JP2792359B2 - シームレスベルト - Google Patents

シームレスベルト

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JP2792359B2
JP2792359B2 JP4263751A JP26375192A JP2792359B2 JP 2792359 B2 JP2792359 B2 JP 2792359B2 JP 4263751 A JP4263751 A JP 4263751A JP 26375192 A JP26375192 A JP 26375192A JP 2792359 B2 JP2792359 B2 JP 2792359B2
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誠 森越
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真式複写機、レ
ーザープリンター等において、感光体基体用を始め、中
間転写、搬送、定着、現像等に使用されるシームレスベ
ルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電子写真式複写機等の、中間転
写装置、転写分離装置、帯電装置等においては、エンド
レスベルト、特にシームレスベルトが多用されている。
図1は中間転写方式の複写機の要部側面図である。図
中、1は感光ドラム、6は導電性シームレスベルトであ
る。感光ドラム1の周囲には、帯電器2、半導体レーザ
ー等を光源とする露光光学系3、トナーが収納されてい
る現像器4及び残留トナーを除去するためのクリーナー
5よりなる電子写真プロセスユニットが配置されてい
る。
【0003】導電性シームレスベルト6は、搬送ローラ
7,8,9に掛け渡されて、矢印Aの方向に回転する感
光ドラムと同調して矢印B方向に移動するよう構成され
ている。次に、動作について説明する。まず矢印A方向
に回転する感光ドラム1の表面を帯電器2により一様に
帯電する。次に、光学系3により図示しない画像読み取
り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光ドラ
ム1上に形成する。静電潜像は現像器4でトナー像に現
像される。このトナー像を、静電転写器10により導電
性シームレスベルト6へ静電転写し、搬送ローラ9と押
圧ローラ12の間で記録紙11に転写する。
【0004】導電性シームレスベルトとしては例えばポ
リカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の
熱可塑性樹脂に導電性のカーボンブラックを配合し、円
筒ダイを用いて筒状フィルムに押出成形し、この筒状フ
ィルムを水平方向に輪切りしたものが知られている(特
開平2−233765号公報、特開平3−89357号
公報および特開昭64−26439号公報等に開示)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子写真式複写機に用
いるシームレスベルトには、高耐久性が要求される。し
かし、ポリカーボネート系シームレスベルトでは短時間
で端面にクラックが入り、時間の経過と共に進展して破
断に至る。また、中間転写用、転写分離用等の場合に
は、記録紙に転写されなかったトナー(残留トナー)を
繰り返し除去するため、トナーの除去特性も要求され
る。しかし、残留トナーはベルトの使用経過と共にベル
ト表面にフィルム状に付着し、容易に除去できなくなる
(フィルミング現象)。フィルミング現象の原因は不明
だが、表面の相溶性が影響するのではないかと考えられ
ている。トナーと相溶性のない樹脂としてはポリフッ化
ビニリデン等のフッ素系樹脂があるが、対衝撃性および
耐久性の点で実用化に至っていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題点を解決したフッ素系樹脂を用いることにより、フィ
ルミング現象を防止し、かつ耐久性に優れたシームレス
ベルトが実現できることを見いだし本発明を完成した。
即ち本発明によれば、メルト・フロー・レートが8g/
10min未満のエチレンテトラフルオロエチレン共重
合体97〜75重量%とカーボンブラック3〜25重量
%からなり、表面および裏面の表面導電性が1×100
〜1×1013Ω/□である、フィルミング現象を防止
し、かつ耐久性に優れたシームレスベルトが得られる。
【0007】以下、本発明を具体的に説明する。 (1)エチレンテトラフルオロエチレン共重合体 本発明で使用するエチレンテトラフルオロエチレン共重
合体のメルト・フロー・レート(MFR)は8g/10
min未満が好ましく、5g/10min未満が更に好
ましい。メルト・フロー・レートが8g/10min以
上になると極めて耐クラック性が悪くなり耐久性が劣
る。
【0008】(2)カーボンブラック 本発明で使用するカーボンブラックとしては、アセチレ
ンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック
が好ましい。 (3)配合量 エチレンテトラフルオロエチレン共重合体97〜75重
量%とカーボンブラック3〜25重量% カーボンブラックが3重量%未満では導電性に乏しく、
25%を超えると製品の外観悪化、強度低下等の問題が
生じる。
【0009】表面導電性は、100〜1013Ω/□の範
囲が好ましい。感光体基体用として使用する場合には、
100〜105Ω/□が好ましく、100〜103Ω/□が
特に好ましい。中間転写用、搬送用、定着用および現像
用等に使用する場合には10 5〜1013Ω/□が好まし
く、107〜1012Ω/□が特に好ましい。
【0010】さらに本発明では、発明の効果を著しく損
なわない範囲でこれらの成分の他に付加的成分を配合す
ることが出来る。付加成分、熱可塑性樹脂としては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン(高密度、中密度、低密
度、直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロックまた
はランダム共重合体、ゴムまたはラテックス成分、例え
ばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック
共重合体または、その水素添加誘導体、ポリブタジエ
ン、ポリイソブチレン、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエー
テル、ポリイミド、液晶性ポリエステル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフ
ォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリビスアミドト
リアゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、クロロトリフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル、アク
リル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステ
ル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエー
テルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体等の1種ま
たはこれらの混合物からなるものが使用される。熱硬化
性樹脂、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂の1種またはこれらの
混合物からなるものが使用される。
【0011】また、各種フィラー、例えば、炭酸カルシ
ウム(重質、軽質、膠質)タルク、マイカ、シリカ、ア
ルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、ゼオライト、ウオラストナイ
ト、けいそう土、ガラス繊維、ガラスビーズ、ベントナ
イト、モンモリロナイト、アスベスト、中空ガラス玉、
黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、炭素繊維、アル
ミニウム繊維、ステンレススチール繊維、黄銅繊維、ア
ルミニウム粉末、木粉、もみ殻、グラファイト、金属
粉、導電性金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩、
等のフィラーの他、添加剤として:酸化防止剤(フェノ
ール系、硫黄系等)、滑剤、有機・無機系の各種顔料、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、
可塑剤、銅害防止剤、難燃剤、架橋剤、流れ性改良剤等
を挙げることが出来る。
【0012】上記組成物は、所望により付加的成分を一
軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、
ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の通常の混
練機を用いて製造することができる。通常は押出機等で
各成分を各々に混練してペレット状のコンパウンドにし
た後で加工するが、特殊な場合は各成分を直接成形機に
供給し、成形機で本組成物を混練しながら成形すること
もできる。
【0013】シームレスベルトの製造方法は、連続溶融
押出成形法、射出成形法あるいはブロー成形法、インフ
レーションフィルム成形法等公知の方法を採用すること
が出来る。望ましい製造方法は連続溶融押出成形法で、
特に押し出したチューブの内径を高精度で制御可能な下
方押し出し方式の内部冷却マンドレル方式あるいはバキ
ュームサイジング方式が好ましく、内部冷却マンドレル
方式が最も好ましい。
【0014】押し出されたシームレスベルトは未延伸状
態で必要な導電性、厚みの均一性、機械的強度を有して
いなければならない。これは、延伸操作により、機械的
強度の向上は期待できるが、導電性の均一性が損なわれ
ること、延伸方向に裂け易くなるため耐久性も損なわれ
てしまう等の問題が生じるからである。さらに、カーボ
ンブラックとプラスチックの界面に剥離が生じカーボン
が脱落して転写むら等の原因となる問題もある。
【0015】シームレスベルトの厚みは、50μm以上
1000μm以下が好ましく、100μm以上700μ
m以下がさらに好ましい。50μm未満になるとシーム
レスベルトが伸び易くなる為、画像の色むら等の問題が
生じる。また、耐電圧が不足し、転写に必要な電荷を付
与するのに十分な電圧を印加する事が出来なくなる。ま
た、1000μmを越えると柔軟な変形が困難になるた
め、小径ロールによる均一な速度の駆動ができず、画像
の転写ずれが生じる。さらに、靜電容量が小さくなるた
め、高電圧を印加しないと転写に必要な電荷を付与する
ことができず、電源装置の高コスト化、大型化のみなら
ず、周辺機器部品間での放電等の問題が生ずる。
【0016】シームレスベルトはそのままベルトとして
使用しても良いし、ドラムあるいはロール等に巻き付け
て使用しても良い。更に、図2に示すように、蛇行防止
や端面補強等の目的のために、所定の寸法のシームレス
ベルトの内側面端部を耐熱テープ13或いは、シリコン
ゴム14等で処理しても良い。
【0017】
【実施例】表1に記載した割合で、各成分を押出成形機
に供給し、混練し、ペレットを製造した。得られたペレ
ットを用いて成形品を製造し、特性を評価した。実施例
及び比較例においての使用材料は、下記の通りである。 1.エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(旭硝子
社製、商品名「アフロンCOP:C55AP」) MF
R:2g/10min 2.エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(旭硝子
社製、商品名「アフロンCOP:C88AP」) MF
R:4g/10min 3.エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(旭硝子
社製、商品名「アフロンCOP:C88APM」) M
FR:12g/10min 4.ポリフッ化ビニリデン(三菱油化社製、商品名「K
YNAR720]) MFR:4g/10min 5.アセチレンブラック(電気化学社製、商品名「デン
カブラック」)
【0018】実施例及び比較例においての実験、評価方
法は、下記の通りである。 1.メルト・フロー・レート JIS K7210に準拠し、温度300℃、荷重2.
16Kgで測定。 2.導電性(表面抵抗:Ω/□) 表面抵抗計ハイレスタHAプローブ(三菱油化社製)を
用い、測定電圧500V、測定時間10秒で測定した。 3.トナー固着性試験 シームレスベルトの外側面を上にしてトナーをベタ現像
したサンプル上にセロハン粘着テープ(JISZ152
2)を十分圧着し、表面と約45度に保ち手前に一気に
引き剥し、トナーの残り具合を面積比で表す。 4.ヒンジ特性 JIS P−8115に準拠して、厚さ150μmのシ
ームレスベルトを幅10mm、長さ80mmの大きさに
切断し、ヒンジ試験機で、速度180回/分、回転角度
90゜左右、引張り荷重0.5kgの条件で破壊回数を
測定した。 5.耐久性 200mm幅のシームレスベルトを、両ロール径25φ
mm、ロール速度100mm/sec、ベルト張力8K
g/ベルト全巾、25℃、湿度55%の条件で図2の装
置にセットし、ベルトの割れ状態を目視にて観察した。
【0019】以下、具体的実施例により本発明を更に説
明する。 (実施例1〜4)表1にて示した配合にて、環状ダイ付
き40φの押出機を用い、環状ダイより下方に溶融チュ
ーブの状態で押出す。押出した溶融チューブを、環状ダ
イと同一軸線上に支持棒を介して装着した、冷却マンド
レル外表面に接しめて冷却固化させてシームレスチュー
ブとした。次に、シームレスチューブの中に設置されて
いる中子と、外側に設置されているロールにより、シー
ムレスチューブ(所定の長さに切断したものがシームレ
スベルト)を円筒形を保持した状態で引き取った。得ら
れたベルトの導電性、トナーの固着性、ヒンジ特性、耐
久性の評価結果を表1に示す。
【0020】(比較例1〜3)配合以外は実施例1〜4
と同様にシームレスベルトを得た。得られたベルトの導
電性、トナーの固着性、ヒンジ特性、耐久性の評価を表
1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルミング現象を防止するとともに耐久性に優れたシ
ームレスベルトが得られる。この結果、電子写真方式の
複写機等に用いれば、長期間にわたって鮮明な画像を得
る事ができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写方式の複写機における要部側面図であ
る。
【図2】端面を補強したシームレスベルトの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電器 3 露光用光学系 4 現像器 5 クリーナー 6 導電性シームレスベルト 6a 内側面 6b 外側面 7 搬送ローラ 8 搬送ローラ 9 搬送ローラ 10 静電転写器 11 記録紙 12 押圧ローラ 13 補強用テープ 14 ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27/18 G03G 15/00 B29K 27:12 (72)発明者 清水 秀人 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 谷本 敏彦 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−93210(JP,A) 特開 平2−231129(JP,A) 特開 平5−345368(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29D 29/00 - 29/10 G03G 5/10 G03G 15/00 G03G 15/16 C08K 3/04 C08L 27/18 B29K 27:12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルト・フロー・レートが8g/10mi
    n未満のエチレンテトラフルオロエチレン共重合体97
    〜75重量%とカーボンブラック3〜25重量%からな
    り、表面および裏面の表面導電性が1×100 〜1×1
    13Ω/□であるシームレスベルト。
JP4263751A 1992-10-01 1992-10-01 シームレスベルト Expired - Lifetime JP2792359B2 (ja)

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