JP2798081B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2798081B2
JP2798081B2 JP17099797A JP17099797A JP2798081B2 JP 2798081 B2 JP2798081 B2 JP 2798081B2 JP 17099797 A JP17099797 A JP 17099797A JP 17099797 A JP17099797 A JP 17099797A JP 2798081 B2 JP2798081 B2 JP 2798081B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写方式の電子写真
記録装置(複写機・プリンタなど)等のように、像担持
体面に公知適宜の画像形成プロセス手段により可転写像
(以下、トナー像と記す)を形成し、そのトナー像を転
写材に転写し、像定着して画像形成物(コピー・プリン
ト)として出力する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真記録装置の像担持体とし
て有機光導電体(以下、OPCと記す)が広く使用され
るようになってきている。これはOPCが製造コストが
安く、量産性に優れていること、OPCの感度・耐久性
が向上したことなどによる。またOPCは近赤外領域へ
の増感が比較的容易なためレーザービームプリンタ(L
BP)用の感光体としても広く普及している。
【0003】像担持体としてこのようなOPCを用いた
電子写真記録装置に用いられる転写手段としては、コロ
ナ帯電器を用いたコロナ転写方式、導電性のローラを用
いたローラ転写方式が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでOPCには他
の感光体と比べて特に次のような欠点が顕著となる。
【0005】(1)主に負帯電特性を有し、正帯電に対
しては光導電性を有さない。
【0006】(2)オゾンにさらされると表面層が劣化
し、表面抵抗が低下して画像がぼける(画像ボケ)。
【0007】(3)表面層に紙粉等が付着し易く、該紙
粉等が吸湿しオゾンにさらされて低抵抗化すると上記
(2)項の現象と同様に画像がぼけ易い(画像流れ)。
【0008】このような欠点があるため従来の転写方式
では次の様な問題点が生じる。
【0009】例えばLBPのようにレーザー露光部をト
ナーで反転現像する系では転写は正帯電を必要とする。
このような系では前述の様にOPCは正帯電に対して光
導電性を有さないため正帯電メモリーが生じ、転写材の
有無で像担持体面に電位差が生じて、いわゆる紙跡とい
う現象が生じる。この現象に対して従来は転写帯電を弱
くして紙跡を少なくする方法や、転写帯電の印加シーケ
ンスを転写材長さに応じて変える方法など知られてい
る。しかし前者では転写効率が不十分となり、さらに転
写後のトナーの保持力が弱いため画像が乱れ易くなる。
後者においては小サイズ紙を通紙した時の問題、転写材
のエッジで電界が急激にかわることによって生じる紙跡
の問題は解決することができない。この現象に関しては
コロナ転写及びローラ転写ともOPC上に直接正電荷を
付与するために同じことがいえる。
【0010】また転写方式としてコロナ転写方式を用い
た場合、特に負帯電の場合は顕著であるが、オゾンがコ
ロナ帯電器から発生するために前述の(2)項や(3)
項の問題が生じ易くなる。
【0011】ローラ転写方式を用いた場合にはオゾンの
発生は少ないが、直接OPC表層に高電圧が印加される
ためピンホールが生じる危険性がある。
【0012】さらにOPCの欠点として摩擦係数が比較
的高いことがあげられる。このため例えば転写材として
紙を用いたとき、紙粉がOPC上に付着し易くなり、前
述(3)項の問題が発生し易い。この紙粉を除去するた
めにはOPC表面を何らかの手段で削っていく必要が生
じる。
【0013】特に近年広く用いられている1成分トナー
を用いた現像方式ではOPC表面を削りとる能力が現像
器にないため、特にこの現象が顕著である。そのために
OPC表面を柔らかくしたり、ゴムローラ・スポンジロ
ーラ等で表面を強くこすり削っていくという方法が考え
られる。ところがこの対策をとるとOPCの耐久性能は
低下してしまうという欠点が生じる。
【0014】そこでオゾンの発生が少なく像担持体を劣
化させにくい転写方式が求められていた。本発明はこの
ような新規な転写方式を備える画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする画像形成装置である。
【0016】(1)像担持体と、誘電体層を備え転写材
を担持して搬送する転写材担持体と、前記像担持体から
前記転写材担持体にトナー像を転写するために転写位置
で前記転写材担持体の転写材を担持する側とは反対側に
接触する転写帯電部材と、を有する画像形成装置におい
て、前記転写帯電部材は、ブレード形状であり、記転
写材担持体と接触するエッジ部を備え、前記転写帯電部
材と前記転写材担持体とのなす角のうち前記転写材担持
体の上流側の角が鋭角となるように設けられることを特
徴とする画像形成装置。
【0017】(2)前記誘電体層の体積固有抵抗は10
10Ωcm以上であることを特徴とする(1)の画像形成
装置。
【0018】(3)前記転写材担持体はベルト形状であ
ることを特徴とする(1)又は(2)の画像形成装置。
【0019】〈作 用〉 a)像担持体と、誘電体層を備え転写材を担持して搬送
する転写材担持体と、像担持体から転写材担持体にトナ
ー像を転写するために転写位置で転写材担持体の転写材
を担持する側とは反対側に接触する転写帯電部材と、を
有する画像形成装置において、転写帯電部材はブレード
形状であり、転写材担持体と接触するエッジ部を備える
ことで、転写帯電部材としてローラ体を用いる場合に比
べて転写電界が広がらない。したがって、転写帯電部材
をブレード形状とすること、転写材担持体と接触するエ
ッジ部を備えることで、転写材担持体の移動方向におい
て転写電界を絞り込むことができ、トナーの飛び散りの
ない画像を形成できる。また転写帯電部材としてローラ
体を用いた場合の回転方向の抵抗むらによる転写むらが
生じることもない。
【0020】b)また上記のブレード形状の転写帯電部
材は、該転写帯電部材と転写材担持体とのなす角のうち
転写材担持体の上流側の角が鋭角となるように設けられ
る、即ち上記のブレード形状の転写帯電部材は、該転写
帯電部材とこれを接触させた転写材担持体とのなす角の
うち転写材担持体の移動方向上流側の角は鋭角にして配
設するのがよい(順方向ブレード)。
【0021】なぜならば、この角を鈍角にすると転写材
担持体の移動にともなってブレード形状の転写帯電部材
の先端が振動し易くなり、転写不良を生じることがある
からである。一方、上記角を鋭角とすれば、転写材担持
体が移動してもブレード形状の転写帯電部材を安定して
転写材担持体に接触させることができる。
【0022】c)転写材担持体の誘電体層の体積固有抵
抗は1010Ω・cm以上であることで、像担持体のオゾ
ン生成物、紙粉等の低抵抗物質の付着等によって生ずる
画像ボケ画像流れを効果的に防止することができるとと
もに、LBP等の反転現像を行なう画像形成装置では転
写の正帯電による紙跡を完全に防止することができ、ま
た転写材の分離性能にもすぐれたものとなる。
【0023】d)除電手段を転写材担持体のクリーナー
の前に設けること、転写材担持体の表面固有抵抗を10
10〜1014Ω・cmとして該転写材担持体の除電手段を
なくすことで画像流れに対して更なる効果を得ることが
できる。特に後者は装置のコストを下げるという効果を
生みだす。
【0024】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉(図1・図2) 図1は一実施例装置(LBP)の概略構成図である。
【0025】1は像担持体としての感光ドラムであり、
中心支軸1aを中心に矢示の時計方向に所定の周速度
(プロセススピード)で回転駆動される。
【0026】感光ドラム1は感光層としてOPCを用い
たもので、本実施例の感光ドラム(以下OPCドラムと
記す)のOPCは電荷発生層(CGL)と電荷輸送層
(CTL)とを有する機能分離型の積層構造を有してい
る。CGLには0.2〜0.3μmのフタロシアニン化
合物を成分とした層を形成し、その上にポリカーボネー
ト中にヒドラゾン化合物を分散した15〜25μm厚の
CTL層を形成している。
【0027】OPCドラム1は回転過程で1次帯電器1
1によりその外周面に負のコロナ帯電を受けて表面電位
−500〜−800Vの間に均一に帯電される。
【0028】次いでその均一帯電面にレーザスキャナ1
2によるレーザ光走査露光L(目的画像情報の時系列電
気デジタル画素信号に応じて変調されたレーザ光による
走査露光)がなされて目的画像情報の静電潜像が形成さ
れる。
【0029】次いでその潜像は、1成分の磁性トナーが
スリーブ上に薄層コートされ、OPCドラム1に対して
非接触状態で該スリーブに交番電界が印加された現像器
13により反転現像される(OPCドラム面のレーザ光
走査露光部に現像剤を付着させる)。tは該反転現像に
よりOPCドラム1面に形成された可転写像としてのト
ナー像を示している。
【0030】このトナー像tは像転写部Aにおいて後述
する転写・搬送装置20により転写材P面に順次に転写
される。
【0031】像転写部Aを通過したOPCドラム1面は
クリーナー14によってクリーニングされて転写残りト
ナー等の表面汚損物の除去を受けて清浄面化され、次い
でLED・ヒューズランプ等の前露光器15により、O
PCドラム1上の露光履歴、帯電履歴が消去され、再び
同じ画像形成プロセスが繰り返される。
【0032】転写・搬送装置20において、2はOPC
ドラム1の下側に左右方向に配設した転写材担持体とし
てのエンドレスベルト(以下、転写ベルトと記す)であ
る。
【0033】この転写ベルト2は左右一対の架張ローラ
24・23間に懸回張設してあり、該ローラ23・24
の何れか一方を駆動ローラとして矢示の反時計方向にO
PCドラム1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回動駆動
される。
【0034】転写ベルト2の上側ベルト部の表面は面移
動方向のほぼ中央部を像転写部AであるOPCドラム1
の下面部に所定の押圧力をもって接触させてある。架張
ローラ24・23は少なくとも一方を導電性ローラにし
接地させてある。
【0035】21は像転写のための転写帯電部材(電界
発生手段、接触電極)である。本例においてこの転写帯
電部材21は像転写のための電圧が印加される導電性弾
性ブレード(以下、転写ブレードと記す)である。
【0036】この転写ブレード21は、図1・図2のよ
うに、像転写部Aにおいて、転写材担持体としての転写
ベルト2の上側ベルト部を中にしてOPCドラム1とは
反対側に配置してあり、上側ベルト部の裏面に対して接
触するエッジ部を備え、所定の当接圧をもって接触させ
てある。
【0037】27はこの転写ブレード21に対する電圧
印加電源であり、転写ブレード21に対してトナー像t
のトナーとは逆極性の電圧を印加する。
【0038】上記の転写帯電部材としての転写ブレード
21は、図1・図2のように、これを接触させた転写材
担持体としての転写ベルト2とのなす角のうち転写ベル
ト2の移動方向上流側の角は鋭角として配設してある。
【0039】25は転写ベルト2の下側ベルト部の外面
に対して該ベルト部の面移動方向のほぼ中央部において
接触させて配設したベルトクリーナーとしてのブレード
部材、26はこのブレード部材に対向させてベルト裏面
側に配設したベルト支持板である。
【0040】22はベルト架張ローラ23のベルト懸回
部のベルト外面に接触させて設けた除電ブラシである。
【0041】転写材P(一般に紙を主とするシート材)
は、不図示の転写材給送部から転写ベルト2の上側ベル
ト部上にベルトの右側から1枚宛供給される。
【0042】供給転写材Pは転写ベルト2の回動により
像転写部Aへ搬送され、OPCドラム1と転写ベルト2
の接触部を通る。この通過過程で、像転写部Aにおいて
転写ベルト2を中にしてドラム1とは反対側のベルト裏
面に接触していて電源27によりトナーとは逆極性の電
圧印加がなされている転写ブレード21から発生する電
界により、OPCドラム1面側のトナー像tが転写材P
面側へ順次に転写されていく(図2)。
【0043】像転写部Aで像転写を受けて該像転写部A
を通過した転写材Pは転写ベルト2とドラム1の曲率で
ドラム1面から分離される。この分離の際の放電で転写
材Pは転写ベルト2面に静電的に安定に吸着保持され、
引き続く転写ベルト2の回動に伴なって転写ベルトの左
端側へ搬送され、ベルト左端側においてローラ24の曲
率と転写材の腰の強さにより転写ベルト面から分離し、
ガイド28を介して不図示の像定着器へ導入される。
【0044】転写ベルト2の外面の付着トナーなどのベ
ルト汚損物はクリーナー25により除去され、又転写ベ
ルトに蓄積する電荷は接地した導電性のベルト架張ロー
ラ24・23、及び除電ブラシ22により除去される。
【0045】本実施例においては転写材担持体としての
転写ベルト2としてポリエチレンテレフタレート(体積
固有抵抗値1016Ω・cm以上)をチューブ状に押し出
し成型した後、2軸延伸したベルトを用いている。この
ようにして作製された転写ベルト2はベルトの周方向及
び長手方向に対して均一に1000Kg/cm2 以上の
引っ張り強度を有しており、厚みが30μm以上あれば
転写用ベルトとして十分な強度を有している。また蛇行
防止性能の観点からは厚みは厚いほどよく、転写効率・
画質・高圧電源の負担からは厚みは薄いほど好ましい。
本実施例の構成においては転写ベルト2の厚みとして7
0〜120μmが最適であった。
【0046】転写帯電部材としての転写ブレード(導電
性弾性ブレード)21はEPDM・ウレタン・クロロプ
レーン等の導電性ゴム、ポリオレフィン系・ウレタン系
・ポリエステル系の導電性エラストマ等を用いることが
でき、厚みは0.1〜1mm、硬度は40〜90度(J
ISA)、抵抗値は106 Ω・cm以下で適宜選ぶこと
ができる。
【0047】この転写帯電部材としての転写ブレード2
1には1〜5KVの電圧が印加されるが、環境変動、転
写材の種類の多様性に対応するためには定電流制御を行
ない、転写帯電部材としての転写ブレード21から転写
材担持体としての転写ベルト2へ流れ込む電流を一定に
することが転写効率の安定化、画質の面から好ましい。
【0048】本発明者等の実験によると、転写ブレード
21から転写ベルト2へ流れる電流値I(μA)即ち転
写帯電部材21に供給される電流I(μA)は、装置の
紙送り速度VP (mm/sec) 即ち転写材担持体2に担持さ
れた転写材の搬送速度VP (mm/sec) 、通紙可能(使用
可能)な最大の転写材の幅L(mm)に対して次式を満足
していることが好ましい。
【0049】 5×10-5×L・VP ≦I≦1×10-3×L・VP この式を満足していることにより、転写不良やトナー像
の過剰帯電による転写抜けを防止できる。
【0050】転写ベルト2の表面に付着したトナー等の
付着物はクリーナー25によってクリーニングされる。
本実施例ではクリーナー25としてゴムブレードをベル
トの面移動方向とのカウンター方向に当接することで効
率的なクリーニングを行なっている。このときベルト支
持板26によりブレード25のベルト2面に対する当接
状態を安定化させている。
【0051】転写ベルト2に蓄積された転写電荷及び転
写ベルト2がOPCドラム1から剥離する時及び転写材
Pが転写ベルト2から剥離するときの放電で転写ベルト
2の表面に蓄積される転写電荷と逆極性の電荷はそれぞ
れ導電性の架張ローラ24・23、除電ブラシ22によ
り除電される。
【0052】以上の様な構成の転写・搬送装置を用いる
ことにより次のような作用・効果が生じる。
【0053】転写材担持体としての転写ベルト2として
絶縁性の高い(体積固有抵抗値1016Ω・cm以上)ポ
リエチレンテレフタレートを用いているため転写電荷は
OPCドラム1に注入されることがない。
【0054】またOPCドラム1と転写ベルト2が剥離
する時の放電によって転写電荷と同極性の電荷がOPC
ドラム1に与えられるが、転写ベルト2の絶縁性が高
く、上記剥離放電で生じている場所では転写ベルト2の
静電容量が小さいため剥離放電によって生じる電荷量は
僅かである。このためOPCドラム1には正電荷がほと
んど与えられないため、従来例で述べた紙跡の問題は全
く発生することがない。従って転写帯電部材としての転
写ブレード21には十分に高い電圧が印加できるため高
い転写効率を得ることができ、転写後のトナーを強い力
で保持することができ常に良好な画像を維持できる。
【0055】また転写ベルト2の内部から転写帯電部材
としての転写ブレード21により転写電界を印加してい
るためオゾンの発生はほとんどなく、わずかに発生した
オゾンも転写ベルト2がOPCドラム1との間に介在し
ているためドラム1にオゾンが付着することがない。従
って転写帯電で発生するオソンの影響で画像ボケが生じ
ることがなくなる。
【0056】さらに転写ベルト2は第2図に示すように
OPCドラム1との当接部がフレキシブルであるため十
分なニップ量を確保することができ、OPCドラム1、
転写材P、転写ベルト2のそれぞれの密着性が非常に高
い。この効果と転写ベルト2からの強い静電引力により
転写材Pとして紙を用いた場合に生じる紙粉のOPCド
ラム1への転移がほとんどなくなる。また紙に対して直
接電荷を付与しないため紙粉がついたとしても物理的な
ファン・デーワルス力のみで付着力が弱く、容易にクリ
ーナー等でとり除くことができる。このためOPCドラ
ム上に付着した紙粉が吸湿すると同時にオゾンにさらさ
れて低抵抗化することによって生じる画像流れはほとん
ど生じなくなる。
【0057】本発明者等の実験によると、同一の構成の
電子写真装置を用い、35℃・85%の環境下で通紙耐
久を行なったところ、コロナ転写方式を用いた場合10
00〜3000枚で画像のボケが発生、ローラ転写を用
いた場合には2000〜5000枚で画像のボケが発生
したが、本発明の構成では1万枚以上通紙しても画像の
ボケが発生しなかった。さらにこのような効果を得るた
めにはOPCドラム1と転写ベルト2との間で十分な密
着を確保することが重要で当接部のニップ量は3mm以
上必要なことが本発明者等の検討で明らかになった。
【0058】また本方式においては転写材Pを転写ベル
ト2からの強い静電力で吸着しているため転写材PのO
PCドラム1からの分離の問題も全く生じることがなく
極めて安定した転写材の搬送を行なうことが可能とな
る。
【0059】以上述べた様な効果を得るためには転写ベ
ルト2内で電荷の移動が少ないこと、転写材Pに対して
強いクーロン力を作用させられること、転写ベルト2と
OPCドラム1との間で十分な密着性を得ることが重要
な要件となり、本発明者等の検討によると転写ベルト2
のOPCドラム1と接する表面が体積固有抵抗1010Ω
・cm以上の材質を用いること、OPCドラム1との当
接部では転写ベルト2をフレキシブルな状態に保ち十分
なニップ量を確保することが必要であることわかった。
【0060】さらに本発明の効果を十分にするためには
転写ベルト2の表面にもオゾン生成物を付着させないこ
とが望ましく、転写帯電は転写ベルト2の内部で行なう
ことがよい。
【0061】転写帯電部材21はブレード形状(転写ブ
レード)にし、転写材担持体である転写ベルト2と接触
するエッジ部を備え、転写ベルト2に担持された転写材
Pの搬送方向と交差するように設けられることにより、
転写ベルト2の移動方向において転写電界を絞りこむこ
とができ、トナーの飛び散りのない画像を形成できる。
また、転写帯電部材としてローラ体を用いた場合の回転
方向の抵抗むらによる転写むらが生じることもない。
【0062】また、転写帯電部材である転写ブレード2
1は、該転写ブレード21とこれを接触させた転写材担
持体である転写ベルト2とのなす角のうち転写ベルト2
の移動方向上流側の角は鋭角にして配設することで、転
写ベルト2が移動しても転写ブレード21を安定して転
写ベルト2に接触させることができる。
【0063】〈実施例2〉(図3) 図3は本発明の別の実施例の転写・搬送装置の略断面図
である。本実施例装置は前記実施例1(図1)の装置と
基本的に同一の構成であるが、転写材担持体としての転
写ベルト2の除電のために設けた除電ブラシ22をなく
し、クリーナー25の前にコロナ除電器29を設けてい
る。
【0064】コロナ除電器29には転写帯電と同極性の
電圧又は交流電圧が印加されているが、直流コロナで十
分な除電効果が得られ、かつオゾン発生量も少なくてす
むために本実施例では正の直流コロナ除電を採用してい
る。このときの電流量は100〜300μAの間がよ
い。
【0065】本構成においては除電が非接触で行なわれ
るためクリーナー25の前で除電を行なうことができ
る。そのためコロナ放電によるオゾン生成物が転写ベル
ト2上に付着してもクリーナー25によってその大部分
が取り除かれるので転写ベルト2からOPCドラム1へ
のオゾン生成物の転移はほとんどなくなる。
【0066】またコロナ除電器29はOPCドラム1か
ら十分離れているためにコロナ除電器29で発生したオ
ゾンは転写ベルト2に付着するもの以外はOPCドラム
1に対して影響を与えない。
【0067】このようにクリーナー25の前に除電器2
9を設けることによりクリーナー25からOPCドラム
1の間で転写ベルト2の表面に対向または当接するもの
が全くないために転写ベルト2上に付着したものがOP
Cドラム1上に転移することがほとんどなくなる。この
ために低抵抗物質の付着による画像流れの問題に対して
より安定した系が実現できる。
【0068】〈実施例3〉(図4) 本実施例では転写材担持体である転写ベルト2として体
積固有抵抗が1010〜1014Ω・cmの範囲のものを用
いている。材質としてはポリフッ化ビニリデン等のフッ
素樹脂、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレ
タン系、フッ素系、ポリアミド系の熱可塑性エラストマ
等を用い、押し出し成型によりチューブ状に成型し所望
の寸法のエンドレスベルトを得る。厚みは100〜30
0μmの間が強度・転写性能の面から好ましく、特に1
50〜250μmの間が最適である。
【0069】本実施例において転写帯電部材としての転
写ブレード21に印加する電圧は定電流制御を行なうこ
とが望ましい。これは上記抵抗値の範囲では転写ベルト
2の内部を電荷が移動するために過度な電流が流れると
OPCドラム1上に正の電荷が注入されることで従来例
で述べた紙跡の問題を防止するためである。
【0070】さらに転写ブレード21は定電流制御を行
なうことは転写ベルト2に流れる電荷を直接制御するこ
とになるので、転写ベルト2には常に一定の転写電荷が
付与されるため特別な除電手段がいらなくなるという効
果も生じる。このため図4に示したように転写ベルト2
の表面を除電する手段を設ける必要がなくなる。
【0071】このように転写ベルト2の体積固有抵抗を
1010〜1014Ω・cmにして転写電界をOPCドラム
1に対向する位置に設けた転写ベルト2に接触した転写
ブレード21により加えることで転写ベルト2の表面を
特別に除電する手段が必要でなくなり、内部に設けた除
電部材(本実施例では導電性の架張ローラ23・24)
だけで転写ベルト2の蓄積電荷を除去することができ
る。このため転写ベルト2の表面にはオゾン生成物等が
付着することが全くなくなり、OPCドラム1へ転写ベ
ルト2からの低抵抗物質が転移することがなくなり、O
PCドラムの画像流れに対しても極めて安定した系を得
ることができる。
【0072】以上、感光体としてドラム状のものについ
て説明してきたが、ベルト状等の感光体であってもかま
わないのはいうまでもない。又、転写材担持体はベルト
型に限らず、回転ドラム型等にすることもできる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、オゾン
の発生が少なく像担持体を劣化させにくい新規な転写方
式を備える画像形成装置であり、転写不良やトナー像の
過剰帯電による転写抜けを防止できる。また、転写帯電
部材は、ブレード形状であり、転写材担持体の移動方向
において転写電界を絞りこむことができ、トナーの飛び
散りを防止できる。転写帯電部材としてローラ体を用い
た場合の回転方向の抵抗むらによる転写むらが生じるこ
ともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例装置の概略構成図
【図2】 像転写部の部分的拡大図
【図3】 第2の実施例装置の概略構成図
【図4】 第3の実施例装置の概略構成図
【符号の説明】
1 像担持体としてのOPCドラム 2 転写材担持体としての転写ベルト 23・24 ベルト架張ローラ 21 転写帯電部材としての転写ブレード(導電性弾性
ブレード)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/16 103

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、誘電体層を備え転写材を担
    持して搬送する転写材担持体と、前記像担持体から前記
    転写材担持体にトナー像を転写するために転写位置で前
    記転写材担持体の転写材を担持する側とは反対側に接触
    する転写帯電部材と、を有する画像形成装置において、
    前記転写帯電部材は、ブレード形状であり、前記転写材
    担持体と接触するエッジ部を備え、前記転写帯電部材と
    前記転写材担持体とのなす角のうち前記転写材担持体の
    上流側の角が鋭角となるように設けられることを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層の体積固有抵抗は1010Ω
    cm以上であることを特徴とする請求項1の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記転写材担持体はベルト形状であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
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