JP2001282010A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001282010A JP2000099567A JP2000099567A JP2001282010A JP 2001282010 A JP2001282010 A JP 2001282010A JP 2000099567 A JP2000099567 A JP 2000099567A JP 2000099567 A JP2000099567 A JP 2000099567A JP 2001282010 A JP2001282010 A JP 2001282010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期使用においても、低コストで良好なクリ
ーニング性能を維持しつつ、異音や異常振動、めくれの
発生を防止できる搬送ベルトのクリーニングブレードを
備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像形成時以外のタイミングで、感光ド
ラム1a〜1dに主走査方向の帯状トナー像を形成し、
このトナー像を搬送ベルト9に直接転写して、クリーニ
ングブレード15まで到達させ、このトナーによる研磨
および潤滑作用によって上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば複写機ある
いはプリンタなどとされる電子写真方式あるいは静電記
録方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複数の画像形成部(以下、
「ステーション」という)を備え、各ステーションでそ
れぞれ色の異なったトナー像を形成し、そのトナー像を
同一記録材上に順次重ね合わせて転写してカラー画像を
形成する、いわゆるタンデム方式を採用したカラー画像
形成装置が知られている。
【0003】上記の各ステーションでは、像担持体を帯
電装置で帯電した後、半導体レーザやLEDなどで画像
信号に応じて露光書き込みを行い、像担持体上に静電潜
像を形成し、この静電潜像を現像手段によってトナー像
として顕像化し、このトナー像を転写装置によって転写
紙やフィルムなどの記録材に転写する。そして、転写後
の記録材を定着装置に搬送し、定着装置でトナー像を定
着して画像を得ている。
【0004】また、最近の画像形成装置には、フルカラ
ー化・高速化に対応するため、複数のステーションに記
録材を搬送する記録材担持搬送手段である搬送ベルトな
どのベルト走行体を用いる構成をとるものが増えつつあ
る。そして、このベルト走行体表面上に付着したトナー
を除去するクリーニング手段として、従来から種々の提
案がなされているが、エッジをベルト走行体に当接させ
て付着トナーを掻き落とし除去する、ゴムなどの弾性材
料からなる板状クリーニング部材であるクリーニングブ
レードが、構成が簡単で、かつ低コストであり付着トナ
ー除去機能も優れているので、既に、広く実用化されて
いることはよく知られているとおりである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のカラー画像形成装置において、装置の長期使用にと
もない、ベルト走行体の表面に例えばNOx、トナー樹
脂などが付着することによって、ベルト走行体の表面の
摩擦係数がアップし、クリーニングブレードのエッジ部
とベルト走行体との間(当接部分)の摩擦力も大きくな
る。このため、スティック状態におけるクリーニングブ
レードのエッジ部に蓄積されるエネルギーが大きくな
り、スティック−スリップ(Stick−Slip)運
動が、振幅>適正値、振動数<適正値となる。なお、適
正値とはクリーニング作用が安定になされる範囲と定義
する。
【0006】ここで、スティック−スリップ運動とは、
ベルト走行体表面上の残留トナーを除去するのに必要な
力でクリーニングブレードをベルト走行体表面に圧接さ
せたとき、そのクリーニングブレードのエッジ部とベル
ト走行体の当接部分で、まず当接部分に働く摩擦力によ
りベルト走行体表面に密着したエッジ部がベルト走行体
の進行方向に変形(ずり変形、圧縮変形)し、つぎにそ
の応力に伴うエッジ部に蓄積されたエネルギーが復元力
(反発弾性力)として働き元の状態に戻る現象をいう。
【0007】この現象が進行するとクリーニングブレー
ドのエッジ部がベルト走行体表面上に追従することなく
跳ね上がり、トナーのすり抜け、ベルト走行体表面上へ
のトナーのすり付け(トナー融着、フィルミング)が起
こり、さらには異音(ブレード鳴き)や異常振動(ビビ
リ)が発生したり、エッジ部がベルト走行体の回転方向
に沿うように反転するいわゆるブレードめくれが発生す
るほか、エッジ部やベルト走行体の表面が破損(ブレー
ドエッジ欠け、ベルト走行体表面の傷)する可能性もあ
る。
【0008】この問題を解決するために、クリーニング
ブレードのエッジ部におけるベルト走行体との当接部に
黒鉛、ボロンナイトライド、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン、二酸化ケイ素などの無機物質や、フッ素
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド(ナイロン樹脂)、ポ
リアセタール、ポリエチレン、ポリイミドなどの有機物
質の固形粉末(潤滑剤)を塗布することによって摩擦力
を軽減する対策が一般的にとられている。
【0009】しかし、装置の長期使用にともなってクリ
ーニングブレードのエッジ部から潤滑剤がなくなり、再
び摩擦力が増加するため、クリーニングブレードのエッ
ジ部とベルト走行体間における摩擦力軽減のための抜本
的な解決とはならない。また、この対策をとるために
は、上記の潤滑剤をクリーニングブレードのエッジ部に
定期的に供給するための様々な装置が必要で、その結
果、クリーニング装置の構成が複雑となり、コストの大
幅なアップとなってしまう。
【0010】また、クリーニングブレードとベルト走行
体間の摩擦力の軽減を図る方法として、ベルト走行体と
の当接面にナイロン樹脂層を配設したクリーニングブレ
ード(以下、「ナイロンコートブレード」という)を用
いる方法がある。このナイロンコートブレードを用いた
場合、そのエッジ部とベルト走行体間の摩擦力を軽減す
ることは十分可能である。
【0011】しかし、ナイロン樹脂はポリウレタンと異
なりエラストマーとしての性質を持たないため、クリー
ニングブレードのエッジ部におけるスティック−スリッ
プ運動による残留トナーのクリーニング作用はみられ
ず、残留トナーを塞き止め、掻き落とすといった作用を
している。そのため残留トナーのすり抜けを完全になく
すためにはクリーニングブレードのベルト走行体表面に
対する圧接力をポリウレタンブレードの場合よりもかな
り高くする(ポリウレタンブレードの約2倍)必要があ
り、結果としてクリーニングブレードによるベルト走行
体表面の削れ量が増加したり、傷を付けたりするなどの
不具合が生じ、そのためベルト走行体の寿命が低下する
といった問題が生じる。
【0012】従って、本発明の主な目的は、長期使用に
おいても低コストで良好なクリーニング性能を維持しつ
つ、異音や異常振動、めくれの発生を防止できる板状ク
リーニング部材を備えた画像形成装置を提供することで
ある。
【0013】本発明の他の目的は、クリーナレスシステ
ムを備えた画像形成装置であっても、再転写を防止でき
る画像形成装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
トナー像が形成される像担持体と、該トナー像が転写さ
れる記録材を担持搬送する記録材担持搬送手段と、前記
像担持体上のトナー像を記録材に転写すべく作用する転
写帯電手段と、前記記録材担持搬送手段に当接し、その
表面を清掃する板状クリーニング部材と、を有する画像
形成装置において、画像形成時以外の所定タイミングに
て、前記像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を
前記記録材担持搬送手段に直接転写し、さらに前記板状
クリーニング部材まで到達させることを特徴とする画像
形成装置である。
【0015】本発明による他の態様によれば、トナー像
が形成される像担持体と、該トナー像が転写される中間
転写体と、該中間転写体上のトナー像を記録材に転写す
べく作用する転写帯電手段と、前記中間転写体に当接
し、その表面を清掃する板状クリーニング部材と、を有
する画像形成装置において、画像形成時以外の所定タイ
ミングにて、前記像担持体上にトナー像を形成し、該ト
ナー像を前記中間転写体上に転写し、さらに前記板状ク
リーニング部材まで到達させることを特徴とする画像形
成装置が提供される。
【0016】上記各発明における一実施態様によれば、
前記画像形成時以外の所定タイミングにて、前記像担持
体上に形成される前記トナー像は、主走査方向全域ある
いはそれに近似した幅を有し、べたあるいはハーフトー
ンの帯状である。
【0017】上記各発明における他の実施態様によれ
ば、前記板状クリーニング部材の変形を検知する検知手
段を有し、該検知手段により得られた信号を基に前記ト
ナー像が形成される。また、前記検知手段は歪みゲージ
を有することが好ましい。
【0018】上記各発明における他の実施態様によれ
ば、前記板状クリーニング部材が前記記録材担持体また
は前記中間転写体と非当接時における前記板状クリーニ
ング部材の歪み量を1としたとき、前記板状クリーニン
グ部材の歪み量を1から5の範囲内に維持する。
【0019】本発明による他の態様によれば、静電潜像
が形成される像担持体と、静電潜像をトナー像として現
像する現像手段と、該トナー像が転写される記録材を担
持搬送する記録材担持搬送手段と、前記各像担持体上の
トナー像を記録材に転写すべく作用する複数の転写帯電
手段と、前記記録材担持搬送手段に当接し、その表面を
清掃する板状クリーニング部材と、を有する画像形成装
置において、 前記板状クリーニング部材からみて前記
記録材担持搬送手段の走行方向上流側で最初に位置する
像担持体に、非画像形成時以外のタイミングにてトナー
像を形成し、該トナー像を前記像担持体に対応する転写
帯電手段により前記前記記録材担持搬送手段に転写する
ことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0020】また、本発明による他の態様によると、静
電潜像が形成される像担持体と、静電潜像をトナー像と
して現像する現像手段と、該トナー像が転写される中間
転写体と、前記中間転写体にトナー像を転写するように
作用する転写帯電手段と、前記中間転写体に当接し、そ
の表面を清掃する板状クリーニング部材と、を有する画
像形成装置において、前記板状クリーニング部材から見
て前記中間転写体の走行方向上流側で最初に位置する像
担持体に、非画像形成時以外のタイミングにてトナー像
を形成し、該トナー像を前記転写帯電手段により前記中
間転写体に転写することを特徴とする画像形成装置が提
供される。
【0021】上記各発明における一実施態様によれば、
前記非画像形成時以外のタイミングにて形成されるトナ
ー像のトナー量は0.01mg以上であることが好まし
い。
【0022】上記各発明における他の実施態様によれ
ば、前記非画像形成時以外のタイミングにて形成される
トナー像は、記録材搬送方向の長さがl[mm]の帯状画
像であり、前記板状クリーニング部材は、記録材搬送方
向と直交する方向の長さがL[mm]であるとき、L−1
00≦l≦Lである。
【0023】また、上記各発明における他の実施態様に
よれば、前記非画像形成時以外のタイミングにて形成さ
れるトナー像のスラスト端部と前記板状クリーニング部
材の端部との距離は50mm以下である。
【0024】上記各発明における他の実施態様によれ
ば、前記記録材担持搬送手段および前記中間転写体は継
ぎ目のないベルトである。
【0025】また、上記各発明における他の実施態様に
よれば、前記像担持体上のトナー像が転写された後の転
写残トナーを前記現像手段により回収するクリーナレス
システムを具備する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を図面に則して更に詳しく説明する。
【0027】実施例1 本発明の第1実施例について図1および図2により説明
する。
【0028】まず、図1により、本実施例の画像形成装
置である電子写真方式のカラー複写機について説明す
る。
【0029】本実施例のカラー複写機は、複数の画像形
成部(以下、「ステーション」という)Pa、Pb、P
c、Pdを備え、各ステーションPa〜Pdでそれぞれ
色の異なったトナー像を形成し、そのトナー像を同一記
録材上に順次重ね合わせて転写してカラー画像を形成す
る、いわゆるタンデム方式を採用している。
【0030】各ステーションPa〜Pdでは 感光ドラ
ム1a、1b、1c、1dが帯電装置2a、2b、2
c、2dによって一様に帯電され、これに画像信号にし
たがってレーザ発振器10a、10b、10c、10d
がレーザ光を照射する。感光ドラム1a〜1d上のレー
ザ光が照射された部分には静電潜像が形成され、現像器
3a、3b、3c、3dによって現像剤であるトナーに
より現像されて可視像化される。
【0031】カセット6にはシート材などの記録材Pが
積載されており、給送ローラ7によって1枚ずつ分離給
送されレジストローラ対8によって斜行を矯正された後
に、記録材担持搬送手段である搬送ベルト9上に吸着さ
れ、各ステーションPa〜Pdに搬送される。感光ドラ
ム1a〜1dに担持されているトナー像は搬送ベルト9
によって搬送されたシートPに転写帯電手段である転写
装置5a、5b、5c、5dによって転写され、その
後、シートPが定着装置11に送られ、熱と圧力を加え
られることによりトナー像が定着され、機外に排出され
る。
【0032】トナー像を転写した後の感光ドラム1a〜
1d上に残留したトナーはクリーニング装置4によって
除去され、再び画像形成に供される。
【0033】また、記録材Pを定着装置11に搬送した
後の搬送ベルト9に残留したトナーはクリーニング装置
13によって除去され、つぎの画像形成に備える。
【0034】本実施例で用いたトナーは、コアにエステ
ル系ワックスを内包し、樹脂層にスチレン−ブチルアク
リレート、表層にスチレンポリエステルの構成からなる
懸濁重合法によって作製した重合トナーに、チタン酸ス
トロンチウムを外添したものと、重合法により作製した
樹脂磁性キャリアとの混合物を二成分系現像剤として使
用した。
【0035】[転写搬送手段]本実施例の転写搬送手段
は、不図示の支持枠体に支持された2本のローラ、すな
わち、摩擦力により搬送ベルト9を駆動する駆動ローラ
12a、および搬送ベルト9に一定圧のテンションをか
けるテンションローラ12bと、搬送ベルト9とを有
し、また、感光ドラム1a〜1dに対して駆動ローラ1
2aを中心として揺動し、当接/離間することができる
構成を有し、作像動作中のみ感光ドラム1a〜1dに近
接し、感光ドラム1a〜1dと同じ走行速度で搬送ベル
ト9が駆動することにより記録材Pを搬送し、感光ドラ
ム1a〜1dに搬送ベルト9を挟んで対向するように設
けられた転写装置5a〜5dによって感光ドラム1a〜
1d上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する。
【0036】本実施例の搬送ベルト9の材質は、抵抗調
整のためにカーボンを含有したポリイミド樹脂である
が、その他にポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフ
ッ化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレ
タン樹脂など、数多くのポリストマーやエラストマーを
素材として用いてもかまわない。
【0037】転写装置5a〜5dは、本実施例では非接
触のコロナ帯電器を用いたが、接触式の例えばローラ帯
電器、ブレード帯電器などでもなんら問題はない。上述
のように、非作像時に搬送ベルトは感光ドラムから離間
し、感光ドラムを保護する構成となっている。
【0038】[クリーニング装置]搬送ベルト9のクリ
ーニング装置13は、除電装置16と、搬送ベルト9側
に開口部を有するケーシング14を備えており、この開
口部にウレタンゴムなどからなる板状クリーニング部材
であるクリーニングブレード15を支持部材15aによ
って取り付けている。クリーニング装置13は転写搬送
手段の支持枠体に装着されており、クリーニングブレー
ド15は一辺のエッジを、搬送ベルト9を挟んで駆動ロ
ーラ12に対向するように当接しており、搬送ベルト9
上の残留トナーがエッジに達するとこれにより掻き落と
される。掻き落とされたトナーはケーシング14内に落
下し、残留トナーを排出するための搬送手段としてスク
リュー(不図示)により、クリーニング装置13から排
出される。このように構成により、残留トナーによって
ケーシング14内が残留トナーにより詰まることがな
い。
【0039】ここで、クリーニングブレード15を搬送
ベルト9に当接する設定条件としては、図2に示すよう
に、当接圧F、当接角度θ、自由長L、およびクリーニ
ングブレード15の板厚tが挙げられる。本実施例で
は、クリーニングブレード15の搬送ベルト9への当接
圧Fを安定化させるために、不図示のばねによる加圧方
式を用いている。クリーニングブレード15の当接圧は
F=1000gf(=9.8N)、当接角度はθ=30
°、自由長はL=10mm、板厚はt=2mmとした。
【0040】本実施例で用いたクリーニングブレード1
5は、材質がポリウレタンゴムからなり、物性値はJI
Sの加硫ゴムの試験方法に従って実測したところ、A硬
度が73°、反発弾性率が50%であった。
【0041】上記のような掻き落しタイプのクリーニン
グ手段の観点からいえば、搬送ベルト9は継ぎ目のな
い、いわゆるシームレスベルトであることが望ましい。
しかし、継ぎ目のあるベルトの場合は、継ぎ目部分でク
リーニングブレードをベルトから離間するなどの手段も
十分考えられる。
【0042】ところで、搬送ベルト9のクリーニング装
置13として、前述のとおりゴムなどの弾性体からなる
ブレード方式を使用しているが、これはブレード方式の
構造が単純で小型であり、コスト面からも有利である理
由による。また、クリーニングブレード15の材質とし
ては、上記のように、耐薬品性、耐摩耗性、成形性、機
械的強度などの点から熱可塑性エラストマーの一種であ
るポリウレタンゴムを用いている。また、本実施例では
クリーニングブレード15を、走行する搬送ベルト9の
表面に対してカウンタ方向からクリーニングブレード1
5を圧接させる方式をとっている。
【0043】この方式におけるクリーニング作用メカニ
ズムは、搬送ベルト9表面上の残留トナーを除去するの
に必要な力(5gf/cm=0.49N/m)でクリー
ニングブレード15を搬送ベルト9の表面に圧接させた
とき、そのクリーニングブレード15のエッジ部と搬送
ベルト9の当接部分で、まず当接部分に働く摩擦力によ
り搬送ベルト表面に密着したクリーニングブレード15
のエッジ部が搬送ベルト9の進行方向に変形(ずり変
形、圧縮変形)し、つぎにその応力に伴うクリーニング
ブレード15エッジ部に蓄積されたエネルギーが復元力
(反発弾性力)として働き元の状態に戻るいわゆるステ
ィック−スリップ(Stick−Slip)運動による
ものと考えられる。
【0044】したがって、クリーニングブレード15を
用いたクリーニング装置13において、安定したクリー
ニング性を得るためには、スティック−スリップ運動の
振幅および振動数の適正化が必要であり、これは、クリ
ーニングブレード15のエッジ部と搬送ベルト9の表面
における当接部分の摩擦力、クリーニングブレード15
の形状、クリーニングブレード15の材料物性(ヤング
率、ポアソン比、モジュラス(応力−歪み曲線))など
を調整することにより得ることができる。
【0045】しかし、前述のように、装置の長期使用に
ともない、スティック−スリップ運動は、振幅>適正
値、振動数<適正値となる。そして、この現象が進行す
ると、上記にて詳しく説明したように、さまざまな不具
合が発生する。
【0046】そこで、画像形成時以外の所定タイミング
において、主走査方向全域あるいはそれに近い幅をも
ち、副走査方向には数mm〜数十mmのべたあるいはハ
ーフトーンのオビ画像を感光ドラム上に形成し、転写域
において転写作用を受けさせ、搬送ベルト9上に直接像
形成を行い、そのオビ画像を形成するトナーをクリーニ
ングブレード15のエッジ部に到達させる構成とした。
このトナーによる研磨および潤滑作用を活用することに
よって、長期使用においても、クリーニングブレード1
5がそのエッジ部と搬送ベルト表面との摩擦によりエッ
ジ部が搬送ベルトの走行方法に沿うように反転する、い
わゆるブレード捲れの発生を防止することができた。
【0047】なお、本実施例におけるオビ画像形成のシ
ーケンスは、以下に示すタイミングで行った。
【0048】1)画像形成装置の主電源の立ち上げ時 2)画像形成500イメージ毎 のそれぞれのタイミングで、主走査方向全域、副走査方
向には10mmのべたのオビ画像を感光ドラム上に形成
し、転写域において転写作用を受けさせ、搬送ベルト9
上に直接像形成を行い、そのオビ画像を形成するトナー
をクリーニングブレード15のエッジ部に到達させる。
【0049】以上に説明したような、トナーによって搬
送ベルト9の表面の付着物を研磨し、搬送ベルト9の表
面の状態を一定に保つ効果と、クリーニングブレード1
5のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果は、トナー粒
子に外添された、チタン酸ストロンチウムによるところ
が大きく、他に、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタ
ン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化
錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化タングス
テン、酸化ストロンチウム、酸化ホウ素、窒化ケイ素、
チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、リンタン
グステン酸、リンモリブデン酸、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、および炭酸アルミニウムなどの微粉末が
挙げられ、モース硬度が6.0以上の研磨剤を用いれば
搬送ベルト表面の付着物を研磨し、除去する効果もあ
る。また、いずれを外添した場合においても同様の効果
がある。
【0050】またこの低コストの構成によって、搬送ベ
ルト9表面の付着物を研磨し、搬送ベルト9表面の状態
を一定に保つ効果と、クリーニングブレード15のエッ
ジの潤滑性をアップさせる効果により、異音や異常振動
の発生を防止し、クリーニング作用の安定化を図ること
ができた。
【0051】なお、オビ画像の領域や、オビ画像を形成
するタイミングなどは、本実施例の限りではないが、ラ
ンニングコストの面からみてできる限りトナー消費を少
なくできる方向、すなわちオビを形成する面積を少な
く、かつ形成する回数も少ない方法が望ましい。
【0052】実施例2 つぎに、本発明の第2実施例について図3〜図5により
説明する。
【0053】本実施例における画像形成装置の構成およ
び動作は第1実施例と略同一なので説明を省略する。
【0054】本実施例においては、クリーニングブレー
ドの変形を検知する検知手段として歪みゲージを具備
し、歪みゲージから得られた信号をもとに画像を感光ド
ラム上に形成し、転写域において転写作用を受けさせ、
搬送ベルト上に直接像形成を行い、その画像を形成する
トナーをクリーニングブレードに到達させることを特徴
としている。以下にその説明を行う。
【0055】図3および図4に示すように、クリーニン
グブレード15の、搬送ベルト9の移動方向下流側の面
に検知手段である歪みゲージ17が貼着されている。
【0056】また、本実施例の歪みゲージ17は3線式
でゲージ率2.1の共和電業製KFG−02−120−
C1−11L3M3Rを使用し、ブリッジ回路18(図
5(b))としては共和電業製DB−120Pを使用
し、図5(a)に示すように、クリーニングブレード1
5のエッジからd1=1mm離れて搬送ベルト9の移動
方向に沿うように貼着した。なお、歪みゲージ17は長
方形をなし、支持体17aの内側d2=1mmの位置
に、長さd3=2mmのセンサ本体17bが配置されて
いる。
【0057】歪みゲージ17における歪みε0は下記の
式(1)による出力電圧e0から相対的に算出できる。
【0058】e0=E/4(Ks・ε0) … (1) 本実施例における画像形成装置は、クリーニングブレー
ド15に貼りつけた歪みゲージ17から出力されたクリ
ーニングブレード15の歪み量を受信する制御装置20
を有しており、クリーニングブレード15と搬送ベルト
9が非当接状態にある際のクリーニングブレード5の歪
み量を1とした場合、該歪み量を1から5の範囲内に維
持することを特徴としている。
【0059】式(1)において、Ks:ゲージ率、E:
ブリッジ電圧である。
【0060】本実施例において、歪みゲージ17からの
出力(信号)は、制御装置20によってモニターされて
おり、歪み量5を検知した場合には、第1実施例にて説
明したのと同様のオビ画像形成シーケンスを実行し、歪
み量が3になった時点でオビ画像形成シーケンスは終了
し、通常状態に復帰する。
【0061】このような構成によって、搬送ベルト9の
表面の付着物を研磨し、搬送ベルト9の表面状態を一定
に保つ効果と、クリーニングブレード15のエッジ部の
潤滑性をアップさせる効果とによりクリーニング作用の
安定化が達成される。
【0062】以上に説明したような、トナーによって搬
送ベルト9の表面の付着物を研磨し、搬送ベルト9の表
面の状態を一定に保つ効果と、クリーニングブレード1
5のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果は、トナー粒
子に外添された、チタン酸ストロンチウムによるところ
が大きく、他に、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタ
ン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化
錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化タングス
テン、酸化ストロンチウム、酸化ホウ素、窒化ケイ素、
チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、リンタン
グステン酸、リンモリブデン酸、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、および炭酸アルミニウムなどの微粉末が
挙げられ、モース硬度が6.0以上の研磨剤を用いれば
搬送ベルト表面の付着物を研磨し、除去する効果もあ
る。また、いずれを外添した場合においても同様の効果
がある。
【0063】また、ランニングコストの面からみてでき
る限りトナー消費を少なくできる方向、すなわちオビを
形成する面積を少なく、かつ形成する回数も少ない方が
望ましく、本実施例における画像形成装置は、クリーニ
ングブレードの歪みを検知し、ブレードめくれが発生し
そうな場合にのみオビ画像を形成する動作を行うため、
オビ形成の回数を減少させることができ、ランニングコ
ストを低下させる効果も得られた。
【0064】本実施例においては、歪み量が5を検知す
ると、第1実施例で説明したオビ画像形成シーケンスを
実行し、歪み量が3になった時点でオビ画像形成シーケ
ンスは終了するとしたが、クリーニングブレードや搬送
ベルトの材質などの画像形成装置の条件によってこのシ
ーケンス実行の条件は適正化されることが望ましい。
【0065】なお、歪みゲージは、上記の型式のものに
限定されることなく、また、貼着位置も限定されるもの
でないことはもちろんである。
【0066】実施例3 つぎに、本発明の第3実施例について図6により説明す
る。本実施例は、本発明を、中間転写ベルトを備えた画
像形成装置に適用したことを特徴とする。
【0067】まず、図6により、本実施例の画像形成装
置の全体的構成および機能について説明する。なお、前
出の部材と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0068】本実施例の画像形成装置は、駆動ローラ1
2a、従動ローラ12b、および二次転写対向ローラ1
2cに張設され、矢印X方向に走行する中間転写体であ
る中間転写ベルト90を備えており、その平面部上方に
は、ほぼ同様の構成の画像形成部(ステーション)P
a、Pb、Pc、Pdが直列状に配置されている。
【0069】第1実施例にて説明したようにして、各画
像形成部Pa〜Pdは、それぞれマゼンタ、シアン、イ
エロー、ブラックのトナー像を形成する。
【0070】マゼンタのトナー像は感光ドラム1aと中
間転写ベルト90とが当接する一次転写部に到来する
と、一次転写帯電手段である一次転写装置5aによっ
て、印加される第1の転写バイアスにより中間転写ベル
ト81へ転写される。マゼンタトナー像を担持した中間
転写ベルト81は、つぎの画像形成部Pbに搬送される
と、このときまでに、画像形成部Pbにおいて、上記と
同様の工程で感光ドラム1b上に形成されたシアントナ
ー像が、マゼンタトナー像上へ転写される。
【0071】同様に、記録材Pが画像形成部Pc、Pd
に進行するにつれて、それぞれの一次転写部において、
イエロートナー像、ブラックトナー像が前述のトナー像
に重畳転写された後、このときまで、給紙カセット6か
ら給紙ローラ7によって取り出された記録材Pがレジス
トローラ8に到達し、さらにトナー像と同期をとられて
二次転写対向ローラ12cと二次転写帯電手段である二
次転写装置40とが形成する二次転写部に搬送され、こ
こで二次転写装置40に印加される転写バイアスによっ
て上述の4色のトナー像は記録材P上に転写される。記
録材Pはさらに定着装置11に搬送されてここで熱と圧
力を加えられてトナー像が定着され、機外へと排出され
る。
【0072】記録材Pに転写された後に残留する中間転
写ベルト90上の残留トナーは、クリーニング装置13
によって回収される。このクリーニング装置13は、第
1実施例にて説明したポリウレタンゴムからなるクリー
ニングブレード15を備えており、そのエッジを中間転
写ベルト90に当接させて付着トナーを掻き落とし除去
している。
【0073】しかしながら、上記にて詳しく説明したよ
うに、クリーニングブレード15によるベルト表面の削
れ量が増加したり、傷を付けたりするなどベルトの寿命
が低下するなどといった問題が生じる。
【0074】そこで、画像形成時以外の一定タイミング
において、主走査方向全域あるいはそれに近い幅をも
ち、副走査方向には数mm〜数十mmのべたあるいはハ
ーフトーンのオビ画像を感光ドラム上に形成し、転写域
において転写作用を受けさせ、中間転写ベルト90上に
直接像形成を行い、そのオビ画像を形成するトナーをク
リーニングブレード15のエッジ部に到達させる構成と
した。
【0075】なお、本実施例におけるオビ画像形成のシ
ーケンスは、以下に示すタイミングで行った。
【0076】1)画像形成装置の主電源の立ち上げ時 2)画像形成500イメージ毎 のそれぞれのタイミングで、主走査方向全域、副走査方
向には10mmのべたのオビ画像を感光ドラム上に形成
し、転写域において転写作用を受けさせ、中間転写ベル
ト90上に直接像形成を行い、そのオビ画像を形成する
トナーをクリーニングブレード15のエッジ部に到達さ
せる。
【0077】以上に説明したような、トナーによって中
間転写ベルト90の表面の付着物を研磨し、中間転写ベ
ルト90の表面の状態を一定に保つ効果と、クリーニン
グブレード15のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果
は、トナー粒子に外添された、チタン酸ストロンチウム
によるところが大きく、他に、酸化ケイ素、酸化アル
ミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、
酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化ホウ素、
窒化ケイ素、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウ
ム、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、および炭酸アルミニウムな
どの微粉末が挙げられ、モース硬度が6.0以上の研磨
剤を用いれば搬送ベルト表面の付着物を研磨し、除去す
る効果もある。また、いずれを外添した場合においても
同様の効果がある。
【0078】このトナーによる研磨および潤滑作用を活
用することで、クリーニングブレード15のエッジ部と
中間転写ベルト90の表面との摩擦によりエッジ部が中
間転写ベルト90の走行方法に沿うように反転する、い
わゆるブレード捲れの発生を防止することができた。
【0079】またこの構成によって、中間転写ベルト9
0表面の付着物を研磨し、中間転写ベルト90表面の状
態を一定に保つ効果と、クリーニングブレード15のエ
ッジ部の潤滑性をアップさせる効果により、異音や異常
振動の発生を防止し、クリーニング作用の安定化を図る
ことができる。
【0080】実施例4 つぎに、本発明の第4実施例について図7により説明す
る。
【0081】本実施例の画像形成装置は、第3実施例と
概略同様の構成、すなわち中間転写ベルト90および、
クリーニングブレード15を具備したクリーニング装置
13を備えるとともに、第2実施例にて説明したのと同
様の歪みゲージ17がクリーニングブレード15の中間
転写ベルト90側に貼着されている。
【0082】本実施例において、歪みゲージ17からの
出力は、制御装置20によってモニターされており、上
述のようにあらかじめ設定された歪み量5を検知した場
合には、第1実施例にて説明したオビ画像形成シーケン
スを実行し。歪み量が3になった時点でオビ画像形成シ
ーケンスは終了し、通常状態に復帰する。
【0083】このような構成によって、中間転写ベルト
90の表面の付着物を研磨し、中間転写ベルト90の表
面状態を一定に保つ効果と、クリーニングブレード15
のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果とによりクリー
ニング作用の安定化が達成されるとともに、オビ形成の
回数を減少させることができ、ランニングコストを低下
させる効果も得られた。
【0084】以上に説明したような、トナーによって中
間転写ベルト90の表面の付着物を研磨し、中間転写ベ
ルト90の表面の状態を一定に保つ効果と、クリーニン
グブレード15のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果
は、トナー粒子に外添された、チタン酸ストロンチウム
によるところが大きく、他に、酸化ケイ素、酸化アル
ミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、
酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化ホウ素、
窒化ケイ素、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウ
ム、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、および炭酸アルミニウムな
どの微粉末が挙げられ、モース硬度が6.0以上の研磨
剤を用いれば搬送ベルト表面の付着物を研磨し、除去す
る効果もある。また、いずれを外添した場合においても
同様の効果がある。
【0085】実施例5 つぎに、本発明の第5実施例について図8〜図16によ
り説明する。
【0086】本実施例の画像形成装置は第1実施例と概
略同様の構成を備えているが、クリーナレスシステムお
よび磁気ブラシ帯電装置を備えている点で異なってい
る。従って、下記の説明では、第1実施例と異なる部分
について主に説明し、その際、前出の部材と同一機能を
有する部材には同一符号を付して説明する。
【0087】[クリーナレスシステム]本実施例の画像
形成装置では、転写部で記録材Pに転写されずに感光ド
ラム1a〜1dの表面に残ったトナーを除去する専用の
クリーニング手段は備えてない、いわゆるクリーナレス
システムを有している。すなわち、転写残トナーは、引
き続く感光ドラム1a〜1dの回転で接触帯電部材とし
ての磁気ブラシ帯電装置2a、2b、2c、2dに至
り、感光ドラム1a〜1dに接触している磁気ブラシ部
に一時的に回収され、その回収トナーが再び感光ドラム
1a〜1dに吐き出されて最終的に現像器4a〜4dに
回収され、感光ドラム1a〜1dは繰り返して作像に供
される。
【0088】また、磁気ブラシ装置による回収トナー
は、磁気ブラシ帯電装置2a〜2dに取り込まれたトナ
ーが磁気ブラシキャリア(磁性粒子、帯電キャリア)と
の接触により感光体電位と同極の電荷を付与されている
場合、感光体電位と磁気ブラシ帯電装置2a〜2dに印
加される印加バイアスとの電位差ΔVによって発生する
電界により磁気ブラシ中から感光体表面に吐き出され
る。
【0089】特開平9−96949号公報などに開示さ
れるように、この現像を利用した、非作像時(非画像形
成時)に帯電バイアスのAC成分(交流成分)の振幅V
ppを減少させたり、AC成分の印加を停止させること
で、電位差ΔVを大きくし、積極的にトナーを吐き出さ
せて磁気ブラシの電気抵抗上昇を抑える方法が知られて
いる。
【0090】[磁気ブラシ帯電装置]つぎに、本実施例
の磁気ブラシ帯電装置2a〜2dについて、図9により
説明する。なお、下記の説明では、各画像形成部Pa〜
Pdの磁気ブラシ帯電装置を示す符号の添え字(a〜
d)は省略する。
【0091】本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、大き
く分けて、磁気ブラシ帯電部材(磁気ブラシ帯電器)2
Aと、導電性磁性粒子(帯電キャリア)24を収容した
容器(ハウジング)2Bと、磁気ブラシ帯電器2Aに対
して帯電バイアスを印加するためのバイアス印加電源E
2とからなる。
【0092】本実施例の磁気ブラシ帯電器2Aはスリー
ブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)21
と、このマグネットロール21に外嵌させた非磁性ステ
ンレス製スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電
スリーブなどと称される)22と、スリーブ22の外周
面にスリーブ内部のマグネットロール21の磁気力で磁
気拘束させて形成保持させた磁性粒子24の磁気ブラシ
部23とからなる。
【0093】マグネットロール21は非回転の固定部材
であり、スリーブ22はこのマグネットロール21の外
回りを矢印bの方向に不図示の駆動系により所定の周
速、本実施例では225mm/secの周速で回転駆動
される。また、スリーブ21は感光ドラム1に対してス
ペーサコロなどの手段で500μm程度の隙間を保持し
て配置してある。
【0094】容器2Bには、スリーブ22に対向するよ
うに非磁ステンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレード2
5が取り付けられており、スリーブ22b表面とのギャ
ップが900μmになるように配置されている。
【0095】容器22の磁性粒子24はその一部がスリ
ーブ22の外周面にマグネットロール21の磁気力で磁
気拘束されて磁気ブラシ部23として保持される。磁気
ブラシ部23はスリーブ22の回転駆動に伴い、スリー
ブ22と一緒にスリーブ22と同方向に回転する。この
とき磁気ブラシ部23の層厚はブレード25により均一
厚さに規制される。そして、その磁気ブラシ部23の規
制層厚がスリーブ22と感光ドラム1との対向隙間部の
間隔より大きいため、磁気ブラシ部23はスリーブ22
と感光ドラム1との対向部において感光ドラム1に対し
て所定幅のニップ部を形成して接触する。この接触ニッ
プ部が帯電ニップ部Nである。従って、感光ドラム1は
帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ帯電器2Aのスリー
ブ22の回転に伴い回転する磁気ブラシ部23で摺擦さ
れる。この場合、帯電ニップ部Nにおいて感光ドラム1
の移動方向と磁気ブラシ部23の移動方向は逆方向とな
り、相対移動速度は速くなる。
【0096】スリーブ22と磁気ブラシ層厚規制ブレー
ド25には電源E2から所定の帯電バイアスが印加され
る。而して、感光ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ
帯電器2Aのスリーブ22が回転駆動され、電源E2か
ら所定の帯電バイアスが印加されることで、感光ドラム
1の周面が本実施例の場合は注入帯電方式で所定の極性
・電位に一様に接触帯電処理される。
【0097】スリーブ22内に固定配置されているマグ
ネットロール21は、スリーブ22と感光ドラム1の最
近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20
°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ま
しく、上流側15°〜0°であればさらによい。それよ
り下流だと主極位置に磁性粒子が引きつけられ、帯電ニ
ップ部Nの感光ドラム回転方向下流側に磁性粒子の滞留
が発生しやすくなり、また、上流すぎると、帯電ニップ
Nを通過した磁性粒子の搬送性が悪くなり、滞留が発生
しやすくなる。また、帯電ニップ部Nに電極がない場合
は、磁性粒子に働くスリーブ22への拘束力が弱くな
り、磁性粒子が感光ドラム1に付着しやすくなるのは明
らかである。ここで述べている帯電ニップ部Nは、帯電
時に磁性ブラシ部23の磁性粒子が感光ドラム1と接触
している領域を示す。本実施例では、上流側θ=10°
の位置に約900Gの磁極N1を配置した。
【0098】電源E2による帯電バイアスは、本実施例
ではDC成分にAC成分が重畳しているバイアスを用い
ている。
【0099】帯電ニップ部Nにおける、磁気ブラシ帯電
器2Aの磁気ブラシ部23による感光ドラム1面の摺擦
と、磁気ブラシ帯電器2Aへの帯電バイアスの印加によ
り、磁気ブラシ23を構成している帯電用磁性粒子24
から電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光ドラム1面
が所定の磁性・電位に一様に接触停電される。本実施例
の場合は、感光ドラム1はその表面に電荷注入層を具備
させたものであり、電荷注入帯電により感光ドラム1の
帯電処理がなされる。すなわち、感光ドラム1面が帯電
バイアスDC+ACのDC成分に対応した電位に帯電さ
れる。スリーブ22は回転速度が速いほど帯電均一性が
良好になる傾向にある。
【0100】磁気ブラシ帯電器2Aによる感光ドラム1
の電荷注入帯電は、図10の等価回路に示すような、抵
抗RとコンデンサCの直列回路とみなすことができる。
このような回路の場合、抵抗値をr、感光体の静電容量
をCp、印加電圧をV0、帯電時間(感光ドラム表面の
ある点が帯電ニップ部Nを通過する時間)をT0とする
と、感光ドラムの表面電位Vdは式(2)で表される。
【0101】 Vd=V0(1−exp(T0/(Cp・r))) … 式(2) 帯電バイアスDC+ACにおいて、DC成分は必要とさ
れる感光ドラム1の表面電位と同値、本実施例では−7
00Vとした。
【0102】画像形成時(作像時)におけるAC成分
は、そのピーク間電圧Vppは、100V以上、200
0V以下、特に300V以上、1200V以下が好まし
い。ピーク間電圧Vppがそれ以下では、帯電均一性、
電位の立ち上がり向上の効果が薄く、それ以上では、磁
性粒子の滞留や感光ドラムへの付着が悪化する。周波数
は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以
上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒
子の感光ドラムへの付着悪化や、帯電均一性、電位の立
ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均
一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくな
る。ACの波形は矩形波、三角波、sin波などがよ
い。本実施例では、ピーク間電圧Vppは700Vを用
いた。
【0103】磁気ブラシ部23を構成する磁性粒子24
は、本実施例では、焼結した強磁性体(フェライト)を
還元処理したものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を
混練して粒子状に成形したもの、もしくはこれに抵抗値
調節のために導電性カーボンなどを混ぜたものや、表面
処理を行ったものも同様に用いることができる。磁気ブ
ラシ部23の磁性粒子24は感光ドラム表面のトラップ
準位に電荷を良好に注入する役割と、感光ドラム上に生
じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中することに
起因する帯電部材および感光体の通電破壊を防止する役
割とを兼ね備えていなければならない。
【0104】従って、磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗
値は1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、
特に1×104Ω〜107Ωであることが好ましい。磁気
ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値が1×104Ω未満では
ピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、1×1
9Ωを超えると良好な電荷の注入がしくくなる傾向に
ある。
【0105】また、抵抗値を上記範囲内に制御するため
には、磁性粒子24の体積抵抗値は1×104Ω・cm
〜1×109Ω・cmであることが望ましく、特に1×
104Ω・cm〜1×107Ω・cmであることが望まし
い。
【0106】本実施例で用いた磁気ブラシ帯電器2Aの
電気抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイア
スのDC成分として−700Vを印加することで、感光
ドラム1の表面電位も−700Vとなった。
【0107】磁性粒子24の体積抵抗値は、図10に示
す要領で測定した。すなわち、セルAに磁性粒子24を
充填し、充填磁性粒子24に接するように主電極117
および上部電極118を配し、該電極117、118間
に定電圧電源122から電圧を印加し、そのとき流れる
電流を電流計120で測定することにより求めた。11
9は絶縁物、121は電圧計、124はガイドリンクを
示す。その測定条件は、23℃、65%の環境で充填磁
性粒子24のセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=
1mm、上部電極118の荷重10kg、印加電圧10
0Vである。
【0108】磁性粒子24の平均粒径および粒度分布測
定におけるピークは5〜100μmの範囲にあること
が、粒子表面の汚染による帯電劣化防止、および磁性粒
子の感光ドラム1表面への付着防止の観点から好まし
い。磁性粒子2dの平均粒径は、水平方向最大弦長で示
し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をラ
ンダムに選び、その径を実測して算術平均をとる。
【0109】ところで、クリーニングブレード15によ
る搬送ベルト表面の削れ量が増加したり、傷を付けたり
するなど搬送ベルト9の寿命が低下するといった問題を
解決するため、第1実施例にて説明したように、画像形
成時以外の所定タイミングにおいて、主走査方向全域あ
るいはそれに近い幅を有し、副走査方向には数mm〜数
十mmのべたあるいはハーフトーンのオビ画像を感光ド
ラム上に形成し、転写域において転写作用を受けさせ、
搬送ベルト9上に直接像形成を行い、そのオビ画像を形
成するトナーをクリーニングブレード15のエッジ部に
到達させることで、トナーの研磨および潤滑作用を活用
する方法が考えられる。この方法では、搬送ベルト9表
面の付着物を研磨し、搬送ベルト9の表面状態を一定に
保つ効果と、クリーニングブレード15のエッジ部の潤
滑性をアップさせる効果によりクリーニング作用の安定
化が達成できる。
【0110】しかしながら、本実施例の画像形成装置に
上記構成を適用したところ、以下に説明する問題が生じ
てしまった。
【0111】上述のクリーナレスシステムを、本実施例
のようなタンデム方式のカラー画像形成装置に適用した
場合、一度記録材上に転写されたトナー像が、次色を転
写する際に再度感光ドラムに転写され(以下、「再転
写」という)、所望のトナー像を得られないという問題
がある。すべてのカラー画像形成装置が有彩色の重ね合
わせによって各種の色を再現していることを考えると、
再転写は記録材全域における重ね合わせの有彩色すべて
に影響を及ぼすことになる。
【0112】例えば、本実施例のように、タンデム系の
上記カラー画像形成装置、クリーナレスシステムとを組
み合わせた場合、転写残トナーと再転写トナーとが混合
したものがかぶり取りバイアスVbackにより現像回収さ
れる。再転写トナーは転写残トナーとは色が異なってい
るため、再転写トナーが転写残トナーと同様に現像回収
されることで、現像剤は混色を引き起こす。従って、画
像形成を経るに連れて現像器内に異色のトナーが蓄積さ
れるため、所望の色彩を得ることができなくなったしま
う。この現象は再転写トナー量が多い時に特に顕著にな
る。この現象を以下の実験により再現した。
【0113】図12に示すように、2つのステーション
(画像形成部)を用意し、記録材搬送方向上流側に位置
するステーションを第1ステーション(1st)、搬送
方向下流側に位置するステーションを第2ステーション
(2st)とし、感光ドラム201、202、現像器2
03、303、ブラシ帯電装置(磁気ブラシ)203、
302、および転写装置205、305などをそれぞれ
備えている。第1、第2ステーションは、それぞれでA
4サイズに対して6%の比率となる横オビ(主走査方
向)の画像形成を行った。
【0114】第2ステーションでは、画像形成中に生じ
た再転写トナーが第2ステーションの磁気ブラシ302
により一旦回収され、極性をすべて負に変化させられた
後、感光ドラム301に吐き出される。吐き出された再
転写トナーは、現像部に至った際、かぶり取りバイアス
によって現像器303に回収される。
【0115】転写装置205、305による転写帯電は
定電流制御にて検討を行ったが、定電圧制御でも問題な
い。
【0116】再転写量を定量化するため、図12に示す
とおり、再転写後の記録材上における単位面積当たりの
トナー量をa[g/cm2]、感光ドラム301上に再転
写されたトナーの単位面積当たりのトナー量をb[g/
cm2]として、再転写率ηrtrを ηrtr=b/(a+b)×100 [%] と定義した。
【0117】また、転写効率も同様に、転写後の記録材
上における単位面積当たりのトナー量をa’[g/c
2]、感光ドラム201上に残った転写残トナーの単位
面積当たりのトナー量をb’[g/cm2]として、転写
効率ηtrを、 ηtr=b’/(a’+b’)×100 [%] とした。
【0118】本検討では、第1ステーションにイエロー
トナー、第2ステーションにマゼンタを用い、検討をス
タートする時点、すなわち、マゼンタ現像器にイエロー
トナーがまったくない状態でのマゼンタ画像(A4サイ
ズに対して6%比率の主走査方向横帯)をイニシャルと
して、1000枚画像形成ごとにイニシャルと同様の画
像を形成しながら100枚間欠にて10000枚通紙
し、イニシャル画像と1000枚通紙後の画像との色差
ΔEをX−Rite社製の分光測色計SP68を用いて
測定した。
【0119】また本検討では、図13に示したタイミン
グチャート(ドラム基準)を用いた。
【0120】なお本検討において、第2ステーションに
おける転写効率ηtrは95%、再転写率ηrtrは4%で
あった。
【0121】図14に、通紙枚数による色差の変化の様
子を示す。通紙枚数が増すにつれて色差が大きくなり、
印象レベルでは同じ色として扱える色差の上限6.5も
5000枚通紙あたりから超えてしまっているのがわか
る。
【0122】以上から、現像によるトナーリサイクルシ
ステム(クリーナレスシステム)により再転写トナーが
現像器内に混入することで許容範囲以上の色差変動が引
き起こされることがわかった。
【0123】一方、前述のとおり、ブレード方式のクリ
ーニング装置にまつわるさまざまな問題を解決するため
に、オビ画像を搬送ベルト上に直接形成する場合におい
ても、上記と同様に一度搬送ベルト209上に転写され
たトナー像が、つぎの転写部に到達した際に再転写し、
結果として現像剤の混色を引き起こし、所望の色彩を得
られるなくなるという問題が生じてしまう。
【0124】また、再転写の存在によりオビ画像のトナ
ー量もクリーニング部に到達する時点で減少してしまう
ため、所望のトナー量を得るためにあらかじめ余分なト
ナーをオビ画像として形成しなければならず、ランニン
グコストの面で大きな障害となる。
【0125】この問題を解決するため、オビ画像を形成
したステーションよりも記録剤搬送方向下流に位置する
各転写部において、オビ画像が転写部を通過する際の転
写電流/電圧を下げることとし、これにより、再転写量
を軽減することができた。
【0126】図15に、図12における第2ステーショ
ンの転写電流と第2ステーションでの再転写率との相関
を示す。図15に示すように、定電流制御における転写
電流値を下げることにより、再転写を軽減することが可
能である。
【0127】しかし図15から分かるように、転写電流
を0μAとしても再転写率を0%とすることはできな
い。これはオビ画像と感光ドラムとが物理的に接触して
いることから生じる、トナーと感光ドラムとの付着力、
鏡映力などによるものと考えられ、物理的にトナー像と
感光ドラムとが接触する構成上避けられないものと考え
られる。
【0128】また、上記のオビ画像と感光ドラムとの物
理的接触を回避するために、オビ画像が通過する際にト
ナー像と感光ドラムとが接触しないようにする構成をと
る方法も考えられるが、そのためにさまざまな新たな機
構が必要となり、コストの面で大きな問題が生じる。
【0129】さらに、仮にオビ画像が通過する際にトナ
ー像と感光ドラムとが接触しないようにする構成をとっ
たとしても、オビ画像を搬送ベルト上に転写する際はベ
ルトと感光ドラムとを接触させておき、その後トナー像
と感光ドラムとが接触しないようにベルトと感光ドラム
とを離間させるというシーケンスをとらなければなら
ず、その間ユーザは画像形成装置を使用不可能な状態に
なってしまうという不具合を生じる。
【0130】そこで本実施例では、上記オビ画像を記録
材搬送方向最下流に位置するステーション、すなわち、
図8の画像形成部Pdにおいて形成することで、上述の
ようなクリーニング装置13のクリーニングブレード1
5にまつわる種々の問題を解決し、かつ再転写に起因す
る上述の問題の発生をも防止することができた。
【0131】なお、本実施例におけるオビ画像形成のシ
ーケンスは、以下に示すタイミングで行った。
【0132】1)画像形成装置の主電源の立ち上げ時 2)画像形成500イメージ毎 のそれぞれのタイミングで、主走査方向全域、副走査方
向には10mmのべたのオビ画像を感光ドラム上に形成
し、転写域において転写作用を受けさせ、搬送ベルト9
上に直接像形成を行い、そのオビ画像を形成するトナー
をクリーニングブレード15のエッジ部に到達させる。
【0133】以上に説明したような、トナーによって搬
送ベルト9の表面の付着物を研磨し、搬送ベルト9の表
面の状態を一定に保つ効果と、クリーニングブレード1
5のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果は、トナー粒
子に外添された、チタン酸ストロンチウムによるところ
が大きく、他に、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタ
ン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化
錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化タングス
テン、酸化ストロンチウム、酸化ホウ素、窒化ケイ素、
チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、リンタン
グステン酸、リンモリブデン酸、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、および炭酸アルミニウムなどの微粉末が
挙げられ、モース硬度が6.0以上の研磨剤を用いれば
搬送ベルト表面の付着物を研磨し、除去する効果もあ
る。また、いずれを外添した場合においても同様の効果
がある。
【0134】図8から明らかなように、最終のステーシ
ョンPdからクリーニング部13まで、他の色のステー
ションは存在しないため当然再転写も発生しない。従っ
て、再転写に起因する諸問題も発生することなく、また
安定してオビ画像がクリーニング装置13へ供給される
ことから、めくれなどに代表されるクリーニングブレー
ドにまつわる諸問題の発生も抑制された。
【0135】オビ画像の領域や、オビ画像を形成するタ
イミングなどは、本実施例の限りではないが、ランニン
グコストの面から見てできる限り、トナー消費を少なく
できる方向、すなわち、オビを形成する面積を少なく、
かつ形成する回数も少ない方が望ましい。またオビ画像
のスラスト方向の長さは、クリーニングブレードと同じ
長さか、あるいは超えない範囲でできるだけ近い長さで
あることが望ましい。
【0136】本発明者らの検討において、オビ画像のス
ラスト長さがクリーニングブレード幅よりも100mm
以上短いと上記ブレード捲れが発生してしまった。ま
た、オビ画像のスラスト長さがクリーニングブレード幅
よりも100mm以上短くない場合でも、オビ画像端部
とクリーニングブレード端部との距離が50mmを超え
てしまうと上記ブレードめくれが発生してしまった。
【0137】以上から、オビ画像は具体的にはスラスト
長さがクリーニングブレードスラスト幅−100mm以
上、クリーニングブレードスラスト幅以下であることが
好ましい。すなわち、帯状画像は記録材搬送方向の長さ
がl[mm]であり、クリーニングブレードは、記録材搬
送方向と直交する方向の長さがL[mm]であるとき、L
−100≦l≦Lであることが好ましい。
【0138】また、オビ画像が実際にクリーニングブレ
ード15のエッジ部に到達した際のオビ画像端部位置と
クリーニングブレード端部位置との距離が50mm以下
であることが望ましい。つまり、オビ画像のスラスト端
部とクリーニングブレードの端部との距離は50mm以
下であることが好ましい。
【0139】図16に示すグラフは、搬送ベルトを駆動
するための駆動トルクと、オビ画像のトナー量との関係
を表している。図16からオビ画像のトナー量が0.0
1mg以上で安定した駆動トルクが得られるため、オビ
画像トナー量は0.01mg以上であることが望まし
い。
【0140】またトナー量が0.01mgに満たない場
合でも、複数回に分けてトナー像をブレードエッジに供
給することで0.01mg以上となれば問題はない。さ
らにオビ画像もスラストに均一である必要はなく、複数
のオビが群れをなすような形態でも、1本のオビと同等
の効果を得られれば問題ない。
【0141】また本実施例ではスラスト方向に平行なオ
ビ画像を採用したが、本発明の意図する作用効果を達成
できるものであればこの限りではない。
【0142】実施例6 つぎに、本発明に係る画像形成装置の第6実施例につい
て図17により説明する。
【0143】本実施例の画像形成装置は、上記第5実施
例にて説明したクリーナレスシステムと、磁気ブラシ帯
電装置とを備えるとともに、中間転写体である中間転写
ベルトを有している。
【0144】なお、下記の説明において前出の部材と同
一機能を有する部材には同一符号を付し、また、クリー
ナシステムおよび磁気ブラシ帯電装置については、上記
にて詳述したので、その説明を省略する。
【0145】中間転写ベルトは、ポリカーボネート、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂フィルム、ポリイミド、エチレン4フッ化
エチレン共重合体などのような誘電体樹脂によって構成
されている。本実施例では、体積抵抗率1×109Ω・
cm(JIS−K6911法準拠プローブを使用し、印
加電圧500V、印加時間60sec)、厚みt=80
μmの導電性ポリイミドシームレスベルトを採用した
が、他の材料、体積抵抗率、および厚みのものでもかま
わない。
【0146】図17に示すように、中間転写ベルト81
は、駆動ローラ12a、従動ローラ12b、および二次
転写対向ローラ12cに張設され、矢印X方向に駆動さ
れる。
【0147】中間転写ベルト81の平面部上方には、上
記実施例とほぼ同様の構成のステーション(画像形成
部)Pa、Pb、Pc、Pdが直列状に配置されてい
る。
【0148】画像形成部Pa〜Pdは、それぞれ、回転
可能に支持されたドラム状の電子写真感光体(以下、
「感光ドラム」という)1a、1b、1c、1dを備え
ている。感光ドラム1a〜1dの周囲には、それぞれ、
磁気ブラシ帯電器2a、2b、2c、2d、現像器3
a、3b、3c、3dなどのプロセス機器が配置されて
いる。
【0149】現像器3a、3b、3c、3dにはそれぞ
れマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー、お
よびブラックトナーが収納されており、各画像形成部P
a〜Pdでは、それぞれ、マゼンタ、シアン、イエロ
ー、ブラックの各色のトナー像を形成する。
【0150】原稿のマゼンタ成分色による画像信号がレ
ーザ発振器10aに入力され、ポリゴンミラー(不図
示)などを介してレーザ光が感光ドラム1a上に投射さ
れて静電潜像が形成される。静電潜像は現像器3aによ
ってマゼンタトナーが供給されて現像され、マゼンタト
ナー像が形成される。このトナー像は感光ドラム1aの
回転に伴って、感光ドラム1aと中間転写ベルト90と
が当接する一次転写部に到来すると、一次転写装置5a
によって、印加される一次転写バイアスにより中間転写
ベルト90へ転写される。
【0151】マゼンタトナー像を担持した中間転写ベル
ト90は、つぎの画像形成部Pbに搬送されると、この
ときまでに、画像形成部Pbにおいて上記と同様の工程
で感光ドラム1b上に形成されたシアントナー像がマゼ
ンタトナー像上へ転写される。
【0152】同様に、記録材Pが画像形成部Pc、Pd
に進行するにつれて、それぞれの一次転写部において、
イエロートナー像、ブラックトナー像が前述のトナー像
に重畳転写された後、このときまで、給紙カセット6か
ら給紙ローラ7によって取り出された記録材Pがレジス
トローラ8に達し、トナー像と同期をとられてさらに二
次転写部に搬送され、二次転写装置40に印加される転
写バイアスによって上述の4色のトナー像は記録材P上
に転写される。
【0153】記録材Pは、さらに定着装置11に搬送さ
れ、ここで熱と圧力によってトナー像が定着され、永久
像となる。
【0154】記録材Pに転写された後に残留する中間転
写ベルト81上の残留トナーは、クリーニング装置13
によって回収される。本実施例のクリーニング装置13
も第4実施例と同様に、ポリウレタンゴムからなるクリ
ーニングブレード15を備えており、そのエッジを中間
転写ベルト90に当接させて付着トナーを掻き落とし除
去している。
【0155】また、本実施例の画像形成装置は上述した
クリーナレスシステムを備えており、一次転写部で記録
材に転写されずに感光ドラム1a〜1dの表面に残った
転写残トナーは、引き続く感光ドラム1a〜1dの回転
で磁気ブラシ帯電装置22a〜22dに至り、感光ドラ
ム1a〜1dに接触している磁気ブラシ帯電器2Aの磁
気ブラシ部23に一時的に回収され、その回収トナーが
再び感光ドラム1a〜1dの面上に吐き出されて最終的
に現像器23a〜23dに回収され、感光ドラム1a〜
1dは繰り返して作像に供される。
【0156】本実施例においても、第5実施例と同様
に、クリーナレスシステムを採用しているため、一度中
間転写ベルト90上に一次転写されたトナー像が次色を
一次転写する際に再転写することで混色を引き起こし、
所望のトナー像が得られないという問題が生じる可能性
がある。従って、上記のようなクリーニングブレードの
めくれ問題に対して中間転写ベルト90上にオビ画像を
形成することにより回避しようとしても、上記のような
再転写による色味変動の問題や、また再転写によりオビ
画像のトナー量自体が減少し、所望のトナー量が得られ
ないといった問題が生じる。
【0157】そこで、本実施例では、上記オビ画像を中
間転写ベルト移動方向最下流に位置するステーション、
本実施例では、図17の第4ステーションPdにおいて
形成することにより、上述のようなクリーニングブレー
ド15にまつわる種々の問題を解決し、かつ再転写に起
因する上述の問題の発生を防止することができた。
【0158】本実施例では、主走査方向310mm、副
走査方向1mmのオビ画像を、画像形成動作ごとに中間
転写ベルト90上に形成した。図17から明らかなよう
に、第4ステーションPdからクリーニング装置13ま
での間に他の色のステーションは存在しないため当然再
転写も発生しない。従って、再転写に起因する諸問題も
発生することなく、安定してオビ画像がクリーニング部
へ供給されることから、めくれなどに代表されるクリー
ニングブレードにまつわる諸問題の発生も抑制された。
【0159】以上に説明したような、トナーによって中
間転写ベルト90の表面の付着物を研磨し、中間転写ベ
ルト90の表面の状態を一定に保つ効果と、クリーニン
グブレード15のエッジ部の潤滑性をアップさせる効果
は、トナー粒子に外添された、チタン酸ストロンチウム
によるところが大きく、他に、酸化ケイ素、酸化アル
ミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、
酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化ホウ素、
窒化ケイ素、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウ
ム、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、および炭酸アルミニウムな
どの微粉末が挙げられ、モース硬度が6.0以上の研磨
剤を用いれば搬送ベルト表面の付着物を研磨し、除去す
る効果もある。また、いずれを外添した場合においても
同様の効果がある。
【0160】なお、オビ画像の領域や、オビ画像を形成
するタイミングなどは、本実施例の限りではないが、ラ
ンニングコストの面からみてできる限りトナー消費を少
なくできる方向、すなわちオビを形成する面積を少な
く、かつ形成する回数も少ない方が望ましい。
【0161】また、オビ画像を不足なくクリーニング装
置15に供給するために、オビ画像が二次転写部を通過
する際は、二次転写帯電装置40は、中間転写ベルト9
0から離間しておくか、あるいは二次転写バイアスを適
正化してオビトナー量の絶対量を変化させない必要があ
ることはいうまでもない。
【0162】以上のべた実施例の中で、クリーナレスシ
ステムを達成するための感光ドラム帯電装置としては、
磁気ブラシ帯電装置に限るものではなく、他の例えばフ
ァーブラシ帯電、ローラ帯電に代表される他の帯電手段
を用いても何ら問題はない。
【0163】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の画像形成装置によれば、画像形成時以外の所定タイミ
ングにて、像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像
を記録材担持搬送手段または中間転写体に転写し、さら
に板状クリーニング部材まで到達させることにより、長
期使用においても低コストで良好なクリーニング性能を
維持しつつ、異音や異常振動、めくれの発生を防止で
き、良好な画像を得ることができ、良好な使用環境を維
持でき、さらに、板状クリーニング部材、記録材担持搬
送手段、および中間転写体の長寿命化を達成できる。
【0164】また、板状クリーニング部材からみて記録
材担持搬送手段または中間転写体の走行方向上流側で最
初に位置する像担持体に、非画像形成時以外のタイミン
グにてトナー像を形成し、該トナー像を前記像担持体に
対応する転写帯電手段により前記前記記録材担持搬送手
段または中間転写体に転写することにより、上記と同様
の効果を得ることができると共に、再転写を防止でき、
高品質画像をえることができ、特にクリーナレスシステ
ムを備えた画像形成装置において効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー画像形成装置の一実施例を
示す概略構成図である。
【図2】クリーニングブレードの搬送ベルトとの当接状
態を示す説明図である。
【図3】本発明に係るカラー画像形成装置の他の実施例
を示す概略構成図である。
【図4】図3のカラー画像形成装置における搬送ベルト
クリーニング装置を示す拡大図である。
【図5】図4のクリーニングブレードに貼着された歪み
ゲージとそのブリッジ回路を示す図である。
【図6】本発明に係るカラー画像形成装置の他の実施例
を示す概略構成図である。
【図7】本発明に係るカラー画像形成装置のさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図8】本発明に係るカラー画像形成装置のさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図9】図8のカラー画像形成装置における磁気ブラシ
帯電装置を示す拡大図である。
【図10】図9の磁気ブラシ帯電装置における帯電回路
の同等回路図である。
【図11】図9の磁気ブラシ帯電装置における磁性粒子
の電気抵抗値を測定するための要領説明図である。
【図12】クリーナレスシステムに関わる再転写の実験
要領図である。
【図13】図8のカラー画像形成装置における画像形成
のタイミングチャート図である。
【図14】通紙枚数にともなう色差を示すグラフであ
る。
【図15】転写電流と再転写率との関連を示すグラフで
ある。
【図16】オビ画像トナー量と搬送ベルトの駆動トルク
との関連を示すグラフである。
【図17】本発明に係るカラー画像形成装置の他の実施
例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d 感光ドラム(像担持体) 3a、3b、3c、3d 現像器(現像手段) 5a、5b、5c、5d 転写装置(転写帯電手段) 9 搬送ベルト(記録材担持搬
送手段) 15 クリーニングブレード(板
状クリーニング部材) 17 歪みゲージ(検知手段) 90 中間転写ベルト(中間転写
体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 114 G03G 15/01 114B 15/08 507 15/08 507B 21/14 21/00 372 Fターム(参考) 2H027 DE03 DE07 EA03 ED03 ED06 ED09 ED16 ED24 ED27 2H030 AB02 AD03 AD05 AD17 BB02 BB23 BB42 BB44 BB46 BB54 2H032 AA02 AA05 AA15 BA09 BA18 BA23 BA30 2H077 AA37 AC16 AD02 AD06 GA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像が形成される像担持体と、該ト
    ナー像が転写される記録材を担持搬送する記録材担持搬
    送手段と、前記像担持体上のトナー像を記録材に転写す
    べく作用する転写帯電手段と、前記記録材担持搬送手段
    に当接し、その表面を清掃する板状クリーニング部材
    と、を有する画像形成装置において、 画像形成時以外の所定タイミングにて、前記像担持体上
    にトナー像を形成し、該トナー像を前記記録材担持搬送
    手段に直接転写し、さらに前記板状クリーニング部材ま
    で到達させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 トナー像が形成される像担持体と、該ト
    ナー像が転写される中間転写体と、該中間転写体上のト
    ナー像を記録材に転写すべく作用する転写帯電手段と、
    前記中間転写体に当接し、その表面を清掃する板状クリ
    ーニング部材と、を有する画像形成装置において、 画像形成時以外の所定タイミングにて、前記像担持体上
    にトナー像を形成し、該トナー像を前記中間転写体上に
    転写し、さらに前記板状クリーニング部材まで到達させ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記画像形成時以外の所定タイミングに
    て、前記像担持体上に形成される前記トナー像は、主走
    査方向全域あるいはそれに近似した幅を有し、べたある
    いはハーフトーンの帯状であることを特徴とする請求項
    1または2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記板状クリーニング部材の変形を検知
    する検知手段を有し、該検知手段により得られた信号を
    基に前記トナー像を形成することを特徴とする請求項3
    の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記検知手段は歪みゲージを有すること
    を特徴とする請求項4の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記板状クリーニング部材が前記記録材
    担持搬送手段または前記中間転写体と非当接時における
    前記板状クリーニング部材の歪み量を1としたとき、前
    記板状クリーニング部材の歪み量を1から5の範囲内に
    維持することを特徴とする請求項5の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 静電潜像が形成される複数の像担持体
    と、静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該
    トナー像が転写される記録材を担持搬送する記録材担持
    搬送手段と、前記各像担持体上のトナー像を記録材に転
    写すべく作用する複数の転写帯電手段と、前記記録材担
    持搬送手段に当接し、その表面を清掃する板状クリーニ
    ング部材と、を有する画像形成装置において、 前記板状クリーニング部材からみて前記記録材担持搬送
    手段の走行方向上流側で最初に位置する像担持体に、非
    画像形成時以外のタイミングにてトナー像を形成し、該
    トナー像を前記像担持体に対応する転写帯電手段により
    前記前記記録材担持搬送手段に転写することを特徴とす
    る画像形成装置。
  8. 【請求項8】 静電潜像が形成される複数の像担持体
    と、静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該
    トナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体に
    トナー像を転写するように作用する複数の転写帯電手段
    と、前記中間転写体に当接し、その表面を清掃する板状
    クリーニング部材と、を有する画像形成装置において、 前記板状クリーニング部材から見て前記中間転写体の走
    行方向上流側で最初に位置する像担持体に、非画像形成
    時以外のタイミングにてトナー像を形成し、該トナー像
    を前記像担持体に対応する転写帯電手段により前記中間
    転写体に転写することを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記非画像形成時以外のタイミングにて
    形成されるトナー像のトナー量は0.01mg以上であ
    ることを特徴とする請求項7または8の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記非画像形成時以外のタイミングに
    て形成される前記トナー像は、記録材搬送方向の長さが
    l[mm]の帯状画像であり、前記板状クリーニング部材
    は、記録材搬送方向と直交する方向の長さがL[mm]で
    あるとき、L−100≦l≦Lであることを特徴とする
    請求項7から9のいずれかの画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記非画像形成時以外のタイミングに
    て形成される前記トナー像のスラスト端部と前記板状ク
    リーニング部材の端部との距離は50mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項7から9のいずれかの画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記記録材担持搬送手段は継ぎ目のな
    いベルトであることを特徴とする請求項7の画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】 前記中間転写体は継ぎ目のないベルト
    であることを特徴とする請求項8の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記像担持体上のトナー像が転写され
    た後の転写残トナーを前記現像手段により回収するクリ
    ーナレスシステムを具備することを特徴とする請求項7
    または8の画像形成装置。
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