JP2011068778A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】強靭性に優れる熱硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】熱硬化性樹脂中に、熱可塑性樹脂をフィラーに吸着させた吸着フィラーを分散させ、下記(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下であることを満たす熱硬化性樹脂組成物。
(式1) 吸着係数=前記フィラー100質量部に吸着された前記熱可塑性樹脂の量(質量部)/前記熱可塑性樹脂の比重/前記フィラーのDBP吸油量(mL/100g)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。
従来、LCSTポリマー(Lower Critical Solution Temperature:下限臨界共溶温度を有するポリマー)またはUCSTポリマー(Upper Critical Solution Temperature:上限臨界共溶温度を有するポリマー)で基材を被覆する方法が提案されている(特許文献1、2)。
また、本願出願人は、これまでに、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化剤、無機フィラーなどを含有する組成物を提案した(特許文献3)。
特表2003−523441号公報 特表2005−507760号公報 特開2007−191633号公報
しかしながら、本願発明者らは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化剤および無機フィラーを含有する組成物から得られる硬化物の靭性について改善の余地があることを見出した。
また、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂で表面が完全に被覆されたフィラー、および硬化剤を含有する組成物から得られる硬化物は、その靭性が低いことを本願発明者らは見出した。
そこで、本発明は、強靭性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、熱硬化性樹脂中に、熱可塑性樹脂をフィラーに吸着させた吸着フィラーを分散させ、特定の式で表わされる吸着係数が0より大きく0.8以下であることを満たす熱硬化性樹脂組成物が強靭性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記1〜11を提供する。
1. 熱硬化性樹脂中に、熱可塑性樹脂をフィラーに吸着させた吸着フィラーを分散させ、下記(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下であることを満たす熱硬化性樹脂組成物。
(式1)
吸着係数=前記フィラー100質量部に吸着された前記熱可塑性樹脂の量(質量部)/前記熱可塑性樹脂の比重/前記フィラーのDBP吸油量(mL/100g)
2. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミドおよびベンゾオキサジン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
3. 前記フィラーの形状が、球状、粒状および不規則形状からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
4. 前記フィラーが、シリカおよび/またはカーボンブラックである上記1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンおよびポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
6. 前記熱可塑性樹脂が、前記熱硬化性樹脂と反応する官能基を有する上記1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
7. 前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記吸着フィラーの量が0.1〜100質量部である上記1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
8. 前記DBP吸油量が、10〜1,000mL/100gである上記1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
9. さらに、硬化剤を含有する上記1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
10. 前記熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂と、前記フィラーとを含有し、前記熱可塑性樹脂がUCST未満の温度またはLCST以上の温度で前記熱硬化性樹脂から相分離する溶液を、UCST以上の温度またはLCST未満の温度で、1相領域の混合溶液とする樹脂混合工程と、
前記樹脂混合溶液を前記UCST未満の温度または前記LCST以上の温度とし、前記熱可塑性樹脂が前記熱硬化性樹脂から相分離して、前記樹脂混合溶液が2相領域となり、相分離した熱可塑性樹脂が前記フィラーに吸着して吸着フィラーとなる吸着工程とを有する製造方法によって得られる上記1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
11. 前記熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂と、前記フィラーとを含有し、前記熱可塑性樹脂がUCST未満の温度またはLCST以上の温度で前記熱硬化性樹脂から相分離する溶液を、UCST以上の温度またはLCST未満の温度で、1相領域の混合溶液とする樹脂混合工程と、
前記樹脂混合溶液を前記UCST未満の温度または前記LCST以上の温度とし、前記熱可塑性樹脂が前記熱硬化性樹脂から相分離して、前記樹脂混合溶液が2相領域となり、相分離した熱可塑性樹脂が前記フィラーに吸着して吸着フィラーとなり、前記吸着フィラーを含有する吸着フィラー混合物が得られる吸着工程と、
前記吸着フィラー混合物と硬化剤とを混合する硬化剤混合工程とを有する製造方法によって得られる上記9に記載の熱硬化性樹脂組成物。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、強靭性に優れる。
図1は、実施例において得られた吸着フィラー含有混合物を、共焦点顕微鏡で10倍の対物レンズを使用して撮影した写真である。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、
熱硬化性樹脂中に、熱可塑性樹脂をフィラーに吸着させた吸着フィラーを分散させ、下記(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下であることを満たす組成物である。
(式1)
吸着係数=前記フィラー100質量部に吸着された前記熱可塑性樹脂の量(質量部)/前記熱可塑性樹脂の比重/前記フィラーのDBP吸油量(mL/100g)
熱硬化性樹脂について以下に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用される熱硬化性樹脂は特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、機械的性質(例えば強靭性)により優れ、耐熱性、耐溶剤性に優れるという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミドおよびベンゾオキサジン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むのが好ましい。
各種熱硬化性樹脂は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。熱硬化性樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
熱可塑性樹脂について以下に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用される熱可塑性樹脂は特に制限されない。例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネートなどが挙げられる。
なかでも、機械的性質(特に強靭性)により優れ、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱可塑性樹脂は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンおよびポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むのが好ましい。
また、熱可塑性樹脂は、機械的性質により優れ前記特性のうち強靭性と耐溶剤性により優れるという観点から、熱硬化性樹脂と反応する官能基を有するのが好ましい。
官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、アルデヒド基、カルボキシ基、エポキシ基、イソシアネート基が挙げられる。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、前記特性のうち強靭性と耐溶剤性により優れるという観点から、熱可塑性樹脂が有する官能基は、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基であるのが好ましい。
熱硬化性樹脂がベンゾオキサジン樹脂である場合、前記特性のうち強靭性と耐溶剤性により優れるという観点から、熱可塑性樹脂が有する官能基は、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基であるのが好ましい。
熱可塑性樹脂は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱硬化性樹脂中において、UCST(上限臨界溶解温度)またはLCST(下限臨界溶解温度)を有するポリマーであるのが好ましい。UCSTまたはLCSTは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の、種類、量に応じて適宜設定することができる。
熱硬化性樹脂に対してLCSTを有する熱可塑性樹脂は、LCST未満の温度で熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを相溶させたあと、LCST以上の温度で熱硬化性樹脂から相分離することができる。
熱硬化性樹脂に対してLCSTを有する熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂との組み合わせは、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、ポリエーテルスルホン、およびポリスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびベンゾオキサジン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂との組み合わせが好ましい。実施例Iに示す熱可塑性樹脂のポリエーテルスルホン30質量部と熱硬化性樹脂のビスフェノールA型エポキシ100質量部の組み合わせの場合のLCSTは約150℃とすることができる。
熱硬化性樹脂に対してUCSTを有する熱可塑性樹脂は、UCST以上の温度で熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを相溶させたあと、UCST未満の温度で熱硬化性樹脂から相分離することができる。
熱硬化性樹脂に対してUCSTを有する熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂との組み合わせは、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、ポリエーテルイミドのような熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂との組み合わせが好ましい。実施例Iに示す熱可塑性樹脂のポリエーテルイミド15質量部と熱硬化性樹脂のビスフェノールA型エポキシ100質量部の組み合わせの場合のUCSTは約50℃、実施例IIに示す熱可塑性樹脂のポリエーテルイミド30質量部と熱硬化性樹脂のグリシジルエステル型エポキシ100質量部の組み合わせの場合のUCSTは約100℃とすることができる。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、3,000〜1,000,000であるのが好ましい。
熱可塑性樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
使用される熱可塑性樹脂の量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、フィラー100質量部に対して(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下を満たす量であるのが好ましく、0.1〜0.7であるのがより好ましい。
フィラーについて以下に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用されるフィラーは、制限されない。例えば、無機フィラー、有機フィラーが挙げられる。強靭性により優れるという観点から無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、シリカ(例えば、ヒュームドシリカ、湿式シリカ)、珪砂、珪酸カルシウム、マイカ、タルク、アルミナ、モンモリロナイト、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、炭酸カルシウム、酸化チタンが挙げられる。
なかでも、強靭性により優れ、熱可塑性樹脂が吸着しやすいという観点から、シリカおよび/またはカーボンブラックであるのが好ましい。
フィラーの形状は特に制限されない。例えば、球状、粒状、不規則形状(不規則な形状を有するもの、不定形のもの)のものが挙げられる。フィラーの形状は熱可塑性樹脂が吸着しやすいという観点から、球状、粒状および不規則形状からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
本発明において、フィラーが有するDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)は、十分な量の熱可塑性樹脂を吸着させるという観点から、10〜1,000mL/100gであるのが好ましく、50〜500mL/100gであるのがより好ましい。
フィラーの平均一次粒径は、熱可塑性樹脂の吸着性を良くするという観点から、5〜100nmであるのが好ましい。
フィラーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
使用されるフィラーの量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部であるのが好ましく、1〜10質量部であるのがより好ましい。
吸着フィラーについて以下に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有される吸着フィラーは、熱可塑性樹脂をフィラーに吸着させたものである。
本発明において、吸着は、熱硬化性樹脂とフィラーとの界面において熱可塑性樹脂の濃度が熱硬化性樹脂の内部よりも大きくなる現象をいう。吸着としては、物理吸着、化学吸着が挙げられる。フィラー表面での部分的吸着を促すという観点から、物理吸着であるのが好ましい。
吸着フィラーを構成する熱可塑性樹脂とフィラーの組み合わせとしては、例えば、ポリエーテルスルホン、ヒドロキシ基を有するポリエーテルスルホン、ポリスルホンおよびポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、シリカおよび/またはカーボンブラックとの組み合わせが挙げられる。
吸着フィラーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下であることを満たす。
(式1)
吸着係数=前記フィラー100質量部に吸着された前記熱可塑性樹脂の量(質量部)/前記熱可塑性樹脂の比重/前記フィラーのDBP吸油量(mL/100g)
本発明において、(式1)中の吸着係数は、あるフィラー100質量部が吸油することができるDBPの体積に対する、同じ種類で同じ量のフィラーが吸着した熱硬化性樹脂の体積の比の値である。
吸着係数が1である場合、フィラーはその表面全体が熱可塑性樹脂で被覆された状態を意味する。
吸着係数が0より大きく0.8以下である場合、フィラーはその表面の一部が熱可塑性樹脂で覆われた状態であり、このことによって強靭性に優れる熱硬化性樹脂が得られる。
吸着係数は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、0.1〜0.7であるのが好ましく、0.2〜0.6であるのがより好ましい。
吸着フィラーの量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜100質量部であるのが好ましく、1〜20質量部であるのがより好ましい。
吸着フィラーはその製造について特に制限されない。例えば、のちに説明する本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法に従って製造することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は吸着フィラー以外にさらに熱可塑性樹脂を含有することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物がさらに含有することができる熱可塑性樹脂は特に制限されない。例えば、上記と同義のものが挙げられる。
熱可塑性樹脂の量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対して、1〜40質量部であるのが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物はさらに硬化剤を含有することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物がさらに含有することができる硬化剤は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
エポキシ樹脂用硬化剤として、例えば、3,3′−ジアミノジフェニルスルホンのようなポリアミン、イミダゾール化合物、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、ポリアミド、ポリオール、ポリメルカプタン、ポリカルボン酸、酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、潜在性硬化剤(例えば、ジシアンジアミド、ケチミン)が挙げられる。
フェノール樹脂の硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミンやメチロールメラミン、メチロール尿素などが挙げられる。
硬化剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化剤の量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱硬化性樹脂に対して、0.5〜1.2当量であるのが好ましく、0.6〜1.1当量であるのがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の組成物の効果を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、三フッ化ホウ素/アミン塩触媒のような硬化触媒、固形ゴム、充填剤、老化防止剤、溶剤、難燃剤、反応遅延剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂の製造方法について以下に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂の製造方法としては、例えば、
前記熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂と、前記フィラーとを含有し、前記熱可塑性樹脂がUCST未満の温度またはLCST以上の温度で前記熱硬化性樹脂から相分離する溶液を、UCST以上の温度またはLCST未満の温度で、1相領域の混合溶液とする樹脂混合工程と、
前記樹脂混合溶液を前記UCST未満の温度または前記LCST以上の温度とし、前記熱可塑性樹脂が前記熱硬化性樹脂から相分離して、前記樹脂混合溶液が2相領域となり、相分離した熱可塑性樹脂が前記フィラーに吸着して吸着フィラーとなる吸着工程とを有する製造方法が挙げられる。
樹脂混合工程について以下に説明する。
樹脂混合工程は、前記熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂と、前記フィラーとを含有し、前記熱可塑性樹脂がUCST未満の温度またはLCST以上の温度で前記熱硬化性樹脂から相分離する溶液を、UCST以上の温度またはLCST未満の温度で、1相領域の混合溶液とする工程である。
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、フィラー、UCST未満の温度またはLCST以上の温度で熱硬化性樹脂から相分離する熱可塑性樹脂は、上記と同義である。
樹脂混合工程において使用されるフィラーの量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部であるのが好ましく、1〜10質量部であるのがより好ましい。
樹脂混合工程において使用される熱可塑性樹脂の量は、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、フィラー100質量部に対して(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下を満たす量であるのが好ましく、0.1〜0.7であるのがより好ましい。
樹脂混合工程において得られる混合溶液は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とフィラーとを含有し、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とが1相領域となっている。
1相領域とは、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とが相溶している状態をいう。
樹脂混合工程において、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とフィラーとをUCST以上またはLCST未満の条件下で、例えば、0.5〜1.5時間撹拌することによって、混合溶液とすることができる。
吸着工程について以下に説明する。
吸着工程は、樹脂混合溶液をUCST未満の温度またはLCST以上の温度とし、熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂から相分離して、樹脂混合溶液が2相領域となり、相分離した熱可塑性樹脂がフィラーに吸着して吸着フィラーとなる工程である。
2相領域とは、熱硬化性樹脂が主となる成分と熱可塑性樹脂が主となる成分に相分離した状態をいう。
吸着工程において得られる熱硬化性樹脂組成物(本発明の熱硬化性樹脂組成物がさらに硬化剤を含有する場合はこれを吸着フィラー混合物という。)は、熱硬化性樹脂と吸着フィラーとを含有する。
吸着工程において、混合溶液をUCST未満またはLCST以上の条件下で、例えば、1〜10時間撹拌することによって、熱硬化性樹脂組成物(本発明の熱硬化性樹脂組成物がさらに硬化剤を含有する場合は吸着フィラー混合物)を得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物がさらに硬化剤を含有する場合、熱硬化性樹脂の製造方法において吸着工程ののちにさらに硬化剤混合工程を設けることができる。硬化剤混合工程は、吸着工程で得られた吸着フィラー混合物と硬化剤とを混合する工程である。
硬化剤混合工程において、吸着フィラー混合物と硬化剤とを混合する温度は、硬化反応を抑制するという観点から、可能な限り低温あるのが好ましい。
吸着フィラー混合物と硬化剤とを混合する方法は特に制限されない。
硬化剤混合工程において、吸着フィラー混合物を上記の温度に調節してここに硬化剤を加え、例えば、0.25〜0.5時間撹拌することによって、熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は熱によって硬化することができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化させる際の温度としては、機械的性質(特に強靭性)、耐熱性、耐溶剤性のバランスが良いという観点から、120〜210℃であるのが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化させた後に得られる硬化物を用いて、ASTM D5045−99に準じて測定される破壊靭性値は、自動車や航空機の構造材料として適用できるという観点から、1.2MPa・m1/2以上が好ましく、1.5MPa・m1/2以上がより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の用途としては、例えば、プリプレグ用マトリックス、接着剤、プライマー、シーリング材、注型材、封止剤、塗料などが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いることができる被着体は特に制限されない。例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のような強化繊維、プラスチック、ゴム、ガラス、セラミック、コンクリート、モルタル、アルミニウム合金、チタン合金、ステンレス合金、スチールなどが挙げられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<評価>
下記のようにして得られた各組成物について、以下に示す方法で、(式1)中の吸着係数、硬化樹脂靭性、耐溶剤性を評価した。結果を第1表、第2表に示す。
1.吸着係数
下記のようにして得られた吸着フィラー含有混合物20gを、遠心分離装置により19,000(rpm)で1時間の分離操作を行い、沈降物を得た。
次に、分離された沈降物中に含まれる熱硬化性成分をメチルエチルケトン(MEK)により洗浄除去して、吸着フィラーを抽出した。吸着フィラー含有混合物20gから抽出された吸着フィラーの量を第1表、第2表に示す。
抽出された吸着フィラーを熱重量分析装置(TGA)によって分析し、吸着フィラー中の熱可塑性樹脂成分の質量(WTP)とフィラーの質量(WF)を求めた。得られた吸着フィラー中の熱可塑性樹脂成分の質量(WTP)とフィラーの質量(WF)を第1表、第2表に示す。また、以下の(式2)によって実施例における吸着フィラーの吸着係数を算出した。実施例における吸着フィラーの吸着係数を第1表、第2表に示す。
式2中、WTP:吸着フィラー中の熱可塑性樹脂成分の質量(g)、CaTP:熱可塑性樹脂の比重、WF:吸着フィラー中のフィラーの質量(g)、DBP:フィラーのDBP吸油量(mL/100g)である。
2.硬化樹脂靭性(K1C
下記のようにして得られた各組成物をモールドで挟み、これをプログラムオーブンに入れて70℃から昇温速度2℃/分で200℃まで昇温し、200℃で2時間硬化させて、厚さ7mmの硬化物を作製した。
得られた硬化物からASTM D−5045−99に準じて、室温(25℃)の条件下で破壊靭性値(応力拡大係数、単位:MPa・m1/2)を測定した。得られた破壊靭性値を硬化樹脂靭性として示す。
3.耐溶剤性
下記のようにして得られた各組成物を厚み0.1mm、10mm角のフィルムとしてスライドグラス上に貼り付け、これをプログラムオーブンに入れて70℃から昇温速度2℃/分で200℃まで昇温し、200℃で2時間硬化させて、各組成物がスライドグラス上に接着している硬化物を作製した。
その硬化物をスライドグラスに接着させたままメチルエチルケトンに完全に浸し、90分後に取り出して乾燥させてから、光学顕微鏡にて硬化物表面のキズの有無を観察した。全くキズのないものを耐溶剤性が良好であると判断した。
4.吸着フィラーの観察
下記のようにして得られた組成物を、共焦点顕微鏡(商品名:OPTELICS S130、レーザーテック製。以下同様。)を用いて観察した。結果を図1に示す。
5.UCST、LCSTの測定方法
第1表、第2表に示す質量部の熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を120℃の条件下で1時間攪拌して混合処理を行ったのち、80℃の条件下で減圧脱泡して透明な溶液を得た。それを5℃きざみで段階的に降温または昇温し、系内に曇りが観察されはじめる温度をそれぞれUCST、LCSTとした。
<組成物の製造>
第1表、第2表に示す成分を同表に示す量(単位:質量部)で用いて、次に示す方法で組成物を製造した。
1.複合化処理
(1)組成物が硬化剤を含有する場合
まず、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂またはグリシジルエステル型エポキシ樹脂、フィラーおよび熱可塑性樹脂を容器に入れて、これらを120℃の条件下で1時間攪拌して混合処理を行ったのち、引き続き第1表または第2表に示す温度と時間の条件下で撹拌し複合化処理(樹脂混合工程および吸着工程)を行い吸着フィラー含有混合物を得た。
吸着フィラー含有混合物の温度を70℃以下に下げたのちに、吸着フィラー含有混合物に硬化剤を混合し撹拌して熱硬化性樹脂組成物を得た(硬化剤混合工程)。
(2)組成物が硬化剤を含有しない場合
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フィラーおよび熱可塑性樹脂を容器に入れて、これらを120℃の条件下で1時間攪拌して混合処理を行ったのち,引き続き第1表または第2表に示す温度と時間の条件下で撹拌し複合化処理(樹脂混合工程および吸着工程)を行い吸着フィラー含有混合物を得た。
吸着フィラー含有混合物の温度を85℃以下に下げたのちに、吸着フィラー含有混合物にフェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、硬化触媒を混合し攪拌して熱硬化性樹脂組成物を得た。
2.複合化処理をしない場合
熱硬化性樹脂、フィラーおよび熱可塑性樹脂を容器に入れて、これらを120℃の条件下で1時間撹拌して混合処理を行い組成物を得た。
得られた組成物の温度を85℃以下に下げたのちに、組成物に必要に応じて、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、硬化触媒を混合し攪拌して熱硬化性樹脂組成物を得た。
第1表に示されている各成分は、以下のとおりである。
・熱硬化性樹脂1(ビスフェノールA型エポキシ):ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、商品名jER828、ジャパンエポキシレジン社製
・熱硬化性樹脂2(フェノール樹脂):フェノールノボラック型フェノール樹脂、商品名HF−1M、明和化成社製
・熱硬化性樹脂3(ベンゾオキサジン樹脂):商品名F−a型ベンゾオキサジン、四国化成社製
・フィラー1(ヒュームドシリカ):商品名Cab−O−Sil M5、キャボット社製、DBP吸油量350mL/100g、形状は無定形
・フィラー2(カーボンブラック):商品名Monarch 880、キャボット社製、DBP吸油量105mL/100g、形状は無定形
・熱可塑性樹脂1(ポリエーテルスルホン):商品名スミカエクセル4100P、住友化学社製、比重1.37g/ml
・熱可塑性樹脂2(ポリエーテルスルホン(OH末端)):末端にヒドロキシ基を有するポリエーテルスルホン、商品名:スミカエクセル5003P、住友化学社製、比重1.37g/ml
・熱可塑性樹脂3(ポリエーテルイミド):商品名Ultem 1000、SABIC社製、比重1.27g/ml
・硬化剤(3,3′−ジアミノジフェニルスルホン):商品名Aradur 9719−1、ハンツマン社製
・硬化触媒(トリフェニルホスフィン):商品名ホクコーTPP、北興化学社製
第1表に示す結果から明らかなように、複合化処理をせず吸着フィラーを含有しない比較例I−1〜3は靭性が低かった。吸着係数が1以上である、つまりフィラーの表面が完全に熱可塑性樹脂で被覆されている完全被覆フィラーを含有する比較例I−4は靭性が低かった。
これに対して、実施例I−1〜6は強靭性に優れ、耐溶剤性に優れる。
第2表に示されている各成分は、以下のとおりである。
・熱硬化性樹脂4(グリシジルエステル型エポキシ):ジグリシジルテトラヒドロフタレート、商品名アラルダイトCY192−1、ハンツマン社製
・フィラー1(ヒュームドシリカ):商品名Cab−O−Sil M5、キャボット社製、DBP吸油量350mL/100g、形状は無定形
・熱可塑性樹脂3(ポリエーテルイミド):商品名Ultem 1000、SABIC社製、比重1.27g/ml
・硬化剤(3,3′−ジアミノジフェニルスルホン):商品名Aradur 9719−1、ハンツマン社製
第2表に示す結果から明らかなように、(式1)で定義される吸着係数が0.8を超える比較例II−1は靭性が低かった。
これに対して、実施例II−1〜4は強靭性に優れ、耐溶剤性に優れる。
図1について以下に説明する。
図1は、実施例において得られた吸着フィラー含有混合物を、共焦点顕微鏡で10倍の対物レンズを使用して撮影した写真である。図1(A)は実施例II−1、図1(B)は実施例II−2、図1(C)は実施例II−3、図1(D)は実施例II−4、図1(E)は比較例II−1に対応する。各写真に示す尺度の単位はμmである。
図1において、1〜5は吸着フィラーを示し、6はフィラーに吸着しなかった熱可塑性樹脂を示す。
図1に示す結果から明らかなように、図1(A)〜(D)では吸着フィラーが熱硬化性樹脂中に分散しているのが観察される。これに対して図1(E)では吸着フィラーが熱硬化性樹脂中に分散せず凝集してしまい、さらに、フィラーに吸着しきれなかった熱可塑性樹脂6が凝集しているのが観察される。
1〜5 吸着フィラー
6 フィラーに吸着しなかった熱可塑性樹脂

Claims (11)

  1. 熱硬化性樹脂中に、熱可塑性樹脂をフィラーに吸着させた吸着フィラーを分散させ、下記(式1)で定義される吸着係数が0より大きく0.8以下であることを満たす熱硬化性樹脂組成物。
    (式1)
    吸着係数=前記フィラー100質量部に吸着された前記熱可塑性樹脂の量(質量部)/前記熱可塑性樹脂の比重/前記フィラーのDBP吸油量(mL/100g)
  2. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミドおよびベンゾオキサジン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記フィラーの形状が、球状、粒状および不規則形状からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記フィラーが、シリカおよび/またはカーボンブラックである請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンおよびポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、前記熱硬化性樹脂と反応する官能基を有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記吸着フィラーの量が0.1〜100質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記DBP吸油量が、10〜1000mL/100gである請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、硬化剤を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 前記熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂と、前記フィラーとを含有し、前記熱可塑性樹脂がUCST未満の温度またはLCST以上の温度で前記熱硬化性樹脂から相分離する溶液を、UCST以上の温度またはLCST未満の温度で、1相領域の混合溶液とする樹脂混合工程と、
    前記樹脂混合溶液を前記UCST未満の温度または前記LCST以上の温度とし、前記熱可塑性樹脂が前記熱硬化性樹脂から相分離して前記樹脂混合溶液が2相領域となり、相分離した熱可塑性樹脂が前記フィラーに吸着して吸着フィラーとなる吸着工程とを有する製造方法によって得られる請求項1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 前記熱硬化性樹脂と、前記熱可塑性樹脂と、前記フィラーとを含有し、前記熱可塑性樹脂がUCST未満の温度またはLCST以上の温度で前記熱硬化性樹脂から相分離する溶液を、UCST以上の温度またはLCST未満の温度で、1相領域の混合溶液とする樹脂混合工程と、
    前記樹脂混合溶液を前記UCST未満の温度または前記LCST以上の温度とし、前記熱可塑性樹脂が前記熱硬化性樹脂から相分離して、前記樹脂混合溶液が2相領域となり、相分離した熱可塑性樹脂が前記フィラーに吸着して吸着フィラーとなり、前記吸着フィラーを含有する吸着フィラー混合物が得られる吸着工程と、
    前記吸着フィラー混合物と硬化剤とを混合する硬化剤混合工程とを有する製造方法によって得られる請求項9に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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