JPH11344025A - シームレスチューブ及びその製造方法 - Google Patents

シームレスチューブ及びその製造方法

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JPH11344025A
JPH11344025A JP10151789A JP15178998A JPH11344025A JP H11344025 A JPH11344025 A JP H11344025A JP 10151789 A JP10151789 A JP 10151789A JP 15178998 A JP15178998 A JP 15178998A JP H11344025 A JPH11344025 A JP H11344025A
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seamless tube
tube
annular die
resistivity
seamless
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JP10151789A
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English (en)
Inventor
Makoto Morikoshi
誠 森越
Norihiro Otsu
紀宏 大津
Katsuhiro Furuta
克宏 古田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある一定の抵抗ばらつきと、ある一定の抵抗
変化量にコントロールした表面層を備えるシームレスチ
ューブ及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 シームレスチューブ各部における体積抵
抗率又は表面抵抗率の最大値/最小値で表されるばらつ
きが1〜100倍の範囲にあり、かつ前記シームレスチ
ューブ上任意の20mm間での最大値/最小値で表され
る抵抗率変化が8以内であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシームレスチューブ
及びその製造方法に関し、更に詳細には例えば複写機等
の電子機器における帯電ローラースリーブ、現像ローラ
ースリーブ、感光体、中間転写体、紙搬送転写体等に用
いられる導電性、半導電性の無端ベルトやドラム、ロー
ラー被覆用チューブやスリーブ等に使用するのに好適な
シームレスチューブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、中間転写方式の複写機の要部
を示す側面図である。この中間転写方式の複写機は、感
光ドラム1及び導電性シームレスベルト6を備え、更に
感光ドラム1の周囲には、帯電器2、半導体レーザー等
を光源とする露光光学系3、トナーが収納されている現
像器4及び残留トナーを除去するためのクリーナー5よ
りなる電子写真プロセスユニットが配置されている。導
電性シームレスベルト6は、搬送ローラ7、8、9に掛
け渡されて、矢印A方向に回転する感光ドラム1と同調
して矢印B方向に移動するように構成されている。
【0003】次に、この中間転写方式の複写機の動作に
ついて説明する。まず矢印A方向に回転する感光ドラム
1の表面を帯電器2により一様に帯電させる。次に、光
学系3により図示しない画像読み取り装置等で得られた
画像に対応する静電潜像を感光ドラム1上に形成する。
静電潜像は現像器4でトナー像に現像される。このトナ
ー像は静電転写器10により導電性のシームレスベルト
6へ静電転写され、搬送ローラ9と押庄ローラ12との
間で記録紙11に転写される。
【0004】このような静電転写法でトナー像を中間転
写体である導電性シームレスベルト6に転写するに当た
っては、かかる導電性シームレスベルト6が所定の表面
抵抗率を有していることが重要である。仮に表面抵抗率
が高すぎると、トナー像の転写時に導電性シームレスベ
ルト6が著しく帯電することから、該導電性シームレス
ベルト6が感光ドラム1と離間する際に剥離放電が発生
し、導電性シームレスベルト6に転写されたトナー像が
該放電に伴って飛散してしまう。
【0005】一方、導電性シームレスベルト6の表面抵
抗率が低すぎると、導電性シームレスベルト6と感光ド
ラム1との間に過大な電流が流れることから、一度は導
電性シームレスベルト6に転写されたトナー像が感光ド
ラム1に戻ってしまう、所謂「リトランスファー」とい
う現象が発生してしまうからである。
【0006】このため、従来ではポリアミド、ポリイミ
ド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の樹脂組成物
中にアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャン
ネルブラック等のカーボンブラックを添加し、これを数
十〜数百μm程度の厚さに成形することで所定の表面抵
抗率の中間転写体ベルトを得たもの(特開昭63−31
1267号公報、特開平5−170946号公報、特開
平6−228335号公報等)や、ポリカーボネート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂に導
電性のカーボンブラックを配合し、円筒ダイを用いて筒
状フィルムに押出成形し、この筒状フィルムを水平方向
に輪切りにしたものが知られている(特開平2−233
765号公報、特開平3−89357号公報及び特開昭
64−26439号公報等に開示)。これらのベルトの
表面抵抗率は±1オーダ〜±0.5オーダ以内に制御さ
れたものである。
【0007】しかしながら、従来の半導電シームレスベ
ルトにおいては、ベルト全面において表面抵抗率が制御
されてはいるものの画像抜け(トナー転写不良)や、画
像ズレ(トナーを4色重ね合わせると1色目〜4色目で
画像がズレて転写される現象)といった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
鋭意検討した結果、シームレスベルトの電気抵抗が、あ
る特定の半導電領域で、ある一定の抵抗ばらつきとある
一定の抵抗変化量にコントロールした表面層を備えるシ
ームレスベルトを中間転写体、紙搬送転写体又は感光体
の基板に用いれば優れた画像が得られることを知見し
た。すなわち、局部的な抵抗変化率がある一定範囲以内
のシームレスベルトを用いれば鮮明な画像が得られるこ
とを突き止めた。
【0009】つまり、トナーを保持するシームレス半導
電ベルトでは、一旦ベルト上に保持されたトナーが4色
重ね合わされる僅か数秒の間にベルト上を移動するため
画像がズレるのであって、その原因はベルト上の局部的
な電気抵抗変動に起因しており、即ち局部的な抵抗変化
率がある一定範囲内のシームレスベルトを用いれば鮮明
な画像が得られることを突き止めた。
【0010】ところで、半導電といわれる電気抵抗が1
1〜1014(Ω・cm)の領域は、僅かな押し出し変
動、引き取り変動、導電性フィラー配合変動などにより
抵抗値が大きく変動する領域である。そこで、ある一定
の抵抗ばらつきと、ある一定の抵抗変化量にコントロー
ルした表面層を得るために、ギヤポンプで溶融樹脂を定
量押出しする方法、ダイス内の温度を均一にする方法、
又は溶融樹脂温度を均一にする方法など種々の方法を試
みたが、満足な結果を得ることができなかった。
【0011】発明者等は研究の結果、抵抗値が大きくバ
ラツク原因は、固定ペレット形状の材料が溶融中にチュ
ーブ状になる過程において導電性フィラーが受けるせん
断力がチューブ状体の各場所により異なるためではない
かと推測した。換言すれば、ダイス内の各場所において
カーボン粒子間の距離が部分的に異なるか、又はダイス
内の各場所ごとにカーボン粒子が連続的に連なった状態
のストラクチャーの破壊程度が異なるため、結果として
チューブ状体の円周方向に電気抵抗バラツキが発生する
ものと推測した。
【0012】そして、発明者等は、溶融押出しチューブ
の円周方向における各場所でのせん断量を個別に温度に
よりコントロールすることで電気抵抗バラツキを少なく
することが可能であることを突き止めると同時に、チュ
ーブ状体の円周方向における電気抵抗ばらつきを一定の
範囲に維持したまま、厚み方向の電気抵抗を高く或いは
低くするために、溶融樹脂チューブ中の厚み方向までに
影響を与える温度調整手段を上段に設け、溶融樹脂チュ
ーブ表層の温度調整手段を下段に設けることにより溶融
樹脂チューブの内層部と外層部のカーボンストラクチャ
ー破壊程度を個々に調整できると考え本発明に至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はシームレスチュ
ーブであり、前述した技術的課題を解決するために以下
のように構成されている。すなわち、本発明は、シーム
レスチューブ各部における体積抵抗率又は表面抵抗率の
最大値/最小値で表されるばらつきが1〜100倍の範
囲にあり、かつ前記シームレスチューブ上任意の20m
m間での最大値/最小値で表される抵抗率変化が8以内
であることを特徴とする。
【0014】<本発明における具体的構成>本発明のシ
ームレスチューブは、前述した必須の構成要素からなる
が、その構成要素が具体的に以下のような場合であって
も成立する。その具体的構成要素とは、前記シームレス
チューブの表面層における電気抵抗値の平均値が、体積
抵抗率で1×103Ω・cm以上、1×1016Ω・cm
以下、表面抵抗率で1×103Ω/□以上、1×1016
Ω/□以下の範囲にあることを特徴とする。
【0015】また、このようなシームレスチューブにお
いて、その表面の水との接触角が70度以上、110度
以下であることが好ましい。そして、このシームレスチ
ューブは、導電性フィラーを含有する熱可塑性樹脂組成
物を環状ダイから押出し成膜されて形成されたものであ
ることが好ましい。
【0016】更にまた、このシームレスチューブは、熱
可塑性樹脂に導電性フィラーとしてアセチレンブラック
を5重量%以上20重量%以下の割合で配合された層を
少なくとも1層有することが好ましい。そして、更にシ
ームレスチューブは、100℃における熱収縮率が5%
以内であることが好ましい。
【0017】また、このシームレスチューブでは、長手
方向の内径の変化量が平均値に対して、±0.3%以
内、厚みばらつきが±5%以内の範囲であることが好ま
しく、加えてこのシームレスチューブにおける外表面十
点平均粗さが3μm以下であることも好ましい。
【0018】また、本発明はシームレスチューブの製造
方法であり、前述した技術的課題を解決するために以下
のように構成されている。すなわち、本発明は、所定の
導電性を有する熱可塑性樹脂塑性物を押出機に装着した
環状ダイよりチューブ状に溶融押出して冷却固化させた
後、チューブ状を維持した状態で連続的に引き取ってシ
ームレスチューブを製造する方法において、環状ダイか
ら押出し成形されたチューブ状体の円周方向における体
積電気抵抗値又は表面電気抵抗値に基づき、電気抵抗を
調整する部分の温度を環状ダイから冷却固化するまでの
間で測温しながら環状ダイの円周方向の少なくとも2箇
所以上で前記環状ダイの温度を変化させ、その際得られ
たシームレスチューブの各部における体積抵抗率又は表
面抵抗率の最大値/最小値で表されるばらつきを1〜1
00倍の範囲とし、かつ周方向における任意の20mm
間での最大値/最小値で表される抵抗率変化を8以内と
するように調整することを特徴とする。
【0019】また、本発明はシームレスチューブの製造
方法であり、前述した技術的課題を解決するために以下
のように構成されている。すなわち、本発明は、所定の
導電性を有する熱可塑性樹脂塑性物を押出機に装着した
環状ダイよりチューブ状に溶融押出して冷却固化させた
後、チューブ状を維持した状態で連続的に引き取ってシ
ームレスチューブを製造する方法において、環状ダイか
ら押出し成形されたチューブ状体の円周方向における体
積電気抵抗値又は表面電気抵抗値に基づき、電気抵抗を
調整する部分の温度を環状ダイから冷却固化するまでの
間で測温しながら環状ダイから押し出されるチューブ状
体にその円周方向の少なくとも2箇所以上で冷却エアー
を吹き付け、その際、得られたシームレスチューブ各部
における体積抵抗率又は表面抵抗率の最大値/最小値で
表されるばらつきを1〜100倍の範囲とし、かつ周方
向における任意の20mm間での最大値/最小値で表さ
れる抵抗率変化を8以内とするように冷却エアーの量及
び圧力を調整することを特徴とする。
【0020】更にまた、本発明はシームレスチューブの
製造方法であり、前述した技術的課題を解決するために
以下のように構成されている。すなわち、本発明は、所
定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑性物を押出機に装着
した環状ダイよりチューブ状に溶融押出して冷却固化さ
せた後、チューブ状を維持した状態で連続的に引き取っ
て少なくとも2層よりなるシームレスチューブを製造す
る方法において、環状ダイから押出し成形されたチュー
ブ状体における内層と外層の円周方向における体積電気
抵抗値又は表面電気抵抗値に基づき、電気抵抗を調整す
る部分の温度を環状ダイから冷却固化するまでの間で測
温しながら環状ダイの内、外両側の円周方向の少なくと
も2箇所以上で環状ダイの温度を、得られたシームレス
チューブの各部における体積抵抗率又は表面抵抗率の最
大値/最小値で表されるばらつきを1〜100倍の範囲
とし、かつ周方向における任意の20mm間での最大値
/最小値で表される抵抗率変化を8以内とするように調
整することを特徴とする。
【0021】更にまた、本発明はシームレスチューブの
製造方法であり、前述した技術的課題を解決するために
以下のように構成されている。すなわち、本発明は、所
定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑性物を押出機に装着
した環状ダイよりチューブ状に溶融押出して冷却固化さ
せた後、チューブ状を維持した状態で連続的に引き取っ
て少なくとも2層よりなるシームレスチューブを製造す
る方法において、環状ダイから押出し成形されたチュー
ブ状体における内層と外層の円周方向における体積電気
抵抗値又は表面電気抵抗値に基づき、電気抵抗を調整す
る部分の温度を環状ダイから冷却固化するまでの間で測
温しながら環状ダイから押し出されるチューブ状体の内
層と外層におけるそれぞれその円周方向の少なくとも2
箇所以上で冷却エアーを吹き付け、その際、得られたシ
ームレスチューブ各部における体積抵抗率又は表面抵抗
率の最大値/最小値で表されるばらつきを1〜100倍
の範囲とし、かつ周方向における任意の20mm間での
最大値/最小値で表される抵抗率変化を8以内とするよ
うに冷却エアーの量及び圧力を調整することを特徴とす
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるシームレス
チューブ及びその製造方法を具体例を挙げて更に詳細に
説明する。 (1)シームレスチューブの電気抵抗:シームレスチュ
ーブの電気特性は、体積抵抗率が1×103から1×1
16Ω・cm、表面抵抗率が1×103から1×1016
Ω/□の範囲にあり、そのばらつきが100倍以内でな
ければならない。好ましくは、中間転写ベルトとしては
体積抵抗率が1×106から1×1014Ω・cm、表面
抵抗率が1×106から1×1014Ω/□の範囲で、そ
のばらつきが20倍以内、更に好ましくは10倍以内で
ある。
【0023】電気抵抗値がこれより低い場合は、大量に
導電性物質を加える必要が生じ、そのためシームレスチ
ューブの成形性を著しく損なうばかりか、シームレスチ
ューブがもろくなり、機械的強度が低下する。電気抵抗
値がこれより高い場合は、導電体としての役割を果たさ
なくなり、帯電が不安定になったり、感光体の光応答が
低下する。従って、感光体基体としてのシームレスチュ
ーブの電気抵抗値は上述した通り、ある特定範囲の半導
電領域に制御されていなければならない。
【0024】また、抵抗変化率については、ある一定の
変化率でないと、一旦帯電した電荷が抵抗の低い方へ移
動してしまい、画像に影響を与える。そのため体積抵抗
率と表面抵抗率の変化率がベルト上任意の20mm間で
の最大値/最小値で8以内であることが重要である。特
に、体積抵抗率が1×103から1×1016Ω・cm、
表面抵抗率が1×103から1×1016Ω/□の範囲に
あり、体積抵抗率と表面抵抗率の変化がベルト上任意の
20mm間での最大値/最小値で6以内である導電表面
層を有するシームレスチューブが好ましい。
【0025】(2)シームレスチューブの内径精度:シ
ームレスチューブは、最も内側に位置するベルト構成要
素として使用されることになるため、シームレスチュー
ブの内径精度は、特に重要となる。すなわち、シームレ
スチューブの内径精度は、ある一定の範囲以内でなけれ
ば、これをベルトとして使用した時に蛇行を招き、ベル
トとローラー端部との接触を起こしたり、或いはベルト
両端部に取り付けられた蛇行防止用ゴムガイド部とベル
トに極度にストレスが加わり破断しやすくなる。そし
て、シームレスチューブの幅方向の内径のばらつきは±
0.3%以内が好ましく、更に好ましい内径精度は±
0.1%以内である。
【0026】(3)シームレスチューブの製造方法:シ
ームレスチューブの製造方法としては特に制限はなく公
知のものが挙げられるが、特に好ましいシームレスチュ
ーブの製造方法としてはその具体例を後述するが、押出
し機先端に取り付けた環状ダイより熱可塑性樹脂、エラ
ストマー等をチューブ状に溶融押出し、チューブの外部
及び/又は内部を冷却して連続的にシームレスチューブ
を成形することが可能な溶融押し出し成形法が連続生産
性、電気抵抗の均一性、内径の均一性の点で好ましい。
【0027】押出し方向は垂直方向、水平方向どちらで
も構わないが、チューブの内径を高精度で制御可能な重
力に影響を受けない垂直方向の下方押出し方式が好まし
い。また、環状ダイとしては、サイドフィードダイやマ
ンドレルサポートダイやクロスヘッドダイ、オフセット
ダイ等が挙げられるが、樹脂合流部で厚みムラ、電気抵
抗値の変動が発生しにくいスパイラルダイが好ましい。
【0028】さらに、均一な抵抗値を得るために、ギャ
ポンプで溶融樹脂を定量押出ししたり、ダイス内の温度
や、溶融樹脂温度を均一にコントロールしたり、環状ダ
イ内の温度を均一にしたり、ダイス内に分割したヒータ
ー等を設けダイス内の温度や溶融樹脂温度を個別に独立
してコントロールしてもよい。重要なことは、シームレ
スベルトの抵抗値ばらつきが、ある一定範囲の抵抗率変
化内に制御されていることである。
【0029】(4)シームレスチューブの材料:本発明
において適用されるシームレスチューブの樹脂組成物
は、基本的に熱可塑性樹脂を主原料とした樹脂組成物
で、導電性フィラーを配合したものも含まれる。
【0030】熱可塑性樹脂としては、エチレン(高密
度、中密度、低密度、直鎖状低密度)、プロピレンエチ
レンブロックまたはランダム共重合体、ゴムまたはラテ
ックス成分例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、
スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体またはその水素添加誘導体、ポ
リブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンエーテル、変成ポリフェニ
レンエーテル、ポリイミド、液晶性ポリエステル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスルフォン、ポリエーテ
ルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリビス
アミドトリアゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アク
リル、 ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチ
レンテトラフロロエチレン共重合体、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレンヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンパーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフ
ルオロエチレン、フッ素ゴム、アクリル酸アルキルエス
テル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエ
ーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合
体、オレフイン共重合体、ポリウレタン共重合体、の1
種又はこれらの混合物からなるもの等が使用される。
【0031】特に電子写真式の複写機、プリンター用の
中間転写体用抵抗制御シームレスチューブとして好まし
い樹脂は、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、
エチレンテトラフロロエチレン共重合体、ポリクロロト
リフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンパ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテト
ラフルオロエチレン等のフッ素樹脂やフッ素ゴムがトナ
ー等からの汚れを防止するためにも好ましく、また、ポ
リカーボネートやポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエステルエステル共重合
体、ポリエーテルエステル共重合体等のエステル系熱可
塑性樹脂が耐電気特性において電気抵抗値の変動が少な
く安定のため好ましい。
【0032】また、これらの熱可塑性樹脂に導電性を付
与するために、導電性フイラーが添加される。導電性フ
ィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、カ
ーボン繊維、金属粉、導電性金属酸化物、有機金属酸化
物、有機金属化合物、有機金属塩、導電性高分子等から
選ばれる少なくとも1種またはこれら数種の混合物から
なるものが好ましい。その中でも特にカーボンブラック
が好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブ
ラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等の
カーボンブラックがある。フィルムの外観を損なわない
ためにも分散性に優れたアセチレンブラックが好まし
い。
【0033】カーボンブラックの配合量は、カーボンブ
ラックの種類により異なるが、アセチレンブラックの場
合、熱可塑性樹脂100重量部に対して3〜25重量部
で配合されていることがが好ましく、さらには、熱可塑
性樹脂に5〜20重量%配合されていることが特に好ま
しい。ケッチェンブラックの場合には1〜10重量%が
好ましく、アセチレンブラックと併用して用いてもよ
い。上記範囲未満では導電性に乏しく、上記範囲以上で
は製品の外観が悪くなり、また材料強度が低下して好ま
しくない。
【0034】樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しな
い限りにおいて、通常の樹脂組成物に配合される各種の
付加的成分を含むことができる。このような成分として
は、酸化防止剤、滑剤、離型剤などがある。
【0035】更に、発明の効果を著しく損なわない限
り、上記以外の以下のような付加成分を更に添加しても
構わない。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、各種フィラー
としては、例えば、炭酸カルシウム(重質、軟質)、タ
ルク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ゼ
オライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビー
ズ、ベントナイト、モンモリナイト、アスベスト、中空
ガラス球、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、アル
ミニウム繊維、ステンレススチール繊維、黄銅繊維、ア
ルミニウム粉末、木粉、もみ殻、グラファイト、金属
粉、導電性金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩等
のフィラーをあげることができる。
【0036】また、添加剤としては、例えば、酸化防止
剤(フェノール系、硫黄系等)、滑剤、有機・無機系の
各種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和
剤、発泡剤、可塑剤、銅害防止剤、架橋剤、流れ性改良
剤等を挙げることができる。
【0037】(5)シームレスチューブの外表面粗さ:
シームレスチューブの粗さは、十点平均粗さで3μm以
内であることが好ましい。トナーの平均粒径は一般に5
μmから8μmであり、その粒径分布に幅があるため十
点平均粗さが3μmを越えると、粒径の小さいトナーが
シームレスベルトの微少の凹凸にめり込み、トナーがフ
ィルム上に固着堆積し、紙への転写効率が悪化したり、
抵抗値が変化したりするため画像ムラになるといったこ
とがある。さらに、好ましいシームレスチューブの粗さ
は十点平均粗さで1μm以内である。
【0038】(6)シームレスチューブの熱収縮率:シ
ームレスチューブの100℃での熱収縮率は、5%以下
が好ましい。電子写真装置においては装置内の雰囲気温
度が局所的に100℃に達する場合もありその時の収縮
率が5%を越えるとベルト内径が小さくなり、2本以上
のローラで張架して駆動させた場合、装置内の温度差で
ベルト両端のテンションが変わり蛇行する問題や、収縮
により電気抵抗値が変化するといった問題が発生する。
好ましくは100℃での熱収縮率が3%以下である。
【0039】(7)シームレスチューブの厚み:シーム
レスチューブの厚みは、25以上1000μm以下が好
ましく、50μm以上200μm以下が更に好ましい。
25μm未満になると2本以上のローラで張架して駆動
させた時に伸びてしまい好ましくない。また、1000
μmを越えるとシームレスチューブが硬くなり弾性変形
をしなくなりフレキシブルでなくなり2本以上のローラ
で張架して駆動させにくいため好ましくない。
【0040】(8)接触角:シームレスチューブ外表面
の水との接触角は、トナーによるシームレスチューブの
汚れ防止と関係し、ある特定の範囲以上でなければトナ
ーでシームレスチューブが汚染されやすくなる。好まし
いのは110〜70度である。
【0041】次に、このシームレスチューブの製造方法
を、図に示される製造装置を参照して詳細に説明する。
図1には本発明に係るシームレスチューブの製造方法を
実施する、冷却用マンドレルをチューブ内側に配設した
インサイドマンドレル方式のチューブ状体製造装置10
の一例が示されている。
【0042】このチューブ状体製造装置10は、押出機
11に装着した環状ダイ12を含む。この環状ダイ12
の中心部にはこれを貫通するように中空の支持棒13の
上部が同軸状に固定され、この支持棒13の下方側は、
冷却用マンドレル14の中心部を貫通して当該冷却用マ
ンドレル14を固定支持し、更にその下方部へ伸長して
いる。
【0043】環状ダイ12は、下端面に環状のスリット
12aが形成され、且つ内部には上方から下端面のスリ
ット12aに向かう環状の流路12bが形成され、この
環状流路12bを区画する内側ダイ部分12cの外周面
には複数条のスパイラル溝12dが形成されて構成され
ている。この環状流路12bは、上方部で前述した押出
機11の出口に接続されている。
【0044】環状ダイ12には、環状流路12bを流れ
る溶融樹脂の温度を部分的に制御する温度制御装置とし
て、環状ダイ12の周方向に亘って等間隔に12個のカ
ートリッジタイプの電気ヒータ15、25が2段即ち溶
融樹脂の押出し方向に配置され、各電気ヒータ15、2
5は環状ダイ12の内部に埋め込むような形式で取り付
けられている。そして、それぞれの電気ヒータ15、2
5の近傍に測温センサー16、26が同様に環状ダイ1
2の内部に埋め込むような形式で取り付けられている。
【0045】すなわち、上段に配置された12個のカー
トリッジ形電気ヒータ15及び測温センサー16と、下
段に配置された12個のカートリッジ形電気ヒータ25
及び測温センサー26とは、それぞれ環状ダイ12を構
成する外側ダイ部分12eにおいて溶融樹脂が環状流路
12b全体に行き渡る位置、換言すれば環状流路12b
内で円周方向への流動が終了する位置からダイリップ部
までの間の位置に、周方向に30度間隔で埋設されてい
る。
【0046】環状ダイ12と冷却用マンドレル14との
間であってチューブ状体Tの外周には、支持棒13と同
軸状に温調リング17が配置されている。この温調リン
グ17は、環状ダイ12から押し出される溶融樹脂のチ
ューブ全体を冷却するもので、溶融押出しチューブの外
周面ほぼ全周に冷風を吹き付けるようにその内周部に吹
出口が形成されている。この温調リング17は、冷却用
マンドレル14と同じ目的で設けられているものであ
り、従って冷却効率が低下しなければ設ける必要はな
い。
【0047】更に、支持棒13の下端付近には周方向に
90度間隔で4組のニップロール18が配置されてい
る。この各ニップロール18は、冷却用マンドレル14
より下方に位置する支持棒13の外周に固定された内側
ロール18aとこの内側ロールに対峙して支持された外
側ロール18bとから構成されている。
【0048】外側ロール18bは、その外周にゴム弾性
体で被覆され、且つ駆動ローラとして機能する。そし
て、内側ローラ18aと外側ローラ18bとによりチュ
ーブ状体Tを挟み付けることによってチューブ状体Tを
連続的に引き取る。このようなニップロール18は、固
化したチューブ状体Tに折り目を付けずにチューブ状を
維持したままで連続的に引き取る手段として有効であ
る。
【0049】チューブ状体Tが小径で、このチューブ状
体T内に内側ロールを設けることができない時、又はチ
ューブ状体Tが剛性を有する時には、この内側ロールを
省略しても差し支えない。なお、このようなニップロー
ル18は、支持棒13の周囲に少なくとも2ヶ所以上設
けることが好ましい。
【0050】支持棒13の内部には、圧力・流量制御気
体供給装置(図示せず)から伸びる圧力供給管19と排
出管20が付設されている。この圧力供給管19の吹出
口19a及び排出管20の吸込口20aは、それぞれ環
状ダイ12の下端面スリット12aから下方に向かって
押し出されるチューブ状体Tの内部に位置している。
【0051】そして、前者の吹出口19aは、環状ダイ
12と冷却用マンドレル14との間であって冷却用マン
ドレル14に近接した位置の支持棒13に形成された開
口から僅かに突出して固定され、また後者の吸込口20
aは環状ダイ12と冷却用マンドレル14との間であっ
てダイリップ部に近接した位置の支持棒13に形成され
た開口から僅かに突出して固定されている。これによ
り、圧力・流量制御気体供給装置から圧力供給管19を
通って送られた圧力・流量制御気体は、吹出口19aか
らチューブ状体T内に導入され、排出管20を介して回
収される。
【0052】他方、冷却用マンドレル14に冷媒を供給
する冷媒供給装置(図示せず)から伸びる流入管21と
排出管22も支持棒13内に通され、それぞれの開口端
21a、22aは冷却用マンドレル14内に位置決めさ
れている。これにより、冷媒供給装置から送られた冷媒
は、流入管21を介して冷却用マンドレル14内に導入
され、且つ排出管22を介して回収され、その結果冷却
用マンドレル14が効果的に冷却される。
【0053】次に、前述したチューブ状体製造装置10
を用いて本発明のシームレスチューブの製造方法におけ
る一実施形態について説明する。導電性フィラーが配合
された熱可塑性樹脂塑性物は押出機11から環状ダイ1
2のスパイラル溝12dに送り込まれる。そして、溶融
樹脂は、このスパイラル溝12dを通って環状ダイ12
の全周に回り込むと同時にこのスパイラル溝12dから
溢れた溶融樹脂は環状流路12bを真っ直ぐ下方向へ流
れ、これにより溶融樹脂は環状流路12b全体に行き渡
る。
【0054】その後、溶融樹脂は、環状のスリット12
aからチューブ状に押出され、温調リング17から吹き
出される冷却エアーカーテンを通過し且つ冷却用マンド
レル14の外周囲面に摺接しながら下方向へ移動する間
に冷却され、ニップロール18で引き取られ、所定の長
さで切断される。このようにして得られたシームレスチ
ューブは、テストピースとして使用されるもので、従っ
て上下各12個のカートリッジタイプの電気ヒータ1
5、25は不作動状態とされている。
【0055】次いで、このテストピースとして形成され
たシームレスチューブにおける軸線方向に直交する円周
上の表面電気抵抗率及び体積電気抵抗率がそれぞれ測定
される。図2で示される曲線Jはテストピースにおける
表面電気抵抗率分布を示し、図3で同様に示される曲線
Lはテストピースにおける体積電気抵抗率分布を示して
いる。更に、図4で示される曲線N1はテストピース形
成時における上段樹脂温度の分布を示し、また曲線N2
はテストピース形成時における下段の樹脂温度の分布を
示している。
【0056】これにより得られたテストピースの表面電
気抵抗率分布及び体積電気抵抗率分布即ちこれらの電気
抵抗率データに基づいてシームレスチューブの円周方向
におけるそれぞれの電気抵抗を調整する部分に対応する
環状ダイ12における周方向部分の温度を、上下それぞ
れ12個のカートリッジタイプの電気ヒータ15、25
における個々の通電量を細かく変更することにより調整
する。
【0057】次いで、製品としてのシームレスチューブ
を形成すべく、導電性フィラーが配合された熱可塑性樹
脂塑性物を押出機11から環状ダイ12のスパイラル溝
12dに送り込み、環状のスリット12aからチューブ
状に押出し、温調リング17から吹き出される冷却エア
ーカーテン内を通過し且つ冷却用マンドレル14の外周
囲面に摺接させながら下方向へ移動する間に冷却し、ニ
ップロール18で引き取る。
【0058】その後、このチューブ状体を所定の長さで
順次切断して所望のシームレスチューブが形成される。
このようにして形成されたシームレスチューブにおける
軸線方向に直交する円周上の表面電気抵抗率を測定した
ところ、図5(a)(b)に示されるような表面電気抵抗率分
布曲線K及び体積電気抵抗率分布曲線Mが得られた。な
お、図4に示される曲線P1、P2は、それぞれ上段の
電気ヒータ15及び下段の電気ヒータ25による溶融押
出しチューブの周方向部分における上段及び下段の樹脂
温度分布を示している。
【0059】この表面電気抵抗率分布曲線Kから明らか
なように、シームレスチューブ上任意の20mm間での
最大値/最小値で表される抵抗率変化が8以内となって
いる。このようなシームレスチューブを導電性シームレ
スベルト(図13に符号6で示される導電性シームレス
ベルト)として使用したところ、使用上不都合となるよ
うな画像欠陥は発生しなかった。
【0060】このチューブ状体製造装置10において、
環状ダイ12のダイリップ部と、溶融状態のチューブ状
体Tが最初に冷却用マンドレル14に接する位置との距
離は、通常、20mm以上500mm以下とされる。こ
の理由は、20mm未満であるとダイリップ部と冷却用
マンドレル14との間でチューブ状体Tが急激に変形す
るため切断し易くなって連続生産が困難となり、他方5
00mm以上とすると溶融張力の小さい溶融チューブの
占める割合が大となるためチューブ状体Tの形状が不安
定となって安定的連続生産が困難となるためである。
【0061】環状ダイ12については、スパイダーダ
イ、サイドフィードダイ、マンドレルサポートダイ、リ
ングスパイラルダイ、スクリーンパックダイと称するも
のでもよく、要するには環状のスリット12aがダイ出
口として形成されていればよい。しかし、環状方向のせ
ん断速度分布、せん断応力分布がより均一になるように
設計された4条から10条のスパイラル溝12dを備え
た所謂スパイラルダイを用いることが好ましい。
【0062】また、環状ダイの材質は、特に制限はない
が、JIS規格、S45Cに硬質クロームメッキや無電
解ニッケルメッキ、或いはチタンコートしたものが熱伝
導性がよく好ましい。なお、腐食を防止する目的で、ハ
ステロイ、各種ニッケル又はチタン等の合金やセラミッ
ク製であってもよい。
【0063】環状ダイ12におけるダイリップ部の直径
1と冷却用マンドレル14の直径D2との関係は、通
常、3D1≧D2≧0.3D1とされる。冷却用マンドレ
ル14の直径D2が3D1より大きいと、溶融状態のチュ
ーブ状体Tが冷却用マンドレル14に接する位置でステ
ィックスリップによる垂みが発生し、長手方向に肉厚の
均一なチューブ状体Tが得られなくなり、他方D2
0.3D1未満であると、溶融状態のチューブ状体Tが
円周方向に同時に冷却用マンドレル14に接触しなくな
り、肉厚の均一なチューブ状体Tが得られにくい傾向に
ある。
【0064】冷却用マンドレル14における軸方向長さ
は、通常、10mm以上且つダイリップの直径D1の3
倍以下とされる。この長さが10mm未満であると、ダ
イリップ部と冷却用マンドレル14と溶融状態のチュー
ブ状体Tとで囲まれた空間内の圧力制御が不安定となる
傾向にある。
【0065】また、この長さがダイリップ部の直径D1
の3倍より大きいと、固化したチューブ状体Tと冷却用
マンドレル14の側面との摩擦力が増大し、冷却用マン
ドレル14とこの下方に位置するニップロール18との
間で固化したチューブ状体Tが塑性変形し、チューブの
肉厚が不均一になる傾向にある。
【0066】冷却用マンドレル14は、一般には金属又
はセラミックが使用され、その表面は通常0.3μ以上
25μ以下の凹凸を形成した所謂梨地加工処理表面が好
ましい。この凹凸が0.3μ未満であると、溶融状態の
チューブが冷却用マンドレル14に接する位置でスティ
ックスリップを発生し、長手方向に均一な肉厚のチュー
ブ状体Tが得られにくい傾向にあり、凹凸が25μより
大きいと、チューブ状体Tの内面に引掻き傷が発生する
と共に、ダイリップと冷却用マンドレル14と溶融状態
のチューブ状体Tとで囲まれた空間内の圧力制御が不安
定となる傾向にある。
【0067】更に、冷却用マンドレル14には冷媒供給
装置によって内部に温度調整された冷媒が送られ且つ循
環されて、その表面が所定温度に冷却される。冷却用マ
ンドレル14の表面温度は、非結晶樹脂の成形において
はガラス転移点(Tg)+20℃以下、結晶性樹脂の成
形においては融点(Tm)以下、好ましくは、Tg又は
Tm−10℃以下とされる。
【0068】Tg+20℃或いはTm以上となる冷却用
マンドレル14上でスティックスリップが発生し、長手
方向に肉厚の均一なチューブ状体Tが得られなくなる。
ダイリップ部と冷却用マンドレル14と溶融状態のチュ
ーブ状体Tとで囲まれた空間には、圧力・流量制御気体
供給装置によって供給圧力と供給量を制御した空気、窒
素等の気体を連続的に供給し且つ排出される。
【0069】この空間が密閉状態にあると、微小な引き
取りむらを起こし、或いはダイリップ部と冷却用マンド
レル14との間の溶融状態にあるチューブ状体Tが周方
向において同時に接触しなくなり、肉厚の均一なチュー
ブ状体Tを得ることができ難くなる。
【0070】前述した実施形態に係るシームレスチュー
ブの製造方法を実施するチューブ状体製造装置10で
は、上下それぞれに12個の電気ヒータ15、25を、
環状ダイ12周面側から内部に埋設した例について説明
したが、本発明のシームレスチューブの製造方法はこの
ような構成の装置に限定されるものではない。
【0071】要するには、溶融樹脂の環状ダイ中での円
周方向流れが終了した後から溶融状態のチューブが冷却
固化されるまでの間であって、溶融樹脂の流れ方向の少
なくとも2箇所で溶融チューブ状体の周方向における温
度を制御できればよい。なお、電気ヒータ15、25の
数についてもそれぞれが12個でなければならない理由
はなく、その数は適宜選択可能である。
【0072】また、前述したチューブ状体製造装置10
において、測温センサー16、26は、熱電対を用いた
ものを使用しているが、白金抵抗対等公知の感温式接触
式温度センサーや、赤外線による公知の非接触式温度セ
ンサーを用いることもできる。しかし、外気の影響を受
けにくい接触式の温度センサーを使用することが好まし
い。
【0073】また、前述したチューブ状体製造装置10
では、上段及び下段にそれぞれ複数の電気ヒータ15、
25を配置して溶融樹脂を部分的に加熱することにより
溶融樹脂温度を変更制御する例についてのものであった
が、電気ヒータに代えてオイルヒータを用いることもで
きる。しかし、ダイス型への取り付けの容易さ、温度制
御の応答性の速さ等の点から電気ヒータを使用すること
が好ましい。更に、多点でダイスへ取り付けられる点か
ら、前述したようなカートリッジタイプの電気ヒータを
使用することが好ましい。
【0074】更に、温度制御装置として、前述したヒー
タのような加熱器に代えて冷却器を用いるか又は加熱器
との組合せ(上段に加熱器を、下段に冷却器を配置)に
よって環状流路12bを流れる溶融樹脂の温度をその流
れ方向において複数段位置で制御するようにしてもよ
い。そこで、加熱器と冷却器を組み合わせて構成された
チューブ状体製造装置の例を図5に示す。
【0075】図6に示されるチューブ状体製造装置30
は、下段に設置する温度制御装置として、環状ダイ12
におけるダイリップ部近傍において周方向に等間隔に複
数の冷却媒体通路31を形成し、各通路31に冷媒導入
管32a及び導出管32bをそれぞれ接続して構成され
ている。そして、各冷却媒体通路31には、冷媒導入管
32a及び導出管32bを介して冷媒が循環させられ
る。なお、各通路31ごとに流れる冷媒の温度は、前述
したと同様な趣旨で調整される。
【0076】すなわち、各通路31を流れるそれぞれの
冷媒温度は、テストピースで得られた電気抵抗分布即ち
データに基づいてシームレスチューブの円周方向におけ
る電気抵抗を調整する部分に対応する環状ダイ12にお
ける周方向部分の温度が所望の状態になるように調整さ
れる。なお、各通路31に流す冷媒は、温度調整された
液体であってもよいし、或いは空気又はその他の気体で
あってもよい。
【0077】更に、前述したチューブ状体製造装置1
0、30では、温度制御装置である加熱器としての電気
ヒータ15、25や冷却器としての冷媒通路31は、い
ずれも環状ダイ12に設けられていたが、この温度制御
装置は基本的には溶融樹脂の環状ダイ中での円周方向流
れが終了した後から溶融状態のチューブが冷却固化され
るまでの間に配設されているのが好ましい。
【0078】例えば、環状ダイ12より押出された後の
溶融押出しチューブの温度を制御する場合には、図7に
示される実施形態のチューブ状体製造装置40のように
環状ダイ12の下端面における環状のスリット12aか
ら押し出された溶融状態のチューブ状体が冷却用マンド
レル14に至るまでの間に、下段の温度制御装置として
複数の温調空気吐出管41を周方向に間隔をあけ、且つ
その吐出口をスリット12aから押し出された溶融状態
のチューブ状体Tに向けるように配置して構成すること
ができる。
【0079】その際、各温調空気吐出管41について
は、前述した最初の実施形態と同じ趣旨で溶融押出しチ
ューブの周方向に設置される。すなわち、各温調空気吐
出管41の吐出口が、テストピースで得られた電気抵抗
分布即ちデータに基づいてシームレスチューブの円周方
向における電気抵抗を調整する部分に対応する溶融押出
しチューブにおける周方向部分に対峙するように設置さ
れる。
【0080】ところで、この種の導電性又は半導電性の
シームレスチューブでは、外層と内層とが異なった性質
を備えていることが必要とされる場合がある。例えば、
外層が内層より摩擦係数が小さいこと、外層と内層
が異なった電気抵抗を有するもの、更にまた外層がフ
ッ素樹脂のような柔らかな材料で内層は高剛性な材料か
ら形成されていること等である。
【0081】このような要望を満足させるためには内層
と外層(場合には3層又は4層にすることもある)に用
いる材料の種類を変えることが多い。このように内外層
が異なる性質を備えるように異なる材料を使用する場合
には、特に両者の電気抵抗の絶対値も各々異なる。ま
た、成形時における樹脂流路が内外層で異なることから
せん断の履歴もそれぞれ相違し、従って各層における円
周方向の電気抵抗分布も異なる。
【0082】しかし、本発明におけるシームレスチュー
ブの製造方法では、前述したように溶融樹脂チューブに
おける周方向の温度を部分的にコントロールすることに
より周方向の電気抵抗値を変えることができるため、各
層が同一の樹脂材料であっても、或いは異なった樹脂材
であっても温度制御装置の配置によっては、各層の電気
抵抗を均一に制御できるのである。例えば、内層及び外
層の周方向電気抵抗分布を変えるチューブ状体製造装置
の一例が図8に示されている。
【0083】図8に示されるチューブ状体製造装置は、
2層ダイ金型を備えたものである。この2層ダイ金型を
備えたチューブ状体製造装置50は、ダイ金型51がほ
ぼ同心状に2つの環状流路51a、51bを備え、これ
ら2つの環状流路51a、51bは下方の下流側で合流
し、1つの環状流路51cとなってダイ金型の下端面に
形成された環状のスリット51dを出口とするように構
成されているものである。このような流路構成に従っ
て、外側の環状流路51aを流れる溶融樹脂が外層即ち
表面層を形成し且つ内側の環状流路51bを流れる溶融
樹脂が内層を形成し、内層と外層はダイ金型51の下方
部で合流して1層となる。
【0084】このような2層ダイ金型を備えるチューブ
状体製造装置50を用いてチューブ状体を製造する場
合、当該チューブ状体製造装置50は、溶融押出しチュ
ーブの外周側におけるダイ金型51のダイリップ部近傍
にそれぞれ、前述した実施形態で説明されているように
温度制御装置であるカートリッジタイプの複数の電気ヒ
ータ15、25が2段即ち溶融樹脂の押出し方向に配置
され、且つ更に各電気ヒータの近傍に測温センサー1
6、26がそれぞれ設置されて構成されている。
【0085】そして、更に溶融押出しチューブの内周側
におけるダイ金型51のダイリップ部近傍にも温度制御
装置であるカートリッジタイプの複数の電気ヒータ55
が溶融樹脂の周方向に配置され、且つこれらの各電気ヒ
ータ55の近傍に測温センサー56が設置されている。
【0086】このような構成のチューブ状体製造装置5
0を用いて溶融押出しチューブの内層及び外層の表面電
気抵抗率及び体積電気抵抗率を制御することにより、各
層が同一の樹脂材料でも或いは異なった樹脂材料でも各
層の電気抵抗がそれぞれ均一に制御されたシームレスチ
ューブを容易に製造することができる。
【0087】ただし、図8に示される2層ダイ金型を備
えるチューブ状体製造装置50では、温度制御装置を溶
融押出しチューブの内周側及び外周側の両方に設けたも
のであったが、この温度制御装置の配置は、溶融押出し
チューブの内周側又は外周側のいずれか一方でもよく、
このような配置は、得ようとするシームレスチューブの
用途等により適宜選択することができる。また、温度制
御装置として、電気ヒータに代えてオイルヒータ等種々
の形式のものを使用できるのみならず、前述した各実施
形態のように冷却器を種々の態様で配置してもよい。
【0088】なお、前述した各実施形態に係るチューブ
状体製造方法については、冷却用マンドレルをチューブ
内側に配設したインサイドマンドレル方式の製造装置を
例にして説明したが、本発明はこのような製造装置以外
にも、アウトサイドマンドレル等のサイジング方式の製
造装置を用いて実施することができる。特に、直径が3
0mm以下のシームレスチューブを製造する場合にはア
ウトサイドマンドレルやアウトサイドサイジング方式の
製造装置を用いることが望ましい。
【0089】また、前述した本発明のシームレスチュー
ブの製造方法の説明において、「チューブ」と言う用語
には、その厚みを限定する意味を含まず、本発明がいか
なる厚みを持ったこの種のチューブを製造する場合にも
同様な効果を奏するものである。更にまた、前述した各
実施形態では、チューブ状体が環状ダイの下端面に形成
された環状のスリットから重力方向に向かって押し出さ
れる例について説明したが、本発明の環状ダイでは、例
えば横方向の押し出しでもよいことは言うまでもない。
ただし、本発明の製造方法では、前述した実施形態のよ
うな縦方向の押し出しの方が好ましい。
【0090】前述した各実施形態に係るチューブ状体製
造方法を実施する製造装置において、冷却固化後のチュ
ーブ状体Tにおける表面電気抵抗の測定は、(株)ダイ
ヤインスツルメンツ製ハイレスタのHAプロープを用
い、測定電圧100V、測定時間10秒にてチューブ円
周方向20mmピッチで測定した。また、冷却固化後の
チューブ状体Tにおける体積電気抵抗の測定について
も、(株)ダイヤインスツルメンツ製ハイレスタのHR
Sプロープを用い、測定電圧100V、測定時間10秒
にてチューブ円周方向20mmピッチで測定した。
【0091】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
これらに限定されるものではない。 [実施例1]図1に示されるチューブ状体製造装置によ
り前述した方法でシームレスチューブを製造した。この
シームレスチューブにおける軸線方向に直交する円周上
の表面電気抵抗率分布は図9に示される通りであり、こ
のシームレスチューブを中間転写体(ベルト)として用
いて画像評価を行った結果は表1の通りである。
【表1】
【0092】[実施例2]図1に示されるチューブ状体
製造装置により前述した方法でシームレスチューブを製
造した。このシームレスチューブにおける軸線方向に直
交する円周上の表面電気抵抗率分布は図10に示される
通りであり、このシームレスチューブを中間転写体(ベ
ルト)として用いて画像評価を行った結果は表2の通り
である。
【表2】
【0093】[実施例3]図1に示されるチューブ状体
製造装置により前述した方法でシームレスチューブを製
造した。このシームレスチューブにおける軸線方向に直
交する円周上の表面電気抵抗率分布は図11に示される
通りであり、このシームレスチューブを中間転写体(ベ
ルト)として用いて画像評価を行った結果は表3の通り
である。
【表3】
【0094】[比較例1]従来のチューブ状体製造装置
によりシームレスチューブを製造した。このシームレス
チューブにおける軸線方向に直交する円周上の表面電気
抵抗率分布は図12に示される通りであり、このシーム
レスチューブを中間転写体(ベルト)として用いて画像
評価を行った結果は表4の通りである。
【表4】
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシームレ
スチューブによれば、各部における体積抵抗率又は表面
抵抗率の最大値/最小値で表されるばらつきが1〜10
0倍の範囲にあり、かつシームレスチューブ上任意の2
0mm間での最大値/最小値で表される抵抗率変化を8
以内とすることにより、これをシームレス感光体ベルト
として使用した時、鮮明な画像を得ることができる。
【0096】また、本発明におけるシームレスチューブ
の製造方法によれば、チューブ状体の円周方向における
各電気抵抗を調整する部分に対応する溶融押出しチュー
ブの樹脂温度、即ち押出しチューブ状体の厚さ方向に加
えられる溶融樹脂温度と表面方向に加えられる溶融樹脂
温度を調整することにより、体積抵抗率又は表面抵抗率
の最大値/最小値で表されるばらつきが1〜100倍の
範囲にあり、かつシームレスチューブ上任意の20mm
間での最大値/最小値で表される抵抗率変化が8以内の
チューブを連続的に押出し成形することができ、その結
果低コストで且つ大量に、安定したシームレスチューブ
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシームレスチューブ
の製造方法を実施するチューブ状体製造装置の一例を示
す断面図である。
【図2】図1に示されるチューブ状体製造装置で形成さ
れたシームレスチューブにおける軸線方向に直交する円
周上の表面電気抵抗率分布を、環状ダイの温度制御を行
う前と温度制御を行った後について測定したグラフを示
す特性図である。
【図3】図1に示されるチューブ状体製造装置で形成さ
れたシームレスチューブにおける軸線方向に直交する円
周上の体積電気抵抗率分布を、環状ダイの温度制御を行
う前に測定したグラフを示す特性図である。
【図4】図1に示されるチューブ状体製造装置における
溶融押出しチューブの周方向温度を、環状ダイの温度制
御を行う前におけるそれぞれ上段及び下段について測定
したグラフを示す特性図である。
【図5】図1に示されるチューブ状体製造装置で形成さ
れたシームレスチューブにおける軸線方向に直交する円
周上の表面電気抵抗率分布を、環状ダイの温度制御を行
った後について測定したグラフを示す特性図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシームレスチューブ
の製造方法を実施する別な例のチューブ状体製造装置を
示す断面図である。
【図7】本発明のシームレスチューブの製造方法を実施
するチューブ状体製造装置の更に別の例を示す断面図で
ある。
【図8】本発明のシームレスチューブの製造方法を実施
するチューブ状体製造装置の更に別の例であって、2層
ダイ金型を備えるチューブ状体製造装置を示す断面図で
ある。
【図9】本発明の実施例1として図1に示されるチュー
ブ状体製造装置で形成されたシームレスチューブにおけ
る軸線方向に直交する円周上の表面電気抵抗率分布を示
す特性図である。
【図10】本発明の実施例2として図1に示されるチュ
ーブ状体製造装置で形成されたシームレスチューブにお
ける軸線方向に直交する円周上の表面電気抵抗率分布を
示す特性図である。
【図11】本発明の実施例3として図1に示されるチュ
ーブ状体製造装置で形成されたシームレスチューブにお
ける軸線方向に直交する円周上の表面電気抵抗率分布を
示す特性図である。
【図12】比較例として従来のチューブ状体製造方法で
形成されたシームレスチューブにおける軸線方向に直交
する円周上の表面電気抵抗率分布を示す特性図である。
【図13】従来の中間転写方式の複写機の要部を示す側
面図である。
【符号の説明】
10、30、40、50 チューブ状体製造装置 11 押出機 12 環状ダイ 12a 環状のスリット 12b 環状流路 12c 外側ダイ部分 12d スパイラル溝 12e 内側ダイ部分 13 支持棒 14 冷却用マンドレル 15 上段の電気ヒータ(温度制御装置) 16 測温センサー 17 温調リング 18 ニップロール 25 下段の電気ヒータ(温度制御装置) 26 測温センサー 31 冷媒通路(温度制御装置) 41 温調空気吐出管 51 2層ダイ金型 51a 外側の環状流路 51b 内側に環状流路 51c 環状流路 55 電気ヒータ(温度制御装置) 56 測温センサー

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シームレスチューブ各部における体積抵
    抗率又は表面抵抗率の最大値/最小値で表されるばらつ
    きが1〜100倍の範囲にあり、かつ前記シームレスチ
    ューブ上任意の20mm間での最大値/最小値で表され
    る抵抗率変化が8以内であることを特徴とするシームレ
    スチューブ。
  2. 【請求項2】 前記シームレスチューブの表面層におけ
    る電気抵抗値の平均値が、体積抵抗率で1×103Ω.
    cm以上、1×1016Ω.cm以下、表面抵抗率で1×
    103Ω/□以上、1×1016Ω/□以下の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1に記載のシームレスチュー
    ブ。
  3. 【請求項3】 前記シームレスチューブ表面の水との接
    触角が110〜70度以下であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のシームレスチューブ。
  4. 【請求項4】 前記シームレスチューブが導電性フィラ
    ーを含有する熱可塑性樹脂組成物を環状ダイから押出し
    成膜されて形成されることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のシームレスチューブ。
  5. 【請求項5】 前記シームレスチューブが熱可塑性樹脂
    に導電性フィラーとしてアセチレンブラックを5重量%
    以上20重量%以下の割合で配合された層を少なくとも
    1層有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のシームレスチューブ。
  6. 【請求項6】 前記シームレスチューブにおいて、10
    0℃における熱収縮率が5%以内であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のシームレスチュー
    ブ。
  7. 【請求項7】 前記シームレスチューブの長手方向の内
    径の変化量が平均値に対して、±0.3%以内、厚みば
    らつきが±5%以内の範囲であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のシームレスチューブ。
  8. 【請求項8】 前記シームレスチューブがその外表面十
    点平均粗さが3μm以下であることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載のシームレスチューブ。
  9. 【請求項9】 所定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑性
    物を押出機に装着した環状ダイよりチューブ状に溶融押
    出して冷却固化させた後、チューブ状を維持した状態で
    連続的に引き取ってシームレスチューブを製造する方法
    において、 前記環状ダイから押出し成形されたチューブ状体の円周
    方向における体積電気抵抗値又は表面電気抵抗値に基づ
    き、電気抵抗を調整する部分の温度を前記環状ダイから
    冷却固化するまでの間で測温しながら前記環状ダイの円
    周方向の少なくとも2箇所以上で前記環状ダイの温度を
    変化させ、その際得られたシームレスチューブの各部に
    おける体積抵抗率又は表面抵抗率の最大値/最小値で表
    されるばらつきを1〜100倍の範囲とし、かつ周方向
    における任意の20mm間での最大値/最小値で表され
    る抵抗率変化を8以内とするように調整することを特徴
    とするシームレスチューブの製造方法。
  10. 【請求項10】 所定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑
    性物を押出機に装着した環状ダイよりチューブ状に溶融
    押出して冷却固化させた後、チューブ状を維持した状態
    で連続的に引き取ってシームレスチューブを製造する方
    法において、 前記環状ダイから押出し成形されたチューブ状体の円周
    方向における体積電気抵抗値又は表面電気抵抗値に基づ
    き、電気抵抗を調整する部分の温度を前記環状ダイから
    冷却固化するまでの間で測温しながら前記環状ダイから
    押し出されるチューブ状体にその円周方向の少なくとも
    2箇所以上で冷却エアーを吹き付け、その際、得られた
    シームレスチューブ各部における体積抵抗率又は表面抵
    抗率の最大値/最小値で表されるばらつきを1〜100
    倍の範囲とし、かつ周方向における任意の20mm間で
    の最大値/最小値で表される抵抗率変化を8以内とする
    ように冷却エアーの量及び圧力を調整することを特徴と
    するシームレスチューブの製造方法。
  11. 【請求項11】 所定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑
    性物を押出機に装着した環状ダイよりチューブ状に溶融
    押出して冷却固化させた後、チューブ状を維持した状態
    で連続的に引き取って少なくとも2層よりなるシームレ
    スチューブを製造する方法において、 前記環状ダイから押出し成形されたチューブ状体におけ
    る内層と外層の円周方向における体積電気抵抗値又は表
    面電気抵抗値に基づき、電気抵抗を調整する部分の温度
    を前記環状ダイから冷却固化するまでの間で測温しなが
    ら前記環状ダイの内、外両側の円周方向の少なくとも2
    箇所以上で前記環状ダイの温度を、得られたシームレス
    チューブの各部における体積抵抗率又は表面抵抗率の最
    大値/最小値で表されるばらつきを1〜100倍の範囲
    とし、かつ周方向における任意の20mm間での最大値
    /最小値で表される抵抗率変化を8以内とするように調
    整することを特徴とするシームレスチューブの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 所定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑
    性物を押出機に装着した環状ダイよりチューブ状に溶融
    押出して冷却固化させた後、チューブ状を維持した状態
    で連続的に引き取って少なくとも2層よりなるシームレ
    スチューブを製造する方法において、 前記環状ダイから押出し成形されたチューブ状体におけ
    る内層と外層の円周方向における体積電気抵抗値又は表
    面電気抵抗値に基づき、電気抵抗を調整する部分の温度
    を前記環状ダイから冷却固化するまでの間で測温しなが
    ら前記環状ダイから押し出されるチューブ状体の内層と
    外層におけるそれぞれその円周方向の少なくとも2箇所
    以上で冷却エアーを吹き付け、その際、得られたシーム
    レスチューブ各部における体積抵抗率又は表面抵抗率の
    最大値/最小値で表されるばらつきを1〜100倍の範
    囲とし、かつ周方向における任意の20mm間での最大
    値/最小値で表される抵抗率変化を8以内とするように
    冷却エアーの量及び圧力を調整することを特徴とするシ
    ームレスチューブの製造方法。
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