JP2006276302A - 中間転写ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伸張して走行させた場合であっても表面クラックが発生しない中間転写ベルト、及び該中間転写ベルトを用いることによりクラックゴーストが発生せず、良好な画質を得ることができる画像形成装置を提供すること
【解決手段】 像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトであって、表面のダイナミック超微小硬度が0.25以下であることを特徴とする中間転写ベルト、及び該中間転写ベルトを用いたことを特徴とする画像形成装置
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真複写機、プリンタ等の画像形成装置において、電子写真や静電記録プログラムに用いられる中間転写ベルト、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置としては、例えば、感光体ドラム(像形成担持体)と、この感光体ドラムに対して接触転動可能に配置され、かつ感光体ドラム上に形成された可視像を用紙などの記録媒体に転写する転写ロール又は転写ベルトを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、カラー画像形成装置としては、例えば感光体ドラムに対し中間転写体としての中間転写ベルトを対向配置し、中間転写ベルトに各色成分のトナー像を順次一次転写した後、中間転写ベルトより一括して用紙などの記録媒体に転写するものが既に知られている。直接転写方式の画像形成装置と比較すると、中間転写方式を使用した複写機は、封筒、はがき、ラベル紙や厚紙までも大きさに関わらず転写できる利点を有している。
中間転写方式を使用した画像形成装置において、一次転写部での転写効率を上げるためには、感光体ドラムと中間転写体との間に周速度差をつけて機械的にトナーと感光体ドラムとの間にせん断力を与えてトナーの付着力を破壊する手法がある。しかしながら、例えば一次転写部で中間転写ベルトの周速度を感光体ドラムの周速度より速くすると、静電吸着力により中間転写ベルトが感光体ドラムを引っ張るために、感光体ドラムの回転速度に変動が生じ、バンディングや色重ねずれの発生原因になる懸念がある。
このように、転写効率を上げるために周速度差をつけると、転写効率を向上させる対策と画質欠陥を防止する対策が相反してしまい、両立させることが困難であった。
この問題を解決するために、例えば、弾性を有する中間転写ベルトを複数の張架ロールに掛け渡し伸張させ、かつ中間転写ベルトと感光体ドラムとの接触領域を増やすことで、従来の画像形成装置に比べてより高画質で高転写効率を実現することが可能になった(例えば、特許文献2又は3参照)。
特開昭63−301960号公報 特開2003−84581号公報 特開2003−98844号公報
しかしながら、弾性ベルトを伸長して使用する場合、表面にクラックが発生してしまう問題がある。これは、伸張や回転の伸縮によって外側表面と内側とで伸びに差が生じるためであり、特に、弾性体の基材上に樹脂で構成された保護層を形成した中間転写ベルトでは、弾性体の伸びに外側樹脂の伸びが追従できずに亀裂が発生し、大きな問題となる。このような弾性ベルトを中間転写体として使用した場合、ベルト回転1周目にクラックの中にトナーが入り、ベルトクリーナーでもクリーニングされず、表面クラックの中にトナーが溜まる。この状態でベルト2周目に入ったとき、クラック中のトナーの一部が記録媒体に転写されてしまうため、本来画像がのるべきでない部分に画像が転写されてしまう問題が発生する(クラックゴースト)。
本発明は、上記技術的課題を解決することを目的とする。
即ち、本発明の目的は、伸張して走行させた場合であっても表面クラックが発生しない中間転写ベルト、及び該中間転写ベルトを用いることによりクラックゴーストが発生せず、良好な画質を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。即ち、本発明の中間転写ベルトは、
<1> 像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトであって、表面のダイナミック超微小硬度が0.25以下であることを特徴とする中間転写ベルトである。
<2> 体積抵抗率が1×107〜1×1011Ωcmの範囲であることを特徴とする前記<1>に記載の中間転写ベルトである。
<3> 弾性体で構成される基材と、該基材上に形成された保護層と、を少なくとも有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の中間転写ベルトである。
<4> 前記保護層がウレタン系樹脂で構成されることを特徴とする前記<3>に記載の中間転写ベルトである。
<5> 前記基材及び/又は保護層中に、添加物としてカーボンブラック及び/又は導電性金属酸化物を分散させることを特徴とする前記<3>又は<4>に記載の中間転写ベルトである。
<6> 表面の粗さRzが10μm以下であることを特徴とする前記<1>〜<5>の何れか1項に記載の中間転写ベルトである。
<7> JIS−A硬度が80度以下で、且つ永久伸びが5%以下であることを特徴とする前記<1>〜<6>の何れか1項に記載の中間転写ベルトである。
<8> 押出成形によって前記基材をエンドレスベルト状に成形した後、該基材表面に前記保護層を形成することを特徴とする前記<3>〜<7>の何れか1項に記載の中間転写ベルトである。
また、本発明の画像形成装置は、
<9> 画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記トナー像が転写されて該トナー像を担持する中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに担持された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を少なくとも備える画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが、前記<1>〜<8>の何れか1項に記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 前記像担持体及び前記中間転写ベルトのいずれか一方を駆動源とし、他方が従動回転するようにしたことを特徴とする前記<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 前記中間転写ベルトが複数の張架ロールによって張架され、ドラム状の前記像担持体の形状に沿って接触配置されていることを特徴とする前記<9>又は<10>に記載の画像形成装置である。
<12> 前記トナーとして球形トナーを用いることを特徴とする前記<9>〜<11>の何れか1項に記載の画像形成装置である。
本発明によれば、伸張して走行させた場合であっても表面クラックが発生しない中間転写ベルト、及び該中間転写ベルトを用いることによりクラックゴーストが発生せず、良好な画質を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず本発明の中間転写ベルトについて詳述し、その後本発明の画像形成装置について述べる。
<中間転写ベルト>
本発明の中間転写ベルトは、表面のダイナミック超微小硬度が0.25以下であることを特徴とする。ダイナミック超微小硬度が0.25を越える中間転写ベルトであると、画像形成装置に装着し、伸張させて走行した場合に表面クラックが発生し、それによって得られる画像にはクラックゴーストが生じて、画質の劣化につながる。
尚、上記ダイナミック超微小硬度は、更に0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
−ダイナミック超微小硬度の測定−
前記ダイナミック超微小硬度DHは、圧子を試料に一定の押込み速度(mN/s)で進入させたときの試験荷重P(mN)と押込み深さD(μm)とにより、式(1)から算出された硬度である。
DH=α×P/D2 ・・・ (1)
上記式(1)において、DHはダイナミック超微小硬度、αは圧子形状による定数を表す。
尚、上記ダイナミック超微小硬度の測定は、ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S((株)島津製作所社製)で行った。ダイナミック超微小硬度は、軟質材料測定により、三角錐圧子(頂角:115°、α:3.8584)を、ベルトに押込み速度0.14mN/s、試験荷重0.5mNで進入させた時の押込み深さDを測定することにより求めた。
ダイナミック超微小硬度は、圧子を試料に押込んで行く過程における硬度であり、試料の塑性変形分と弾性変形分の両方の特性を表している。ダイナミック超微小硬度は、また、面積、深さともに微小な領域の硬度を測定することができるので、その測定値は複数層から構成された材料であればその全体の表面性状を反映している。
また、上述のダイナミック超微小硬度は、基材や保護層等の膜厚(単層からなるベルトの場合には該層の膜厚、更に中間層等を有する場合には該中間層等の膜厚)を、調整することにより所望の値に制御することができる。その他、基材や表層の材料の選定、配合等の方法によっても制御することができる。
−中間転写ベルトの層構成−
次いで、本発明の中間転写ベルトの構成について説明する。上記中間転写ベルトは、特に限定されるわけではないが、図1に示すように、弾性を有するベルト基材101と、このベルト基材101の表面を被覆する保護層102とを備えていることが好ましい。尚、目的に応じて保護層102を基材101の片面または両面に設けてもよい。
ベルト基材101は、弾性体(弾性材料)で構成された層であることが好ましく、更に導電剤が分散されていることが好ましい。
上記弾性材料を形成する材料としては、ジエン系もしくは非ジエン系のゴム弾性体があり、上記ゴム弾性体の材料は、固体状、液体状のどちらでも良く、アクリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン共重合ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ノルボルネン、水素添加ポリブタジエンゴム等が挙げられ、これらの中でも、エチレン−プロピレン共重合ゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン共重合ゴム、クロロプレンゴムがより好ましい。上記弾性材料を、1種類又は2種類以上ブレンドして用いることができる。必要に応じて軟化材、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ及び炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えても良い。
導電剤としては、導電性もしくは半導電性の微粉末が使用でき、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、特に制限はないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等が例示でき、これらの中でも、カーボンブラック、導電性金属酸化物が特に好ましい。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよい。
保護層102は、基材101の表面に裏面が接するように設けられ、中間転写ベルトの最表面を構成する層である。保護層102の構成材料としては、ウレタン樹脂、ポリエステル、フェノール、アクリル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、セルロース等が挙げられる。上記保護層には、導電性もしくは半導電性の微粉末が含有されても良い。粒子状導電剤としては、粒径が3μm以下で体積抵抗率が1×109Ωcm以下であるものが望ましい。例えば、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物あるいはそれらの合金からなる微粒子、あるいはケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック等を用いることができる。
さらに上記保護層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂または微粒子を添加しても良い。また、基材101との接着性向上のためにカップリング剤を添加しても良い。
−中間転写ベルトの製造−
本発明の中間転写ベルトを形成するにあたっては、公知の方法を適宜選択して用いることができるが、中でも特に、押出成形した材料を金属パイプに被覆し、加硫を行いエンドレスベルト状に成形する方法が好ましく用いられる。
尚、中間転写ベルトが基材と保護層との2層からなる場合、該基材を前記押出成形によってエンドレスベルト状に成形し、その表面に保護層を形成する方法が好ましく用いられる。
また上記方法によって得られる各層の膜厚としては、基材は、中間転写ベルトとしての強度及び走行性の観点から、0.2〜2mmであることが好ましく、0.3〜1.5mmであることがより好ましい。また、保護層は、耐傷性との観点から、0.1〜50μmであることが好ましく、0.5〜40μmであることがより好ましい。
−中間転写ベルトの物性−
本発明の中間転写ベルトは、良好な転写性が得られると共に、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消するため、体積抵抗率が1×107Ωcm〜1×1011Ωcmであることが好ましい。
また、本発明の中間転写ベルトの、JIS−B0601(1994年)に規定する表面粗さRz(10点平均粗さ)は、10μm以下であることが好ましく、更に8μm以下であることがより好ましい。尚、下限値は特に限定されるわけではないが、感光体ドラムとの接触面積が広い場合には、張り付きを防止するという観点から、0.5μm以上であることが好ましい。
また更に、本発明の中間転写ベルトが弾性体で構成される基材を有する場合、その弾性体特性として、JIS−K6253(1998年)に規定するJIS−A硬度が80度以下であることが好ましく、更に70度以下であることが好ましい。
また、上記同様弾性体特性として、中間転写ベルトの永久伸びが5%以下であることが好ましく、更に4%以下であることが好ましい。
尚ここで、上記「永久伸び」とは、JIS−K6262(1997)に規定する100%永久伸びのことであり、JIS−K6262に準拠して測定することができる。
<画像形成装置>
次いで、本発明の画像形成装置について、図を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2において、画像形成装置は、感光体ドラム10と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために前記感光体ドラム10に一定領域にて感光体ドラム10形状に沿うように接触する中間転写ベルト20とを有する。本実施の形態において、感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の静電潜像を書込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、前記中間転写ベルト20と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17とが配設されている。
ここで、帯電装置11としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロンなどの帯電器を用いてもよい。また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13A〜13Dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよいが、良好な画質を得る観点からは、球形のトナーを用いることが好ましい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。更にまた、クリーニング装置17については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
また、中間転写ベルト20は、4つの張架ロール21〜24に掛け渡されるものであって、ロータリ型現像装置13とクリーニング装置17との間に位置する感光体ドラム10面に沿う形で所定の接触領域だけ密着配置されている。ここで、この中間転写ベルト20と感光体ドラム10とは夫々別駆動系で駆動されていてもよいが、中間転写ベルト20として弾性ベルトを用いた場合、感光体ドラム10の周面に沿って接触配置されていることから、中間転写ベルト20は、例えば感光体ドラム10を駆動源として、従動回転させることができる。
そして、中間転写ベルト20が感光体ドラム10に密着した接触領域の一部には中間転写ベルト20の裏側から一次転写装置としての一次転写ロール25が接触配置されており、所定の一次転写バイアスが印加されている。更に、中間転写ベルト20の張架ロール22に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール22をバックアップロールとして対向配置されており、例えば二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール22が接地されている。更にまた、中間転写ベルト20の張架ロール23に対向した部位には、ベルトクリーニング装置としてのクリーニングロール26が配設されており、このクリーニングロール26には所定のクリーニングバイアスが印加され、張架ロール23が接地されている。また、用紙などの記録材40は、供給トレイ41に収容されており、ピックアップロール42にて供給された後、レジストロール43を経て二次転写部位に導かれ、搬送ベルト44を通じて定着装置45へ搬送されるようになっている。
次に、図2に示す画像形成装置の作動について説明する。感光体ドラム10上に各色成分トナー像が順次形成され、接触領域(一次転写位置)を介して中間転写ベルト20に順次転写した後、二次転写位置にて記録媒体40に一括転写される。このような作像過程において、感光体ドラム10と中間転写ベルト20とは比較的広い接触領域にて接触配置されており、しかも、弾性ベルトを用いた場合、弾性押圧されているため、感光体ドラム10と中間転写ベルト20との間のニップ面圧はそれほど高くなく、しかも、弾性ベルトによるトナー像の包み込み動作が行われ、感光体ドラム10上のトナー像が中間転写ベルト20側に一次転写される。このとき、中間転写ベルト20への転写画像には、大きなニップ面圧によるホロキャラなどの画質欠陥はなく、高い転写効率で転写されるため、記録媒体40上のカラー画像品質は極めて良好に保たれる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中「部」は「質量部」を表す。
<実施例1>
(ベルト基材(導電性弾性層)の作製)
クロロプレンゴム(CR)100部に酸化亜鉛(三井金属鉱業製)5部、導電性カーボン(ケッチェンブラックEC:ケッチェンブラックInc)30部に加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤を適量加え、支持体内周面に押出成形を行なった。上記ベルト基材を約150度で1時間、金属製のマンドレルに覆い被せた状態で加硫させ、その後ベルト基材の両面の研磨を行い、表面の平滑性を得た。研磨後のベルト基材膜厚は500μm程度、体積抵抗は1×108Ωcm程度に設定した。
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面に、ウレタン変性TFE樹脂の水性エマルジョン塗料として、カーボンブラックを8部分散したウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水−エマルジョン塗料(日本アチソン(株)のエムラロンJYL−601ES)を、厚み10μmでスプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み10μmの保護層を形成した。
<実施例2>
実施例1と同様のベルト基材の表面に、カーボンブラックを4部分散したウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水−エマルジョン塗料(日本アチソン(株)のエムラロンJYL−601ES)を厚み10μmでスプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み10μmの保護層を形成した。
<実施例3>
実施例1と同様のベルト基材の表面に、カーボンブラックを8部分散したウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水−エマルジョン塗料(日本アチソン(株)のエムラロンJYL−601ES)を厚み5μmでスプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み5μmの保護層を形成した。
<実施例4>
実施例1と同様のベルト基材の表面に、カーボンブラックを4部分散したウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水−エマルジョン塗料(日本アチソン(株)のエムラロンJYL−601ES)を厚み5μmでスプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み5μmの保護層を形成した。
<比較例1>
実施例1と同様のベルト基材の表面に、カーボンブラックを8部分散したウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水−エマルジョン塗料(日本アチソン(株)のエムラロンJYL−601ES)を厚み20μmでスプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み20μmの保護層を形成した。
<比較例2>
実施例1と同様のベルト基材の表面に、カーボンブラックを4部分散したウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水−エマルジョン塗料(日本アチソン(株)のエムラロンJYL−601ES)を厚み20μmでスプレーコートし、120℃で35分加熱し、厚み20μmの保護層を形成した。
<実機評価>
上記実施例1〜4及び比較例1〜2の中間転写ベルトを使用し、プリント性能を把握するために下記の様な構成で、実験を行った。基本的なプロセス全体の構成は図2と略同様の構成がとられたものを使用している。
感光体:OPC感材
プロセス速度:80mm/s
現像剤:富士ゼロックス社製 Docu Centre Color 400CPの現像剤
現像担持体:φ15のアルミニウム中空パイプにアルマイト処理を施したもの
像形成部材:厚さ0.5mmのSUS板にゴム硬度50度のシリコンゴムをドクター
方式に設定したもの
一次転写装置:φ15、体積抵抗108Ωcmの半導電性スポンジ材
二次転写装置:φ20、体積抵抗108Ωcm、イオン導電剤配合した発泡性シリコ
ンゴム
潜像電位:−100V
背景部電位:−350V
中間転写ベルト:実施例1〜4及び比較例1〜2の中間転写ベルトをロールにて、
張架、感光体ドラム駆動によるベルト従動駆動、接触幅30mm。
定着装置:厚さ0.5mmのSUS材を使用したφ40の中空タイプ
ヒートランプ:定格650Wのタングステンランプ
プレッシャーロール:φ30のSUS円筒に肉厚50mmのゴム層を被覆させたもの
記録媒体:富士ゼロックス社製 J紙
<画質評価>
画質評価は、30%ハーフトーン画像を10000枚走行し、走行の合間に度々白紙画像を形成して、該白紙画像中の表面クラックによるゴースト有無を評価した。画質評価は22度55%RH環境下で行なった。
○:画質クラックゴースト発生なし
×:画質クラックゴースト発生あり
結果を表1にまとめて示した。
<表面クラック評価>
表面クラックの有無を見るために、画質評価に使用した中間転写ベルトの表面を接眼レンズ5倍、対物レンズ10倍に設定した光学顕微鏡で表面を50倍拡大して観察した。
○:表面クラック発生なし
△:表面クラックが発生し、その幅が5μm以下
×:表面クラックが発生し、その幅が5μmより広い
結果を表1にまとめて示した。
Figure 2006276302
表1に示す、比較例1及び比較例2は、ダイナミック超微小硬度が0.25を越えており、表面クラック及び画質クラックゴーストともに発生していた。これはベルト回転時にクラックの中にトナーが入り、ベルトクリーナーでもクリーニングされず、表面クラックの中にトナーが溜った状態で次の周回時に、クラック中のトナーの一部が記録媒体に転写されてしまい、本来画像がのるべきでない部分に画像が転写されてしまうためである。
表1に示す、実施例1及び実施例2は、表面クラックは発生するが、その幅がトナー粒子径以下なので、表面クラック中にトナーが入り込まず、クラックゴーストは発生しない。また、表1に示す、実施例3及び実施例4は、ダイナミック超微小硬度が0.15以下であり、表面クラックが発生しないために、クラックゴーストの発生もない。
以上より、中間転写ベルトのダイナミック超微小硬度を0.25以下に設定することで、クラックゴーストの発生のない中間転写ベルトを供給することが可能となった。
本発明の中間転写ベルトの層構成の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
10 感光体ドラム
11 帯電装置
12 露光措置
13 ロータリ型現像装置
13A,13B,13C,13D 現像器
17 クリーニング装置
20 中間転写ベルト
21,22,23,24 張架ロール
25 一次転写ロール
26 クリーニングロール
30 二次転写ロール
40 記録材
41 供給トレイ
42 ピックアップロール
43 レジストロール
44 搬送ベルト
45 定着装置
101 ベルト基材
102 保護層

Claims (2)

  1. 像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトであって、表面のダイナミック超微小硬度が0.25以下であることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記トナー像が転写されて該トナー像を担持する中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに担持された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を少なくとも備える画像形成装置であって、
    前記中間転写ベルトが、請求項1に記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
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JP2005093324A Pending JP2006276302A (ja) 2005-03-28 2005-03-28 中間転写ベルト及び画像形成装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010140002A (ja) * 2008-11-17 2010-06-24 Fuji Xerox Co Ltd 転写ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置

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JP2010140002A (ja) * 2008-11-17 2010-06-24 Fuji Xerox Co Ltd 転写ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置

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