JP5103709B2 - 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、搬送ベルトを画像の転写プロセスで用いる場合には、搬送ベルトの電気抵抗が画像の転写性能に大きく影響するため、ベルト基材には抵抗調整用の導電性フィラーが適量分散されている。
このような要請下において、従来の搬送ベルトの一例としては、クロロプレンゴムとEPDMとからなるベルト基材を用い、このベルト基材中にアセチレンブラックとファーネスブラック、または、アセチレンブラックとケッチェンブラックとを分散させるようにしたものが提供されている(例えば特許文献1)。
本態様によれば、耐オゾン性、劣化防止等の転写ベルトとして用いる搬送ベルトに要求される特性を満たすと共に、経時での電気抵抗の変動を少なく抑えることが可能であると記載されている。
特に、ベルト基材として弾性材を用いる場合には、経時での永久伸びを回避することができないため、その永久伸びに伴い、ベルト基材の抵抗が上昇するという事態を回避することは極めて困難であった。
また、ベルト基材2はゴム等の弾性材からなるものであれば広く含み、弾性材であるか否かは、複数の張架部材1aに搬送ベルト1を張架した際に弾性的に伸長するものであればベルト基材2は弾性材として判断して差し支えない。
更に、導電性フィラー3は、ベルト基材2中の抵抗を調整するためのものであればよいが、少なくとも、粒子状フィラー3aと長繊維型フィラー3bとを含んでいることが必要である。
一方、長繊維型フィラー3bは粒子状とは言えず、一方向に繊維状に長い形状のフィラーであればよく、導電性材料を用いて中実の長繊維状に形成したものであれば適宜選定して差し支えない。尚、長繊維型フィラー3bが中実である点はベルト基材2が伸長した際にそれ自体が形状変化して抵抗変化しないことを意味するものであり、中空の長繊維型フィラー3bを除外する趣旨である。
そして、ベルト基材2での導電性フィラー3の分散均一性を考慮すると、長繊維型フィラー3bの分散量は粒子状フィラー3aよりも少ないことが必要である。
つまり、例えば図2(b)に示すように、ベルト基材2に導電性フィラー3として粒子状フィラー3aのみを分散させた比較モデルにあっては、搬送ベルト1、具体的にはベルト基材2が経時に永久伸びにより伸長すると、粒子状フィラー3a相互間の距離が伸長前より離間し、ベルト基材2中の粒子状フィラー3aの分散密度が伸長前よりも低下してしまい、その分、ベルト基材2の抵抗値が低下してしまう。
これに対し、本発明にあっては、図2(a)に示すように、ベルト基材2中に導電性フィラー3として、粒子状フィラー3aに加えて長繊維型フィラー3bを分散させるようにしたので、ベルト基材2が経時に永久伸びにより伸長した場合、確かに粒子状フィラー3a間相互の距離が伸長前よりも離間し、粒子状フィラー3aによる分散密度が低下してしまい、粒子状フィラー3a相互の導電路構造が分断される可能性があるが、この粒子状フィラー3aの周辺には長繊維型フィラー3bが混在するため、この長繊維型フィラー3bが粒子状フィラー3a間の導電路として機能し、粒子状フィラー3a相互の導電路構造の分断を抑制する。この結果、ベルト基材2が伸長したとしても、ベルト基材2の粒子状フィラー3a相互によるベルト基材2の抵抗上昇は長繊維型フィラー3bの存在によって抑制される。
特許文献2記載の発明には、確かにベルト基材中に導電性フィラーとして、粒子状フィラーと長繊維型フィラーとを分散させている態様が開示されている。
しかしながら、特許文献2記載の発明にあっては、長繊維型フィラーは、ベルト基材の伸長率に応じて抵抗が変化する態様(例えば中空フィラーにて構成し、その潰れ変形で抵抗変化する態様)であることを前提とし、もって、ベルト基材の伸長率による抵抗変化を抑制するものであるのに対し、本件発明の長繊維型フィラー3bは中実のものであって、ベルト基材2の伸長率に応じて抵抗そのものが変化するのではなく、ベルト基材2の伸長率に応じた粒子状フィラー3a相互によるベルト基材2の抵抗上昇を抑制するものである点で、上述した特許文献2記載の発明の長繊維型フィラーとは明らかに相違する。
ここで、20μm未満であると、抵抗のつなぎ効果(粒子状フィラー3a間相互の導電路としての作用)が弱くなり、一方、50μmを超えると、導電性フィラー3の分散性が不均一になり易く、成形時にベルト基材2の表面側に長繊維型フィラー3bが突出し、ベルト基材2の表面平滑性に悪影響を及ぼす懸念がある。
ここで、30wt%を超えると、ベルト基材2表面に長繊維型フィラー3bが突出したり、ベルト基材2が不必要に高硬度になってしまう事態を回避することができる。
つまり、ベルト基材2中に長繊維型フィラー3bを多く入れすぎると成形の際に表面に突出したりして、表面の平滑性に悪影響を与える。
また、ベルト基材2中で長繊維型フィラー3bの分散量が多すぎると、長繊維型フィラー3b自体はベルト基材2と接着する事により補強効果が顕著に発揮されてしまうため、ベルト基材2のモジュラスが上昇してしまい、本来の弾性ベルトとしての利点が失われてしまう。
一方、20wt%未満になると、長繊維型フィラー3bの分散量が少なすぎ、抵抗上昇抑制効果が発現し難いため適量の分散量が必要である。
このような構成にする事で、表面の摩擦抵抗の低減、電気特性の環境安定性、残留トナークリーニング性の向上が達成できる。特に、ゴムベルトの場合、モノマーの主鎖中に二重結合を有している物が多く、酸化などが起き易いが、保護層4で有効に保護される。
更にまた、保護層4については適宜抵抗調整することが可能であるが、その調整は、例えばカーボンブラック及び導電性金属酸化物を含有させるようにすればよい。
この態様によれば、表面の摩擦抵抗の低減、電気特性の環境安定性、残留トナークリーニング性の向上が達成でき、これらの目的を達成できる物であれば、特に限定されるものではない。
また、ベルト基材2上に保護層4を設ける態様にあっては、導電性フィラー3を含んだベルト基材2を成形した後に、ベルト基材2の表面に保護層4を形成するようにすればよい。
ここで、保護層4の形成には、ディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコート等がある。
この場合、本発明は、例えば図1に示すように、像担持体5上に形成されたトナー像を中間転写ベルト6を介して記録材7に転写する画像形成装置において、上述した各種搬送ベルト1を中間転写ベルト6として使用することを特徴とするものである。
尚、図1において、符号8は像担持体5上のトナー像を中間転写ベルト6に一次転写する一次転写装置、9は中間転写ベルト6上のトナー像を記録材7に二次転写する二次転写装置である。
また、本態様では、搬送ベルト1は中間転写ベルト6として利用されるが、これに限られるものではなく、記録材搬送ベルトとして利用するようにしてもよいことは勿論である。
このため、例えば転写プロセスを伴う画像形成装置に上述した搬送ベルトを用いるようにすれば、ベルト基材が経時に伸長変化したとしても、その体積抵抗変化を有効に抑制することが可能になり、その分、搬送ベルトの経時変化に応じて転写電圧を上昇させることが不要になり、経時変化に影響されない安定した画像品質を得ることができる。
◎実施の形態1
図3(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、画像形成装置は、感光体ドラム10と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために前記感光体ドラム10に一定領域にて感光体ドラム10形状に沿うように接触する中間転写ベルト20とを有する。
本実施の形態において、感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の静電潜像を書込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、前記中間転写ベルト20と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17とが配設されている。
また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。
更にまた、クリーニング装置17については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
ここで、この中間転写ベルト20と感光体ドラム10とは夫々別駆動系で駆動されていてもよいが、本実施の形態では、中間転写ベルト20が後述するように弾性ベルトであり、しかも、感光体ドラム10の周面に沿って接触配置されていることから、中間転写ベルト20は、例えば感光体ドラム10を駆動源として、従動回転するようになっている。
更に、中間転写ベルト20の張架ロール22に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール22をバックアップロールとして対向配置されており、例えば二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール22が接地されている。
更にまた、中間転写ベルト20の張架ロール23に対向した部位には、ベルトクリーニング装置としてのクリーニングロール26が配設されており、このクリーニングロール26には所定のクリーニングバイアスが印加され、張架ロール23が接地されている。
また、用紙などの記録材40は、供給トレイ41に収容されており、ピックアップロール42にて供給された後、レジストロール43を経て二次転写部位に導かれ、搬送ベルト44を通じて定着装置45へ搬送されるようになっている。
ここで、本実施の形態で用いられるベルト基材51としては、例えばクロロプレンゴム(CR)とEPDMとをブレンドした材料が用いられている。尚、ベルト基材51としては弾性材からなるものであれば、NBR、SBR、イソプロピレン、シリコーンゴムなど適宜選定して差し支えない。
ベルト基材51の製法については任意の製法を用いて差し支えないが、例えば以下のように製造される。
すなわち、ベルト基材51を製造する工程は、先ず、クロロプレンゴムにEPDMを混練させ、抵抗調整に、粒子状フィラー511と中実の長繊維型フィラー512とからなる導電性フィラーを混入させてミキサーで混練させ、しかる後、加硫剤を加えて押し出し成形を行う。
そして、上記混練したベルト基材、つまり、予備成形後のベルト基材を押出成形する場合には、加硫マンドレルといわれる金属製のベルト内径と同サイズの外径を持つシリンダに混練したベルト基材を覆い被せた状態で所定条件(例えば150℃で約1時間)にて加硫させ、しかる後に、必要とするモジュラスに応じて時間を変更しながら所定条件(例えば110℃で15時間)にて二次加硫を行う。
その後、研磨用マンドレルにベルト基材51を被せてベルト基材51の内周面と外周面とを研磨し、表面の平滑性を得るようにする。
また、長繊維型フィラー512としては、中実の長繊維状の導電剤が用いられるが、アルミナ、カーボンブラック、酸化チタン、スズ、マグネシウム、酸化亜鉛、アルミニウムなどが挙げられる。
本実施の形態では、導電性フィラーのうち、長繊維型フィラー512の分散量は20〜30wt%の範囲で適宜選定され、また、長繊維型フィラー512としては、平均繊維径が5〜30μm程度、その長さが20〜50μm程度のものが選定されている。
尚、粒子状フィラー511としては平均粒径が0.1〜0.7μm程度のものが選定されている。
この保護層52の材料は、摩擦抵抗低減、表面粗さ低減による残留トナークリーニング性の向上という目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではないが、一般的に、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、又は、フッソ系樹脂ポリマーをアルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、などに溶解、分散した塗料を使用する事ができる。
これらの保護層52はディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコートなどにより塗布する事が可能で、膜厚は適用するトナー粒径と同等以下に設定する事が望ましい。あまり厚く塗布してしまうと、下層の弾性力が阻害されて、転写の際に、トナー像との密着性が低下してしまう。
具体例を述べると、保護層52を形成するためのオーバーコート剤としては、例えばウレタン系の樹脂マスターバッチをベースにPTFE樹脂を添加し、カーボンブラックで抵抗調整を行うものが用いられる。そして、塗装はスプレーガンによる塗装方式で、ベルト基材が冷えたマンドレルに被せられ、約200rpm程度回転させながら、スプレーガンにて所定厚さ(例えば10μm)に吹き付けられる。この後、オーバーコート剤の乾燥は所定条件(150℃で約5min)にてオーブンで行う。
基本的にベルト基材51の部分は105〜1011Ω、最表層の保護層52は1010〜1014Ωになるように調整し、高電圧印加時の絶縁耐圧を確保するために全体で、体積抵抗が108〜1012Ω程度になるように膜厚調整をするのが好ましい。
図3(a)に示す画像形成装置においては、感光体ドラム10上に各色成分トナー像が順次形成され、一次転写ロール25の転写電界により中間転写ベルト20上に順次一次転写される。
しかる後、この中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は二次転写ロール30の転写電界により記録材40に二次転写され、定着工程へと運ばれる。
一方、中間転写ベルト20に残留した未転写トナーはベルトクリーニング装置であるクリーニングロール26により静電的に回収され、再度像形成工程へと中間転写ベルトが運ばれていく。
尚、クリーニングされた中間転写ベルト20に残留電荷が残っている場合には、必要に応じて除電機構を設ける場合もある。
また、本実施の形態では、長繊維型フィラー512としては長さが20〜50μmのいずれかのものが使用されているため、ベルト基材51の伸長率が変化しても、ベルト基材51の抵抗上昇が有効に抑制され、しかも、ベルト基材51の表面平滑性が長繊維型フィラー512の存在に伴って損なわれることもない。
更に、本実施の形態では、導電性フィラーのうち長繊維型フィラーの分散量が20〜30wt%の範囲であるため、ベルト基材51の伸長率が変化しても、ベルト基材51の抵抗上昇が有効に抑制され、しかも、ベルト基材51の硬度が不必要に高くなる事態も有効に回避される。
これらの性能評価は、後述する実施例1〜3にて裏付けられる。
また、一次転写での中間転写ベルト20の感光体ドラム10への接触幅が例えば50mm以上と非常に広く設定されるため、中間転写ベルト20に対し安定した従動が実現でき、しかも、無駄な転写ニップ前後での空隙がないため、放電によるトナーの飛び散りがない状態で一次転写される。
このため、トナー像の乱れや、飛び散りなどがない高画質が得られた。
本実施例は実施の形態モデルに係る画像形成装置を用い、中間転写ベルト20(具体的にはベルト基材51)の伸長率とベルト基材51の体積抵抗値との関係を評価したものである。
ここで、本実施の形態モデルは以下の通りである。
図3(a)において、感光体ドラム10はOPC感光体を使用し、現像装置13には非磁性一成分方式の現像方式が使用されている。
潜像電位は−100V、背景部電位は−350V、現像ロールはRa0.1〜5.0μm程度の凹凸を設け、アルミニウムなどを切削加工したもので、他に表面に導電粉を分散させた樹脂層を形成したものでもよい。今回はφ10のアルミニウムを切削加工の後に、サンドブラスト処理をし、表面に陽極酸化処理を施したものを使用した。帯電方法はコロナ放電による非接触帯電である。
次に、使用するトナーはスチレン樹脂、アクリル樹脂若しくはポリエステル樹脂などの各種熱可塑性樹脂中に顔料や含金属アゾ染料系などの極性制御材を分散し粉砕、分級により5〜8μm(平均粒径 7μm)の大きさにしたものを使用した。
具体的には、富士ゼロックス社製、A COLOR 935用のマゼンタ、シアン、イエロ、ブラックトナーを使用した。
また、定着装置45は定着ロールと加圧ロールとを圧接したものであり、定着ロールはφ40のSUS材で、厚さ0.5mmのものを使用し、熱源には定格電力が550Wのタングステンランプを使用した。
一方、定着時の圧力ロールはφ30のアルミニウムの円筒に肉厚が約50μm程度のゴムの弾性層を付けたものを使用した。
まず、使用したベルト基材51は、クロロプレンゴムにEPDMを混練させ、抵抗調整に、例えばケッチェンブラック(粒子状フィラー)とアルミナ製長繊維型付フィラーとを混入させ、バンバリーミキサーで混練させ、加硫剤を加えて押し出し成形を行った。
尚、長繊維型フィラーとしては繊維径4.3μm、軸長20μmの導電処理したアルミナを使用した。
ベルト基材:
ポリクロロプレンゴム 100重量部
EPDM 20重量部
酸化亜鉛 5重量部
プロセスオリル 15重量部
硫黄 1重量部
加硫促進剤 1 1重量部
加硫促進剤 2 1重量部
導電性フィラー:
・粒子状フィラー
ケッチェンブラック 50重量部
・長繊維型フィラー
アルミナ 25重量部
保護層:
水系塗料エムラロン345(日本アチソン社製)膜厚6μm
PTFE 5重量部
上記混練したベルト基材を約150℃で1時間、金属製のマンドレルに覆い被せた状態で加硫させ、さらに、110℃で15時間調質が行われる。その後、研磨を両面に対して、同様に研磨用マンドレルで研磨し表面の平滑性を得た。その後、PTFE樹脂を混入させた、オーバーコート剤をスプレーガンにて厚さ6μmになるように、マンドレルを回転させながら塗布し、オーブンにて150℃で約5min程度乾燥させて、表面粗さで、Rz2.0μm〜8.0μmを得た。
また、中間転写ベルト20が回転するプロセススピードは、105mm/sec(A4横:20ppm相当)にて実施した。
このように形成された実施例、比較例において、夫々の中間転写ベルトを伸長率0%にてベルト基材の体積抵抗値を測定したところ、いずれも7LogΩであった。
この後、夫々の中間転写ベルトをテンション5kg(片側張架時)で張架し、中間転写ベルトを上記プロセススピードで回転し続けると、中間転写ベルトは経時での永久伸びによりベルト基材の伸長率が変化することになる。
この状態において、実施例、比較例の中間転写ベルトのベルト基材の抵抗変化を測定したところ、図4に示す結果が得られた。
同図によれば、実施例は、中間転写ベルト(具体的にはベルト基材)の伸長率が0〜6%に変化しても、ベルト基材の体積抵抗値はほとんど変化していないが、比較例は、ベルト基材の伸長率に応じてベルト基材の体積抵抗値も増加傾向にあることが理解される。
このことからすれば、中間転写ベルトのベルト基材の導電性フィラー構成の差異(粒子状フィラー+長繊維型フィラー)がベルト基材の伸長率変化に対しベルト基材の抵抗上昇を抑制する上で作用していることを裏付けている。
実施例1と同様な画像形成装置を用い、中間転写ベルトのベルト基材への長繊維型フィラーの長さを10、20、30、40、50、60(μm)と変化させ、夫々の場合におけるベルト基材の抵抗上昇抑制効果(抵抗安定性)、分散性(株式会社ADVANTEST製の抵抗測定機による全面表面抵抗、体積抵抗測定)を調べたところ、図5に示す結果が得られた。
ここで、抵抗上昇抑制効果については抵抗変化が対数表示で1桁未満である場合を○、それを満たさないものを×とし、また、分散性についてはΔρs(表面抵抗ムラ)≦許容値、Δρv(体積抵抗)≦許容値を満たすものを○、これを満たさないものを×とした。
同図によれば、長繊維型フィラーの長さが20〜50μmであれば、ベルト基材の抵抗上昇抑制効果及び分散性が良好に保たれることが理解される。
実施例1と同様な画像形成装置を用い、中間転写ベルトのベルト基材への導電性フィラーのうち長繊維型フィラーの分散量を10、20、30、40、50(wt%)と変化させ、夫々の場合におけるベルト基材の抵抗変化(Δρv)、硬度を調べたところ、図6に示す結果が得られた。
ここで、この硬度測定は、島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH 201)を用い、三角錘圧子、変位フルスケール10μm、試験荷重0.25kgf、負荷速度0.0145gf/secで、保持時間5secの条件で測定した。尚、この硬度測定はマイクロ硬度計によるアスカC硬度などでも代用可能である。
図6によれば、長繊維型フィラーの分散量が10wt%の場合、抵抗変化が2桁になってしまうのに対し、40wt%の場合には抵抗変化は抑えられるが、ベルト基材の硬度が7Mpaと大きくなり、像抜けなどの画質不良が発生し、また、50wt%の場合にはベルト基材の硬度が9Mpaになり、ベルト基材にクラックが発生する懸念もある。
このため、長繊維型フィラーの分散量として、20〜30wt%であれば、ベルト基材の伸長率変化に対しても、抵抗変化が抑制され、かつ、硬度が不必要に高くなる懸念もないことが理解される。
Claims (4)
- 弾性材からなるベルト基材を備えた搬送ベルトにおいて、
ベルト基材には抵抗調整用の導電性フィラーを分散させ、この導電性フィラーには、平均粒径が0.1ないし0.7μmの粒子状フィラーと、この粒子状フィラーより少なく且つ前記導電性フィラーのうちの20ないし30wt%の比率で分散し、平均繊維径が5ないし30μmで長手方向の長さが20ないし50μmの中実の長繊維型フィラーとを混在させ、
前記ベルト基材の伸長率が6%以下のときに当該ベルト基材の伸長後の抵抗値が伸長前の抵抗値に比べて対数表示による対比で1未満に抑制されることを特徴とする搬送ベルト。 - 請求項1記載の搬送ベルトにおいて、
前記ベルト基材の表面が保護層にて被覆されていることを特徴とする搬送ベルト。 - トナー像が担持可能な像担持体と、この像担持体上のトナー像を直接若しくは間接的に搬送する請求項1又は2いずれかに記載の搬送ベルトとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項3記載の画像形成装置において、
前記搬送ベルトは前記像担持体上から転写されたトナー像を記録材に転写する中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
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