JP3862442B2 - シームレスベルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式複写機及びレーザプリンタ等に組み込まれる感光体装置、中間転写装置、紙搬送転写装置、転写分離装置、帯電装置、現像装置、転写装置等に用いるのに好適なシームレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置等の感光体装置、中間転写装置、紙搬送転写装置、転写分離装置、帯電装置、現像装置、転写装置等においては、エンドレスベルト、特にシームレスベルトが多用されている。
【0003】
例えば、中間転写装置は、中間転写体上にトナー像を一旦形成し、次に紙等へトナーを転写させるように構成されている。この中間転写体の表層におけるトナーへの帯電、除電のためにシームレスベルトが用いられている。このシームレスベルトは、マシーンの機種毎に異なった表面電気抵抗や厚み方向電気抵抗に設定(導電、半導電、絶縁)されている。
【0004】
また、搬送転写装置は、紙を一旦搬送転写体上に巻き付け保持した上で感光体からのトナーを搬送転写体上に巻き付けられた紙上へ転写させ、更に、除電により紙をドラムより離すように構成されている。この搬送転写体表層における紙への帯電、除電のためにシームレスベルトが用いられている。このシームレスベルトは、上記と同様にマシーンの機種毎に異なった表面電気抵抗や厚み方向電気抵抗に設定されている。
【0005】
電子写真式複写機等に用いられる中間転写導電性シームレスベルトの場合、帯電された各色トナーを感光体から中間転写ベルトへ順次転写させ、4色のカラー画像を合成したのち紙へ一括転写させるため、各色毎の画像ズレを防止する必要がある。
【0006】
そのため、シームレスベルトを駆動させるローラーの真円度や平行度の精度を高めたり、シームレスベルトの真円度や平行度を高めたり、シームレスベルトの蛇行防止を強制的に防止する蛇行防止ゴムガイドをベルト内面両端に取り付けたシームレスベルトを用いることが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ローラーやシームレスベルトの真円度や平行度を高め、ベルト蛇行防止ガイドの真直性を高めても、ベルトに数本のローラーにてテンションをかけた状態で駆動させると、ベルトにうねりが発生し、ベルトは蛇行し、ベルトの蛇行を矯正しているガイドへ応力が集中しガイドが削れたり、時にはベルトに応力が集中して割れたりすることがあった。
【0008】
なお、ベルト端部にポリエステル製の補強テープ及び蛇行防止ガイドを貼り付けた構成のシームレスベルトが提案されているが、シームレスベルト内側に補強テープやガイドを貼る方法は非常に技術的難度が高く、均一な応力状態で貼り合わせることが難しく、逆に割れやすくなるといった問題がしばしば発生していた。
【0009】
同様の問題は搬送転写装置のシームレスベルトにも生じている。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決し、長時間の耐久性を有しかつ画像ズレを発生させないシームレスベルトを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のシームレスベルトは、周方向に継目なしに連続するシームレスベルトにおいて、樹脂組成物からなるシームレスチューブをロール間に張り渡し、ロールを回転させながらシームレスチューブをその周方向に沿って切断して得られたシームレスベルトであって、周方向と直交方向Aに切り開いたときの周方向の長さ偏差が周方向の長さの平均値に対し±0.06%以内であり、周方向に50mm幅にて短冊状に切断して得られる各片の該A方向の長さ偏差がA方向の長さの平均値に対し±0.09%以内であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、従来の如くベルトの真円度、ローラーの真円度等の寸法精度に着目するのとは異なり、ベルト内に潜む内部応力の均一性に着目した。そして、画像ズレと、高耐久性を有するベルトを得るためには、高真円度のベルトである以外に、ベルト内の幅方向と周方向の内部応力が所定範囲内であることが必要であり、シームレスチューブを上記A方向に切り開いた時の周方向の長さ偏差が該周方向の長さの平均値に対し±0.06%以内であり、上記各片の応力解放状態におけるA方向の長さの偏差が該A方向の長さの平均値に対し±0.09%以内であるシームレスベルトは、画像ズレを発生させず、高耐久なベルトとして格段に効果を有することを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明のシームレスベルトを構成する樹脂組成物について説明する。
【0014】
(1) シームレスベルトの樹脂組成物
本発明において用いられるシームレスベルトの樹脂組成物は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂又はゴムのいずれに限定されることはないが、熱可塑性樹脂が連続押し出し成形が可能であるため製造コストの点で望ましい。
【0015】
熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合体、ゴム又はラテックス成分例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変成ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレンテトラフロロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、オレフィン共重合体、ポリウレタン共重合体の1種又はこれらの混合物からなるもの等が使用される。
【0016】
特に中間転写用シームレスベルトとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレンテトラフロロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂やフッ素ゴムがトナー等からの汚れを防止するためにも好ましく、また、ポリカーボネートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体等のエステル系熱可塑性樹脂が耐電気特性において電気抵抗値の変動が少なく安定のため好ましい。さらに、ポリプロピレン等のポリオレフィンも、リサイクル、トナー等の汚れ防止、コストの点で好ましい。
【0017】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂の1種又はこれらの混合物からなるものが使用される。
【0018】
樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、通常の樹脂組成物に配合される各種の付加的成分を含むことができる。このような成分としては、各種フィラー、酸化防止剤、滑剤、離型剤などがある。
【0019】
フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム(重質、軟質のいずれでも良い。)、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリナイト、アスベスト、中空ガラス球、黒船、二酸化モリブデン、酸化チタン、アルミニウム繊維、ステンレススチール繊維、黄銅繊維、アルミニウム粉末、木粉、もみ殻、グラファイト、金属粉、導電性金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩等が例示される。
【0020】
添加剤としては、酸化防止剤(フェノール系、硫黄系等)、滑剤、有機・無機系の各種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、銅害防止剤、架橋剤、流れ性改良剤等が例示される。
【0021】
更に発明の効果を著しく損なわない限り、上記以外の以下の付加成分を更に添加しても構わない。
【0022】
なお、フィラーとして導電性フィラーを加え、電気抵抗を調整してもよい。導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、カーボン繊維、金属粉、導電性金属酸化物、有機金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩、導電性高分子等から選ばれる少なくとも1種又はこれらの数種の混合物からなるものが好ましい。その中でも特にカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックがある。フィルムの外観を損なわないためにも分散性に優れたアセチレンブラックが好ましい。
【0023】
カーボンブラックの配合量は、カーボンブラックの種類により異なるが、アセチレンブラックの場合、熱可塑性樹脂に対して3〜25重量%が好ましく、ケッチェンブラックの場合には1〜10重量%が好ましい。上記範囲未満では導電性に乏しく、上記範囲以上では製品の外観が悪くなり、また材料強度が低下して好ましくない。
【0024】
上記組成物は、所望により付加的成分と共に、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練することができる。
【0025】
通常は、押出機等で各成分を各々に混練してペレット状のコンパウンドにした後加工に供するが、特殊な場合は各成分を直接成形機に供給し、成形機で本組成物を混練しながら成形することもできる。
【0026】
(2) シームレスチューブの成形方法
上記の樹脂組成物を用いてシームレスチューブを成形し、次いでこのシームレスチューブを輪切り状に切断することによりシームレスベルトが製造される。
【0027】
このシームレスチューブの成形方法としては、一般に押出し成形法、遠心成形法、浸漬塗布成形法等が採用されているが、本発明ではこのいずれの成形法をも採用でき、またこれら以外の成形方法を採用しても良い。ただし、コスト的には押出し成形法が最も安価である。
【0028】
押出成形にてシームレスチューブを作製する場合、内部応力を均一化する方法として、内部冷却マンドレル法やアウトサイジング法が提案されているが、いずれの場合でも、溶融押出しされてから冷却固化されるまでの間に、ある特定の方向にテンションが加えられ引き取られながら成形される。
【0029】
そのため特定方向のテンションがベルトに残留応力として残り、見かけ上は真円であっても、ローラーにてテンションを張ると残留応力によってベルトにうねりが発生する。このうねりによりベルトが蛇行し易くなり、画像ズレやクラックが発生し易くなる。
【0030】
これに対し、溶融押出しされたシームレスチューブに対し円周方向3〜8箇所で引取り力を加えるか、できるだけ真円に近い状態にて引き取ることにより上記うねりの発生が防止されるようになる。
【0031】
特に、シームレスチューブの引き取り部に、真円の中子を入れ、その中子と中子の外側にシームレスチューブを通過させながら、周方向の4等分位置に配置された合計4台のベルト式引き取り機にて引き取ることにより、うねりを十分に防止することができる。
【0032】
なお、ベルトの直径が30mm以上の場合には、連続溶融押出成形法の中でも、押し出したチューブの内径を高精度で制御可能な重力に影響を受けない下方押出方式の内部冷却マンドレル方式が好適であり、直径30mm未満の場合には、内部冷却マンドレル方式に加えて、バキュームサイジング方式が好適である。
【0033】
押し出されたシームレスベルトは必要な導電性、厚みの均一性、機械的強度を有していなければならないため、未延伸状態で引き取られることが望ましい。これは、延伸操作により、機械的強度の向上は期待できるが、導電性の均一性が損なわれること、延伸方向に裂け易くなるため耐久性も損なわれてしまう等の問題が生じるからである。更に、カーボンブラックとプラスチックの界面に剥離が生じカーボンが脱落して転写むら等の原因となる問題もある。
【0034】
遠心成形法は、一般に筒状の金型の内部に溶液を溶かした樹脂を入れ回転させながら温度を加え、溶媒を半分以上揮発させてから円筒状金型の内部よりシームレスチューブを取り出す工程と、円筒状金型にシームレスチューブをはめ込み、温度による熱硬化反応をさせる工程とからなる。
【0035】
この遠心成形法は押出し成形よりも残留応力が残りにくい。なお、熱硬化反応温度と時間が十分でないと円筒状の金型形状通りにベルト状樹脂が転写されにくいため、ローラーにてテンション張架時にベルトにうねりが発生するようになる。この熱硬化反応温度と時間を適切に管理することにより、うねりを十分に防止できる。
【0036】
ディッピング成形法は、円筒状の金型を溶液に溶かした樹脂中に浸漬塗布させ、溶媒を揮発させた後、金型よりシームレスチューブを引き抜く方法であるが、温度と時間が十分でない場合、円筒状金型形状通りにベルト状樹脂が転写されにくいためローラーにてテンション張架時にベルトにうねりが発生する。この温度と時間を適切に管理することにより、うねりを十分に防止できる。
【0037】
成形されたシームレスチューブを輪切り状に切断してシームレスベルトを製造するには、例えば、所要幅のシームレスチューブを1対の平行なロール間に張り渡し、ロールを回転させながらシームレスチューブにカッターの刃を当てシームレスチューブを正確にその周方向に沿って切断する方法を採用する。
【0038】
(3) シームレスベルトの周方向の長さ偏差DC
本発明では、シームレスベルトを周方向と直交方向Aに切り開いたときの周方向の長さ偏差DCは、この周方向長さの平均値に対し±0.06%以内であり、好ましくは±0.03%以内、特に好ましくは±0.02%以内である。
【0039】
(4) シームレスベルトの周方向と直交方向Aに50mm幅にて短冊状に切断して得られる各片の応力解放状態における該A方向の長さ偏差DA
本発明では、この偏差DAはA方向の長さの平均値に対し±0.09%以内であり、好ましくは±0.07%以内、特に好ましくは±0.05%以内である。
【0040】
偏差DCを上記(3)の範囲内とし、偏差DAをこの範囲内とすることにより、転写画像ズレが十分に防止されると共に、シームレスベルトの長時間耐久性が顕著に向上する。
【0041】
(5) シームレスベルトの肉厚
シームレスベルトの厚みは、50μm以上1000μm以下が好ましく、100μm以上700μm以下が更に好ましい。50μm未満になるとシームレスベルトが伸び易くなるため、画像の色むら等の問題が生じる。また、耐電圧が不足し、転写に必要な電荷を付与するのに十分な電圧を印加することができなくなる。また、1000μmを超えると柔軟な変形が困難になるため、小径ロールによる均一な速度の駆動ができず、画像の転写ズレが生じる。更に、静電容量が小さくなるため、高電圧を印加しないと転写に必要な電荷を付与することができず、電源装置の高コスト化、大型化のみならず、周辺機器部品間での放電等の問題が生ずる。
【0042】
シームレスベルトはそのままベルトとして使用しても良いし、ドラムあるいはロール等に巻き付けて使用しても良い。
【0043】
更に蛇行防止や端面補強等の目的の為に、所定の寸法のシームレスベルトの内側及び/又は外側端部近傍に耐熱テープを貼り付けたり、或いはウレタンゴムやシリコンゴム等のテープをベルト内側の端部近傍に貼り合わせても良い。
【0044】
(6) シームレスベルトの肉厚変化量
シームレスベルトの肉厚変化量は、±10%以内であることが望ましい。これより大きくなると、ローラーからシームレスベルトを介してトナー層に加えられる電界に部分的な差が大きくなり、画像ムラとなってしまう。
【0045】
つまり、ローラーより印加される電圧が、ベルト抵抗値のバラツキやベルト厚みのバラツキにより、画像ムラを発生させる程のトナー層に加えられる電界強度に差を発生させてしまうのである。
【0046】
従って、ベルト各部において厚みがある範囲以内であることが重要で、さらに好ましい肉厚変化量は±5%以内である。
【0047】
(7) 電気抵抗値
本発明のシームレスベルトの電気抵抗値は、印加電圧500Vでの表面抵抗値が1×100〜1×1015Ω/□、印加電圧100Vでの体積抵抗値が1×100〜1×1015Ω・cmであることが必要である。
【0048】
ただし、好ましい抵抗値の範囲はシームレスベルトの用途により異なり、
▲1▼ 感光体基体用シームレスベルト、定着用シームレスベルト等に使用する場合には、表面固有抵抗は、1×100〜109Ω/□、体積固有抵抗は、1×100〜109Ω・cmが特に好ましい。
▲2▼ 中間転写用シームレスベルト、現像用シームレスチューブ、帯電用シームレスチューブに使用する場合には、表面固有抵抗は、1×105〜1×1013Ω/□、体積固有抵抗は、1×105〜1×1013Ω・cmが特に好ましい。
【0049】
▲3▼ 搬送転写用シームレスベルト等に使用する場合には表面固有抵抗は、1×108〜1×1015Ω/□、体積固有抵抗は、1×108〜1×1015Ω・cmが特に好ましい。
【0050】
中間転写体等の場合は電気抵抗値が上記範囲より大きいと、シームレスベルト上の帯電量が大きくなる反面、除電がしにくくなり、トナーのシームレスベルトから紙への転写が行われにくくなり好ましくない。また、電気抵抗値が上記範囲より小さいと、シームレスベルトが帯電しにくくなり、感光体から中間転写体へのトナーの転写が行われにくくなり好ましくない。
【0051】
(8) 電気抵抗値のバラツキ
表面抵抗値と体積抵抗値の最大値/最小値が100倍以内であることが望ましい。
【0052】
表面抵抗のバラツキが100倍より大きいと、抵抗値の高い部分と低い部分において、シームレスベルト上の帯電負荷にムラが生じ、画像抜けが生じ易くなる。
【0053】
一方、体積抵抗のバラツキが100倍より大きいと、電圧を印加する際に、シームレスベルトを介してトナーに加えられる電界量がベルト各部において異なるため、トナーに働くクローン力に差が生じ、その結果画像抜けが生じ易くなる。
【0054】
好ましい電気抵抗バラツキは、少なくとも表面、体積どちらか片方が10倍以内であり、更に好ましいのは、表面、体積どちらも10倍以内であることが望ましい。
【0055】
(9) 電気抵抗値の変化傾き
印加電圧500Vでの10mmあたりの最大表面抵抗値変化量と、印加電圧100Vでの10mmあたりの最大体積抵抗値変化量がともに10倍以内であることが望ましい。
【0056】
これより大きいと、シームレスベルト上に帯電された電荷が抵抗値の低い方へ移動し、その結果トナーの移動が発生し、画像抜けが生じ易くなる。
【0057】
好ましい印加電圧500Vでの10mmあたりの最大表面抵抗値変化量と、印加電圧100Vでの10mmあたりの最大体積抵抗値変化量はともに5倍以内であることが紙や他転写部品の品質が異なっても安定した画質が得られるため望ましい。
【0058】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例における使用材料は、次の通りである。
【0059】
実施例1
ポリカーボネート : 86重量%
カーボンブラック : 14重量%
実施例2
ポリブチレンテレフタレート : 60重量%
ポリカーボネート : 27重量%
カーボンブラック : 13重量%
実施例3
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体: 85重量%
カーボンブラック : 15重量%
実施例4
ポリプロピレン : 85重量%
カーボンブラック : 15重量%
比較例1
ポリカーボネート : 86重量%
カーボンブラック : 14重量%
上記樹脂組成物を2軸の混練機にて混練してペレットにした後、内部冷却マンドレル方式の連続溶融押出成形機によって直径305mm、平均肉厚150μmのシームレスチューブを成形した。このシームレスチューブは周方向の4箇所において引取り力が加えられたが、この引取り力はシームレスチューブに延伸を与えない程度の力である。
【0060】
このシームレスチューブを幅約400mmに切断し、ロール径φ30mmの1対の平行ロール間にかけ渡した。一方のロールに4kgの重りをぶら下げ、ロールを回転させチューブを無端回動させながらカッター刃を当て、正確に幅350mmのシームレスベルトを10個製造した。図1は、このシームレスベルト1の斜視図である。
【0061】
この中から任意に1個のシームレスベルト1を選び出し、それぞれ図2のように周方向と直交方向Aに切り開き、周方向の長さを測定し、偏差を計算した。この測定は、ベルト幅方向に100mm毎に行った。その結果を表1に示す。
【0062】
また、このシームレスベルト1から任意に1個を選び出し、図3のように周方向に50mm幅に短冊状に切断して12個の片2を切り出し、各片のA方向の長さを測定した。その結果を表1に示す。
【0063】
更に、このシームレスベルト1から任意に1個を選び出し、周方向の肉厚変化率を電気マイクロ計を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0064】
また、このシームレスベルト1について周方向の表面抵抗率バラツキをダイヤインスツルメンツ製ハイレスタHAプローブを用い、測定電圧500V、測定時間10secにて10mmピッチで95箇所測定した。表面抵抗率の平均値、最大/最小、20mm間の最大/最小を求めた結果を表1に示す。
【0065】
また、このシームレスベルト1について周方向の体積抵抗率バラツキをダイヤインスツルメンツ製ハイレスタHRSプローブを用い、測定電圧100V、測定時間10secにて10mmピッチで95箇所測定した。表面抵抗率の平均値、最大/最小、20mm間の最大/最小を求めた結果を表1に示す。
【0066】
このシームレスベルト1の内側両端部に幅10mm、厚さ0.075mmのPETテープを貼り、更に幅5mm、厚さ1.0mmのウレタンゴムガイドを貼り、シームレスベルト6を作製した。このシームレスベルト6を図4に示す装置に組み込んで耐久性を試験したところ、100時間経過してもクラック及びベルト蛇行は生じなかった。なお、図4において、シームレスベルト6は平行な3本のローラー7,8,9に架けられている。シームレスベルト6の内側の両端縁に沿って厚さ0.075mmのPET補強テープ13が貼着され、更に幅5mm、厚さ1.0mmのウレタンゴムガイド14が貼着されている。ローラー7,8,9の直径は25mmである。
【0067】
試験時のシームレスベルト6の走行速度は100m/sec、ベルト張力はローラー7を水平方向に8kgの重りで引張った。試験時の気温は25℃、湿度は55%である。
【0068】
比較例1
シームレスチューブを成形するときにシームレスチューブに対しニップロールによりチューブ状フィルムの中間部のみをニップして折り目なく引取った他は実施例1と同様にしてシームレスベルトを製造し、実施例と同様に補強テープとガイドを設けて同様の計測を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0069】
このシームレスベルトについて実施例1と同様にしてクラックの発生と蛇行の様子を見たところ24時間後に蛇行が認められた。
【0070】
【表1】
Figure 0003862442
【0071】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると長時間の耐久性に優れ、画像ズレを発生させないシームレスベルトが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】シームレスベルトの斜視図である。
【図2】シームレスベルトの周方向の偏差の計測説明図である。
【図3】シームレスベルトのA方向の偏差の計測説明図である
【図4】シームレスベルトの耐久性試験装置の斜視図である。
【符号の説明】
1,6 シームレスベルト
2 片
7,8,9 ローラー
13 PET補強テープ
14 ガイド

Claims (4)

  1. 周方向に継目なしに連続するシームレスベルトにおいて、
    樹脂組成物からなるシームレスチューブをロール間に張り渡し、ロールを回転させながらシームレスチューブをその周方向に沿って切断して得られたシームレスベルトであって、
    周方向と直交方向Aに切り開いたときの周方向の長さ偏差が周方向の長さの平均値に対し±0.06%以内であり、
    周方向に50mm幅にて短冊状に切断して得られる各片の該A方向の長さ偏差がA方向の長さの平均値に対し±0.09%以内であることを特徴とするシームレスベルト。
  2. シームレスベルトの周方向の肉厚変化率が±10%以内であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルト。
  3. シームレスベルトは、導電性フィラーを配合した熱可塑性樹脂組成物を溶融してチューブ状に押し出し、このチューブの内外周面を温調冷却しつつ固化させ、チューブ状を維持したままで連続して引き取り、輪切り状に切断して形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシームレスベルト。
  4. 電子写真式複写機及びレーザプリンタ等に組み込まれる感光体装置、中間転写装置、紙搬送転写装置、転写分離装置、帯電装置、現像装置又は転写装置用のシームレスベルトであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシームレスベルト。
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