JP4428131B2 - 画像形成装置及びこれに用いられるクリーニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、特に、ベルト部材上に残留する残留トナーが清掃可能なクリーニング装置を改良した画像形成装置及びこれに用いられるクリーニング装置の改良に関する。
電子写真方式を利用したカラープリンタ、カラー複写機等の画像形成装置として、中間転写方式を採用したカラー画像形成装置を例に挙げると、例えば感光体ドラムの周囲に、帯電、露光、現像及びクリーニングの各電子写真デバイスを配設する一方、前記感光体ドラムの一次転写位置に対し、例えば中間転写ベルトを対向配置し、感光体ドラム上に各色成分(イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))トナー像を形成し、この各色成分トナー像を一次転写位置にて静電的作用により中間転写ベルト上に順次一次転写した後、前記中間転写ベルト上で重ね合わされた多重転写像を、二次転写位置にて、静電的作用により記録材へ二次転写して、所望のカラー画像を記録材上に形成するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
中間転写方式では、中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写する際には、中間転写ベルト上のトナーが全て記録材へ転写されるわけでなく、その一部が中間転写ベルト上に残留する。
そこで、二次転写位置よりも中間転写ベルト走行方向下流側に、中間転写ベルト上に残留した残留トナーを取り除くためのクリーニング装置が設けられている。このクリーニング装置には、中間転写ベルト上の残留トナーを掻き取るために、クリーニングのタイミングに合わせてクリーニング部材を接離するようにしたものが用いられる。
特に、カラー画像を記録材に一括転写するようにした中間転写方式では、一次転写時、二次転写時と少なくとも2回の転写電界が中間転写ベルトに作用するため、中間転写ベルトに電荷蓄積が生じ易く、その結果中間転写ベルト上の残留トナーの良好なクリーニングは難しいものとなっている。
そこで、このような中間転写ベルト上の残留トナーを清掃するために、クリーニング部材としてクリーニングロールを使用した方式には、中間転写ベルト上の残留トナーを静電的にクリーニングロールに吸着させるようにして回収する方式(例えば特許文献2,3参照)と、帯電制御ロールにより中間転写ベルト上の残留トナーの極性を揃えた後に、回収用のクリーニングロールで回収する方式(例えば特許文献4,5参照)とがある。
特開平5−323704号公報(実施例、第2図) 特開平10−333447号公報(発明の実施の形態、図2) 特開平11−7226号公報(発明の実施の形態、図4) 特開平9−44007号公報(発明の実施の形態、図1) 特開2000−284606号公報(発明の実施の形態、図1) 特開平8−262879号公報(実施例、図1) 特開平11−352787号公報(発明の実施の形態) 特開昭63−249183号公報(実施例、第1図) 特許3267507号公報(発明の実施の形態、図1) 特許3466825号公報(発明の実施の形態、図1)
しかしながら、クリーニングロールを使用したクリーニング装置のうち、前者の方式にあっては、クリーニングロールにトナーと逆極性のバイアスを印加しクリーニングロールに残留トナーを吸着させた後、ブレードやブラシ等でクリーニングロールに吸着した残留トナーを掻き取る。
このとき、静電的に吸着することができるトナーは同一極性に帯電が揃ったトナーとなるが、二次転写後の残留トナーの帯電分布は必ずしも均一ではなく、異なる極性のトナーが混在しているため、回収できないトナーが中間転写ベルト上に留まり、次の画像形成時に混入するという技術的課題が生ずる。
一方、後者の方式(極性を揃えた後にトナーを回収する方式)では、あらかじめ帯電制御ロールにより二次転写後の残留トナーの帯電分布を揃えた後クリーニングロールに吸着させるようにするため、異なった極性のトナーが残留するという技術的課題は小さい。
しかしながら、カラー画像のように、中間転写ベルト上に多くの残留トナーが残留した場合は、あらかじめ帯電制御ロールにより残留トナーの帯電分布を揃えようとしても、重畳したトナー層のために下層のトナー層まで極性を揃えることが困難となる。
また、記録材搬送不良により二次転写されなかったトナーの場合は、更に残留トナーが多くなっているため、極性を揃えて回収するということが難しく、高画質が求められるカラー画像形成装置では画像欠陥につながるという技術的課題がある。
更に、カラープリンタ、カラー複写機等の画像形成装置で用いられることがある二成分現像方式の場合は、一成分現像方式に比べ、トナーがキャリアとの摩擦帯電により高い電荷を帯び、帯電制御ロールにより残留トナーの帯電分布を揃えようとしても、帯電分布が幅広くなっていることがあり、十分均一に帯電分布を揃えることが難しく、また、トナー本来の極性と異なる極性に揃えようとすると更に難しくなり、十分なクリーニングが行われないという技術的課題がある。
更にまた、他のクリーニング方式として、中間転写ベルトに摺擦するブラシを備え、このブラシには中間転写ベルト上のトナーと同極性の電圧を印加することで、ブラシで中間転写ベルト上のトナーを移動させた後、トナーと同極性の電圧を中間転写ベルトに印加して、中間転写ベルトと感光体のニップ部で移動したトナーを感光体側へ戻す又はブレードにてクリーニングするクリーニング方式も知られている(例えば特許文献6参照)。
ところが、この種のクリーニング方式にあっては、同極性の電圧が印加されたブラシでトナーを移動させるにしても、中間転写ベルトに対するトナーの静電的付着力を減少させていないため、感光体に戻したり若しくはブレードクリーニングしようとしても、残留トナーが多い場合には十分に取り除くことが困難となる。
特に、低コストを狙った弾性ゴムをベースとした中間転写ベルトを使用する場合、中間転写ベルトの経時あるいは環境等による体積抵抗値の変化が生じ易く、クリーニング部材へのバイアス印加状態が変化する。その結果、クリーニング性能が低下する可能性がある。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、残留トナーの状況(残留トナー量または残留トナーの種類)や環境に影響されることなく、残留トナーのクリーニング性能をより確実に保つことができるクリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
上述の技術的課題を解決するために、本件発明者らは、先に、中間転写ベルト等のベルト部材上の残留トナーを清掃するため、トナー回収部材によって残留トナーの一部を機械的に掻き取ると共に、残った残留トナーへトナー本来の極性と同じバイアスを印加し、このトナー回収部材の下流側にあるクリーニング部材にトナー回収部材とは逆のバイアスを印加することで、トナー回収部材を通過した後の残留トナーをクリーニング部材にて除去する方式を提案した(例えば特願2003−58503号参照)。
しかしながら、このような方式を採用したところ、特に、ベルト基材として弾性ベルト基材を使用すると弾性ベルト基材自体の体積抵抗率の変化が大きく、残留トナーのクリーニング性能が損なわれるという技術的課題が新たに見出された。
本件発明者らは、この技術的課題を解析したところ、以下のような知見を得た。
すなわち、一般的に、中間転写ベルトは、ベルト基材の抵抗調整のために、導電性フィラーをベルト基材内部に分散させている(例えば特許文献7参照)。尚、導電性フィラーとしては、カーボンブラック、銅粉末、アルミニウム粉末、炭素繊維の微粉末等が使用され、これらの単独又は複数の組み合わせでベルト中に導電性フィラーが分散されている。
導電性フィラーが分散された弾性ベルト基材の場合には、基材の伸長具合によって基材の体積抵抗率が大きく変化してしまう。これは、弾性ベルト基材の体積抵抗率が導電性フィラーの分散密度によって異なることによるもので、弾性ベルト基材が張架されないフリーの状態での導電性フィラーの分散密度と、弾性ベルト基材が張架され伸長した状態での分散密度との間では大きな差がある。通常、弾性ベルト基材を張架させると、張架しないフリーの状態に比べ、導電性フィラーの分散密度は低下し、体積抵抗率は1〜2桁上昇してしまう。
このように、弾性中間転写ベルトの使用に際しては、ベルト基材自体が伸長されて使用されることから、体積抵抗率の変化を当初から考慮しておくことが必要となる。
更に、中間転写ベルトの経時的な伸長率の変化や、表面へのトナー及び外添剤の付着、更には電気的な履歴(転写やクリーニング時のバイアスの印加の影響)や使用環境によっても体積抵抗率の変化が起こることを考慮しておくことも必要である。
本発明は、上述した知見を得てなされたものであって、図1に示すように、トナー像が担持搬送され且つ弾性を有するベルト部材1と、このベルト部材1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、クリーニング装置は、ベルト部材1に接触配置され、トナー本来の極性と同極性の帯電バイアスが印加され且つ残留トナーの少なくとも一部を掻き取る板状部材からなるトナー回収部材2と、このトナー回収部材2のベルト部材1を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、トナー回収部材2のベルト搬送方向下流側に位置するベルト部材1に接触配置され、トナー本来の極性と異なる極性のクリーニングバイアスが印加され且つ残留トナーを清掃可能にする回転部材からなるクリーニング部材3と、このクリーニング部材3のベルト部材1を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材6と、クリーニング時に前記クリーニング部材3と当該クリーニング部材3に対向する対向部材6との間に流れる電流を一定に制御する定電流制御手段4とを備えることを特徴とするものである。
このような技術的手段において、ベルト部材1は感光体等の潜像担持体の態様及び中間転写体の態様を含み、トナー像への集中荷重の低減を図り、像抜け等の問題を解決する観点から、弾性状、好ましくはヤング率30MPa以下の弾性状ベルトが好ましい。そのことで、ベルト部材1上へのトナー像の転写が有効に行われ、かつ、安価な画像形成装置が可能になる。
また、トナー回収部材2は、残留トナーの一部を掻き取り帯電バイアス5を印加できるものであればいずれでもよいが、掻き取り効果を向上させる観点からはスクレーパ形状が好ましい。更に、トナー回収部材2は、その数量に制限されることはなく、残留トナーを確実に清掃する観点からは、例えば、二つの回収部材を備える態様であっても差し支えない。更にまた、残留トナーを掻き取る回収部材と、掻き取り後に残った残留トナーにトナー本来の極性と同極性の帯電バイアス5を印加する帯電部材とに分離することも差し支えない。
本発明におけるクリーニング部材3は、ブラシ状、ロール状いずれでもよいが、ベルト部材1が弾性状にあっては効果的に残留トナーの回収を行う観点から、ブラシ状が好ましい。この場合、ブラシの毛先が残留トナーの層厚方向全体にわたって有効に接触する。
また、クリーニング部材3は、ベルト部材1上の残留トナーの一部を回収すると共に、残りの残留トナーを逆極性に帯電(トナー本来の極性と異なる極性に帯電)させるようにすることで、クリーニング部材3を通過したトナーが均一に逆帯電され、後述する像担持体で回収することができる。
尚、クリーニング部材3の回転方向は、ベルト部材1の搬送方向と同一方向がベルト部材1への負荷を軽減させる観点(トナー回収部材2がベルト部材1に与える負荷を軽減させる方向)から好ましい。また、逆方向であってもベルト部材1の搬送性能に支障を及ぼさない範囲で可能である。
また、本発明では、クリーニング部材3のベルト部材1を挟んで対向する位置に、導電性を有する対向部材6を備えることで、クリーニング部材3による残留トナーへの帯電制御が一層有効に行われるようになる。
そして、クリーニング部材3と対向部材6との間で、定電流制御手段4による定電流制御を行うことで、ベルト部材1へ常に有効なクリーニングバイアスを印加することが可能となり、ベルト部材1に経時変化や環境変化等による抵抗変動があっても、クリーニング性能の低下を防ぐことができる。
本発明による対向部材6は、ベルト部材1への負荷を軽減する観点から回転自在な態様が好ましい。尚、対向部材6がベルト部材1を張架する張架部材を兼用する態様であっても差し支えない。
更に、対向部材6とクリーニング部材3とは、ベルト部材1と直交する方向に対向配置してもよいし、例えば若干偏倚配置させ、クリーニング領域を広くすることも可能である。また、この偏倚配置する場合は、放電の影響を軽減するため、対向部材6を下流側に偏倚させる方が好ましい。
また、本発明における定電流制御手段4としては、クリーニング部材3側を流れる電流を一定にするようにしてもよいし、例えば、対向部材6側を流れる電流を一定にするようにしてもよい。
更に、定電流制御手段4は、クリーニング部材3がベルト部材1と接触した時点で働くような態様であってもよいし、例えばクリーニング部材3がベルト部材1と接触及び回転を行った後、所定の時間経過した後に働くようにする態様であっても差し支えない。
ここで、定電流制御手段4について補足すると、クリーニング装置に対して定電流制御方式を採用することは既に知られているかも知れない(例えば特許文献8〜10参照)が、仮に公知であるとしても、「トナー回収部材2の下流側に配置されるクリーニング部材を定電流制御する点」は容易には想到し得ない。
つまり、特許文献8では、像担持体上の残留トナーを残留トナーと逆極性のバイアスを印加した導電性ブラシを使用してクリーニングする際、ブラシの環境による抵抗変化を軽減するため、ブラシに更に導電性ローラを接触配置し、ブラシやローラから像担持体へ流入する電流を一定にすることで、特に、高湿環境下でのクリーニング性能の安定化を企図した方式が提案されている。
また、特許文献9では、クリーニング時間短縮のため、残留トナーをトナー本来の極性とは逆極性に帯電し、感光体からのトナーを中間転写体へ転写する際に、中間転写体上の残留トナーを感光体へ逆転写して、感光体上で残留トナーを回収除去する方式が提案されている。また、このとき、中間転写体上の残留トナーを帯電する方式としては、電圧制御を行うブラシ帯電方式と、電流制御を行うコロナ帯電方式とが示され、コロナ帯電の方が接触帯電であるブラシ帯電より帯電効率が高く、放電電流も小さくて済む。このため、放電電流が多くなると発生し易いネガゴーストが発生しないと記されている。
更に、特許文献10では、中間転写体上の残留トナーに対し、帯電ローラによる接触帯電を行い、帯電制御が行われた残留トナーを感光体側で回収しようとする方式が提示されている。また、ここでは、帯電バイアスを定電流の直流成分と定電圧の交流成分とを重畳したものとすることで、直流成分のみでは残留トナーの表層のみの帯電制御しかできなかったものが、交流成分を付加することで残留トナーの内層まで十分に帯電制御が可能となることが記されている。
しかしながら、これらの方式においては、例えば、フルカラーのようにトナー量が多くなると、中間転写体上の残留トナー量も増えるため、クリーニング部材によって残留トナーの厚み方向にわたって全体を均一な帯電層とすることが困難となっていた。そのため、感光体での回収に際し、全量が回収しきれず、画像上のかぶりや白抜け等の画像欠陥が発生し易くなっていた。
また、これらの方式では、クリーニング部材のみに対し定電流回路を付与するものであり、クリーニング部材の上流側で残留トナーの一部を掻き取り帯電を付与する態様については、何ら示唆さえもなされていない。更に、これらの方式は、ベルト部材の抵抗変化に積極的に着目したものではない。
したがって、これらの特許文献から本発明を容易に想到することができないことは明らかである。
そして、本発明に係る中間転写型の画像形成装置の態様としては、像担持体と、弾性を有するベルト部材としての中間転写体と、像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する一次転写装置と、中間転写体上のトナー像を記録材に転写する二次転写装置と、像担持体上の残留トナーを清掃する像担持体クリーニング装置と、中間転写体上の残留トナーを清掃する中間転写体クリーニング装置とを備え、中間転写体クリーニング装置として、上述のクリーニング装置を用いるようにすればよい。
更に、上述した中間転写型画像形成装置のうち、中間転写体側クリーニング装置に用いられるクリーニング部材が、ベルト部材上の残留トナーの一部を回収すると共に、残りを逆極性に帯電するようにした態様にあっては、中間転写体側クリーニング装置で逆帯電された残留トナーは、一次転写部位にて像担持体側に転移され、像担持体側クリーニング装置にて回収可能となる。
また、本発明のクリーニング装置の態様としては、次のようにすればよい。
すなわち、トナー像が担持搬送され且つ弾性を有するベルト部材1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置であって、ベルト部材1に接触配置され、トナー本来の極性と同極性の帯電バイアス5が印加され且つ残留トナーの少なくとも一部を掻き取る板状部材からなるトナー回収部材2と、このトナー回収部材2のベルト部材1を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、前記トナー回収部材2のベルト搬送方向下流側に位置するベルト部材1に接触配置され、トナー本来の極性と異なる極性のクリーニングバイアスが印加され且つ残留トナーを清掃可能にする回転部材からなるクリーニング部材3と、このクリーニング部材3のベルト部材1を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材6と、クリーニング時に前記クリーニング部材3と当該クリーニング部材3に対向する対向部材6との間に流れる電流を一定に制御する定電流制御手段4とを備えるようにすればよい。
このクリーニング装置によれば、ベルト部材1上の残留トナーの清掃性能が向上し、クリーニング装置を通過する残留トナーがあっても、クリーニング部材3にてトナー本来の極性と異なる極性に均一帯電させることができ、像担持体からベルト部材1への一次転写部位にてベルト部材1上の残留トナーを像担持体に逆転写させることが可能になる。
尚、本発明によるクリーニング装置にて、ベルト部材1上の残留トナーを掻き取ってしまうことであっても差し支えない。
本発明によれば、トナー本来の極性と同極性の帯電バイアスを印加し且つ残留トナーの少なくとも一部を掻き取る板状部材からなるトナー回収部材と、トナー回収部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、トナー回収部材のベルト搬送方向下流側に回転可能に設けられ且つトナー本来の極性と異なる極性にバイアスされて残留トナーを清掃可能にする回転部材からなるクリーニング部材と、クリーニング部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材とを設け、クリーニング時にクリーニング部材と当該クリーニング部材に対向する対向部材との間に流れる電流を定電流制御するようにしたので、環境変化や経時変化によるベルト部材の抵抗変化に拘わらず、ベルト部材上に残留する残留トナーが、安定して清掃されるクリーニング性能が維持できる。
また、本発明において、クリーニング部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられた対向部材をクリーニング部材より若干下流側に偏倚配置させるようにすれば、クリーニング領域が広がり、定電流制御を一層安定させることができる。
そして、このようなクリーニング装置を用いた画像形成装置によれば、弾性状ベルト部材が使用でき、また、クリーニング性能の良好な作像プロセスを実現できるため、高画質画像が形成可能な画像形成装置を低コストで簡単に構築することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態を示す概略構成図である。
同図において、画像形成装置は、感光体ドラム10と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために前記感光体ドラム10に接触配置される中間転写ベルト21と、この中間転写ベルト21上の残留トナーTを清掃するクリーニング装置40とを有する。
本実施の形態において、感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の静電潜像を書き込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13並びに感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニングブレード14とが配設されている。
ここで、帯電装置11としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロン等の帯電器を用いてもよい。
また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、レーザースキャナ等適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が変化した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を順に並べた配置として用いるようにしてもよい。
また、中間転写ベルト21は複数の張架ロール32〜37に掛け渡されており、感光体ドラム10の駆動によって従動駆動するようになっている。
そして、中間転写ベルト21が感光体ドラム10にニップする部位には中間転写ベルト21の裏側から一次転写装置としての一次転写ロール31が中間転写ベルト21に接触配置され、この一次転写ロール31には所定の一次転写バイアスが印加されている。
更に、中間転写ベルト21の張架ロール32に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール23が張架ロール32をバックアップロールとして対向配置され、例えば二次転写ロール23に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール32が接地されている。
尚、用紙等の記録材22は、図示外の供給トレイ等に収容されており、図示外のピックアップロールにて供給された後、二次転写部位に導かれ、図示外の定着装置を介した後、図示外の排出トレイ等へ排出されるようになっている。
本実施の形態では、中間転写ベルト21の二次転写部位の下流側で且つ一次転写部位の上流側には、本件の特徴点であるクリーニング装置40が配設されている。クリーニング装置40は、中間転写ベルト21に対し、クリーニング時のみ接触するように、移動可能な機構を有しており、クリーニングケース41内にはトナー回収部材としてのスクレーパ42とクリーニング部材としての導電性ブラシ43とが配設されている。
スクレーパ42は、例えばSUS板にエッチング加工を施したものを用い、中間転写ベルト21への負荷が大きくなく且つ中間転写ベルト21の摩耗や傷を防止した形状のものとなっている。尚、スクレーパ42としては、導電性且つ剛性の観点から金属板(鋼、銅合金、SUS等)が好ましいが、これに制限されるものではなく、導電性プラスチックス等でもよく、また、その形状は、スクレーパ形状に制限されず、例えばブレード形状であっても同様の効果が可能となる。
そして、このスクレーパ42の食い込み量、設定角度(中間転写ベルト21に対しての傾斜姿勢角度)等は、中間転写ベルト21の画像形成に問題とならない負荷荷重の範囲で適宜設定するようにすればよい。
また、本実施の形態における導電性ブラシ43は、芯材の周囲にカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたナイロン樹脂等で構成されたブラシ材を植毛したもので、中間転写ベルト21の弾性を損なわないような負荷とするため、6デニール以下、好ましくは2デニールのブラシ材が使用されている。そして、中間転写ベルト21に対し食い込み量を1mm程度として、同方向(With方向)に回転している。
そのため、クリーニング時には、スクレーパ42が中間転写ベルト21に対し与えるマイナス負荷を、導電性ブラシ43によって緩和するようになっている。
更に、本実施の形態では、スクレーパ42及び導電性ブラシ43には、中間転写ベルト21上の残留トナーTに夫々極性の異なるバイアスを印加できるように、電源44及び電源45が夫々接続されている。
そして、本実施の形態においては、負帯電トナーを使用しているため、スクレーパ42と、このスクレーパ42に対向する接地された張架ロール33との間に、電源44による帯電バイアスが印加され、スクレーパ42が負極性のバイアスとなるようになっている。尚、スクレーパ42に印加する帯電バイアスとしては、直流成分のみ、交流成分のみ、あるいは両成分を含むものなどいずれでも差し支えないが、残留トナー層の電荷分布を均一に保つという観点からすれば、少なくとも直流成分を含むバイアス、好ましくは直流成分を重畳した交流成分を含むバイアスがよい。本例では、直流成分のみを使用した。
また、導電性ブラシ43は、中間転写ベルト21を挟んで対向する位置に接地された対向ロール38を有しており、導電性ブラシ43と対向ロール38との間には、電源45によって導電性ブラシ43が正極性のバイアスとなるようにバイアスが印加されている。特に、本実施の形態における電源45は、定電流回路を備えた電源となっているため、導電性ブラシ43と対向ロール38との間には、クリーニング時に一定の電流が流れるように構成されている。
更に、電源45による定電流制御を行う場合、導電性ブラシ43が中間転写ベルト21と接触している期間にのみ定電流制御が作動するようにすれば、導電性ブラシ43と対向ロール38間に電源45の電源電圧が直接かかることもなく、余分の放電を防ぎ、機器の絶縁設計コストが高くなることもない。
仮に、電源電圧を導電性ブラシ43が中間転写ベルト21に接触していないときに加えると、電流を流そうとして最大の電源電圧が加わることになり、絶縁設計の余裕度が小さくなる。
尚、本実施の形態では電源45は直流成分のみを使用したが、交流成分が重畳された直流成分であっても差し支えない。また、クリーニング部材として導電性ブラシ43を配置しているが、これに限らず、ロール形状であっても差し支えない。
また、本実施の形態においては、導電性ブラシ43と対向ロール38とは、これらの中心を結ぶ線が中間転写ベルト21と略直交するように対向配置されているが、例えば、対向ロール38のみが若干下流側に配置される態様(オフセット配置)であっても差し支えない。この場合、導電性ブラシ43と対向ロール38とのニップ域が広がり、導電性ブラシ43の定電流制御が一層安定する。
更に、本実施の形態では、クリーニングケース41の端部には、クリーニング装置40が中間転写ベルト21と接触したときにクリーニングケース41と中間転写ベルト21との隙間を密閉するための、軟質のゴム板等からなる弾性シール部材41a,41bが取り付けられ、クリーニング装置40に回収されたトナー46がクリーニングケース41から漏れないようになっている。また、符号47は、導電性ブラシ43の性能を安定させるために、導電性ブラシ43上に付着したトナーを除去するフリッカバーである。
本実施の形態における中間転写ベルト21としては、各種合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを適当量含有させた弾性状の導電性基材層に、導電性保護層が形成されたベルト基材が用いられ、その体積抵抗率は10〜1010Ω・cmに設定されている。
合成ゴムとしては、シリコーンゴム、NBR、H−NBR、CR、EPDM、ウレタンゴム等が用いられている。また、導電性保護層の材料は、摩擦抵抗の低減、電気特性の環境に対する安定性、表面粗さ低減による残留トナークリーニング性能の向上といった目的を達成できるものであれば、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、PVdF等のフッ素樹脂系ポリマーを、アルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、シランカプラー、ウレタン樹脂系のエマルジョンや有機溶媒に、溶解・分散した塗料を使用することができる。これら保護層は、上記の塗料をディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコート等により設けることができる。さらに、保護層に表面処理または研磨を施すことにより離型性、導電性、耐磨耗性、表面クリーニング性等を改善することができる。
また、本実施の形態において、二次転写ロール23は、中間転写ベルト21と接離可能に配設されており、カラー画像が形成される場合には、最終色の未定着トナー像が中間転写ベルト21上に一次転写されるまで、二次転写ロール23は中間転写ベルト21から離間している。尚、二次転写ロール23は、カーボンを分散したウレタンゴムのチューブからなる表面層と、カーボンを分散した発泡ウレタンゴムからなる内部層とを備えており、二次転写ロール23の表面には、フッ素コートが施されている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
本実施の形態に係る画像形成装置において、感光体ドラム10上に各色成分トナー像が順次形成され、一次転写位置にて中間転写ベルト21に順次転写した後、二次転写位置にて記録材22に一括転写される。
このような作像過程において、中間転写ベルト21上に残留したトナーTは、クリーニング装置40にて一部回収除去され、残りは感光体ドラム10によって回収除去される。
この残留トナーTの回収除去過程について、図2〜4を基に詳細に説明する。
二次転写を終え中間転写ベルト21上に残った残留トナーTは、二次転写時の転写バイアスのため、帯電分布が幅広く、一部逆極性に帯電したトナーも含まれる。この残留トナーTは、スクレーパ42によって一部が掻き取られ、残った残留トナーT1は、薄くなっているため、電源44からのマイナス電界により逆極性に帯電したトナーも含めてマイナス帯電に揃えられる。
次に、導電性ブラシ43には、電源45から定電流制御されたプラス電界が加わり、このため、残留トナーT1の一部は導電性ブラシ43の物理的作用と電気的作用により一部導電性ブラシ43に回収され、回収トナーT2となる。そして、導電性ブラシ43を通過した後の残留トナーT3は、導電性ブラシ43により印加されたプラス電界により、プラス帯電に均一帯電されてる。
このプラス帯電された残留トナーT3は、感光体ドラム10に逆転写され、感光体ドラム10上のクリーニングブレード14によって回収除去される。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト21が弾性状ベルトのため、張架ロール34,35により感光体ドラム10と中間転写ベルト21とは比較的広い接触領域にて接触配置されるようになっており、しかも、感光体ドラム10が中間転写ベルト21により弾性押圧されているため、感光体ドラム10と中間転写ベルト21との間のタック面圧はそれほど高くない。そのため、一次転写時に中間転写ベルト21上の残留トナーT3が十分逆転写され易く、しかも、中間転写ベルト21によるトナー像の包み込み動作が行われ、感光体ドラム10上のトナー像が適正に中間転写ベルト21側に一次転写される。
このとき、中間転写ベルト21への転写画像には、大きなタック面圧によるホロキャラクタ等の画質欠陥はなく、高い転写効率で転写されるため、記録材22上のカラー画像品質は極めて良好に保たれるようになる。
また、本実施の形態にあっては、クリーニング装置40を構成するスクレーパ42及び導電性ブラシ43は中間転写ベルト21に対して過剰な負荷を与えなくて済むため、中間転写ベルト21に独立の駆動系を設けなくても、中間転写ベルト21は感光体ドラム10からの駆動を受けて安定的に従動回転する。
但し、本例の従動方式にあっては、中間転写ベルト21の追従性を確保するために、スクレーパ42による中間転写ベルト21に対する負荷は大きすぎないことが必要である。
上述のように、本実施の形態においては、機械的なクリーニングが難しい弾性ベルトに対しても、静電的なクリーニング方式を用いることにより十分なクリーニング性能が確保される。また、静電的なクリーニング方式へのバイアス印加を行うに際し、定電流制御を行ったので、弾性ベルトの環境変化や経時変化によるベルト抵抗の変化に関わらず、導電性ブラシ43への必要なバイアスを維持することができる、
更に、導電性ブラシ43で回収できなかったトナーへの十分な帯電極性を付与するのに必要なエネルギーを確保することができる。
更にまた、導電性ブラシ43を使用することで、スクレーパ42での残留トナーTの回収効率が低下した場合にあっても、導電性ブラシ43の機械的な掻き乱し効果がトナー層の下層まで及ぶため、十分なトナー回収除去効果が得られ、また、導電性ブラシ43を通過した残留トナーT3の帯電極性を揃えることが可能となる。
本実施の形態では、導電性ブラシ43のみに定電流制御を行ったが、スクレーパ42に行うことも可能であり、この場合、スクレーパ42通過後の残留トナーT1の帯電制御が一層行われる。
また、本実施の形態では、対向ロール38及び張架ロール33を接地するようにしたが、例えば、対向ロール38や張架ロール33側に電源を配置し、スクレーパ42や導電性ブラシ43を接地する方法も可能で、この場合、残留トナーへ印加されるバイアスの極性が上述した極性になるようにすればよい。
更に、本実施の形態では、クリーニング部材として導電性ブラシ43を使用したが、導電性ロールであっても帯電制御が可能になり、感光体ドラム10での残留トナーの回収除去が可能になる。
また、図5は、上述の実施の形態の変形例としてのクリーニング装置の要部を拡大したものである。
本例では、実施の形態と同様の構成を行っているが、スクレーパ42の中間転写ベルト21に対する接触角、電源44による帯電バイアス、導電性ブラシ43へ印加する電源45の電流制御条件等を調整することで、クリーニング装置によって中間転写ベルト21上の残留トナーTを全量回収除去するようにしたものである。
◎実施例1
本実施例は、スクレーパと導電性ブラシを次のような条件とし、導電性ブラシへ印加するバイアスを定電流制御(本件の特徴点)並びに定電圧制御によるクリーニング性能の維持性の差異について、プリント枚数との関係で評価確認したものである。
・スクレーパ:0.1mm厚SUS板のエッチング加工品、負バイアス
F/L(flee length):15mm
中間転写ベルトとの接触角:20°
食い込み量:1.0mm
・導電性ブラシ:カーボン練り込みナイロン
抵抗:10Ω
外径:20mm
回転方向:With
中間転写ベルトとの相対速度:200mm/sec
食い込み量:1mm
尚、導電ブラシの抵抗は次のようにして求めた。金属プレートに対向させて、食い込み量1mmで導電性ブラシを取り付ける。そして、導電性ブラシを回転させ、導電性ブラシと金属プレート間に500Vの電圧を印加したときの抵抗を測定した。
本実施例における評価は、定電流制御(通電電流200μA、初期の電圧1.5kV)と定電圧制御(印加電圧1.5kV、初期の通電電流200μA)にて、5000枚のプリントを行い、クリーニング性能については出力画像上の残像を目視確認した。
結果は、図6に示すように、本件の定電流制御によれば、同じ通電電流を確保するのに要する電圧が、初期の1.5kVから2.5kVへと変化したが、出力画像は問題なく、クリーニング性能が安定していることが確認された。
一方、定電圧制御の場合は、流れる電流が初期の200μAから80μAへ低下し、これに伴い、出力画像においても残像が確認され、クリーニング性能の低下が発生した。
したがって、プリント枚数を重ねることで主として中間転写ベルトの抵抗が増大するが、定電流制御を行うことで残留トナーへ印加されるバイアスは影響されず、十分なクリーニング性能の維持性が確保されることが確認された。
◎実施例2
本実施例は、導電性ブラシに定電圧(2.5kV)を印加したときのブラシ電流値のプリント枚数並びに環境による影響を評価確認したものである。
本実施例では、先ず、高温高湿環境下(25〜30℃,70〜90%RH)でのプリントを約12000枚行った後、そのまま低温低湿環境下(5〜10℃,10〜30%RH)で継続してプリントを行った。
結果は、図7に示すように、高温高湿環境下ではプリント枚数に従い、急激な電流低下が起こり、5000枚を過ぎた辺りから電流変化が小さくなってくる。その後、低温低湿環境下でプリントしても電流の減少傾向はそれほど差がない。
また、高温高湿環境下と低温低湿環境下とで電流が異なるのは、中間転写ベルトも含めたシステム抵抗が環境に影響されるために生じるものと判断される。
更に、本実施例では、フルカラー画像を連続してプリントしたときに、1枚目の画像が2枚目の画像に残像として確認できるレベルをNGレベルとして、図中点線で示しているが、このNGレベルが環境によって異なるのは、次のように推定される。
導電性ブラシを通過するトナーに対し、極性を揃えるために必要な電流(電圧)は、低温低湿環境下より高温高湿環境下の方が大きく、特に低温低湿環境下では放電が発生し易いためと考えられる。
また、プリント枚数を重ねることでシステム抵抗が徐々に大きくなっていくが、これは、中間転写ベルトのベルト自体の伸縮が繰り返されることで、分子間の伸び等が生じ、内部に充填された導電フィラー間の距離が離れて行くことによるものと推定される。
尚、本実施例では、高温高湿環境下で初期からの急激な電流低下が見受けられたが、低温低湿環境下で行っても同様の減少傾向を示すものと推定される。
◎実施例3
本実施例は、高温高湿環境下(本実施例では通常のオフィス環境で実施)と低温低湿環境下における導電ブラシと対向ロールとの間でのI−V特性を測定したものである。
使用した中間転写ベルトは、二種の体積抵抗率(高抵抗品、低抵抗品)のものとした。
尚、中間転写ベルトの高抵抗品は10Ω・cm、低抵抗品は10Ω・cmとした。
結果は、図8,9に示すように、電流150μA付近までは電圧の増加と共に電流が略比例して増加する傾向を示したが、これを超えると、電圧が飽和する傾向が見受けられた。また、高抵抗品と低抵抗品とでは、環境に影響される程度が大きく異なり、高抵抗品では高温高湿環境下と低温低湿環境下との差異が大きく、低温低湿環境下の方が同一電流を流すに要する電圧が大きくなることが示された。一方、低抵抗品では、環境が変化してもI−V特性はほぼ同じ変化を示した。
このことは、中間転写ベルト中の導電フィラーの配合割合によって、環境に対する影響度が異なり、高抵抗品のように導電フィラーが少ない場合は、吸湿による内部抵抗の低下が生じ、環境への影響が大きいのに対し、低抵抗品では導電フィラー間が近いため、吸湿の影響は殆どないことを示すものと推定される。
また、クリーニング性から考えると、例えば150μA以上の電流であれば次画像に影響のない安定したクリーニング性が得られるが、次画像に影響する許容レベルによってはこれより小さい電流であっても差し支えない。
尚、電流が大きくなりすぎると、中間転写ベルトの抵抗が上昇したときにブラシ電圧が高くなるという問題の他に、オゾン発生量が増加する等の問題もあり、あまり高すぎる(例えば500μA)と、オゾンフィルタが必要になる等のコストアップに繋がることから好ましくない。
◎実施例4
本実施例は、中間転写ベルトの抵抗が高くなる低温低湿環境下で、定電流制御を行った場合のプリント枚数による導電ブラシのブラシ電圧の変化を測定したものである。
尚、中間転写ベルトは高抵抗品と低抵抗品とで行い、定電流制御は200μAで行った。
結果は、図10に示すように、高抵抗品では、プリント枚数が500枚程度までに電圧の大きな変化(システム抵抗の増加)を示し、それ以降はほぼリニアに増加していく傾向を示した。また、低抵抗品では、初期からリニアに増加していく傾向を示した。
本発明に係るクリーニング装置の概要を示す説明図である。 本発明が適用された画像形成装置の実施の形態を示す説明図である。 実施の形態の部分拡大図である。 実施の形態の作用を示す説明図である。 実施の形態の変形例を示す説明図である。 実施例1の結果を示す説明図である。 実施例2の結果を示す説明図である。 実施例3による高抵抗品の結果を示す説明図である。 実施例3による低抵抗品の結果を示す説明図である。 実施例4の結果を示す説明図である。
符号の説明
1…ベルト部材,2…トナー回収部材,3…クリーニング部材,4…定電流制御手段,5…帯電バイアス,6…対向部材

Claims (8)

  1. トナー像が担持搬送され且つ弾性を有するベルト部材と、このベルト部材上の残留トナーを清掃するクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
    クリーニング装置は、前記ベルト部材に接触配置され、トナー本来の極性と同極性の帯電バイアスが印加され且つ残留トナーの少なくとも一部を掻き取る板状部材からなるトナー回収部材と、
    このトナー回収部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、
    前記トナー回収部材のベルト搬送方向下流側に位置するベルト部材に接触配置され、トナー本来の極性と異なる極性のクリーニングバイアスが印加され且つ残留トナーを清掃可能にする回転部材からなるクリーニング部材と、
    このクリーニング部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、
    クリーニング時に前記クリーニング部材と当該クリーニング部材に対向する前記対向部材との間に流れる電流を一定に制御する定電流制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記クリーニング部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられた対向部材は、当該クリーニング部材より若干下流側に偏倚配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    クリーニング部材は、ベルト部材上の残留トナーの一部を回収すると共に、残りを逆極性に帯電するものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項記載の画像形成装置において、
    クリーニング部材は、導電性ブラシにて構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 像担持体と、
    弾性を有するベルト部材としての中間転写体と、
    像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する一次転写装置と、
    中間転写体上のトナー像を記録材に転写する二次転写装置と、
    像担持体上の残留トナーを清掃する像担持体クリーニング装置と、
    中間転写体上の残留トナーを清掃する中間転写体クリーニング装置とを備え、
    中間転写体クリーニング装置として、請求項1乃至のいずれかに記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項記載の画像形成装置のうち、中間転写体クリーニング装置として請求項3記載のクリーニング部材を使用した態様において、
    中間転写体クリーニング装置にて逆帯電された残留トナーは、一次転写部位にて像担持体側に転移され、像担持体側クリーニング装置にて回収可能であることを特徴とする画像形成装置。
  7. トナー像が担持搬送され且つ弾性を有するベルト部材上の残留トナーを清掃するクリーニング装置であって、
    前記ベルト部材に接触配置され、トナー本来の極性と同極性の帯電バイアスが印加され且つ残留トナーの少なくとも一部を掻き取る板状部材からなるトナー回収部材と、
    このトナー回収部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、
    前記トナー回収部材のベルト搬送方向下流側に位置するベルト部材に接触配置され、トナー本来の極性と異なる極性のクリーニングバイアスが印加され且つ残留トナーを清掃可能にする回転部材からなるクリーニング部材と、
    このクリーニング部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられ且つ接地された導電性を有する対向部材と、
    クリーニング時に前記クリーニング部材と当該クリーニング部材に対向する前記対向部材との間に流れる電流を一定に制御する定電流制御手段とを備えることを特徴とするクリーニング装置。
  8. 請求項7記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング部材のベルト部材を挟んで対向する位置に設けられた対向部材は、当該クリーニング部材より若干下流側に偏倚配置されていることを特徴とするクリーニング装置。
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