、転写電圧を均一に印加できないため、転写
後の画質が安定しないという問題がある。
【0011】さらに、前記半導電性ベルトが転写材を保
持し、トナー画像を転写材に転写するためには1kVか
ら5kVの転写電圧を印加するが、この印加電圧によっ
て、ベルト材料の抵抗値が変化してしまい、転写材のあ
る部位と転写材のない部位とでベルトの抵抗値が変わる
という問題が発生する場合があった。
【0012】これに対し、特開平8−292648号公
報においては、上記、ベルト材料の抵抗の経時変動、ベ
ルト抵抗値ムラの改善として、転写搬送ベルトを3層構
成として、第1層(表面層)の体積固有抵抗を1×10
10〜1×1016Ωcmの範囲とし、第2層(中間層)に
体積固有抵抗が、1×107〜1×1010Ωcmの範囲
のポリマー自体の導電性を利用したゴム層を用い、第3
層(基層)の体積固有抵抗を1×1010〜1×1016Ω
cmの範囲とする提案がなされている。上記公報では、
第2層(中間層)のポリマー自体の導電性を利用したゴ
ム層によって、抵抗値ムラは、改善できるとしている
が、積層ベルトの場合は、抵抗値は、抵抗の高い層に支
配されるために、抵抗値ムラの改善は十分なものではな
かった。
【0013】また、特開平9−179414号公報にお
いては、上記ベルト材料の抵抗値の経時変動対策とし
て、クロロプレンゴムとEPDM(エチレンプロピレン
ジエンモノマー)とからなるゴム材料が提案されている
が、ベルト材料の抵抗値の経時変動、ベルト抵抗ムラの
改善としては、十分なものではなかった。
【0014】さらに、上記、ベルト材料の抵抗値の経時
変動、ベルト抵抗値ムラの対策として、特開平7−27
1204号公報において、ヒドリンゴムなどの極性の強
いゴム材料を用いて、イオン伝導タイプのゴム材料を用
いる提案がされている。しかし、カーボンブラックなど
導電剤を用いた電子伝導タイプのゴム材料を用いる場合
には、高温高湿と低温低湿との環境で抵抗値の変動の問
題はないが、イオン伝導タイプは、高温高湿と低温低湿
との環境で抵抗値が1.5桁以上変化する問題がある。
【0015】一方、前記電子写真方式を利用した画像形
成装置においては、前記帯電処理する方式の一つとし
て、帯電部材を用いた接触式帯電方式が採用されてい
る。帯電ロールは、前記帯電部材として最も一般的なも
のであるが、この帯電ロールによる感光体(静電潜像端
持体)表面への帯電メカニズムは、帯電ロールと感光体
との微小空間におけるパッシェンの法則に従った放電で
あることが知られている。接触型の帯電ロールは金属基
体からなる感光体に所定の押圧力で当接され、感光体の
回転に伴い接触回転するため、帯電ロールが充分な柔軟
性を持っていない場合、表面のわずかなくぼみにおいて
感光体の間に浮きが発生し、前述の微少空間がばらつく
ことから、帯電不良を生じることになる。
【0016】そのため、前記帯電ロールでは、導電性支
持体(基材)の表面に導電性弾性層を設けることで、感
光体ドラムに対する浮きを防いでいる。この導電性弾性
層には、前記エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM)やウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム等の加硫ゴム材料が一般的に用いられる。
【0017】そして、上記帯電ロールの導電性弾性層に
は、前記と同様にカーボンブラックなどが導電剤として
用いられることから、抵抗値を半導電性領域に設定しよ
うとすると抵抗値のばらつきが大きく、部分的に帯電不
良等の画像欠陥が発生してしまう問題がある。
【0018】ところで、近年、全世界的に環境保護活動
がクローズアップされており、各企業においても、製造
時のエネルギー消費量の低減や、廃棄物の削減といった
環境重視の活動が求められている。
【0019】しかしながら、前述のベルトやロールに使
用される加硫ゴム材料は、製造時の加硫工程においてエ
ネルギーを消費する上、一度加硫を行ってしまうと再成
形によるリサイクルが不可能であるために、環境保護の
観点からは非常に不利な材料であることは否めない。そ
こで、加硫ゴム材料の代替として熱可塑性エラストマー
材料をベルトやロールの材料に適用することが考えられ
る。熱可塑性エラストマーは熱可塑性樹脂と同様の成形
加工が可能なことから、加硫工程の省略、リサイクルと
いった環境保護面でのメリットがある。熱可塑性エラス
トマーは、架橋系のエラストマーと比較して、熱可塑性
樹脂用成形機で迅速に加工することができ、成形サイク
ルが短く、加硫工程を必要としない。すなわち、製造工
程が簡単で、省エネルギー・省力・省時間型の材料であ
る。また、製品が架橋されていないので、スクラップの
リサイクルが容易である、などのメリットもある。
【0020】ところが、この熱可塑性エラストマーを半
導電性ベルト等へ適用する場合、前記のように、材料固
有の応力歪みにより変形が生じやすい。特にベルトの場
合には走行を長時間停止すると、ベルトを張架する支持
ロールの曲率にならって変形が生じやすく、転写材を静
電的に吸着して安定的に搬送できないことがある。さら
に、カーボンブラックなどの電子伝導性の導電剤を用い
た場合には、抵抗値を半導電性領域(106〜1012Ω
cm程度)に設定しようとすると、抵抗値のバラツキが
大きく、部分的転写不良等の画像欠陥が発生してしま
う。この画像欠陥の発生は、電子伝導性の導電剤をを熱
可塑性エラストマー中に均一に分散させるのが難しく、
分散不良が生じることにより引き起こされるものであ
る。
【0021】このような材料を、同じく抵抗値が半導電
性領域に設定される帯電部材に適用した場合にも、部分
的帯電不良等による画像欠陥が発生してしまう。また、
導電性剤(カーボンブラック)をそのまま熱可塑性エラ
ストマーに分散させると、導電性弾性層自体の硬度が上
昇し、感光体への接触不良により帯電不良が生じるなど
の問題がある。
【0022】一方、半導電化した熱可塑性エラストマー
として、カーボンブラックではなく、イオン導電剤を分
散するものがある。この種の熱可塑性エラストマーは、
前記架橋ゴムの場合と同様にカーボンブラックを分散す
る上記のものに比べて抵抗値のばらつきが小さい。とこ
ろが、このイオン導電剤を分散する熱可塑性エラストマ
ーを用いると、抵抗の環境依存性および連続通電による
抵抗変動が発生するなどの問題が生じる場合があり、ま
た、このイオン導電剤がブリードして感光体表面を汚染
する等の問題が生じることがある。この現象はイオン導
電剤の配合量を多くした際に顕著であった。
【0023】この問題点を解決するための手段として、
導電性弾性体層の表面にバリア機能を有する保護層を設
けることが考えられるが、この保護層は例えば転写搬送
ベルトとしての機能を損なわないよう、薄肉かつ均一
で、表面性が良好であることが必要とされる。また、こ
のような手段で保護層を形成した帯電ロール等において
も、保護層表面に半導電性弾性体層からイオン導電剤が
ブリードし、感光体表面が汚染されてしまうことがあっ
た。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の課題を達成することを目
的とする。すなわち、本発明は、製造工程でのエネルギ
ーの低減や、リサイクルが可能であるといった利点を有
する熱可塑性エラストマー材料を用いた導電性樹脂組成
物からなる導電部材であって、通電による抵抗変化を防
止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少な
く、環境による抵抗の変化の少ない、導電部材を提供す
ることを目的とする。また、前記導電部材を用いた画像
形成装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、 <1> エポキシ化ジエン系ブロック共重合体と、該エ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体以外の熱可塑性エラ
ストマーまたは熱可塑性樹脂及びアミノ基を有する化合
物と、導電剤と、を含む導電性樹脂組成物からなること
を特徴とする導電部材である。
【0026】<2> 前記エポキシ化ジエン系ブロック
共重合体が、同一分子内にビニル芳香族を主体とする重
合体ブロックと、部分的にエポキシ基を含む共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックまたは部分的にエポ
キシ基を含む水素化共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックと、からなることを特徴とする<1>に記載
の導電部材である。
【0027】<3> 前記導電剤が、電子伝導性の導電
剤であることを特徴とする<1>または<2>に記載の
導電部材である。
【0028】<4> 前記電子伝導性の導電剤が、pH
5以下のカーボンブラックであることを特徴とする<3
>に記載の導電部材である。
【0029】<5> 前記導電性樹脂組成物が、エポキ
シ化ジエン系ブロック共重合体と、該エポキシ化ジエン
系ブロック共重合体以外の熱可塑性エラストマーと、導
電剤と、を含み、前記導電性樹脂組成物からなる半導電
性ベルトであることを特徴とする<1>〜<4>のいず
れかに記載の導電部材である。
【0030】<6> 前記導電性樹脂組成物が、エポキ
シ化ジエン系ブロック共重合体と、熱可塑性樹脂及びア
ミノ基を有する化合物と、導電剤と、を含み、前記導電
性樹脂組成物からなる半導電性ベルトであることを特徴
とする<1>〜<4>のいずれかに記載の導電部材であ
る。
【0031】<7> 前記エポキシ化ジエン系ブロック
共重合体以外の熱可塑性エラストマーが、ポリエステル
系熱可塑性エラストマーまたはポリアミド系熱可塑性エ
ラストマーであることを特徴とする<5>に記載の導電
部材である。
【0032】<8> 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボ
ネート樹脂であることを特徴とする<6>に記載の導電
部材である。
【0033】<9> 前記アミノ基を有する化合物が、
第三級アミノ基含有高分子化合物であることを特徴とす
る<6>または<8>に記載の導電部材である。
【0034】<10> 前記導電性樹脂組成物の体積抵
抗率が、106〜1012Ωcmの範囲であることを特徴
とする<5>〜<9>のいずれかに記載の導電部材であ
る。
【0035】<11> 前記半導電性ベルトである導電
部材の表面に、少なくとも1層以上の層が形成され、前
記導電部材の表面層が、低表面エネルギ−材料からなる
ことを特徴とする<5>〜<10>のいずれかに記載の
導電部材である。
【0036】<12> 前記低表面エネルギー材料が、
フッ素樹脂粒子を分散してなる材料であることを特徴と
する<11>に記載の導電部材である。
【0037】<13> 印加電圧100Vにおける表面
抵抗率ρs1(Ω/□)の常用対数値と、印加電圧10
00Vにおける表面抵抗率ρs2(Ω/□)の常用対数
値と、の差の絶対値|logρs1−logρs2|
が、0.6以下であることを特徴とする<5>〜<12
>のいずれかに記載の導電部材である。
【0038】<14> 30℃、85%RHにおける表
面抵抗率ρs3(Ω/□)の常用対数値と、10℃、1
5%RHにおける表面抵抗率ρs4(Ω/□)の常用対
数値と、の差の絶対値|logρs3−logρs4|
が、1.0以下であることを特徴とする<5>〜<13
>のいずれかに記載の導電部材である。
【0039】<15> 対ロール屈曲回数が300kc
ycle以上であることを特徴する<5>〜<14>の
いずれかに記載の導電部材である。
【0040】<16> 前記導電性樹脂組成物が、エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体と、該エポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体以外の熱可塑性エラストマーと、
導電剤と、を含み、前記導電性樹脂組成物を基材表面に
導電性弾性層として形成した導電ロールであることを特
徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の導電部材で
ある。
【0041】<17> 前記エポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体以外の熱可塑性エラストマーが、スチレン系
熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーであることを特徴とする<16>に記載の導電
部材である。
【0042】<18> 前記導電性弾性体層の体積抵抗
率が103〜1010Ωcmの範囲であることを特徴とす
る<16>または<17>に記載の導電部材である。
【0043】<19> 前記導電性弾性層の表面に保護
層を形成したことを特徴とする<16>〜<18>のい
ずれかに記載の導電部材である。
【0044】<20> <5>〜<15>のいずれかに
記載の半導電性ベルトである導電部材を、用紙搬送ベル
トとして用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【0045】<21> <5>〜<15>のいずれかに
記載の半導電性ベルトである導電部材を、中間転写体と
して用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【0046】<22> <16>〜<19>のいずれか
に記載の導電ロールである導電部材を、帯電部材として
用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【0047】<23> <16>〜<19>のいずれか
に記載の導電ロールである導電部材を、転写部材として
用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <導電部材>本発明の導電部材は、エポキシ化ジエン系
ブロック共重合体と、エポキシ化ジエン系ブロック共重
合体以外の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂及
びアミノ基を有する化合物と、導電剤とを含む導電性樹
脂組成物からなる。前記導電性樹脂組成物により、本発
明の半導電性ベルトを構成する半導電性弾性層や導電ロ
ールを構成する導電性弾性層が形成される。但し、本発
明の導電部材は半導電性ベルトや導電ロールに限定され
るものではなく、電子写真用画像形成装置における帯電
装置、現像装置、転写装置等に用いられる導電部材とし
て広く使用できるものである。
【0049】(導電性樹脂組成物)本発明に用いられる
導電性樹脂組成物は、エポキシ化ジエン系ブロック共重
合体と、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体以外の熱
可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂及びアミノ基を
有する化合物と、導電剤と、を含むものである。
【0050】−エポキシ化ジエン系ブロック共重合体− 本発明に用いられる前記エポキシ化ジエン系ブロック共
重合体はジエン系ブロック共重合体を原料とする。当該
ジエン系ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を
主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体をい
い、当該ブロック共重合体中の前記ビニル芳香族化合物
の質量(A)と共役ジエン化合物の質量(B)との質量
比(ブロック共重合体の質量比:A/B)は、5/95
〜90/10の範囲であることが好ましく、10/90
〜80/20の範囲であることがより好ましい。
【0051】前記ジエン系ブロック共重合体の分子量
は、数平均分子量で5,000〜1,500,000の
範囲であることが好ましく、10,000〜800,0
00の範囲であることがより好ましい。また、分子量分
布[質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn)]は10以下であることが好まし
い。
【0052】また、前記ジエン系ブロック共重合体の分
子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任
意の組み合わせのいずれであってもよい。例えば、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックを(X)、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを(Y)
としたとき、X−Y−X、Y−X−Y−X、(X−Y)
4Si、X−Y−X−Y−X等の構造を有するものであ
る。さらに、ジエン系ブロック共重合体の共役ジエン化
合物の不飽和結合は、部分的に水素添加したものであっ
てもよい。
【0053】上記ジエン系ブロック共重合体を構成する
ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−第三級ブチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1
−ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上
が選択でき、中でもスチレンが好ましく用いられる。
【0054】また、前記ジエン系ブロック共重合体を構
成する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−
1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン
等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、中でもブ
タジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好まし
く用いられる。
【0055】前記ジエン系ブロック共重合体の製造方法
としては、上記の構造を有するものであればどのような
製造方法も採ることができる。例えば、リチウム触媒等
を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
【0056】さらに、不活性溶媒中で水素添加触媒の存
在下に水素添加して、本発明に用いられる部分的に水添
したブロック共重合体を合成することができる。
【0057】次いで、既述の如く、上記ジエン系ブロッ
ク共重合体を部分的にエポキシ化することにより本発明
に用いられるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体が得
られる。
【0058】本発明に用いられるエポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合体は、前記のジエン系ブロック共重合体を
不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類等の
エポキシ化剤と反応させることにより得ることができ
る。上記過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸等
を例示することができる。また、前記ハイドロパーオキ
サイド類を使用する場合には、タングステン酸と苛性ソ
ーダとの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸
化水素と、さらにはモリブデンヘキサカルボニルをター
シャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して用いる
ことにより触媒効果を得ることができる。前記エポキシ
化剤の添加量には厳密な制限はなく、それぞれの場合に
おける最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望さ
れるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体等
の可変要因によって決まる。
【0059】上記反応により得られたエポキシ化ジエン
系ブロック共重合体の単離は、適当な方法、例えば貧溶
媒中に沈澱させる方法、重合体溶液を熱水中に攪拌の下
で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで
行うことができる。
【0060】得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重
合体は、ジエン系ブロック共重合体を構成する共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロック及び水素化共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックが部分的にエポ
キシ基を含むものであり、前記エポキシ化ジエン系ブロ
ック共重合体におけるエポキシ当量は、200〜10,
000の範囲であることが好ましい。上記エポキシ化ジ
エン系ブロック共重合体としてより具体的には、例えば
スチレン−ブタジエンブロック共重合体におけるブタジ
エンのジエン分子の一部にエポキシ基を有するダイセル
化学工業(株)社製のエポフレンドA1020、エポフ
レンドA1010、エポフレンドA1005等を挙げる
ことができる。
【0061】上記エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
は、前記のように、エポキシ基が導入されその極性、反
応性が付与されているため、種々の樹脂との相溶性に優
れるだけでなく、後述するカーボンブラック等の導電剤
の分散性向上にも寄与できるものである。また、主鎖上
に極性基を導入しているため吸湿性が少なく、後述する
酸性カーボンブラックと混合した導電性樹脂組成物から
なる半導電性ベルトでの気泡の発生を抑制することがで
きる。さらに、エポキシ基の優れた反応性により、混合
される他の熱可塑性樹脂の衝撃強度、耐熱性を向上させ
ることができ、衝撃強度等の経時変化も抑制することが
できる。
【0062】本発明に用いられる導電性樹脂組成物に配
合される上記エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の配
合量としては、前記熱可塑性エラストマー100質量部
に対して1〜30質量部の範囲であることが好ましく、
3〜25質量部の範囲であることがより好ましく、5〜
20質量部の範囲であることがさらに好ましい。
【0063】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の配
合量が、1質量部に満たないと、得られる弾性体におけ
るエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の添加による圧
縮歪み量の改善効果が少ない場合があり、前記配合量が
30質量部を超えると、得られる弾性体の柔軟性が十分
でない場合がある。
【0064】また、前記エポキシ化ジエン系ブロック共
重合体の配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対
しては、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、
3〜40質量部の範囲であることがより好ましく、5〜
30質量部の範囲であることがさらに好ましい。
【0065】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の配
合量が、1質量部に満たないと、エポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合体の添加による樹脂材料の靭性の改善効果
が少ない場合があり、前記配合量が50質量部を超える
と、半導電性ベルトが軟らかくなり、ベルトとして要求
される機械強度、例えばヤング率10000kg/cm
2以上を満足できない場合がある。
【0066】−エポキシ化ジエン系ブロック共重合体以
外の熱可塑性エラストマー− 本発明の導電部材が半導電性ベルトである場合に用いら
れる熱可塑性エラストマーとしては、前記エポキシ化ジ
エン系ブロック共重合体以外のものであれば特に限定さ
れないが、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー等が挙げられる。これらの中では高硬度である等
の点から、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ
アミド系熱可塑性エラストマーが好ましく用いられる。
【0067】上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー
の好適なものとしては、例えば、三菱レイヨン社製の
「ダイヤアロイR」、東洋紡績社製の「ペルプレン」、
DuPont社製の「Hytrl」、AKZO社製の
「グリラックス」、GE社製の「Lomod」、Eas
tman社製の「Ecdel」、Hoechst−Ce
lanese社製の「Ritrflex」、Enimo
nt社製の「Pibiflex」などを挙げることがで
きる。
【0068】前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーと
は、ポリアミドセグメントとポリエーテルセグメントと
からなる熱可塑性エラストマーであり、好適なものとし
ては、例えば、宇部興産社製の「UBE−PAE」、ダ
イセルヒュルス社製の「ダイアミド−PAE」、ATo
chem社製の「Pebax」、EMS(エムスジャパ
ン)社製の「グリロン」「グリルアミド」、EMS(大
日本インキ化学)社製の「グリラックスA」、EMS
(三菱化学)社製の「ノバミッドEL」、DOWChe
mical社製の「Estmaid」等を挙げることが
できる。
【0069】本発明の導電部材が導電ロールである場合
に用いられる熱可塑性エラストマーとしては、例えば、
スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。これらの中では低硬度である等の点から、スチレン
系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーが好ましく用いられる。
【0070】前記スチレン系熱可塑性エラストマーとし
ては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添
加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添
加物、あるいはそれらの混合物から選ばれたスチレン−
共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を基本成分と
したものが挙げることができる。上記スチレン−共役ジ
エンブロック共重合体の水素添加物としては、その共役
ジエンがブタジエン単独、イソプレン単独、あるいはイ
ソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロック
である共重合体、具体的には、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下、単に
「水添S−B−S」と略すことがある。)、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物
(以下、単に「水添S−I−S」と略すことがあ
る。)、あるいはスチレン−イソプレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下、単に
「水添S−BI−S」と略すことがある)等を挙げるこ
とができる。
【0071】これらスチレン−共役ジエンブロック共重
合体の水素添加物の分子量は、質量平均分子量で50,
000〜500, 000の範囲であることが好ましく、
120, 000〜450, 000の範囲であることがよ
り好ましく、150, 000〜400, 000の範囲で
あることがさらに好ましい。
【0072】上記スチレン−共役ジエンブロック共重合
体の水素添加物の質量平均分子量が50, 000未満の
ものはゴム弾性、機械的強度に劣る場合があり、50
0, 000を越えたものは成形性に劣る傾向となる場合
がある。
【0073】また、前記共重合体中のスチレン含有量は
5〜50質量%の範囲であることが好ましく、8〜45
質量%の範囲であることがより好ましく、10〜40質
量%の範囲であることがさらに好ましい。
【0074】前記水添S−I−S及び水添S−BI−S
は、スチレン及びイソプレン、またはスチレン、イソプ
レン及びブタジエンを、全モノマー100質量部に対
し、開始剤として0.01〜0.2質量部のアルキルリ
チウム化合物及び0.04〜0.8質量部のカップリン
グ剤を加え、前記開始剤100質量部に対して0.1〜
400質量部のルイス塩基の存在下、不活性触媒中、−
20〜80℃で1〜50時間逐次重合させ、次いでイソ
プレン重合体ブロックまたはイソプレン−ブタジエン共
重合体ブロックを水素添加して得られる。好ましい市販
品としては、例えば、シェルジャパン社製の「クレイト
ンG」、クラレ社製の「セプトン」「ハイブラー」、旭
化成工業社製の「タフテック」、日本合成ゴム社製の
「ダイナロン」等を挙げることができる。
【0075】また、上記スチレン−共役ジエンブロック
共重合体の水素添加物をベースとして含有するスチレン
系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、三菱化学
(株)社製の「ラバロン」、シェルジャパン(株)社製
の「クレイトンGコンパウンド」、クラレ(株)社製の
「セプトンコンパウンド」、旭化成工業(株)社製の
「タフテックコンパウンド Eシリーズ、Sシリーズ」
等を挙げることができる。
【0076】本発明に用いられるオレフィン系熱可塑性
エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン
共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン・非共役
ジエン共重合ゴム(EPDM)などオレフィン系共重合
体ゴム、オレフィンを主成分とする無定形ランダム共重
合体の弾性体、あるいは、それらを有機パーオキサイド
の存在下に加熱処理し、主としてラジカルによって架橋
した弾性体を基本成分として含有したもの等を挙げるこ
とができる。オレフィン系共重合体ゴムの具体例として
は、前述のエチレン−プロピレン共重合ゴム(EP
M)、エチレン−1−ブテン共重合ゴム(EPM)、エ
チレン−プロピレン−ブテン共重合ゴム、エチレン−ヘ
キセン共重合体、エチレン−ヘプテン共重合体、エチレ
ン−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペンテン
−1共重合体や、非共役ジエンとして、ブテン−1、
1,4−ヘキサジエン等の脂肪族ジエン、5−エチリデ
ンノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−ビニル
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジシクロオクタ
ジエン等を用いたエチレン・プロピレン・非共役ジエン
共重合ゴム等を挙げることができる。
【0077】これらの共重合体または共重合体ゴムは、
ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合
体、交互共重合体いずれでもよく、その製造法や形状は
特に限定されない。また、これらのオレフィン系共重合
体ゴムは単独成分ばかりでなく、複数成分の併用であっ
てもよい。
【0078】上記オレフィン系共重合体ゴムの分子量
は、質量平均分子量で50,000〜1,000,000
の範囲であることが好ましく、60,000〜800,0
00の範囲であることがより好ましく、80,000〜
500,000の範囲であることがさらに好ましい。エ
チレン・プロピレン系共重合体ゴムの質量平均分子量が
50,000に満たないと、ゴム弾性、機械的強度に劣
る場合があり、また質量平均分子量が1,000,00
0を越えるものは、成形性に劣る場合がある。
【0079】前記オレフィン系共重合体ゴム中のエチレ
ン含有量は、30〜90質量%の範囲であることが好ま
しく、40〜80質量%の範囲であることがより好まし
い。また、ムーニー粘度ML1+4(100℃)は5〜4
00の範囲であることが好ましく、10〜350の範囲
であることがより好ましい。
【0080】このようなオレフィン系共重合体ゴムをベ
ースとして含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー
としては、例えば、三菱化学(株)社製の「サーモラ
ン」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマ
ー」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」、アド
バンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレー
ン」等を挙げることができる。
【0081】−熱可塑性樹脂− 本発明の半導電性ベルトである導電部材に用いられる熱
可塑性樹脂としては、半導電性ベルトとして要求される
機械的強度を満足すれば、特に限定されるものではな
く、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネイ
ト、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、などの樹脂材
料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料を挙げること
ができる。これらの中では特に、加工の容易性より、ポ
リカーボネイトなどの非結晶性の熱可塑性樹脂が好まし
く用いられる。
【0082】−導電剤− 本発明に用いられる導電剤は、前記導電性樹脂組成物が
好適な導電性を発揮するために用いられるものである。
本発明に用いられる導電剤としては、例えば、電子伝導
性の導電剤として、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維
等の炭素材料;アルミニウム、マグネシウム等金属粉;
金属繊維等の金属材料;表面処理された金属酸化物粉;
等を挙げることができる。また、イオン伝導性の導電剤
として、過酸化リチウム等のアルカリ金属過酸化物;過
塩素酸リチウム等の過塩素酸塩;テトラブチルアンモニ
ウム塩等の4級アンモニウム塩;燐酸エステル塩;等を
挙げることができる。但し、導電剤としては上記に限定
されるものではない。
【0083】前記イオン伝導性の導電剤は、熱可塑性エ
ラストマーや熱可塑性樹脂中の不対電子を有する原子と
一種の配位結合をするため、エラストマーや樹脂中に分
子レベルで均一に分散される。したがって、分散不良に
伴う抵抗値のバラツキが生じないし、部分的帯電不良等
に起因する画像欠陥が発生することも少ない。しかし、
抵抗の環境依存性および連続通電による抵抗変動が発生
するなどの問題が生じる場合があり、また、イオン伝導
性の導電剤の配合量については、ブリードの発生を抑制
する必要があることから、前記熱可塑性エラストマーや
熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部
の範囲で配合することが好ましい。5質量部を超えて添
加した場合には、ブリードが発生するなどの問題が生じ
ることがある。
【0084】一方、電子伝導性の導電剤は、前記イオン
伝導性の導電剤を用いた場合に発生する、抵抗の環境変
動及び連続通電による抵抗変動などの問題が起こること
が少ないので、本発明においては好ましく用いることが
できる。
【0085】上記電子伝導性の導電剤としては、pH5
以下の酸性カーボンブラックを用いることが好ましい。
pH5以下の酸性カーボンブラックを用いた場合には、
一部に過剰な電流が流れ、繰り返しの電圧印加による酸
化の影響を受けにくくなり、さらに、カーボンブラック
の表面に付着する酸素含有官能基の効果で、導電性樹脂
組成物への分散性が高くなり、抵抗バラツキを小さくす
ることができるとともに、電界依存性も小さくなり、通
電による電界集中が起こりにくくなる。その結果、本発
明の半導電性ベルトにおける通電による抵抗変化、電気
抵抗の均一性が改善され、電界依存性が少なく、さらに
環境による抵抗の変化を少なくすることができる。
【0086】また、本発明の導電部材の場合には、前記
の結果として、例えば帯電ロールにおいてカーボンブラ
ックの大きな凝集体に起因する電場集中、絶縁破壊によ
って発生すると考えられるピンホールリーク等のリーク
放電を防止することができ、トナーの固着をも防止する
ことができる。さらに抵抗変化や抵抗のバラツキによる
帯電ムラやリーク放電に起因する画質欠陥、環境変動に
よる画像濃度の変動が少なくなり、長期にわたり高画質
画像を得ることができる。また、前記酸性カーボンブラ
ックは、分散性を向上させるためのカップリング処理
や、絶縁粒子や金属酸化物等の添加等を行う必要性がな
く、製造工程が簡易となる。
【0087】前記酸性カーボンブラックは、著しく酸性
であり、酸素含有官能基(カルボン酸基、水酸基(例え
ばフェノール水酸基)、ラクトン基、キノイド基などの
各官能基などが表面に非常に多いものである。一般にカ
ーボンブラック表面の酸素含有官能基は、炭素だけから
なるカーボンブラックに極性を与え、バインダー樹脂や
ゴムとの親和性が向上し、これらに均一に分散すること
が可能になる。このことはインキ・塗料のような溶剤を
含む系では広く認められているが、本発明のような乾式
で混練・分散を行う場合でも成り立っていると推察され
る。
【0088】本発明に用いられる酸性カーボンブラック
は、pH5以下であることが好ましいが、pH4.5以
下であることがより好ましく、pH4.0であることが
さらに好ましい。ここで、上記pH値は、カーボンブラ
ックの物性値であって以下のように定義される(詳しく
はJIS K6221−1982に準ずる)。すなわ
ち、「pH」とは、カーボンブラックを水で煮沸し、冷
却後上澄みを除去して得た泥状物に対して測定したpH
(水素イオン濃度の対数値)をいう。このpH値はカー
ボンブラック表面の酸素含有官能基(カルボン酸、水
酸、ラクトン、キノイドなどの各官能基)の量と関連が
あり、pH値が低いほど酸性表面官能基が多いと考えら
れている(カーボンブラック協会編集・発行「カーボン
ブラック便覧」、1995年、参照)。なお、カーボン
ブラック表面の酸素含有官能基の量を表す物性値として
揮発分もあるが、この揮発分とは、カーボンブラックを
950±25℃の雰囲気に7分間保持したときの減量割
合をパーセントとして表したものである。
【0089】前記酸性カーボンブラックは、コンタクト
法により製造することができる。このコンタクト法とし
ては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。ま
た、酸性カーボンブラックは、ガスまたはオイルを原料
とするファーネスブラック法により製造することもでき
る。必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸など
で液相酸化処理を行ってもよい。ファーネス法では通常
高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されない
が、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整するこ
とができる。このためファーネス法製造により得られる
カーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下と
なるように調節されたカーボンブラックも、本発明に用
いることができる。
【0090】本発明に用いられる酸性カーボンブラック
として具体的には、例えば、デグサ・ジャパン社製の
「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分2
0%)、「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発
分16.5%)、「カラーブラックFW2V」(pH
2.5、揮発分16.5%)、「スペシャルブラック
6」(pH2.5、揮発分18%)、「スペシャルブラ
ック5」(pH3、揮発分15%)、「スペシャルブラ
ック4」(pH3、揮発分14%)、「スペシャルブラ
ック4A」(pH3、揮発分14%))、「プリンテッ
クス150T」(pH4、揮発分10%)、「プリンテ
ックス140U」(pH4.5、揮発分5%);キャボ
ット社製の「REGAL 400R」(pH4.0、揮
発分3.5%)、「MONARCH 1000」(pH
2.5、揮発分9.5%)、「MONARCH 130
0」(pH2.5、揮発分9.5%);等挙げることが
できる。
【0091】酸性カーボンブラックは、単独で樹脂等に
配合してもかまわないが、酸性カーボンブラックの中か
ら任意の2種以上を配合して、力学強度や硬度、弾性率
など、システム全体からの要求に合致するように配合す
ることもできる。本発明に用いられる導電性樹脂組成物
中の配合量は、通常の導電性カーボンブラックよりは高
濃度にしなければ、好適な抵抗領域に入らないが、エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体及び熱可塑性エラスト
マー、またはエポキシ化ジエン系ブロック共重合体及び
熱可塑性樹脂100質量部に対し、5〜50質量部の範
囲であることが好ましい。この配合量が、5質量部未満
では抵抗が高すぎて、例えば帯電ロールにおいて静電潜
像担持体を帯電させるに足る電荷が付与できない場合が
あり、一方、50質量部を超えると抵抗が低すぎて、ピ
ンホールリーク等の防止に効果がない上、異常放電が発
生し、白抜けなどの画質欠陥が発生する場合がある。
【0092】−アミノ基を有する化合物− 例えば、塩基性官能基をもつ高分子は、塩基性(エレク
トロンドナー性)の表面を有しており、選択的に酸性
(エレクトロンアクセプター性)の表面に吸着する。し
たがって、塩基性官能基をもつ高分子は、カルボキシル
基などの酸性官能基を有するカーボンブラックの酸性表
面には吸着されやすい傾向がある。このことから、前記
pH5.0以下の電子伝導性フィラーを含む材料に、塩
基性基を有する化合物を併せて添加することによって、
酸化処理カーボンブラック等の良好な分散安定性が得ら
れ、かつ、塩基性基を有する化合物が、カルボキシル基
などを有する酸化処理カーボンブラック等の表面に吸着
し、水分の吸着を阻害することができる。
【0093】すなわち、上記組成とすることで、カーボ
ンブラックは前記導電性樹脂組成物に良好に分散され、
半導電性ベルトの抵抗ばらつきを小さくすることができ
るとともに、抵抗値の電界依存性も小さくなり、転写電
圧による電界集中が起こりにくくなる。また、塩基性基
を有する化合物が、カーボンブラック表面のカルボキシ
ル基などよる水分の吸着を阻害して、吸着された水のガ
ス化によって発生する半導電性ベルト(導電部材)表面
の小突起の発生をなくすことができる。本発明において
は、上記観点から、前記熱可塑性樹脂を導電部材の材料
として用いる場合、併せてアミノ基を有する化合物が用
いられる。
【0094】前記本発明の導電部材に用いられるアミノ
基を有する化合物は、カーボンブラック表面の官能基の
うち、酸性を示すカルボキシル基及びフェノール性水酸
基に対して、酸−塩基相互作用により選択的に吸着する
アミノ基を有する化合物であれば、特に制限なく用いる
ことができる。
【0095】上記アミノ基を有する化合物としては、例
えば、N,N−ジメチルアミノイソプロピルアミン、
N,N−ジメチルアミノエチルアミン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、p−フェニレンジアミン等の第一級アミン;
ピペリジン、ピロリジン等の第二級アミン;N,N,
N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミ
ン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジ
メチルアミノエチル)エーテル、N,N′,N″−トリ
ス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−
トリアジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メ
チルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−トリオキ
シエチレン−N,N−ジメチルアミン、トリエチレンジ
アミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプ
ロピル)アミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、
N−メチル−N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピ
ル)アミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピ
コリン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジノール、トリエチルアミン等の第三級アミン;ジシ
アンジアミド等を挙げることができる。
【0096】これらのアミノ基を有する化合物は、すべ
て塩基性を示すが、アルキル基の数が多いほど塩基性が
強くなる傾向にある。したがって、第一級アミン、第二
級アミン、第三級アミン、の順で塩基性が強くなるの
で、より好ましくは、第三級アミンが用いられる。な
お、本発明において、アミノ基を有する化合物には前記
各種アミンが含まれるものである。
【0097】上記各種のアミノ基を有する化合物のう
ち、本発明に好適に用いられるものとしては、例えば、
味の素ファインテクノ(株)社製の第三級アミノ基含有
高分子分散剤「アジスパ−PB711」を挙げることが
できる。
【0098】前記アミノ基を有する化合物の添加量
(B)と、電子伝導性の導電剤の添加量(A)との質量
比は、A/B=1/0.5〜1/5の範囲であることが
好ましく、1/0.8〜1/1.2の範囲であることが
より好ましい。
【0099】上記アミノ基を有する化合物の添加量が、
A/Bで1/0.5に満たないと、酸化カーボンブラッ
クの良好な分散安定性が得られない場合があり、また、
酸化カーボンブラック表面のカルボキシル基などのよる
水分の吸着を阻害する効果が少なくなり、上記吸着水の
ガス化によって、半導電性ベルト表面に小突起などの欠
陥を発生させる問題が生じることがある。一方、アミノ
基を有する化合物の添加量が、A/Bで1/5を超える
と、ベルトとしての機械強度が低下するなどの問題が生
じることがある。
【0100】本発明に用いられる導電性樹脂組成物は、
上記各構成成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウタ
ーミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機
等の如き混合機で混合することにより製造することがで
きる。前記導電性樹脂組成物及び導電性樹脂組成物の製
造においては、各構成成分の混合方法、混合の順序は特
に限定されることはない。一般的な方法としては、全構
成成分を予めタンブラー、Vブレンダー等で混合し、そ
の混合物を押出機によって均一に溶融混合する方法であ
るが、構成成分の形状に応じて、前記構成成分中の2種
以上の溶融混合物に、残りの構成成分を溶融混合する方
法を用いることもできる。
【0101】前記導電性樹脂組成物には、上記の構成成
分の他にその特性を損なわない限りにおいて、必要に応
じて任意の添加剤、例えば離型剤、帯電防止剤、光安定
剤、酸化防止剤、補強剤、軟化剤、発砲剤、染顔料、無
機充填剤等を添加することができる。
【0102】以上のようにして本発明に用いられる導電
性樹脂組成物を得ることができる。本発明の導電部材
は、上記導電性樹脂組成物からなるものであり、既述の
如く電子写真用画像形成装置における帯電装置、現像装
置、転写装置等に用いられる導電部材として広く使用で
きるものである。本発明の導電部材はこれらの中では特
に中間転写体や用紙搬送ベルトとして用いられる半導電
性ベルト、及び帯電部材や転写部材として用いられる導
電ロールに好ましく使用される。
【0103】(半導電性ベルト)前述のようにして得ら
れた導電性樹脂組成物を、所望のシート形状等に成形す
ることにより、本発明の半導電性ベルトである導電部材
を得ることができる。前記半導電性ベルトは、必要に応
じて、その表面に1層以上の層を形成することができ
る。またこのような層を形成する場合には、半導電性ベ
ルト表面のトナー汚れを防止し、ベルト表面のトナーに
よる転写材の汚れを防止する観点から、表面層が低表面
エネルギー材料からなることが好ましい。
【0104】前記低表面エネルギ−材料としては、フッ
素樹脂粒子を分散した材料が好ましい。このフッ素樹脂
粒子としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリフッ化ビニル、PVDF、テトラフルオロエチ
レン(TFE)樹脂、クロロトリフルオロエチレン(C
TFE)樹脂、エチレン−テトラフロロエチレン共重合
体(ETFE)、CTFE−エチレン共重合体、PFA
(TFE−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体)、FEP(TFE−ヘキサフルオロプロピレン(H
FP)共重合体)、EPE(TFE−HFP−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体)、等が挙げられ
る。より具体的には、TFE樹脂粉末として、平均粒径
0.3〜0.7μmの(株)喜多村社製のKTL−50
0F等を挙げることができる。
【0105】上記フッ素樹脂粒子は、樹脂材料中に分散
させて用いられるが、この樹脂材料としては、東洋紡
(株)社製のバイロン30SS、バイロン200、バイ
ロン300等のポリマーセグメントが直鎖状に結合した
脂肪族ポリエステル樹脂、分子内にソフトセグメントを
有するポリウレタン樹脂、フッ素ゴム等が挙げられる。
これらの樹脂材料は、それ自体柔軟性を有するので、表
面コート層に柔軟性を付与することができ、クラック等
の発生を防止することができる。
【0106】表面層には、導電剤を含有してもよい。こ
の導電剤としては、前述した導電剤を用いることできる
が、コストの点から、カーボンブラックが特に好まし
い。
【0107】前記表面層は、例えば、東洋紡(株)社製
のバイロン30SS、バイロン200、バイロン300
等の脂肪族ポリエステル樹脂に、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)樹脂粒子とカーボンブラックとを適
量分散してなる導電性塗料、PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)樹脂粒子を含有するウレタン系樹脂にカ
ーボンブラックを分散させた日本アチソン(株)社製の
水−エマルジョン系塗料エムラロン345ESD、エム
ラロンJYL601ESD、エムラロンJYL−804
ESD、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体)樹脂粒子とカーボンブラック
とをフッ素ゴムに分散してなるダイキン工業(株)社製
のNF−940などを、前記半導電性ベルト表面に塗布
することにより形成することができる。
【0108】前記の塗料を塗布するための方法として
は、刷毛塗り、ディッピング法、スプレー法、ロールコ
ーター法等を採用することができ、例えば、スプレー法
により、膜厚3〜60μmの表面層を形成することが好
ましく、膜厚を5〜30μmとすることがより好まし
い。膜厚が3μm未満であると、半導電性ベルトが用紙
を介して、中間転写体または静電潜像担持体と圧接を繰
り返すことから、表面層が磨耗して、弾性層が露出する
場合があり、また表面層をディッピング法で形成する
際、均一な膜を形成することが困難となる場合がある。
一方、膜厚が60μmを越えると、ディッピング法によ
り弾性層を被覆する際、表面に液ダレが生じ易く、平滑
かつ均一な塗膜を安定して形成することが困難となる場
合がある。
【0109】(導電ロール)本発明の導電部材が導電ロ
ールである場合は、基材表面に前記導電性樹脂組成物が
導電性弾性層として形成される。
【0110】−基材− 前記基材は、本発明の導電部材の電極及び支持部材とし
て機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ス
テンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で
鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂;などの導電性の材
質で構成される。
【0111】−導電性弾性層− 前記導電性弾性層は、基材によりバイアス電流を給電さ
れることにより帯電または転写のための電位付与を行う
ものである。本発明の導電部材は、基材表面に所謂層と
して被覆され、基材と一部材(ロール型帯電部材、ロー
ル型転写部材等)で構成させていてもよいし、フィルム
(ベルト)状の筒状体、ブラシ状あるいはブレード状と
して基材とは別部材(フィルム型帯電部材、ブラシ型帯
電部材、ブレード型帯電部材等)で構成されていてもよ
いが、帯電部材、転写部材としては、前記ロール型の導
電ロールであることが好ましい。
【0112】前記導電ロールは、例えば軸形状の前記基
板に対し、押出成型機により前記導電性樹脂組成物を被
覆し、円筒状のロールとして作製することができる。ま
た、必要により、成型後のロール表面を、回転型砥石研
磨機で研磨してもよい。
【0113】−保護層− 本発明の導電ロールである導電部材は、基材表面に前記
導電性弾性層のみを形成した構成からなってもよいし、
必要に応じて保護層を有していてもよい。上記保護層を
構成する材料としては、静電潜像担持体やトナーに対す
る非粘着性に優れるものが好ましく、ポリアミド樹脂、
フッ素樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、及びこれらを主成分とする樹脂成
分を挙げることができる。保護層として、これら非粘着
性の材料を用いることで、被帯電体への汚染やトナー固
着に対して優れた効果を期待できる。
【0114】前記保護層を形成するためのコーティング
液の溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、メチルエチルケトン、トルエン等の通常の有
機溶剤を用いることができる。また、上記コーティング
液には、カーボンブラック、金属酸化物等の導電剤や界
面活性剤、カップリング剤等の分散剤などを添加ことも
できる。
【0115】コーティング方法としては、スプレー法、
ディッピング法、スピンコート法など通常のコーティン
グ方法を用いることができる。また、コート後は室温ま
たは加熱して乾燥・硬化を行う。加熱硬化後の保護層の
層厚は、0.01〜50μmの範囲であることが好まし
い。
【0116】以上のようにして作製した導電ロールの硬
度は、JIS−A硬度で60°以下であることが好まし
く、50°以下であることがより好ましい。JIS−A
硬度が60°より高くなると、例えば帯電部材として用
いたときの被帯電体とのニップ均一性が損なわれ、画質
欠陥が発生するようになるだけでなく、長期間の使用に
より例えば被帯電体表面が次第に摩耗する場合がある。
なお、JIS−A硬度の測定は、ロール形状に成型した
導電ロールを用い、JIS K6301にしたがって行
った。
【0117】<表面抵抗率>本発明の半導電性ベルトで
ある導電部材を中間転写体として使用した場合、該中間
転写体の転写面の表面抵抗率は、1×1010〜1×10
14Ω/□の範囲であることが好ましく、1×1011〜1
×1013Ω/□の範囲であることがより好ましい。中間
転写体の表面抵抗率が1014Ω/□より高すぎると、一
次転写部の像担持体と中間転写体が剥離するポストニッ
プ部とで剥離放電が発生してしまい、放電が発生した部
分で、白抜けする画質欠陥が発生する場合がある。ま
た、表面抵抗率が1×1010Ω/□より小さいと、プレ
ニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギ
ャップ放電が発生しやすくなるため、画質の粒状性が低
下する場合がある。したがって、前記範囲とすることに
よって、表面層の表面抵抗率が、高い場合に発生する放
電による白抜け、表面抵抗率が、低い場合に発生する画
質が低下する問題がなくなる。
【0118】前記表面抵抗率は、円形電極(例えば、油
化電子(株)製HRプローブ) を用い、測定すること
ができる。具体的には、図1に示すような円形電極を用
いて測定することができる。図1は、表面抵抗を測定す
る円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面
図(b)である。図1に示す円形電極は、第一電圧印加
電極Aと板状絶縁体Bとを具える。第一電圧印加電極A
は、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径より大
きい内径を有し、かつ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲
む円筒上のリング電極部Dとを備える。第一電圧印加電
極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板
状絶縁体Bとの間に測定対象となる半導電性ベルトTを
挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱電極部Cとリ
ング状電極部Dとの間に電圧100(V)を印加して、
10秒後に流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)
により、半導電性ベルトTの表面抵抗率ρs(Ω/□)
を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d
(mm)は、円柱状電極部Cの外径を示す。なお、前記
表面抵抗率の測定は22℃、55%RHの環境で行っ
た。 式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(10
0(V)/I)
【0119】本発明の導電部材を半導電性ベルトとして
用いる場合、印加電圧100Vにおける表面抵抗率ρs
1(Ω/□)の常用対数値と、印加電圧1000Vにお
ける表面抵抗率ρs2(Ω/□)の常用対数値との差の
絶対値|logρs1−logρs2|(表面抵抗率の
電界依存性)は、0.6(logΩ/□)以下であるこ
とが好ましく、0.5(logΩ/□)以下であること
がより好ましい。表面抵抗率の電界依存性が0.6以下
であると、中間転写体として使用した場合に、転写電圧
による電界集中がより起こりにくくなるので、例えば用
紙走行部の表面抵抗率が低下して、ハーフトーンの画像
において、用紙走行部に対応する画像が白く抜けるなど
の画質欠陥の発生を防止することができる。
【0120】また、表面抵抗率の面内ばらつきは0.5
(logΩ/□)以下であることが好ましく、0.4
(logΩ/□)であることがより好ましい。上記面内
ばらつきが0.5以下であると、局部的に導電性の大き
い部位が少ないために、局部的に表面抵抗率が低下する
問題が起こりにくくなる。ここで、表面抵抗率の面内ば
らつきとは、半導電性ベルト面内の表面抵抗率の最大値
と最小値との常用対数値の差をいう。
【0121】さらに前記半導電性ベルトは、30℃、8
5%RHにおける表面抵抗率ρs3(Ω/□)の常用対
数値と、10℃、15%RHにおける表面抵抗率ρs4
(Ω/□)の常用対数値との差の絶対値|logρs3
−logρs4|が、1.0(logΩ/□)以下であ
ることが好ましく、0.6(logΩ/□)以下である
ことがより好ましい。
【0122】上記表面抵抗率の環境変動幅を1.0以下
に抑えるためには、前記電子伝導性の導電剤を用いるこ
とが有効である。なお、前記表面抵抗率は、印加電圧1
00Vの条件下での値である。
【0123】<体積抵抗率>本発明の半導電性ベルトで
ある導電部材を、中間転写体または用紙搬送ベルトとし
て用いる場合の体積抵抗率は、1×106〜1×1012Ω
cmの範囲であることが好ましく、1×108〜1×1
11Ωcmの範囲であることがより好ましい。
【0124】例えば、前記中間転写体の体積抵抗率が、
106Ωcmより低いと静電潜像担持体から中間転写体
に転写された未定着トナー画像の電荷を保持する静電的
な力が働かなくなるため、トナー同士の静電的反発力や
画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周
囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大き
い画像が形成されるという問題が発生する場合がある。
また、中間転写体の体積抵抗率が1012Ωcmより高す
ぎると、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転
写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必
要となる問題が発生する場合がある。したがって、体積
抵抗率を1×106〜1×1012Ωcmの範囲に設定する
ことにより、前記トナー飛散が発生してしまったり、除
電機構を必要とする等の問題がなくなる。
【0125】前記半導電性ベルトの体積抵抗率は、表面
抵抗率と同様、図1に示す測定装置を用いて測定するこ
とができる。図1において、第一電圧印加電極Aにおけ
る円柱状電極部Cおよびリング状電極部Dと第二電圧印
加電極Bとの間に測定対象となる半導電性ベルトTを挟
持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱電極部Cと第二
電圧印加電極Bとの間に電圧100(V)を印加して、
30秒後に流れる電流I(A)を測定し、円柱状電極部
Cの外径dが16mmの場合には、下記式(2)によ
り、半導電性ベルトTの表面抵抗率ρv(Ωcm)を算
出することができる。ここで、下記式(2)中、tは半
導電性ベルトTの厚さ(cm)を示す。なお、上記体積
抵抗率は、22℃、55%RHの環境で測定したもので
ある。 式(2) ρv=19.6×(100(V)/I)×t
【0126】一方、本発明の導電部材が導電ロールであ
る場合の導電性弾性層の体積抵抗率は、103〜1010
Ωcmの範囲であることが好ましく、前記導電ロールを
帯電部剤として用いる場合は105〜108Ωcmの範囲
であることがより好ましく、転写部材として用いる場合
は106〜1010Ωcmの範囲であることがより好まし
い。なお、前記体積抵抗率は、ロール状に成型した導電
性弾性層について1000V/cmとなる電圧印加条件
での測定値である。
【0127】<対ロール屈曲回数>本発明の半導電性ベ
ルトである導電部材を、用紙搬送ベルト及び中間転写体
として使用する場合の半導電性ベルトの対ロール屈曲回
数は、後述する対ロール屈曲試験装置において、屈曲回
数が300kcycle以上であることが好ましく、5
00kcycle以上であることがより好ましく、10
00kcycle以上であることがさらに好ましい。
【0128】対ロール屈曲回数が300kcycle以
上であると、駆動ロール、テンションロールなどのロー
ルとの当接部において、ベルトが折り曲げられることに
よるクラックなどの発生を抑制することができる。
【0129】上記対ロール屈曲回数は、図2に示す測定
装置を用いて測定することができる。図2に示す測定装
置は、少なくとも、平行に保たれた3本の金属ロール7
1(φ28mm)と、それらの端面に設けられた正三角
形(一辺の長さ:30mm)の固定板72とからなる。
固定板72の頂点と金属ロール71の中心軸とは一致
し、金属ロール71及び固定板72は、それぞれ回転可
能となっている。
【0130】図2に示す測定装置を用いて測定するに
は、まず、図2(a)に示すように、例えば、長さ30
0mm、幅20mmの試験片73(半導電性ベルト)の
一端を固定し、他端に400gの荷重を吊り下げてベル
トテンションを加える。次に、図2(b)に示すよう
に、金属ロール71を自由に回転する構成として、さら
に、160rpmの速度で図2における向かって時計周
りに固定板72を回転させる。そして、3本の金属ロー
ル71を1組として、1回転を1サイクル(cycl
e)とし、試験片73が破断するまでのサイクル数を測
定し、対ロール屈曲数とする。
【0131】<画像形成装置>本発明の画像形成装置
は、中間転写体方式の画像形成装置及び用紙搬送ベルト
方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものでは
ない。例えば、現像器内に単色のトナーのみを収容する
通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の静
電潜像担持体表面に担持されたトナー画像を、中間転写
体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色
毎の現像器を備えた複数の静電潜像担持体を中間転写体
上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等を
挙げることができる。
【0132】本発明の画像形成装置は、静電潜像担持
体、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、該
静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手
段、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷
像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像手
段、トナー画像を転写材表面に転写する転写手段、該転
写材表面のトナー画像を定着する定着手段、電子写真感
光体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング
手段、静電潜像担持体表面に残留している静電潜像を除
去する除電手段、などを必要に応じて公知の方法で備え
る。
【0133】前記静電潜像担持体としては、従来公知の
ものを用いることができ、その感光層としては、有機
系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることが
できる。前記静電潜像担持体が円筒状の場合は、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金を押出し成型後、表面加
工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の
前記静電潜像担持体を用いることも可能である。
【0134】前記帯電手段としては、特に制限はなく、
例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィ
ルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放
電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器な
どの、それ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中
でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好まし
い。前記帯電手段は、前記電子写真感光体(静電潜像担
持体)に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流
をさらに重畳させて印加してもよい。なお、前記帯電
は、前記帯電手段を用いて好適に行うことができる。前
記電子写真感光体は、例えばこのような帯電手段によ
り、通常−300〜−1000Vに帯電される。
【0135】前記露光手段としては、特に制限はなく、
例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、
LED光、液晶シャッタ光等の光源、あるいはこれらの
光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光でき
る光学系機器などが挙げられる。
【0136】前記現像手段としては、目的に応じて適宜
選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は
二成分系現像剤をブラシ、ロール等を用い接触あるいは
非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0137】前記転写手段としては、半導電性ベルトの
裏面に転写ロール等を厚接させ、トナー画像を被転写体
に転写する接触型転写、コロトロン等を用いて被転写体
に転写する非接触型転写等が挙げられる。
【0138】以下に、本発明の画像形成装置の1例を示
す。図3は、本発明の画像形成装置の1例を示す概略構
成図である。図3に示す画像形成装置は、電子写真感光
体(静電潜像担持体)50と、記録紙搬送用ベルト(用
紙搬送ベルト)51と、帯電ロール52(帯電部材)、
転写ロール(転写部材)53と、記録紙(記録媒体)ト
レイ54と、定着器55とを備えている。記録紙搬送用
ベルト51として前記本発明の半導電性ベルトを、帯電
ロール52及び転写ロール53として前記本発明の導電
ロールを備える。
【0139】電子写真感光体50の周囲には、帯電ロー
ル52と、Bk(ブラック)トナーによる現像器55
と、図示しない露光装置とを備える。電子写真感光体5
0は、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピー
ド)をもって回転可能に配置される。
【0140】記録紙搬送用ベルト51は、支持ロール6
1、62によって、矢印の反時計方向に電子写真感光体
50と同じ周速度をもって回転可能になっており、支持
ロール61、62の中間に位置するその一部が電子写真
感光体50と接するように配置されている。
【0141】転写ロール53は、記録紙搬送用ベルト5
1の内側であって、記録紙搬送用ベルト51と電子写真
感光体50とが接している部分に対向する位置に配置さ
れ、電子写真感光体50と記録紙搬送用ベルト51を介
して、トナー画像Tを記録紙(記録媒体)57に転写す
る転写領域(ニップ部)を形成している。
【0142】記録紙トレイ54には、ピックアップロー
ル58が備えられている。ピックアップロール58によ
り、記録紙トレイ54から記録紙57は、記録紙搬送用
ベルト51に搬送される。定着器56は、電子写真感光
体50と、記録紙搬送用ベルト51を介して転写ロール
53との転写領域(ニップ部)を通過した後に搬送でき
るように配置されている。
【0143】図3に示す画像形成装置において、電子写
真感光体50は、矢印方向に回転し、帯電ロール52で
その表面が一様に帯電される。帯電された電子写真感光
体50に、図示しない露光装置によりBk(ブラック)
の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置55
によってトナー現像されて可視化されたトナー画像Tが
形成される。トナー画像Tは電子写真感光体50の回転
で転写ロール53が配置された転写領域(ニップ部)に
到り、それと同時に、記録紙57が静電的に記録紙搬送
用ベルト51に吸着して転写領域(ニップ部)まで搬送
され、転写ロール53からトナー画像Tに逆極性の電界
を作用させることにより、トナー画像Tが、静電的に記
録紙搬送用ベルト51に吸着された記録紙57表面に転
写される。転写ロール53によってトナー画像Tを転写
された記録紙57は、さらに定着器56に搬送され、定
着が行われる。以上により記録紙57表面に所望の画像
が形成される。
【0144】図4は本発明の画像形成装置の他の一例を
示す概略構成図である。図4の画像形成装置は、静電潜
像担持体としての感光体ドラム1、中間転写体としての
転写ベルト2、転写電極であるバイアスロール3、記録
媒体である記録紙を供給するトレー4、Bk(ブラッ
ク)トナーによる現像器5、Y(イエロー)トナーによ
る現像器6、M(マゼンタ)トナーによる現像器7、C
(シアン)トナーによる現像器8、ベルトクリーナー
9、剥離爪13、ベルトロール21、23及び24、バ
ックアップロール22、導電ロール25、電極ロール2
6、クリーニングブレード31、ピックアップロール4
2、フィードロール43を有してなる。転写ベルト2と
しては、本発明の半導電性ベルトである導電部材を備
え、導電ロールとしては、本発明の導電ロールである導
電部材を備える。
【0145】図4において、感光体ドラム1は矢印A方
向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯
電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書き込
み装置などの画像書き込み手段により、第一色(例え
ば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現
像器5によって現像されて可視化されたトナー画像Tが
形成される。トナー画像Tは、感光体ドラム1の回転で
導電性ロール25が配置された一次転写部に到り、導電
性ロール25からトナー画像Tに逆極性の電界を作用さ
せることにより、上記トナー画像Tを静電的に転写ベル
ト2に吸着されつつ転写ベルト2の矢印B方向の回転で
一次転写される。以下、同様にして第2色のトナー画
像、第3色のトナー画像、第4色のトナー画像が順次形
成され、転写ベルト2の表面において重ね合わされ、多
重トナー画像が形成される。
【0146】転写ベルト2に転写された多重トナー画像
は、転写ベルト2の回転でバイアスロール3が設置され
た二次転写部に到る。二次転写部は、転写ベルト2のト
ナー画像が担持された表面側に設置されたバイアスロー
ル3と、当該転写ベルト2の裏側からバイアスロール3
に対向して配置されたバックアップロール22、及びこ
のバックアップロール22に圧接して回転する電極ロー
ル26から構成される。
【0147】記録紙41(記録媒体)は、記録紙トレー
4に収容された記録紙束からピックアップロール42で
一枚ずつ取り出され、フィードロール43で二次転写部
の転写ベルト2とバイアスロール3との間に所定のタイ
ミングで給送される。給送された記録紙41は、バイア
スロール3とバックアップロール22とによる圧接搬送
と、転写ベルト2の回転とで、当該転写ベルト2表面に
担持されたトナー画像が転写される。
【0148】トナー画像が転写された記録紙41は、最
終トナー画像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪
13を作動せることにより、転写ベルト2から剥離さ
れ、図示しない定着装置に搬送され、加圧・加熱処理で
トナー画像を記録紙41に固定して永久画像とされる。
なお、多重トナー画像の記録紙41への転写の終了した
転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けたベルトクリ
ーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備え
る。また、バイアスロール3には、ポリウレタン等から
なるクリーニングブレード31が常時当接してとりつけ
られており、転写時に付着したトナー粒子や紙紛等の異
物が除去される。
【0149】単色画像の転写の場合は、一次転写された
トナー画像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送する
が、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合
は、各色のトナー画像が一次転写部で正確に一致するよ
うに、転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期さ
せて各色のトナー画像がずれないようにされる。上記二
次転写部では、バイアスロール3と転写ベルト2とを介
して、対向配置したバックアップロール22に圧接した
電極ロール26に、トナー画像の極性と同極性の出圧
(転写電圧)を印加することで、当該トナー画像を記録
紙41に静電反発で転写する。以上のようにして、画像
を形成することができる。
【0150】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。 <本発明の半導電性ベルトである導電部材の実施例及び
比較例> (実施例1)ポリアミド系熱可塑性エラストマー(商品
名:ダイアミド−PAE X442:ダイセルヒユルス
(株)社製)100質量部に対し、エポキシ化ジエン系
ブロック共重合体(商品名:エポフレンドA1020:
ダイセル化学工業(株)社製)20質量部、及びカーボ
ンブラックとしてPrintex140U(pH4.
5:デグサ・ジャパン社製)16質量部を混合し、この
混合物を二軸押出機を用いて分散・混練して導電性樹脂
組成物を得た。次に1軸押出機を用いて、前記導電性樹
脂組成物を厚さ0.2mm、幅350mm、周長264
mmのベルト状に成型し、半導電性ベルトを作製した。
【0151】(実施例2)ポリエステル成分を含む熱可
塑性エラストマー(商品名:エラステージES5000
A:東ソー(株)社製)100質量部に対し、エポキシ
化ジエン系ブロック共重合体(商品名:エポフレンドA
1020:ダイセル化学工業(株)社製)20質量部、
及びカーボンブラックとしてPrintex140U
(pH4.5:デグサ・ジャパン社製)16質量部を混
合し、この混合物を二軸押出機を用いて分散・混練して
導電性樹脂組成物を得た。次に、1軸押出機を用いて、
前記導電性樹脂組成物を厚さ0.2mm、幅350m
m、周長264mmのベルト状に成型し、半導電性ベル
トを作製した。
【0152】上記半導電性ベルトの表面に、日本アチソ
ン(株)社製のアクリル変性ウレタン樹脂にカーボンブ
ラックとフッ素樹脂粉末を添加してなる水−エマルジョ
ン塗料(エムラロンJYL−804ESD:固形分30
質量%)をスプレー塗装した。その後、100℃で35
分間加熱して、膜厚20μmの表面層を形成した。
【0153】(比較例1)クロロプレンゴム(CR)
(スカイプレン:東ソー社製)100質量部に対し、カ
ーボンブラックとしてケッチエンブラック(ライオンア
グゾ(株)社製)13質量部、加硫剤として有機過酸化
物(化薬アグゾ社製)1質量部、加硫促進剤としてノク
セラーM(大内新興化学工業社製)2質量部、及び老化
防止剤としてノクラック(大内新興化学工業社製)1.
5質量部を加え、これらの混合物をバンバリーミキサー
で混練後、押出成形機で円筒形状に押し、加硫缶を用い
て1.5kg/cm2の蒸気圧で120℃の温度に加熱
加硫して、導電性のゴムベルトを得た。さらに、このゴ
ムベルトを金属基材の外側に被覆し表面を研磨加工し
て、幅320mm、周長264mm、厚み0.5mmの
半導電性ベルト(シームレスベルト)を得た。
【0154】上記ベルトの表面に、ウレタン樹脂100
質量部にカーボンブラック8質量部と4フッ化エチレン
樹脂粒子50質量部とを分散した水−エマルジョン塗料
(日本アチソン(株)社製のエムラロンJYL−345
ESD)をスプレーコートし、120℃で35分加熱
し、厚み20μmの表面層を形成し半導電性ベルトを作
製した。
【0155】(比較例2)EPDM(EP−33:JS
R社製)100質量部に対し、カーボンブラックとして
ケッチエンブラック(ライオンアグゾ(株)社製)13
質量部、加硫剤として硫黄200メッシュ(鶴見化学工
業社製)2質量部、加硫促進剤としてノクセラーM(大
内新興化学工業社製)2質量部、及び老化防止剤として
ノクラックMB(大内新興化学工業社製)1.5質量部
を加え、これらの混合物をバンバリーミキサーで混練
後、押出成形機で円筒形状に押し、加硫缶を用いて1.
5kg/cm2の蒸気圧で120℃の温度に加熱加硫し
て、導電性のゴムベルトを得た。さらに、このゴムベル
トを金属基材の外側に被覆して、表面を研磨加工し、幅
320mm、周長264mm、厚み0.5mmの半導電
性ベルト(シームレスベルト)を得た。
【0156】上記半導電性ベルトの表面に。ウレタン変
性4フッ化エチレン樹脂100質量部にカーボンブラッ
クを8質量部分散した水−エマルジョン塗料(日本アチ
ソン(株)社製のエムラロンJYL−345ESD)を
スプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み20
μmの表面層を形成して半導電性ベルトを作製した。
【0157】(比較例3)ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー(商品名:ダイアミド−PAE X442:ダイ
セルヒユルス(株)社製)100質量部に対し、カーボ
ンブラックとしてケッチエンブラック(ライオンアグゾ
(株)社製)13質量部を加え、この混合物を2軸押出
機で分散・混練して導電性樹脂組成物を得た。この導電
性樹脂組成物を1軸押出機を用いて成型し、厚さ0.2
mm、幅350mm、周長264mm半導電性ベルトを
作製した。
【0158】(評価試験)実施例1及び2、比較例1〜
3で作製した半導電性ベルトについて、以下の評価試験
を行った。 −体積抵抗率− 図1に示すリング電極を用い、500V印加して30秒
後の電流値より求めた。
【0159】−体積抵抗率の面内バラツキ− 幅320mm,周長264mmのベルトを幅方向に5分
割、周方向に5分割して25点体積抵抗率を計測した時
の、各体積抵抗率の常用対数値の最大値と最小値の差と
して求めた。
【0160】−体積抵抗率の環境依存性− 高温高湿環境(30℃/85%RH)での体積抵抗率と
低温低湿度環境(10℃/15%RH)での体積抵抗率
との常用対数値の差として求めた。
【0161】−対ロール屈曲試験− 図2示す測定装置を用いて、ベルト試験片が、破断する
までのcycle数を求めた。
【0162】−ベルト外観− ベルト表面を目視により観察し、以下の基準により判定
した。 ○:表面に画質に影響する突起(突起の高さ20μm以
上)などの欠陥なし ×:表面に画質に影響する突起(突起の高さ20μm以
上)がある。
【0163】−連続通電による抵抗変動− 図3に示すモノカラー画像形成装置において各半導電性
ベルトを用紙搬送ベルトとして用い、10℃、15%R
H環境で、A4用紙を連続10000枚走行した時の走
行前後の体積抵抗率の変化量を求めた。
【0164】−画質評価− 図3に示すモノカラー画像形成装置において各半導電性
ベルトを用紙搬送ベルトとして用い、初期画像及びA4
用紙10000枚走行後の画像におけるライン白抜け、
トナー飛び散りなどの画質欠陥の有無により以下の基準
で判定した。 ○:画質に問題なし △:ライン白抜け、トナー飛び散りなどがわずかにあ
り、画質にわずかに問題ある。 ×:ライン白抜け、トナー飛び散りなどがあり、画質に
問題がある。 以上についての評価結果を、表1にまとめて示す。
【0165】
【表1】
【0166】(実施例3)熱可塑性樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂(日本ジーイープラスチックス(株)製
レキサン131)を用い、このポリカーボネート樹脂1
00質量部に対し、エポキシ化ジエン系ブロック共重合
体(エポフレンドA1020:ダイセル化学工業(株)
社製)20質量部、酸性カーボンブラックとしてPri
ntex150T(pH4.0:独Degussa社
製)18質量部、及びアミノ基を有する化合物としての
第三級アミノ基含有高分子分散剤アジズパ−PB711
(味の素ファインテクノ(株)社製)18質量部を加
え、これらを2軸押出機を用いて混合・分散し、導電性
樹脂組成物を得た。さらに、この導電性樹脂組成物のペ
レットを1軸押出機を用いて、260℃の加熱温度にて
チューブ形状に押出成形して、厚み0.13mm、幅3
50mm、外径168mmの無端ベルト(半導電性ベル
ト)を作製した。
【0167】(実施例4)熱可塑性樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂(日本ジーイープラスチックス(株)社
製レキサン131)を用い、このポリカーボネート樹脂
100質量部に対し、エポキシ化ジエン系ブロック共重
合体(エポフレンドA1020:ダイセル化学工業
(株)社製)20質量部、酸性カーボンブラックとして
Printex140T(pH4.5:独Deguss
a社製)18質量部、及びアミノ基を有する化合物とし
て第三級アミノ基含有高分子分散剤アジズパ−PB71
1(味の素ファインテクノ(株)社製)15質量部を加
え、これらを2軸押出機で混合・分散して導電性樹脂組
成物を得た。さらに、この導電性樹脂組成物のペレット
を1軸押出機を用いて、260℃の加熱温度にてチュー
ブ形状に押出成形して厚み0.13mm、幅350m
m、外径168mmの無端ベルト(半導電性ベルト)を
作製した。
【0168】(実施例5)熱可塑性樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂(日本ジーイープラスチックス(株)社
製レキサン131)を用い、このポリカーボネート樹脂
100質量部に対し、エポキシ化ジエン系ブロック共重
合体(エポフレンドA1020:ダイセル化学工業
(株)社製)10質量部、酸性カーボンブラックとして
Printex150T(pH4.0:独Deguss
a社製)18質量部、及びアミノ基を有する化合物とし
て第三級アミノ基含有高分子分散剤アジズパ−PB71
1(味の素ファインテクノ(株)社製)20質量部を加
え、これらを2軸押出機を用いて混合・分散して導電性
樹脂組成物を得た。さらに、この導電性樹脂組成物のペ
レットを1軸押出機を用いて、260℃の加熱温度にて
チューブ形状に押出成形して、厚み0.13mm、幅3
50mm、外径168mmの無端ベルト(半導電性ベル
ト)を作製した。
【0169】(比較例4)熱可塑性樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂(日本ジーイープラスチックス(株)製
レキサン131)を用い、このポリカーボネート樹脂1
00質量部に対し、カーボンブラックとしてPrint
ex150T(pH4.0:独Degussa社製)1
5質量部加え、これを2軸押出機を用いて混合・分散し
て導電性の組成物を得た。さらに、この導電性の組成物
のペレットを1軸押出機を用いて、260℃の加熱温度
にて、チューブ形状に押出成形して厚み0.13mm、
幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。
【0170】(比較例5)熱可塑性樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂(日本ジーイープラスチックス(株)製
レキサン131)を用い、このポリカーボネート樹脂1
00質量部に対し、カーボンブラックとしてVolca
nXC72X(pH8.5:米Cabot社製)14質
量部を加え、これを2軸押出機を用いて混合・分散して
導電性の組成物を得た。さらに、この導電性の組成物の
ペレットを1軸押出機を用いて、220℃で、チューブ
形状に押出成形して厚み0.13mm、幅350mm、
外径168mmの無端ベルトを作製した。
【0171】(比較例6)熱可塑性樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂(日本ジーイープラスチックス(株)製
レキサン131)を用い、ポリカーボネート樹脂100
質量部に対し、カーボンブラックとして粒状アセチレン
ブラック(pH5.7:電気化学工業(株)社製)16
質量部加え、これを2軸押出機を用いて混合・分散して
導電性の組成物を得た。さらに、この導電性の組成物の
ペレットを1軸押出機を用いて、260℃で、チューブ
形状に押出成形して厚み0.13mm、幅350mm、
外径168mmの無端ベルトを作製した。
【0172】(評価試験)前記実施例3〜5及び比較例
4〜6において作製したベルトについて、以下の評価を
行った。なお、上記各実施例、比較例で用いた導電性樹
脂組成物については、JIS K0068に準拠してカ
ールフィッシャー法により水分量を求めた。 −体積抵抗率− 前記と同様、図1に示すリング電極を用い、100V印
加して30秒後の電流値を測定し、前記式(2)より求
めた。
【0173】−表面抵抗率− 図1に示すリング電極を用い、100V印加して10秒
後の電流値を測定し、前記式(1)より求めた。
【0174】−表面抵抗率の面内ばらつき− 表面抵抗率の面内ばらつき(ΔR)は、作製した外径1
68mm、幅350mmの半導電性ベルトを長さ方向
(周方向)に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内2
4点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率の常用対
数値をとり、その最大値と最小値との差として算出し
た。
【0175】−表面抵抗率の環境変動幅− 本実施例における表面抵抗率の環境変動幅は、30℃、
85%RHにおける表面抵抗率ρs3(Ω/□)の常用
対数値と、10℃、15%RHにおける表面抵抗率ρs
4(Ω/□)の常用対数値との差の絶対値|logρs
3−logρs4|として算出した。
【0176】−表面抵抗率の電界依存性− 本実施例における表面抵抗率の電界依存性は、印加電圧
100Vにおける表面抵抗率ρs1(Ω/□)の常用対
数値と、印加電圧1000Vにおける表面抵抗率ρs2
(Ω/□)の常用対数値との差の絶対値|logρs1
−logρs2|として算出した。
【0177】−表面抵抗率の低下量− 各半導電性ベルトを中間転写体として図4に示す画像形
成装置に装着し、葉書を3000枚連続通紙後の表面抵
抗率の低下量を、通紙前(初期)における表面抵抗率の
常用対数値と、葉書を3000枚連続通紙した後におけ
る葉書走行部の表面抵抗率の常用対数値と、の差として
算出した。
【0178】−画像の白抜け発生状況− 上記の葉書を3000枚連続通紙した後に、A4サイズ
の用紙(記録紙)を用いてマゼンタ30%のハーフトー
ン画像を出力し、白抜け発生状況を目視にて判定した。
評価基準としては、画質上問題にならないレベルを○と
し、画質上問題のあるレベルを×とした。
【0179】−ベルト外観− 図5は、無端ベルト外面を三次元粗さ計にて観察し、図
4の画像形成装置を用いてハーフトーン画像を出力した
場合の、中間転写体のベルト表面の突起の高さ及び幅と
転写画質との関係を示したものある。図5からわかるよ
うに、ベルト表面の突起の高さが20μmを超えると転
写画質に白点抜けとしての画質欠陥が発生した。この結
果から、高さが20μm以上の突起の数により以下の基
準で評価した。 ○:画質上問題がないレベル △:10〜20μmの突起はあるが、画質上問題がない
レベル ×:20μm以上の突起が多数あり、画質上問題がある
レベル 前記各樹脂ベルトの配合及び上記評価結果をまとめて表
2に示す。
【0180】
【表2】
【0181】<本発明の導電ロールである導電部材の実
施例及び比較例> (実施例6)スチレン系熱可塑性エラストマー(ラバロ
ンT331C:三菱化学(株)社製)100質量部に対
し、カーボンブラックとしてPrintex140U
(pH4.5:デグサ・ジャパン社製)20質量部、エ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体(エポフレンドA1
020:ダイセル化学工業(株)社製)10質量部を加
え、これらを2軸押出機で混合・分散し、ペレット化し
た導電性樹脂組成物を得た。さらに、この導電性樹脂組
成物を押出成形機により成形して、ステンレススチール
製の芯軸(直径6mm)を被覆し導電性弾性層を形成
し、直径14mmの帯電ロールを作製した。
【0182】(実施例7)スチレン系熱可塑性エラスト
マー(ラバロンT331C:三菱化学(株)社製)10
0質量部に対し、カーボンブラックとしてPrinte
x140U(pH4.5%:デグサ・ジャパン社製)2
0質量部、及びエポキシ化ジエン系ブロック共重合体
(エポフレンドA1020:ダイセル化学工業(株)社
製)20質量部を加え、これらを2軸押出機で混合・分
散し、ペレット化した導電性樹脂組成物を得た。この導
電性樹脂組成物を押出成形機により成形して、ステンレ
ススチール製の芯軸(直径6mm)を被覆し導電性弾性
層を形成し、直径14mmの帯電ロールを作製した。
【0183】(実施例8)オレフィン系熱可塑性エラス
トマー(サントプレーン211−55:AESジャパン
社製)100質量部に対し、カーボンブラックとしてP
rintex140U(pH4.5:デグサ・ジャパン
社製)20質量部、及びエポキシ化ジエン系ブロック共
重合体(エポフレンドA1020:ダイセル化学工業
(株)社製)20質量部を加え、これらを2軸押出機で
混合・分散し、ペレット化した導電性樹脂組成物を得
た。この導電性樹脂組成物を押出成形機により成形し
て、ステンレススチール製の芯軸(直径6mm)を被覆
し導電性弾性層を形成し、直径14mmの帯電ロールを
作製した。
【0184】(実施例9)実施例7と同様にして帯電ロ
ールを作製した。一方、ポリアミド樹脂溶液(ダイアミ
ドT−171(固形分30質量%):ダイセルヒュルス
社製)に対し、酸化スズを前記樹脂溶液の全固形分に対
して60質量%となるように加え、サンドミルで分散し
てコーティング液を得た(塗膜の抵抗値:2×1010Ω
cm)。このコーティング液を、前記帯電ロールの導電
性弾性層の表面にディッピング法により塗布し、膜厚約
7μmの保護層を形成し、保護層を有する帯電ロールを
作成した。
【0185】(比較例7)スチレン系熱可塑性エラスト
マー(ラバロンT331C:三菱化学(株)社製)10
0質量部に対し、カーボンブラックとしてデンカブラッ
ク顆粒(電気化学工業(株)社製)20質量部を加え、
これを2軸押出機で混合・分散し、ペレット化した導電
性樹脂組成物を得た。この導電性樹脂組成物を押出成形
機により成形し、ステンレススチール製の芯軸(直径6
mm)を被覆し導電性弾性層を形成して、直径14mm
の帯電ロールを作製した。
【0186】(比較例8)オレフィン系熱可塑性エラス
トマー(サントプレーン211−55:AESジャパン
社製)100質量部に対し、カーボンブラックとしてデ
ンカブラック(電気化学工業(株)社製)16質量部を
加え、これを2軸押出機で混合・分散し、ペレット化し
た導電性樹脂組成物を得た。この導電性樹脂組成物を押
出成形機により成形し、ステンレススチール製の芯軸
(直径6mm)を被覆し導電性弾性層を形成して、直径
14mmの帯電ロールを作製した。
【0187】(比較例9)ポリエステル成分を含む熱可
塑性エラストマー(エラステージES5000A:東ソ
ー社製)100質量部に対し、カーボンブラックとして
デンカブラック(電気化学工業(株)社製)16質量部
を加え、これを2軸押出機で混合・分散し、ペレット化
した導電性樹脂組成物を得た。この導電性樹脂組成物を
押出成形機により成形して、ステンレススチール製の芯
軸(直径6mm)を被覆し導電性弾性層を形成し、直径
14mmの帯電ロールを作製した。
【0188】(評価試験)前記実施例6〜9及び比較例
7〜9に関し、以下の評価を行った。 −圧縮永久歪み− 前記各実施例、比較例で用いた材料を2軸混練押出機に
より混練し、ペレット化した導電性樹脂組成物とした。
次に、このペレットを用いて射出成型機で、シート状の
導電性樹脂組成物(100mm×100mm×2mm)
を得た。上記シート状の導電性樹脂組成物を7枚重ねて
密着させた後、厚さが12.7mmになるように研磨
し、直径29mmの直円柱状にくりぬいて、圧縮永久歪
測定用試験片を作製した。この圧縮永久歪測定用試験片
及び厚さ9.52mmのスペーサーを圧縮永久歪試験器
(JIS K6301準拠:高分子計器(株)社製)に
装着し、試験片を25%圧縮した。この状態で70℃、
22時間加熱した。次に、試験片を室温(25℃)に放
置し、30分経過した後に厚さを測定した。測定した厚
みから、式(3)より圧縮永久歪み値CS(%)を求め
た。 式(3) CS=(t0−t1)/(t0−t2)×100 (t0:試験片の原厚(mm)、t1:試験片を圧縮装置
から取り出し、30分後の厚さ(mm)、t2:スペー
サーの厚さ(mm))
【0189】−硬度− JIS K6301の測定規格に従い、ロール状の導電
性樹脂組成物についてJIS−A硬度計(高分子計器
(株)社製)で測定した。
【0190】−体積抵抗率− デジタル超高抵抗/微少電流計(R8340A:(株)
アドバンテスト社製)により、ロール状の導電性樹脂組
成物について1000V/cmとなるように電圧を印加
して、10秒後の電流値測定し、式(2)により求め
た。
【0191】−表面電位のバラツキの幅(V)− 帯電部材として前記各帯電ロールを、静電潜像像担持体
としてドラム状の有機感光体(富士ゼロックス製、Do
cu Print C411用)を用い、図3に示した
画像形成装置を構成し、現像ロールの位置に表面電位計
を設置して、前記有機感光体1周当たりの表面電位のバ
ラツキの幅(V)を計測した。結果を以下の基準により
判定した。 ○:20V未満(画質ムラが発生しない) △:20V以上30V未満(わずかに画質ムラが発生す
るが、画質上大きな問題がない) ×:30V以上(画質ムラが発生し、画質上も問題があ
る)
【0192】−ピンホール試験− 帯電部材として前記各帯電ロールを、静電潜像担持体と
してドラム状の有機感光体(富士ゼロックス製、Doc
u Print C411用)を用い、図3に示す画像
形成装置により画像評価を行った。この場合、帯電ロー
ラに印加する電圧をDC−1600Vとした。なお、感
光体ピンホールへの電圧集中、異常放電の発生の有無
は、以下の画質評価により判定した。 ○:画像上に異常放電による白抜けが起きていない、ま
たは白抜けのさしわたしの径が2mm未満である。 △:白抜けのさしわたしの径が2mm以上であるが、ス
ジ状になっていない。 ×:画像上にスジ状の白抜けが生じている。
【0193】−ブリード試験− 新品のドラム状の有機感光体(富士ゼロックス社製「D
ocu PrintC411」用)に、前記各ロールを
1kgの加重で押しつけ、45℃、95%RHの環境で
1週間放置し、1昼夜で通常環境になじませてから画像
出しにより感光体汚染が発生しているかどうかを確認し
た。感光体が汚染されている場合、汚染箇所は帯電しな
いため、異常画像(白抜け)となって現れる。ハーフト
ーン画像においてこの白抜けが生じているか否かにより
以下のように判定した。 ○:白抜けが発生していない。 ×:白抜けが発生した。
【0194】−実装実機テスト− 帯電部材として前記各帯電ロールを用い、これを改造し
た「DocuPrint C411」(富士ゼロックス
社製)に新しい有機感光体ドラムとともに実装し、3万
枚の実写試験を行った。なお、前記改造した「Docu
Print C411」は、次のように改造したもので
ある。(1)帯電部材を実施例及び比較例により作製し
たものに取り替えた。(2)転写部材として用いられて
いる転写ロールに近接してポリウレタンからなるクリー
ニング・ブレードを備え、トナー除去サイクル時にだ
け、転写ロールに接触するようにした。(3)通常の複
写サイクル以外に、トナー除去モードをプリントサイク
ル20枚ごと及びプリンタ立ち上げ時に行わせるように
設定した。(4)同機には静電潜像担持体(感光体)に
接触するポリウレタンからなるクリーニングブレードと
トナー回収部とが装備されているが、本評価においては
感光体に接触するブレードは除去した。なお同機はカラ
ープリンタであるが、評価の画像出しには白黒モードを
使用した。 3万枚実写試験前後の画質を比較し、以下の基準により
判定を行った。 ○:画質上の問題なし ×:画像の濃度ムラが発生 前記各導電ロールの配合及び上記評価結果をまとめて表
3に示す。
【0195】
【表3】
【0196】
【発明の効果】本発明によれば、製造工程でのエネルギ
ーの低減や、リサイクルが可能であるといった利点を有
する熱可塑性エラストマー材料を導電性樹脂組成物とし
て用い、さらに通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗
の均一性を改善し、環境による抵抗の変化の少ない、均
一な帯電・転写等が可能な導電部材を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面抵抗率、体積抵抗率を測定する円形電極
の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)で
ある。
【図2】 対ロール屈曲回数を測定する装置の概略を示
す概略図(a)及び概略図(b)である。
【図3】 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成
図である。
【図4】 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略
構成図である。
【図5】 ベルト表面の突起の形状(高さ・幅)と画質
欠陥との関係を示す図である。
【符号の説明】
1、50 感光体ドラム(像担持体) 2 中間転写ベルト(中間転写体) 3 バイアスロール 4、54 用紙トレー 5、55 ブラック現像器 6 イエロー現像器 7 マゼンタ現像器 8 シアン現像器 9 中間転写体クリーニング装置 13 剥離爪 21 ベルトロール 22 バックアップロール 23 ベルトロール 24 ベルトロール 25、53 転写ロール(転写部材) 26 電極ロール 31 クリーニングブレード 41、57 記録紙 42、58 ピックアップロール 43 フィードロール 51 用紙搬送ベルト 52 帯電ロール(帯電部材) 56 定着器 61、62 支持ロール 71 金属ロール 72 固定板 73 試験片(半導電性ベルト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 E 5G301 G03G 15/00 550 G03G 15/00 550 15/02 101 15/02 101 15/08 501 15/08 501A 501D 15/16 15/16 103 103 H01B 1/24 H01B 1/24 Z Fターム(参考) 2H077 AD06 FA13 FA22 FA25 GA13 2H171 FA10 FA11 FA13 FA15 FA22 FA25 FA26 FA30 GA01 GA24 PA05 PA14 QA08 QA17 QA18 QA24 QA29 QB02 QB03 QB04 QB07 QB35 QB41 QB42 QB47 QC02 QC03 QC05 QC14 QC24 QC25 QC36 SA32 TA03 TA15 TA16 TA17 TA19 TB04 TB13 TB14 UA02 UA03 UA04 UA06 UA07 UA10 UA12 UA15 UA22 UA23 UA28 UA29 VA02 VA04 VA06 XA02 XA03 2H200 FA16 GA23 GA34 GA45 GA46 GA47 GA52 GA54 GB12 HA03 HB12 HB22 HB45 HB46 HB47 JA02 JA25 JA26 JB06 JB10 JC04 JC12 JC15 JC16 LB02 LB03 LB13 LB15 LC02 LC03 LC04 MA03 MA04 MA14 MA17 MA20 MB01 MB02 MB04 MB05 MC02 NA06 3J103 AA02 AA14 BA41 FA12 FA14 FA20 FA30 GA02 GA52 GA57 GA58 GA74 HA12 HA20 HA41 HA43 HA45 HA46 HA52 4J002 BB152 BD142 BP012 CD191 CF002 CG002 CH092 CL002 CL072 CM042 CN012 CN032 DA016 DA026 DA036 DA096 DD076 DE046 DE186 DF006 EN037 EN047 EN077 EN107 ET007 EU027 EU047 EU077 EU137 EU187 EU237 EW046 FA046 FD116 GQ02 5G301 DA18 DA57

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    と、該エポキシ化ジエン系ブロック共重合体以外の熱可
    塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂及びアミノ基を有
    する化合物と、導電剤と、を含む導電性樹脂組成物から
    なることを特徴とする導電部材。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ化ジエン系ブロック共重合
    体が、同一分子内にビニル芳香族を主体とする重合体ブ
    ロックと、部分的にエポキシ基を含む共役ジエン化合物
    を主体とする重合体ブロックまたは部分的にエポキシ基
    を含む水素化共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
    ックと、からなることを特徴とする請求項1に記載の導
    電部材。
  3. 【請求項3】 前記導電剤が、電子伝導性の導電剤であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の導電部
    材。
  4. 【請求項4】 前記電子伝導性の導電剤が、pH5以下
    のカーボンブラックであることを特徴とする請求項3に
    記載の導電部材。
  5. 【請求項5】 前記導電性樹脂組成物が、エポキシ化ジ
    エン系ブロック共重合体と、該エポキシ化ジエン系ブロ
    ック共重合体以外の熱可塑性エラストマーと、導電剤
    と、を含み、前記導電性樹脂組成物からなる半導電性ベ
    ルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の導電部材。
  6. 【請求項6】 前記導電性樹脂組成物が、エポキシ化ジ
    エン系ブロック共重合体と、熱可塑性樹脂及びアミノ基
    を有する化合物と、導電剤と、を含み、前記導電性樹脂
    組成物からなる半導電性ベルトであることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の導電部材。
  7. 【請求項7】 前記エポキシ化ジエン系ブロック共重合
    体以外の熱可塑性エラストマーが、ポリエステル系熱可
    塑性エラストマーまたはポリアミド系熱可塑性エラスト
    マーであることを特徴とする請求項5に記載の導電部
    材。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート
    樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の導電部
    材。
  9. 【請求項9】 前記アミノ基を有する化合物が、第三級
    アミノ基含有高分子化合物であることを特徴とする請求
    項6または8に記載の導電部材。
  10. 【請求項10】 前記導電性樹脂組成物の体積抵抗率
    が、106〜1012Ωcmの範囲であることを特徴とす
    る請求項5〜9のいずれかに記載の導電部材。
  11. 【請求項11】 前記半導電性ベルトである導電部材の
    表面に、少なくとも1層以上の層が形成され、前記導電
    部材の表面層が、低表面エネルギ−材料からなることを
    特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の導電部
    材。
  12. 【請求項12】 前記低表面エネルギー材料が、フッ素
    樹脂粒子を分散してなる材料であることを特徴とする請
    求項11に記載の導電部材。
  13. 【請求項13】 印加電圧100Vにおける表面抵抗率
    ρs1(Ω/□)の常用対数値と、印加電圧1000V
    における表面抵抗率ρs2(Ω/□)の常用対数値と、
    の差の絶対値|logρs1−logρs2|が、0.
    6以下であることを特徴とする請求項5〜12のいずれ
    かに記載の導電部材。
  14. 【請求項14】 30℃、85%RHにおける表面抵抗
    率ρs3(Ω/□)の常用対数値と、10℃、15%R
    Hにおける表面抵抗率ρs4(Ω/□)の常用対数値
    と、の差の絶対値|logρs3−logρs4|が、
    1.0以下であることを特徴とする請求項5〜13のい
    ずれかに記載の導電部材。
  15. 【請求項15】 対ロール屈曲回数が300kcycl
    e以上であることを特徴する請求項5〜14のいずれか
    に記載の導電部材。
  16. 【請求項16】 前記導電性樹脂組成物が、エポキシ化
    ジエン系ブロック共重合体と、該エポキシ化ジエン系ブ
    ロック共重合体以外の熱可塑性エラストマーと、導電剤
    と、を含み、前記導電性樹脂組成物を基材表面に導電性
    弾性層として形成した導電ロールであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の導電部材。
  17. 【請求項17】 前記エポキシ化ジエン系ブロック共重
    合体以外の熱可塑性エラストマーが、スチレン系熱可塑
    性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマ
    ーであることを特徴とする請求項16に記載の導電部
    材。
  18. 【請求項18】 前記導電性弾性体層の体積抵抗率が1
    3〜1010Ωcmの範囲であることを特徴とする請求
    項16または17に記載の導電部材。
  19. 【請求項19】 前記導電性弾性層の表面に保護層を形
    成したことを特徴とする請求項16〜18のいずれかに
    記載の導電部材。
  20. 【請求項20】 請求項5〜15のいずれかに記載の半
    導電性ベルトである導電部材を、用紙搬送ベルトとして
    用いたことを特徴とする画像形成装置。
  21. 【請求項21】 請求項5〜15のいずれかに記載の半
    導電性ベルトである導電部材を、中間転写体として用い
    たことを特徴とする画像形成装置。
  22. 【請求項22】 請求項16〜19のいずれかに記載の
    導電ロールである導電部材を、帯電部材として用いたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  23. 【請求項23】 請求項16〜19のいずれかに記載の
    導電ロールである導電部材を、転写部材として用いたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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