JP2016136029A - 回転体ユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

回転体ユニットおよび画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016136029A
JP2016136029A JP2015010934A JP2015010934A JP2016136029A JP 2016136029 A JP2016136029 A JP 2016136029A JP 2015010934 A JP2015010934 A JP 2015010934A JP 2015010934 A JP2015010934 A JP 2015010934A JP 2016136029 A JP2016136029 A JP 2016136029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
cleaning
body unit
rotating
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015010934A
Other languages
English (en)
Inventor
一樹 與五澤
Kazuki Yogosawa
一樹 與五澤
杉浦 健治
Kenji Sugiura
健治 杉浦
成一 小暮
Seiichi Kogure
成一 小暮
謙治 仙石
Kenji Sengoku
謙治 仙石
純平 藤田
Junpei Fujita
純平 藤田
武英 水谷
Takehide Mizutani
武英 水谷
和田 雄二
Yuji Wada
雄二 和田
竜也 大杉
Tatsuya Osugi
竜也 大杉
芳賀 浩吉
Kokichi Haga
浩吉 芳賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2015010934A priority Critical patent/JP2016136029A/ja
Publication of JP2016136029A publication Critical patent/JP2016136029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Abstract

【課題】スラスト方向の規制位置が経時で変化してしまうのを抑制することができる回転体ユニットおよび画像形成装置を提供する。【解決手段】回転部材たる第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの一端側には、スラスト移動規制手段たる段差101a1が形成されている。この段差101a1を、一端側の側面板124bに設けられた、回転軸部材101aを受ける第一玉軸受144の内輪部144bに突き当てて、第一クリーニングブラシローラ101のスラスト方向の移動を規制する。【選択図】図14

Description

本発明は、回転体ユニットおよび画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置においては、一次転写装置、二次転写装置、静電クリーニング装置など、電圧が印加されながら回転する回転部材を備える回転体ユニットが備えられている。例えば、特許文献1に記載の回転体ユニットとしての静電クリーニング装置は、被清掃体たる像担持体に当接しながら回転する回転部材たるクリーニングブラシローラと、これに当接しながら回転する回転部材たる回収ローラとが設けられている。
通常、回転部材の軸の一端側にスラスト方向移動規制手段たるEリングを嵌め込み、Eリングをユニットケースの側面に突き当てることより、回転部材のスラスト方向の移動を規制している。
しかしながら、かかる構成においては、回転部材が回転すると、回転部材に取り付けられたEリングは、ユニットケースの側面を擦れながら回転部材とともに回転する。その結果、ユニットケースの側面が、Eリングにより削られてしまい、スラスト方向の規制位置が経時で変化してしまうという課題があった。
上記課題を解決する目的を達成するために、請求項1の発明は、回転部材を備える回転体ユニットにおいて、少なくともスラスト方向一方側への移動を規制され、前記回転部材の軸を受ける軸受と、前記回転部材に設けられ、軸方向から前記軸受に当接して前記回転部材のスラスト方向一方側の移動を規制するスラスト移動規制手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、スラスト方向の規制位置が経時で変化してしまうのを抑制することができる。
実施形態に係る複写機の全体構成を示す概略構成図。 中間転写ベルトの層構成を示す拡大断面図。 ベルトクリーニング装置とその周囲とを拡大して示す拡大構成図。 ポストクリーニングローラへの印加電圧と、シミ状画像発生枚数との関係を示すグラフ。 常温・常湿環境下、低温・低湿環境下のシミ状画像発生枚数とポストクリーニングローラへの印加電圧との関係を示すグラフ。 比較例1と、実施例1〜4とのシミ状画像発生枚数を調べたグラフ。 ポストクリーニングローラと中間転写ベルトとの線速差と、中間転写ベルトを駆動する中転駆動モータのトルクとの関係を示すグラフ。 ポストクリーニングローラと中間転写ベルトとの線速差と、ベルトクリーニング装置の駆動モータのトルクとの関係を示すグラフ。 ポストクリーニングローラの中間転写ベルトに対する食い込み量と、シミ状異常画像発生枚数との関係を調べたグラフ。 ブラシ植毛密度と、ブラシ太さとの相関関係を調べたグラフ。 ベルトクリーニング装置10が備える電源部を示す概略構成図。 第一クリーニングユニットの断面図。 第一クリーニングユニットの軸方向一端側の斜視図。 第一クリーニングユニットの軸方向一端側の概略断面図。 第一クリーニングユニットの軸方向他端側の斜視図。 ブラシ電極端子の斜視図。 ブラシ電極端子を回転軸部材に当接させた例を示す図。
図1は、実施形態に係る複写機1の全体構成を示す概略構成図である。
この複写機1は、色分解に対応した色のトナー像を担持する潜像担持体としての感光体3(Y,C,M,B)を複数並置したタンデム方式の構成を備えている。各感光体3(Y,C,M,B)上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト2上に互いに重なり合うように重畳転写(一次転写)され、その重畳トナー像は記録材である記録用紙に対して一括転写(二次転写)される。このようにして、複写機1では、記録用紙上に複数色画像を形成することができる。
図1において、画像形成装置たる複写機1は、画像形成部1Aが上下方向中央部に位置し、その下方には給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方には原稿読取部1Cが、それぞれ配置されている。
画像形成部1Aには、水平方向に展張面を有する中間転写ベルト2が配置されている。画像形成部1Aには、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)によるトナー像を担持する四つの感光体3(Y,C,M,B)が中間転写ベルト2の展張面に沿って並置されている。なお、以下の説明において、すべての色に共通する内容の場合には、色分け符号であるM、C、Y、Bを適宜省略する。
各感光体3(Y,C,M,B)は、それぞれ同じ方向(図1では、反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されている。そして、その周囲には、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、書き込み装置5、現像装置6、一次転写装置、およびクリーニング装置8が配置され、作像部66を構成している。なお、図1においては、便宜上、ブラック用感光体3Bを対象として、各装置の符号を付してある。
中間転写ベルト2には、一次転写装置によって、各感光体3(Y,C,M,B)上のトナー像が順次転写される。中間転写ベルト2は、複数のベルト張架ローラ(2A〜2D)に掛け回されて回転駆動する。展張面を構成する二つのベルト張架ローラ(2A,2B)とは別のベルト張架ローラとしては、中間転写ベルト2を挟んで二次転写装置9に対峙して、トナーと同極性のバイアスが印加された二次転対向ローラ2Cを備える。さらに、他のベルト張架ローラとしては、テンションローラ2Dを備える。
二次転写後の中間転写ベルト2上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置10により除去される。ベルトクリーニング装置10は、静電クリーニング方式であって、クリーニングローラもしくはクリーニングブラシにバイアスを印加し、中間転写ベルト2上に付着した転写残トナーを静電吸着してクリーニングする。
二次転写装置9は、二次転写部材としての二次転写ベルト9Cを備え、二次転写ベルト9Cは、四つの二次転写ベルト支持ローラ(9D,9E,9F,9G)に掛けまわされている。そして、四つの二次転写ベルト支持ローラのうちの一つが駆動ローラとして回転駆動することで、二次転写ベルト9Cは図7中の反時計回り方向に回転する。また、二次転写部材としてはベルト状に限らず、径の大きいローラを用いる構成であってもよい。
図1に示す実施形態の複写機1では、二次転写ベルト9Cと定着装置11との間に、搬送ベルト91を備える。搬送ベルト91は、搬送ベルト駆動ローラ91Aと搬送ベルト従動ローラ91Bとに掛けまわされており、搬送ベルト駆動ローラ91が回転駆動することで、図1中の反時計回り方向に回転する。
二次転写ベルト9Cが中間転写ベルト2と対向する二次転写部に対して二次転写ベルト9Cの表面移動方向下流側の二次転写ベルト9Cの表面と対向する位置に光学センサユニット300を配置している。また、光学センサユニット300が対向する位置に対して二次転写ベルト9Cの表面移動方向下流側には、二次転写ベルト9Cの表面上の異物を除去する二次転写ベルトクリーニング装置90を備える。
四つの二次転写ベルト支持ローラのうちの一つは、二次転写部で二次転写ベルト9C及び中間転写ベルト2を挟んで、ベルト上トナーと同極性の二次転写バイアスが印加される二次転写対向ローラ2Cと向かい合う二次転写ローラ9Dである。また、二次転写ローラ9Dに対して図中左側に配置された支持ローラ9Eは、二次転写部を通過して二次転写ベルト9Cの表面上に担持された記録用紙が搬送ベルト91に受け渡される用紙分離部で二次転写ベルト9Cを張架する分離ローラ9Eである。また、分離ローラ9Eよりも下方に配置された支持ローラ9Fは、二次転写ベルト9Cが光学センサユニット300と対向する検知位置で二次転写ベルト9Cを張架するセンサ対向ローラ9Fである。さらに、センサ対向ローラ9Fの図中右側に配置された支持ローラは、二次転写ベルトクリーニング装置90のクリーニングブレードが接触する位置で二次転写ベルト9Cを張架する二次転写ベルトクリーニング対向ローラ9Gである。
実施形態に用いられる二次転写ベルト9Cは、単層構成のベルトである。具体例としては、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネ−ト)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂単層のものが挙げられる。また、この単層構成の二次転写ベルト9Cの表面側にのみベルトの層自体の体積抵抗率よりもわずかに高抵抗の表層を設けたベルトでもよい。この場合、表層厚みとしては、1〜10[μm]程度が望ましい。
実施形態の複写機1では、四つの二次転写ベルト支持ローラのうちの一つが駆動ローラとして回転駆動することで二次転写ベルト9Cは、中間転写ベルト2に接触する二次転写部において、中間転写ベルト2と同方向に表面移動する。なお、一次転写装置のバイアス特性にもよるが、二次転写ローラ9Dに帯電特性を備えさせて記録用紙を静電吸着させるようにすることもできる。二次転写装置9は、二次転写ベルト9Cにより記録用紙を搬送する過程で、中間転写ベルト2上の重畳トナー像あるいは単色トナー像を記録用紙に転写する。
二次転写装置9には、給紙部1Bから記録用紙が給送されるようになっている。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と、給紙カセット1B1から繰り出される記録用紙の搬送路に配置された複数の搬送ローラ1B2とを備えている。また、画像形成部1Aの壁面には、一起倒可能に設けた手差しトレイ1A1と、繰り出しコロ1A2とを備えている。
給紙カセット1B1からレジストローラ1B3に向けた記録用紙の搬送路途中には、手差しトレイ1A1から繰り出された記録用紙の搬送路が合流している。そして、いずれの搬送路から給送される記録用紙も二次転写部の用紙搬送方向上流側に位置するレジストローラ1B3によってレジストタイミングが設定されるようになっている。
書き込み装置5は、原稿読取部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより得られる画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力される画像情報により書き込み光が制御される。そして、感光体3(Y,C,M,B)に対して画像情報に応じ静電潜像を形成するようになっている。
原稿読取部1Cには、原稿載置台1C1上の原稿を露光走査するスキャナ1C2が備えられており、さらに原稿載置台1C1の上面には、自動原稿給送装置1C3が配置されている。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
書き込み装置5により感光体3(Y,C,M,B)上に形成された静電潜像は、現像装置6(図1では、便宜上、符号6Bで示してある。)によって現像処理され、現像処理された画像が中間転写ベルト2に一次転写される。中間転写ベルト2に対して色ごとのトナー像が重畳転写されると、二次転写装置9により記録用紙に対して一括して二次転写される。
二次転写された記録用紙は、表面に担持している未定着画像が定着装置11によって定着される。定着装置11は、詳細を図示しないが、加熱ローラにより加熱される定着ベルトと、定着ベルトに対向当接する加圧ローラと、を備えたベルト定着構造を有する。定着ベルトと加圧ローラとの当接領域、つまりニップ領域を設けることにより、別ローラ方式の定着構造に比べて記録用紙への加熱領域を広げることができるようになっている。定着装置11を通過した記録用紙は、定着装置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪12によって搬送方向が切り換えられるようになっており、排紙トレイ13あるいは、反転されて再度レジストローラ1B3に向けて給送される。
図1に示されている複写機1において、転写手段である一次転写装置は、プラス極性の転写バイアスが印加される一次転写ローラ7(Y,C,M,B)を用いたものである。一次転写ローラ7(Y,C,M,B)は、図示しない軸受けと圧縮スプリングなどの弾性体とにより、中間転写ベルト2を介して感光体3に対向して所定圧力により押圧されている。
また、一次転写ローラ7(Y,C,M,B)は、感光体3(Y,C,M,B)の中心位置との対向位置に対して1〜2[mm]ほど、中間転写ベルト表面移動方向下流側にオフセットされた位置で、中間転写ベルト2と連動して回転するようになっている。これは、正規転写位置よりも前に転写バイアスによる転写が開始されて画像の流れなどの異常画像を発生させるプレ転写を防止するためである。
一次転写ローラ7(Y,C,M,B)は、金属芯金に中抵抗の電気特性を持つゴム材料を巻き付けた形態で構成されている。実施形態では、中抵抗の発泡ゴムで構成されており、その体積抵抗率は10〜1010[Ω・cm]、好ましくは10〜10[Ω・cm]の範囲である。材料は発泡ゴムに限定されることはなく、中抵抗のソリッドゴムでも同様に用いることが可能である。
一次転写ローラ7(Y,C,M,B)には、定電流制御された電源によってプラス極性の一次転写電圧が印加され、その電流設定値(一次転写電流の設定値)は、おおよそ、10〜40[μA]の範囲で制御される。このように一次転写ローラ7(Y,C,M,B)に一次転写電圧を印加することで、各感光体3(Y,C,M,B)と中間転写ベルト2との間の一次転写部には一次転写電界が形成される。この一次転写電界は、各感光体3(Y,C,M,B)上のトナー(マイナス極性)を中間転写ベルト2側へ引き寄せる方向の一次転写電界である。
一方、二次転対向ローラ2Cには、定電流制御された電源によってマイナス極性の二次転写電圧が印加される。このように二次転対向ローラ2Cに二次転写電圧を印加する構成においては、駆動ローラ9Dが電気的にアースされる。アースにつながっている駆動ローラ9Dと対向することで、二次転写部には、中間転写ベルト2上のトナー(マイナス極性)を記録用紙側へ押し出す方向の二次転写電界が形成される。
本実施形態に用いられる中間転写ベルト2は、50〜100[μm]の基層の上に、弾性層を100〜500[μm]設け、さらに、表層を備える三層ベルトによって構成された弾性中間転写ベルトである。基層の具体例としては、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂により構成されたものがある。また、弾性層の具体例としては、ウレタン、NBR、CR等のゴム材料に同様にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した材料を含んで構成されるものがある。表層の具体例としては、1〜10[μm]程度の厚みを持ったフッ素系のゴム、或いは樹脂、(或いは、それらのハイブリッド材料でも可)のコーティングを上記弾性層の表面に施したものがある。
また、中間転写ベルト2は、その体積抵抗率が10〜1010[Ω・cm]、好ましくは10〜1010[Ω・cm]の範囲である。また、その表面抵抗率は10〜1012[Ω/□]、好ましくは10〜1012[Ω/□]の範囲である。また、基層のヤング率(縦弾性率)は3000[Mpa]以上が望ましく、駆動による伸び、曲げ、しわ、波打ちに耐えるに十分な機械強度が必要である。このような弾性を備えた弾性中間転写ベルト2を用いることで、記録用紙の紙繊維の密度が低い紙や、表面に20〜30[μm]の凹凸を有する、いわゆるエンボス紙等の記録用紙においても、弾性層が凹部へ追従する。このため、記録用紙の凹部へのトナー転写性が良好になるというベタ埋り改善効果が知られている。
なお、本複写機においては、モノクロ画像を形成するモノクロモードと、カラー画像を形成するカラーモードとで、感光体3と中間転写ベルト2との接触状態を異ならせるようになっている。
具体的には、転写ユニットにおける4つの一次転写ローラ7(Y,C,M,B)のうち、黒用の一次転写ローラ7Bについては、他の一次転写ローラとは別に、専用のブラケットで支持している。
また、Y,M,C用の3つの一次転写ローラ7(Y,C,M)については、それらを共通の移動ブラケットで支持している。この移動ブラケットについては、ソレノイドの駆動によって、Y,M,C用の感光体3(Y,C,M)に近づける方向と、感光体3(Y,C,M)から遠ざける方向とに移動させることが可能である。
移動ブラケットを感光体3(Y,C,M)から遠ざける方向に移動させると、中間転写ベルト2の張架姿勢が変化して、中間転写ベルト2がY,C,M用の3つの感光体3(Y,C,M)から離間する。
ただし、B用の感光体3Bと中間転写ベルト2とは接触したままである。モノクロモードにおいては、このように、B用の感光体3Bだけを中間転写ベルト2に接触させた状態で、画像形成動作を行う。
上述の移動ブラケットを3つの感光体3(Y,C,M)に近づける方向に移動させると、中間転写ベルト2の張架姿勢が変化して、それまで3つの感光体3(Y,C,M)から離間していた中間転写ベルト2がそれら3つの感光体3(Y,C,M)に接触する。
このとき、B用の感光体3Bと中間転写ベルト2とは接触したままである。カラーモードにおいては、このように、4つの感光体3(Y,C,M,B)の全てを中間転写ベルト2に接触させた状態で、画像形成動作を行う。
かかる構成においては、移動ブラケットや上述したソレノイドなどが、感光体3と中間転写ベルト2とを接離させる接離手段として機能している。
Y,C,M,Bトナー像を中間転写ベルト2に一次転写した後の感光体3(Y,C,M,B)については、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーのクリーニング処理を施す。その後、図示しない除電ランプで除電した後、帯電装置で一様に帯電せしめて、次の画像形成に備える。
また、記録紙Pに一次転写した後の中間転写ベルト2については、ベルトクリーニング装置10によって転写残トナーのクリーニング処理を施す。
本実施形態の複写機1では、所定のタイミングで画像調整制御を実施している。画質調整制御では、トナーパターンを作成して、このトナーパターンの画像濃度や作像位置を検出した結果に基づいて、画像濃度制御と位置ズレ制御とを行う。画像濃度制御は、例えば、所定のパターン潜像を現像して得られる濃度制御用パターン(階調パターン)のトナー付着量(画像濃度)を検出する。そして、このトナー付着量の検出結果に応じて、現像装置内の現像剤中のトナー濃度、書き込み装置5の書き込み条件(露光パワー等)、帯電バイアスや現像バイアスなどの設定値を変更する。位置ズレ制御は、例えば、位置ズレ制御用パターン(シェブロンパッチ)の検出タイミングにより各色トナー像の潜像書き込みタイミングを調整する。
本実施形態では、濃度制御用パターンと位置ズレ制御用パターンとの両方を、二次転写ベルト9C上で検出するようにしている。
中間転写ベルト2の制約としては、様々な記録用紙などの記録媒体に対して画像を形成するために、表面性が異なる記録媒体の表面に対する二次転写部での表面の追従性がある。
表面の追従性としては、近年、フルカラー電子写真を用いてさまざまな記録媒体に画像を形成することが多くなっている。そして、記録媒体として、通常の平滑な記録用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものから、リサイクルペーパー、エンボス紙、和紙及びクラフト紙等のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる様々な記録媒体に対する二次転写部での中間転写ベルト2の表面の追従性は重要である。この追従性が悪いと、記録媒体上に転写されたトナー像に濃淡むらや色調のむらが発生する。
このような様々な記録媒体に対する追従性を備えた中間転写ベルト2として、特許文献2に記載の弾性中間転写ベルトを挙げることができる。
図2は、特許文献2に記載された中間転写ベルトと同様の構成を備えた中間転写ベルト2の層構成を示す拡大断面図である。図2に示す中間転写ベルト2は、比較的屈曲性が得られる剛性な基層211の上に柔軟な弾性層212が積層されており、最表面には微粒子が表面層213として積層されている。
図2に示すような弾性層212を備えた中間転写ベルト2であれば、表面性の粗い凹凸紙に表面が追従することで様々な記録媒体に対して濃淡むらや色調のむらの発生を抑制でき、良好な画像形成を行うことができる。
近年、画質向上のために使用されている小粒径重合トナーと弾性中間転写ベルトの組み合わせにおいては、ベルトクリーニング装置10のクリーニング性を確保することが難しくなってきている。
従来、中間転写ベルト2に形成される各色階調パターン、シェブロンパッチ、トナー消費パターンは、ベルトクリーニング装置10によって回収していた。このとき、ベルトクリーニング装置10は、各色階調パターン、シェブロンパッチ、トナー消費パターンなど未転写トナー像の大量のトナーを中間転写ベルト2から除去しなければならない。
しかしながら、小粒径重合トナーと弾性中間転写ベルトの組み合わせた本実施形態の構成では、極性制御手段とブラシローラとからなるクリーニング装置や、正極性及び負極性それぞれのトナーを除去する2つのブラシローラを備えたクリーニング装置では、未転写トナー像を一度で除去することができなかった。このような場合には、クリーニングしきれなかった中間転写ベルト2上トナーが次のプリント動作時に記録用紙上に転写され、異常画像となる場合があった。
そのため、本複写機1では、二次転写ベルト9Cに各色階調パターン、シェブロンパッチ、トナー消費パターンなどのトナーパターンを転写させ、二次転写ベルトクリーニング装置90で除去する。これにより、ベルトクリーニング装置10には、二次転写残トナーのみの入力となり、ベルトクリーニング装置10に入力されるトナー量を減らすことができる。これにより、ベルトクリーニング装置10でクリーニング不良が発生するのを抑制することができ、異常画像が発生するのを抑制することができる。
一方、二次転写ベルト9Cは、弾性層のないベルトであるので、クリーニング性の確保が容易である。従って、二次転写ベルト9Cに転写されたトナー消費パターンなどのトナーパターンを、二次転写ベルトクリーニング装置90で良好に除去することができる。
次に、本実施形態のベルトクリーニング装置10について説明する。
図3は、本複写機1のベルトクリーニング装置10とその周囲とを拡大して示す拡大構成図である。
同図において、ベルトクリーニング装置10は、第一クリーニングユニット100aと、これに対してベルト移動方向下流側で隣り合っている第二クリーニングユニット100bとを有している。また、第二クリーニングユニット100bに対してベルト移動方向下流側で隣り合っているポストクリーニングユニット100cも有している。
第一クリーニングユニット100aの第一ケーシング120a内には、中間転写ベルト2の表面から転写残トナーを除去するクリーニング部材たる第一クリーニングブラシローラ101が配設されている。また、第一クリーニングブラシローラ101に当接しながら回転してブラシローラから転写残トナーを回収する回収部材たる第一回収ローラ102、第一回収ローラ102の表面上から転写残トナーを掻き取る第一掻き取りブレード103なども配設されている。また、第一ケーシング120aには、第一回収ローラ102から掻き取られた転写残トナーを第一ケーシング120aの外に排出する第一搬送スクリュウ110aなども配設されている。また、第一ケーシング120aには、中間転写ベルト2に当接して、第一ケーシング内のトナーが第一ケーシング外へ飛散するのを抑制する入口シール111aと、出口シール112aとが配設されている。
二次転写ベルト9Cで転写し切れなかった二次転写残トナーのほとんど(転写残トナーの約8割)は、正規帯電極性(負極性)と逆極性に帯電している逆帯電トナーである。よって、本実施形態では、正規帯電極性(負極性)の電圧を第一クリーニングブラシローラ101に印加して、中間転写ベルト2上の正極性トナーを静電的除去するよう構成されている。また、第一回収ローラ102には、第一クリーニングブラシローラ101よりも大きな負極性の電圧が印加されている。ベルトクリーニング装置10においては、二次転写残トナー像のほとんどが、第一クリーニングブラシローラ101により除去されるよう、第一クリーニングブラシローラ101に印加する電圧などが設定されている。ただ、この際、トナーが第一クリーニングブラシローラ101から負電荷をもらい、正規の極性(負極性)になるトナーがある。
第二クリーニングユニット100bの第二ケーシング120b内には、第一クリーニングユニット100aと同様、クリーニング部材たる第二クリーニングブラシローラ104、第二回収ローラ105、第二掻き取りブレード106、第二搬送スクリュウ110b、入口シール111b及び出口シール112bが配設されている。
第二クリーニングユニット100bは、第一クリーニングユニット100aで除去できない正規帯電極性(負極性)に帯電した二次転写残トナーと、第一クリーニングブラシローラ101から負電荷をもらい、正規の極性(負極性)になったトナーとを除去する。そのため、トナーの正規帯電極性とは逆極性(正極性)の電圧を第二クリーニングブラシローラ104に印加して、中間転写ベルト2上の負極性トナーを静電的除去するよう構成されている。また、第二回収ローラ105には、第二クリーニングブラシローラ104よりも大きな負極性の電圧が印加されている。
2つのクリーニングブラシローラ(101、104)は、回転自在に支持される金属製の回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシ部とを具備しており、その外径はφ15〜16[mm]である。起毛は、内部が導電性カーボンなどの導電性材料からなり、表面部がポリエステルなどの絶縁性材料からなる二層構造の芯鞘構造となっている。これにより、芯は、クリーニングブラシローラ(101、104)に印加されるクリーニングバイアスとほぼ同じ電位になり、トナーを起毛表面に静電的に引き付けることができる。その結果、中間転写ベルト2上のトナーは、クリーニングブラシローラ(101、104)の起毛に捕捉される。
なお、クリーニングブラシローラ(101、104)の起毛を、二層構造の芯鞘構造ではなく、導電性繊維のみで構成してもよい。また、回転軸部材の法線方向に対して傾斜した姿勢で植毛されたいわゆる斜毛にしてもよい。また、負極性のクリーニングバイアスが印加される第二クリーニングブラシローラ104の起毛を芯鞘構造とし、第一クリーニングブラシローラ101の起毛を導電性繊維のみで構成してもよい。負極性のクリーニングバイアスが印加される第一クリーニングブラシローラ101の起毛を導電性繊維のみで構成することで、第一クリーニングブラシローラ101からトナーへの電荷注入を発生し易くすることができる。よって、第一クリーニングブラシローラ101によって、中間転写ベルト2上のトナーを良好に負極性に揃えることができる。一方、第二クリーニングブラシローラ104の起毛を芯鞘構造とすることによって、トナーへの電荷注入を抑制することができ、中間転写ベルト2上のトナーが正極性に帯電するのを抑制する。これにより、第二クリーニングブラシローラ104で、静電的に除去できないトナーが生じるのを抑制できる。
また、2つのクリーニングブラシローラ(101、104)については、中間転写ベルト2に対して1[mm]の食い込み量で食い込ませている。そして、駆動手段によって、当接位置で起毛を、中間転写ベルト2移動方向とは逆方向(カウンター方向)に移動させるようにブラシローラを回転駆動している。当接位置において、起毛をカウンター方向に移動するよう回転させることで、クリーニングブラシローラと中間転写ベルト2との線速差を大きくすることができる。これにより、中間転写ベルト2のある箇所が、クリーニングブラシローラとの当接範囲を抜けるまでの間における起毛との接触確率が増え、良好に中間転写ベルト2からトナーを除去することができる。
各クリーニングブラシローラ101,104は、中間転写ベルト2を挟んでそれぞれクリーニング対向ローラ13,14に対向配置されている。クリーニング対向ローラ13,14も導電性であり、それぞれクリーニングブラシローラ101,104との間にクリーニング電界を形成するために接地されている。
2つの回収ローラ(102、105)としては、何れもSUS(ステンレス鋼)製のローラからなるものを用いている。なお、回収ローラ(102、105)は、次のような機能を発揮できるものであれば、どのような材料からなっていてもかまわない。即ち、クリーニングブラシローラ(101、104)に付着したトナーを起毛と回収ローラとの電位勾配によってクリーニンブラシローラから回収ローラに転位させる機能である。例えば、回収ローラとして、導電性芯金に数[μm]〜100[μm]の高抵抗弾性チューブを被せたり、絶縁コーティングしたりして、ローラ抵抗をlogR=12〜14[Ω・cm]にしたものを用いてもよい。
図3において、中間転写ベルト上の二転写残トナーは、中間転写ベルト2の移動に伴って、第一入口シール111aとベルトとの当接部を越え、第一クリーニングブラシローラ101の位置に移送される。第一クリーニングブラシローラ101には、トナーの正規帯電極性(負極性)のクリーニングバイアスが印加されている。中間転写ベルト2と第一クリーニングブラシローラ101の表面電位との電位差で形成される電界により、中間転写ベルト2上の正極性に帯電したトナーが第一クリーニングブラシローラ101のブラシに静電的に吸着する。また、このとき、電荷注入や放電により、ブラシから負の電荷を受け取り一部のトナーは正規極性(負極性)に帯電しベルト上に残る。
第一クリーニングブラシローラ101に転移した正極性のトナーは、第一クリーニングブラシローラ101よりも絶対値が大きな負極性の回収バイアスが印加された第一回収ローラ102との当接位置まで移送される。そして、第一クリーニングブラシローラ101の表面電位と第一回収ローラ102の表面電位との電位差で形成される電界により、第一クリーニングブラシローラ101のブラシ内の転写残トナーが第一回収ローラ102上に静電的に転移する。その後、第一掻き取りブレード103によって第一回収ローラ102の表面から掻き落とされた後、第一搬送スクリュウ110aにより、第一クリーニングユニット100aからトナー貯留部に搬送される。
第一クリーニングブラシローラ101により除去できたかった中間転写ベルト2上の二次転写残トナーは、第二クリーニングブラシローラ104との当接位置に移送される。第二クリーニングブラシローラ104には、トナーの正規帯電極性と逆極性(正極性)の電圧が印加されており、中間転写ベルト2と第二クリーニングブラシローラ104表面電位との電位差で形成される電界により、中間転写ベルト2上の負極性に帯電したトナーを静電的に吸着して第二クリーニングブラシローラ104へ移動させる。その後、第二回収ローラ105に静電転移した後、第二掻き取りブレード106によって第二回収ローラ105上から掻き落とされた後、第二搬送スクリュウ110bにより、第二クリーニングユニット100bからトナー貯留部に搬送される。
本実施形態では、第一クリーニングユニット100aと第二クリーニングユニット100bとで、ほとんどの二次転写残トナーをクリーニングすることができる。しかしながら、正極性のトナーを静電的に除去する第一クリーニングユニット100aと負極性のトナーを静電的に除去する第二クリーニングユニット100bのみ備えたベルトクリーニング装置10の場合、時折、クリーニング不良らしきシミ状の異常画像が生じる場合があった。特に、複数の作像部66のうち、中間転写ベルト2移動方向最上流に配置されたY色作像部66で形成するY色ベタ画像に顕著にシミ状の異常画像が発生した。
本出願人らは、上記シミ状の異常画像について、鋭意研究した結果、時折、各クリーニングブラシローラ(101,104)から中間転写ベルト2へ再付着するトナー(以下、再付着トナーという)があり、その再付着トナーが、シミ状の異常画像として現れていることがわかった。
そこで、本実施形態のベルトクリーニング装置10においては、第二クリーニングユニット100bの中間転写ベルト2の移動方向下流側に、クリーニングブラシローラ(101,104)から中間転写ベルト2に再付着した再付着トナーを除去するためのポストクリーニングユニット100cを設けた。
ポストクリーニングユニット100cは、中間転写ベルト2上の再付着トナーを除去する導電性スポンジからなるポストクリーニングローラ107、ポストクリーニングローラ107に当接しながら回転してポストクリーニングローラからトナーを回収する回収部材たるポスト回収ローラ108、ポスト回収ローラ108の表面上から転写残トナーを掻き取るポスト掻き取りブレード109なども有している。ポストクリーニングローラ107、ポスト回収ローラ108、ポスト掻き取りブレード109は、ポストケーシング120c内に配設されている。ポストケーシング120c内には、ポスト回収ローラ108から掻き取られたトナーをポストケーシング120cの外に排出するポスト搬送スクリュウ110cなども配設されている。また、ポストケーシング120cには、中間転写ベルト2に当接して、ポストケーシング内のトナーがポストケーシング外へ飛散するのを抑制する入口シール111cと、出口シール112cとが配設されている。
ポストクリーニングローラ107には、各クリーニングブラシローラ101,104に印加される電圧の絶対値よりもはるかに大きい正極性の電圧が印加されている。ポスト回収ローラ108には、ポストクリーニングローラ107よりも大きな正極性の電圧が印加されている。また、ポストクリーニングローラ107は、中間転写ベルト2を挟んでクリーニング対向ローラ15に対向配置されている。クリーニング対向ローラ15は導電性であり、ポストクリーニングブラシローラ107との間にクリーニング電界を形成するために接地されている。
図4は、ポストクリーニングローラ107への印加電圧と、シミ状画像発生枚数との関係を示すグラフである。図4の縦軸の発生数は、M色、C色、B色の全ベタ画像をそれぞれ50枚連続出力した後、Y色全ベタ画像を50枚出力し、出力したY色全ベタ画像を目視で確認し、シミ状の異常画像が確認された枚数である。
図4に示すように、ポストクリーニングローラ107への印加電圧を上げることにより、シミ状異常画像の発生枚数が減少していくことがわかる。特に、ポストクリーニングローラ107を導電性スポンジローラとすることにより、印加電圧を上げることにより、シミ状異常画像の発生数を0にすることができる。上述では、シミ状画像発生枚数でポストクリーニングユニット100cの再付着トナーのクリーニング性およびトナー再付着性を評価しているが、他の評価法でもその傾向に差異はない。
どのくらい大きなバイアスをかければ十分かは、そのマシンの想定ユーザーやシステムによって異なる。また、環境によっても異なる。本実施形態においては、図8に示すように、低温低湿環境においては、第二クリーニングブラシローラ104の電流設定値20[μA]、第一クリーニングブラシローラ101の電流設定値−30[μA]であり、そのとき、ポストクリーニングローラ107の電流値55[μA]で、シミ状異常画像の発生数を0にできた。このとき、ブラシで使用する電流値の絶対値|30|[μA]に対して、ポストクリーニングローラ107で使用する電流値は、|55|[μA]であり、ポストクリーニングローラ107の電流値が、ブラシの電流値に対して1.8倍以上でシミ状異常画像の発生数を0にできた。なお、ここでいう電流値は、クリーニングブラシローラまたはポストクリーニングローラから中間転写ベルトに流れる電流である。
さらに、常温環境下では、第二クリーニングブラシローラ104の電流設定値10[μA]、第一クリーニングブラシローラ101の電流設定値−30[μA]である。このとき、ブラシで使用する電流値の絶対値に対して、100[μA]と3.3倍以上の電流をポストクリーニングローラ107に加えることによりシミ状異常画像の発生数を0にできた。
また、高湿環境も含めて、さらに調べたところ、ブラシの電流値の絶対値より絶対値が10倍以上または30倍以上の電流をポストクリーニングローラ107に流すことで、シミ状異常画像の発生数を0にできた。このように、湿度が高いほど再付着トナーによる異常画像を抑えるに要するポストクリーニングローラ107の電流値は高い値が必要となる。
このように、ポストクリーニングローラ107の電流の絶対値は、少なくとも各クリーニングブラシローラ101,104の電流の絶対値の2倍以上に設定する。また、各環境下で、ポストクリーニングローラ107の電流値を異ならせる。具体的には、装置内に温湿度センサを設け、温湿度センサの検知結果に基づいて、ポストクリーニングローラ107の電流値を変更する。なお、ポストクリーニングローラ107に印加する電圧値を、環境により変更してもよい。
ポストクリーニングローラ107は、回転自在に支持される金属製の回転軸部材と、これの周面を覆う導電性スポンジローラ部とを具備しており、外径がφ15〜16[mm]である。ポスト回収ローラ108は、第一,第二回収ローラ101,104と同様の構成である。
また、先の図4に示すように、ブラシローラの場合は、バイアスを上げることで、シミ状異常画像の発生枚数を減少させることができるが、発生枚数を0にはできなかった。一方、導電性スポンジローラの場合は、バイアスを上げることで、シミ状異常画像の発生枚数を0にできた。ブラシローラの場合は、ブラシに吸着したトナーが、ブラシの根元にまで移動する場合があり、このように、ブラシの根元にまで移動したトナーは、回収ローラでは回収されず、ブラシに残り続ける。このブラシに残り続けたトナーが、何かの拍子に中間転写ベルト2に再付着すると考えられる。よって、ブラシローラの場合は、自ら除去した再付着トナーが、再度、中間転写ベルト2に再付着し、シミ状画像を0にすることができなかったと考えられる。
一方、導電性スポンジローラでは、スポンジローラに吸着したトナーは、スポンジローラの表面付近に留まる。従って、回収ローラで良好に回収され、回収されずにそのまま留まり続けるトナーがほとんど生じないと考えられる。その結果、スポンジローラから中間転写ベルト2に再付着するトナーが生じず、シミ状画像の発生を0にできたと考えられる。
また、本実施形態では、ポストクリーニングローラ107として、スポンジローラを用いたが、ゴムローラ,金属ローラなどでもよい。ゴムローラ,金属ローラとしても、ポストクリーニングローラ107がトナーを抱え込むことを防止することができる。
本実施形態では、ポストクリーニングローラ107に印加する電圧の極性を正極性にしている。これにより、ポストクリーニングローラ107に印加する電圧の極性と、第二クリーニングブラシローラ104に印加する電圧の極性を同極性にできる。その結果。第二クリーニングブラシローラ104とポストクリーニングローラ107との間の電位差を第二クリーニングブラシローラ104の印加電圧の極性とポストクリーニングローラ107の印加電圧の極性を互いに異ならせた場合に比べて電位差を小さくすることができる。よって、第二クリーニングブラシローラ104とポストクリーニングローラ107との間で電圧のリークが生じるのを抑制することができる。また、ポストクリーニングローラ107に印加する電圧の極性を正極性とすることで、第二クリーニングブラシローラ104で取り切れなかったわずかな負極性トナーも除去することができる。
なお、第一,第二クリーニングユニット100a,100bのクリーニング部材を、導電性スポンジローラにすれば、再付着トナーが生じることなく、ポストクリーニングユニット100cを無くすことができるとも考えられる。しかし、第一,第二クリーニングユニット100a,100bのクリーニング部材を、導電性スポンジローラにすると、二次転写残トナーを良好に除去できない。これは、導電性スポンジローラの場合は、ブラシローラに比べて、中間転写ベルトとクリーニング部材とのクリーニングニップを十分に稼げないからである。その結果、中間転写ベルト2上の二次転写残トナーのクリーニング部材への静電吸着の機会を十分に得ることができず、二次転写残トナーを、良好に除去できない。従って、第一,第二クリーニングユニットのクリーニング部材として、ブラシローラを用いることにより、二次転写残トナーを良好に除去できる。一方、クリーニングブラシローラから中間転写ベルト2に再付着する再付着トナーは、散発で、そのトナー量も二次転写残トナーに比べて少ない。従って、導電性スポンジローラにして、クリーニングニップがブラシローラよりも狭くても、再付着トナーを十分に除去することできる。
また、導電性スポンジローラからなるポストクリーニングローラ107の平均セル径は、150[μm]以下が好ましい。
図6は、セル径が386[μm]〜795[μm]の導電性スポンジローラを用いた比較例1と、平均セル径150[μm]以下の導電性スポンジローラを用いた実施例1〜4とのシミ状画像発生枚数を調べたデータである。なお、実施例1〜4は、セル径は、99〜134[μm]である。
図6の縦軸は、高湿・高温環境(H・H環境)において、M色、C色、B色の全ベタ画像をそれぞれ50枚連続出力する動作を所定回数(0〜5回)行った後、Y色ベタ画像を50枚出力し、出力したY色ベタ画像を目視で確認し、シミ状の異常画像が確認された枚数である。横軸の「スタート」とは、Y色ベタ画像を50枚出力し、出力したY色ベタ画像を目視で確認した結果である。また、「KCMベタ×1」は、M色、C色、B色の全ベタ画像をそれぞれ50枚連続出力する動作を1回行った後、Y色全ベタ画像を50枚出力し、出力したY色全ベタ画像を目視で確認した結果である。また、「KCMベタ×5」は、M色、C色、B色の全ベタ画像をそれぞれ50枚連続出力する動作を5回行った後、Y色全ベタ画像を50枚出力し、出力したY色全ベタ画像を目視で確認した結果である。実施例1〜4は、ポスクリーニングローラの直径、アスカーC硬度、回収ローラの直径などを異ならせている。
図6に示すように、セル径が150[μm]以下の実施例1〜4においては、いずれもシミ状画像の発生枚数を6枚以下に抑えることができた。一方、セル径を386[μm]〜795[μm]の比較例1においては、シミ状画像の発生枚数が、いずれにおいても、6枚以上発生していた。これは、以下の2つの理由からと考えられる。一つ目は、セル径の大きい比較例1では、中間転写ベルト上の再付着トナーが、ポストクリーニングローラ107に吸着することなく、抜けてしまい再付着トナー除去性能が低下したこと。また、セル径が大きくなることにより、スポンジローラの内部に移動したトナーが多くなり、ポスト回収ローラ108で回収されずに、そのままスポンジローラに残り続けるトナーが多くなる。その結果、ポストクリーニングローラから中間転写ベルトにトナーが再付着するトナーが多くなったこと。この2つの要因から、セル径が大きなスポンジローラでは、再付着トナーによる異常画像であるシミ状画像の発生を十分に抑制できなかったと考えられる。
一方、セル径を150[μm]以下とした実施例1〜4においては、中間転写ベルト上の再付着トナーをポストクリーニングローラ107に良好に接触させることができ、中間転写ベルト上の再付着トナーをポストクリーニングローラ107に良好に吸着させることができる。さらに、吸着したトナーがセルの奥深くまで移動するのを抑制することができ、ポスト回収ローラ108で良好に回収することができる。これにより、再付着トナーによるシミ状画像を良好に抑制できた。
スポンジローラからなるポストクリーニングローラ107を、中間転写ベルト2との当接位置において、表面移動方向が、中間転写ベルト移動方向と同じ方向となるように回転(以下、順回転という)させるのが好ましい。これは、スポンジローラは、ブラシローラに比べて回転負荷が大きい。このため、第一、第二クリーニングブラシローラと同様、中間転写ベルトとの当接位置において、表面移動方向が中間転写ベルト移動方向とは逆方向となるようにポストクリーニングローラ107を回転(以下、逆回転という)させると、以下の不具合が生じる。すなわち、中間転写ベルト2を駆動する中転駆動モータや、ポストクリーニングローラ107などを駆動するCL駆動モータを、高価な定格トルクの大きな駆動モータを用いる必要が生じ、装置のコストアップに繋がるという不具合である。また、ポストクリーニングローラ107を順回転させても、逆回転させてもクリーニング性に差はなく、いずれの場合においても、作像部66へ再付着トナーが移動することがなく、シミ状画像が発生することはなかった。このようなことから、ポストクリーニングローラ107を順回転させるのが好ましい。
図7は、ポストクリーニングローラ107と中間転写ベルト2との線速差と、中間転写ベルト2を駆動する中転駆動モータのトルクとの関係を示すグラフである。図8は、ポストクリーニングローラ107と中間転写ベルト2との線速差と、ベルトクリーニング装置10の各回収ローラ、各クリーニングローラを回転駆動するCL駆動モータのトルクとの関係を示すグラフである。
図7、図8の線速差は、(ポストクリーニングローラの線速/中間転写ベルトの線速)×100である。また、ポストクリーニングローラ107は、順回転である。
図7に示すように、ポストクリーニングローラ107の線速を、中間転写ベルト2の線速よりも1%を超えて遅くすると、常温・常湿(MM)環境下において、中転駆動モータのトルクが、定格トルク付近まで上昇することがわかる。また、図8に示すように、ポストクリーニングローラ107の線速を、中間転写ベルト2の線速よりも1%を超えて速くすると、低温・低湿(LL)環境下において、CL駆動モータのトルクが、定格トルク付近まで上昇することがわかる。
この図7、図8からわかるように、ポストクリーニングローラ107の線速を、線速差100%に対して±1%以下に抑えるのが好ましい。特に、ポストクリーニングローラ107を、中間転写ベルト2に対して連れ回りする構成とすれば、ポストクリーニングローラ107を回転駆動させる駆動伝達機構などが不要となる。その結果、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができ、好ましい。一方、ポストクリーニングローラ107をCL駆動モータで回転駆動させることにより、中間転写ベルト2と連れ回りする場合に比べてポストクリーニングローラ107を安定して回転させることができるというメリットがある。
図9は、ポストクリーニングローラ107の中間転写ベルト2に対する食い込み量と、シミ状異常画像発生枚数との関係を調べたグラフである。シミ状異常画像発生枚数は、M色、C色、B色のベタ画像を50枚連続出力した後、Y色ベタ画像を50枚出力し、出力したY色ベタ画像を目視で確認し、シミ状の異常画像が確認された枚数である。
図9からわかるように、データのバラツキを考慮すると食い込み量0.5mmのときと、0.05mmのときとでシミ状異常画像発生枚数に差異はない。駆動負荷の観点からは、食い込み量は少ないほど良いが、食い込み量のバラツキを考慮すると、0.05〜0.35mmが実使用上は望ましい範囲である。もっともトルクについてはモータ定格をあげればよいので、再付着トナーによるシミ状異常画像発生の防止という観点からは少なくとも0.05mm〜0.5mmの食い込み量では大差なく使用可能である。
また、本出願人は、アスカーC硬度が28度のスポンジローラと、アスカーC硬度が45度のスポンジローラとを用いて、上述と同様のシミ状異常画像発生枚数を調べた。その結果、アスカーC硬度で28度と45度とでシミ状異常画像発生枚数に差異はなかった。駆動負荷の観点や、ポストクリーニングローラをポスト回収ローラ108に対して潰しながらセットするセット性の観点からは、ポストクリーニングローラは、やわらかいほうが望ましい。再付着トナーによるシミ状異常画像発生の防止という観点からは少なくともアスカーC硬度が28度〜45度では大差なく使用可能である。本実施形態では、ポストクリーニングローラ107のアスカーC硬度を35度にした。アスカー硬度を35度とすることで、量産バラツキを含めてもポストクリーニングローラ107のアスカー高度28度以上45度以下にすることができる。
ポスト回収ローラ108は、第一、第二回収ローラ102、105と同様、ステンレス鋼(SUS)ローラであり、第一、第二回収ローラ102、105と同様の構成を採用することができる。もちろん、ポスト回収ローラ108も、ポストクリーニングローラ107に付着したトナーをポスト回収ローラ108との電位勾配によってローラから回収ローラに転位させる機能さえ発揮できれば、どのような材料からなっていてもかまわない。ポスト回収ローラ108も、導電性芯金に数[μm]〜100[μm]の高抵抗弾性チューブを被せたり、あるいはさらに絶縁コーティングしたりして、ローラ抵抗をlogR=12〜14[Ω・cm]にしたものを用いてもよい。
上述したように、ポストクリーニングローラ107には、第二クリーニングブラシローラ104から中間転写ベルト2に再付着した再付着トナーおよび第二クリーニングブラシローラで除去しきれなかったごく少量の負極性トナーが移送される。ポストクリーニングローラ107に移送されてきたごく少量の負極性トナー及び再付着トナーは、トナーの正規帯電極性とは逆極性の電圧が印加されているポストクリーニングローラ107に静電的に付着する。そして、ポスト回収ローラ108により回収され、ポストトナー掻き取りブレード109により、ポスト回収ローラ108から掻き落とされる。ポスト掻き取りブレード109によってポスト回収ローラ108上から掻き落とされた後、ポスト搬送スクリュウ110cにより、ポストクリーニングユニット100cからトナー貯留部に搬送される。
各クリーニングブラシローラ101,104の条件は、次の通りである。
・ブラシ材質:導電性ポリエステル(第一ブラシは、繊維表面に導電性物質がある構造、第二ブラシは、繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル、いわゆる芯鞘構造。いずれも東英産業(株)等のブラシメーカーにて入手できる。)
・ブラシ抵抗:10〜10[Ω]
・ブラシ植毛密度:6万〜15万[本/inch
・ブラシ繊維径:約25〜35[μm]
・ブラシ先端の毛倒れ処理:なし
・ブラシ径φ:14〜20[mm]
・中間転写ベルト2へのブラシ繊維喰い込み量:1〜1.5[mm]
ポストクリーニングローラ107の条件は、次の通りである。
・クリーニングローラ材質:導電性ポリウレタン(株式会社ヤマウチ製)
・径φ:14〜20[mm]
・抵抗:107.25±0.25[Ω]
・硬度:アスカーC35度
・中間転写ベルト食い込み量:0.05[mm]〜0.4[mm]
第一クリーニングブラシローラへの印加電圧は、中間転写ベルト2に二次転写残トナーが入力されたとき、逆極性帯電トナーが無くなるように設定されている。具体的には、実験により第一ブラシ通過後のトナーをエア吸引し、ファラデーケージ等に入れて測定したり、クリーニング後のトナー付着を調べて決定する。
また、第二クリーニングブラシローラ104は、中間転写ベルト2上のトナーがクリーニングできるように設定されている。また、ブラシ植毛密度、ブラシ抵抗、繊維径、印加電圧、繊維種類、ブラシ繊維喰込量はシステムによって最適化できるため、これに限らない。また、使用できる繊維の種類としては、ナイロン、アクリル、ポリエステルなどがある。
各回収ローラ102,105,108の条件は、次のとおりである。
・回収ローラ芯金材質:SUS303
・回収ローラへのブラシ繊維喰い込み量:1〜1.5[mm]
ローラ食い込み量は0.5mm
回収ローラ材質、ブラシ繊維喰込量、印加電圧はシステムによって最適化できるため、これに限らない。
各掻き取りブレード103,106,109の条件は次の通りである。
・回収ローラ芯金材質:SUS304
・ブレード当接角度:20[°]
・ブレード厚み:0.1[mm]
・回収ローラへのブレード喰い込み量:0.5〜1.5[mm]
ブレード当接角度、ブレード厚み、回収ローラへの喰い込み量は、システムによって最適化できるため、これに限らない。
また、ベルトクリーニング装置10では、各回収ローラ102,105,108、各クリーニングブラシローラ101,104,ポストクリーニングローラ107に電圧を印加しているが、回収ローラにのみ電圧を印加する構成でもよい。
この場合は、クリーニングブラシローラ101,104、ポストクリーニングローラ107の抵抗等による電位降下によって、回収ローラとの接触部を介する形態で、回収ローラに印加されたバイアス電圧よりも幾分低いバイアス電圧がクリーニングブローラ101,104、ポストクリーニングローラ107に印加されている状態となる。これにより、回収ローラとクリーニングブラシローラとの間、ポストクリーニングローラとポスト回収ローラとの間に電位差が形成され、回収ローラ方向へ電位勾配に回収ローラへトナーを静電的に移動させることができる。
また、第二クリーニングブラシローラ104の植毛密度を第一クリーニングブラシローラ101に比べて少なくし、1.5万〜2万[本/inch]とするのがより好ましい。
下記表1は、第二クリーニングブラシローラ104のブラシ植毛密度・ブラシ太さを異ならせて実験を行った結果を示すものである。
Figure 2016136029
上記表1は、シミ状異常画像が発生しやすい高温・高湿環境で、M色、C色、B色の全ベタ画像をそれぞれ50枚連続出力する動作を3回行った後、Y色全ベタ画像を50枚出力し、出力したY色全ベタ画像を目視で確認し、シミ状の異常画像が確認された枚数である。また、第一クリーニングブラシローラ101には、−1400[V]、第二クリーニングブラシローラ104には、1200[V]、ポストクリーニングローラ107には、2500[V]印加した。
上記表1に示すように、第二クリーニングブラシローラ104のブラシ植毛密度を第一クリーニングブラシローラ101よりも低くすることにより、再付着トナーが要因のシミ状異常画像の発生枚数が抑えられていることがわかる。これは、植毛密度を低くすることで、起毛の数が少なくなり、ブラシが抱え込むトナー量が減り、第二クリーニングブラシローラ104から中間転写ベルト2に再付着する再付着トナー量が減ったためと考えられる。また、実験環境などを変更して同様な実験を行ったが、第二クリーニングブラシローラ104として、14デニール、2万[本/inch]のブラシを用いることで、シミ状画像の発生を抑えることができた。
なお、当接位置でブラシがなるべく隙間なく中間転写ベルト2に接触するようできる限り太くするのが好ましい。当接位置でブラシがなるべく隙間なく中間転写ベルト2に接触することで、中間転写ベルト2上の二次転写残トナーを確実にブラシに接触させることができ、良好に二次転写残トナーを除去することができる。
図10は、ブラシ植毛密度と、ブラシ太さとの相関関係を調べたグラフである。
図10から、植毛密度1万5千〜2万[本/inch]については、近似的に以下の式のような関係があるようである。
ブラシ太さ(デニール)=−0.0032×植毛密度(本/inch2)+78
ただ、ブラシ太さは、この式より太くてもクリーニング性が向上するので構わない。
図11は、ベルトクリーニング装置10が備える電源部を示す概略構成図である。
図11に示すように、第一,第2クリーニングユニット100a,100bには、クリーニングブラシローラにクリーニング電圧を印加する電源部130,132、回収ローラに回収電圧を印加する電源部131,133を備えている。また、ポストクリーニングユニット100cには、ポストクリーニングローラ107にクリーニング電圧を印加する電源部134と、ポスト回収ローラ108に回収電圧を印加する電源部135とを備えている。
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
図12は、第一クリーニングユニット100aの断面図である。図12(a)は、第一クリーニングユニット100aの全体断面図であり、(b)は、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの一端側拡大した断面図であり、(c)は、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの他端側を拡大した断面図である。
図12に示すように、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの両端が、玉軸受143,144により第一ケーシング120aに回転自在に支持されている。図12(b)に示すように、回転軸部材101aの一端側は、第一ケーシング120aの一端側の側面板124bから貫通し、その端部にカップリング148が取り付けられている。このカップリング148に駆動伝達機構の駆動側カップリングが連結し、第一クリーニングブラシローラ101に駆動力が伝達される。また、図12(c)に示すように、第一ケーシング120aの他端側側面板124aには、ブラシ電極端子141が取り付けられている。このブラシ電極端子141が回転軸部材101aの玉軸受143の外輪に当接し、電源部130(図16参照)の電圧が玉軸受143を介して第一クリーニングブラシローラ101に印加される。
図13は、第一クリーニングユニット100aの軸方向一端側の斜視図であり、図14は、第一クリーニングユニット100aの軸方向一端側の概略断面図である。
以下の説明では、軸方向をX方向、側面板の長手方向をY方向、側面板の短手方向をZ方向として説明する。
図13、図14に示すように、一端側の側面板124bには、第一クリーニングブラシローラの回転軸部材101aを受ける第一玉軸受144と、第一回収ローラ102の回転軸102aを受ける第二玉軸受145とを押さえる軸受移動規制手段たる押さえ板121がネジ123a,123bにより取り付けられている。押さえ板121のY方向両端付近には、それぞれ位置決め穴121c,121dが設けられており、これら位置決め穴121c,121dが側面板124の位置決め突起125a,125bに嵌合することにより押さえ板121が側面板124bに位置決めされる。
押さえ板121には、第一クリーニングブラシローラの回転軸部材101aが貫通する第一貫通穴121aと、第一回収ローラ102の回転軸102aが貫通する第二貫通穴121bとが設けられている。第一貫通穴121aの縁には、側面板124bに向けて突出し、第一玉軸受144の外輪部144aに当接する第一押さえ突起121eが形成されている。この第一押さえ突起121eにより第一玉軸受144の外輪部144aを押さえることにより、第一玉軸受144が側面板124bから第一ケーシング外側へ抜け出すのを防止している。また、回転軸部材101aとともに回転しない第一玉軸受の外輪部144aに第一押さえ突起121eを当接させることで、第一押さえ突起121eが玉軸受と摺擦することがない。これにより、第一押さえ突起121eが磨耗してしまうことなく、経時に亘り良好に第一玉軸受144を押さえることができる。
また、第二貫通穴121bの縁には、側面板124bに向けて突出し、第二玉軸受145の外輪部145aに当接する第二押さえ突起121fが形成されている。この第二押さえ突起121fにより第二玉軸受145の外輪部145aを押さえることにより、第一玉軸受144が側面板124bから第一ケーシング外側へ抜け出すのを防止している。また、第二押さえ突起121fも、第二玉軸受の外輪部145aに当接させているので、上述と同様、第二押さえ突起121fが磨耗してしまうことなく、経時に亘り良好に第二玉軸受145を押さえることができる。
また、押さえ板121は、第一玉軸受144,第二玉軸受145の複数の軸受を側面板124bから抜け出さないように押さえている。これにより、各玉軸受それぞれに押さえ板を設ける場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、ひとつの押さえ板を取り付ければよく、組み立て作業を簡素化することができる。
また、押さえ板121は、ある程度の弾性を有する樹脂で形成されており、図14に示すように、第一貫通穴121a,第二貫通穴121bの周囲が、側面板124bから離れて設けられている。この第一貫通穴121a,第二貫通穴121bの周囲からY方向所定距離離れた箇所で、側面板124bに90°折れ曲がっている。かかる構成とすることで、第一貫通穴121a,第二貫通穴121bの周囲は、側面板124bに90°折れ曲がった箇所A1,A2を支点にして、軸方向に弾性変形可能となっている。これにより、第一貫通穴121a,第二貫通穴121bの周囲を、側面板124bに90°折れ曲がった箇所A1,A2を支点にして、軸方向に弾性変形させて押さえ板121を側面板124bに取り付けることで、第一玉軸受144、第二玉軸受145を図14の左側へ押圧することができる。これにより、第一玉軸受144、第二玉軸受145の移動を確実に規制することができ、第一玉軸受144、第二玉軸受145が、側面板124bから抜け出すのをより一層抑制することができる。
また、押さえ板121は、例えば、POM(アセタール樹脂)など、化学物質への耐性が優れた樹脂で形成するのが好ましい。これは、玉軸受144,145には、摺動性を上げるために玉と外輪部と間などに潤滑油を介在させていることがある。この潤滑油が経時使用により玉軸受から染み出し、押さえ板121に付着し、押さえ板121を劣化させてしまう場合がある。押さえ板121は、例えば、POM(アセタール樹脂)など、化学物質への耐性が優れた樹脂で形成することにより、玉軸受の潤滑剤が押さえ板121に付着しても、押さえ板が劣化するのを抑制することができ、経時に亘り玉軸受を良好に押さえることができる。
図14に示すように、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの一端側は、直径が小さくなっており、回転軸部材101aの一端側には段差101a1が形成されている。この段差101a1が、第一玉軸受144の内輪部144bに突き当たって、第一クリーニングブラシローラ101のスラスト方向の移動を規制する。
また、同様に、第一回収ローラ102の回転軸102aの一端側も、直径が小さくなっており、回転軸102aの一端側には段差102a1が形成されている。この段差102a1が、第二玉軸受145の内輪部145bに突き当たって、第一回収ローラ102のスラスト方向の移動を規制する。
図15は、第一クリーニングユニット100aの軸方向他端側の斜視図であり、図15(a)は、第一クリーニングブラシローラ101側から見た斜視図であり、(b)は、図15(a)とは反対側から見た斜視図である。また、図16は、ブラシ電極端子141の斜視図である。
図15に示すように、第一クリーニングユニット100aの軸方向他端側には、第一クリーニングブラシローラ101と電源部130とを電気的に接続するブラシ電極端子141と、第一回収ローラ102と電源部131とを電気的に接続する回収電極端子142とが取り付けられている。
図16に示すように、ブラシ電極端子141は、板金からなり、ブラシ電極端子141の一端側に第一嵌合穴141aが形成されており、他端側に第二嵌合穴141bが形成されている。第一嵌合穴141aの円周には、90°の間隔を開けて、4つ切り欠き部141eが形成されている。また、第二嵌合穴141bの円周には、1箇所、切り欠き部141cが形成されている。第一嵌合穴141aと第二嵌合穴142bとの間には、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aと対向する軸対向部141dが形成されている。また、ブラシ電極端子141には、玉軸受143の外輪に当接する当接部141fと、この当接部141fを玉軸受143に押し付けるための板バネ部141hとを備えている。また、板バネ部141hと当接部141fには、切り欠き141gが設けられており、この切り欠き141gに電源部130に接続された電気コードの一端が取り付けられる。
回収電極端子142は、図16に示したブラシ電極端子141と同一の形状である。
先の図15に示すように、板バネ部141hの端部を他端側の側面板124aの玉軸受け143の外輪を囲む部分に押し当てて板バネ部141を弾性変形させながら、当接部141fを玉軸受143の外輪の外周に当接させる。そして、ブラシ電極端子141の第一嵌合穴141aを、他端側の側面板124aの第一ブラシ取り付け突起126aに嵌合させる。また、第二嵌合穴141bを、側面板124aの第二ブラシ取り付け突起127aに嵌合させる。これにより、ブラシ電極端子141が側面板124aに取り付けられる。
本実施形態においては、ブラシ電極端子141の第一嵌合穴141aの円周に、90°の間隔を開けて、4つ切り欠き部141eが形成されている。これにより、第一嵌合穴141aの周囲を、第一嵌合穴141aを拡径するように弾性変形させることができる。よって、製造公差などにより、第一嵌合穴141aの直径が、第一ブラシ取り付け突起126aの直径よりも短かい場合でも、次のようにして容易に第一嵌合穴141aを第一ブラシ取り付け突起126aにはめ込むことができる。すなわち、第一嵌合穴141aの直径が、第一ブラシ取り付け突起126aの直径よりも短い場合、第一嵌合穴141aを第一ブラシ取り付け突起126aに取り付ける際、第一ブラシ取り付け突起126aが第一嵌合穴141aに嵌り込まず、第一ブラシ取り付け突起126aが、第一嵌合穴141aの周囲を軸方向に押圧する。すると、第一嵌合穴141aの周囲が弾性変形し、第一嵌合穴141aが拡径され、第一ブラシ取り付け突起126aを、第一嵌合穴141aに嵌め込むことができる。これにより、容易に第一嵌合穴141aを第一ブラシ取り付け突起126aにはめ込むことができる。また、第一嵌合穴141aを第一ブラシ取り付け突起126aに嵌め込んだ後は、第一嵌合穴141aの周囲の復元力により第一嵌合穴141aを縮径するような力が生じ、第一嵌合穴141aの縁が第一ブラシ取り付け突起126aの外周を押圧する。よって、第一嵌合穴141aは、第一ブラシ取り付け突起126aに強固に固定され、容易に外れるようなことはない。
また、第二嵌合穴141bの円周にも、切り欠き部141cが形成されている。よって、上述と同様、第二ブラシ取り付け突起127aに第二嵌合穴141bを嵌め込む際に、第二嵌合穴141bの周囲が第二嵌合穴141bを拡径する方ように弾性変形して第二嵌合穴141bを容易に第二ブラシ取り付け突起127a嵌合させることができる。また、嵌合後は、第二嵌合穴141bの周囲の復元力により第二嵌合穴141bの縁が、第二ブラシ取り付け突起127aの外周面を押圧するので、第二ブラシ取り付け突起127aから第二嵌合穴141bが容易に外れることもない。
このように、本実施形態においては、ネジを用いずに、ブラシ電極端子141を側面板124aに強固に取り付けることができる。これにより、ネジでブラシ電極端子141を固定する場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、スクリュウドライバーなどの工具を用いずに、ブラシ電極端子141を側面板124aに取り付けることができ、ブラシ電極端子141の取り付け作業を簡素化することができる。また、ネジを介して他の部材に第一クリーニングバイアスがリークしてしまう心配もなくなる。
また、同様にして、回収電極端子142の当接部142fを玉軸受の外輪の外周に当接させた後、回収電極端子142の第一嵌合穴を、側面板124aの第一回収取り付け突起126bに嵌合させ、第二嵌合穴を、側面板124aの第二回収取り付け突起127bに嵌合させて、回収電極端子142を側面板124aに取り付ける。回収電極端子142は、ブラシ電極端子141と同形状であるので、ブラシ電極端子141と同様な利点を得ることができる。すなわち、回収電極端子142を容易に各回収取り付け突起126b,127bに容易、かつ、強固に取り付けることができる。また、装置のコストダウンを図ることができ、かつ、回収電極端子142の取り付け作業を簡素化することができるという利点である。
上記実施形態では、ブラシ電極端子は玉軸受に当接していたが、図17のように直接回転軸部材101に当接しても良い。図17に示すように、ブラシ電極端子141が各ブラシ取り付け突起126a,127aに取り付けられると、第一嵌合穴141aと第二嵌合穴142bとの間の軸対向部141dが、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの他端と当接する。また、ブラシ電極端子141は、図に示すように、弓なりに撓んで取り付けられる。これにより、第一クリーニングブラシローラ101が多少スラスト方向に移動しても、軸対向部141dが弾性変形して回転軸部材101aの他端との当接状態を維持することができる。これにより、安定的に電源部から第一クリーニングブラシローラ101に第一クリーニングバイアスを印加することができる。
図17に示すように、ブラシ電極端子141の中央部が側面板124aから離間する方向に撓んで側面板124aに取り付けられるので、ブラシ電極端子141が軸方向他端側から一端側に向かう方向に弾性力が生じている。その結果、回転軸部材101aの他端が、ブラシ電極端子141により、図17の左方向に付勢される。その結果、先の図14に示すように、回転軸部材101aの一端側に設けた段差101a1が、第一玉軸受144の内輪部144bに突き当たり、第一クリーニングブラシローラ101のスラスト方向の移動が規制される。これにより、ブラシ電極端子141の撓みが維持され、所定の当接圧でブラシ電極端子を回転軸部材101aの他端に当接させることができる。その結果、安定的に電源部から第一クリーニングブラシローラ101に第一クリーニングバイアスを印加することができる。
また、回転軸部材101aの一端側に設けた段差101a1が、回転軸部材101aとともに回転する第一玉軸受144の内輪部144bに突き当たることにより、段差101a1と内輪部144bとが摺擦することがない。これにより、段差101a1や内輪部144bが磨耗するのを防止することができる。その結果、磨耗によって、第一クリーニングブラシローラ101のスラスト方向規制位置が経時で変化することがなく、経時に亘り安定的にブラシ電極端子141を回転軸部材101aの他端に当接させることができる。
また、回収電極端子142も図17にしたブラシ電極端子141と同様に取り付けてもよい。これにより、回収電極端子142により第一回収ローラが押されて、第一回収ローラの回転軸102aの一端側に設けた段差102a1が、第二玉軸受145の内輪部145bに突き当たり、第一回収ローラ102のスラスト方向の移動を規制することができる。これにより、回収電極端子142の撓みが維持され、所定の当接圧で回収電極端子を回転軸102aの他端に当接させることができる。その結果、安定的に電源部から第一回収ローラ102に第一回収バイアスを印加することができる。また、回転軸の段差102a1が第二玉軸受145の内輪部145bに当接するので、段差102a1および内輪部145bが磨耗することなく、スラスト方向規制位置が経時で変化することがない。これにより、経時に亘り安定的に回収電極端子142を回転軸102aの他端に当接させることができる。
また、本実施形態では、回転軸部材101a、回転軸102aの段差101a1,102a1でスラスト方向の移動を規制する。これにより、回転軸部材101a,回転軸102aにそれぞれEリングを嵌め込み、Eリングでスラスト方向の移動規制をするものに比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、Eリングを回転軸部材101aおよび回転軸102aに嵌め込むなどの作業が不要となり、組み立て作業の簡素化を図ることができる。
また、回転軸部材101aの段差101a1が内輪部144bに突き当たることにより、第一玉軸受144が、側面板124bから抜け出す方向に押圧される。また、回転軸102aの段差102a1が内輪部145bに突き当たることにより、第二玉軸受145が、側面板124bから抜け出す方向に押圧される。しかし、本実施形態においては、押さえ板121により第一玉軸受144および第二玉軸受145を押さえて、第一玉軸受144および第二玉軸受145が抜け出す方向に移動するのを規制している。これにより、第一玉軸受144および第二玉軸受145が、側面板124bから抜け出す方向に押圧されても、第一玉軸受け144および第二玉軸受145が側面板124bから抜け出すことがない。また、玉軸受の内輪部と段差との当接位置がスラスト方向に変化することがない。これにより、規定の位置で第一クリーニングブラシローラ、回収ローラのスラスト方向の移動を規制することができ、各電極端子が、軸から離間するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上述したように、押さえ板121により第一玉軸受144、第二玉軸受145を軸方向他端側へ押圧している。これにより、玉軸受144,145を介して、第一クリーニングブラシローラ101、第一回収ローラ102が他端側に押される。その結果、第一クリーニングブラシローラ101の回転軸部材101aの他端とブラシ電極端子141との当接圧、および、第一回収ローラの回転軸102aの他端と回収電極端子142との当接圧を高めることができる。これにより、より安定的に電極端子141,142と軸とを当接させることができる。
また、上述では、第一クリーニングユニット100aについて説明したが、第二クリーニングユニット100b、ポストクリーニングユニット100cも図12〜図17に示した構成を有している。また、一次転写装置や、2次転写装置などにも、図12〜図17に示した構成を採用することにより、安定的に転写ローラに転写バイアスを印加することができる。
特にポストクリーニングユニット100においては、クリーニング部材をスポンジローラとしているので、ブラシローラに比べて径方向に弾性変形しがたい構成である。ポストクリーニングローラ107と対向ローラ15のいずれか一方がスラスト方向に傾くなどした場合、軸方向の当接圧の偏差が大きくなる。その結果、ポストクリーニングローラ107は、第一,第二クリーニングブラシローラに比べてスラスト力が大きくなる。しかし、ポストクリーニングユニット100cに図12〜図17に示した構成を採用することにより、確実にポストクリーニングローラ107を固定し、安定したバイアス供給を与えることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
クリーニングブラシローラなどの回転部材を備えるクリーニングユニットなどの回転体ユニットにおいて、少なくともスラスト方向一方側への移動を規制され、前記回転部材の軸を受ける玉軸受144などの軸受と、前記回転部材に設けられ、軸方向から前記軸受に当接して前記回転部材のスラスト方向一方側の移動を規制する段差101a1などのスラスト移動規制手段とを備えた。
これによれば、実施形態で説明したように段差101a1などのスラスト移動規制手段を、軸受に当接させてクリーニングブラシローラなどの回転部材のスラスト方向の移動を規制する。例えば、軸受がすべり軸受の場合、軸受は、摺動性に優れた材料で形成されている。従って、回転部材とともにスラスト移動規制手段が回転してスラスト移動手段が軸受に対して摺動したときの軸受とスラスト移動規制手段との摩擦が小さく、スラスト移動規制手段や軸受が磨耗するのを抑制することができる。これにより、スラスト方向の規制位置が経時で変化してしまうのを抑制することができる。また、軸受が玉軸受の場合は、スラスト移動規制手段を、回転部材と共に回転する玉軸受の内輪部に突き当てれば、回転部材とともに回転するスラスト移動規制手段と軸受との間で摺動が生じない。これにより、スラスト移動規制手段や軸受が磨耗することがなく、スラスト方向の規制位置が経時で変化してしまうのを防止することができる。
(態様2)
(態様1)において軸受が玉軸受であり、段差101a1などのスラスト移動規制手段が、玉軸受の内輪部144bに当接する。
これによれば、実施形態で説明したように、回転部材とともに回転するスラスト移動規制手段と軸受との間で摺動が生じない。これにより、スラスト移動規制手段や軸受が磨耗することがなく、スラスト方向の規制位置が経時で変化してしまうのを防止することができる。
(態様3)
(態様1)または(態様2)において、前記スラスト移動規制手段は、第一クリーニングブラシローラ101などの回転部材の軸に設けた段差101a1である。
これによれば、実施形態で説明したように、Eリングで回転部材のスラスト移動を規制する場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、Eリングを取り付ける作業などが不要となり、組み立て作業の簡素化を図ることができる。
(態様4)
(態様1)乃至(態様3)いずれかにおいて、前記回転部材を複数備え(本実施形態では、回収ローラ、クリーニングブラシローラ)、各回転部材に対応して前記軸受と、スラスト移動規制手段とを備えた。
これによれば、各回転部材のスラスト移動規制手段によって、スライド移動規制手段が当接する部材が削られてしまうのを防止することができる。
(態様5)
(態様4)において、軸受が玉軸受であり玉軸受の外輪部144aに当接して、前記軸受のスラスト方向一方側の移動を規制する押さえ板121などの軸受移動規制手段を備えた。
これによれば、実施形態で説明したように、押さえ板121などの軸受移動規制手段が、軸受と摺擦することがなく軸受移動規制手段の磨耗を抑制することができる。これにより、経時に亘り、軸受移動規制手段の軸受規制位置がスラスト方向で変化するのを防止することができる。
(態様6)
(態様1)乃至(態様5)いずれかにおいて、前記回転部材を複数備え(本実施形態では、回収ローラ、クリーニングブラシローラ)、各回転部材に対応して設けられた複数の軸受の移動を規制する押さえ板121などの軸受移動規制手段を備えた。
これによれば、実施形態で説明したように、各回転部材の軸受に対応して、複数の軸受移動規制手段を設ける場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、複数の軸受移動規制手段を設ける場合に比べて、組み立て作業を簡素化することができる。
(態様7)
(態様5)乃至(態様6)いずれかにおいて、押さえ板121などの軸受移動規制手段は、前記軸受が有する潤滑油などの化学物質への耐性を有する材質で構成されている。
これによれば、実施形態で説明したように、軸受が有する潤滑油などの化学物質の付着により、押さえ板121などの軸受移動規制手段が劣化するのを抑制することができる。
(態様8)
第一クリーニングブラシローラ101などの回転部材と軸方向から当接して、回転部材に電圧を印加するブラシ電極端子141などの電極部材を有し、押さえ板121などの軸受移動規制手段は、軸受を電極部材側へ押圧するように構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、押さえ板121などの軸受移動規制手の押圧力により、軸受を介して第一クリーニングブラシローラ101などの回転部材をブラシ電極端子141などの電極部材に向けて押圧することができる。これにより、回転部材と電極部材との当接圧を高めることができ、電極部材から安定的に回転部材に電圧を印加することができる。
(態様9)
(態様1)乃至(態様8)いずれかにおいて、第一クリーニングブラシローラ101などの回転部材と軸方向から当接して、回転部材に電圧を印加するブラシ電極端子141などの電極部材を有し、電極部材は、軸方向に弾性変形可能な部材であり、両端にユニットケースに取り付ける取り付け部(本実施形態では、第一嵌合穴141a,141b)を有し、一端側の取り付け部と、他端側の取り付け部との間に前記回転部材を当接させた。
これによれば、図17を用いて説明したように、ブラシ電極端子141などの電極部材の中央部を回転部材に突き当て、撓ませるようにして電極部材を、ユニットケースに取り付けることができる。これにより、多少、回転部材がスラスト方向に移動しても電極部材を追随させることができ、回転部材と電極部材との当接を維持することができる。
(態様10)
(態様1)乃至(態様9)いずれかにおいて、第一クリーニングブラシローラ101などの回転部材に電圧を印加するブラシ電極端子141などの電極部材を備え、電極部材は、両端に回転部材が収納されたユニットケースに取り付ける取り付け部(本実施形態では、第一嵌合穴141a,141b)を有し、電極部材の各取り付け部を、前記ユニットケースから突出するように設けられた被取り付け部(本実施形態においては、第一ブラシ取り付け突起126a, 第二ブラシ取り付け突起127a)に嵌合する嵌合孔部とした。
これによれば、実施形態で説明したように、嵌合孔部を、ユニットケースから突出するように設けられた被取り付け部に嵌合させることにより、ブラシ電極端子141などの電極部材を、ユニットケースに取り付けることができる。これにより、ネジにより電極部材をユニットケースに取り付けるものに比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、スクリュウドライバーなどの工具を用いることなく電極部材を取り付けることができ、取り付け作業を簡素化することができる。また、ネジから他の部材への印加電圧のリークの心配を無くすことができる。
(態様11)
(態様10)において、前記嵌合孔部からラジアル方向に延びる切り欠き部を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、第一ブラシ取り付け突起126aなどの被取り付け部に第一嵌合穴141aなどの嵌合孔部をはめ込むときに、嵌合孔部が拡径するように嵌合孔部の周囲を弾性変形させることができる。これにより、被取り付け部に容易に嵌合孔部を嵌め込むことができる。また、嵌合孔部を被取り付け部に嵌合させた後は、嵌合孔部の周囲の弾性力により、嵌合孔部の縁で被取り付け部の外周を押圧することができる。これにより、強固にブラシ電極端子141などの電極部材を第一ケーシング120aなどのユニットケースに取り付けることができる。
(態様12)
(態様1)乃至(態様11)いずれかの回転体ユニットを備えた画像形成装置。
これによれば、画像形成装置が備える回転体ユニットのケースの削れを防止することができる。
(態様13)
(態様12)において、回転体ユニットが、中間転写ベルト2などの像担持体上のトナーを除去するクリーニング装置である。
これによれば、クリーニング装置のケーシングの削れを防止することができる。
1:複写機
2:中間転写ベルト
6:現像装置
9C:二次転写ベルト
10:ベルトクリーニング装置
66:作像部
100a:第一クリーニングユニット
100b:第二クリーニングユニット
100c:ポストクリーニングユニット
101:第一クリーニングブラシローラ
101a:回転軸部材
101a1:段差
102:第一回収ローラ
103:第一掻き取りブレード
104:第二クリーニングブラシローラ
105:第二回収ローラ
106:第二掻き取りブレード
107:ポストクリーニングローラ
108:ポスト回収ローラ
109:ポスト掻き取りブレード
110a:第一搬送スクリュウ
110b:第二搬送スクリュウ
110c:ポスト搬送スクリュウ
111a,111b,111c:入口シール
112a,112b,112c:出口シール
120a:第一ケーシング
120b:第二ケーシング
120c:ポストケーシング
121:押さえ板
121a:第一貫通穴
121b:第二貫通穴
121c,121d:位置決め穴
121e:第一押さえ突起
121f:第二押さえ突起
124a:側面板
124b:側面板
125a,125b:位置決め突起
126a:第一ブラシ取り付け突起
126b:第一回収取り付け突起
127a:ブラシ取り付け突起第二突起
127b:第二回収取り付け突起
130:第一クリーニング電源部
131:第一回収電源部
132:第二クリーニング電源部
133:第二回収電源部
134:第三クリーニング電源部
135:第三回収電源部
141:ブラシ電極端子
141a:第一嵌合穴
141b:第二嵌合穴
141c:切り欠き部
141d:軸対向部
141e:切り欠き部
141f:当接部
142:回収電極端子
143:玉軸受
144:第一玉軸受
144a:外輪部
144b:内輪部
145:第二玉軸受
145a:外輪部
145b:内輪部
200:制御部
211:基層
212:弾性層
213:表面層
300:光学センサ
特開2007−121568号公報 特開2012−208485号公報

Claims (13)

  1. 回転部材を備える回転体ユニットにおいて、
    少なくともスラスト方向一方側への移動を規制され、前記回転部材の軸を受ける軸受と、
    前記回転部材に設けられ、軸方向から前記軸受に当接して前記回転部材のスラスト方向一方側の移動を規制するスラスト移動規制手段とを備えたことを特徴とする回転体ユニット。
  2. 請求項1に記載の回転体ユニットにおいて、
    前記軸受が玉軸受であり、
    前記スラスト移動規制手段が、玉軸受の内輪部に当接することを特徴とする回転体ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の回転体ユニットにおいて、
    前記スラスト移動規制手段が、前記回転部材の軸に設けた段差であることを特徴とする回転体ユニット。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の回転体ユニットにおいて、
    前記回転部材を複数備え、
    各回転部材に対応して前記軸受と、該軸受と軸方向から当接して回転部材のスラスト方向移動を規制するスラスト移動規制手段とを備えたことを特徴とする回転体ユニット。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の回転体ユニットにおいて、
    前記軸受が玉軸受であり
    前記玉軸受の外輪部に当接して、前記軸受のスラスト方向一方側の移動を規制する軸受移動規制手段を備えたことを特徴とする回転体ユニット。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の回転体ユニットにおいて、
    前記回転部材を複数備え、
    各回転部材に対応して設けられた複数の軸受の移動を規制する軸受移動規制手段を備えたことを特徴とする回転体ユニット。
  7. 請求項5または6に記載の回転体ユニットにおいて、
    前記軸受移動規制手段が、前記軸受が有する化学物質への耐性を有する材質で構成されていることを特徴とする回転体ユニット
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の回転体ユニットにおいて、
    前記回転部材と軸方向から当接して、前記回転部材に電圧を印加する電極部材を有し、
    前記軸受を前記電極部材側へ押圧するよう構成したことを特徴とする回転体ユニット。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の回転体ユニットにおいて、
    前記回転部材と軸方向から当接して、前記回転部材に電圧を印加する電極部材を有し、
    前記電極部材は、軸方向に弾性変形可能な部材であり、両端に回転部材が収納されたユニットケースに取り付ける取り付け部を有し、
    一端側の取り付け部と、他端側の取り付け部との間に前記回転部材を当接させたことを特徴とする回転体ユニット。
  10. 請求項1乃至9に記載の回転体ユニットにおいて、
    前記回転部材に電圧を印加する電極部材を備え、
    前記電極部材は、両端に回転部材が収納されたユニットケースに取り付ける取り付け部を有し、前記各取り付け部を、前記ユニットケースから突出するように設けられた被取り付け部に嵌合する嵌合孔部としたことを特徴とする回転体ユニット。
  11. 請求項10に記載の回転体ユニットにおいて、
    前記嵌合孔部からラジアル方向に延びる切り欠き部を有することを特徴とする回転体ユニット。
  12. 請求項1乃至11いずれかに記載の回転体ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置において、
    前記回転体ユニットが、像担持体上のトナーを除去するクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。
JP2015010934A 2015-01-23 2015-01-23 回転体ユニットおよび画像形成装置 Pending JP2016136029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015010934A JP2016136029A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 回転体ユニットおよび画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015010934A JP2016136029A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 回転体ユニットおよび画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016136029A true JP2016136029A (ja) 2016-07-28

Family

ID=56512981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015010934A Pending JP2016136029A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 回転体ユニットおよび画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016136029A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018092040A (ja) * 2016-12-05 2018-06-14 株式会社リコー ベルト装置及び画像形成装置
JP2021039312A (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018092040A (ja) * 2016-12-05 2018-06-14 株式会社リコー ベルト装置及び画像形成装置
JP7003405B2 (ja) 2016-12-05 2022-01-20 株式会社リコー ベルト装置及び画像形成装置
JP2021039312A (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP7347034B2 (ja) 2019-09-05 2023-09-20 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5031451B2 (ja) 転写装置及び画像形成装置
KR100846376B1 (ko) 화상 형성 장치
JP4501842B2 (ja) 画像形成装置
JP3825600B2 (ja) 帯電装置、画像形成装置、像担持体ユニット及び荷電ローラ
JP6035779B2 (ja) 画像形成装置
JP2007078937A (ja) 画像形成装置
JP4725246B2 (ja) クリーニング装置、画像形成装置
JP2008009192A (ja) 画像形成装置
JP2016136029A (ja) 回転体ユニットおよび画像形成装置
JP5560876B2 (ja) ベルト装置及び画像形成装置
JP5574220B2 (ja) クリーニング装置、ベルト装置および画像形成装置
JP2005099361A (ja) クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置
JP5113477B2 (ja) 転写ベルト装置及び画像形成装置
JP2016136195A (ja) クリーニング装置および画像形成装置
JP3803537B2 (ja) クリーニング装置、ベルト装置、及び画像形成装置
JP4940645B2 (ja) 画像形成装置
US20070274749A1 (en) Image forming apparatus and image forming method
JP5311767B2 (ja) 画像形成装置
JP6562292B2 (ja) クリーニング装置および画像形成装置
JP2010049290A (ja) 画像形成装置
JP2016136186A (ja) 画像形成装置
JP5311768B2 (ja) 画像形成装置
JP3900283B2 (ja) クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置
JP6566295B2 (ja) 画像形成装置
JP2005250411A (ja) クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置