JP6333445B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置として、中間転写体を用いる中間転写方式の画像形成装置がある。中間転写方式の画像形成装置では、感光体上に形成されたトナー像が中間転写体に一次転写され、その後中間転写体上のトナー像が転写材上に二次転写される。中間転写体としては、無端状のベルトである中間転写ベルトが広く用いられている。
中間転写ベルトの耐久性の向上のための強度の向上や画質の向上のために、中間転写ベルトを多層化し、表層を改良することが行われている(特許文献1)。
中間転写方式の画像形成装置では、二次転写工程後中間転写ベルト上には転写材に転写されなかったトナー(二次転写残トナー)が残留する。そのため、次の画像を中間転写ベルトに転写する前に中間転写ベルトの表面の二次転写残トナーを除去するクリーニング工程が必要となる。
このクリーニング工程には、クリーニング部材としてウレタンゴムなどの弾性体で形成されたクリーニングブレードを用いるブレードクリーニング方式が多く採用されている。クリーニングブレードは、クリーニング性能の向上のために、中間転写ベルトの移動方向に対して鋭角的に取り付けられることが多い。すなわち、クリーニングブレードは、中間転写ベルトに接触する自由端側が中間転写ベルトの移動方向の上流側を向くようにして、中間転写ベルトの移動方向と略直交する幅方向の略全体にわたって当接させられることが多い(カウンター方向)。
ブレードクリーニング方式では、クリーニング性能は中間転写ベルトの表面形状に依存することが知られている。一般的には、中間転写ベルトの表面とクリーニングブレードとの間の摩擦係数を小さくして中間転写ベルトの表面とクリーニングブレードとの滑り性を良くすることで、クリーニング性能を向上させている。そのために、中間転写ベルトの表面粗さをある一定範囲内に規定すること(特許文献2)、中間転写ベルトの表層にフィラーを添加すること(特許文献3、4)が提案されている。
特に、中間転写ベルトの表層にフィラーを添加する方法では、中間転写ベルトの表面に突起形状を散在させることで粗面性を持たせてクリーニングブレードとの密着性を低下させたり、フィラー自体に滑り性の良い材料を用いたりする。これにより、中間転写ベルトの表面とクリーニングブレードとの摩擦係数を小さくするよう試みられている。
特開2000−330390号公報 特開平10−39647号公報 特開2000−206798号公報 特開2005−234589号公報
しかしながら、中間転写ベルトの表層にフィラーを添加する従来の技術では、クリーニングブレードの摩耗の点で課題があり、中間転写ベルトのクリーニング性能の耐久性に課題があることがわかった。
特許文献3に記載されるように中間転写ベルトの表面にフィラーによる突起形状を散在させた場合、突起の先端が選択的にクリーニングブレードと接触する。そのため、繰り返しの使用によりクリーニングブレードは突起形状との接触点から徐々に摩耗し始める。そして、クリーニングブレードが不均一に摩耗したり欠けが生じたりして、その箇所を起点に、中間転写ベルト上のトナーが中間転写ベルトに付着したままクリーニングブレードを通過するトナーのすり抜けが発生することがある。その結果、中間転写ベルトのクリーニング不良が発生することが懸念される。特にフィラーの粒径が大きい場合には、より突起形状が大きくなるため、クリーニングブレードの不均一な摩耗や欠けがより進行しやすくなる。一方、フィラーの粒径が小さすぎる場合には、前述のような中間転写ベルトの表面に粗面性を持たせることによる効果が発揮できないため、クリーニングブレードの全体の摩耗量が増加しやすくなる。
また、特許文献4に記載されるように中間転写ベルトの表層に滑り性の良い材料のフィラーを添加して摩擦係数を下げた場合、中間転写ベルトの使用を開始してから一定期間の間(使用初期)はその効果が発揮され、良好なクリーニング性能が得られる。しかし、繰り返しの使用により中間転写ベルトの表面に最も近い位置(最表面層)のフィラーが脱離すると、その後は中間転写ベルトとクリーニングブレードとの滑り性を良くする効果が失われる。その結果、中間転写ベルトの表面とクリーニングブレードとの摩擦係数が大きくなり、クリーニングブレードの摩耗が進行することでクリーニング不良が発生することが懸念される。
以上のように、従来、長期使用におけるクリーニングブレードの摩耗を低減させることが困難であり、画像形成装置の長寿命化を図ることが困難であるという課題がある。
したがって、本発明の目的は、長期にわたって中間転写体の表面とクリーニングブレードとの摩擦によるクリーニングブレードの摩耗を低減することができ、耐久性の向上を図ることのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナーを担持する像担持体と、前記像担持体に接触して一次転写部を形成し、前記一次転写部において前記像担持体上のトナーが一次転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体に接触して二次転写部を形成し、前記二次転写部において前記中間転写体上のトナーを転写材上に転写させる二次転写手段と、前記中間転写体に接触し、前記中間転写体を介して前記二次転写手段と対向する対向部材と、前記中間転写体の移動方向において前記二次転写部よりも下流かつ前記一次転写部よりも上流で前記中間転写体に接触し、移動する前記中間転写体上のトナーを掻き取るクリーニングブレードと、を有する画像形成装置において、重力方向に関して、前記二次転写部は前記一次転写部よりも上方に配置され、前記中間転写体は、固体潤滑剤を含有する表層を有する複数層からなり、前記固体潤滑剤は、前記二次転写部において搬送される転写材と前記中間転写体との摺擦により前記表層から放出され、移動する前記中間転写体の表面に保持された状態で前記クリーニングブレードと前記中間転写体との接触部に到達し、前記接触部において滞留することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、長期にわたって中間転写体の表面とクリーニングブレードとの摩擦によるクリーニングブレードの摩耗を低減することができ、耐久性の向上を図ることができる。
本発明を適用し得る画像形成装置の一実施形態の模式的な断面図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の一実施形態におけるベルトクリーナの近傍の模式的な断面図である。 本発明に従う中間転写ベルトの層構成の一例を示す模式的な断面図である。 中間転写ベルトの硬度と中間転写ベルトのクリーニング性能の耐久性との関係を説明するためのグラフ図である。 クリーニング不良が発生した原因を説明するための模式図である。 PTFE粒子の粒径と中間転写ベルトのクリーニング性能の耐久性との関係を説明するためのグラフ図である。 本発明の効果の発現のメカニズムを調べた実験の結果を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[第1の実施形態]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体的な構成を示す模式的な断面図である。本実施形態の画像形成装置100は、フルカラー画像の形成が可能な中間転写方式を採用したインライン型(タンデム型)のフルカラープリンタである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として4個の画像形成部(ステーション)10Y、10M、10C、10Kを有する。本実施形態では、4個の画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、重力方向と交差する方向に並設されている。そして、各画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、後述する中間転写ベルトの画像被転写面(表面)の移動方向に沿って上流から順に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成する。
なお、本実施形態では、各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部の要素であることを表す図中符号の末尾のY、M、C、Kは省略して総括的に説明する。
画像形成部10は、像担持体としてのドラム状(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)によって図中矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、次の各手段が配置されている。まず、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ2が配置されている。次に、露光手段としての露光装置(レーザースキャナ)3が配置されている。次に、現像手段としての現像装置4が配置されている。次に、一次転写手段としてのローラ状の一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。次に、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーナ6が配置されている。
各画像形成部10の各感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上のトナー像を記録用紙などの転写材Sに転写するための中間転写装置(中間転写ベルトユニット)30が配置されている。この中間転写ベルトユニット30は、各画像形成部10の各感光ドラム1と対向するように、移動可能な中間転写体(移動体)としての無端ベルト状の中間転写ベルト7を有する。中間転写ベルト7は、駆動ローラ31及び2個の従動ローラ32、33の3個の張架ローラ(張架部材)に張架されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ31が回転駆動されることによって、図中矢印R2方向に周回移動(回転)する。本実施形態では、感光ドラム1の表面の移動速度(周速度)と中間転写ベルト7の表面の移動速度(周速度)とは略同じ速度であり、対向部において順方向に移動する。中間転写ベルト7の内周面(裏面)側において、中間転写ベルト7を挟んで各感光ドラム1と対向する位置に、上記一次転写ローラ5がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に対して押圧されている。これにより、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)N1が形成されている。又、中間転写ベルト7の外周面(表面)側において、中間転写ベルト7を挟んで駆動ローラ31と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して駆動ローラ31に押圧されている。これにより、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)N2が形成されている。又、中間転写ベルト7を介して従動ローラ32と対向する位置には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーナ20が配置されている。
また、画像形成装置100には、転写材Sを二次転写部N2に供給するための給搬送装置50及びレジストローラ111や、転写材Sにトナー像を定着させる定着手段としての定着装置9などが設けられている。
画像形成時には、所定の周速度(プロセススピード)で回転する感光ドラム1の表面が、帯電ローラ2によって所定の極性(本実施形態では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。このとき、帯電ローラ2には、帯電電源(図示せず)から所定の帯電バイアスが印加される。帯電処理された感光ドラム1の周面は、露光装置3によって画像情報に応じてレーザー光で走査露光され、これによって感光ドラム1上に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によってトナー像として現像される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ5の作用によって中間転写ベルト7上に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ5には、一次転写電源E1から、現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)とは逆極性(本実施形態では正極性)の直流電圧である一次転写バイアスが印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、4個の画像形成部10Y、10M、10C、10Kにおいて順次に行われ、中間転写ベルト7上に各色のトナー像が順次に重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト7上にフルカラー画像用の多重トナー像が形成される。各画像形成部10では、隣接する一次転写部N1間の距離に応じて一定のタイミングだけ遅らせて各感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
中間転写ベルト7上のトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ8の作用によって転写材S上に転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ8には、二次転写電源E2から、現像時のトナーの帯電極性とは逆極性(本実施形態では正極性)の直流電圧である二次転写バイアスが印加される。転写材Sは、給搬送装置50において、転写材Sを収納するカセット51から給送ローラ52によって1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対53によって搬送される。その後、給搬送装置50から搬送された転写材Sは、レジストローラ111によって中間転写ベルト7上のトナー像との同期がとられて二次転写部N2へと搬送される。
トナー像が転写された転写材Sは、定着装置9に搬送される。そして、この転写材Sは、定着装置9を通過する際に、加熱ローラ91と加圧ローラ92とのローラ対によって挟持して搬送されることで熱及び圧力を加えられ、その上にトナー像が定着させられる。その後、トナー像が定着された転写材Sは、画像形成装置100の装置本体110の外部に排出される。
また、一次転写工程後に感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、ドラムクリーナ6によって除去されて回収される。ドラムクリーナ6は、クリーニング部材としての感光ドラム1に当接するクリーニングブレード61によって、回転する感光ドラム1の表面からトナーを掻き取り、回収トナー容器62に回収する。さらに、二次転写工程後に中間転写ベルト7上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーナ20によって除去されて回収される。ベルトクリーナ20は、クリーニング部材としての中間転写ベルト7に当接するクリーニングブレード21によって、回転する中間転写ベルト7の表面からトナーを掻き取り、回収トナー容器22に回収する。
本実施形態では、感光ドラム1は、直径24mmのアルミニウム製のシリンダの外周面に有機光導電体層(OPC感光体)を塗布して構成されている。感光ドラム1は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部を支持部材(図示せず)によって回転自在に支持されており、一方の端部に駆動モータからの駆動力が伝達されることにより、図中矢印R1方向に回転駆動される。
本実施形態では、帯電手段は接触帯電手段とされ、帯電部材(接触帯電部材)であるローラ状に形成された導電性ローラ(帯電ローラ)2で構成されている。この帯電ローラ2が感光ドラム1の表面に当接させられると共に、この帯電ローラ2に帯電電源(図示せず)から所定の帯電バイアスが印加されることによって、感光ドラム1の表面が一様に帯電処理される。本実施形態では、帯電ローラ2には、帯電バイアスとして負極性の放電開始電圧以上の直流電圧が印加され、感光ドラム1の表面は負極性の所定の電位(暗部電位)に帯電させられる。
本実施形態では、露光装置3は、レーザー光学ユニット(スキャナユニット)で構成され、画像信号に基づいて変調されたレーザー光(レーザービーム)を、多面鏡などを用いて走査して感光ドラム1上に照射する。駆動回路(図示せず)によって画像信号に応じてレーザー光の点灯が制御され、帯電処理された感光ドラム1の表面が選択的に露光されて、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
本実施形態では、現像装置4は、現像剤担持体としての現像ローラ41、現像ローラ41に供給するトナーを収容する現像容器42、現像ローラ41上のトナー量を規制すると共にトナーに電荷を付与する現像剤規制部材としての現像ブレード43などを有する。この現像装置4は、感光ドラム1上の静電潜像におけるレーザービーム照射部(明部電位)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施形態では負極性)に帯電したトナーを付着させることで、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像(反転現像)する。各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの現像容器42Y、42M、42C、42Kには、現像剤として、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー、特に、本実施形態では非磁性一成分現像剤(トナー)が収納されている。現像容器42から現像ローラ41にトナーが搬送され、現像ローラ41に付着したトナーは現像ブレード43との摺擦により一様な極性(本実施形態では負極性)に帯電させられる。少なくとも現像工程時には、現像ローラ41は、感光ドラム1に接触させられる。そして、現像ローラ41には、現像電源(図示せず)から、絶対値が暗部電位より小さくかつ明部電位より大きな負極性の現像バイアスが印加される。これにより、静電潜像のうち明部電位に対応する領域のみにトナーを付着させることが可能となる。トナーの粒径は、5〜6μm程度である。
本実施形態では、一次転写ローラ5は、ローラ状に形成された導電性ローラで構成されている。より詳細には、一次転写ローラ5は、SUS(ステンレススチール)で形成された外径6mmのシャフトの周囲に、外径12mmとなるようにニトリルゴムとヒドリンゴムを材料とする発泡性弾性体からなる弾性層が形成されたローラである。この一次転写ローラ5の電気抵抗値は10Ωである。また、本実施形態では、一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7の裏面に対し離接可能とされている。非画像形成時には、一次転写ローラ5は中間転写ベルト7から離間されており、画像形成時には、一次転写ローラ5は中間転写ベルト7を挟んで感光ドラム1に加圧される。そして、一次転写電源E1から一次転写バイアス(本実施形態では正極性)が印加されることで、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写される。
本実施形態では、中間転写ベルト7は、中間転写ベルト7を回転させる駆動ローラ31と、中間転写ベルト7に適度なテンションを加えるための従動ローラ32、33とによって張架され、図中矢印R2方向に回動させられる。中間転写ベルト7については後述して更に詳しく説明する。
本実施形態では、二次転写ローラ8は、外径10mmのニッケルメッキ鋼棒の芯金の周囲に、電気抵抗値が10Ω、厚さが3mmに調整されたニトリルゴムとヒドリンゴムを材料とする発泡性弾性体からなる弾性層が形成された、外径16mmのローラである。本実施形態では、二次転写ローラ8は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部側において、付勢手段としての弾性部材である加圧バネによって中間転写ベルト7に向けて押圧されている。二次転写ローラ8は、転写材Sを介して、総圧58.8Nの加圧力で中間転写ベルト7に加圧される。そして、二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の移動に伴って従動して回転する。そして、二次転写電源E2から、二次転写バイアス(本実施形態では正極性)が印加されることで、中間転写ベルト7上のトナー像が転写材S上に転写される。
本実施形態では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びドラムクリーナ6とは、枠体によって一体的に画像形成装置100の装置本体110に対して着脱可能なプロセスカートリッジPとされている。
また、本実施形態では、中間転写ベルト7、中間転写ベルト7の張架ローラ31、32、33及びベルトクリーナ20などを備えた中間転写ベルトユニット30は、枠体によって一体的に構成され、画像形成装置100の装置本体110に対し着脱可能とされている。
なお、画像形成装置100には、画像形成装置100の各部の動作の制御を行うための電気回路が搭載された制御基板(制御部)(図示せず)が設けられている。制御基板には、制御手段としてのCPU(図示せず)、各種の制御情報が格納された記憶手段としてのメモリ(図示せず)などが搭載されている。上記CPUは、転写材Sの搬送に関する駆動源、中間転写ベルト7及び各プロセスカートリッジPの駆動源などの制御、画像形成に関する制御、更には故障検知に関する制御など、画像形成装置100の動作を一括して制御する。
2.ベルトクリーナ
次に、本実施形態におけるベルトクリーナ20について更に説明する。図2は、本実施形態におけるベルトクリーナ20の構成をより詳しく示す。図2では、回収トナー容器22は省略されている。
ベルトクリーナ20は、クリーニング部材としての弾性材料で形成された板状部材であるクリーニングブレード21を有する。本実施形態では、クリーニングブレード(ゴム部)21は、弾性材料としてのゴム材料であるウレタンゴム(ポリウレタン)で形成されている。本実施形態では、クリーニングブレード21は、厚さが2.0mm、長手方向(中間転写ベルト7の移動方向と略直交する方向)の長さが231mm、短手方向の長さ(長手方向と略直交する方向)の長さが12mmである。
なお、本実施形態では、クリーニングブレード21のゴム硬度は、JIS K 6253規格に準拠した測定方法(タイプAデュロメータ)で77±3度である。
ベルトクリーナ20は、クリーニングブレード21を支持する支持手段として、メッキ鋼板で形成された支持部材(板金部)23を有する。本実施形態では、クリーニングブレード21は、その短手方向において一方の端部(固定端部)から所定範囲が、長手方向の略全域にわたり、固定手段としての接着剤によって支持部材23に接着されている。そして、クリーニングブレード21は、その短手方向において他方の端部(自由端部)が、詳しくは後述するようにして、中間転写ベルト7に接触する。クリーニングブレード21の自由長(短手方向において支持部材23に固定されている部分の端部から自由端部までの長さ)は8mmである。
クリーニングブレード21は、揺動可能な構成となっている。本実施形態では、支持部材23は、その長手方向(中間転写ベルト7の移動方向と略直交する方向)の両端部において、揺動軸24を介して中間転写ベルトユニット30を構成する枠体(図示せず)に揺動可能に固定される。そして、付勢手段としての弾性部材である加圧バネ25によって支持部材23が加圧されることで、支持部材23は揺動軸24を中心に図中矢印R3方向に回動するように付勢される。これによって、支持部材23に固定されたクリーニングブレード21が同方向に回動するように付勢される。揺動軸24の軸線方向は、中間転写ベルト7の張架ローラ31、32、33の回転軸線方向と略平行である。本実施形態では、図2に示すように、加圧バネ25は、一端部が支持部材23に固定され、他端部が上記中間転写ベルトユニット30を構成する枠体(図示せず)に固定された引張りバネで構成されている。そして、この加圧バネ25は、支持部材23を、揺動軸24を中心として、中間転写ベルト7の張架ローラ31、32、33の回転方向とは逆方向に回動させる。
クリーニングブレード21は、中間転写ベルト7の移動方向において、二次転写部N2よりも下流かつ最上流の画像形成部10Yの一次転写部N1Yよりも上流で中間転写ベルト7に接触して、移動する中間転写ベルト7上のトナーを掻き取る。本実施形態では、クリーニングブレード21に対向して中間転写ベルト7の内周面側には、中間転写ベルト7の張架ローラの一つである従動ローラ32が配置されている。この従動ローラ32は、外径24mmのアルミニウム製の金属ローラ(金属棒)である。クリーニングブレード21は、従動ローラ32上で中間転写ベルト7と接触して、移動する中間転写ベルト7の表面からトナーを掻き取る。
本実施形態では、クリーニングブレード21は、中間転写ベルト7に接触する自由端側が中間転写ベルト21の移動方向に対して上流側を向くように中間転写ベルト7に当接されている(カウンター方向)。クリーニングブレード21は、その自由端部の中間転写ベルト7側のエッジ部、及び/又はクリーニングブレード21の短手方向に沿って上記エッジ部から固定端部側の所定範囲の面において、中間転写ベルト7の表面に当接する。中間転写ベルト7とクリーニングブレード21との当接部(より詳細には中間転写ベルト7の移動方向における接触開始位置から接触終了位置までの領域)を、クリーニングニップ(クリーニング部)Ncという。
なお、本実施形態では、クリーニングブレード21の取り付け位置は、次の設定角θ、侵入量δ、当接圧に設定されている。
設定角θは、中間転写ベルト7の張架ローラ31、32、33の回転軸線方向に見た場合に、中間転写ベルト7とクリーニングブレード21との交点における中間転写ベルト7の接線と、クリーニングブレード21の表面に沿う方向と、がなす角度である。上記交点は、中間転写ベルト7の移動方向における中間転写ベルト7とクリーニングブレード21との当接領域の最上流位置で代表するものとする。また、上記クリーニングブレード21の表面に沿う方向は、中間転写ベルト7に当接して変形していないと仮定した場合の、クリーニングブレード21の長手方向に延びる面の接線で代表するものとする。本実施形態では、この設定角θが18.4°である。
侵入量δは、中間転写ベルト7に当接して変形していないと仮定した場合に中間転写ベルト7の表面よりも内側となる(中間転写ベルト7及び従動ローラ32と重なる)クリーニングブレード21の厚さ方向の長さである。本実施形態では、この侵入量δが1.35mmである。
クリーニングブレード21の当接圧は、クリーニングニップNcにおけるクリーニングブレード21からの押圧力(長手方向における線圧)で定義され、フィルム式加圧力測定システム(商品名:PINCH,ニッタ社製)を用いて測定される。本実施形態ではこの当接圧が0.45N/cmである。
本実施形態では、上述のようなクリーニングブレード21の設定位置にすることで、高温高湿環境下(30℃/80%)でのクリーニングブレード21のめくれやスリップ音などを抑制することができる。また、上述のような設定位置により、低温低湿環境下(15℃/10%)でのクリーニング不良の発生を抑制して、良好なクリーニング性能を得ることができる。なお、本発明のクリーニング構成は、中間転写ベルト材料に応じて適宜選定されるものである。しかし、好ましくは、クリーニングブレード21のゴム部の硬度は、JIS K 6253規格に準拠した測定方法(タイプAデュロメータ)で70〜80°の範囲である(詳しくは後述)。また、クリーニングブレード21の当接圧は、好適には0.4〜0.8N/cmの範囲である。当接圧が上記範囲よりも小さいと、良好なクリーニング性能が得られないことがあり、上記範囲よりも大きいと中間転写ベルト7の回転駆動するための負荷が大きくなりすぎることがある。
3.中間転写ベルト
次に、本実施形態における中間転写ベルト7について更に説明する。図3は、中間転写ベルト7の層構成を示す模式的な断面図である。
中間転写ベルト7は、複数層からなる。本実施形態では、中間転写ベルト7は、基層7bと表層7aとの2層で構成されている。表層7aは、感光ドラム1から転写されたトナーを担持(保持)する。表層7aは、基層7b上に形成されている。
まず、基層7bに使用する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは混合して2種以上使用することもできる。
また、これらの熱可塑性樹脂中に、導電材料などを熔融混煉し、次いで、インフレーション成形、円筒押出し成形、インジェクションストレッチブロー成形などの成形方法を適宜選択して、無端状ベルトの基層7bを得ることができる。
一方、表層7aには、中間転写ベルト7の表面の硬度を高め、耐久性(耐摩耗性)を向上させる観点から、熱、又は光(紫外線など)や電子線などのエネルギー線の照射によって硬化する硬化性材料を用いることが好ましい。特に、硬化性の高い紫外線や電子線などの照射によって硬化する硬化性材料が好ましいが、これらに限定されるものではない。硬化性材料のうち、有機材料としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フッ素系硬化性樹脂(含フッ素硬化性樹脂)などの硬化性樹脂が挙げられる。無機材料としては、アルコキシシラン・アルコキシジルコニウム系材料、ケイ酸塩系材料などが挙げられる。有機・無機ハイブリッド材料としては、無機微粒子分散有機高分子系材料、無機微粒子分散オルガノアルコキシシラン系材料、アクリルシリコン系材料、オルガノアルコキシシラン系材料などが挙げられる。中間転写ベルト7の表層7aの耐摩耗性、耐クラック性などの強度の観点から、硬化性材料の中でも樹脂材料(硬化性樹脂)が好ましく、硬化性樹脂の中でも、不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させて得られるアクリル樹脂が好ましい。不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、例えば、JSR社製のアクリル系紫外線硬化樹脂:オプスターZ7501を用いることができる。すなわち、中間転写ベルト7は、紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー成分を含有してなる液で、これにエネルギー線を照射し、硬化させて得られた表層(硬化膜、表面硬化層)7aを有していることが好ましい。
また、表層7aには、電気抵抗の調整を目的として、導電材料(導電性フィラー、電気抵抗調整剤)72を添加することができる。導電材料72としては、電子導電性材料又はイオン導電性材料を用いることができる。電子導電性材料としては、例えば、カーボンブラック、PAN系炭素繊維及び膨張化黒鉛粉砕品などの粒子状、繊維状又はフレーク状のカーボン系導電性フィラーが挙げられる。また、例えば、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス及び鉄などの粒子状、繊維状又はフレーク状の金属系導電性フィラーが挙げられる。また、例えば、アンチモン酸亜鉛、アンチモンドープの酸化スズ、アンチモンドープの酸化亜鉛、スズドープの酸化インジウム及びアルミニウムドープの酸化亜鉛などの粒子状の金属酸化物系導電性フィラーが挙げられる。イオン導電性材料としては、例えば、イオン液体、導電性オリゴマー及び第4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの導電材料の中から1種又はそれ以上が適宜選択され、電子導電性材料とイオン導電性材料とを混合して用いてもよい。これらの中でも、添加量が少量で済み、表層7aの所望の表面平滑性が得られる点で、粒子状(サブミクロン以下の粒子など)の金属酸化物系導電性フィラーが好ましい。
そして、表層7aには、詳しくは後述するように中間転写ベルト7の表面とクリーニングブレード21との滑り性を向上させることを目的として、固体潤滑剤73が添加される。固体潤滑剤73は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粉体、三フッ化塩化エチレン樹脂粉体、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂粉体、フッ化ビニル樹脂粉体、フッ化ビニリデン樹脂粉体、二フッ化二塩化エチレン樹脂粉体、フッ化黒鉛などのフッ素含有粒子、及びそれらの共重合体から適宜選択して用いることができる。また、固体潤滑剤73は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、シリコーン樹脂粒子、シリカ粒子、二硫化モリブデン粉体などであってもよい。これらの中でも、粒子の表面の摩擦係数が低く、中間転写ベルト7の表面に当接する他の部材、例えば、クリーニングブレード21の摩耗を低減できる点で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粒子(乳化重合系のPTFE樹脂粒子など)が好ましい。
また、表層7aを基層7b上に形成する方法としては、通常のコーティング方法、例えば、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、スピンコートなどを挙げることができる。これらの方法から適宜選択して用いることで、所望の膜厚の表層7aを得ることができる。
一例として、中間転写ベルト7は、体積抵抗率(体積固有抵抗率)が1010Ω・cm、厚さが65μm程度の無端のフィルム状部材とされ、上述のように基層(基材)7bと表層(表面層)7aとの2層で構成されている。中間転写ベルト7の体積抵抗率は、10〜1012Ω・cmの範囲であることが、良好な画像形成を行う点で好ましい。
なお、体積抵抗率の測定は、汎用測定器Hiresta・UPMCP−HT450(三菱化学社製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、250Vを印加して得た値である。
また、本実施形態では、中間転写ベルト7の幅(移動方向と略直交する方向の長さ)が248mm、周長が712mmである。より具体的な実施例を後述する。
4.実施例及び比較例の中間転写ベルト
次に、後述する評価実験に用いた実施例と比較例の中間転写ベルトについて説明する。
(実施例1)
本実施例の中間転写ベルト7を次のようにして作製した。
<基層の作製>
次のようにして、中間転写ベルト7の基層7bを作製した。
ポリアミド酸溶液を円筒状の金型の外周面に遠心方式によってコートし、乾燥成膜し、加熱処理してポリアミド酸をイミド化することで、熱可塑性ポリイミドのベルト体を得た。
なお、ポリアミド酸溶液中には、電気抵抗調整剤としてカーボンブラックを分散した。
こうして得られた厚さ65μmのポリイミド樹脂製のベルトを、中間転写ベルト7の基層7bとして用いた。
<表層形成用塗工液(紫外線硬化性樹脂組成物)の調製>
次のようにして、中間転写ベルト7の表層7aを形成するのに用いる塗工液を調製した。
紫外線を遮蔽した容器中において、導電材料72としてのアンチモン酸亜鉛粒子含有イソプロパノールゾル(セルナックスCX−Z210IP:日産化学工業社製)16.2重量部と、硬化性材料71としての不飽和二重結合含有アクリル共重合体(オプスターZ7501:JSR社製)100重量部とを混合した。その後、固体潤滑剤73としてのフッ素含有粒子である一次粒径が200nmのPTFE粒子(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)40重量部と、メチルイソブチルケトン28.9重量部と、を添加した。これにより、紫外線硬化性樹脂組成物が得られた。各成分は、ホモミキサーで粉砕、分散混合され、調製された紫外線硬化性樹脂組成物を中間転写ベルト7の表層7aを形成するのに用いる塗布液とした。
なお、得られた組成物中の導電材料72、PTFE粒子73の分散安定性は良好であった。
ここで、固体潤滑剤73の一次粒径(平均粒径)は、レーザー回折式粒度分布測定法で測定される粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
<表層を付与した中間転写ベルトの作製>
次のようにして、基層7b上に表層7aを形成して中間転写ベルト7を作製した。
上述のようにして作製した基層7b上に、上述のようにして調製した紫外線硬化性樹脂組成物を、温度25.0℃、相対湿度60%の塗工環境でディップコートした。
そして、塗工が終了してから10秒後に、塗工環境と同じ場所にある紫外線照射装置(UE06/81−3、アイグラフィック社製、積算光量:1000mJ/cm)を用いて紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させた。その結果、厚さ2.0μmの樹脂硬化膜が形成され、この樹脂硬化膜を中間転写ベルト7の表層7aとした。このようにして表層7aを有するエンドレスベルト状の中間転写ベルト7を作製した。表層7a側から測定した中間転写ベルト7のビッカース硬度は、23.6kg/mmであった。
本発明の効果を良好に得ると共に、塗布液の良好な分散安定性を得るためには、固体潤滑剤73は、中間転写ベルト7の表層7aの樹脂固形分100重量部に対して40〜50重量部の範囲で含有されることが好ましい。
なお、中間転写ベルト7のビッカース硬度の測定は、表層7aの部分の硬度を測定するために、できる限り基層7bの影響を受けない範囲で行った。ここでは、ビッカース硬度の測定は、NanoIndenter(MTS社製)を用いて測定した。測定条件は、次のとおりである。押し込み試験使用ヘッド:DCM、試験モード:CSM(Continuous Stiffness Measureement)、使用圧子:バーコビッチ型ダイヤモンド圧子。また、測定パラメーターは、次の通りである。Allowable DriftRate:0.5nm/s、Frequency Target:75.0Hz、Harmonic Displacement Target:1.0nm、Strain Rate Target:0.051/S、Depth Limit:2000nm。
また、中間転写ベルト7のトナーを担持する外周面側(表面)の表面粗さはRz=0.22μmであった。
なお、表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)の測定は、東京精密社製の表面粗さ形状測定機サーフコム1500SDを使用し、JIS B 0601−2001規格に準拠し、カットオフ波長0.25mm、測定基準長さ0.25mm、測定長1.25mmで測定した。
本実施例の中間転写ベルトの表層7aの材料及び添加量並びに各種特性値を下記表1に示す。
(実施例2〜6)
実施例2〜6の中間転写ベルト7を次のようにして作製した。実施例2〜6の中間転写ベルト7の表層7aの材料及び添加量並びに各種特性値を下記表1に示す。
なお、実施例2〜6の中間転写ベルト7の基層7bの材料、製造方法は、実施例1と同じである。
実施例2では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の添加量を50重量部とした以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
実施例3、4では、硬化性材料71としてのアクリル共重合体を、それぞれオプスターKZ6433(JSR社製)、オプスターKZ6445(JSR社製)とした以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
なお、オプスターKZ6433(実施例3)、オプスターKZ6445(実施例4など)は、それぞれオプスターZ7501(実施例1など)とは樹脂硬度が異なる。硬度を比較すると、KZ6445、Z7501、KZ6433の順に高硬度(KZ6445>Z7501>KZ6433)の材料である。
実施例5では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の一次粒径が500nmである以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
実施例6では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の一次粒径が600nmである以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
(比較例1〜7)
比較例1〜7の中間転写ベルト7を次のようにして作製した。比較例1〜7の中間転写ベルト7の表層7aの材料及び添加量を下記表1に示す。
なお、比較例1〜7の中間転写ベルト7の基層7bの材料、製造方法は、実施例1と同じである。
比較例1では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
比較例2では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の添加量を30重量部とした以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
比較例3では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の添加量を100重量部とした以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
比較例4では、硬化性材料71としてのアクリル共重合体材料をオプスターKZ6445(JSR社製)とし、PTFE粒子の添加量を50重量部とした以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
比較例5では、硬化性材料71としてのアクリル共重合体材料をオプスターKZ6661(JSR社製)とし、PTFE粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
なお、オプスターKZ6661(比較例5)は、オプスターZ7501(実施例1など)、オプスターKZ6433(実施例3)、オプスターKZ6445(実施例4など)とは樹脂硬度が異なる。硬度を比較すると、KZ6445、Z7501、KZ6433、KZ6661の順に高硬度(KZ6445>Z7501>KZ6433>KZ6661)の材料であり、KZ6661は最も低硬度の材料である。
比較例6では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の一次粒径が100nmである以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
比較例7では、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子の一次粒径が700nmである以外は、実施例1と同じ材料、添加量、製造方法で表層7aを作製した。
5.クリーニング性能の耐久性
<評価実験>
クリーニング性能の耐久性を調べるために、本実施形態の画像形成装置100を用いて次のような評価実験を行った。
中間転写ベルト7として上述のようにして製造した実施例1〜6、比較例1〜7の中間転写ベルトをそれぞれ用いた。温度25℃、相対湿度50%環境下にてキヤノン社製のExtra坪量80g/m、A4紙を用いて2枚間欠印刷で中間転写ベルトユニット30の寿命である100k枚まで通紙を行い、クリーニング不良が発生しないか確認した。クリーニング性能の評価は、二次転写バイアスをオフ(0V)にした状態でレッド画像(Yトナー、Mトナー)をA4サイズの全面に形成した後に、二次転写バイアスを適正値に設定して3枚白紙状態で連続通紙する。これにより、二次転写部N2で転写材Sへほとんど転写されずに残ったYトナー、MトナーがクリーニングニップNcに突入する。そして、そのトナーがクリーニングできていれば、その後に通紙する3枚は全くの白紙状態で出力される。一方、クリーニングできなければ、クリーニングブレード21をすり抜けたトナーが白紙上に転写されて、クリーニング不良画像として出力される。以上のような評価を10k枚通紙毎に行い、100k枚通紙後にクリーニングできていれば「○(良好)」、できなければ「×(不良)」とした。
また、通紙前と100k枚通紙後に中間転写ベルト7の表層7aの表面粗さの測定を同じ条件で行った。
さらに、100k枚通紙後のクリーニングブレード21の摩耗量を測定した。摩耗量は、光学顕微鏡(キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−100)を用いて通紙前と100k枚通紙後に観察して、クリーニングブレード21のエッジ部の摩耗した幅を計測した。
<評価結果(実施例1〜6、比較例1〜7)>
評価結果を表1に示す。
実施例1では、100k枚通紙後もクリーニング不良が発生せず良好なクリーニング性能が得られた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.22μm、100k枚通紙後がRz=0.25μmで、ほぼ変化しておらず、クリーニングブレード21の摩耗量は9μmであった。
実施例2では、実施例1と同様に、100k枚通紙後もクリーニング不良が発生せず良好なクリーニング性能が得られた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.19μm、100k枚通紙後がRz=0.22μmで、ほぼ変化しておらず、クリーニングブレード21の摩耗量は7μmであった。
実施例3では、実施例1と同様に、100k枚通紙後もクリーニング不良が発生せず良好なクリーニング性能が得られた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.28μm、100k枚通紙後がRz=0.39μmで、表面粗さは大きくなっているが、クリーニング性に影響を及ぼさなかった。また、クリーニングブレード21の摩耗量は7μmであった。
実施例4では、実施例1と同様に、100k枚通紙後もクリーニング不良が発生せず良好なクリーニング性能が得られた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.25μm、100k枚通紙後がRz=0.36μmで、実施例3と同様に表面粗さは大きくなっているが、クリーニング性に影響を及ぼさなかった。また、クリーニングブレード21の摩耗量は8μmであった。
実施例5では、実施例1と同様に、100k枚通紙後でクリーニング不良が発生せず良好なクリーニング性能が得られた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.30μmと、実施例1に比べてPTFE粒子の粒径が大きくなったことで大きくなった。しかし、表層7aの表面粗さは、100k枚通紙後がRz=0.31μmで、ほぼ変化しておらず、クリーニング性に影響を及ぼさなかった。また、クリーニングブレード21の摩耗量は9μmであった。
実施例6では、実施例1と同様に、100k枚通紙後でクリーニング不良が発生せず良好なクリーニング性能が得られた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.33μmと、実施例1に比べてPTFE粒子の粒径が大きくなったことで大きくなった。しかし、表層7aの表面粗さは、100k枚通紙後がRz=0.36μmで、ほぼ変化しておらず、クリーニング性に影響を及ぼさなかった。また、クリーニングブレード21の摩耗量は9μmであった。
比較例1では、10k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.24μm、100k枚通紙後がRz=0.28μmで、ほぼ変化していなかったが、クリーニングブレード21の摩耗量は33μmと多かった。また一部で50μmを超えるクリーニングブレードの欠けも発生していた。
比較例2では、30k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.20μm、100k枚通紙後がRz=0.23μmで、ほぼ変化していなかったが、クリーニングブレード21の摩耗量は22μmと多かった。
比較例3では、60k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.27μm、100k枚通紙後がRz=0.69μmと、表面粗さが大きくなっていた。また、クリーニングブレード21の摩耗量は6μmであった。
比較例4では、30k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.25μm、100k枚通紙後がRz=0.27μmで、ほぼ変化していなかったが、クリーニングブレード21の摩耗量は23μmと多かった。
比較例5では、10k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。10k枚通紙後の中間転写ベルト11を観察すると、表層7aが消失してしまっており、基層7bが見えていた。
比較例6では、40k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.20μm、100k枚通紙後がRz=0.21μmで、ほぼ変化していなかったが、クリーニングブレード21の摩耗量は19μmと多かった。
比較例7では、20k枚通紙後にクリーニング不良が発生し、その後100k枚までクリーニング不良が発生し続けた。表層7aの表面粗さは、通紙前がRz=0.45μmと、実施例1、5に比べてPTFE粒子の粒径が更に大きくなったことで大きくなった。そして、表層7aの表面粗さは、100k枚通紙後もほぼ変化していなかった。また、クリーニングブレード21の摩耗量は25μmと多かった。
以上が実施例1〜6及び比較例1〜7のクリーニング性能の耐久性の評価結果である。
まず、中間転写ベルト7の硬度の違いに着目する。図4は、同じPTFE粒子(一次粒径200nm)を用いた実施例1〜4、比較例2〜4、及びPTFE粒子を添加しなかった比較例1、5の中間転写ベルト7の硬度とクリーニング性能の耐久性との関係を示す。表1、図4から明らかなように、硬度が高いと、クリーニングブレード21の摩耗量が大きくなり、クリーニング不良が発生する傾向にある。これは、次のような理由によるものと考えられる。すなわち、中間転写ベルト7の使用に伴い中間転写ベルト7の表面とクリーニングブレード21との滑り性を維持できず、クリーニングブレード21の摩耗が進行する。その結果、トナーを掻き取る能力が低下し、クリーニング不良が発生する(図5(a)参照)。一方、硬度が低いと、通紙耐久により中間転写ベルト7の表層7aが徐々に削れて粗さが大きくなったことで、クリーニングブレード21からトナーがすり抜けやすくなり、クリーニング不良が発生したものと考えられる(図5(b)参照)。
次に、PTFE粒子の粒径の違いに着目する。PTFE粒子の粒径を変えた実施例1、5、6及び比較例6、7の評価結果から、粒径が大きくなると(一次粒径が600nmより大きい700nmでは)、表面粗さが大きくなり、クリーニングブレード摩耗量も多くなっている(表1、図6参照)。図6は、実施例1、実施例5、実施例6、比較例6、比較例7のPTFE粒子の粒径とクリーニング性能の耐久性との関係を示す。これは、中間転写ベルト7の表層7aに存在しているPTFE粒子の粒径が大きいと、表層7aで突起形状を形成しやすくなり、クリーニングブレード21と点接触となったために、接触部から摩耗が進行したものと考えられる。一方、粒径が小さくなると(一次粒径が200nmより小さい100nm)では、中間転写ベルト7の表層7aの表面粗さは小さいが、クリーニングブレード21の摩耗量が19μmと多く、耐久性を満足できなかった。表層7aに析出したPTFE粒子が潤滑剤としての効果を発揮せず、クリーニングブレードの摩耗を進行させたためであると考えられる。本現象のメカニズムに関しては、後述して更に検討する。
以上の評価結果から、中間転写ベルト7のビッカース硬度は、19.9kg/mm以上、23.7kg/mm以下であることが好ましいことがわかる。また、中間転写ベルト7の表層7aに含有させる固体潤滑剤の粒径は、200nm以上、600nm以下であることが好ましいことがわかる。このように設定することで、長期にわたってより良好なクリーニング性能が得られる。
6.メカニズム
次に、クリーニング性能の耐久性と中間転写ベルトの硬度とに関係性がある要因を明らかにするために次のような実験を行った。
実験には、上述の評価実験でクリーニング耐久性を満足した実施例1の中間転写ベルト7と、耐久性を満足しなかった比較例1の中間転写ベルト7とをそれぞれ用いた本実施形態の画像形成装置100を用いた。実施例1の中間転写ベルト7は、表面層7aの硬化性材料71としてオプスターZ7501を用い、固体潤滑剤73として一次粒径が200nmのPTFE粒子を40重量部添加したものである。また、比較例1の中間転写ベルト7は、表面層7aの硬化性材料71としてオプスターZ7501を用い、固体潤滑剤73としてのPTFE粒子を添加しなかったものである。
実験では、中間転写ベルト7とクリーニングブレード21との間の滑り性を比較する指標として、静トルク測定を行った。静トルク測定は、次のようにして測定した。画像形成装置100から中間転写ベルトユニット30を取り出し、中間転写ベルトユニット30の駆動ローラ31の回転軸にトルクゲージ(東日製作所社製のトルクゲージBTG15CN)を装着した。そして、トルクゲージを中間転写ベルト7の回転方向に回しながら中間転写ベルト7が回転駆動し始める時の値を静トルク値として計測した。
(1)まず、通紙前の状態で静トルク測定を行った。(2)また、2k枚通紙後の静トルクを測定した。(3)その測定の終了後、クリーニングブレード21を新品に交換し、中間転写ベルト7の表面を清掃した後に、再び静トルクを測定した。(4)その測定の終了後、更に2k枚通紙した後の静トルクを測定した。(5)最後に、前記クリーニングブレード21の先端を清掃し、再び静トルク測定を行った。結果を図7に示す。
実施例1では、2k枚通紙後にクリーニングブレード21を新品に交換した直後、中間転写ベルト7の静トルクが大きく上昇し、中間転写ベルト7とクリーニングブレード21間の滑り性が悪化した。一方、比較例1では、クリーニングブレード21の交換の前後で中間転写ベルト7の静トルクの大きな変化は見られず、高い値のままであった。
その後、再び2k枚通紙すると、実施例1では中間転写ベルト7の静トルクは減少し、中間転写ベルト7とクリーニングブレード21との滑り性が良化した。その後、クリーニングレード21を清掃すると、再び中間転写ベルト7の静トルクが上昇した。一方、比較例1では、2k枚通紙後も、清掃後も、中間転写ベルト7の静トルクの大きな変化は見られなかった。
以上の結果から、実施例1の中間転写ベルト7では、クリーニングニップNcに潤滑剤のように作用する材料が留まることで、静トルクの値が減少し、滑り性が良化することがわかった。一方、比較例1ではその傾向は見られなかった。
そこで、クリーニングニップNcに留まって滑り性を付与している材料が何であるかを調べた。
まず、実施例1と比較例1の中間転写ベルト7を用いた画像形成装置100において2k通紙後に、クリーニングブレード21を取り出し、クリーニングブレード21の先端部に付着している物質の観察を行った。観察は、電界放射型走査型電子顕微鏡(フィリップス社製、XL−30SFEG)を用いて、加速電圧15kV、測定倍率10000倍の条件で行った。
その結果、実施例1と比較例1との両方において、クリーニングブレード21の先端部(自由端部)に、粒径が5〜6μmの粒子、粒径が200〜300nmの粒子、粒径が数100μmの針状の物質が主に付着しているのが確認された。
次に、上記クリーニングブレード21の先端部に付着していた各物質の元素分析を行った。元素分析には、エネルギー分散型X線分光法(EDX)法を用いた。
その結果、実施例1では、クリーニングブレード21の先端部に付着していた物質からは、C(炭素)、H(水素)、O(酸素)、Ca(カルシウム)、Si(ケイ素)、F(フッ素)が主に検出され、比較例1では、F(フッ素)が検出されなかった。
以上の観察及び元素分析の結果から、クリーニングブレード21の先端部には、次の物質が存在していることがわかった。まず、粒径が5〜6μmのトナー(C、H、O)、粒径が200〜300nmのトナー外添剤(Si)、及び数100μmの紙粉(C、H、O、Ca)である。そして、実施例1では、これらに加えて、粒径が200〜300nmのPTFE粒子(F)が存在していることがわかった。一方、比較例2では、F(PTFE粒子)が検出されなかった。
このことから、上記静トルクの測定実験の結果を踏まえると、中間転写ベルト7とクリーニングブレード21との滑り性を良化させる物質は、クリーニングニップNc、特に、クリーニングブレード21の先端部に留まっているPTFE粒子73であることがわかる。つまり、中間転写ベルト7の表層7aに存在するPTFE粒子73は、通紙中に何らかの外的要因により中間転写ベルト7の表層7aから放出されて(欠落、脱落)、クリーニングニップNc、特に、クリーニングブレード21の先端部へ供給されていることになる。
そこで、通紙中(画像形成中)に中間転写ベルト7の表層7aからPTFE粒子73が欠落する外的要因として中間転写ベルト7の表層7aに接する部材に着目した。本実施形態の画像形成装置100において中間転写ベルト7の表層7aが接する部材としては、感光ドラム1、二次転写ローラ8、クリーニングブレード21、転写材(紙)Sが挙げられる。これら部材がPTFE粒子73の放出に寄与しているかを調べる目的で、次のような実験を行った。
上記各部材を個々に中間転写ベルト7の表層7aに当接させて(下記表2の条件1〜4参照)、2k枚通紙、あるいはそれに相当する時間非通紙で回転させた。その後、静トルク値の測定、クリーニングブレード21の先端に付着した物質の観察を行った。また、その物質の元素分析を行い、PTFE粒子73が検出されるか確認した。
なお、通紙時(条件1)は、感光ドラム1を中間転写ベルト7から離間させた。また、感光ドラム1を当接させる際(条件3)は、感光ドラム1は予めトナーを抜き取っておき、トナーが中間転写ベルト7上に転写されないようにした。
結果を表2に示す。
クリーニングブレード21の先端部でPTFE粒子73が検出されたのは、通紙時(条件1)のみであり、この場合静トルク値も最も低かった。クリーニングブレード21、感光ドラム1をそれぞれ当接させた場合には、PTFE粒子73は検出されなかった(条件2、3)。また、二次転写ローラ9を当接させただけではPTFE粒子73は検出されず、この場合静トルクは通紙時と比べると高い値であった(条件4)。
以上の結果から、PTFE粒子73が中間転写ベルト7の表層7aから放出されるのは、二次転写部Tにおける中間転写ベルト7と転写材(紙)Sとの摺擦によるものであり、中間転写ベルト7の表層7aが削られてPTFE粒子73が放出されていることがわかる。
なお、比較例2の中間転写ベルト7を用いて、上記同様に2k枚通紙後のクリーニングブレード21の先端部に付着している物質の観察を行った。比較例2の中間転写ベルト7は、表層7aの硬化性材料71としてオプスターZ7501を用い、固体潤滑剤73として一次粒径が200nmのPTFE粒子を30重量部添加したものである。その結果、PTFE粒子73は、ほとんど検出されなかった。中間転写ベルト7の表層7aにPTFE粒子73が添加されているにもかかわらず、通紙により放出されなかった。このことから、中間転写ベルト7の表層7aが硬いと二次転写部N2で削れずに、PTFE粒子73がクリーニングブレード部Ncに供給されないものと考えられる。
また、比較例6の中間転写ベルト7を用いて、上記同様に2k枚通紙後のクリーニングブレード21の先端部に付着している物質の観察を行った。比較例6の中間転写ベルト7は、表層7aの硬化性材料71としてオプスターZ7501を用い、固体潤滑剤73として一次粒径が100nmのPTFE粒子を40重量部添加したものである。その結果、PTFE粒子73は、ほとんど検出されなかった。中間転写ベルト7の硬度は実施例1とほぼ同じであるにもかかわらず、PTFE粒子73が検出されなかった。このことから、PTFE粒子73の粒径が小さすぎると、クリーニングブレード21の先端部からすり抜けて留まらないために、潤滑剤としての効果を果たさなかったものと考えられる。
以上をまとめると、中間転写ベルト7のクリーニング性能の耐久性を向上させるためには、中間転写ベルト7の表層7aに存在するPTFE粒子73を放出させて、クリーニングニップNc、特に、クリーニングブレード21の先端部へ供給することが重要である。そのためには、中間転写ベルト7の表層7aの適当な削れ易さ、つまり適切な中間転写ベルト7の硬度が望まれる。
上述の評価結果より、次のことがわかる。中間転写ベルト7の硬度が低すぎると、中間転写ベルト7の表層7aの削れが促進されて、粗さが大きくなることで、トナーがすり抜けやすくなる。また、中間転写ベルト7の硬度が高すぎると、中間転写ベルト7の表層7aが削れず、PTFE粒子73が供給されなくなり、クリーニングブレード21の摩耗が進行することで、クリーニング不良が発生する。
このように、中間転写ベルト7の表層7aの樹脂材料を問わず、所定の粒径範囲内のPTFE粒子を添加し、かつ、中間転写ベルト7のビッカース硬度の値を所定の範囲にすることによって、良好なクリーニング性能を得ることができることがわかる。つまり、硬化性材料71の樹脂自体の硬度に応じてPTFE粒子73の添加量を調整し、所望の硬度にすることで、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
7.二次転写部における転写材の押圧力など
上述のような二次転写部N2において転写材Sによって削ることによって中間転写ベルト7の表層7aからの固体潤滑剤の放出する効果をより良好に得るためには、二次転写ローラ8による転写材Sへの押圧力も重要となる。これは、この押圧力が転写材Sによる中間転写ベルト7の表層7aの削れ量に影響するからである。
本発明者らの実験によると、二次転写ローラ8による転写材Sへの押圧力は、50mN/mm以上、180mN/mm以下であることが好ましい。換言すると、二次転写部N2で転写材Sは中間転写ベルト7に50mN/mm以上、180mN/mm以下の圧力で接触させられることが好ましい。このように設定することで、中間転写ベルトク7のリーニング性能の耐久性をより向上させ、かつ、長期にわたってより良好な画質を得ることができる。
一方、二次転写ローラ5による転写材Sへの押圧力が50mN/mmよりも小さい場合、中間転写ベルト7の表層7aが削れず、クリーニングブレード21の摩耗量が増加することがある。また、この場合、エンボス紙など表面が粗い転写材Sに対して中間転写ベルト7上のトナーを均一に転写できず、「転写ボソ」と呼ばれる画像不良が発生することがある。また、二次転写ローラ5による転写材Sへの押圧力が180mN/mmよりも大きい場合、中間転写ベルト7の表層7aが削れすぎることで表面粗さが大きくなり、クリーニング不良が発生することがある。また、この場合、中間転写ベルト7が回転駆動する際の負荷が大きくなることで、中間転写ベルト7を回転駆動させるモータトルクが大きくなるといった弊害が発生した。
なお、二次転写ローラ9による転写材Sへの押圧力は、フィルム式加圧力測定システム(商品名:PINCH,ニッタ社製)を用いて測定される。
また、クリーニングブレード21のゴム硬度は、JIS K 6253規格に準拠した測定方法(タイプAデュロメータ)で70度以上、80度以下であることが、良好なクリーニング性能と耐久性を得る点で好ましい。クリーニングブレードのゴム硬度が70度より低いと、中間転写ベルト7の表層7aに対してクリーニングブレード21が柔らか過ぎて、繰り返し使用による摩耗量が増加し、耐久性が満足できないことがある。一方、クリーニングブレード21のゴム硬度が80度より高いと、ゴムとしての弾性力が減少し、中間転写ベルト7の表層7aの微小な凹凸をきっかけにクリーニングブレード21の欠けが生じて、クリーニング不良が発生することがある。
なお、表層7aの厚さは、中間転写ベルト7の所望の寿命の長さによっても異なるが、1.0μm以上、5.0μm以下であることが好ましい。この範囲よりも厚さが小さいと十分な寿命が得られず、またこの範囲よりも厚さが大きいと表層7aの割れが発生する恐れがある。より好ましくは、1.5μm以上、3.5μm以下である。そして、表層7aが削られてクリーニングニップNcに供給する固体潤滑剤73を放出する機能を維持するためには、少なくとも中間転写ベルト7の寿命の期間に削られる表層7aの厚さ方向において、固体潤滑剤73は略均一に分散されていることが好ましい。
以上のように、表層側から測定した中間転写ベルト7のビッカース硬度は、19.9kg/mm以上、23.7kg/mm以下であることが好ましい。また、表層7aに含有させる固体潤滑剤73の平均粒径は、200nm以上、600nm以下であることが好ましい。また、二次転写部N2での転写材Sの中間転写ベルト7への押圧力は、50mN/mm以上、180mN/mm以下であることが好ましい。また、クリーニングブレード21のゴム硬度(JIS K 6253規格)は、70度以上、80度以下であることが好ましい。このように設定することで、中間転写ベルトユニット30の寿命の期間を通して満足するクリーニング性能を得ることができ、クリーニング性能の耐久性を向上できる効果をより顕著に得ることができる。
以上のように、本実施形態では、画像形成装置100は、トナーを担持する像担持体1と、一次転写部N1において像担持体上のトナーが転写される移動可能な中間転写体7と、を有する。また、画像形成装置100は、二次転写部N2において中間転写体上のトナーを中間転写体7に接触して移動する転写材上に転写させる二次転写手段8を有する。また、画像形成装置100は、中間転写体7の移動方向において二次転写部N2よりも下流かつ一次転写部N1よりも上流で中間転写体7に接触し、移動する中間転写体上のトナーを掻き取るクリーニングブレード21を有する。そして、中間転写体7は複数層からなり、その複数層のうち表層7aは、固体潤滑剤73を含有しており、二次転写部N2で転写材Sによって削られることでクリーニングブレード21と中間転写体7との接触部Ncに滞留する固体潤滑剤74を供給する。また、本実施形態によれば、像担持体上のトナーが転写され、そのトナーを転写材Sに転写するために担持して搬送する画像形成装置用の中間転写体7が提供される。この中間転写体7は、複数層からなり、その複数層のうち表層7aは固体潤滑剤73を含有しており、転写材Sによって削られることで固体潤滑剤73を放出する。
これにより、本実施形態によれば、長期にわたって中間転写体7の表面とクリーニングブレード21との摩擦によるクリーニングブレード21の摩耗を低減することができ、耐久性の向上を図ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、中間転写ベルトの表層に添加されたフッ素含有粒子が転写材によって表層ごと削られて欠落し、クリーニングブレードの先端部に滞留する。これにより中間転写ベルトとクリーニングブレードとの摩擦係数を低減し、かつ、繰り返し使用により継続的にフッ素粒子がクリーニングニップへ供給され続ける。その結果、長期に渡る使用後でもクリーニングブレードの摩耗を低減でき、耐久性の向上(装置の長寿命化)が可能となる。
[他の実施形態]
以上、本発明を具体的な実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、中間転写体は2層で構成されているが、上述の実施形態の基層に対応する層が複数層からなっていたり、上述の実施例の基層に対応する層の下層に単数又は複数の層が設けられていたりしてもよい。
また、中間転写体は、ベルト状のものに限定されるものではなく、例えばドラム状のものであっても、本発明を同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
画像形成装置は、インライン型のものに限定されるものではない。例えば、1個の感光体に対して複数の現像装置が設けられており、その感光体上に順次に形成されるトナー像を中間転写体に順次に一次転写した後、中間転写体上で重ね合されたトナー像を転写材に二次転写する方式の画像形成装置であってもよい。
1 感光ドラム
7 中間転写ベルト
7a 表層
7b 基層
8 二次転写ローラ
20 ベルトクリーナ
21 クリーニングブレード
71 硬化性材料
72 導電材料
73 固体潤滑剤

Claims (14)

  1. トナーを担持する像担持体と、前記像担持体に接触して一次転写部を形成し、前記一次転写部において前記像担持体上のトナーが一次転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体に接触して二次転写部を形成し、前記二次転写部において前記中間転写体上のトナーを転写材上に転写させる二次転写手段と、前記中間転写体に接触し、前記中間転写体を介して前記二次転写手段と対向する対向部材と、前記中間転写体の移動方向において前記二次転写部よりも下流かつ前記一次転写部よりも上流で前記中間転写体に接触し、移動する前記中間転写体上のトナーを掻き取るクリーニングブレードと、を有する画像形成装置において、
    重力方向に関して、前記二次転写部は前記一次転写部よりも上方に配置され、
    前記中間転写体は、固体潤滑剤を含有する表層を有する複数層からなり、前記固体潤滑剤は、前記二次転写部において搬送される転写材と前記中間転写体との摺擦により前記表層から放出され、移動する前記中間転写体の表面に保持された状態で前記クリーニングブレードと前記中間転写体との接触部に到達し、前記接触部において滞留することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記二次転写部よりも下流かつ前記一次転写部よりも上流に配置され、前記対向部材とともに前記中間転写体を張架する張架部材を備え、
    前記クリーニングブレードは、前記中間転写体を介して前記張架部材と対向する位置において前記中間転写体に接触していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードを支持する支持部材を備え、前記クリーニングブレードの一方の端部は前記支持部材によって固定された固定端であり、他方の端部は移動する前記中間転写体に接触する自由端であり、
    前記自由端は、重力方向に関して前記固定端よりも上方で、前記中間転写体の移動方向に対して上流側を向いて前記中間転写体に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体を複数備え、複数の前記像担持体は、重力方向と交差する方向に並設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記表層側から測定した前記中間転写体のビッカース硬度は、19.9kg/mm以上、23.7kg/mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記表層の厚さは、1.0μm以上、5.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記固体潤滑剤は、前記表層の厚さ方向において略均一に分散されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか項に記載の画像形成装置。
  8. 前記表層に含有される前記固体潤滑剤の平均粒径は、200nm以上、600nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか項に記載の画像形成装置。
  9. 前記表層に含有される前記固体潤滑剤は、フッ素含有粒子であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか項に記載の画像形成装置。
  10. 前記表層に含有される前記固体潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか項に記載の画像形成装置。
  11. 前記表層は、硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか項に記載の画像形成装置。
  12. 前記表層は、アクリル共重合体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか項に記載の画像形成装置。
  13. 前記二次転写部において、転写材は前記中間転写体に対して50mN/mm以上、180mN/mm以下の圧力で接触した状態で搬送されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか項に記載の画像形成装置。
  14. 前記クリーニングブレードのゴム硬度(JIS K 6253規格)は、70度以上、80度以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか項に記載の画像形成装置。
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