JP2000264474A - シームレスベルト及び半導電性部材 - Google Patents

シームレスベルト及び半導電性部材

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JP2000264474A JP6983699A JP6983699A JP2000264474A JP 2000264474 A JP2000264474 A JP 2000264474A JP 6983699 A JP6983699 A JP 6983699A JP 6983699 A JP6983699 A JP 6983699A JP 2000264474 A JP2000264474 A JP 2000264474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シームレスベルトの抵抗値が例えば1013
104 Ω・cmの範囲の、いわゆる半導体領域の電気抵
抗がシームレスベルトの全面に渡り均一で安定化されて
いるシームレスベルトを提供すること。 【解決手段】 導電性物質を含有させた合成樹脂を、筒
状に成形した半導電性シームレスベルトであって、導電
性物質が樹脂被覆カーボンブラックであり、合成樹脂が
可撓性を有する合成樹脂であることを特徴とする半導電
性シームレスベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シームレスベルト
とそれを使った半導電性部材に関するものであり、詳し
くは、複写機、プリンターの感光体、中間転写ベルト、
紙搬送転写ベルト、中間転写ドラム、等に好適に使用さ
れるシームレスベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の中間転写ベルトを使用して
記録画像の形成を行う画像形成装置としては、特開昭6
2ー206567号公報等に開示されたものが知られて
いる。また、複写機の帯電ロール、現像ロール、転写ロ
ール、定着ロールやプリンターの分野においては、半導
電性ロールが注目されている(例えば特開平8−157
721号公報、特開平9−222788号公報など)。
図1は電子写真装置の側面図である。図中、1は被帯電
体としての感光ドラム、6は中間転写体である導電性ベ
ルトである。1の感光ドラムの周囲には、帯電器として
の帯電ロール2、半導体レーザー等を光源とする露光光
学系3、トナーが供給され現像機能を行う現像ロール4
及び残留トナーを除去するためのクリーナー5よりなる
電子写真プロセスユニットが配置されている。
【0003】動作について説明する。まず矢印方向に回
転する感光ドラム1の表面を帯電ロール2により一様に
帯電する。次に、光学系3により図示しない画像読み取
り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光ドラ
ム1上に形成する。静電潜像は現像ロール4でトナー像
に現像される。このトナー像を、転写ロール10により
半導電性ベルト6へ静電転写し、搬送ローラ9と転写ロ
ーラ12の間で記録紙11に転写する。
【0004】中間転写用の半導電性ベルト6としては、
ポリアミド、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等の合
成樹脂にアセチレンブラック、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラック等のカーボンブラックを添加し、これ
を数十〜数百μm程度の厚さに成形することで所定の抵
抗の中間転写体(半導電性ベルト6)を得ている。(特
開昭63−311267、特開平5−170946、特
開平6−228335公報等) 帯電ロール2、転写ロール10としては、オゾンの発生
を低減すべくローラ帯電法、ロール転写法等が開発され
ている。(特開平1−20518号公報、1−2117
79号公報)
【0005】このような帯電装置、転写装置に用いられ
るロールとしては、導電性支持体(金属軸芯)とその外
周に(半)導電性弾性体層を被覆したものが用いられて
いる。現像ロール4としては、表面層に駆動ローラの周
長よりも長目の周長を有し、駆動ローラーに外装された
筒状の薄層現像スリーブを用いた構成のものが提案され
ており、そのスリーブとして熱可塑性樹脂である結晶
性、非晶性ナイロンを用いたものが提案されている。
(特開平4ー247478号公報) また、このような半導電性ローラの製造方法として、特
開平3ー59682号公報、特開平5ー248426号
公報では、表面性の優れた収縮、未収縮のシームレスチ
ューブを被覆した構造の帯電、転写、現像用の半導電性
ローラが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シームレスベルトは、その表面における抵抗値が各場所
によって変動しており、均一でないと言う問題がある。
上記の特許公報においても指摘されている様に、半導体
領域の抵抗値の全面的な均一化は特に難かしいが、抵抗
値にムラがあると複写ムラや白抜けの原因となるので、
出来る限り均一な抵抗値のものが望まれていた。本発明
は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、
表面の抵抗値が均一なシームレスベルトを提供すること
にある。即ち、シームレスベルトの抵抗値が例えば10
13〜104 Ω・cmの範囲の、いわゆる半導体領域の電
気抵抗がシームレスベルトの全面に渡り均一で安定化さ
れているシームレスベルトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、シームレスベル
トに配合されるカーボンブラックとして特殊の加工カー
ボンブラックを使用することにより、上記の目的を達成
し得るとの知見を得た。本発明は、上記の知見に基づき
完成されたものであり、その要旨は、導電性物質を含有
させた合成樹脂を、筒状に成形した半導電性シームレス
ベルトであって、導電性物質が樹脂被覆カーボンブラッ
クであり、合成樹脂が可撓性を有する合成樹脂であるこ
とを特徴とする半導電性シームレスベルトに存する。ま
た、樹脂被覆カーボンブラックが以下に定義するAに対
するBの値(B/A)が1.1以上の被覆安定化特性を
有する態様等も本発明の特徴の一つとなる。
【0008】A:樹脂被覆カーボンブラックに使用した
のと同一種類のカーボンブラックを塩化ビニル樹脂に配
合して得られる組成物の抵抗値が1013〜104 Ω・c
mに変化するのに要するカーボンブラックの配合量。 B:樹脂被覆カーボンブラックを塩化ビニル樹脂に配合
して得られる組成物の抵抗値が1013〜104 Ω・cm
に変化するのに要するカーボンブラックの配合量。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシームレスベルトは、可撓性を有する合成樹脂
に樹脂被覆カーボンブラックを配合して成る組成物を筒
状に成形して成る。 (1)可撓性を有する合成樹脂 合成樹脂を内径20mm、厚さ0.2mm、長さ20m
mの円筒状に成形し、その筒状体を軸を水平になるよう
に置き、上方から長さ20mm、重さ100gの錘を軸
と平行方向に乗せた時、筒状体の直径が20%以上変形
する(すなわち16mm以下となる)合成樹脂である。
それ以上の剛性を有する(硬い)合成樹脂の場合は、シ
ームレスベルトが硬くなり、ベルトとした場合にベルト
を支持するロール間に適切に張りめぐらすことが難しく
なり、駆動力が伝わらず、ベルトとしての使用は難し
い。また、樹脂被覆カーボンブラックと基材樹脂との親
和性も低下する。
【0010】(2)合成樹脂の種類 本発明に使用し得る合成樹脂としては、具体的には下記
の材料等が例示できる。例えば、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密
度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合
体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド、
ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテ
ル、ポリイミド、液晶性ポリエステル、ポリスルフォ
ン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファ
イト、ポリビスアミドトリアゾール、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロ
エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、アクリル、アクリル酸、アルキルエス
テル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエ
ーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合
体、ポリウレタン共重合体の1種又はこれらの混合物等
である。
【0011】熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキ
シ、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメリットイミ
ド、メラミン、フェノール、不飽和ポリエステルの1種
又はこれらの混合物からなるものが使用される。これら
の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は、必要強度、導電性等
から用途に応じ適宜選択して用いられる。発明の効果を
著しく損なわない限り、基材樹脂である熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂に可塑剤、充填剤、難燃剤等の付加成分を
更に添加して良いことは勿論である。
【0012】(3)樹脂被覆カーボンブラック ベース樹脂である熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に配合さ
れる樹脂被覆カーボンブラックとは次記の様なものであ
る。樹脂被覆カーボンブラック自体は、既に、本発明者
らの一人によって提案され公知である(例えば、特開平
9−71733号公報、同9−95625号公報、同9
−124969号公報など)。斯かるカーボンブラック
は、樹脂で被覆されているため、表面がある程度絶縁性
であり、ゴムや合成樹脂に配合する際の分散性に優れる
等の特徴を有する。図5は、塩化ビニル樹脂にカーボン
ブラックを配合した際の配合量と当該組成物の体積固有
抵抗との関係を示す模式的説明図であるが、同図に示す
通り、配合量の増加に従って体積固有抵抗は小さくな
る。
【0013】ところが、通常のカーボンブラック(すな
わち、樹脂被覆していないカーボンブラック)を配合し
た組成物(a)の場合は、配合量の増加に伴い抵抗が急
激に低下するのに対し、樹脂被覆カーボンブラックを配
合した組成物(b)の場合は徐々に低下する。従って、
組成物(a)の場合の抵抗は、カーボンブラックの混練
条件や成形条件の僅かな差による分散状態の微妙な違い
や配合量の微小変動により、抵抗の絶対値のみでなく半
導電層の各所の変動が大きくなる。これに対し、組成物
(b)の場合の抵抗は、配合量の増加に伴う抵抗値の変
化(減少)が緩やかなので配合量による抵抗値のコント
ロールが容易であり、半導電層の樹脂被覆カーボンブラ
ックの濃度差による抵抗の変動が少なく、安定した抵抗
が得られる。
【0014】本発明においては、上記の様な樹脂被覆カ
ーボンブラックの特性を被覆安定化特性と称する。上記
の被覆安定化特性の大きさは、カーボンブラックの種
類、被覆用の樹脂の種類および被覆量によって異なる。
そこで、本発明においては、以下に定義するAに対する
Bの値(B/A)が1.1以上、好ましくは1.3以
上、更に好ましくは1.5以上の被覆安定化特性が得ら
れる様に上記の条件を適宜決定するのがよい。 A:樹脂被覆カーボンブラックに使用したのと同一種類
のカーボンブラックを塩化ビニル樹脂に配合して得られ
る組成物の体積固有抵抗値が1013〜104 Ω・cmに
変化するのに要するカーボンブラックの配合量。 B:樹脂被覆カーボンブラックを塩化ビニル樹脂に配合
して得られる組成物の体積固有抵抗値が1013〜104
Ω・cmに変化するのに要するカーボンブラックの配合
量。
【0015】使用するカーボンブラックの種類は、特に
制限されず、例えば、チャンネルブラック、アセチレン
ブラック、ファーネスブラック等が挙げられ、これらは
単独又は2種以上を混合して使用することも出来る。ま
た、使用するカーボンブラックのDBP吸油量は、通常
35〜350ml/100g、好ましくは45〜150
ml/100gである。DBP吸油量が35ml/10
0gより小さい場合は、被覆する樹脂とカーボンブラッ
クとの親和性が低く、カーボンブラックから樹脂皮膜が
剥がれる現象が見られる。DBP吸油量が350ml/
100gを超えると被覆する樹脂がカーボンブラック中
に吸収され過ぎ、被覆樹脂を多く必要とする。
【0016】使用するカーボンブラックの平均一次粒子
径(樹脂被覆前の粒子径)は、通常10〜300nm、
好ましくは15〜100nmである。粒子径が小さ過ぎ
ると導電性および分散性が低下することがある。カーボ
ンブラックの被覆に使用する樹脂は、特開平9−717
33号公報、同9−95625号公報および同9−12
4969号公報に記載の各種の樹脂を適宜選択して使用
することが出来る。好ましくは、熱硬化性樹脂であり、
後述する溶融押出成形において、カーボンブラックから
剥離することのないように、溶融押出成形時の温度で分
解することが無く、押出機による溶融混練に耐える被膜
の丈夫さ、すなわち当該硬化性樹脂をガラス面に塗布硬
化させた際における鉛筆硬度にして、B以上の硬度を有
していることが望ましい。特に特開9−124969号
公報に記載の多官能エポキシ樹脂が推奨される。
【0017】多官能エポキシ樹脂の具体例としては、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂(住友化学社製の「スミ
エポキシ」ELM−100、120、434等)、トリ
フェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ社製「エピコート」1032H50、1032
H60等)、テトラフェニルグリシジルメタン型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコート」103
1等)、アミノフェノール型エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ社製「エピコート」154、630等)、ジア
ミドジフェニルメタン型エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ社製「エピコート」604等)、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート」152等)、オルソクレゾール型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製「エピコート」180S65
等)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ社製「エピコート」157S65、1
57S70等)等が挙げられる。
【0018】これらのエポキシ樹脂は、常法に従い、硬
化剤や硬化促進剤と共に使用される。カーボンブラック
に対する樹脂の被覆量は、使用するカーボンブラックの
DBP吸油量(吸油性能)にもよるが、DBP吸油量が
35〜350ml/100gのものであれば、カーボン
ブラックと樹脂(硬化、乾燥後)の合計量に対する樹脂
の割合として、通常3〜40重量%の範囲から選択され
る。樹脂分が少なすぎると被覆安定化特性が満足され
ず、樹脂分が多すぎると絶縁性が大きくなりすぎて使用
し難くなる。被覆方法としては、例えばスクリュー型攪
拌機付き容器にカーボンブラックの水スラリーを収容
し、攪拌下に樹脂溶液を少量ずつ添加する方法を採用す
ることが出来る。
【0019】斯かる処理により、水に分散していたカー
ボンブラックは樹脂溶液側に移行して約1mmの粒子と
なる。その後、水切りを行い、次いで、真空乾燥して溶
剤と水とを除去することにより、樹脂被覆カーボンブラ
ックを得ることが出来る。樹脂被覆カーボンブラックの
熱可塑性樹脂への配合量は、原料カーボンブラックの種
類により異なるが、アセチレンブラックを原料とした場
合、熱可塑性樹脂100重量部に対して3〜40重量部
配合するのが好ましく、ケッチェンブラックを原料とし
た場合には1〜20重量部が好ましい。上記範囲未満で
は導電性に乏しく、上記範囲以上では製品の外観が悪く
なり、また材料強度が低下して好ましくない。
【0020】(4)付加成分 前述した基材樹脂に添加される付加的成分の具体例を挙
げる。フィラーとしては例えば、炭酸カルシウム、タル
ク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ゼオラ
イト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、
ベントナイト、モンモリナイト、アスベスト、中空ガラ
ス球、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、アルミニ
ウム繊維、ステンレススチール繊維、黄銅繊維、アルミ
ニウム粉末、木粉、もみ殻、グラファイト、金属粉、導
電性金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩等のフィ
ラーをあげることができる。
【0021】また添加剤としては、例えば、酸化防止剤
(フェノール系、硫黄系等)、滑剤、有機・無機系の各
種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、
発泡剤、可塑剤、銅害防止剤、架橋剤、流れ性改良剤等
あげることができる。基材樹脂と樹脂被覆カーボンブラ
ック、要すれば付加的成分からなる組成物は、所望によ
り一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロー
ル、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の通常
の混練機を用いて混練ペレット化するのが好ましい。押
出機等で各成分を各々別々に混練してペレット状とし、
これらをブレンドして加工に供するか、更にコンパウン
ドにした後成形することもできる。
【0022】(5)シームレスベルトの製造方法 シームレスベルトの製造方法としては、例えば、合成樹
脂に樹脂被覆カーボンブラックを配合して2軸押出機等
にて混練してペレットを作り、このペレットを環状ダイ
を装着した押出機から押出し、要すれば押し出された筒
状体の内部に挿入された冷却マンドレルにて冷却する等
して寸法を規制し、半導電性の筒状体を得、これを軸方
向と交差する方向に切断して筒状のシームレスベルトを
得る方法。(特開平4ー255332号公報参照)ま
た、その他の製造方法として、有機高分子材料の例え
ば、ポリイミド溶液に樹脂被覆カーボンブラックを分散
させ、筒状シリンダーの内面に塗布し、筒状シリンダー
を回転させてその遠心力により筒状のシームレスベルト
を得る遠心成形等があげられる。(特開平5ー7725
2号公報参照)
【0023】さらに、例えば、溶剤可溶性のフッ化ビニ
リデンー四フッ化エチレン共重合体を溶剤に溶解し、樹
脂被覆カーボンブラックを分散させ、このコーティング
液を金属製円筒体上に塗布し、乾燥硬化した後、硬化し
た樹脂筒状体を金属製円筒体から抜き取る事により筒状
のシームレスベルトを得るディッピング方式等があげら
れる。(特開平7ー092825号公報参照)
【0024】(6)シームレスベルトの熱収縮率 これらの方法によって得られた半導電性シームレスベル
トはいずれも本発明の半導電性ロールとして使用可能で
あるが、本発明の半導電性シームレスベルトとしては熱
収縮率が10%以下の物が好適に用いられる。より好ま
しい熱収縮率は、5%以下である。10%を越えると電
気抵抗の変動が生じ易くなる。尚、熱収縮率が10%以
下となるようにある程度の延伸加工を施すことも可能で
ある。熱収縮率が小さいと云うことはシームレスベルト
に残留する成型時の応力が小さいことを意味し、導電性
が安定したベルトとなる。熱収縮率の測定は、被測定シ
ームレスベルトを押し出し方向に切り開き、100℃の
恒温槽に60分間加熱保持した後恒温槽から取り出し、
常温まで放冷して円周方向の長さを測り、{(元の長さ
−加熱後の長さ)/(元の長さ)}×100(%)で表
した値である。
【0025】(7)ロール シームレスベルトを掛け渡すために装置内に設けられる
ロールは、シームレスベルトに適度の張力を加えて張架
しうる強度を有するものであればどのような材質のもの
でもよいが、具体的には芯材をステンレス鋼製、アルミ
ニウム合金製、銅合金製等の導電性の金属棒、パイプ等
とし、芯材そのものもしくは芯材の表面に合成樹脂等の
層や後述する弾性層等を設けたものをロールとして用い
るのが良い。
【0026】(8)ロールの径 ロールの径は、装置の大きさ等により適宜決めれば良い
が、あまりに細いとロールに掛け渡されるベルトがロー
ル面上で極端に屈曲されることになるので、通常、直径
20mm以上とされる。直径60mm以上のロールを用
いてロール間を掛け渡す構造とすると、装置的に大きな
ものとなるので、この場合は、ロールの表面に半導電性
ベルト(チューブ)を被覆した半導電性ロール(ドラ
ム)を用いた方が良い。
【0027】(9)ロール表面層 ベルトが張架される複数本のロールは通常、金属製のも
のが用いられるが、その複数本のロールのうちの少なく
とも一本のロールの表面には、シームレスベルトとの摩
擦力を向上させる、クッション効果を得る、等のために
合成樹脂、弾性材料等からなる表面層が設けられるのが
好ましい。このロール表面層は、芯材(通常はステンレ
ス、アルミニウム等の金属からなるロール)の表面に設
けられる、この表面層を構成する合成樹脂等にカーボン
ブラック等の導電性材料を配合し、半導電層とする場合
もある。
【0028】ロール表面層は弾性を有する弾性層とされ
るのが良く、例えば、ポリウレタン、天然ゴム、ブチル
ゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジ
エンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等のゴ
ム状材料やこれらの混合物が代表的材料として挙げられ
る。上記のゴム材料の場合には通常、加硫剤、加硫助
剤、軟化剤、その他の添加剤が添加される。表面層は、
芯材の表面に、射出成形、プレス成形、押し出し成形な
どの任意の手段により形成すれば良い。
【0029】また用途によっては発泡体として用いるこ
ともできる。表面層自体を半導電層とする場合には、ベ
ース樹脂に樹脂被覆カーボンブラックを配合した半導電
性樹脂組成物を用いればなおよい。表面層の抵抗値とし
てはシームレスベルトの抵抗値に近い抵抗値とするのが
よく、通常は、平均値にして、シームレスベルトの抵抗
値の10倍から1/1000程度の抵抗値に調節され
る。シームレスベルトの抵抗値を安定させる上からは、
ロール表面層の抵抗値は、平均値にして、シームレスベ
ルトの抵抗値より低い(導電性が大きい)ことが望まし
く、平均値にして、1/1から1/1000程度、好ま
しくは1/10から1/100程度とするのが良い。
【0030】すなわち、表面層をシームレスベルトと同
等もしくは、シームレスベルトより導電性に優れたもの
とする。このようにすることにより、シームレスベルト
の比較的均一な抵抗値が表面層に阻害されることなく安
定に発揮される。 (10)シームレスベルトの導電性 半導電性シームレスベルトとして好ましい抵抗値は、1
×1013〜104 Ω・cmの範囲である。導電性が高
(抵抗が低)すぎると、印加した電圧がリークしてしま
う場合がある。導電性が低(抵抗が高)すぎると、導電
性能が不足し、導電効果が現れない。 (11)シームレスベルトの導電性のバラツキ シームレスベルトの導電性のばらつき範囲は、最大値が
最小値の10倍以内であることが望ましい。導電性のバ
ラツキとは体積固有抵抗を、後述する測定方法に従い、
20箇所測定し、その最大値と最小値との差を云う。
【0031】また、平均値とは20箇所の測定値の平均
値である。また、シームレスベルトはロール間に張架さ
れ、ロール上ではロールのアールに沿って曲げられた状
体となり、屈曲が繰り返されることになる。屈曲を繰り
返す内にベルト中のカーボンブラックのストラクチャー
間距離が変化してわずかに抵抗値が変動することが考え
られるため、ばらつきは5倍以内であることが好まし
い。ばらつきが10倍を越えるとシームレスベルトの性
能、即ち、転写、現像等の性能が低下し転写ムラや現像
ムラ等が多くなる。
【0032】(12)シームレスベルトの厚み シームレスベルトの厚みは、25μm 以上、1000μ
m以下が好ましく、50μm以上200μm以下が更に
好ましい。25μm未満になるとその材質にもよるが、
シームレスベルトが伸びやすくなるため、色ズレ、色ム
ラ等の問題が生じる。また、耐電圧が不足し、転写に必
要な電荷を付与するのに充分な電圧を印可することが出
来なくなる。また、1000μmを越えるとその材質に
もよるが、柔軟な変形が困難になるため小径ロールによ
る均一な速度の駆動が出来ず、画像の転写ずれが生じ
る。さらに、静電容量が小さくなるため、高電圧を印加
しないと転写に必要な電荷を付与することが出来ず、電
源装置の高コスト化、大型化のみならず、周辺機器部品
間での放電等の問題が生じる。
【0033】(13)引張伸び シームレスベルトはロール間に張架されて用いられるの
で、使用時にテンションによって伸長することのない強
度も必要となる。装置構造にもよるが、通常ベルトには
単位断面積当たり0.01kg/mm2 〜1kg/mm
2 程度のテンションが加わるので、この程度の張力付加
時にベルト周長が、無負荷時のベルト周長に対し、10
1%以下であるのが好ましく、更に好ましくは、10
0.5%以下である。101%を超えれば、マシン構成
によっては、ベルトにテンションを与えることが出来な
くなる。通常は、60℃の恒温槽内で、ベルトの周方向
に単位断面積当たり0.1kg/mm2 の荷重を加えて
24時間保持した際の元の長さ(50cm)に対する伸
長後の長さの割合(%)が101%以内となるように材
質、組成等を設定する。
【0034】(14)ベルトの応用構造 シームレスベルトは通常は単層で十分な強度、性能を発
揮するが、場合によっては補強、摩擦係数調整等のため
裏側(ロールと接する側)に裏打ち層を設けても良い。
シームレスベルトの抵抗値を安定させる上からは、裏打
ち層の抵抗値は、平均値にして、シームレスベルトの抵
抗値より低い(導電性が大きい)ことが望ましく、抵抗
値の平均値にして、1/1から1/1000程度、好ま
しくは1/10から1/100程度とするのが良い。裏
打ち層の材質はシームレスベルトに用いられる樹脂と同
様の樹脂が適宜用いられる。選択に当たってはシームレ
スベルトとの接着性、強度等を考慮して決定すればよ
い。また、裏打ち層にガラス繊維、炭素繊維等の繊維質
補強材を埋設する事もできる。
【0035】シームレスベルトを弾性層を有するもしく
は有さないロール(ドラム)に被せる、即ち被着して半
導電性ロールを構成する事も出来るがこのような場合に
はシームレスベルトの厚みは比較的薄くても良く、25
μm以上1000μm以下程度の厚さのシームレスベル
トが好適に用いられる。ロール等にシームレスベルトを
被着して用いる場合、通常直径5mm〜40mm位は一
般にロールと呼ばれる部材に使用される。例えば、帯電
ロール、現像ロール、転写ロール、定着ロールである。
また、直径100mm〜250mm位は一般にドラムと
呼ばれる部材に使用される。例えば、中間転写ドラム、
紙搬送転写ドラムである。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。 (1)樹脂被覆カーボンブラックの調製 平均一次粒子径40nm、DBP吸油量65ml/10
0gのカーボンブラック540gと純水1450gとを
ホモミキサーにより6,000rpmで30分混合処理
してスラリーを調製した。一方、油化シェルエポキシ社
製「エピコート630」60gをトルエン600gに溶
解してエポキシ樹脂溶液を調製した。スクリュー型攪拌
機付き容器に上記のスラリーを移し、約1,000rp
mの攪拌条件下、上記のエポキシ樹脂溶液を少量ずつ添
加した。約15分経過後、水に分散していたカーボンブ
ラックは、全量トルエン側に移行して約1mmの粒子と
なった。
【0037】次いで、60メッシュの金網で水切りを行
なった後、真空乾燥機により70℃で7時間乾燥し、水
とトルエンとを除去した。得られた樹脂被覆カーボンブ
ラック中の平均残存トルエン量は50ppm、平均残存
水量は500ppmであった。また、上記の樹脂被覆カ
ーボンブラックの本文で定義した被覆安定化特性(B/
A)は、1×107 Ω・cmにおいて、23/18=1
.28であった。
【0038】実施例1 表1にて示した配合の材料を直径30mmの押出機で混
練した。得られたペレットを環状ダイ付きの直径40m
mの押出機を用い、環状ダイより下方に溶融チューブの
状態で押し出した。押出した溶融チューブを、環状ダイ
と同一軸線上に支持棒を介して装着した冷却マンドレル
外表面に接しめて冷却固化させて筒状体とした。筒状体
の中に設置した中子と、外側に設置したロールにより、
筒状体を円筒形を保持した状態で引き取りつつ軸方向と
交差する方向に切断してシームレスベルトを得た。シー
ムレスベルトは厚み150μm 、口径170mm、長さ
300mmであった。 得られたシームレスベルトの体
積抵抗の最小値は1.2×109 Ω・cmであり最大値
は8.4×109 Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は
2.6×109 Ω・cmであった。使用したPBTの可
撓性は55%であった。
【0039】得られたシームレスベルトの60℃、0.
1Kg/mm2 荷重における伸びは100.2%であっ
た。得られたシームレスベルトの熱収縮率は0.6%で
あった。シームレスベルトを図1の装置に中間転写ベル
トとして設置し、画像を評価したところ、画像ムラは認
められなかった。図1中のロール7、8、9は、ロール
7及び8は直径30mmのアルミニウム製ロールとし、
ロール9は直径50mmのアルミニウム製金属芯の外周
にウレタンゴムにカーボンブラック(平均一次粒径40
nm、DBP吸油量65ml/100g)を15重量%
混入した組成物から成る抵抗値108 Ω・cmの導電性
弾性体層(体積抵抗の20点平均値2.6×108 Ω・
cm)を設けた直径60mmのロールを用いた。
【0040】比較例1 表1に示したごとく導電性フィラーとしてのカーボンブ
ラックを樹脂被覆されていないカーボンブラック(平均
一次粒子径40nm、DBP吸油量65ml/100
g)に変えた以外は、実施例1と同様にシームレスベル
トを得た。得られたシームレスベルトの体積抵抗の最小
値は4.1×108 Ω・cmであり最大値は1.1×1
10Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は1.9×10
9Ω・cmであった。使用したPBTの可撓性は55%
であった。得られたシームレスベルトの60℃、0.1
Kg/mm2 荷重における伸びは100.2%であっ
た。得られたシームレスベルトの熱収縮率は0.6%で
あった。得られた中間転写ベルトを図1の装置に中間転
写ベルトとして設置し、画像を評価したところ、画像ム
ラが発生した。
【0041】実施例2 表1にて示した配合の材料を直径30mmの押出機で混
練した。得られたペレットを環状ダイ付きの直径40m
mの押出機を用い、環状ダイより下方に溶融チューブの
状態で押し出した。押出した溶融チューブを、環状ダイ
と同一軸線上に支持棒を介して装着した冷却マンドレル
外表面に接しめて冷却固化させて筒状体とした。筒状体
の中に設置した中子と、外側に設置したロールにより、
筒状体を円筒形を保持した状態で引き取りつつ軸方向と
交差する方向に切断してシームレスベルトを得た。得ら
れたシームレスベルトの体積抵抗の最小値は1.3×1
9 Ω・cmであり最大値は9.1×109 Ω・cm、
体積抵抗の20点平均値は3.1×109Ω・cmであ
った。得られたシームレスベルトの60℃、0.1Kg
/mm2 荷重における伸びは100.4%であった。使
用したETFEの可撓性は100%であった。得られた
シームレスベルトの熱収縮率は2.2%であった。
【0042】得られた厚み150μm 、口径170m
m、長さ300mmのシームレスベルトを、口径160
mmの金属製の円筒状の芯材の外周にウレタンゴムにカ
ーボンを混入した組成物から成る抵抗値108 Ω・cm
の導電性弾性体層を設けた直径170mmのドラムに嵌
め込み、中間転写ドラムを作成した。得られた中間転写
ドラム13を図2の装置に設置し、画像を評価したとこ
ろ、画像ムラの発生は認められなかった。
【0043】比較例2 表1に示したごとく導電性フィラーとしてのカーボンブ
ラックを樹脂被覆されていないカーボンブラック(平均
一次粒子径40nm、DBP吸油量65ml/100
g)に変えた以外は、実施例2と同様にシームレスベル
トを得た。得られたシームレスベルトの体積抵抗の最小
値は5.3×108 Ω・cmであり最大値は2.0×1
10Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は2.9×10
9Ω・cmであった。使用したETFEの可撓性は10
0%であった。得られたシームレスベルトの60℃、
0.1Kg/mm2 荷重における伸びは100.4%で
あった。得られたシームレスベルトの熱収縮率は2.2
%であった。得られたシームレスベルトを実施例2と同
様にして中間転写ドラム13とし、図2の装置に設置
し、画像を評価したところ、画像ムラが発生した。
【0044】実施例3 表1にて示した配合の材料をサイドミルにて混合攪拌
し、得られた溶液を遠心成形装置を用いて筒状に成形し
た。遠心成形装置の温度を徐々に上昇せしめ120℃で
120分間、シリンダー回転数は1000rpmに保持
して成形した。成形後、温度450℃で20分間熱風乾
燥機中に入れてポリアミド酸の脱水重合反応を完結させ
た。得られたシームレスベルトの体積抵抗の最小値は
1.1×1011Ω・cmであり最大値は8.8×1011
Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は2.4×1011Ω
・cmであった。使用したPIワニスの可撓性は40%
であった。得られたシームレスベルトの60℃、0.1
Kg/mm2 荷重における伸びは100.2%であっ
た。得られたシームレスベルトの熱収縮率は0.3%で
あった。得られた厚み150μm 、口径300mm、長
さ300mmのシームレスベルトを紙搬送転写ベルト1
4として用い、図3の装置に設置し、画像を評価したと
ころ、画像ムラの発生は認められなかった。
【0045】比較例3 表1に示したごとく導電性フィラーとしてのカーボンブ
ラックを樹脂被覆されていないカーボンブラック(平均
一次粒子径40nm、DBP吸油量65ml/100
g)に変えた以外は、実施例3と同様にしてシームレス
ベルト及び紙搬送転写ベルトを得た。得られたシームレ
スベルトの体積抵抗の最小値は1.1×1010Ω・cm
であり最大値は1.0×1012Ω・cm、体積抵抗の2
0点平均値は4.1×1011Ω・cmであった。使用し
たPIワニスの可撓性は40%であった。得られたシー
ムレスベルトの60℃、0.1Kg/mm2 荷重におけ
る伸びは100.2%であった。得られたシームレスベ
ルトの熱収縮率は0.3%であった。得られた紙搬送転
写ベルト14を図3の装置に設置し、画像を評価したと
ころ、画像ムラが発生した。
【0046】実施例4 表1にて示した配合の材料をサイドミルにて混合攪拌
し、得られた溶液をアルミニウム製円筒体上に塗布し、
乾燥硬化した後形成された樹脂筒状体を抜き取りシーム
レスベルトを得た。得られたシームレスベルトの体積抵
抗の最小値は1.4×1011Ω・cmであり最大値は
8.4×1011Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は
4.2×1011Ω・cmであった。使用したPVDFを
主原料とする原料の可撓性は70%であった。得られた
シームレスベルトの60℃、0.1Kg/mm2 荷重に
おける伸びは100.3%であった。得られたシームレ
スベルトの熱収縮率は0.2%であった。得られたシー
ムレスベルトは厚み150μm 、口径170mm、長さ
300mmであった。このシームレスベルトを口径16
0mmの金属製の円筒芯材の外周にウレタンゴムにカー
ボンを混入した組成物から成る抵抗値109 Ω・cmの
導電性弾性体層を設けた直径170mmのドラムに嵌め
込み、紙搬送転写ドラムとした。得られた紙搬送転写ド
ラム15を図4の装置に設置し、画像を評価したとこ
ろ、画像ムラの発生は認められなかった。
【0047】比較例4 表1に示したごとく導電性フィラーとしてのカーボンブ
ラックを樹脂被覆されていないカーボンブラック(平均
一次粒子径40nm、DBP吸油量65ml/100
g)に変えた以外は、実施例4と同様にシームレスベル
トと紙搬送転写ドラムを得た。得られたシームレスベル
トの体積抵抗の最小値は1.1×1010Ω・cmであり
最大値は1.0×1012Ω・cm、体積抵抗の20点平
均値は4.1×1011Ω・cmであった。使用したPV
DFを主原料とする原料の可撓性は70%であった。得
られたシームレスベルトの60℃、0.1Kg/mm2
荷重における伸びは100.3%であった。得られたシ
ームレスベルトの熱収縮率は0.2%であった。得られ
た紙搬送転写ドラム15を図4の装置に設置し、画像を
評価したところ、画像ムラが発生した。
【0048】実施例5 表1にて示した配合の材料をサイドミルにて混合攪拌
し、得られた溶液をアルミニウム製円筒体上に塗布し、
乾燥固化した後樹脂筒状体を抜き取ることによりシーム
レスベルトを得た。得られたシームレスベルトの体積抵
抗の最小値は1.4×107 Ω・cmであり最大値は
4.2×107 Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は
3.1×107Ω・cmであった。使用したPVDFを
主原料とする原料の可撓性は70%であった。得られた
シームレスベルトの60℃、0.1Kg/mm2 荷重に
おける伸びは100.3%であった。得られたシームレ
スベルトの熱収縮率は0.2%であった。得られたシー
ムレスベルトは厚み100μm 、口径16.02mm、
長さ300mmであった。このシームレスベルトを直径
4mmの金属芯材の外周にウレタンゴムにカーボンを混
入した組成物から成る抵抗値107 Ω・cmの導電性弾
性体層を設けた直径16mmのロールへ嵌め込み、10
0℃で60分間加熱して僅かに収縮させることによりロ
ールに密着させ、転写ローラとした。得られた転写ロー
ラを図1の装置に設置し、画像を評価したところ、画像
ムラは認められなかった。
【0049】比較例5 表1に示したごとく導電性フィラーとしてのカーボンブ
ラックを樹脂被覆されていないカーボンブラック(平均
一次粒子径40nm、DBP吸油量65ml/100
g)に変えた以外は、実施例5と同様にシームレスベル
トと転写ロールを得た。得られたシームレスベルトの体
積抵抗の最小値は1.4×1011Ω・cmであり最大値
は8.4×1011Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は
4.2×1011Ω・cmであった。使用したPVDFを
主原料とする原料の可撓性は70%であった。得られた
シームレスベルトの60℃、0.1Kg/mm2 荷重に
おける伸びは100.3%であった。得られたシームレ
スベルトの熱収縮率は0.2%であった。得られた転写
ロールを図1の装置に設置し、画像を評価したところ、
画像ムラが発生した。
【0050】実施例6 実施例1で用いたシームレスベルト用の組成物を表層
側、比較例1で用いた組成物のカーボンブラック添加量
を15Wt%とした以外は同様として裏打ち層として用
いた。2層押し出し環状ダイつきの直径40mmの押出
機を用い、環状ダイより下方に2層溶融チューブの状態
で押し出した。押出した2層溶融チューブを、環状ダイ
と同一軸線上に支持棒を介して装着した冷却マンドレル
外表面に接しめて冷却固化させて2層筒状体とした。2
層筒状体の中に設置した中子と、外側に設置したロール
により、筒状体を円筒形を保持した状態で引き取りつつ
軸方向と交差する方向に切断して2層シームレスベルト
を得た。得られたシームレスベルトの体積抵抗の最小値
は1.2×108 Ω・cmであり最大値は6.0×10
8 Ω・cm、体積抵抗の20点平均値は3.1×108
Ω・cmであった。使用したPBTの可撓性は55%で
あった。得られたシームレスベルトの60℃、0.1K
g/mm2 荷重における伸びは100.2%であった。
得られたシームレスベルトの熱収縮率は0.6%であっ
た。シームレスベルトは厚み150μm(表層10μ
m、裏打ち層140μm)口径170mm、長さ300
mmであった。シームレスベルトを図1の装置に中間転
写ベルトとして設置し、画像を評価したところ、画像ム
ラは認められなかった。
【0051】
【表1】
【0052】実施例及び比較例においての使用材料は、
下記の通りである。 1.エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(旭硝子
社製、商品名「アフロンCOPC55AP 2.PBT(三菱エンジニアリングプラスチックス株社
製、商品名「ノバドール5020」 3.PC(三菱エンジニアリングプラスチックス株社
製、商品名「ユーピロンE2000」 4.ポリイミドワニス(宇部興産株製、商品名「Uワニ
ス−S」) 5.フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体(ダ
イキン株社製、商品名「ネオフロン」)実施例及び比較
例においての実験、評価方法は、下記の通りである。
【0053】[シームレスベルトの体積固有抵抗](Ω
・cm) 抵抗計ハイレスタHRSプローブ(油化電子社製)を用
い、測定電圧500V、測定時間10秒にてベルト円周
方向5mmピッチで20箇所測定した。 [ロール状体の体積固有抵抗](Ω・cm) 図6に示した電極板18、切替リレー19、抵抗測定器
20からなる装置を用い、成形したロール16を12m
m幅の銅製電極17が並列に設けられた電極板18に乗
せ、ロール16に3.2g/mmの荷重を加え、印加電
流500V、印加時間10秒にて順次20点測定し、最
大値、最小値および平均値を算出した値である。(弾性
層や弾性層にシームレスベルトを被覆したものの測定)
【0054】[熱収縮率]被測定シームレスベルトを押
し出し方向に切り開き、100℃の恒温槽に60分間加
熱保持した後恒温槽から取り出し、常温まで放冷して円
周方向の長さを測り、{(元の長さ−加熱後の長さ)/
(元の長さ)}×100(%)で表した値である。
【0055】
【発明の効果】本発明は、可撓性を有する合成樹脂に樹
脂被覆カーボンブラックを配合して成る半導電性シーム
レスベルトであって、半導電性シームレスベルトが例え
ば10 13〜104 Ω・cmの範囲のいわゆる半導体領域
の電気抵抗が安定化された半導電性シームレスベルトが
提供され、本発明の実用的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシームレスベルトを組み込んだ電子写
真方式のプリンターにおける要部側面図である。
【図2】本発明のシームレスベルト装着半導電性ドラム
を組み込んだ電子写真方式のプリンターにおける要部側
面図である。
【図3】本発明のシームレスベルトを組み込んだ電子写
真方式のプリンターにおける要部側面図である。
【図4】本発明のシームレスベルト装着半導電性ドラム
を組み込んだ電子写真方式のプリンターにおける要部側
面図である。
【図5】塩化ビニル樹脂にカーボンブラックを配合した
際の配合量と当該組成物の体積固有抵抗との関係を示す
模式的説明図
【図6】抵抗測定装置の説明図
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電ロール 3 露光用光学系 4 現像ロール器 5 クリーナー 6 中間転写ベルト 7 搬送ロール 8 搬送ロール 9 搬送ロール 10 転写ロール 11 記録紙 12 転写ロール 13 中間転写ドラム 14 紙搬送転写ベルト 15 紙搬送転写ドラム 16 ロール 17 銅製電極 18 電極板 19 切替リレー 20 抵抗測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 21/00 350 21/00 350 (72)発明者 森越 誠 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 2H032 AA05 BA01 BA09 BA18 2H035 CA05 CB06 2H068 AA55 3F049 AA06 BA11 LA02 LA07 LB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性物質を含有させた合成樹脂を、筒
    状に成形した半導電性シームレスベルトであって、導電
    性物質が樹脂被覆カーボンブラックであり、合成樹脂が
    可撓性を有する合成樹脂であることを特徴とする半導電
    性シームレスベルト。
  2. 【請求項2】 樹脂被覆カーボンブラックが以下に定義
    するAに対するBの値(B/A)が1.1以上の被覆安
    定化特性を有する請求項1乃至5のいずれかに記載のシ
    ームレスベルト。 A:樹脂被覆カーボンブラックに使用したのと同一種類
    のカーボンブラックを塩化ビニル樹脂に配合して得られ
    る組成物の抵抗値が1013〜104 Ω・cmに変化する
    のに要するカーボンブラックの配合量。 B:樹脂被覆カーボンブラックを塩化ビニル樹脂に配合
    して得られる組成物の抵抗値が1013〜104 Ω・cm
    に変化するのに要するカーボンブラックの配合量。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のシームレスベルトの抵
    抗値が1013〜10 4 Ω・cmで、その最大値と最小値
    が10倍以内であるシームレスベルト。
  4. 【請求項4】 可撓性を有する合成樹脂がポリアミド、
    ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なく
    とも一種であることを特徴とする請求項1に記載のシー
    ムレスベルト。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のシームレスベルトを複
    数のロール間に掛け渡した構造とした半導電性部材。
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