JP4479730B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4479730B2
JP4479730B2 JP2007006470A JP2007006470A JP4479730B2 JP 4479730 B2 JP4479730 B2 JP 4479730B2 JP 2007006470 A JP2007006470 A JP 2007006470A JP 2007006470 A JP2007006470 A JP 2007006470A JP 4479730 B2 JP4479730 B2 JP 4479730B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
cleaning
toner
image
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2007006470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007108792A (ja
Inventor
新一 倉本
光雄 山本
幸市 渡辺
雅弘 佐藤
渡 鈴木
秀一 西出
篤行 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2007006470A priority Critical patent/JP4479730B2/ja
Publication of JP2007108792A publication Critical patent/JP2007108792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4479730B2 publication Critical patent/JP4479730B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられ、像担持体上の帯電残留物を清掃するクリーニング装置に着目し、特に、弾性を備えた像担持体に対するクリーニング性能を改善する上で有効なクリーニング装置用いた画像形成装置の改良に関する。
従来からカラー化の普及に伴い、中間転写方式を使用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する出願がされている。例えば特開昭63−301960号公報所載の直接転写方式の画像形成装置と比較すると、中間転写ベルト自体に何の変更もせずに、封筒、はがき、ラベル紙や、厚紙までも大きさに関わらず転写できる利点を有している。
このような中間転写体ベルトにおいて、このような利点を生かすためには中間転写ベルトと感光体ドラムとのニップ域、及び、二次転写時での転写ベルトと転写ローラとのニップ域の圧力を十分にかつ密着性を上げる必要がある。
そのためには、中間転写ベルト自体を柔軟なゴム材料などの弾性材料で形成することが考えられる。
特開昭63−301960号公報
ところが、このような弾性部材を使用した場合、一番の問題となるのが転写後の残留トナーのクリーニング方法である。
通常、用いられるポリイミド樹脂などに代表される硬質材料ではウレタンブレード等によるブレードクリーニング方式がコスト、性能の点で一般的である。
しかし、弾性材料の場合には、同様な方式を採用すると、特にドクタ方式ではベルト材との摩擦係数が大きくなりすぎ、ブレードめくれを発生させてしまう。
更に、めくれを回避するためにワイパ方式で使用した場合には、十分なクリーニング性が得られず、クリーニング不良を発生させてしまう。
このような問題を回避する他のクリーニング方式としては、例えば残留トナーを静電的にクリーニングロールに吸着させ、吸着したクリーニングロール上のトナーに対し再度逆バイアスを印加したブレードで掻き落とす方式がある(例えば特開平10−333447号公報参照)。
しかし、このような方式では、過帯電したクリーニングロール上のトナーを再びブレードで落とす事が困難になり易く、更に、残留トナーの吸着力を上げるために印加バイアスを上昇させると、更に回収に必要な印加バイアスも高くなり、放電によるさまざまな極性の電荷を帯びたトナーが発生し、最終的にはクリーニングロール上若しくはブレード上に固着してしまうという技術的課題が生じてしまう。
このような方式とは別に、残留トナーが感光体の帯電極性と逆極性に帯電せしめられる帯電機構を設け、残留物を感光体上で除去する方式が特開平1−105980号公報を始め数多く出願されている。
この技術で最も重要なのが、残留トナーの極性を変更するデバイスにトナーが付着してはならない事である。
この技術の場合、トナーの電荷が低い領域では半導電性のクリーニングロール上にトナーの付着がなく、残留トナーのみが極性反転し、感光体へ転写、回収されるが、トナーの帯電レベルが高くなると、印加するバイアス自体も高くなり、その分、トナーが過帯電してしまい、結果としてクリーニングロール上に付着し結果として固着してしまう。
この方式の場合、クリーニングロール自体の材質が導電性の金属などの場合は、クリーニングロールに付着したトナーの電荷が減衰し、静電的な付着力の上昇が避けられ、トナー電荷の比較的高い環境においても、クリーニングロール上のトナー付着は少ない。
しかし、導電性なため高い印加バイアスでは、リークが発生しやすく、残留トナーの極性反転ムラなどが発生してしまう。
これらの方式を解決する別の方法として、例えばクリーニングロールの代わりにブラシロールを設定し、残留トナーと同極性のバイアスをブラシロールに印加し、トナーと中間転写ベルトとの静電的な付着力を静電的な反発力によって弱めさせて、感光体などに回収しやすくする方法が提案されている(特開平8−262879号公報参照)。
しかしながら、このような方法では、ブラシロールにより残留トナーを何度もこすり付けるため、外添剤などが遊離しやすくなり、結果として中間転写ベルト上に外添剤がフィルミングしてしまうなどの根本的な問題を抱えている。
更に、別の先行技術では、中間転写ベルト上の残留トナーの極性を反転させ、更に感光体に転写しやすい様に中間転写ベルトと感光体との周速差を設けるなどの方式を採用したものが提案されている(例えば特開平4−296785号公報参照)が、感光体との周速差を付けると、中間転写ベルトに傷が発生しやすくなり、感光体への残留物のフィルミングの発生が懸念される。
このように、基本的には、どの先行技術も原理的な問題を抱えており、簡単な構成で、二次障害なく、残留トナーを中間転写ベルト上からストレスなく回収又は残留トナーの極性反転若しくは電荷レベルの低減を行う事が不可能な状況であり、特に静電的に付着しづらく、かつ、高い印加バイアスでもリーク性に対して問題のない性能が両立されたデバイスの開発が望まれている状況である。
尚、このような技術的課題は、中間転写型の画像形成装置に限られたものではなく、各種の画像形成装置、特には、クリーニング対象が弾性を有する像担持体であるタイプにおいて顕著である。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、二次障害なく、帯電残留物を像担持体からストレスなく回収又は帯電残留物の極性反転若しく電荷レベルの低減を行わせることを可能としたクリーニング装置用いた画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、図1(a)に示すように、トナーによる画像が形成担持される像担持体1の一要素である像形成担持体1a(図1(b)参照)と、この像形成担持体1aに対向配置されて像形成担持体1a上の画像を一次転写する弾性を有する像担持体1の一要素である中間転写体1bと、この中間転写体1b(図1(b)参照)上の帯電残留物2を清掃するクリーニング装置3とを備えた画像形成装置であって、前記クリーニング装置3は、その表面に被覆層4を有し且つ該被覆層4が被覆樹脂4aに電荷輸送剤4bを分散させたクリーニング部材3aと、このクリーニング部材3aに対し前記像形成担持体1a上のトナーと逆極性の所定のバイアスを印加するバイアス電源3bとを備えたことを特徴とする。
このような技術的手段において、本発明は、クリーニングし難い弾性を有する像担持体1に対しても充分なクリーニング性能が得られるため、特に、弾性を有する像担持体1をクリーニング対象とするものである。
また、「帯電残留物2」は電荷を帯びたトナー等の残留物を広く含む。
更に、「清掃」には、直接回収に限らず、帯電残留物2の極性を反転若しくは帯電レベルを抑制した後に他のデバイスにて間接回収させる態様をも含む。
更にまた、クリーニング部材3aには、本願を適用できる範囲においてロール、ブレード、ブラシなどを広く含むが、ストレスを少なくするという観点からすればロールが好ましい。
この場合、被覆層4の基材として周動可能なロール状部材を用いるようにすればよい。
また、被覆層4の製法としては、スプレー塗工、ロールコート、浸漬塗工など各種のものが挙げられる。
そして、「被覆樹脂4aに電荷輸送剤4bを分散」という要件は、クリーニング対象である像担持体1上の帯電残留物2を回収又は極性反転若しくは電位レベルの低減を行うに当たり、クリーニング部材3aの抵抗を維持したまま、表面に付着した残留物(トナー)の電荷を減衰させることを可能とする。
更に、本発明は、クリーニング部材3aに所定のバイアスが印加されたものを使用するものであり、この場合には、クリーニング部材3aにバイアス電源3bを接続するようにすればよい。
本態様においては、高い印加バイアスでも、リーク性に対して問題はないため、バイアス印加方式を安心して適用することができる。
また、本発明では、電荷輸送剤4bの分散樹脂(被覆樹脂4a)の代表的態様としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリカーボネート樹脂の群から選択された1種類以上の樹脂であるものが挙げられる。
電荷輸送剤4bの分散樹脂を選択する場合、トナー材料の極性と同極性に帯電させやすい材料として、決定される。例えば、ポリカーボネートに代表されるような硬質なベンゼン環が多い材料系は、比較的プラスに帯電し、アクリル系はマイナスに帯電する作用を有するためである。
更に、電荷輸送剤4bの代表的態様としては、ブタジエン化合物、ベンジジン化合物、ヒドラジン化合物及びトリフェニルアミン化合物の群から選択された1種類以上の化合物であるものが挙げられる。
これらの電荷輸送剤4b、特にブタジエン系化合物の導電性又は半導電性の粉体は電荷発生機能をも有するため、電荷輸送機能が発現される。
尚、アクリル樹脂などに、帯電残留物2の極性とは逆極の粉体を分散させた場合などは、表面に付着した帯電残留物2表面の電荷密度を局在化させる効果はあるが、この分散樹脂層中に残留電荷が蓄積(50V程度)する事が判明した。
この残留電荷が蓄積されると、帯電残留物2とクリーニング部材3aとの付着力などが増加し、静電的な付着力が発現してしまうなどの二次障害が発生してしまう。
また、電荷輸送剤4bの添加量については、被覆樹脂4a100重量部に対して5〜50重量部とするのがよく、好ましくは5〜35重量部の範囲が適当である。
ここで、電荷輸送剤4bの添加量が5重量部より少ないと電荷の輸送機能が発揮されない。一方、電荷輸送剤4bが50重量部を超えると、被覆樹脂4aへの分散が悪化し、基材へコートした場合の表面性が悪化してしまう。
更に、被覆樹脂4aへの分散剤としては電荷輸送剤4bの他に添加してもよい。
例えば、より電荷を安定的にするという観点からすれば、前記被覆樹脂4aに導電性又は半導電性の粉体(例えばカーボン系の導電性粉体)を添加してもよく、本態様によれば、より帯電残留物(トナー)2の電荷の減衰が顕著に現れる。
この電荷減衰速度は光を受けなくても非常に早く数秒で減衰される。残留電荷は一般的にこの導電性又は半導電性の粉体の存在しないところに存在すると考えられるが、そこに電荷輸送剤4bを添加していることにより残留電荷が輸送されてその蓄積が防止される。
ここで、導電性又は半導電性粉体の好ましい粒径としては、0.05〜5μmの範囲であり、好ましくは、0.1〜2μmの範囲である。
これらは分散させる樹脂に均一に分散させるのに有効な範囲である。
この導電性又は半導電性の粉体、例えばカーボンやグラファイトなどは、使用する画像材料(トナー)の帯電量やクリーニング装置の使用条件、例えば印加されるクリーニングバイアスなどのレベルに左右されるため、一概には規定することはできないが、例えば導電性の粉体を使用する場合には、被覆層4の被膜の強度や分散性からの観点で、導電性粉体と被覆樹脂4aとの混合比が1:5〜2:1程度、言い換えれば、導電性粉体の添加量を被覆樹脂100重量部に対して20〜200重量部とするのが好ましい。
また、本発明において、クリーニング部材3aをロール状部材で構成する場合には、被覆層4の基材は周動可能な金属又はアルミニウム合金などを用いることが可能である。これらは押し出し成型などにより円筒状に成型されている。このような構成に適応させる事で、ベルト状の像担持体1に従動させる事が可能になり、また、ベルト状部材表面を擦らないため、機械的なストレスを与えず、摩擦抵抗の大きい弾性を有する像担持体1(例えば中間転写体1b:図1(b)参照)などへの適応が可能である。
更に、本発明において、被覆樹脂4aにはメラミン樹脂を添加することが好ましく、その添加量としては被覆樹脂4a100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましい。
このような添加を実施する事により、特に帯電残留物(トナー)2へのマイナス帯電性が安定する。これは使用する画像材料(トナー)の極性によって選択されなければならないが、画像材料(トナー)電荷量を適正化、つまり、クリーニング部材3aでの印加バイアスレベルを適正化する場合に有効な添加物であり、前記導電性又は半導電性の粉体とこのメラミン樹脂とを適宜混合させることで、帯電残留物(トナー)2の帯電レベルの適性化が計れる。
この場合も、被覆樹脂4a中に発生した残留電荷が分散されている電荷輸送機能により残留電荷の蓄積は防止される。
このように、本発明は、上述したクリーニング装置用いた画像形成装置対象とする。
この場合、本発明は、図1(b)に示すように、像担持体1と、この像担持体1上の帯電残留物2を清掃するクリーニング装置3とを備え、前記クリーニング装置3として、上述したクリーニング装置を使用するようにすればよい。
そして、画像形成装置の代表的態様としては、図1(a)(b)に示すように、像担持体1と、この像担持体1上の帯電残留物2を清掃するクリーニング装置3とを備えた画像形成装置において、像担持体1は、画像が形成担持される像形成担持体1aと、この像形成担持体1aに対向配置されて像形成担持体1a上の画像を一次転写する弾性を有する中間転写体1bとを備え、前記クリーニング装置3は前記像形成担持体1a及び前記中間転写体1bに夫々設けられ、中間転写体1b側に設けられるクリーニング装置3は、その表面に被覆層4を有し且つ該被覆層4が被覆樹脂4aに電荷輸送剤4bを分散させたクリーニング部材3aと、このクリーニング部材3aに対し前記像形成担持体1a上のトナーと逆極性の所定のバイアスを印加するバイアス電源3bとを備え、中間転写体1b上のトナーを含む帯電残留物2の極性を反転した上で再度像形成担持体1a側に帯電残留物2を転移させ、像形成担持体1a側のクリーニング装置(図示せず)で回収させるものが挙げられる。
尚、図1(b)において、符号5は像形成担持体1a上の画像を中間転写体1bに一次転写する一次転写手段、6は中間転写体1b上の画像を記録材7に二次転写する二次転写手段である。
また、本態様では、中間転写体1bがベルト状部材であり、像形成担持体1aがドラム状部材として構成されているが、両者の関係が逆になっても差し支えない。
また、図1(b)に示す画像形成装置において、像形成担持体1a及び中間転写体1bのいずれか一方(本例では像形成担持体1a)をドラム状に、前記他方(本例では中間転写体1b)をベルト状に構成し、像形成担持体1a及び中間転写体1bのいずれか一方を駆動源とし、他方を従動回転させるようにする態様が好ましい。
本態様によれば、このような駆動構成にすることで、一方の駆動機構を省略することができ、その分、駆動コストを抑制できるほか、中間転写体1bと像形成担持体1aとの駆動干渉からくる、中間転写体1bの厚み変動や、プロセス方向の送り変動などの変動要因を除外することができる。
特に、本発明のクリーニング装置3は、ベルト状部材に対して摺動抵抗が少ないため、この種のクリーニング装置3を適用することで、駆動負荷を少なくできる点で好ましい。
更に、図1(b)に示す画像形成装置において、像形成担持体1a及び中間転写体1bのいずれか一方をドラム状に、前記他方をベルト状に構成し、ベルト状部材(本例では中間転写体1b)をドラム状部材(本例では像形成担持体1a)の形状に沿って接触配置する態様が好ましい。
本態様によれば、中間転写体1bを出来るだけ像形成担持体1aの形状に沿わせる事で、転写の際のニップ域前後での無駄な空隙による放電をなくし、画像(トナー像)の飛び散りを防止することができる。
また、樹脂系の硬いベルトでは、像形成担持体1aに対する押圧が高くなりすぎ、画像(トナー像)の中抜けなどが発生してしまうので、本態様では、弾性材料などを用いることで、低い接触圧で像形成担持体1aとの密着性を上げなければならないのである。
更に、両者の接触面積を拡大することに伴って、前述した従動回転方式を採用し易くなり、その分、両者の駆動干渉に伴う像乱れを有効に防止することができる。
特に、本態様においては、本発明に係るクリーニング装置3はベルト状部材に対してはより摺動抵抗の少ないロール方式が好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、トナーによる画像が形成担持される像形成担持体と、この像形成担持体に対向配置されて像形成担持体上の画像を一次転写する弾性を有する中間転写体とを備え、クリーニングし難いとされている弾性を有する中間転写体クリーニング装置によるクリーニング対象とする態様であるが、クリーニング装置のクリーニング部材の表面被覆層を工夫(被覆樹脂に電荷輸送剤を分散する構成)し、かつ、クリーニング部材に所定のバイアスが印加されるバイアス電源を工夫することで、リークし難く、かつ、帯電残留物の電荷を減少させる機能を併せ持つことを実現したので、簡単な構成で、二次障害なく、帯電残留物を像担持体からストレスなく回収又は帯電残留物の極性反転若しくは帯電レベルの低減を行うことができる。
また、このような画像形成装置によれば、特に、クリーニングし難いとされている弾性を有する中間転写体に対するクリーニング性能を簡単な構成で実現することができるため、性能を落とさずに、クリーニング不良のない画像形成装置を低コストで提供することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、画像形成装置は、感光体ドラム10と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために前記感光体ドラム10に一定領域にて感光体ドラム10形状に沿うように接触する中間転写ベルト20とを有する。
本実施の形態において、感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の静電潜像を書込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、前記中間転写ベルト20と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17とが配設されている。
ここで、帯電装置11としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロンなどの帯電器を用いてもよい。
また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。
更にまた、クリーニング装置17については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
また、中間転写ベルト20は、図2に示すように、4つの張架ロール21〜24に掛け渡されるものであって、ロータリ型現像装置13とクリーニング装置17との間に位置する感光体ドラム10面に沿う形で所定の接触領域だけ密着配置されている。
ここで、この中間転写ベルト20と感光体ドラム10とは夫々別駆動系で駆動されていてもよいが、本実施の形態では、中間転写ベルト20が後述するように弾性ベルトであり、しかも、感光体ドラム10の周面に沿って接触配置されていることから、中間転写ベルト20は、例えば感光体ドラム10を駆動源として、従動回転するようになっている。
そして、中間転写ベルト20が感光体ドラム10に密着した接触領域の一部には中間転写ベルト20の裏側から一次転写装置としての一次転写ロール25が接触配置されており、所定の一次転写バイアスが印加されている。
更に、中間転写ベルト20の張架ロール22に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール22をバックアップロールとして対向配置されており、例えば二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール22が接地されている。
更にまた、中間転写ベルト20の張架ロール21に対向した部位には、ベルトクリーニング装置26が配設されている。
また、用紙などの記録材40は、供給トレイ41に収容されており、ピックアップロール42にて供給された後、レジストロール43を経て二次転写部位に導かれ、搬送ベルト44を通じて定着装置45へ搬送されるようになっている。
また、本実施の形態において、中間転写ベルト20は、図3に示すように、弾性を有するベルト基材51と、このベルト基材51の表面を被覆する保護層52とを備えている。
ここで、本実施の形態で用いられるベルト基材51としては、例えばクロロプレン(CR)とEPDMとをブレンドした材料が用いられている。
ベルト基材51の製法については任意の製法を用いて差し支えないが、例えば以下のように製造される。
すなわち、ベルト基材51を製造する工程は、先ず、クロロプレンゴムにEPDMを混練させ、抵抗調整剤を混入させてミキサーで混練させ、加硫剤を加えて押し出し成形を行う。
この場合、抵抗調整剤としては、通常粒子状フィラー511を用いるが、ベルト基材51の伸長率の変化に応じてベルト基材51の抵抗変化を抑制するという観点からすれば、前記粒子状フィラー511と弾性中空フィラー512とを混入させたものを用いるのが好ましい。
ここで、粒子状フィラー511としては導電剤が用いられるが、導電剤としては、カーボンブラックを始め、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化スズ、グラファイト、LiClO、LiAsFなどの金属塩、各種4級アンモニューム塩などが挙げられる。
また、弾性中空フィラー512としては、例えば長繊維型フィラーが用いられる。
この長繊維型フィラーの基材は例えばシリコーンを使用するが、一般的の可塑剤を含む架橋ゴム材料に対する密着性が高いものとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。更に、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの、ジエン系合成ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴムフッソゴム、エピクロロヒドリンゴムなどの、非ジエン系合成ゴムなどでもよい。
更に、本実施の形態では、両フィラーの分散比率としては、粒子状フィラー511の方が弾性中空フィラー512よりも多く設定される。
例えば長繊維型フィラーの大きさは外径0.7μm、長さ20μmで、添加量は15Wt%であるのに対し、ベルト基材51の抵抗調整用の導電剤としての粒子状フィラー(例えばカーボンブラック)511は50Wt%である如くである。
また、弾性中空フィラー512の製造方法について説明する。
一般的には粒子状の中空フィラーは市販化されており、シリカや硝子粒子のバルーンフィラーがそれだが、製造方法もそれと似ている。
基本的には、予め中空のコアを成型しておき、この型に混練した基材を挿入して中で発泡させ、その表層のみを取り出す事により、微小な弾性中空フィラー512が成形される。
ここで、弾性中空フィラー512自身の長さは型の形状で決まるが、長い状態で成形し、順次所望の長さに切断する事で得られる。
尚、ベルト基材51に導電性を付与するために、中空フィラー成形前に、例えばカーボン粒子を所定量(例えば5重量部)混入させ、成形することが行われる。
この方法以外にも、加熱可能な型内に基材を挿入し、外部より型を加熱する事により、基材を熱膨張させ、その膨張力で型の内面に基材を押し付けるとともに、その基材を硬化させて、中空成型フィラーを得るものなどがある。
このような中空弾性フィラー512を混入させると、弾性中空フィラー512は、ベルト基材51中において、中空の状態では、中間転写ベルト20の厚み方向における分散密度が圧縮した場合に比べて低いため、体積抵抗が圧縮した場合に比べ高くなる。一方、圧縮した状態では、空隙が無くなることから、導電パスが多くなり、その分、体積抵抗が低下する。
このため、中間転写ベルト20が伸長すると、体積抵抗は導電性粒子の分散密度が低下するため高くなるが、この体積抵抗の上昇分は前記弾性中空フィラー512の抵抗低下により抑制される。
上記混練したベルト基材、すなわち、予備成形後のベルト基材を押出成形する場合には、加硫マンドレルといわれる金属製のベルト内径と同サイズの外径を持つシリンダに混練したベルト基材を覆い被せた状態で所定条件(例えば150℃で約1時間)にて加硫させ、しかる後に、必要とするモジュラスに応じて時間を変更しながら所定条件(例えば110℃で15時間)にて二次加硫を行う。
その後、研磨用マンドレルにベルト基材を被せてベルト基材の内周面と外周面とを研磨し、表面の平滑性を得るようにする。
このようにしてベルト基材51を作成した後、ベルト基材51の表面に保護層52が形成される。
この保護層52の材料は、摩擦抵抗低減、表面粗さ低減による残留トナークリーニング性の向上という目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではないが、一般的に、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、又は、フッソ系樹脂ポリマーをアルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、などに溶解、分散した塗料を使用する事ができる。
これらの保護層52はディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコートなどにより塗布する事が可能で、膜厚は5μm〜20μm程度が適当である。あまり厚く塗布してしまうと、下層の弾性力が阻害されて、転写の際に、トナー像との密着性が低下してしまう。
具体例を述べると、保護層52を形成するためのオーバーコート剤としては、例えばウレタン系の樹脂マスターバッチをベースにPTFE樹脂を添加し、カーボンブラックで抵抗調整を行うものが用いられる。そして、塗装はスプレーガンによる塗装方式で、ベルト基材が冷えたマンドレルに被せられ、約200rpm程度回転させながら、スプレーガンにて所定厚さ(例えば10μm)に吹き付けられる。この後、オーバーコート剤の乾燥は所定条件(150℃で約5min)にてオーブンで行う。
この中間転写ベルト20の抵抗について説明する。
基本的にベルト基材51の部分は10〜1011Ω、最表層の保護層52は1010〜1014Ωになるように調整し、高電圧印加時の絶縁耐圧を確保するために全体で、体積抵抗率が10〜1012Ω・cm程度になるように膜厚調整をするのが好ましい。
次に、本実施の形態で用いられるベルトクリーニング装置26について説明する。
このベルトクリーニング装置26は、図4(a)に示すように、クリーニングホルダ61にクリーニングロール62を保持し、中間転写ベルト20の張架ロール21をバックアップロールとして中間転写ベルト20に前記クリーニングロール62を対向配置したものである。
本実施の形態において、クリーニングロール62自体は、図4(a)及び図5(a)(b)に示すように、アルミニウム合金でできた成型品からなる基材63を用い、この基材63の表面に所定の被覆層64を形成したものである。
ここで、被覆層64を形成する被覆樹脂641としては例えばアクリル系樹脂が挙げられ、このアクリル系樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸エステルとの共重合体、メチルメタクリレートとスチレンなどのビニルモノマーとの共重合などを挙げる事ができる。
この場合のアクリル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、ブチル、オクチル、フェニルなどを挙げる事ができる。
その他にビニルモノマーとしては、スチレン、クロロスチレンなど、プロピレン、イソプレンなどのモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどを用いることができる。アクリル系樹脂が共重合体の場合は、前記アクリル系モノマーを50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有させる必要がある。
また、本実施の形態で使用するアクリル系樹脂の重量平均分子量は10,000〜20,000好ましくは40,000〜100,000の範囲が適当である。重量平均分子量が小さすぎると、被膜の摩耗が大きくなり、一方、大きすぎると、粘度が高くなりすぎ、クリーニングロール62へのコートができなくなってしまう。
また、本実施の形態では、被覆樹脂641には電荷輸送剤642が分散されている。
ここで、本実施の形態で使用される電荷輸送剤642に関して説明する。
基本的には有機感光体に使用される電荷輸送剤642(CLT剤)を使用する事ができ、具体的には1.1−ビス(パラ−ジエチルアミノフェニル)-4、4-ビフェニル-1、3−ブタジエンなどのブタジエン化合物、N,N-ジフェニル−N、N-ビス(3-メチルフェニル)ベンジジン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン化合物などを使用することができる。これらは、本実施の形態では、カーボンなどの導電性粉体との併用で用いられる。
有機感光体(OPC)に適応される場合には、電荷発生剤と併用して電荷の輸送機能が発現されるが、本実施の形態で使用する導電性又は半導電性の粉体は電荷発生機能をも有するため電荷輸送機能が発現される。
このような分散樹脂を形成すると、特に、図5(b)に示すように、クリーニングロール62表面に付着したトナーの電荷がカーボンなどの導電剤により電荷が基材63へとリークするが、導電性粉体のない部分に偏在した残留電荷は電荷輸送剤642の電荷輸送機能により輸送されて、その蓄積が防止される。
この点、図5(c)に示すように、電荷輸送剤642のない被覆樹脂641からなる被覆層64’だけでは、上述した電荷輸送機能が発揮されないため、残留電荷が蓄積されてしまう。
尚、他に混合させる導電性粉体としては、例えば二流化モリブデン、二流化タングステン、窒化ホウ素、グラファイトなどを2種類以上混合させてもよい。
また、本実施の形態では、クリーニングロール62には、図4(a)に示すように、バイアス電源65が接続されており、所定レベルのクリーニングバイアスが印加されるようになっている。
そして、本実施の形態においては、このベルトクリーニング装置26は、通常の作像サイクルが終了すると、所定のタイミングでトナーと逆極性のクリーニングバイアスが印加され、中間転写ベルト20上の残留トナーの極性反転を行った後、感光体ドラム10側へ再転移させるようになっている。
ここで、クリーニングバイアスとしては、トナーと逆極性の直流バイアスを用いるようにすればよいが、トナーの極性反転性をより効果的に行うには、交流バイアスを重畳する態様が好ましい。
次に、本実施の形態モデルに係る画像形成装置を用いて、本実施の形態に係る画像形成装置の性能を評価する。
ここで、本実施の形態モデルは以下の通りである。
図2において、感光体ドラム10はOPC感光体を使用し、ロータリ型現像装置13には2成分現像方式の現像方式が使用されている。
潜像電位は−250V、背景部電位は−200V、現像ロールはRa0.1〜5.0μm程度の凹凸を設け、アルミニウムなどを切削加工したもので、他に表面は粗したものが使用されている。今回はΦ10のアルミニウムを切削加工の後に、サンドブラスト処理をし、表面に陽極酸化処理を施したものを使用した。帯電方法は帯電ロールによる接触帯電である。
現像ロール上のトナー層形成方法はトリマーバーで、現像ロール上のトナー量は5g/mである。
次に、使用するトナーはスチレン樹脂、アクリル樹脂若しくはポリエステル樹脂などの各種熱可塑性樹脂中に顔料や含金属アゾ染料系などの極性制御材を分散し粉砕、分級により5〜8μm(平均粒径7μm)の大きさにしたものを使用した。
具体的には、富士ゼロックス社製、A COLOR 935用のマゼンタ、シアン、イエロ、ブラックトナーを使用した。
次に、一次転写ロール25は、Φ15の半導電性スポンジ材からなる体積抵抗率が10Ω・cm程度のものを使用した。
次に、定着装置は定着ロールと圧力ロールとからなるものであり、定着ロールはΦ40のSUS材で、厚さ0.5mmのものを使用し、熱源には定格電力が550Wのタングステンランプを使用した。
一方、圧力ロールはΦ30のアルミニウムの円筒に肉厚が約50μm程度のゴムの弾性層を付けたものを使用した。
更に、今回使用した中間転写ベルト20は以下の通りである。
まず、使用したベルト基材は、クロロプレンゴムにEPDMを混練させ、抵抗調整に、ケッチェンブラックを、バンバリーミキサーで混練させ、加硫剤を加えて押し出し成型を行った。尚、このモデルでは、ベルト基材に、弾性中空フィラーを使用していない。
また、今回の実施の形態に用いられたクリーニングロール62上の被覆層64はアクリル酸とMMAの共重合体(三菱レイヨン社製BR73、Mw85000共重合比97/3)を被覆樹脂とし、有機感光体(OHP)用の電荷輸送剤である1.1-ビス(パラ−ジエチルフェニル)-4、4−ビフェニル-1、3-ブタジエン(高砂香料社製T405)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、平均粒径4.5μmのカーボン粉体(東海カーボン社製)とモリパウダーPS(MoS粉体;住友金属鉱山社製)を下記の割合で配合して、アルミニウム素管にディップ法で膜厚10μm程度の被膜を形成させた。
基材: ポリクロロプレンゴム 100重量部
EPDM 20重量部
酸化亜鉛 5重量部
プロセスオリル 15重量部
硫黄 1重量部
ケッチェンブラック 50重量部
加硫促進剤 1 1重量部
加硫促進剤 2 1重量部
被覆樹脂(三菱レイヨン社製BR73) 100重量部
モリパウダー 129重量部
カーボン(東海カーボン社製) 25重量部
上記クリーニングロール92に適応させて、中間転写ベルト20は、混練した基材を約150℃で一時間、金属製のマンドレルに覆い被せた状態で加硫させ、更に、110℃で15時間調質が行われる。その後、研磨を両面に対して、同様に研磨用マンドレルで研磨し表面の平滑性を得た。その後、PTFE樹脂を混入させた、オーバーコート剤をスプレーガンにて厚さ10μmになるように、マンドレルを回転させながら塗布し、オーブンにて150℃で約5min程度乾燥させて、表面粗さで、Rz2.0μm〜8.0μmを得た。
また、今回使用した保護層52の材料は、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)を含有したウレタン変性エマルション塗料と硬化剤であるシランカップリング剤で構成されたJLY−841B(日本アチソン社製)塗料を静電塗装法により塗装し、膜厚5μmの導電性保護層を形成した。ちなみに、電気抵抗はDC500V印加時に、基剤込みで1011.5Ω・cmであった。
また、中間転写ベルト20が回転するプロセススピードは、105mm/sec(A4横:20ppm相当)にて実施した。
このように成型された中間転写ベルト20に対し前記電荷輸送剤が分散されたクリーニングロール62を対向配置したモデルにおいて、クリーニングロール62に1.7kVのプラスの逆極バイアスを印加させたところ、クリーニングロール62にてクリーニングされていた残留トナー、具体的には、記録材(画像支持体)にトナー像が転写された後の残留トナーは中間転写ベルト20から感光体ドラム10に再転写され、感光体ドラム10側のクリーニング装置17内へ100%回収された。
これは、特に低温/低湿環境下で、クリーニングロール62上にトナーの帯電量が上昇して、トナー付着が従来(半導電性ロール)多く見られたが、今回はクリーニングロール62へのトナー付着は同様のトナーを用いているにも関わらず確認されなかった。
また、クリーニングロール62上に残留電荷の発生も認められず、安定してクリーニングロール62上のトナー電荷を減衰させる事に成功した。
また、本実施の形態モデルにおいては、クリーニングロール62の適用により、中間転写ベルト20として弾性ベルトを使用することが可能になった。
この結果、感光体ドラム10の駆動により、中間転写ベルト20を従動回転させるようにしたため、中間転写ベルト20の駆動制御コストを大幅に削減できた。
また、一次転写での中間転写ベルト20の感光体ドラム10への接触幅が例えば50mm以上と非常に広く設定されるため、中間転写ベルト20に対し安定した従動が実現でき、しかも、無駄な転写ニップ前後での空隙がないため、放電によるトナーの飛び散りがない状態で一次転写若しくは逆転写される。
このため、ベルトクリーニング装置26にて逆極性クリーニングバイアスを印加することにより、上述したように、転写残留トナーが感光体ドラム10側へと確実に回収される。
このように、本実施の形態では、一つのクリーニングデバイスで、表面抵抗を維持しながら、残留電荷を残すことなく、転写残留トナーへ高いバイアスを印加させることが可能になり、帯電の高いトナーや各種環境においても、クリーニングロール62への静電的なトナー付着をさせる事なく、安定したクリーニング処理が可能になった。
尚、本実施の形態においては、感光体ドラム10と中間転写ベルト20とはオーバーラップした状態で接触配置されており、しかも、中間転写ベルト20が感光体ドラム10からの駆動力に基づいて従動回転するようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば図6に示す変形形態のように、感光体ドラム10、中間転写ベルト20が別々の駆動系を持ち、しかも、感光体ドラム10に対して中間転写ベルト20を線接触させるようにした態様(実施の形態1と同様な構成要素については同様な符号を付す)にも本件発明を適用できることは勿論である。
また、本実施の形態においては、ベルトクリーニング装置26は、残留トナーの極性を反転させ、感光体ドラム10側のクリーニング装置17に回収する態様のものが用いられているが、これに限定されるものではなく、例えば残留トナーの帯電レベルを低減させた後に感光体ドラム10側のクリーニング装置17に回収する態様、あるいは、残留トナーの極性を反転させ又は帯電レベルを低減させた後に、別個の残留トナー回収系に回収する態様、あるいは、図4(b)に示すように、トナー回収ボックス66にクリーニングロール62を設け、このクリーニングロール62にバイアス電源67を接続すると共に、このクリーニングロール62に掻き取りブレード68を付設し、クリーニングロール62にて除去した残留トナーを掻き取りブレード68にて掻き取り、トナー回収ボックス66に回収する態様のものであってもよい。
但し、図4(b)の態様にあっては、バイアス電源67のクリーニングバイアスはトナーと逆極性であるが、図4(a)の態様と異なり、クリーニングロール62へ静電付着可能な程度にクリーニングバイアスを設定するようにすればよい。
◎実施例1
本実施の形態に係るベルトクリーニング装置を使用し、プリント性能及びクリーニング性能を把握するために下記の様な構成で、実験を行った。基本的なプロセス全体の構成は図2と略同様の構成がとられており、ベルトクリーニング装置26の構成も図4及び図5と同様な構成がとられたものを使用している。
感光体 材質:OPC感材 (84φ)
プロセス速度 105mm/sec
現像担持体 Φ15のアルミの中空パイプにアルマイト処理を 施したもの(表面粗さ Ra:1.0)
層形成部材 厚さ0.5mmのSUS板にゴム硬度50度のシ リコンゴムを貼り合わせた物をドクター方式に設 定したもの
転写装置 一次 金属ロールにウレタン発砲で体積抵抗がφ12で 10Ω・cm
二次 発泡製シリコーンゴムにイオン導伝体を配合した もので、Φ18の体積抵抗率が10Ω・cm
潜像電位 −150V
背景部電位 −200V
中間転写ベルト(感光体ドラム駆動によるベルト従動駆動)接触幅30mm
基材: クロロプレンモノマー 100重量部
(デュポン社製)
EPDM 18重量部
(住友バイエル社製)
酸化亜鉛 5重量部
プロセスオリル 15重量部
硫黄 1重量部
(ライオンアクゾ社製)
ケッチェンブラック 50重量部
加硫促進剤 1重量部
ケッチェンブラック 15重量部
被覆樹脂:(三菱レイヨン社製BR73) 100重量部
モリパウダー 129重量部
カーボン:(東海カーボン社製) 25重量部
保護層 :水性塗料エムラロン345(日本アチソン社製)膜厚10μm
PTFE 10重量部
加硫時間:一次(150℃、一時間) 二次(110℃、15時間)
膜厚 : 500μm
外径 : 168Φ
幅 : 330mm
ベルト表面抵抗 : 1011Ω/□
体積抵抗 : 10Ω・cm
定着装置 厚さ0.5mmのSUS材を使用したΦ40の中空 パイプを使用
ヒートランプ 定格650Wのタングステンランプ
プレッシャロール SUS30Φの円筒に肉厚50μmのゴム層を被覆 させたものを使用
感光体ドラム側クリーニング装置
ナイロンブラシのシャフトにDCバイアス+500V
用紙 富士ゼロックス社製 J紙
上記のような構成を基本構成とし、ベルトクリーニング装置26のクリーニングロール62としては、以下のものが用いられる。
基材:アルミニウム素管
被覆層:
被覆樹脂:ウレタン樹脂
電荷輸送剤:1.1-ビス(パラ−ジエチルフェニル)-4、4−ビフェニル-1、3-ブタジエン(高砂香料社製 T405)
クリーニングバイアス:2.0kV/2.0kHz,2.0kVp−p
そして、このようなクリーニングロール62に対し、所定のクリーニング動作を行わせたところ、クリーニングロール62上へのトナー付着はなく、安定して転写残留トナーの極性を反転させることが可能であった。
本実施例及び以下の実施例2〜4及び比較例1〜4の性能評価については図7に示す。
また、本実施例1において、電荷輸送剤642の添加量(被覆樹脂641100重量部に対する添加量)を変化させ、そのときのクリーニングロール62上の残留電荷(電流電位)を調べたところ、図8に示すような結果が得られた。
同図によれば、電荷輸送剤642の添加量が5〜50重量部であれば、残留電荷を充分に小さく抑えられることが理解される。
尚、5重量部よりも小さい場合には、残留電荷の履歴解消が不十分であり、一方、50重量部を超えると、分散状態が悪化することが確認された。
◎実施例2
上記の基本構成は変えずに、実施例1において、アクリル酸とMMAの共重合体100重量部にイソブチルエーテル化メラミン樹脂(大日本インキ化学社製)3重量部を添加して被覆樹脂とし、その他の構成を実施例1と同様にしてクリーニングロールを得た。
このような構成では、よりトナー帯電性が安定し、均一な残留トナーの帯電が得られた。
このとき、使用した用紙は富士ゼロックス社製 R紙を使用した。
◎実施例3
実施例1の構成のまま、導電性粉体(カーボン)を省略し、電荷輸送剤などの配合を下記のように変更して同様にクリーニングロールを得た。
被覆樹脂(三菱レイヨン社製BR73)100重量部、電荷輸送剤(高砂香料社製T405)、30重量部、MoS粉体 (住友金属鉱山社製)50重量部。
このような配合でも、クリーニングロール上へのトナー付着はなく、安定して転写残留トナーの極性を反転させる事が可能であった。
◎実施例4
実施例1の被覆樹脂層での構成のまま、クリーニングロールに対する印加バイアスの値を、トナーと逆極の直流印加バイアスを800V、交流印加バイアスを1.2kHz,1.4kVP−Pとして設定し、転写残留トナーをクリーニングロールに直接回収し、表面に付着したトナーをSUSによる掻き取りブレードで、トナー回収ボックス内へと直接回収する方式を採用した。
尚、層規制ブレードへは回収されたトナーとは逆の印加バイアスが印加されている。
このような構成においても、クリーニングロール上のトナーは、確実に電荷が減衰し、クリーニングロール上に付着することなく回収され、中間転写ベルト上に残留トナーが残ることはなかった。
◎比較例1
実施例1の構成のまま、クリーニングロール上には何も被覆させずに、アルミニウム素管のまま、印加バイアスをAC/DC:2.4kHz、2.0kVP−P/+2.0kVとして、残留トナーを逆帯電させた。
この構成では、クリーニングロールへのトナー付着はなかったが、中間転写ベルト上へリークが発生してしまった。また、残留トナー電荷もクリーニングロールの軸方向に帯電ムラが顕著に発生してしまった。
◎比較例2
実施例1と同様な構成のまま、半導電性のアクリルチューブをアルミニウム素管に被せて、比較例1と同様な印加バイアスで残留トナーを逆極に帯電させた。
このような構成の場合は、低温/低湿環境において、トナーの電荷が上昇し、その上昇に伴い、クリーニングロール上にトナーが静電的に強固に付着してしまい、結果として、クリーニングロール表面の抵抗が上昇してしまい、狙いどおりの残留トナーの極性を反転させることができなくなり、クリーニング不良が発生してしまった。
◎比較例3
実施例4と同様な構成で、比較例2と同様な半導電性のアクリルチューブをクリーニングロールに使用した。
この場合、クリーニングロールに付着したトナーをSUSによる掻き取りブレードでは掻き取る事ができずに、結果として、クリーニングロール表面には周方向に掻きとりムラによる筋が発生してしまい、クリーニング不良が発生してしまった。
◎比較例4
実施例1と同様な構成で、電荷輸送剤のみを削除し、同様に残留トナーに対して極性反転バイアスを印加させた。
この場合、アルミニウム素管のみを使用したタイプに比べリークはしづらくなるが、最終的には、残留電荷の蓄積が原因と思われるトナー付着がクリーニングロール上に発生し、最終的には適切な残留トナーへの極性反転が不可能になり、クリーニング不良が発生してしまった。
(a)は本発明に係る画像形成装置で用いられるクリーニング装置の概要を示す説明図、(b)は本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の実施の一形態を示す説明図である。 本実施の形態に係る中間転写ベルトの構成を示す説明図である。 本実施の形態に係るベルトクレーニング装置の構成を示す説明図である。 (a)はクリーニングロールの縦断面説明図、(b)はクリーニングロールの表面構造を示す(a)中B部の詳細図、(c)はクリーニングロールの表面構造の比較の形態を示す説明図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の変形形態を示す説明図である。 実施例1〜4及び比較例1〜4についてのロール上の残留電位、ロール上のトナー、ベルト上の残留トナーの評価結果を示す説明図である。 電荷輸送剤の添加量とロール上の残留電位との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1…像担持体,1a…像形成担持体,1b…中間転写体,2…帯電残留物,3…クリーニング装置,3a…クリーニング部材,3b…バイアス電源,4…被覆層,4a…被覆樹脂,4b…電荷輸送剤,5…一次転写手段,6…二次転写手段,7…記録材

Claims (6)

  1. トナーによる画像が形成担持される像形成担持体と、この像形成担持体に対向配置されて像形成担持体上の画像を一次転写する弾性を有する中間転写体と、この中間転写体上の帯電残留物を清掃するクリーニング装置とを備えた画像形成装置であって、
    前記クリーニング装置は、その表面に被覆層を有し且つ該被覆層が被覆樹脂に電荷輸送剤を分散させたクリーニング部材と、
    このクリーニング部材に対し前記像形成担持体上のトナーと逆極性の所定のバイアスを印加するバイアス電源とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記被覆樹脂が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリカーボネート樹脂の群から選択された1種類以上の樹脂である事を特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記電荷輸送剤が、ブタジエン化合物、ベンジジン化合物、ヒドラジン化合物及びトリフェニルアミン化合物の群から選択された1種類以上の化合物である事を特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記電荷輸送剤の添加量を被覆樹脂100重量部に対して5〜50重量部とした事を特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記被覆層の基材は周動可能なロール状部材である事を特徴とする画像形成装置。
  6. 像担持体と、この像担持体上の帯電残留物を清掃するクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
    前記像担持体は、トナーによる画像が形成担持される像形成担持体と、この像形成担持体に対向配置されて像形成担持体上の画像を一次転写する弾性を有する中間転写体とを備え、
    前記クリーニング装置は前記像形成担持体及び前記中間転写体に夫々設けられ、前記中間転写体側に設けられるクリーニング装置は、その表面に被覆層を有し且つ該被覆層が被覆樹脂に電荷輸送剤を分散させたクリーニング部材と、このクリーニング部材に対し前記像形成担持体上のトナーと逆極性の所定のバイアスを印加するバイアス電源とを備え、中間転写体上のトナーを含む帯電残留物の極性を反転した上で再度像形成担持体側に前記帯電残留物を転移させ、像形成担持体側のクリーニング装置で回収させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
JP2007006470A 2007-01-15 2007-01-15 画像形成装置 Expired - Lifetime JP4479730B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007006470A JP4479730B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007006470A JP4479730B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 画像形成装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002079224A Division JP4048355B2 (ja) 2002-03-20 2002-03-20 クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007108792A JP2007108792A (ja) 2007-04-26
JP4479730B2 true JP4479730B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=38034636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007006470A Expired - Lifetime JP4479730B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4479730B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007108792A (ja) 2007-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8369769B2 (en) Cleaning blade, image forming apparatus, and process cartridge
JP4208513B2 (ja) 画像形成装置
JP5110985B2 (ja) 接触式帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP4118103B2 (ja) 画像形成装置
JP2008203669A (ja) 画像形成装置
JP4428131B2 (ja) 画像形成装置及びこれに用いられるクリーニング装置
JP5167573B2 (ja) 帯電部材、クリーニング部材、及び画像形成装置
JP5103709B2 (ja) 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置
JP4048355B2 (ja) クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置
JP4479730B2 (ja) 画像形成装置
JP3951101B2 (ja) 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置
JP2007248910A (ja) 画像形成装置
JP2005321464A (ja) 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置
JP2004037551A (ja) 現像ローラ及びそれを有する現像装置
JP5071017B2 (ja) 現像装置、現像方法及び画像形成装置
JP2004078029A (ja) 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置
JP3601660B2 (ja) トナー担持体、その製造方法及び画像形成装置
JP2004258260A (ja) 画像形成装置
JP3075242B2 (ja) トナー担持体及び画像形成装置
JP4010128B2 (ja) 画像形成装置
JP2006184786A (ja) 導電性エンドレスベルト、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置
JP2003043765A (ja) 帯電部材および電子写真装置
JP2003131440A (ja) 画像形成装置
JP2006276302A (ja) 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP2009217204A (ja) 帯電部材清掃部材用芯材、帯電部材清掃部材、プロセスカートリッジおよび画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100308

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140326

Year of fee payment: 4