JP2007177802A - 半導電性ゴムベルト及びその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】25℃±2℃、55%±5%RHの条件下において二軸張架ロールで5%伸長した際、下記式(1)で表される張架力減衰率が50%未満であることを特徴とする半導電性ゴムベルト及びその製造方法、並びに該半導電性ゴムベルトを備える画像形成装置である。
張架力減衰率(%)={(初期張架力−2年後の張架力予測値)/初期張架力}×100 …式(1)
(ここで、2年後の張架力予測値とは、前記条件下において30日間張架力測定を行った結果から得られる対数近似式より計算される値である。)
【選択図】図4
Description
しかし、上記ベルト構造では、ゴムの弾性力がなくなり、ゴム自身が持つ自己ウオーク補正効果が阻害されベルト以外の張架機構やベルト端部のウオーク防止のリブなどを設ける必要があり部品点数増加、製造工程増加という問題が発生する。
本発明の目的は、経時での張力低下が抑えられた半導電性ゴムベルト、及びそのような半導電性ゴムベルトを簡便に製造することができる製造方法、並びに該半導電性ゴムベルトを用いた画像形成装置を提供することにある。
張架力減衰率(%)={(初期張架力−2年後の張架力予測値)/初期張架力}×100 …式(1)
(ここで、2年後の張架力予測値とは、前記条件下において30日間張架力測定を行った結果から得られる対数近似式より計算される値である。)
<2> イオン伝導性及び/又は電子伝導性の導電剤を含有することを特徴とする前記<1>に記載の半導電性ゴムベルトである。
<3> 表面に1層以上の層を有する前記<1>または<2>に記載の半導電性ゴムベルトである。
<5> 前記半導電性ゴムベルトを中間転写ベルト及び/又は用紙搬送ベルトとして備えることを特徴とする前記<4>に記載の画像形成装置である。
<7> 半導電性ゴムベルト表面に1層以上の層を形成した後に前記加熱工程を行うことを特徴とする前記<6>に記載の半導電性ゴムベルトの製造方法である。
張架力減衰率(%)={(初期張架力−2年後の張架力予測値)/初期張架力}×100 …式(1)
(ここで、2年後の張架力予測値とは、前記条件下において30日間張架力測定を行った結果から得られる対数近似式より計算される値である。)
なお、本発明の半導電性ゴムベルトにおいて、「半導電性」とは、ベルトの体積抵抗率が103〜1010Ωcmの範囲であることを意味する。
基材上に形成される表面層としてはトナー離型層であることが好ましい。トナー離型層に用いる材料としては、フッ素樹脂系材料、およびフッ素樹脂粒子を含んでなる材料など表面エネルギーの小さい材料が用いられる。半導電性ベルト表面の表面エネルギーを小さくすることができ、該半導電性ベルト表面に汚れが付着しにくい。トナー離型半導電性ベルト表面の汚染を効果的に防止することができる。
本発明の半導電性ベルト部材における表面層の十点平均表面粗さRzは、1.5〜9.0μmの範囲であることが好ましく、3.0〜6.0μmの範囲であることがより好ましい。十点平均表面粗さRzが、1.5μm未満であると、接触部材と密着する懸念があり、十点平均表面粗さRzが、9μmよりも大きい場合には、凹凸部分にトナー及び紙粉等が溜まり易くなり、また、凹凸によって微小な放電ムラが生じたりすることにより、時間の経過と共に、均一な転写性や、画像品質が低下する場合がある。なお、当該十点平均表面粗さRzとは、JIS B0601(2001)に規定された表面粗さのことである。
以上の本発明の半導電性ゴムベルトは、本発明の半導電性ゴムベルトの製造方法により製造し得る。以下に、本発明の半導電性ゴムベルトの製造方法について説明する。
クロロプレンゴム(CR)とEPDMとをブレンドした材料を例に挙げると、ベルト基材を製造するには、クロロプレンゴム、EPDMに対し例えば導電性フィラーを混入分散させた後これらのクロロプレンゴムとEPDMとをミキサーで混練させ、加硫剤を加えて押し出し成形を行うようにすればよい。
以上は、プレス成型加硫法として一般に知られており、型締め力、時間などの各条件は適宜設定することができる。
次に、本発明の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、既述の本発明の半導電性ゴムベルトを備える画像形成装置である。本発明の画像形成装置において、当該半導電性ゴムベルトは中間転写ベルト及び/又は搬送ベルトとして使用することが好ましい。以下に、本発明の画像形成装置について、図面を参照して説明する。
(ゴム練りA)
表1に示す配合の原料成分を、ニーダーにてポリマーの素練りを行った後、加硫剤と加硫促進剤以外の材料をニーダーで15分間練った。
次いで、加硫剤及び加硫促進剤を加え、二本ロールにて練りを行った。練りの仕上げは厚さ10mmのシート状とした。
(予備成形)
ゴム練りBで取り出したシートを、幅50mmのリボン状に予備成形した。
(プレス成形加硫)
次に、図3に概略を示すプレス成型加硫法により、前工程でリボン状に予備成形した生ゴムを芯金の上下にセットして100kg/cm2の型締め力でプレスし30分間放置した。
次に、加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ0.5mmに仕上げた。
(保護離型層)
研磨後のベルトの研磨粉を除去した後、JLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートを施し、コート厚み0.01mmの保護離型層(表面層)を形成した。
(焼成処理)
保護離型層形成後の半導電性ゴムベルトに対し、150℃、15分間オーブンで焼成処理を行った。
焼成処理後、ベルトの両端をカットして幅を調整した。
(加熱処理)
保護離型層形成後、円筒パイプに半導電性ゴムベルトを挿入して5%伸張させた状態で150℃、30分間オーブンで加熱処理を行った。
以上のようにして半導電性ゴムベルトを作製した。
既述の図1に示す装置を用い作製した半導電性ゴムベルトの張架力維持性を測定した。測定は、φ15mmのステンレス製の金属中実シャフトを用い一方のシャフト内側にロードセルをセットしてベルトの張架力をモニターした。張架力測定頻度は、1日に最低1データを採取した。また、雰囲気は、25℃±2℃、55%±5%RHで管理した。2年後の張架力予測値は、上記のようにして測定された、ベルト形成から30日間のデータより対数近似式を求め、2年後(730日後)の値を計算して予測値とした。測定結果を表2に示す。
作製した半導電性ゴムベルトを、(1)搬送ベルトとして、(2)中間転写ベルトとして、それぞれ用いた画像形成装置の画質評価をするため、以下の評価試験を行った。
(1)搬送ベルト
図5に概略を示す画像形成装置内に作製した半導電性ゴムベルトを取り付けて実際に稼働(印刷)させ、ウオーク、縦倍率、印刷画像品質を下記評価基準に従い評価した。
[ウオーク評価基準]
○:ベルト横ズレ1.5mm以下
△:ベルト横ズレ3.0mm以下
×: ベルト横ズレ3.0mm超
[縦倍率評価基準]
○:倍率100±5%の範囲内
△:倍率100±5%の範囲外かつ倍率100±10%の範囲内
×:倍率100±10%の範囲外
[画像品質評価基準]
○:色ズレ無し、または色ズレ200μm未満
△:色ズレ200〜300μmの範囲内
×:色ズレ300μm超
作製した半導電性ゴムベルトを富士ゼロックスプリンティングシステム(株)社製DocuPrintC525Aに装着し10kPV連続で印刷を行った後の画像品質を評価した。なお、この画像形成装置は、既述の図4に示したプリンターと同等である。
その結果、実施例1で製作したベルトは安定した走行性を示し、カラーレジズレすることなく良好な画質が得られた。
加熱処理時に2%伸長の円筒パイプを用いたこと以外は実施例1と同様な材料と成形法を用いて、半導電性ゴムベルトを作製した。評価を行った結果、作製したベルトは安定した走行性を示し、カラーレジズレすることなく良好な画質が得られた。
加熱処理時に10%伸長の円筒パイプを用いた以外は実施例1と同様な材料と成形法を用いて、半導電性ゴムベルトを作製した。評価を行った結果、作製したベルトは安定した走行性を示し、カラーレジズレすることなく良好な画質が得られた。
加熱処理時に11%伸長の円筒パイプを用いた以外は実施例1と同様な材料と成形法を用いて、半導電性ベルトを形成した。評価を行った結果、ベルトの内周長は1.3%の伸びを示し、張力減衰率は33%であった。このベルトを前記装置に装着して画質評価を行った結果、部分的な縦倍率不良が観察された。これは、成形や研削工程で生じた周方向の膜厚ムラ(薄い部分と厚い部分)を伸張した際に、薄い部分が最も引き延ばされた状態で加熱された事によるベルト周方向の部分的な強度ムラによるものと考えられる。
実施例1と同様な材料と成形法を用い、アニール処理無しで張力維持性評価を行った結果、ベルトの内周長は2.1%の伸びを示し、張力減衰率は51.4%であった。このベルトを前記装置に装着して画質評価を行った結果、スミアと呼ばれる短絡的な濃度ムラと縦倍率の縮小傾向が観察された。
実施例1と同様の材料と成形法を用い、コアに導電性繊維シート巻きしてプレス成形した。実施例1と同様のプリンターにベルトをセットして走行させたが、ベルトの伸び量がなく、ベルトの蛇行とスリップが発生し、転写ベルトとしての機能を果たさなかった。このようなベルトは、自己ウオーク制御が出来ず可動式の張架ロールが別途必要である。
実施例1と同様の材料と成形法を用い、コアに導電性Pvdfシート巻きしてプレス成形した。比較例2と同様にベルトの伸び量がなく、ベルトは蛇行して回転した。
加熱処理時に1%伸長の円筒パイプを用いた以外は実施例1と同様な材料と成形法を用いて、半導電性ベルトを形成した。評価を行った結果、ベルトの内周長は2%の伸びを示し、張力減衰率は50%であった。このベルトを前記装置に装着して画質評価を行った結果、スミアと呼ばれる短絡的な濃度ムラと縦倍率の縮小傾向が観察された。
20 中間転写ベルト
30 一次転写ロール
40 露光装置
50 現像装置
31 二次転写装置
40 露光装置
50 現像装置
51 現像器Y
52 現像器M
53 現像器C
54 現像器K
60 帯電ロール
61 電源
70 クリーニングブラシ
71 クリーニング装置
80A 80B 80C 張架ロール
81A 81B 81C 対向ロール
90 定着器
91 記録材
Claims (3)
- 25℃±2℃、55%±5%RHの条件下において二軸張架ロールで5%伸長した際、下記式(1)で表される張架力減衰率が50%未満であることを特徴とする半導電性ゴムベルト。
張架力減衰率(%)={(初期張架力−2年後の張架力予測値)/初期張架力}×100 …式(1)
(ここで、2年後の張架力予測値とは、前記条件下において30日間張架力測定を行った結果から得られる対数近似式より計算される値である。) - 請求項1に記載の半導電性ゴムベルトを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 半導電性ゴムベルトを形成した後に、該半導電性ゴムベルトを2%以上伸長した状態で加熱処理を行う加熱工程を有することを特徴とする半導電性ゴムベルトの製造方法。
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