JP3825600B2 - 帯電装置、画像形成装置、像担持体ユニット及び荷電ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、芯金の外周に弾性部材を設けた帯電ローラの両端部にフィルム材を周方向に巻き付け、その帯電ローラを被帯電体に上記両端部のフィルム材の部分で接触させた帯電装置と、その帯電装置を備えた画像形成装置と、上記帯電装置を備えた像担持体ユニット、及び被帯電体の表面に対向配置されて電圧が印加される荷電ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式の画像形成装置である複写機,プリンタ,ファクシミリ等では、被帯電体であり像担持体である感光体の表面に静電潜像を形成するのに先立って、その感光体をいろいろな方法で均一に帯電させている。
その帯電方法の1つとして、従来よりコロナ放電を利用したものがある。このコロナ帯電装置は、金属板で遮蔽されたハウジングの中央に張架されたタングステンやニッケルで形成されたチャージワイヤを感光体に近接して配設し、そのチャージワイヤと感光体との間に直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加することによりコロナ放電を起こし、それによって感光体の表面を帯電するものである。
【0003】
しかしながら、このようなコロナ放電を利用したコロナ帯電装置の場合には、チャージワイヤに高電圧を印加するため、帯電の際にオゾンや窒素酸化物(NOx)などの放電生成物が生成されるため、その放電生成物が環境面で問題になったり、その放電生成物により感光体の表面に画像形成の際に悪影響を及ぼす硝酸または硝酸塩の膜が形成されてしまうことがあるという欠点があった。
【0004】
そこで近年では、このコロナ帯電装置に代わってオゾンの発生が少なくて低電力で帯電ができる接触式の帯電装置が実用化されてきている。
その接触帯電装置は、導電性の部材でローラ状やブラシ状、さらには弾性ブレード状にそれぞれ形成した帯電部材を感光体等の像担持体(被帯電体)の表面に接触させ、その状態で帯電部材と像担持体との間に電圧を印加することにより、像担持体の表面を帯電させるものであり、低オゾン化と低電力化が図れる。
【0005】
しかしながら、このような接触帯電装置に使用されている例えばローラ状の帯電部材は、金属製の芯金の外側に導電性のゴムで形成した弾性層を設けたものであるため、その弾性層が像担持体の表面に押し付けられた状態で長期間放置されたときには、その弾性層の中に含まれている物質(例えば可塑剤)が表面に滲み出て、それが像担持体の表面に付着して汚してしまうことがあった。
【0006】
また、接触帯電の場合には、帯電部材が像担持体の表面に接触した状態で帯電が行われるため、その像担持体の表面に画像転写後に残った転写残トナー等が帯電部材の表面に転移することによって汚れ、それが原因で帯電性能が低下してしまう恐れもあった。
【0007】
そこで、このような問題を解決するため、帯電部材である帯電ローラのローラ部分の両端部に、そのローラ部分の中央部に比べて大径となる凸部をスペーサやテープ等で形成し、それによって帯電ローラの両端部を除く他の部分が像担持体である感光体の表面に対して非接触になるようにし、その状態で感光体を帯電するようにした非接触の帯電装置が提案されている(例えば特開平3−240076号公報,特開平4−360167号公報,特開平5−107871号公報等参照)。
【0008】
これらの非接触の帯電装置によれば、帯電ローラの画像形成領域に対応する部分は感光体に接触しないため、接触帯電装置の場合の欠点である帯電部材の弾性層中に含まれている物質の感光体への付着や、感光体の表面に付着したトナー等の付着物の帯電部材への転移等の問題を解決することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように帯電ローラの両端部を像担持体の表面に接触させ、その両端部を除く他の部分を像担持体の表面に対して非接触にした帯電装置であっても、問題が生じることがあった。
例えば、特開平3−240076号公報に記載されている帯電装置では、帯電ローラのEPDM等の導電性ゴムで形成した外層の両端部にスペーサリング層を形成し、帯電ローラのそれぞれスペーサリング層よりも外側の部分を押圧ばね等の付勢手段により押圧して、帯電ローラのスペーサリング層間の部分を像担持体である感光体の表面に対して非接触にしている。
【0010】
このような構成の場合には、図14に示すように帯電ローラ150の弾性を有する外層151の特にスペーサリング層153が設けられている部分が押圧ばね152,152の押圧力に応じて変形するため、帯電ローラ150の撓みや、真直度等の要素を一切考えなかったとしても、図15に示すように帯電ローラ150と感光体160の表面との間のスペーサリング層153付近でのギャップG1は、スペーサリング層153の厚さtになるが、ローラ中央部のギャップG2はギャップG1よりも外層151の変形量δ1だけ小さくなる(G2=G1−δ1)。
【0011】
したがって、スペーサリング層153の厚さtを薄くしたときには、非接触の帯電装置のつもりでも、帯電ローラ150の外層151の中央付近が感光体160の表面に常に接触した状態のままになってしまうことがあるという不都合が生じてしまう。その場合には、接触帯電装置の欠点を解消することができない。
この場合、スペーサリング層153の厚さtを、外層151が変形量δだけ変形しても帯電ローラ150の外層151の中央付近が常に感光体160の表面に接触しない厚さにすれば、非接触の帯電装置にすることができる。
【0012】
しかしながら、その厚さtを厚くすれば、帯電ローラ150の中央付近のギャップG2については問題がなくなるが、外層151のスペーサリング層153の付近でのギャップG1が大きくなってしまうので、その部分で異常放電が発生して画像に白ポチができてしまうようになる。したがって、スペーサリング層153の厚さtには限界があり、それを安易に厚くすることはできないということがあった。
【0013】
すなわち、非接触の帯電装置の場合には、一般的に帯電ローラにDC電圧のみを印加するようにしたときには、その帯電ローラと感光体(像担持体)の表面との間のギャップが所定値(例えば20μm)以下であるときには、そのギャップが変化しても一定の帯電電位が得られる。
【0014】
しかしながら、ギャップがその所定値を超えると、そのギャップに応じて帯電電位が変化(絶対値で小さくなる)するようになる。そのため、それを補うために一般的にはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を帯電ローラに印加し、それによって均一な帯電電位が得られるようにしている。
【0015】
その場合、そのギャップの大きさに応じて印加する電圧が大き過ぎると異常放電が発生してしまう。そのため、その印加電圧は異常放電が発生しないレベルまでに抑える必要がある。その結果、上記ギャップは異常放電が発生しない所定値以下に抑えなければならないので、上述したスペーサリング層の厚さtは、そうした面で制約があった。
【0016】
また、電子写真方式の画像形成装置には、被帯電体である像担持体の表面に対向して帯電ローラの他に転写ローラや除電ローラや現像ローラ等の荷電ローラが配置されているものがある。
これら帯電ローラ以外の荷電ローラも、そのローラの表面の両端部を除く主要な部分が像担持体の表面に常に接触した状態になっていると、像担持体の表面に付着した汚れがローラの表面に転移してしまうことにより、所期の目的を達成することができなくなる恐れがある。
【0017】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電ローラの両端部に設けるスペーサとしてのフィルム材の厚さを、その帯電ローラのフィルム材の付近で異常放電が発生しない厚さにまで薄くしても、帯電ローラの中央付近が被帯電体である感光体等の像担持体の表面に常時接触することがないようにすることを目的とする。
また、帯電ローラ以外で被帯電体の表面に対向配置されて電圧が印加される荷電ローラについても、同様にそのローラの中央付近が被帯電体の表面に常時接触することがないようにすることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、被帯電体の表面に対向配置されて電圧が印加される荷電ローラであって、芯金の外周に弾性部材を設けると共にその芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設け、その大径部間の外周に上記弾性部材を、その外径が上記大径部の径と同じになるように設け、上記両端部の各大径部の外周にそれぞれフィルム材を巻き付けた荷電ローラを提供する。
【0028】
また、上記と同様な荷電ローラを、芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設け、その芯金の上記大径部を含む外周に弾性部材をその外径が軸方向の全長に亘って均一になるように設け、その弾性部材の両端部の上記各大径部に対応する位置の外周にそれぞれフィルム材を周方向に巻き付けると共にそのフィルム材が上記被帯電体の表面に接触し、その接触により上記弾性部材が圧縮変形することによって、その弾性部材の外周面の形状に沿って変形する上記周方向に巻かれたフィルム材の径方向の最大変形量が、上記フィルム材の厚さよりも小さくなるように構成してもよい。
【0029】
上記荷電ローラは、帯電ローラにすると効果的である。
また、上記帯電ローラを備えた帯電装置や、その帯電ローラとその帯電ローラによって表面が帯電され、露光により静電潜像が形成される像担持体とを一体のユニットに構成して画像形成装置本体に対して着脱可能にした像担持体ユニットも提供する。
さらに、上記帯電装置あるいは上記像担持体ユニットを備えた電子写真方式の画像形成装置も提供する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明による帯電装置の基礎となる帯電ローラを被帯電体である感光体ドラムに圧接させた状態を示す概略図、図2は同じくその帯電装置を備えた電子写真方式の画像形成装置の一実施形態例を示す全体構成図、図3は同じくその画像形成装置が備えている像担持体ユニットである感光体ユニットの一例を示す構成図である。
【0031】
図2に示す画像形成装置は、4ドラムフルカラーの電子写真方式の小型プリンタであり、装置本体1内には、4個の像担持体ユニットである感光体ユニット2A,2B,2C及び2Dを、装置本体1に対してそれぞれ着脱可能に装着している。
【0032】
この小型プリンタは、装置本体1内の略中央に転写ベルト3を複数のローラ間に矢示A方向に回動可能に張装している。そして、その転写ベルト3の図2で上側の面に、4個の感光体ユニット2A,2B,2C,2Dにそれぞれ設けられている感光体ドラム5が接触するように、その感光体ユニット2A〜2Dをそれぞれ配設している。
そして、その感光体ユニット2A〜2Dに対応させて、それぞれ使用するトナーの色が異なる現像装置10A〜10Dを配設している。
【0033】
また、その感光体ユニット2A〜2Dの上方には書込みユニット6を、下方には両面ユニット7をそれぞれ配設している。
さらに、この小型プリンタは、装置本体1の図2で左方に、画像形成後の転写紙Pを反転させて排出したり、両面ユニット7へ搬送したりする反転ユニット8を装着している。
【0034】
転写ベルト3と反転ユニット8との間には、画像が転写された転写紙の画像を定着する定着装置9が設けられている。
その定着装置9の転写紙搬送方向下流側には、反転搬送路20を分岐させて形成し、そこに搬送した転写紙Pを排紙ローラ対25により排紙トレイ26上に排出可能にしている。
【0035】
また、装置本体1内の下部には、上下2段にサイズの異なる転写紙Pを収納可能な給紙カセット11と12を、それぞれ配設している。
さらに、装置本体1の右側面には、手差しトレイ13を矢示B方向に開閉可能に設け、その手差しトレイ13を開放することにより、そこから手差し給紙ができるようにしている。
【0036】
感光体ユニット2A〜2Dは、同一の構成をしたユニットであり、感光体ユニット2Aはイエロー色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Bはマゼンタ色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Cはシアン色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Dはブラック色に対応する画像を形成する。そして、それらを転写紙の搬送方向に間隔を置いてそれぞれ配置している。
【0037】
その感光体ユニット2A〜2Dは、図3に示すように芯金16の外周に後述する弾性部材17を設けた荷電ローラである帯電ローラ14と、その帯電ローラ14によって表面が帯電され、露光により静電潜像が形成されるOPCドラム方式の被帯電体である感光体ドラム5と、その感光体ドラム5の表面をクリーニングするクリーニング装置を構成するブラシローラ15とを一体のユニットに構成し、それを図2に示した装置本体1に対して着脱可能にしたものである。
なお、この感光体ユニットは、ブラシローラ15を構成から外して、帯電ローラ14と感光体ドラム5とで一体のユニットに構成するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、感光体ドラム5は感光体径がφ30mmのものを使用する。
【0038】
帯電ローラ14は、帯電装置を構成するものであり、図4に示すように例えばエピクロルヒドリンゴムからなり、体積固有抵抗値を1×103〜1×108Ω・cmとした導電性を有する弾性部材17の両端部に、例えばポリエチレンテレフタレートからなるフィルム材18,18を周方向に巻き付けて、図5に示すように両端をそれぞれ斜めにカットした部分18aと18bを一致させた状態で貼着により取り付け、その帯電ローラ14を図4に示したように感光体ドラム5に、両端部のフィルム材18,18の部分で接触させ、芯金16の両端部を付勢部材である加圧スプリング19,19により滑り軸受30,30を介して感光体ドラム5側に加圧している。
芯金16の図4で右側の一端には、駆動用ギヤ40を固定し、そこに図示しないモータからの駆動力を伝達し、帯電ローラ14を感光体ドラム5と同一の線速で回転させるようにしている。
【0039】
この帯電装置は、帯電ローラ14と感光体ドラム5との間に図示しない電源より電圧を印加することにより、その感光体ドラム5の表面を帯電する。
その帯電ローラ14への電圧の印加は、芯金16の部分に、例えばDC−700Vを定電圧制御で印加すると共に、AC電圧を定電流制御で印加する。
このように、定電流制御を行うようにすれば、帯電ローラ14の弾性部材17と感光体ドラム5の表面とのギャップ(図1のG)が変動しても、それに応じた電圧が芯金16にかかるので、感光体ドラム5の表面の帯電電位が一定になる。
【0040】
この帯電装置は、加圧スプリング19,19による帯電ローラ14の加圧で、図1に示すように弾性部材17が圧縮変形することによって、その外周面の形状に沿って変形するフィルム材18の帯電ローラ14の径方向の最大変形量δが、フィルム材18の厚さtよりも小さくなるようにしている。
なお、帯電ローラ14は、加圧スプリング19を使用せずに、自重により感光体ドラム5に両端部のフィルム材18,18を接触させるようにしてもよい。
その帯電ローラ14は、例えば芯金16の外径をφ9mmに形成し、弾性部材17の肉圧を1.5mmのゴム層に形成している。また、弾性部材17の両端部に巻付けるフィルム材18は、この実施の形態では50±10μmの厚さのものを使用する。
【0041】
弾性部材17は、ゴム硬度が旧JIS−Aで77度ぐらいで、ゴム自体のテストピース硬度が50度以上のものを使用する。
図3に示した感光体ユニット2A〜2Dの各感光体ドラム5は、それぞれ矢示C方向に回転するが、それらの線速はモノクロ印刷時が185mm/secであり、カラー印刷時には125mm/secと62.5mm/secとに2段階に調整することができるようになっている。
【0042】
その感光体ユニット2A〜2Dは、感光体ドラム5の表面に先端を摺接させて転写残トナーを掻き落とすクリーニングブレード47を備えており、そのクリーニングブレード47により掻き落としたトナーを、ブラシローラ15でトナー搬送オーガ48側に移動させ、そのトナー搬送オーガ48を回転させることにより回収した廃トナーを、所定の廃トナー収納部に搬送するようにしている。
【0043】
また、この感光体ユニット2A〜2Dは、帯電ローラ14の弾性部材17の表面にも、例えばスポンジからなる帯電ローラクリーナ49を接触させ、機内に浮遊するトナーやゴミ等が弾性部材17の表面に付着したときでも、それをクリーニングできるようにしている。
【0044】
なお、この感光体ユニット2A〜2Dには、それを装置本体1(図2参照)に対して着脱する際の基準として、位置決め主基準部51を設けると共に、手前側位置決め従基準部52と奥側位置決め従基準部53とをブラケット50にそれぞれ一体に設け、その感光体ユニット2A〜2Dを装置本体1に装着する際に、それらの基準部により、感光体ユニット2A〜2Dを所定の装着位置に確実に位置決めできるようにしている。
【0045】
図2に示した現像装置10A〜10Dは、構成が全て同一のものであり、それらは使用するトナーの色のみが異なるいずれも2成分現像方式の現像装置である。そして、現像装置10Aはイエロー色のトナーを使用し、現像装置10Bはマゼンタ色のトナーを使用し、現像装置10Cはシアン色のトナーを使用し、現像装置10Dはブラック色のトナーをそれぞれ使用する。
【0046】
図6に示す書込みユニット6は、レーザダイオード(LD)方式のカラー1ビーム、モノクロ2ビームで、2つの6面の回転多面鏡22a,22bを有する1ポリゴンモータの書込みユニットである。
その書込みユニット6は、光源となる図示しないレーザダイオードから射出されてポリゴンモータ21により回転される回転多面鏡22a,22bにより、イエロー用の走査光及びマゼンタ用の走査光と、シアン用の走査光及びブラック用の走査光とを右と左に分けて反射させる。
【0047】
そのイエロー用の走査光及びマゼンタ用の走査光は、2層fθレンズ23をそれぞれ通り、イエロー用の走査光はミラー27に反射されて長尺WTL24を通って、ミラー28,29を介して感光体ユニット2Aの感光体ドラム5上に照射される。
また、マゼンタ用の走査光は、ミラー31に反射されて長尺WTL32を通って、ミラー33,34を介して感光体ユニット2Bの感光体ドラム5上に照射される。
【0048】
さらに、シアン用の走査光及びブラック用の走査光は、2層fθレンズ35をそれぞれ通り、シアン用の走査光はミラー36に反射されて長尺WTL37を通って、ミラー38,39を介して感光体ユニット2Cの感光体ドラム5上に照射される。
また、ブラック用の走査光は、ミラー41に反射されて長尺WTL42を通って、ミラー43,44を介して感光体ユニット2Dの感光体ドラム5上に照射される。
【0049】
図2に示した両面ユニット7は、対をなす搬送ガイド板45a,45bと、対をなす複数(この例では4組)の搬送ローラ46とからなり、転写紙の両面に画像を形成する両面画像形成モード時には、片面に画像が形成されて反転ユニット8の反転搬送路54に搬送されてスイッチバック搬送された転写紙Pを受入れて、それを感光体ユニット2A〜2Dが設けられている作像部に向けて再搬送する。
【0050】
反転ユニット8は、それぞれ対をなす複数の搬送ローラと、対をなす複数の搬送ガイド板とからなり、上述したように両面画像形成する際の転写紙Pを表裏反転させて両面ユニット7へ搬出したり、画像形成後の転写紙Pをそのままの向きで機外に排出したり、表裏を反転させて機外に排出したりする働きをする。
給紙カセット11と12とが設けられている給紙部には、転写紙Pを1枚ずつ分離して給紙する分離給紙部55,56が、それぞれ設けられている。
【0051】
この小型プリンタは、転写ベルト3を使用したローラ曲率分離方式を採用しており、転写ベルト3の内側には4つの転写ブラシ57が4個の感光体ドラム5に対応してそれぞれ設けられている。
【0052】
この小型プリンタは、作像動作を開始させると、各感光体ドラム5が図2で時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体ドラム5の表面が、その感光体ドラム5と各帯電装置の帯電ローラ14との間に電圧が印加されることにより一様に帯電される。
そして、感光体ユニット2Aの感光体ドラム5の帯電面には、書込みユニット6によりイエロー色の画像に対応するレーザ光が照射される。
【0053】
また、感光体ユニット2Bの感光体ドラム5の帯電面には、書込みユニット6によりシアン色の画像に対応するレーザ光が、感光体ユニット2Cの感光体ドラム5の帯電面にはマゼンタ色の画像に対応するレーザ光が、さらに感光体ユニット2Dの感光体ドラム5の帯電面にはブラック色の画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、そこに各色に対応した潜像がそれぞれ形成される。
そして、その各潜像は、感光体ドラム5が回転することにより現像装置10A,10B,10C及び10Dの位置に達すると、そこでイエロー,マゼンタ,シアン及びブラックの各トナーにより現像されて、4色のトナー像となる。
【0054】
一方、給紙カセット11あるいは12のうち、選択された給紙段から転写紙Pが分離給紙部55あるいは56により給紙され、それが感光体ユニット2Aの直前に設けられているレジストローラ対59により、各感光体ドラム5上に形成されているトナー像と一致する正確なタイミングで、それが感光体ユニット2Aの感光体ドラム5と転写ベルト3との間に向けて搬送される。
【0055】
その際、転写紙Pは、転写ベルト3の入口付近に配設している紙吸着ローラ58によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルト3の表面に静電的に吸着される。
そして、転写紙Pは、転写ベルト3に吸着した状態で、その転写ベルト3の矢示A方向への回動により同方向に搬送されながら、図2で上側の面にイエロー,マゼンタ,シアン及びブラック色の各トナー像が順次転写されていき、感光体ユニット2Dを通過したときには4色重ね合わせのフルカラーのトナー画像が形成される。
【0056】
その転写紙Pは、定着装置9で熱と加圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、その後は指定されたモードに応じた排紙系を通って、装置本体上部の排紙トレイ26に反転排紙されたり、定着装置9から直進して反転ユニット8内を通ってストレート排紙されたりする。
【0057】
あるいは、両面画像形成モードが選択されているときには、前述した反転ユニット8内の反転搬送路54に送り込まれた後にスイッチバックされて両面ユニット7に搬送され、そこから再給紙されて感光体ユニット2A〜2Dが設けられている作像部で、裏面に画像が形成された後に排出される。
以後、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
【0058】
ところで、この小型プリンタは、前述したように図4に示した加圧スプリング19,19による帯電ローラ14の加圧で、図1に示したように弾性部材17が圧縮変形することによって、その外周面の形状に沿って変形するフィルム材18の帯電ローラ14の径方向の最大変形量δが、フィルム材18の厚さtよりも小さくなるようにしている。
【0059】
そのため、帯電ローラ14は、その弾性部材17と感光体ドラム5の表面との間にはギャップGが形成されるので、弾性部材17の両端部を除いた部分となる画像形成領域に対応する部分は、感光体ドラム5の表面に接触しない。
したがって、画像の転写後に感光体ドラム5の表面に残った転写残トナー等の付着物が帯電ローラ14側に転移するのを防止できる。また、帯電ローラが感光体の表面に常時圧接する接触帯電装置における欠点である帯電ローラの弾性部材中に含まれている物質が滲み出て感光体に付着するのも防止することができる。
【0060】
ところで、弾性部材17の両端部に巻き付けているフィルム材18の付近の弾性部材17と感光体ドラム5の表面とのギャップを、例えば50μmに設定したとしても、帯電ローラ14は芯金16の自重による撓みや、加圧スプリング19の加圧による撓み、さらには軸のねじれによる変位や、帯電ローラ14及び感光体ドラム5の真直度等により、特に軸方向の中央部が感光体ドラム5に接近する方向に撓むため、その中央部の図1に示したギャップGは、両側のフィルム材18の付近のギャップ50μmよりも小さくなるのが普通である。
【0061】
したがって、フィルム材18に薄めのものを使用したときには、帯電ローラ14はその中央部が感光体ドラム5の表面に接触する恐れもあるが、上述したように弾性部材17の圧縮変形により、その外周面の形状に沿って変形するフィルム材18の帯電ローラ14の径方向の最大変形量δが、フィルム材18の厚さtよりも小さくなるようにしておけば、帯電ローラ14の中央部が感光体ドラム5の表面に接触したとしても、それは回転方向の一瞬のタイミングだけであり、それが常に接触し続けることはないので、上述した接触帯電装置の欠点を解消することができる。
【0062】
次に、図4に示した帯電ローラ14の弾性部材17のフィルム材18を取り付けた部分が加圧により変形しても、弾性部材17の長手方向の中央部が感光体ドラム5に接触しないようにしたときの初期帯電性と、耐久帯電性と、帯電音とについて確認した実験結果について説明する。
【0063】
実験1
この実験1では、表1の試料NO.1に示すように、次の内容の帯電ローラを使用した。
芯金…軸径φ9mmで、材質がSUM−Niメッキ(鋼の表面をニッケルメッキ仕上げ)のものを使用。
弾性部材…材質がエピクロルヒドリンゴムで体積固有抵抗値が1×105Ω・cm、厚さ1.5mm、長さが324mm、ローラ硬度が旧JIS−A型硬度計の測定値で75度。
フィルム材…大日本インキ社製ダイタックPF025−H、厚さ60μmで、幅8mm。
加圧スプリングの加重…2.5N×2
【0064】
【表1】
【0065】
実験結果
表2に試料NO.1の実験結果を示すように、図1に示した最大変形量δが20μm、ニップ幅Nは1mmであった。
初期帯電性の確認では、帯電ムラが発生しなかった。また、耐久帯電性に関しては、15万枚の画像形成を行っても、帯電不良は発生しなかった。さらに、初期帯電音についても発生しなかった。
以上、初期帯電性、耐久帯電性、帯電音のいずれについても、良好な実験結果が得られた。
【0066】
【表2】
【0067】
次に、図4に示した帯電ローラ14の弾性部材17のゴム厚や硬度等を異ならせた数種類の帯電ローラを使用し、初期帯電性と、耐久帯電性と、帯電音とについて確認した実験結果について説明する。
実験2
この実験2では、表1の試料NO.2〜NO.5に示すように、帯電ローラは芯金が外径φ8mmのものを全て使用し、弾性部材は体積固有抵抗値が1×105Ω・cmのエピクロルヒドリンゴムで、厚さは2mmと3mmのものを使用した。
【0068】
また、弾性部材の両端部に巻き付けるフィルム材は、フィルム厚が85〜105μmのものを使用し、フィルム幅は全て幅8mmのものを使用した。
なお、実験は、帯電ローラの弾性部材の両端部にフィルム材を巻き付けないものについても、参考のため確認テストを行った(表1,表2の試料NO.3を参照)。
【0069】
実験結果
各条件における最大変形量δ(図1参照)とニップ幅Nは、表2に示すようになった。
また、初期帯電性については、帯電ローラ試料NO.4の組み合わせのフィルム厚が105μmのものについて、フィルム材が巻き付けられている部分の近傍で異常放電に基づく画像欠陥が、ローラ周期で発生した。
そして、この画像欠陥は、15万枚の画像形成中継続して発生したが、その15万枚の画像形成を行ったことによって更に新たに発生した画像の欠陥はなかった(耐久帯電性○の評価)。
【0070】
耐久帯電性の確認結果では、帯電ローラ試料NO.3の組み合わせのフィルム材を使用しないものについて、2万枚の画像形成を行った時点で、帯電ローラのフィルミングによる帯電ムラが発生した(×の評価)。
また、帯電ローラ試料NO.5の組み合わせのフィルム厚が100μmのものを使用したものでは、耐久試験中にフィルム材と感光体ドラムとの間に異物が挾まることにより、その部分のギャップが大きくなって異常画像が発生することが時々あったが、その際にギャップを広げる原因となっている異物を除去したところ、正常な画像となった(○の評価)。
【0071】
初期帯電音の確認結果は、帯電ローラ試料NO.3の組み合わせのフィルム材を使用しないものでは初期帯電音が発生したため、不合格の評価結果となった。
以上、表1,表2に示した実験結果から、図4で説明した弾性部材17の両端部に巻き付けるフィルム材18は、その厚さを100μm以下にすれば、初期帯電性と、耐久帯電性と、帯電音の全てについて良好な結果が得られる。
【0072】
また、帯電ローラ14の弾性部材17の厚さ(ゴム厚)は、表2に示した帯電ローラ試料NO.1とNO.2を使用した実験結果から、常温で2.0mm以下にすると、初期帯電性と、耐久帯電性と、帯電音の全てについて良好な結果が得られる。
さらに、その弾性部材17の硬度(ローラ硬度)は、旧JIS−A型硬度計による測定値で、常温において65度以上にすれば、表2に示した帯電ローラ試料NO.1とNO.2を使用した実験結果から、初期帯電性と、耐久帯電性と、帯電音の全てについて良好な結果が得られる。
【0073】
図7はこの発明に関連する参考技術としての画像形成装置の帯電ローラと感光体ドラムの部分を示す図4と同様な正面図であり、図4と対応する部分には同一の符号を付してある。
この画像形成装置である小型プリンタは、図1乃至図6で説明した小型プリンタに対し、帯電ローラ64と感光体ドラム65の表面との間にギャップを形成するためのフィルム材を68を、感光体ドラム65側の両端部に設けるようにした点のみが異なる。
【0074】
すなわち、この小型プリンタは、芯金16の外周に弾性部材17を設けた帯電ローラ64と、その帯電ローラ64によって表面が帯電され、露光により静電潜像が形成される被帯電体であり、ドラム状をした像担持体である感光体ドラム65とを備えている。
【0075】
その感光体ドラム65の帯電ローラ64の両端部に対応する位置には、図示のようにフィルム材68,68をドラムの周方向に沿って巻き付けて固定し、帯電ローラ64をその両端部をフィルム材68,68に接触させて感光体ドラム65に対して加圧し、その帯電ローラ64と感光体ドラム65との間に電圧を印加することにより、その感光体ドラム65の表面を帯電するようにしている。
【0076】
そして、両側の加圧スプリング19,19の付勢力による帯電ローラ64の加圧により、図8に示すように弾性部材17が圧縮変形した部分のその帯電ローラ64の径方向の最大変形量δ2が、フィルム材68の厚さtよりも小さくなるようにしている。
【0077】
また、この小型プリンタにおいても、フィルム材68の厚さは100μm以下にしている。
そのフィルム材68を、両端部にそれぞれ取り付けた感光体ドラム65と、そのフィルム材68の部分に弾性部材17が接する帯電ローラ64は、図9に示すような像担持体ユニットである感光体ユニット2A′〜2D′に形成されている。
その感光体ユニット2A′〜2D′は、各感光体ドラム65上にトナーの色に対応して形成するトナー像が異なるだけであり、その構成は同一のものである。
【0078】
その感光体ユニット2A′〜2D′は、芯金16の外周に弾性部材17を設けた帯電ローラ64と、その帯電ローラ64によって表面が帯電され、露光により静電潜像が形成される被帯電体である感光体ドラム65と、その感光体ドラム65の表面をクリーニングするクリーニング装置を構成するブラシローラ15及びクリーニングブレード47等を一体のユニットに構成したものである。
そして、この感光体ユニット2A′〜2D′は、それぞれが図10に示す装置本体1に対して独立して着脱可能になっている。
【0079】
なお、この小型プリンタは、上述したようにフィルム材68を感光体ドラム65側に設けるようにした点のみが図2に示した小型プリンタと異なるだけであり、その他の構成は全て図2で説明した小型プリンタと同様であるため、その全体の構成及び動作の説明は省略する。
このように小型プリンタを構成しても、図2で説明した小型プリンタと同様の作用効果を奏する。
【0080】
図11は芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設けると共にその大径部間の外周に導電性弾性部材を外径が大径部の径と同じになるように設けた荷電ローラの実施形態を部分的に断面にして示す正面図である。
この荷電ローラ74は、感光体ドラム5の表面に対向配置されて電圧が印加されるローラであり、帯電ローラ,転写ローラ,除電ローラ,現像ローラとして使用が可能なローラである。
【0081】
この荷電ローラ74は、例えばSUM−Niメッキ(鋼の表面をニッケルメッキ仕上げ)で形成した芯金76の外周に体積固有抵抗値が1×103〜1×108Ω・cmのエピクロルヒドリンゴムからなる弾性部材17′を設けると共に芯金76の軸方向の両端部に、その間の部分より径が大きい大径部76a,76bを形成し、その大径部76aと76bの間の外周に弾性部材17′を、その外径D1が大径部76a,76bの各外径と同じになるように設けている。
そして、その両端部の各大径部76a,76bの外周に、それぞれ図4で説明したものと同様なフィルム材18,18を巻き付けて、それらを接着により固定している。
【0082】
この荷電ローラ74によれば、金属で形成している芯金76の大径部76a,76bの外周にフィルム材18をそれぞれ直接巻き付けて固定しているので、その荷電ローラ74の芯金76の両端部が加圧スプリング19,19により感光体ドラム5側に加圧されても、その荷電ローラ74は大径部76a,76bの部分が、図4で説明した帯電ローラ14の弾性部材17のように圧縮変形しない。
【0083】
したがって、荷電ローラ74は、加圧スプリング19,19による加圧により感光体ドラム5とのギャップGが殆ど減少しないので、安定したギャップGが得られる。
そのため、この荷電ローラ74を、図2で説明したような小型プリンタに帯電ローラとして使用すれば、良好な帯電性能が得られる。
【0084】
また、この荷電ローラ74を、電圧が印加されることにより、感光体の表面に形成したトナー像を静電的に転写紙に転写させる転写ローラに使用すれば、安定した転写性能が得られると共に、その転写ローラのトナー像に対応する部分は感光体の表面に接触しないので、転写ローラの表面に感光体上の転写残トナーが転移して汚れるのを防止することができる。
それにより、転写紙のトナーによる裏汚れを防止することができる。
【0085】
さらに、この荷電ローラ74を、電圧が印加されることにより、感光体の表面に画像転写後に残留した電位を除電する除電ローラとして使用すれば、その除電ローラと感光体の表面との間に安定したギャップを保つことができるので、安定した除電性能が得られる。
【0086】
また、この荷電ローラ74を、現像ローラとして使用すれば、その現像ローラ表面のトナーを穂立ち状態に担持する部分と感光体の表面とのギャップを、各フィルム材18,18の厚さに応じて安定した状態に保つことができるので、良好な現像性能が得られる。
【0087】
図12は芯金の軸方向の両端部に、その間の部分より径が大きい大径部を設けると共にその芯金の大径部を含む外周に弾性部材をその外径が軸方向の全長に亘って均一になるように設けた荷電ローラの実施形態を部分的に断面にして一方の側の端部を示す正面図である。
【0088】
この荷電ローラ84は、芯金86の軸方向の両端部に、その間の部分より径が大きい大径部86a,86b(86bは図12では右方側に86aに対して対称な位置にあるが、図では見えない)を設け、その芯金86の大径部86a,86bを含む外周に、体積固有抵抗値が1×103〜1×108Ω・cmのエピクロルヒドリンゴムからなる弾性部材17″を、その外径が軸方向の大径部86aから86bの間の全長に亘って均一になるように設け、その弾性部材17″の両端部の各大径部86a,86bに対応する位置に、それぞれフィルム材18,18を周方向に巻き付けて、接着により固定している。
【0089】
この荷電ローラ84によれば、両側のフィルム材18をそれぞれ巻き付けた部分の弾性部材17″の厚さt1は、大径部86a,86bにより、それ以外の部分よりも薄くなる。
したがって、荷電ローラ84の芯金86の両端部が加圧スプリング19,19により感光体ドラム5側に加圧されても、その荷電ローラ84の大径部86a,86bのある肉厚が薄くなった部分の弾性部材17″は、大径部86a,86bを設けていない図4に示した帯電ローラ14に比べて圧縮変形しにくい。
【0090】
それにより、この荷電ローラ84を使用すれば、弾性部材17″の圧縮変形による荷電ローラ84と感光体ドラム5とのギャップGの減少が少なくなるので、安定したギャップGが得られる。そのため、この荷電ローラ84を図2で説明したような小型プリンタの帯電ローラに使用すれば、良好な帯電性能が得られる。
【0091】
また、この荷電ローラ84は、図11の荷電ローラ74のときに説明したように、帯電ローラ以外の感光体ドラムの表面に対向配置されて電圧が印加される転写ローラ,除電ローラ,現像ローラとしても使用が可能であり、それらに使用した場合には、良好な転写性、良好な除電性及び良好な現像性がそれぞれ得られる。
【0092】
なお、図4で説明した構成の帯電ローラ14は、転写ローラ,除電ローラ,現像ローラ等の荷電ローラとしても使用することができる。
その場合、表1,表2に帯電ローラとして使用した場合の実験結果を示したように、フィルム材18の厚さは100μm以下にするとよい。また、弾性部材の厚さも、常温で2.0mm以下にするとよい。さらに、その弾性部材の硬度は、常温で65度以上にするとよい。
そうすれば、その荷電ローラと感光体とのギャップを、安定したものにすることができる。
【0093】
図13は弾性部材の外周面に帯状のスペーサ部材を螺旋状に巻き付けた荷電ローラの参考技術を示す正面図であり、図4と対応する部分には同一の符号を付してある。
この荷電ローラ94は、図4で説明した帯電ローラ14と同様に、芯金16の外周に弾性部材17を設けている。そして、その弾性部材17の外周面に、帯状のスペーサ部材98を螺旋状に巻き付けて固定している。
【0094】
そのスペーサ部材98は、例えばポリエチレンテレフタレートにカーボンを分散して導電性を持たせて帯状に形成したものを使用するが、線状に形成したものを使用するようにしてもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、荷電ローラの弾性部材と被帯電体の表面との間に所定のギャップを保つことができる。
【0104】
また、請求項1の荷電ローラによれば、芯金の大径部の外周にフィルム材が直接巻き付けられるので、その荷電ローラが被帯電体側に加圧されても、その荷電ローラの大径部の部分は弾性部材のように圧縮変形しないので、荷電ローラと被帯電体との間に安定したギャップを形成することができる。
【0105】
請求項2の荷電ローラによれば、両端部のフィルム材をそれぞれ巻き付けた部分の弾性部材の厚さは、大径部によってそれ以外の部分よりも薄くなるので、その荷電ローラが被帯電体側に加圧されても、その荷電ローラの大径部のある部分の弾性部材は圧縮変形しにくいため、荷電ローラと被帯電体との間に安定したギャップを形成することができる。
【0106】
請求項3の荷電ローラは帯電ローラであるので、良好な帯電性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による帯電装置の基礎となる帯電ローラを被帯電体である感光体ドラムに圧接させた状態を示す概略図である。
【図2】 同じくその帯電装置を備えた電子写真方式の画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】 同じくその画像形成装置が備えている像担持体ユニットである感光体ユニットの一例を示す構成図である。
【図4】 図1の帯電ローラとそれを加圧する加圧スプリングを示す正面図である。
【図5】 同じくその帯電ローラの両端部に巻かれているフィルム材の継ぎ目部分を説明するために一方の端部側のみを示す正面図である。
【図6】 図2の画像形成装置に設けられている書込みユニットを示す構成図である。
【図7】 この発明に関連する参考技術としての画像形成装置の帯電ローラと感光体ドラムの部分を示す図4と同様な正面図である。
【図8】 図7の画像形成装置の帯電ローラの弾性部材が圧縮変形した状態を感光体ドラムと共に示す概略図である。
【図9】 同じくその帯電ローラと感光体ドラムとを備えた感光体ユニットを示す図3と同様な構成図である。
【図10】 同じくその感光体ユニットを備えた画像形成装置である小型プリンタの一例を示す図2と同様な全体構成図である。
【図11】 芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設けると共にその大径部間の外周に弾性部材を外径が大径部の径と同じになるように設けた荷電ローラの実施形態を部分的に断面にして示す正面図である。
【図12】 芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設けると共にその芯金の大径部を含む外周に弾性部材をその外径が軸方向の全長に亘って均一になるように設けた荷電ローラの実施形態を部分的に断面にして一方の側の端部を示す正面図である。
【図13】 弾性部材の外周面に帯状の導電性スペーサ部材を螺旋状に巻き付けた荷電ローラの参考技術を示す正面図である。
【図14】 従来の帯電ローラの両端部を除く他の部分が像担持体に対して非接触の帯電装置の例を示す概略図である。
【図15】 図14の帯電装置の場合に帯電ローラの中央部のギャップが端部のギャップよりも小さくなる様子を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1:装置本体(画像形成装置本体)
2A〜2D,2A′〜2D′:感光体ユニット(像担持体ユニット)
5,65:感光体ドラム(被帯電体)
14,64:帯電ローラ
16,76,86:芯金
17,17′,17″:弾性部材
18,68:フィルム材
19:加圧スプリング(付勢部材)
74,84,94:荷電ローラ
76a,76b,86a,86b:大径部
98:スペーサ部材
Claims (7)
- 被帯電体の表面に対向配置されて電圧が印加される荷電ローラであって、
芯金の外周に弾性部材を設けると共に前記芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設け、該大径部間の外周に前記弾性部材を、その外径が前記大径部の径と同じになるように設け、前記両端部の各大径部の外周にそれぞれフィルム材を巻き付けたことを特徴とする荷電ローラ。 - 被帯電体の表面に対向配置されて電圧が印加される荷電ローラであって、
芯金の軸方向の両端部にその間の部分より径が大きい大径部を設け、該芯金の前記大径部を含む外周に弾性部材をその外径が軸方向の全長に亘って均一になるように設け、該弾性部材の両端部の前記各大径部に対応する位置の外周にそれぞれフィルム材を周方向に巻き付けると共に該フィルム材が前記被帯電体の表面に接触し、その接触により前記弾性部材が圧縮変形することによって、その弾性部材の外周面の形状に沿って変形する前記周方向に巻かれたフィルム材の径方向の最大変形量が、前記フィルム材の厚さよりも小さくなるようにしたことを特徴とする荷電ローラ。 - 前記荷電ローラは帯電ローラであることを特徴とする請求項1又は2記載の荷電ローラ。
- 請求項3記載の帯電ローラを備えたことを特徴とする帯電装置。
- 請求項3記載の帯電ローラと、該帯電ローラによって表面が帯電され、露光により静電潜像が形成される像担持体とを一体のユニットに構成して画像形成装置本体に対して着脱可能にしたことを特徴とする像担持体ユニット。
- 請求項4記載の帯電装置を備えたことを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
- 請求項5記載の像担持体ユニットを備えたことを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
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