JP5574220B2 - クリーニング装置、ベルト装置および画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置、ベルト装置および画像形成装置 Download PDF

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本発明は、無端状のベルト部材のおもて面に付着している付着物をクリーニング回転体によってクリーニングするクリーニング装置、これを備えたベルト装置および画像形成装置に関するものである。
画像形成に用いられるトナーは、近年の高画質化に伴い、粉砕法によるものよりも、重合法によるものが主流になってきている。重合法によるトナー粒子は、粉砕法によるトナー粒子に比べて球形に近く、且つ小径であることから、高解像度に対応する小さなドットでも優れた再現性を発揮することができる。反面、クリーニングブレードでの掻き取りによるブレードクリーニング方式では、クリーニング不良を引き起こし易いという不具合がある。球形に近く且つ小径であることから、クリーニングブレードと、被クリーニング体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けてしまうからである。
特許文献1に記載のクリーニング装置のように、静電クリーニング方式を採用すれば、重合法によるトナーであっても良好にクリーニングすることができる。具体的には、特許文献1に記載のクリーニング装置は、被クリーニング体としてのドラム状の感光体に当接しながら回転するクリーニングブラシローラと、これに当接しながら回転する回収ローラと、回収ローラに当接する掻き取りブレードとを備えている。そして、クリーニングブラシローラは、回転自在に支持された回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部とを具備している。このクリーニングブラシローラには、トナーの正規帯電極性とは逆極性のクリーニング電圧を印加している。また、回収ローラには、クリーニング電圧と同極性で且つクリーニング電圧よりも値の大きな回収電圧を印加している。転写工程を経た後の感光体の表面上に残留してしまった転写残トナーは、回転するクリーニングブラシローラのブラシローラ部によって引っ掻かれながら、感光体とブラシローラ部との間の電界によってブラシローラ部内に静電転移する。そして、ブラシローラ部内から回収ローラ更に静電転移した後、掻き取りブレードによって回収ローラ表面から掻き落とされる。このような静電クリーニング方式では、ブレードクリーニング方式に比べて、重合法によるトナーを良好にクリーニングすることができる。
また、静電クリーニング方式において、中間転写ベルトなどのベルト部材をクリーニング対象とする場合には、クリーニング回転体たるクリーニングブラシローラとベルト部材を介して対向する位置にクリーニング対向ローラを設けるのが一般的である(例えば、特許文献2、3)。クリーニング対向ローラを接地し、クリーニング対向ローラとクリーニングブラシローラとの間に電界を形成し、ベルト部材上のトナーをクリーニングブラシローラに静電的に転移させている。
画像の濃度調整や色重ねのズレを補正するための制御でベルト部材上にトナーパターンを形成してその濃度をフォトセンサで読み取りその検知結果により作像条件をコントロールする場合、読み取った後のトナーパターンは転写紙に転写されずに、クリーニング装置で除去することになる。また、現像器内のトナーをリフレッシュするためにトナーを消費するモードや、紙の搬送不良によりジャムが発生した場合も作像されたトナー像は転写紙に転写されず、クリーニング装置で除去することになる。このように、クリーニング装置には、転写残トナーだけでなく、トナーパターンなど、ベルト部材にトナーが大量に付着している未転写のトナー像をベルト部材から除去する場合がある。
未転写トナー像などの大量のトナーをベルト部材からクリーニングブラシローラへ静電的に付着させるためには、クリーニングブラシローラとクリーニング対向ローラとの間に強い電界を形成する必要がある。しかし、電界を強くすると、クリーニングブラシローラからベルト部材を介してクリーニング対向ローラに至るまでの経路に流れる電流(以下、クリーニング電流という)が過剰となる。その結果、トナーに対して正規極性とは逆極性の電荷注入が起こって、トナーを逆帯電させてしまうことがある。そのようなトナーの逆帯電が起こることで、クリーニング性を悪化させてしまう。
かかるトナーの逆帯電について、より詳しく説明する。図8は、従来のクリーニング装置におけるクリーニングニップの周囲構成の一例を示す拡大構成図である。同図において、ベルト部材としての中間転写ベルト901は、図示のクリーニング対向ローラ902や、図示しない複数のローラに張架された状態で無端移動せしめられている。中間転写ベルト901のループ内側では、クリーニング対向ローラ902が、その周面の全域のうち、図示の掛け回し幅Wの範囲において中間転写ベルト901を掛け回している。一方、中間転写ベルト901のループ外側では、クリーニングブラシローラ903がベルトおもて面に当接してクリーニングニップを形成している。クリーニングブラシローラ903は、図示しない駆動手段により、自らの表面をクリーニングニップ内でベルトとは逆方向に移動させるカウンター方向に回転駆動しながら、自らの複数の起毛からなるブラシを中間転写ベルト901のおもて面に摺擦させている。中間転写ベルト901のおもて面に付着している転写残トナーは、トナーとは逆極性のクリーニングバイアスが印加されるクリーニングブラシローラに掻き取られる。この掻き取りが行われるクリーニングニップのベルト移動方向の長さであるニップ幅Wは、上述の掛け回し幅Wよりも大きくなっている。そして、ベルト移動方向におけるクリーニングニップの上流側端部や下流側端部では、ローラに掛け回されていないベルト展張領域に対してクリーニングブラシローラ903が当接している。以下、クリーニングニップのうち、ベルト移動方向の上流側でクリーニングブラシローラ903がベルト展張領域に当接している領域を「上流側ベルト展張ニップ領域」という。この上流側ベルト展張ニップ領域においては、ベルトおもて面にクリーニングブラシローラ903が当接しているものの、ベルト裏面にクリーニング対向ローラ902が当接していないため、クリーニング電流はそれほど流れない。これに対し、クリーニング対向ローラ902が中間転写ベルト901に接触しているベルト掛け回し領域(掛け回し幅Wで示される領域)では、クリーニング電流が多くに流れる。特に、ニップ圧が最も強くなるベルト掛け回し領域中央部付近では、ベルト駆け回し領域の両端部に比べてクリーニング電流が多く流れる。このため、ベルト掛け回し領域中央部付近にトナーが進入すると、トナーの逆帯電が起こり易くなるのである。
よって、良好なクリーニング性を得るためには、クリーニングニップにおけるベルト移動方向の全領域のうち、次のような領域で殆どの転写残トナーをクリーニングブラシローラに転移させておく必要がある。即ち、クリーニング電流量が過剰になり難い、上流側ベルト展張ニップ領域(幅Wで示される領域)や、ベルト駆け回し領域(掛け回し幅Wで示される領域)の入口付近である。しかしながら、幅Wで示される上流側ベルト展張ニップ領域の入口付近では、図示のようにブラシを構成している起毛がその先端だけをベルトに接触させている状態になっている。このような状態の起毛に対して転写残トナーが転移するのは困難である。転写残トナーの良好な転移が起こるのは、起毛が大きく撓みながらその側面をベルトに当接させている状態のときである。幅Wで示される上流側ベルト展張ニップ領域のうち、起毛がそのような状態になるのは入口付近から比較的離れたごく僅かな領域に限られる。また、駆け回し幅Wで示されるベルト掛け回し領域のうち、クリーニング電流によるトナーの逆帯電がそれほど発生しない領域は、入口付近のごく僅かな領域に限られる。これらの結果、従来のクリーニング装置では、クリーニングブラシローラに転移しないままに、ベルト掛け回し領域中央部に進入してしまう転写残トナーがどうしても発生して、クリーニング不良を引き起こしていたことがわかった。
そこで、本出願人らは、ベルト移動方向において、クリーニングニップの中心を、クリーニング対向ローラに対するベルト掛け回し領域の中心よりも上流側に位置させたクリーニング装置を特願2009−248415号で提案した。ベルト移動方向において、クリーニングニップの中心を、クリーニング対向ローラに対するベルト掛け回し領域の中心よりも上流側に位置させることで、それら中心を同じところに位置させていた従来に比べて、上流側ベルト展張ニップ領域を増大させることができる。例えば、図9に示のように、クリーニングニップのベルト移動方向の中心線であるニップ中心線Lを、クリーニングローラ902に対するベルト掛け回し領域の中心線である掛け回し中心線Lよりも上流側に位置させている。このようにすることで、従来例を示す図8との比較から明らかなように、幅Wで示される上流側ベルト展張ニップ領域を従来よりも増大させるのである。すると、トナーの逆帯電を引き起こし易い、クリーニング対向ローラに対するベルト掛け回し領域の中央部よりも上流側で、ベルト上のトナーをクリーニングブラシローラに良好に転移させ得る領域を従来よりも増大させるので、従来よりも良好にベルト部材をクリーニングすることができる。
しかしながら、特願2009−248415号に記載のクリーニング装置においては、次のような不具合があることがわかった。すなわち、図9に示すように、クリーニングニップ出口点Gよりもベルト部材移動方向下流側にクリーニング対向ローラ902のベルト掛け回し領域の出口点Cが位置している。すなわち、ベルト部材901における掛け回し領域の一部が、クリーニングニップ範囲よりもベルト移動方向下流側にはみ出している。かかる構成の場合、出口点Gと出口点Cとの間の領域の電界が強くなり、出口点Gと出口点Cとの間の領域で剥離放電が発生してしまう。このような放電により、ベルト部材901やクリーニングブラシローラ903がダメージを受け、早期にクリーニングブラシローラ903やベルト部材901が寿命をむかえてしまうという不具合がある。
また、クリーニングブラシローラ903で大量のトナーをベルト部材901から除去した場合、回収手段たる不図示の回収ローラでクリーニングブラシローラ903に付着したトナーを回収できない場合がある。この場合、回収ローラに回収されなかった未回収トナーが付着した状態のブラシが、出口点Gと出口点Cとの間の領域に進入する。クリーニングブラシローラ903は、トナーの正規帯電極性と反対極性、例えば正極性の電圧が印加されており、クリーニング対向ローラ902は、接地されているため、出口点Gと出口点Cとの間の領域で放電が発生すると、クリーニング対向ローラ902からクリーニングブラシローラ903へ向けて負極性の電荷(電子)が移動する。このため、ブラシに付着している未回収トナーに負極性の電荷が注入される。従って、放電によりブラシに付着した未回収トナーが負極性にチャージアップし、ブラシとの静電的な付着力が増加する。このように未回収トナーとブラシとの静電的な付着力が増加することで、未回収トナーが付着したブラシが、再度、回収ローラとの当接領域に進入したとき、未回収トナーが、回収ローラ表面へ静電的に移動せずに残ってしまう。これは、未回収トナーがチャージアップすると、回収ローラとクリーニングブラシローラ903との間の回収電界によるトナーを回収ローラ表面へ移動させる力も増加するが、その増加量よりもトナーとブラシとの静電的な吸着力の増加量の方が大きい。このため、チャージアップ前は、トナーを回収ローラ表面へ移動させる力がブラシとの静電的な吸着力よりも大きかった関係が、チャージアップ後は、ブラシとの静電的な吸着力の方がトナーを回収ローラ表面へ移動させる力よりも大きい関係に変化してしまう。その結果、未回収トナーが、回収ローラ表面へ静電的に移動せずにブラシに残ってしまうのである。このように、未回収トナーが、回収ローラに回収されず、クリーニングブラシローラ903に残ってしまうため、経時の使用で、このような未回収トナーが蓄積していき、経時にわたり良好なクリーニング性を得られなくなってしまうという問題である。
なお、上述では、クリーニングブラシローラ903に正極性の電圧を印加して、負極性のトナーを静電的に吸着させている場合を例に説明したが、クリーニングブラシローラ903に負極性の電圧を印加して、正極性のトナーを静電的に吸着させる場合も同様な問題が発生する。この場合は、クリーニングニップ出口で放電が起こると、クリーニングブラシローラ側からクリーニング対向ローラ側へ向けて、負極性の電荷(電子)が移動する。このとき、ブラシに付着している未回収トナーからも負極性の電荷が、クリーニング対向ローラに向けて放出され、未回収トナーが正極性にチャージアップする。その結果、未回収トナーのクリーニングブラシローラとの静電吸着力が増加し、回収手段たる回収ローラへ静電的に移動しなくなり、クリーニングブラシローラ903に未回収トナーが蓄積していき、経時にわたり良好なクリーニング性を維持できなくなる。
また、クリーニング回転体として、クリーニングブラシローラを用いる場合を例にして説明したが、クリーニングローラのようなブラシを具備しないものを用いる場合でも、クリーニングニップ出口付近で放電が起こり、クリーニングローラに付着している未回収トナーがチャージアップする。その結果、クリーニングローラとの静電吸着力が増加し、回収手段たる回収ローラへ静電的に移動しなくなり、未回収トナーが蓄積していき、経時にわたり良好なクリーニング性を維持できなくなる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも良好にベルト部材をクリーニングすることができ、ベルト部材およびクリーニング回転体の放電によるダメージを抑制し、かつ、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することのできるクリーニング装置、ベルト装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端状のベルト部材のループ内側に配設された複数の張架ローラの1つであるクリーニング対向ローラに対する前記ベルト部材の掛け回し領域に対してベルトおもて面側から当接して、自らとベルトおもて面とが当接するクリーニングニップを形成した状態で、自らの表面を前記クリーニングニップ内でベルト移動方向とは逆方向に移動させるように回転しながら、ベルトおもて面に付着している自らに印加されている電圧の極性と反対極性の付着物を自らに静電的に転移させてクリーニングするクリーニング回転体と、前記クリーニング回転体に付着している付着物を自らに静電的に転移させて前記クリーニング回転体から付着物を回収する回収手段とを備えるクリーニング装置において、ベルト移動方向における前記クリーニングニップの中心が、ベルト移動方向における前記掛け回し領域の中心よりもベルト移動方向の上流側に位置し、かつ、前記掛け回し領域が、前記クリーニングニップ範囲内に収まるように、前記クリーニング回転体を前記ベルト部材に当接させて前記クリーニングニップを形成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、自らのループ内側に配設された複数の張架ローラによって張架された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の表面に付着している付着物をクリーニングするクリーニング手段とを備えたベルト装置において、上記クリーニング手段として、請求項1に記載のクリーニング装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のベルト装置において、前記クリーニング対向ローラとして、導電性ワイヤを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、無端状のベルト部材のおもて面に担持されているトナー像、あるいは、前記ベルト部材のおもて面に保持された記録部材に担持されているトナー像を、前記ベルト部材の無端移動に伴って搬送するベルト装置と、前記ベルト部材のおもて面、あるいは記録部材にトナー像を形成するトナー像形成手段とを備える画像形成装置において、前記ベルト装置として、請求項2または3のベルト装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記ベルト部材は、厚さが0.07[mm]以上0.5[mm]以下の弾性層を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、ベルト移動方向において、クリーニングニップの中心を、クリーニング対向ローラに対するベルト掛け回し領域の中心よりも上流側に位置させることで、それら中心を同じところに位置させていた従来に比べて、上流側ベルト展張ニップ領域を増大させることができる。これにより、クリーニング対向ローラに対するベルト掛け回し領域の中央部よりも上流側で、ベルト上の付着物をクリーニング回転体に良好に転移させ得る領域を従来よりも増大させることができ、従来よりも良好にベルト部材をクリーニングすることができる。
また、ベルト部材における掛け回し領域が、クリーニングニップ範囲内に収まることで、ベルト部材における掛け回し領域の一部がクリーニングニップ範囲よりもベルト移動方向下流側にはみ出している場合に比べて、クリーニングニップ出口付近の電界を弱めることができる。これにより、クリーニングニップ出口付近での放電を抑えることができ、クリーニング回転体およびベルト部材の放電によるダメージを抑制することができる。よって、ベルト部材およびクリーニング回転体の寿命を延ばすことができる。また、クリーニング回転体に付着した未回収付着物が、放電によりクリーニング回転体の帯電極性と逆極性にチャージアップされるのを抑制することができる。従って、未回収付着物のクリーニング回転体への静電的な吸着力が、回収手段へ静電的に移動する力よりも大きくなることが抑制される。その結果、未回収付着物が、再度、回収手段へ付着物が静電的に移動する領域に進入したとき、未回収付着物が、回収手段へ静電的に移動して、クリーニング回転体から回収することができる。これにより、経時にわたりクリーニング回転体に未回収付着物が蓄積するのを抑制することができ、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図。 同プリンタのベルトクリーニング装置とその周囲とを拡大して示す拡大構成図。 同プリンタにおけるクリーニング対向ローラと中間転写ベルトとを示す拡大構成図。 同プリンタにおけるクリーニング対向ローラと中間転写ベルトとクリーニングブラシローラとを示す拡大構成図。 実施形態に係るプリンタの第1変形例におけるベルトクリーニング装置とその周囲とを示す拡大構成図。 検証実験の結果を示すグラフ。 タンデム型直接転写方式のプリンタの要部を示す概略構成図。 従来のクリーニング装置におけるクリーニングニップの周囲構成の一例を示す拡大構成図。 先願のクリーニング装置におけるクリーニングニップの周囲構成の一例を示す拡大構成図。
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、いわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの要部を示す概略構成図である。本プリンタは、イエロー,マゼンタ,シアン,黒(以下、Y,M,C,Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1Y,M,C,Kをそれぞれ有している。感光体1Y,M,C,Kの回りにはそれぞれ帯電装置2Y,M,C,K、現像装置5Y,M,C,K、ドラムクリーニング装置4Y,M,C,K、除電装置(不図示)等を有している。プロセスユニット6Y,M,C,Kは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。プロセスユニット6Y,M,C,Kの上方には、感光体1Y,M,C,Kの表面に対してレーザー光Lを照射して静電潜像を書き込むための図示しない光書込ユニットが配設されている。
プロセスユニット6Y,M,C,Kの下方には、ベルト部材たる無端状の中間転写ベルト8を具備するベルト装置としての転写ユニット7が配設されている。中間転写ベルト8の他、そのループ内側に配設された複数の張架ローラや、ループ外側に配設された2次転写ローラ15、押圧ローラ16、ベルトクリーニング装置100などを有している。
中間転写ベルト8のループ内側には、4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kと、テンションローラ10と、1次転写後ローラ11と、2次転写対向ローラ12と、2個のクリーニング対向ローラ13、14とが配設されている。これらローラは何れも、自らの周面の一部に中間転写ベルト8を掛け回してベルト張架を行う張架ローラとして機能している。中間転写ベルト8は、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される駆動ローラ12の回転により、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
ベルトループ内側に配設された4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kは、感光体1Y,M,C,Kとの間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8のおもて面と、感光体1Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。なお、1次転写ローラ9Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によってトナーとは逆極性の1次転写バイアスが印加される。
また、ベルトループ内側に配設された2次転写対向ローラ12は、ベルトループ外側に配設された2次転写ローラ12との間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8のおもて面と、2次転写ローラ12とが当接する2次転写ニップが形成されている。なお、2次転写ローラ12には、図示しない電源によってトナーとは逆極性の2次転写バイアスが印加される。
また、ベルトループ内側に配設されたクリーニング対向ローラ13、14は、ベルトループ外側に配設されたベルトクリーニング装置100のクリーニングブラシローラ102、106との間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8のおもて面と、クリーニングブラシローラ102、106とが当接するクリーニングニップが形成されている。ベルトクリーニング装置100は中間転写ベルト8と一体的に交換可能になっているが、ベルトクリーニング装置100と中間転写ベルト8とで寿命設定が異なる場合には、ベルトクリーニング装置100を中間転写ベルトとは独立してプリンタ本体に着脱可能としてもよい。
本プリンタは、記録紙Pを収容する給紙カセットや、給紙カセットから記録紙Pを給紙路に給紙する給紙ローラなどを有する図示しない給紙部を備えている。また、給紙部から送られてきた記録紙を受け入れて2次転写ニップに向けて所定のタイミングで送り出す図示しないレジストローラ対を、上述した2次転写ニップの図中右側方に備えている。また、2次転写ニップから送り出される記録紙Pを受け入れてその記録紙Pに対してトナー像の定着処理を施す図示しない定着装置を、上述した2次転写ニップの図中左側方に備えている。また、必要に応じて、現像装置5Y,M,C,Kに対してY,M,C,Kトナーを補給する図示しないY,M,C,K用のトナー補給装置も備えている。
近年、記録紙として従来広く用いられてきた普通紙に加え、デザインとして表面に凹凸を有する特殊紙やアイロンプリントなどの熱転写に用いる特殊な記録紙が用いられることが増えている。このような特殊紙を用いると、従来の普通紙の場合よりもカラートナーを重ね合わせた中間転写ベルト8上のトナー像を紙に2次転写する際に転写不良が発生し易くなる。そこで、本プリンタでは、中間転写ベルト8に弾性をもたせることにより、記録紙との接触性を高めている。
中間転写ベルト8としては、多層構造のものが用いられる。ベース層としては、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電剤を適当量含有させて、その体積抵抗率が10〜1014Ω・cmとなるものが用いられている。また、弾性を持たせたベルトにする場合には、0.07mm以上0.5mm以下の導電性弾性層を設ける。その導電性弾性層の主基材として、シリコーンゴム、NBR、H−NBR、CR、EPDM、ウレタンゴム等が用いられる。また、導電性保護層の材料は、摩擦抵抗の低減、電気特性の環境に対する安定性、表面粗さ低減による残留トナークリーニング性能の向上といった目的を達成できるものであれば、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、PVDFなどのフッ素樹脂系ポリマーを、アルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、シランカプラー、ウレタン樹脂系のエマルジョンや有機溶媒に、溶解・分散した塗料を使用することができる。これら保護層は、上記の塗料をディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコートなどにより設けることができる。さらに、保護層に表面処理または研磨を施すことにより離型性、導電性、耐磨耗性、表面クリーニング性等を改善することができる。弾性を有する中間転写ベルト8とドラム状の感光体1とは比較的広い接触領域にて接触配置されており、しかも、中間転写ベルト8により弾性押圧されているため、ドラム状の感光体1と中間転写ベルト8との間のタック面圧はそれほど高くなく、しかも、中間転写ベルト8によるトナー像の包み込み動作が行われ、感光体1Y,M,C,K上のトナー像が中間転写ベルト8側に一次転写される。このとき、中間転写ベルト8への転写画像には、大きなタック面圧によるホロキャラクタなどの画像欠陥はなく、高い転写効率で転写されるため、記録材(特に凹凸を有する特殊紙など)上のカラー画像品質はきわめて良好に保たれる。
パーソナルコンピュータ等から画像情報が送られてくると、本プリンタは、駆動ローラ12を回転駆動して、中間転写ベルト8を無端移動させる。駆動ローラ12以外の張架ローラについては、ベルトに従動回転させる。同時に、プロセスユニット6Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kを回転駆動する。また、感光体1Y,M,C,Kの表面を帯電装置2Y,M,C,Kによって一様に帯電させながら、帯電後の表面に対してレーザー光Lの照射によって静電潜像を形成する。そして、感光体1Y,M,C,Kの表面に形成した静電潜像を現像装置5Y,M,C,Kすることで、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,Kトナー像を得る。Y,M,C,Kトナー像は、上述したY,M,C,K用の1次転写ニップにて、中間転写ベルト8のおもて面に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8のおもて面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
一方、給紙部では、給紙ローラ27によって給紙カセットから記録紙Pを1枚づつ送り出してレジストローラ対まで搬送する。そして、中間転写ベルト8上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで、レジストローラ対を駆動して記録紙Pを2次転写ニップに送り込んで、ベルト上の4色重ね合わせトナー像を記録紙Pに一括2次転写する。これにより、記録紙Pの表面にフルカラー画像を形成する。フルカラー画像形成後の記録紙Pについては、2次転写ニップから定着装置に搬送してトナー像の定着処理を施す。
Y,M,C,Kトナー像を中間転写ベルト8に1次転写した後の感光体1Y,M,C,Kについては、ドラムクリーニング装置4Y,M,C,Kによって転写残トナーのクリーニング処理を施す。その後、図示しない除電ランプで除電した後、帯電装置2Y,M,C,Kで一様に帯電せしめて、次の画像形成に備える。
ここで、従来のブレードクリーニング方式の問題点について説明する。上述のように、近年、高画質化の要望が高まり、トナーは小粒径化の傾向にある。また、トナー製造コスト低減および転写率向上の要望から粉砕トナーではなく重合法等により球形化トナーを採用する傾向にある。小粒径化や球形化の進んだトナーの使用に伴い、像担持体上に残留したトナーを除去する手段として主に用いられてきたブレードクリーニング方式では、ブレードと像担持体表面の密着の精度が低いとトナーがすり抜けてしまいクリーニング性が低下しやすい。これを防ぐため、ブレードを強い当接圧で押しつけると、ブレードのめくれが発生し、いわゆるスジ状あるいは帯状のクリーニング不良を引き起こす原因となり、安定したクリーニング性能を保ちつづけることが困難である。また、球形トナーでも線圧を極端に高くすれば(具体的には、線圧100gf/cm以上)クリーニングできるが、その分クリーニングブレードの磨耗やベルトのキズ等により寿命が極端に短くなる。通常の線圧20gf/cmでのクリーニングブレード寿命(削れてクリーニング不良が発生する時の寿命)は、約120K枚である。線圧100gf/cmの時は、クリーニングブレードの寿命は約20K枚程度である。また、転写性が良いとされている球形トナーに対して、ブレードクリーニング性は、粉砕(異型)トナーに対するクリーニング性より劣ることは良く知られていることである。
そこで、本プリンタでは、ブレードクリーニング方式よりも良好に球形化トナーをクリーニングすることが可能な静電クリーニング方式のベルトクリーニング装置100を採用している。
図2は、本プリンタのベルトクリーニング装置100とその周囲とを拡大して示す拡大構成図である。このベルトクリーニング装置100は、ベルト部材たる中間転写ベルト8上のトナーのうち正規帯電極性である負極性トナーをクリーニングするための第1クリーニング部100aと、中間転写ベルト8上のトナーのうち正規帯電極性と逆極性である正極性トナーをクリーニングする第2クリーニング部100bとを有している。
第1クリーニング部100aは、クリーニング回転体としての第1クリーニングブラシローラ102、第1クリーニングブラシローラ102に付着したトナーを回収する回収手段としての第1回収ローラ103、第1回収ローラ103に当接して第1回収ローラ表面からトナーを掻き取るトナー掻き取り部材としての第1トナー掻き取りブレード104を備えている。
第1クリーニングブラシローラ102は、回転自在に支持される金属製の回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた複数の起毛(導電性繊維)からなるブラシローラ部とを具備しており、図示しないブラシ用電源によってトナーの正規帯電極性と逆極性である正極性の第1クリーニングバイアスが印加される。また、第1回収ローラ103には、図示しない回収電源より、正極性で且つ第1クリーニングバイアスよりも大きな値の第1回収バイアスが印加される。また、第1掻き取りブレード104を、導電性とし、第1回収ローラ103の表面電位を維持するためにバイアスを印加してもよい。また、第1クリーニングブラシローラ102にトナーが多く回収された場合にブラシ先端の電位が低下してしまうことがある。このため、第1クリーニングブラシローラ102の表面に電荷を付与するブラシ表面電荷付与手段を設けてもよい。ブラシ表面電荷付与部材は、金属の丸棒や金属の板状部材などの当接部材を第1クリーニングブラシローラ102に当接させ、当接部材に正極性のバイアスを印加することで、ブラシ表面に電荷が付与される。ブラシ表面に電荷を付与することにより、ブラシ先端の電位が低下してもその電位を補うことができる。
第2クリーニング部100bは、第1クリーニング部100aよりも中間転写ベルト8移動方向下流側に配置され、第1クリーニング部100aと同様、クリーニング回転体としてのクリーニングブラシローラ106、回収手段としての回収ローラ107、掻き取りブレード108を備えている。
第2クリーニングブラシローラ106は、回転自在に支持される金属製の回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた複数の起毛(導電性繊維)からなるブラシローラ部とを具備しており、図示しないブラシ用電源によってトナーの正規帯電極性と同極性である負極性の第2クリーニングバイアスが印加される。また、第2回収ローラ107には、図示しない回収電源より、負極性で且つ第2クリーニングバイアスよりも大きな値の第2回収バイアスが印加される。また、第2掻き取りブレード108を、導電性とし、第2回収ローラ107の表面電位を維持するために負極性のバイアスを印加してもよい。また、第2クリーニングブラシローラ106のブラシ先端の電位の低下を抑制するために、上述と同様な構成のブラシ電荷付与手段を設けてもよい。
また、本ベルトクリーニング装置100は、第1、第2クリーニング部100a,100bで除去したトナーを、装置ケーシングの一端部に向けて搬送してベルトクリーニング装置100ケーシングの外に排出する排出スクリュ109が設けられている。排出スクリュ109によってクリーニング装置から排出されたトナーは、プリンタ本体に備えられた図示しない廃トナータンク(不図示)内に落下する。また、廃タンクではなく、現像装置に戻すようにしてもよい。
また、中間転写ベルト8表面保護のために、第2クリーニングブラシローラ106で中間転写ベルト8の表面に潤滑剤塗布を塗布してもよい。この場合は潤滑剤を固形化したものを第2クリーニングブラシローラ106に当接させ、潤滑剤を塗布するようにする。また、第2クリーニングブラシローラ106よりも中間転写ベルト8移動方向下流側に、中間転写ベルト表面に塗布した潤滑剤を均す均しブレードを設けてもよい。また、第2クリーニングブラシローラ106とは別に潤滑剤塗布用のブラシを設けてもよい。第2クリーニングブラシローラ106とは別に潤滑剤塗布用のブラシを設けることで、第2クリーニングブラシローラ106で潤滑剤を塗布する場合、第2クリーニングブラシローラ106にはトナーが常時回収されているため、トナーと潤滑剤とが交じり合い、潤滑剤塗布時にいったん回収したトナーが、再度中間転写ベルト上に付着する場合がある。一方、第2クリーニングブラシローラ106とは別に潤滑剤塗布用のブラシを設けることで、回収されたトナーが中間転写ベルト8に再付着するのを抑制できる。
本プリンタのベルトクリーニング装置100における具体的な構成条件の一例は、通常環境(高温高湿環境以外)で以下のとおりである。
<第1クリーニングブラシローラ102の条件>
ブラシ材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル、いわゆる芯鞘構造)
ブラシ抵抗:1×10Ω(1000Vの電圧印加条件で軸線方向全域測定)
ブラシ軸印加電圧(クリーニングバイアス):+2000V
ブラシ植毛密度:10万本/inch、繊維径約25〜35μm、ブラシ先端の斜毛処理あり
ブラシ直径:15mm
中間転写ベルト8へのブラシ食い込み量:1mm
回転方向:ベルトに対してカウンター方向
<第2クリーニングブラシローラ106の条件>
ブラシ材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル、いわゆる芯鞘構造)
ブラシ抵抗:1×10Ω(1000Vの電圧印加条件で軸線方向全域測定)
ブラシ軸印加電圧(クリーニングバイアス):−1600V
ブラシ植毛密度:10万本/inch、繊維径約25〜35μm、ブラシ先端の斜毛処理あり
ブラシ直径:16mm
中間転写ベルト8へのブラシ食い込み量:1mm
回転方向:ベルトに対してカウンター方向
第1、第2クリーニングブラシローラ102、106のブラシ繊維は繊維全体としては導電性であるが、繊維表面は絶縁層で覆われているものを用いる。繊維表面に絶縁層を有することで、各クリーニングブラシローラ102、106と中間転写ベルト8とが接触する際に電流が流れ難くなり、ブラシ繊維がベルトからトナーを静電吸引する際に余分な電流が流れ難くなる。このため、トナーに逆極性の電荷を与えてしまうことがなく、いったんブラシ内に捕捉したトナーを中間転写ベルト8に再付着させる恐れが少なくなる。ただし、このようなブラシを使用しても、繊維表面の絶縁を破壊して電流を流すほどの電圧を回転軸に印加すると、結果として中間転写ベルト8にトナーを戻してしまうことになるので、電圧値の設定には注意を要する。
各クリーニングブラシローラ102、106は、ブラシロール状に形成後、一方向に毛を倒す斜毛処理を施すと、繊維断面に露出している導電剤を中間転写ベルト8に接触させ難くなる。これにより、トナーへの電荷注入性が低減され、クリーニング性の余裕度が向上する。繊維はナイロン、ポリエステル、アクリル等の絶縁材が一般的で何れの材料の場合も同じ効果である。また、芯鞘構造の代表的な繊維は特開平10−310974号公報、特開平10−131035、特開平01−292116号公報、特公平07−033637号公報、特公平07−033606号公報、特公平03−064604号公報に開示されている。
<第1回収ローラ103の条件>
回収ローラ芯金材質:SUS
回収ローラ表面材質:PVDF(厚み100μm)の表層にアクリル系UV硬化樹脂層(厚み3〜5μm)
ローラ直径:14mm
回収ローラへのブラシ繊維食い込み量:1.5mm
回収ローラ芯金印加電圧(回収バイアス):+2400V
回転方向:第1クリーニングブラシローラ102に対してカウンター方向
<第2回収ローラ107の条件>
回収ローラ芯金材質:SUS
回収ローラ表面材質:PVDF(厚み100μm)の表層にアクリル系UV硬化樹脂層(厚み3〜5μm)
ローラ直径:14mm
回収ローラへのブラシ繊維食い込み量:1.5mm
回収ローラ芯金印加電圧(回収バイアス):−2000V
回転方向:第2クリーニングブラシローラ106に対してカウンター方向
各回収ローラ103,107はSUSからなる芯金の表面にPVDFを100μmの厚みで有し、さらにその表面にアクリル系のUV硬化樹脂層を有するもの(中抵抗ローラ)を用いた。本実施形態で用いた回収ローラ103、107のみならず、導電性芯金に数μm〜100μm程度の高抵抗弾性チューブを被せたもの、あるいはさらに絶縁コーティングしたものでも同じ性能を得られる。回収ローラ103,107の表面の材料としては、PVDFチューブ、PFAチューブ、PIチューブ、アクリルコート、シリコーンコート(例えばシリコーン粒子を含有したPC(ポリカーボネート)をコート)、セラミックス、フッ素コーティングなどがある。
<第1掻き取りブレード104の条件>
材質:SUS
厚み:100μm
ブレード当接角度:20°
第1回収ローラ103へのブレード食い込み量:0.6mm
<第2掻き取りブレード108の条件>
材質:SUS
厚み:100μm
ブレード当接角度:20°
第2回収ローラ107へのブレード食い込み量:0.6mm
各回収ローラ103,107には芯金に回収バイアスが印加され、その表面電位を測定すると回収バイアスとほぼ同電位になっているのであるが、クリーニング動作中、多くのトナーが入力されると、各回収ローラ103,107の表面電位はトナーの入力とともに低下していく。すると、各回収ローラ103,107とクリーニングブラシローラ102,106との電位差(回収電位差)が必要な値だけ確保できなくなり、クリーニングブラシローラ102,106からトナーを回収する能力が低下する。このため、例えば、A4サイズ1枚分のプリントであれば必要な大きさの回収電位差が確保できるが、連続プリント動作で且つブラシへの入力トナー量が多い場合には回収電位差が確保できなくなるといった事態を引き起こすことがある。すると、クリーニングブラシローラ102,106内にトナーが溜まった状態となり、ブラシからベルトにトナーを吐き出してしまうといった問題がある。このため、掻き取りブレード104,108を導電性にして、掻き取りブレード104,108に掻き取り電圧を印加して、回収ローラ103,107の表面に電荷を与えるようにしてもよい。回収ローラ表面に電荷を与えることで、回収電位差を大きくして回収性能を向上させることができる。
また、本実施形態の中間転写ベルト8、クリーニング対向ローラ13、14の条件は、以下のとおりである。
<中間転写ベルトの条件>
材質:弾性ベルト
層厚:250μm
<クリーニング対向ローラ13、14の条件>
材質:アルミ
直径:14mm
2次転写ニップを通過した転写残トナーは、第1クリーニングブラシローラ102の位置に中間転写ベルト8の回転により移送される。第1クリーニングブラシローラ102には、トナーの正規帯電極性と反対極性(正極性)の電圧が印加されており、中間転写ベルト8と第1クリーニングブラシローラ102表面電位との電位差で形成される電界により、中間転写ベルト8上の負極性に帯電したトナーを静電的に吸着して第1クリーニングブラシローラ102へ移動させる。第1クリーニングブラシローラ102に移動した負極性のトナーは、第1クリーニングブラシローラ102よりも値が大きな正極性の電圧が印加された第1回収ローラ103との当接位置まで移送される。そして、第1クリーニングブラシローラ102の表面電位と第1回収ローラ103の表面電位との電位差で形成される電界により、第1クリーニングブラシローラ102上に移動したトナーを静電的に吸着して第1回収ローラ103上へ移動させ、第1回収ローラ103に移動した負極性のトナーは、第1掻き取りブレード104により回収ローラ表面から掻き落とされる。第1掻き取りブレード104により掻き落とされたトナーは、排出スクリュ109で装置外に排出される。
第1クリーニングブラシローラ102により除去できたかった中間転写ベルト8上の正極性の転写残トナーは、第2クリーニングブラシローラ106の位置に移送される。第2クリーニングブラシローラ106には、トナーの正規帯電極性と同極性(負極性)の電圧が印加されており、中間転写ベルト8と第2クリーニングブラシローラ106表面電位との電位差で形成される電界により、中間転写ベルト8上の正極性に帯電したトナーを静電的に吸着して第2クリーニングブラシローラ106へ移動させる。第2クリーニングブラシローラ106に移動した正極性のトナーは、第2クリーニングブラシローラ106よりも値が大きな負極性の電圧が印加された第2回収ローラ107との当接位置まで移送される。そして、第2クリーニングブラシローラ106の表面電位と第2回収ローラ107の表面電位との電位差で形成される電界により、第2クリーニングブラシローラ106上に移動したトナーを静電的に吸着して第2回収ローラ107上へ移動させる。第2回収ローラ107に移動した正極性のトナーは、第2掻き取りブレード108により第2回収ローラ表面から掻き落とされる。第2掻き取りブレード108により掻き落とされたトナーは、排出スクリュ109で装置外に排出される。
また、上述では、第1クリーニング部100aで、中間転写ベルト8上の負極性トナーを除去し、第2クリーニング部100bで正極性トナーを除去しているが、第1クリーニング部100aで正極性のトナーを除去し、第2クリーニング部100bで負極性のトナーを除去する構成でもよい。
次に、本発明の特徴点について、第1クリーニング部100aを用いて説明するが、第2クリーニング部100bも以下に記述する同様な特徴点を備えている。
図3は、本プリンタにおけるクリーニング対向ローラ13と中間転写ベルト8とを示す拡大構成図である。同図において、クリーニング対向ローラ13は、直径14mmのアルミ製のローラからなり、中間転写ベルト8の無端移動に伴って図中時計回り方向に従動回転する。このクリーニング対向ローラ13の全周のうち、図中の点Bから点Cに至る弧状の領域に対して、中間転写ベルト8が掛け回されている。そのベルト掛け回し領域のベルト移動方向の長さである掛け回し幅は、図中の符号Wで示されている。なお、同図において、符号Lで示される二点鎖線は、ベルト掛け回し領域(弧BC)のベルト移動方向の長さである掛け回し中心線を示している。また、符号Lで示される二点鎖線は、点Bに進入する直前のベルト移動方向をそのまま延長した延長線を示している。
図4は、本プリンタにおけるクリーニング対向ローラ13と中間転写ベルト8と第1クリーニングブラシローラ102とを示す拡大構成図である。同図において、第1クリーニングブラシローラ102は、直径15mmで、中間転写ベルト8のおもて面に対して1mm食い込ませて配置している。中間転写ベルト8のおもて面に対して、ニップ入口点Fからニップ出口点Gまでの領域(ニップ幅Wで示される領域)で当接してクリーニングニップを形成している。そして、クリーニングニップ内において、自らの表面を中間転写ベルト8とは逆方向に移動させるように、カウンター方向(同図で時計回り方向)に回転する。
上記掛け回し幅W、クリーニングニップ幅Wの長さは図面レイアウト上の寸法から測定する。または、中間転写ベルト8の表面及び裏面にトナーなどの色材を付着させ、クリーニング対向ローラ13、第1クリーニングブラシローラ102をセットしベルトが移動しないように固定した状態で、クリーニング対向ローラ、第1クリーニングブラシローラ102を回転させ、ベルト上の色材が除去された範囲の長さを測ることで測定することもできる。
同図に符号Lで示される二点鎖線は、クリーニングニップにおけるベルト移動方向の中心に位置するニップ中心線である。本プリンタにおいては、図示のように、ニップ中心線Lを掛け回し中心線Lよりもベルト移動方向の上流側に位置させ、且つ、ニップ入口点Fからニップ出口点Gまでのクリーニングニップにおけるベルト移動方向上流側の端部を、ブラシがベルト展張領域に当接する上流側ベルト展張ニップ領域としている。かかる構成では、ニップ中心線Lと掛け回し中心線Lとを同じ場所に位置させていた従来装置に比べて、幅Wで示される上流側ベルト展張ニップ領域(ニップ入口点Fから掛け回し入口点Bまでの領域)を増大させる。これにより、トナーの逆帯電を引き起こし易い、ベルト掛け回し領域の中央部よりも上流側で、ベルト上のトナーをクリーニングブラシローラ102に良好に転移させ得る領域を従来よりも増大させて、従来よりも良好に中間転写ベルト8をクリーニングすることができる。
また、掛け回し幅Wは、クリーニングニップ幅Wよりも短く、掛け回し幅Wは、クリーニングニップの範囲内に収まっている。かかる構成では、クリーニングニップ出口点Gをベルト掛け回し領域(弧BC)の出口点Cよりも上流側に位置させていた構成のものに比べ、クリーニングニップ出口点G付近での剥離放電を抑えることができる。これは、クリーニングニップ出口点G近傍ではクリーニング対向ローラ13はベルトに接触していないので、形成される電界は、先の図8に示した従来構成よりも弱く、放電を抑制できるからである。これにより、第1クリーニングブラシローラ102や中間転写ベルト8の放電によるダメージを抑えることができる。
また、クリーニングニップに制御パターンやジャム時の未転写トナーなど大量のトナーが連続して入ってくる場合、第1回収ローラ103へのトナー移動が間に合わない場合がある。この場合、回収ローラ103によって回収されず第1クリーニングブラシローラ102に残った未回収トナーが、再びクリーニングニップへ移動する。このとき、クリーニングニップ出口点G付近で放電が起こると、第1クリーニングブラシローラ102のブラシに付着している未回収トナーがチャージアップする。これは、第1クリーニングブラシローラ102には、図示しないブラシ用電源によって正極性の第1クリーニングバイアスが印加されており、クリーニング対向ローラ13は接地されているので、クリーニングニップ出口点G付近で放電が起こると、クリーニング対向ローラ13から第1クリーニングブラシローラ102へ向けて負極性の電荷が移動する。これにより、第1クリーニングブラシローラ102に付着している負極性の未回収トナーに負極性の電荷が注入され、未回収トナーがチャージアップするのである。このように、クリーニングニップ出口点G付近の放電によって、チャージアップした未回収トナーは、クリーニングブラシローラ102との静電的な吸着力が増加する。未回収トナーのチャージアップによって、未回収トナーを第1回収ローラ103へ静電的に移動させる力も増加するが、第1クリーニングブラシローラ102との静電的な吸着力の増加量の方が大きい。そのため、未回収トナーチャージアップ前は、第1回収ローラ103へ静電的に移動させる力の方が、ブラシへの静電的な吸着力よりも大きかったが、チャージアップ後は、ブラシへの静電的な吸着力の方が、第1回収ローラ103へ静電的に移動させる力よりも大きくなってしまう。その結果、未回収トナーは、第1回収ローラ103に回収されることなく、第1クリーニングブラシローラ102に付着し続けることになってしまう。その結果、経時使用で第1クリーニングブラシローラ102に付着する未回収トナーが多くなり、良好なクリーニング性が得られなくなってしまうという不具合がある。さらに、クリーニングニップ出口点G付近の放電により、中間転写ベルト8に付着している正極性のトナーから、負極性の電荷が第1クリーニングブラシローラ102へ移動し、正極性のトナーがチャージアップする。その結果、中間転写ベルト8上の正極性トナーと中間転写ベルト8との静電的な吸着力が増加する。これにより、中間転写ベルト8上の正極性トナーを第2クリーニングブラシローラ106へ転移させる力よりも、中間転写ベルト8への吸着力の方が大きくなる。その結果、第2クリーニング部100bで正極性トナーを良好に除去できない場合もある。
しかし、本プリンタにおいては、掛け回し幅Wを、クリーニングニップの範囲内に収め、クリーニングニップ出口点G付近での剥離放電を抑えている。その結果、第1クリーニングブラシローラ102に付着している未回収トナーや、中間転写ベルト8に付着している正極性トナーのチャージアップを抑えることができる。これにより、未回収トナーが、次回、第1回収ローラ103との当接領域に進入したとき、第1回収ローラ103へ静電的に移動させることができ、未回収トナーが、第1クリーニングブラシローラ102に付着し続けることを抑制することができる。その結果、第1クリーニングローラ102のクリーニング性を経時にわたり維持することができる。また、中間転写ベルト8の正極性トナーを第2クリーニングブラシローラ106で良好にクリーニングすることができる。
また、本プリンタでは、掛け回し幅Wは、クリーニングニップ幅Wよりも短い。第1クリーニングブラシローラ102に第1クリーニングバイアスを印加すると、第1クリーニングブラシローラ102から中間転写ベルト8を介してクリーニング対向ローラ13にクリーニング電流が流れるが、掛け回し幅Wを、クリーニングニップ幅Wよりも短くすることによって、クリーニング電流が流れる領域を狭くすることができる。その結果、中間転写ベルト8上のトナーが、クリーニング電流による電荷注入により逆極性への帯電するのを抑制することができる。
本プリンタにおいては、クリーニングニップ幅W約6mm、掛け回し幅W1mmで、クリーニングニップの中心は対向ニップの中心より2mmベルトの上流にシフトしている。
また、第2クリーニング部100bにおいても、同様な構成とすることで、クリーニングニップ出口点付近の剥離放電を抑制することができ、第2クリーニングブラシローラ106に付着している未回収トナーのチャージアップを抑制することができる。第2クリーニング部100bの場合は、第2クリーニングブラシローラ106が負極性に帯電しており、正極性の未回収トナーがブラシに付着する。クリーニングニップ出口点付近で放電が発生すると、第2クリーニングブラシローラ106からクリーニング対向ローラ14に向けて負極性の電荷が移動することになり、このとき、第2クリーニングブラシローラ106に付着している未回収トナーからも負極性の電荷がクリーニング対向ローラ14に向けて放出する。その結果、第2クリーニングブラシローラ106に付着している未回収トナーが、正極性にチャージアップする。よって、第2クリーニング部100bにおいても、図4に示すような配置関係とすることによって、第2クリーニングブラシローラ106の未回収トナーを、次回の第2回収ローラ107との当接のときに、第2回収ローラ側へ静電的に移動させることができる。その結果、第2クリーニングブラシローラ106のクリーニング性を経時にわたり維持することができる。
次に、本プリンタの変形例について説明する。
図5は、変形例のプリンタのベルトクリーニング装置100とその周囲とを拡大して示す拡大構成図である。この変形例1のプリンタは、クリーニング対向ローラ13、14を、導電性のワイヤ部材131、141で構成したものである。
導電性のワイヤ部材131、141は、中間転写ベルト8の両端に設けられた半円形状の絶縁性からなる支持部材132、142の不図示の溝にはまるように固定されている。支持部材132、142の直径は、14mmであり、ワイヤ部材131、141の直径は、細いワイヤで正確に実測できないが0.18mm以下のものを使用した。各ワイヤ部材131、141は、クリーニングニップの中心よりもベルト移動方向下流側に2mm下流に配置した。
このように、クリーニング対向ローラ13、14をワイヤ部材131、141とすることで、掛け回し幅Wをより一層狭めることができ、クリーニング電流が流れる幅をより一層狭めることができる。これにより、中間転写ベルト8上のトナーが、クリーニング電流による電荷注入により逆極性への帯電するのを抑制することができる。また、クリーニングニップ出口点G近傍からクリーニング対向ローラを離すことができ、クリーニングニップ出口点G付近での放電をより一層抑制することができる。さらに、上流側ベルト展張ニップ領域(ニップ入口点Fから掛け回し入口点Bまでの領域)を増大させることができる。これにより、より一層、中間転写ベルト8のクリーニング性を高めることができる。
次に、検証実験について説明する。
検証実験は、次のように構成したプリンタを用意した。
<実施例1>
実施例1のプリンタは、直径14mmのクリーニング対向ローラを使用し、クリーニングニップ幅W約6mm、掛け回し幅W1mmで、クリーニングニップの中心を掛け回し領域の中心より2mmベルトの上流にシフトさせたものである。
<実施例2>
実施例2のプリンタは、直径0.18mmのワイヤ部材をクリーニング対向ローラとして使用し、クリーニングニップ幅W約6mm、掛け回し幅W0.18mm以下で、クリーニングニップの中心をワイヤ部材よりも2mmベルトの上流にシフトさせたものである。
<比較例1>
比較例1のプリンタは、直径40mmのクリーニング対向ローラを使用し、クリーニングニップ幅Wと、掛け回し幅Wとを6mmにし、かつ、クリーニングニップの中心と掛け回し領域の中心とをあわせたものである。
評価方法は2次転写電流を0に設定し、A3のカラー3色重ね全ベタ画像を10枚通紙、クリーニング装置への入力としてはトナーの付着量で1.2mg/cmの全ベタ10枚分となる。通紙後クリーニングを通過した中間転写ベルト上をテープで転写し、台紙に貼り付けたテープの濃度(ID)を測定した。ブラシに印加するクリーニングバイアスを振ってIDが目標値の0.15以下となる範囲を求めた。
図6と表1にその結果を示す。
Figure 0005574220
比較例1よりも、実施例1の方がクリーニングOKとなるバイアスの範囲(表1のΔV参照)が広くなっているのが分かる。また、実施例1よりも実施例2の方が、クリーニングOKとなるバイアスの範囲が広くなっているのが分かる。クリーニングOK範囲は温湿度などの環境、トナーの付着量、帯電量によって最適値がずれるため、目標値以下となるバイアスの範囲が広い方が環境などの変化に対して安定しているといえる。
また、本発明のクリーニング装置は、中間転写ベルトのおもて面をクリーニングするベルトクリーニング装置100に限らず、図7に示すように、紙搬送ベルト51の搬送ベルトクリーニング装置500にも適用することができる。図7に示すように、タンデム型直接転写方式の画像形成装置に用いられる被清掃体としての紙搬送ベルト51は、感光体1Y,M,C,Kにそれぞれ接触してY,M,C,K用の一次転写ニップを形成している。そして、記録紙Pを自らの表面に保持しながら、自らの無端移動に伴って図中左側から右側に向けて搬送する過程で、記録紙PをY,M,C,K用の一次転写ニップに順次送り込む。これにより、記録紙Pには、Y,M,C,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。K用の一次転写ニップを通過した後の紙搬送ベルト51に付着しているトナーなどの汚れは、搬送ベルトクリーニング装置500によって除去される。また、光学センサユニット150が紙搬送ベルト51のおもて面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されている。図7に示すプリンタにおいては、所定のタイミングで画像濃度制御や位置ずれ量補正制御を実施し、紙搬送ベルト51に所定のトナーパターン(階調パターン、シェブロンパッチ)を形成し、光学センサユニット150で上記トナーパターンを検知し、検知結果に基づいて所定の補正処理を実行する。光学センサユニット150で検知後の未転写トナー像であるトナーパターンは、搬送ベルトクリーニング装置500で除去される。このように、紙搬送ベルト51は、トナー像を担持する像担持体としての機能を備えている。
上記搬送ベルトクリーニング装置500に本発明のクリーニング装置を適用することによって、経時にわたり紙搬送ベルト51を良好にクリーニングすることができる。
以上、本実施形態のプリンタによれば、次のようなクリーニング構成のクリーニング装置を備えている。すなわち、無端状のベルト部材たる中間転写ベルト8のループ内側に配設された複数の張架ローラの1つであるクリーニング対向ローラ13に対する中間転写ベルト8の掛け回し領域に対してベルトおもて面側から当接して、自らとベルトおもて面とが当接するクリーニングニップを形成するクリーニング回転体たるクリーニングブラシローラを備えている。このクリーニングブラシローラは、表面がクリーニングニップ内でベルト移動方向とは逆方向に移動させるように回転しながら、ベルトおもて面に付着している付着物たるトナーを自らに転移させてクリーニングする。また、クリーニング装置は、クリーニングブラシローラにクリーニング電圧たるクリーニングバイアスを印加する電圧印加手段たるブラシ電源と、クリーニングブラシローラに付着しているトナーを自らに静電的に転移させてクリーニングブラシローラからトナーを回収する回収手段たる回収ローラとを備えている。そして、ベルト移動方向におけるクリーニングニップの中心を、ベルト移動方向における掛け回し領域の中心よりもベルト移動方向の上流側に位置させ、かつ、掛け回し領域が、クリーニングニップ範囲内に収まるように、クリーニングブラシローラを中間転写ベルトに当接させてクリーニングニップを形成した。
かかる構成を有することで、クリーニングニップの中心と掛け回し領域の中心とを同じところに位置させた場合に比べて、上流側ベルト展張ニップ領域を増大させることができる。これにより、クリーニング対向ローラに対するベルト掛け回し領域の中央部よりも上流側で、中間転写ベルト上のトナーをクリーニングブラシローラに良好に転移させ得る領域を従来よりも増大させることができ、従来よりも良好に中間転写ベルトをクリーニングすることができる。
また、中間転写ベルトにおける掛け回し領域が、クリーニングニップ範囲内に収まることで、クリーニングニップ出口付近の電界を、ベルト部材における掛け回し領域の一部が、クリーニングニップ範囲よりもベルト移動方向下流側にはみ出している場合に比べて、弱めることができる。これにより、クリーニングニップ出口付近での放電を抑えることができ、クリーニングブラシローラおよび中間転写ベルトの放電によるダメージを抑制することができる。よって、中間転写ベルトおよびクリーニングブラシローラの寿命を延ばすことができる。また、クリーニングブラシローラに付着した未回収トナーが、放電によりクリーニングブラシローラの帯電極性と逆極性にチャージアップされるのを抑制することができる。従って、未回収トナーのクリーニングブラシローラへの静電的な吸着力が、回収ローラへ静電的に移動する力よりも大きくなることが抑制される。その結果、未回収トナーが、再度、回収ローラとの当接領域に進入したとき、未回収トナーが、回収ローラへ静電的に移動して、クリーニングブラシローラから除去することができる。これにより、経時にわたりクリーニングブラシローラに未回収トナーが蓄積するのを抑制することができ、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
また、クリーニング対向ローラとして、導電性ワイヤを用いることで、掛け回し領域の幅を狭くすることができ、クリーニングブラシローラから中間転写ベルトを介して導電性ワイヤに流れるクリーニング電流の幅を狭くすることができる。これにより、クリーニング電流の影響で、トナーが逆帯電するのを抑制することができる。また、クリーニングニップ出口点Gと掛け回し領域の出口点Cとを離すことができ、クリーニングニップ出口点付近の放電の発生を抑制することができる。さらに、上流側ベルト展張ニップ領域を広げることができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
また、中間転写ベルトは、厚さが0.07[mm]以上0.5[mm]以下の弾性層を備えることで、記録紙との接触性を高めて2次転写効率を高めることができる。このような弾性を有する中間転写ベルトのクリーニング装置として静電クリーニング方式を採用したクリーニング装置は良好なクリーニング性能を得ることができる。
8:中間転写ベルト
51:転写搬送ベルト
100:ベルトクリーニング装置
100a:第1クリーニング部
100b:第2クリーニング部
102:第1クリーニングブラシローラ
103:第1回収ローラ
106:第2クリーニングブラシローラ
107:第2回収ローラ
131,141:ワイヤ部材
500:搬送ベルトクリーニング装置
特開2009−20249号公報 特開2007−78803号公報 特開2009−134153号公報

Claims (5)

  1. 無端状のベルト部材のループ内側に配設された複数の張架ローラの1つであるクリーニング対向ローラに対する前記ベルト部材の掛け回し領域に対してベルトおもて面側から当接して、自らとベルトおもて面とが当接するクリーニングニップを形成した状態で、自らの表面を前記クリーニングニップ内でベルト移動方向とは逆方向に移動させるように回転しながら、ベルトおもて面に付着している自らに印加されている電圧の極性と反対極性の付着物を自らに静電的に転移させてクリーニングするクリーニング回転体と、
    前記クリーニング回転体に付着している付着物を自らに静電的に転移させて前記クリーニング回転体から付着物を回収する回収手段とを備えるクリーニング装置において、
    ベルト移動方向における前記クリーニングニップの中心が、ベルト移動方向における前記掛け回し領域の中心よりもベルト移動方向の上流側に位置し、かつ、前記掛け回し領域が、前記クリーニングニップ範囲内に収まるように、前記クリーニング回転体を前記ベルト部材に当接させて前記クリーニングニップを形成したことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 自らのループ内側に配設された複数の張架ローラによって張架された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の表面に付着している付着物をクリーニングするクリーニング手段とを備えたベルト装置において、
    上記クリーニング手段として、請求項1に記載のクリーニング装置を用いたことを特徴とするベルト装置。
  3. 請求項2のベルト装置において、
    前記クリーニング対向ローラとして、導電性ワイヤを用いたことを特徴とするベルト装置。
  4. 無端状のベルト部材のおもて面に担持されているトナー像、あるいは、前記ベルト部材のおもて面に保持された記録部材に担持されているトナー像を、前記ベルト部材の無端移動に伴って搬送するベルト装置と、前記ベルト部材のおもて面、あるいは記録部材にトナー像を形成するトナー像形成手段とを備える画像形成装置において、
    前記ベルト装置として、請求項2または3のベルト装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記ベルト部材は、厚さが0.07[mm]以上0.5[mm]以下の弾性層を備えることを特徴とする画像形成装置。
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