JPH1039659A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1039659A
JPH1039659A JP19076196A JP19076196A JPH1039659A JP H1039659 A JPH1039659 A JP H1039659A JP 19076196 A JP19076196 A JP 19076196A JP 19076196 A JP19076196 A JP 19076196A JP H1039659 A JPH1039659 A JP H1039659A
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Hiroyuki Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期使用においても転写不良、画像欠陥及び
感光体汚染を防止し、良好で均一な画像を維持でき、し
かも中間転写体の長寿命化及び低ランニングコスト化を
実現した画像形成装置を提供する。 【解決手段】 第1の画像担持体上に形成された画像を
中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
転写する画像形成装置において、該中間転写体が、少な
くとも弾性層上に第1の層及び第2の層をこの順に有
し、かつ第1の層に用いられるバインダーの100%引
張り応力が20〜60kgf/cm2 、伸びが400〜
750%であり、第2の層に用いられるバインダーの1
00%引張り応力が70〜150kgf/cm2 、伸び
が350〜600%である画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成
されたトナー像を、一旦中間転写体上に転写させた後に
第2の画像担持体上に更に転写させ画像形成物を得る複
写機、プリンター及びファックス等の画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画
像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成
装置、もしくはカラー画像形成機能や多色画形成機能を
具備させた画像形成装置として有効であり、各成分色画
像の重ね合わせズレ(色ズレ)のない画像を得ることが
可能である。
【0003】ローラ形状を有する中間転写体を用いた転
写装置である画像形成装置の一例の該略図を図1に示
す。
【0004】図1は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。中間転写体として中抵抗の弾性ローラ20
を使用している。
【0005】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラ
ムと記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プ
ロセススピード)をもって回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器
(コロナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯
電処理され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿
画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービーム
を出力するレーザースキャナによる走査露光系等)によ
る画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第
1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電
潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1現像器41
(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナー
Mにより現像される。この時第2〜第4の現像器42,
43及び44(シアン、イエロー及びブラックの各現像
器)は作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せ
ず、上記第1色のマゼンタトナー画像は上記第2〜第4
の現像器42〜44により影響を受けない。
【0008】中間転写体20は矢示の反時計方向に感光
ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】本実施例の中間転写体20は、パイプ状の
芯金21と、その外周面に形成された弾性層を含む被覆
層22からなる。
【0010】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のマゼンタトナー画像が、感光ドラム1と中間転写体
20とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に
印加される一次転写バイアスにより形成される電界によ
り、中間転写体20の外周面に順次中間転写されてい
く。
【0011】中間転写体20に対応する第1色のマゼン
タトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、ク
リーニング装置14により清掃される。
【0012】以下同様に第2色のシアントナー画像、第
3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画
像が順次中間転写体20上に重畳転写され、目的のカラ
ー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0013】25は転写ローラで、中間転写体20に対
応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してあ
る。
【0014】感光ドラム1から中間転写体20への第1
〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写
バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源6
1から印加される。その印加電圧は例えば+2kV〜+
5kVの範囲である。
【0015】感光ドラム1から中間転写体20への第1
〜第4色のトナー画像の順次転写実行工程において、転
写ローラ25及び中間転写体クリーナ35は中間転写体
20から離間することも可能である。
【0016】中間転写体20上に重畳転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材24へ
の転写は、転写ローラ25が中間転写体20に当接され
ると共に、給紙カセット9から中間転写体20と転写ロ
ーラ25との当接ニップに所定のタイミングで転写材2
4が給送され、同時に二次転写バイアスがバイアス電源
29から転写ローラ25に印加される。この二次転写バ
イアスにより中間転写体20から第2の画像担持体であ
る転写材24へ合成カラートナー画像が転写される。ト
ナー画像転写を受けた転写材24は定着器15へ導入さ
れ加熱定着される。
【0017】転写材24への画像転写終了後、中間転写
体20上の転写残トナーは中間転写体クリーナ35が当
接されクリーニングされる。
【0018】前述の中間転写体を用いた画像形成装置を
有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転写ド
ラム上に第2の画像支持体を張り付けまたは吸着せし
め、そこへ第1の画像支持体上から画像を転写する画像
形成装置を有したカラー電子写真装置が、例えば特開昭
63−301960号公報中で述べられたごとくの転写
方法よりは以下の点で優れている。すなわち、各色のト
ナー画像の重ね合わせ時の色ズレが少ない。次に、図1
で示されるごとく、第2の画担持像体になんら加工や制
御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、または曲
率を持たせる等)を必要とせずに中間転写体から画像を
転写することができるため、第2の画担持像体を多種多
様に選択することができる。
【0019】例えば、薄い紙(40g/m2 紙)から厚
い紙(200g/m2 紙)までの選択が可能。第2の画
担持像体の幅の広狭または長さの長短によらず転写可
能。更には封筒、ハガキ及びラベル紙等までの対応が可
能である。
【0020】また、中間転写体の剛性が優れているた
め、繰り返しの使用によってへこみ、ひずみ及び変形等
の寸法精度の狂いが生じにくいため、当該中間転写体の
交換頻度を長くすることができる。
【0021】このように、中間転写体を用いることによ
る利点のため、すでに市場においてはこの画像形成装置
を用いたカラー複写機及びカラープリンター等が稼働し
始めている。
【0022】しかし、この中間転写体を用いた画像形成
装置を実際に繰り返し使用する場合、次のごとき問題点
を未だ有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】第1の画像担持体、例
えば感光ドラムから中間転写体への転写効率、及び中間
転写体から第2の画像担持体、例えば紙やOHPシート
への転写効率を高めるために、最外層と弾性層のみの組
み合わせを用いた中間転写体の最外層のバインダーに高
潤滑性粉体を多量に混合したものを使用した場合、接着
性の高いバインダーを用いたとしても、そもそも最外面
が高潤滑性であるが故に最外層と弾性層との密着性が良
好でなくなることがある。このため3〜4万枚程度の耐
久性はこの状態でも有しているものの、更に長期間(例
えば6万枚程度)の耐久を行うと表層が弾性層から剥が
れたりひびわれたりすることがあり、転写したときに剥
がれた部分の導通が十分でなくなり、十分に転写されず
に画像のムラが発生したり、ひびわれた部分が十分に転
写されずに画像にひびわれた表面状態がそのまま転写し
てしまうことがあった。このことで中間転写体を3〜4
万枚毎に交換しなければならず、ランニングコストが高
いものとなってしまうことがあった。
【0024】また、最外層バインダー中に高潤滑性粉体
を多量に混合したものを使用した場合、バインダーと高
潤滑性粉体の密着性が充分でなくなることがあり、その
ために最外層の弾性層からのブリード物に対するバリア
ー性が低下することがあり、1〜2週間程度の高温高湿
環境ではバリアー性が保たれているものの1ヵ月以上の
長期にわたる場合、バインダーと高潤滑性粉体との界面
を弾性層からのブリード物が通り抜けて、感光体等を汚
染し画像欠陥を生じる場合があった。
【0025】更には、第一の画像担持体、例えば感光ド
ラムから中間転写体への転写効率、及び中間転写体から
第二の画像担持体、例えば紙やOHPシートへの転写効
率を高くするため転写バイアスを高く設定する方法があ
るが、転写バイアスを高くした場合、感光体に打痕ある
いは金属粉等の異物が混入して感光体の背面電極に通ず
る導電路が形成されたとき、前記と同様に長期間耐久さ
れて最外層が弾性層から剥がれたりひびわれたりすると
中間転写体から過剰な電流が流れ、中間転写体に印加さ
れた電圧が降下することによって、中間転写体の感光体
長手方向接触領域全域にわたって、十分転写されない部
分ができ、欠陥のある画像になってしまうことがあっ
た。更に、感光体背面電極への過剰電流は電子写真装置
の電気制御系統の誤動作や破損を生じさせる等のおそれ
があった。
【0026】しかるに、本発明は前述の諸問題を解決し
た新規な中間転写体を用いる画像形成装置を提案するも
のである。
【0027】本発明の目的は、第1の画像担持体から中
間転写体への転写効率、及び中間転写体から第2の画像
担持体への転写効率が極めて高い画像形成装置を提供す
ることにある。
【0028】本発明の別の目的は、画像の微小部分の転
写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一、均
質の画像品質が、第2の画像担持体である紙やOHPシ
ートの種類に依存することなしに達成される画像形成装
置を提供することにある。
【0029】本発明の更に別の目的は、中間転写体の繰
り返し使用による苛酷な耐久使用を行っても中間転写体
の特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持し得る画
像形成装置を提供することにある。
【0030】本発明のその上の目的は、中間転写体表面
へのトナーの付着によるフィルミングの発生しない画像
形成装置を提供することにある。
【0031】本発明の更にその上の目的は、有機感光体
に悪影響を与えず、感光体寿命の長い画像形成装置を提
供することにある。
【0032】更に別の目的は、中間転写体の層構成が、
少なくとも弾性層及び第1の層と第2の層を有している
中間転写体の第2の層、もしくは中間転写体の最外層に
高潤滑性粉体を多量に混合したものを使用した場合にお
いて長期間繰り返し画像を出力しても、第2の層もしく
は最外層が弾性層から剥がれたり、ひび割れたりせず均
一な導電性及び転写性を実現すること、もしくは、弾性
層からのブリード物が発生した場合でも感光体汚染され
ず画像欠陥を発生しないこと、もしくは、第1の画像担
持体から中間転写体への転写、及び中間転写体から第2
の画像担持体への転写をする場合の転写効率を高めるた
め転写バイアスを高く設定した場合でもリークが発生し
ない画像形成装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、第
1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体上に転
写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成
装置において、該中間転写体が、少なくとも弾性層上に
第1の層及び第2の層をこの順に有し、かつ第1の層に
用いられるバインダーの100%引張り応力が20〜6
0kgf/cm 2 、伸びが400〜750%であり、第
2の層に用いられるバインダーの100%引張り応力が
70〜150kgf/cm2 、伸びが350〜600%
であることを特徴とする画像形成装置である。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明においては、第2の層と弾
性層との間にある第1の層に用いられるバインダーの伸
び及び100%引張り応力を、下層にある弾性層の柔軟
性または変形に追随可能となるように設計してある。す
なわち、該バインダーは、従来用いられるごとくの硬質
の屈曲性の乏しい樹脂ではなく、容易に伸長でき、か
つ、多大の応力を必要とせずに伸縮がなし得るよう、1
00%引張り応力が20〜60kgf/cm2 、好まし
くは30〜55kgf/cm2 の範囲とし、かつ、伸び
は400〜750%、好ましくは450〜700%、よ
り好ましくは480〜650%の範囲にある。
【0035】この作用により、第2の層に高潤滑性のフ
ィラー、例えば好ましくはフッ素系のフィラーを多量に
混合しても第2の層と第1の層との接着性がより緊密に
増し、更に第1の層と弾性層との接着も第1の層には離
型性を求めなくてもよいので高潤滑性粉体を混合する必
要がなく、第1の層と弾性層の密着性は良好なものとな
る。
【0036】更に、第2の層に比較的柔軟性に劣るバイ
ンダーを用いたとしても弾性層の変形に対応して、第1
の層が衝撃または変形の吸収効果を有し、弾性層と第1
の層の界面と第1の層の厚み内部でその動きを吸収する
ため、第1の層と第2の層の界面では著しい変動・変化
とはならず、良好な密着性を保持することが可能とな
る。
【0037】そのため、第1の層と第2の層の膜厚を規
定することは本発明にとって、極めて重要な点である。
【0038】すなわち、第1の層の膜厚が薄いと、弾性
層の変化を第1の層が吸収しきれず、第2の層にその影
響を及ぼすことになる。このため、第1の層より被膜の
柔軟性に劣る第2の層は、ヒビ割れ等が発生し易くな
る。これは第2の層の膜厚が過大に厚過ぎる場合も同様
な不具合が生じる。
【0039】本発明にとって第1の層と第2の層の膜厚
の関係は5<L1 <60μm好ましくは、7<L1 <5
0μmであり、L1 ≧L2 の範囲にある。
【0040】この時L1 及びL2 は第1の層、及び第2
の層の膜厚(単位μm)を示す。
【0041】第1の層の膜厚が60μm以上あると層の
電気抵抗が高抵抗化し1次転写、2次転写時に充分な印
加電圧を付与することができなくなり、転写効率の低下
を惹起する。
【0042】一方、第2の層に用いられるバインダーも
高潤滑性フィラーを多量に含有することが可能であり、
外界からの中間転写体表層への変形、押し圧、摩擦及び
削れ等の負荷要因に対し、強い抵抗力を有するバインダ
ーを選択することにより、該中間転写体が高転写効率を
維持し、かつ、長期間の繰り返し使用に耐える耐久性を
獲得することができるようになり本発明を完成するに到
った。上述の特性を有する、第2層に用いられるバイン
ダーとしては、100%引張り応力が70〜150kg
f/cm2 、好ましくは70〜130kgf/cm2
あり、伸びが350〜600%、好ましくは380〜5
50%の範囲のものが使用可能である。
【0043】一般的に、100%引張り応力を下げるよ
うに樹脂設計を行うとそれに応じて伸びの大きさは大き
くなり、特性的には接着特性は上がり、変形及び屈曲に
対する自由度も上がる。反面タック性が大きくなり、中
間転写体表層として用いるとトナーの付着汚れを耐久の
早い時期に発生させ、またそれを助長することとなり、
実用的には不可である。
【0044】しかるに本発明においては、弾性層の上層
に、接着特性が優れかつ伸縮に豊んだバインダーを用い
ることにより、弾性層の上層に2層以上ある被覆層と弾
性層の密着性を向上せしめ、繰り返しの屈曲及び変形に
影響を受けない構成となっている。
【0045】逆に、100%引張り応力を上げるように
すると、伸びは小さくなり特性的には硬質の変形しにく
い、耐摩耗性に優れ、削れ及び汚れに強い構成となる。
本発明においては、下層部分に弾性層を用いているた
め、適度の屈曲や変形の対応性を有し、かつ、中間転写
体表層としての電子写真特性及び耐久性を保持し得るよ
うに、樹脂特性を選択している。
【0046】以上より、第2の層と弾性層の密着性が良
好でない場合でも第1の層が第2の層と弾性層の仲介を
することで、高い密着性を実現することができ、繰り返
し使用したとき第2の層が弾性層から剥がれたり、ひび
割れたりしなくなり、転写したときに剥がれた部分の導
通が十分でなくなることによる転写不良を防止するこ
と、更には、第2の層に高潤滑性のフィラーを多量に混
合しても第1の層には離型性を求めなくてもよいので高
潤滑性粉体を混合する必要がなく、高潤滑性粉体とバイ
ンダーとの間から弾性体のブリード物のすりぬけがなく
なり、感光体汚染を防ぐことができる。更には、弾性層
と第2の層の間に第1の層を用いることにより密着性が
向上することによって、第2の層と弾性層との界面で密
着性不十分による電流の横流れを防ぐことができ、ドラ
ムにピンホール等があいている場合においても、その穴
から過大電流が流れ(以下ピンホールリークと記す)、
転写時に十分転写されない部分ができることによる、欠
陥画像を防止している。
【0047】更に驚くべきことには、本発明の中間転写
体を用いることにより、前述の中間転写体クリーナ35
ごときの高価で複雑な装置を用いることなく、第2の画
像担持体へ転写した後、中間転写体に残存するトナーを
清掃除去できることを見い出した。
【0048】すなわち、高離型性及び高密着性を有する
中間転写体を用いることにより、図5に示されるごとく
中間転写体クリーナ35の代わりに、バイアスを印加で
きる中抵抗クリーニングローラ70を当該中間転写体2
0に当接するだけで、中間転写体20上のトナー71を
クリーニング除去することができる。
【0049】中間転写体20上のトナー71はクリーニ
ングローラ70を通過する時該ローラ70より適当なバ
イアスが印加される。これにより、トナー71は感光ド
ラム1に吸引され易い好ましい電荷を付与され感光ドラ
ム1と中間転写体20のニップ部を通過することにな
る。この時、感光ドラム1上のトナー画像72が、中間
転写体20上へ印加された一次転写バイアスにより形成
された電界により中間転写されると同時に、トナー71
は上述の電界のもとで感光ドラム1上へ回収されること
になる。この作用により中間転写体20上のトナー71
は全て感光ドラム1へ回収されクリーナ14へ収容され
る。中間転写体20表面上からトナーは除去清掃される
ことになる。更に、次の瞬間、先の清掃された中間転写
体表面へ前述のトナー画像72が転写されていくことに
なる。
【0050】この様なクリーニング同時転写という効果
は、本発明のごときの高離型及び高密着性を有した、中
間転写体のみによって達成し得るものである。
【0051】もちろん、トナーの離型性が悪ければクリ
ーニングローラ70でどんなに高バイアスを印加し、高
電荷を付与してもニップ部で完全にトナーを感光ドラム
1へ回収することは不可能である。同様に転写効率が低
ければ二次転写後の残トナーであるトナー71は思いの
ほか多くなり、やはりニップ部で全てのトナーを回収す
ることはできなくなる。
【0052】中間転写体20の離型性についても上述と
同様であり、トナー71を中間転写体表面から離脱し易
い状態を作ることが必要である。
【0053】本発明で用いる高潤滑性粉体としては中間
転写体表面に潤滑性を付与できるものであり、本発明で
用いる粉体の潤滑性を判断するためには次のような方法
を用いることができる。
【0054】試験する粉体20重量部と中間転写体表層
に使用される樹脂、例えばウレタンプレポリマー100
重量部とを撹拌混合し、硬化剤5重量部を添加混合した
後PET板上にスプレー塗布して試験サンプルを作製す
る。この時トルエン、MEK等溶解し得る混合溶媒によ
り塗料粘度の調整を行い均一な塗装表面が得られるよう
に注意する。一方、試験する粉体を添加しない以外は同
様にして比較塗装サンプルを作製する。次に、表面性測
定機HEIDON−14DR(新東科学社製)を用いて
両者のすべり抵抗を測定する。測定方法としては、測定
対象物として未塗装のPET板をASTM平面圧子に固
定し、200gfの垂直荷重下に100mm/minの
速度で塗装サンプルを水平移動させる。試験サンプルの
すべり抵抗が比較サンプルの80%以下であれば試験粉
体は高潤滑性粉体と判断できる。
【0055】また一方、前記中間転写体表面の水の接触
角が60°以上、かつすべり抵抗が200g以下である
ような物性にした場合、トナーの離型性が大きく、転写
効率が向上する。このため、耐フィルミング特性も同時
に良好となる。また、水との接触角を大きくすることに
より、電気抵抗の環境依存性を低減する効果もある。こ
れは、中間転写体表面が疎水性であることから中間転写
体が吸湿しにくくなり、使用環境における湿度の影響を
受けにくくなるためと推察している。更には、転写効率
が向上したことにより、前述のごとくの簡単なクリーニ
ング装置でクリーニングできることから、中間転写体表
面への負荷が小さくなり、結果として中間転写体の寿命
の向上につながる。中間転写体表面の水の接触角が60
°未満、またはすべり抵抗が200gを越えるとトナー
の離型性が小さくなり、転写効率の低下、画質の劣化、
またフィルミングの原因となる。
【0056】従って、本発明の目的を達成するために
は、前述の特性を有した材料を選択する。例えば下記の
ものが挙げられるが必ずしもこれらに限定されるもので
はない。フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラ
ファイトにフッ素が結合したフッ化炭素、PTFE、P
VDF、ETFE及びPFA等の樹脂のようなフッ素化
合物の粉体;シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム及び
シリコーンエラストマー等のシリコーン系の粉体;P
E、PP、PS、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フェノ
ール樹脂及びエポキシ樹脂等の樹脂及びこれらの化合物
または混合物の粉体;球状グラファイト等の粒状炭素、
シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸
化スズ及び酸化鉄等の無機粉体等であり、これらを表面
処理したもの、または単独または複数混合して使用する
こともできる。また、高潤滑性粒子の形状や粒径も特に
限定されるものではなく、球状、繊維状、板状及び不定
型等、潤滑性が得られればどのような形状でも使用で
き、粒径も制限はないものの分散性や表面性を考慮する
と0.02〜50μmが好ましい。これらの粉体には潤
滑性を阻害しない範囲で必要に応じて表面処理を行って
もよい。また、諸特性に問題を引き起こさない範囲で分
散剤を使用することもできる。
【0057】本発明の画像形成方法が所望の効果を発揮
するためには、これらの本発明の目的を満たした高潤滑
性粉体が中間転写体の表面層を構成する物質の全固型分
に対し5〜80重量%占めることが必要であり、好まし
くは25〜75重量%である。含有量が5重量%未満の
場合には潤滑性の付与が不十分となり、二次転写効率や
耐久性が低下し、トナーのフィルミングが発生する。8
0重量%を超える場合にはバインダー成分との密着性が
不足し、耐久性が低下してしまう。
【0058】中間転写体の表面層を構成する物質を調製
するために、このような粉体を樹脂、エラストマー及び
ゴム等のバインダー中に混合、分散させる方法として公
知の方法を適宜用いることができる。バインダー成分が
ゴムまたはエラストマーの場合にはロールミル、ニーダ
ー及びバンバリーミキサー等の装置が用いられ、液状の
場合にはボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ペ
イントシェイカー及びナノマイザーもしくはそれに類す
る装置を使用して分散できる。
【0059】本発明に用いる高潤滑性粉体は中間転写体
の表面に現れていることが必要であり、従って中間転写
体の表面層を構成する組成物中に添加することが必要で
ある。中間転写体が複数の層により構成されている場合
には少なくともその表面層中に添加されていなければな
らない。
【0060】このような表面層を構成することにより、
水の接触角及びすべり抵抗を所望の範囲に設定すること
ができるのである。
【0061】本発明に用いる中間転写体の弾性層及び第
1、第2の層等の被覆層に使用されるゴム、エラストマ
ー及び樹脂として、例えばゴム及びエラストマーとして
は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピ
レンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロ
プレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポ
リエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタ
ンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、
エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、
水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えば
ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及
びフッ素樹脂系等)等からなる群より選ばれる1種類あ
るいは2種類以上を使用することができる。ただし、上
記材料に限定されるものではない。
【0062】また、樹脂としてはポリスチレン、クロロ
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチ
レン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、
スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体
等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を
含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹
脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、
アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン
変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂及
びアクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウ
レタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタ
ジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂及び
変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選
ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができ
る。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0063】とりわけ本発明において、第1の層及び第
2の層に用いられるより好ましいバインダーとしては、
ポリウレタン、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポ
リオールポリウレタンであり、熱可塑性エラストマー
(TPE)としては例えば、スチレンブロック共重合
体、オレフィンブロック共重合体、ポリエステルブロッ
ク共重合体、ウレタンブロック共重合体がある。上記の
バインダーは、ポリウレタンにおいては、ポリエステ
ル、またはポリオール等のOH成分とNCO成分の種類
及び量を適時変更することにより、バインダー物性とし
ての100%引張り応力、伸びを変更することができ
る。TPEにおいては、バインダーを構成するブロック
共重合体のハードセグメントとソフトセグメントの組成
及び量比を変更することにより、本発明の物性を適時得
ることができる。
【0064】本発明に用いる弾性層は、転写不良、中抜
け画像が生じない程度の硬度が必要であり、その好まし
い範囲は10〜95°、より好ましくは20〜80°、
更に好ましくは25〜70°であり、その測定方法はJ
IS−Aの方式に従うものとする。このため、弾性層に
使用される材料としては、前記材料の内でも、ゴム、エ
ラストマーあるいは軟質の樹脂を利用することが好まし
い。
【0065】本発明に用いる中間転写体の抵抗値を調節
するためには導電剤を添加してもよい。導電剤としては
特に限定されるものではないが、例えば、カーボン、ア
ルミニウムやニッケル等の金属粉末及び酸化チタン等の
金属酸化物、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸
メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポ
リジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化
合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等からな
る群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用する
ことができる。ただし、上記導電剤に限定されるもので
はない。
【0066】本発明における伸び及び100%引張り応
力はJIS K6301に準じた測定方法によって測定
する。この時好ましい引張り速度は500mm/分であ
る。測定環境は25℃で常圧下で行う。
【0067】また、測定試料の調製は以下のようにす
る。
【0068】すでにフィルム、プレート薄膜のような板
状の形状を有するバインダーは、約200〜400μm
の厚みに整え、3号ダンベル形状に成形する。
【0069】また、溶液に溶解しているバインダーは、
溶媒が除去された後に3号ダンベル形状になるようにあ
らかじめ成形用型を準備し、その型に当該溶液を流し込
み、溶媒除去し、成形試料を得る。
【0070】この時、溶媒乾燥方法としては、溶媒を完
全に除去できるため、次の方法を用いることが特に好ま
しい。
【0071】まず、室温乾燥24時間、次に50〜80
℃、好ましくは70℃で4時間乾燥し、最後に減圧乾燥
を約60℃で2時間行うものである。
【0072】本発明において、第1と第2の層の間に、
本発明に該当しない範囲の引張り応力及び/または伸び
を有するバインダーよりなる層を有してもよい。
【0073】例えば、第1と第2の層の間に更に接着性
を向上させるために、プライマー等の表面処理剤を塗布
してもよい。
【0074】表面処理剤としてはシラン系化合物を用い
るもの、チタネート系化合物を用いるもの、イソシアネ
ート系樹脂を用いるもの、エポキシ系樹脂を用いるも
の、熱可塑性樹脂を用いるものがあるが、これに限った
ものではない。
【0075】また、弾性層からのブリード防止効果を更
に向上させるために、第1の層と弾性層の間や第1と第
2の層の間にブリード防止層を設けてもよい。
【0076】ブリード防止層としては、バリアー性の高
い樹脂、例えばナイロン、塩化ビニリデン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリビニルアルコール及びエチレン
ビニルアルコール等があるが、これに限ったものではな
い。
【0077】また、リーク防止効果を更に向上させるた
めに、第1の層と弾性層の間や第1と第2の層の間にリ
ーク防止層を設けてもよい。
【0078】リーク防止層としては、耐リーク性の高い
樹脂例えば、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、
塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビ
ニルアルコール及びエチレンビニルアルコール等がある
が、これに限ったものではない。
【0079】また、第2の層を磨耗、ひび割れ等から保
護するために、第2の層の上に表面保護層を設けてもよ
い。
【0080】表面保護層としては、耐磨耗性の高い樹
脂、例えばポリウレタン、ナイロン、ポリカーボネー
ト、アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩化ビニ
リデン及びポリエチレンテレフタレート等があるが、こ
れに限ったものではない。
【0081】これらのバインダーや表面処理剤やブリー
ド防止層、リーク防止層、表面保護層の塗布方法として
は、スプレーコート法によるもの、ディッピング法によ
るもの、ロールコート法によるもの、刷毛塗り法及び粉
体塗装法によるもの等がある。
【0082】また、これら第1の層または第2の層に使
用されるバインダーや表面処理剤やブリード防止層、リ
ーク防止層及び表面保護層は、導電性を付与してもよ
く、リークの心配のない第2の層を用いた場合や低電圧
を印加する中間転写体であれば、第1の層に使用される
バインダーや表面処理剤やブリード防止層、リーク防止
層、表面保護層に導電性を付与することはなんら問題な
い。
【0083】本発明に用いる中間転写体は、例えば、円
筒状の導電性支持体上に少なくともゴム、エラストマー
または樹脂よりなる弾性層を有するローラー形状、更に
は、その弾性層の上層に2層以上の被覆層を有するロー
ラー形状、または、図2に示されるごとくのベルト形状
と種々の態様を目的、必要に応じて選択することができ
る。その構成の例を図3〜図4に示す。
【0084】画像の重ね合わせの色ズレ、繰り返しの使
用による耐久性を考慮すると、より好ましい本発明の態
様としてはローラー形状である。図3において、100
は剛体である円筒状導電性支持体、101は弾性層、1
02は第1の層及び103は第2の層を示す。
【0085】円筒状導電性支持体としては、アルミニウ
ム、鉄及び銅及びステンレス等の金属や合金、カーボン
や金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることがで
き、その形状としては、上述したような円筒状や、円筒
の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施した
もの等が挙げられる。
【0086】弾性層の膜厚は0.5mm以上、更には
0.8mm以上、特には0.8mm〜10mmであるこ
とが好ましい。
【0087】本発明に用いる中間転写体の体積抵抗率
は、101 〜1013Ω・cmであることが好ましく、1
2 〜1010Ω・cmであることがより好ましい。更に
は、少なくとも第2の層の体積抵抗率はこれらの範囲内
であることが好ましい。
【0088】以下、実施例について説明する。実施例
中、部は重量部を示す。
【0089】[実施例1] 弾性層:導電性カーボンブラック 10部 パラフィンオイル 20部 酸化亜鉛 5部 加硫剤 2部 高級脂肪酸 1.5部 ニトリルブタジエンゴム(NBR) 40部 エピクロルヒドリンゴム 60部 を2本ロールにて冷却しながら30分間混合してコンパ
ウンドを作成し弾性層とした。
【0090】 第1の層:ポリウレタン(A) 100部 DMF(溶剤) 1000部 を混合し、第1の層用塗料とし、第1の層を得た。
【0091】 第2の層:ポリウレタン(B) 100部 シリコーン樹脂粉末 300部 フッ素樹脂粉末 100部 分散助剤 10部 DMF 1200部 を混合し、第2の層用塗料とし、第2の層を得た。
【0092】ポリウレタン(A)及びポリウレタン
(B)の物性を表1に示す。
【0093】(中間転写体の作成、評価)直径182m
m、長さ320mm、厚さ5mmのアルミニウム製円筒
状ローラー表面にまず、弾性層用コンパウンドを金型を
用いてトランスファー成形及び加硫することにより弾性
層を有するゴムローラーを得た。次に、この上に第1の
層用塗料でスプレー塗布を行い膜厚40μmの第1の層
を形成した後、更にこの上に第2の層用塗料でスプレー
塗布を行い膜厚18μmの第2の層を形成し、3層構成
の中間転写体を得た。この中間転写体を温度23℃、湿
度65%の環境下で350mm×200mmのアルミニ
ウム板上に中間転写体の転写面を接触させて置き、中間
転写体内面のアルミニウムシリンダーとアルミニウム板
との間に高圧電源で1kVの電圧を印加し、電源と直列
につないだ1kΩの抵抗体の前後の電位差を測定して電
流値に換算し、更に、印加電圧(1kV)とこの電流値
から中間転写体の抵抗値を求めたところ、4.3×10
7 Ωであった。
【0094】この中間転写体を図1に示されるフルカラ
ー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光ドラ
ムを用いて、シアン単色で転写効率を測定した。第1の
画像担持体である感光ドラムから中間転写体への一次転
写効率としては94%、中間転写体から第2の画像担持
体である80g/m2 紙への二次転写効率としては90
%と良好な転写効率となった。なお、本明細書におい
て、一次転写効率及び二次転写効率は次式により求めた
値である。
【0095】
【0096】次に、感光体としてOPC感光ドラムを用
いて、繰り返し、フルカラー画像プリント試験を行っ
た。そのフルカラープリント画像はベタ画像において均
質な画質が得られた。また、5万枚の耐久試験後も第2
の層に多量の高潤滑性粉体を混合したにもかかわらず第
1の層の効果で、中間転写体表面にひび割れや浮き等は
見られず、初期と同様な画質が得られた。また、この耐
久試験後、この中間転写体を図1に示されるフルカラー
電子写真装置に装着し、感光体としてのOPCドラムに
直径0.5mmの穴を基材が見えるまであけたものを用
いて1次転写電圧+5kVを印加し転写したところ、ピ
ンホールリークは発生せず、安定した画像が得られた。
【0097】また、このテストの後、中間転写体表面に
1cm四方の切り込みをカッターによって入れ、その上
にガムテープを貼り付けた後、剥がしたとき表層は、剥
がれず、第1の層によって十分密着していることが分っ
た。
【0098】また、この中間転写体にOPC感光体(有
機感光体)ドラムを当接させ、40℃、95%RHの環
境において、1ヵ月放置したのち、このOPC感光体ド
ラムの当接表面を観察したところ表面のくもり、ひび割
れ等は見られず、また、このOPC感光体ドラムを用い
てフルカラー画像プリントを行ったが、ベタ画像におい
て均質な画質が得られ、第1の層使用による弾性層から
のブリード物に対するバリアー性が高いことが分った。
【0099】[実施例2] (弾性層用コンパウンドの調製)実施例1に同じ (第1の層用塗料の調製)TPE−(A)100部、導
電性ホウ酸アルミニウムウイスカー30部、及びDMF
1000部を混合し、第1の層用塗料を調製した。
【0100】(第2の層用塗料の調製)TPE−(B)
100部、分散助剤12部、ナイロン樹脂粉体(粒径
0.3μm)400部、及びDMF1200部を混合
し、表層用塗料を調製した。
【0101】TPE−(A)及びTPE−(B)の物性
を表1に示す。
【0102】(中間転写体の作成、評価)直径182m
m、長さ320mm、厚さ5mmのアルミニウム製円筒
状ローラー表面にまず、弾性層用コンパウンドを金型を
用いてトランスファー成形及び加硫することにより弾性
層を有するゴムローラーを得た。次に、この上に第1の
層用塗料でスプレー塗布を行い膜厚52μmの第1の層
を形成した後、更にこの上に第2の層用塗料でスプレー
塗布を行い膜厚18μmの第2の層を形成し、3層構成
の中間転写体を得た。この中間転写体の抵抗値を実施例
1と同様の方法で測定したところ5.0×107 Ωであ
り、第2の層に導電剤が含有されていないものの、第1
の層に導電剤が含有されているために、実施例1とほぼ
同等の抵抗値であった。
【0103】この中間転写体を図1に示されるフルカラ
ー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光ドラ
ムを用いて、シアン単色で転写効率を測定した。第1の
画像担持体である感光ドラムから中間転写体への一次転
写効率としては94%、中間転写体から第2の画像担持
体である80g/m2 紙への二次転写効率としては9
0.0%であった。次に、感光体としてOPC感光体ド
ラムを用いて、繰り返し、フルカラー画像プリント試験
を行った。そのフルカラープリント画像はベタ画像にお
いて均質な画像が得られた。また、6万枚の耐久試験後
も第2の層に多量の高潤滑性粉体を混合したにもかかわ
らず第1の層の効果で、中間転写体表面にひび割れや浮
きなどは見られず、初期と同様な画質が得られた。ま
た、この耐久試験後、この中間転写体を図1に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、感光体としてのOP
Cドラムに直径0.5mmの穴を基材が見えるまであけ
たものを用いて1次転写電圧+5kVを印加し転写した
ところ、第2の層に導電剤が含有されていないので、第
1の層に導電剤が含有されていてもピンホールリークは
発生せず、安定した画像が得られた。
【0104】また、このテストの後、中間転写体表面に
1cm四方の切り込みをカッターによって入れ、その上
にガムテープを貼り付けた後、剥がしたとき表層は、剥
がれず、第1の層によって十分密着していることが分っ
た。
【0105】また、この中間転写体にOPC感光体ドラ
ムを当接させ、40℃、95%RHの環境において、1
ヵ月放置した後、このOPC感光体ドラムの当接表面を
観察したところ表面のくもり、ひび割れ等は見られず、
また、このOPC感光体ドラムを用いてフルカラー画像
プリントを行ったが、ベタ画像において均質な画質が得
られ、第1の層使用による弾性層からのブリード物に対
するバリアー性が高いことが分った。
【0106】[実施例3] 弾性層;導電性酸化チタン 10部 導電性カーボンブラック 6部 パラフィンオイル 5部 加硫剤 2部 ニトリルブタジエンゴム 100部 を2本ロールで混合し、コンパウンドを得て、弾性層を
形成した。
【0107】第1の層は実施例1と同様にし、第2の層
は実施例2と同様にした。
【0108】(中間転写体の作成、評価)直径138m
m、厚さ1mmの円筒形ダイスを有するゴム押出機よ
り、前述のコンパウンドをチューブ状に押し出し、長さ
240mm巾にカットした。
【0109】直径139mm、長さ240mm、厚さ5
mmの金型に該チューブをかぶせ、加硫後、研摩し、平
滑なベルトとした。
【0110】該ベルトに第1の層、第2の層を膜厚それ
ぞれ47μm、15μmになるようにスプレー塗布し、
加熱乾燥後、中間転写ベルトを得た。
【0111】この中間転写ベルトを図2に示される電子
写真装置の転写ユニットに張架し、フルカラー1万枚の
耐久試験を行なったが、中間転写体表面のひび割れ、削
れ及び浮き等は全く発生しなかった。一般に中間転写ベ
ルトは、中間転写ドラムよりは外部からのひずみ及び押
し圧等の変形の影響が大きく及ぼされるが、本発明にお
いては、充分耐久性を有するものであった。
【0112】ちなみに、初期の2次転写効率は92%で
あり、1万枚後も90%とほとんど変化なかった。
【0113】[実施例4]第1の層と第2の層に用いる
バインダーをTPE−(C)、TPE−(D)とした以
外は実施例1と同様に試験したが、耐久性及び転写効率
等満足し得るものであった。
【0114】TPE−(C)及びTPE−(D)の物性
を表1に示す。
【0115】[比較例1] (弾性層用コンパウンドの調製)実施例1に同じ (表層用塗料の調製)実施例1に同じ (中間転写体の作成、評価)実施例1の第2の層と弾性
層の間の第1の層がない点を除けば実施例1と同様な作
成方法で2層構成の中間転写体を得た。
【0116】この中間転写体の抵抗値を実施例1と同様
の方法で測定したところ、第1の層を有しないため7.
2×107 Ωであった。
【0117】この中間転写体を図1に示されるフルカラ
ー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光体ド
ラムを用いて、シアン単色で転写効率を測定した。第1
の画像担持体である感光ドラムから中間転写体への一次
転写効率としては90%、中間転写体から第2の画像担
持体である80g/m2 紙への二次転写効率としては8
9%と実施例1と同等であった。次に、感光体としてO
PC感光ドラムを用いて、繰り返し、フルカラー画像プ
リント試験を行った。そのフルカラープリント画像は初
期においてはベタ画像において均質な画質が得られた。
しかし、6万枚の耐久試験後の第2の層を観察したとこ
ろ、多量の高潤滑性粉体を混合したことに起因する、中
間転写体表面にひび割れや第2の層の浮きが見られ、そ
の結果転写ムラが発生し、耐久性のない中間転写体とな
った。また、この耐久試験後、この中間転写体を図1に
示されるフルカラー電子写真装置に装着し、感光体とし
てのOPCドラムに直径0.5mmの穴を基材が見える
まであけたものを用いて1次転写電圧+5kVを印加し
転写したところ、第2の層の浮きに起因するピンホール
リークが発生した。
【0118】また、この耐久テストの後、中間転写体表
面に1cm四方の切り込みをカッターによって入れ、そ
の上にガムテープを貼り付けた後、剥がしたとき表層
は、剥がれ、密着性不十分であることが分った。
【0119】
【表1】
【0120】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、第2の
層と弾性層との中間にある第1の層と、第2の層のバイ
ンダーに好ましい特性を有するバインダーを用いること
により、長期間繰り返し使用した場合においても第2の
層が弾性層から剥がれなくなり、転写したときに剥がれ
た部分の導通が十分でなくなることによる転写不良を防
止できる。更に、長期間繰り返し使用した場合において
も第2の層が弾性層から剥がれなくなることで、剥がれ
たことに起因する、ピンホールリークによる欠陥画像を
防止することができ、更には、第1の層を設けることに
より第2の層のバリアー性が低い場合でも感光体汚染を
防止することができる。
【0121】従って、中間転写体を用いた画像形成装置
を実際に繰り返し使用する場合においても常に良好で均
一な画像を得ることができ、中間転写体の長寿命化を実
現し、低ランニングコスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるカラー画像出力装置の概略図で
ある。
【図2】本発明に用いるカラー画像出力装置の概略図で
ある。
【図3】本発明に用いる中間転写体の1例の模式断面図
である。
【図4】本発明に用いる中間転写体の1例の模式断面図
である。
【図5】本発明に用いるカラー画像出力装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 一次帯電器 3 画像露光 9 給紙カセット 14 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 20 中間転写体 21 芯金 22 被覆層 24 転写材 25 転写ローラ 29 バイアス電源 35 中間転写体クリーナ 41 マゼンタ色現像装置 42 シアン色現像装置 43 イエロー色現像装置 44 ブラック色現像装置 61 バイアス電源 70 クリーニングローラ 71 残トナー 72 トナー画像 100 芯金 101 弾性層 102 第1の層 103 第2の層 104 ベルト状中間転写体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が、少な
    くとも弾性層上に第1の層及び第2の層をこの順に有
    し、かつ第1の層に用いられるバインダーの100%引
    張り応力が20〜60kgf/cm2 、伸びが400〜
    750%であり、第2の層に用いられるバインダーの1
    00%引張り応力が70〜150kgf/cm2 、伸び
    が350〜600%であることを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記中間転写体の第2の層が、高潤滑性
    粉体を第2の層の全固形分に対し5〜80重量%含有す
    る請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記中間転写体の第2の層が表面層であ
    る請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の画像担持体が導電性剛体ドラ
    ム上に有機感光層を有する感光体であり、前記中間転写
    体が少なくとも弾性層を有する剛体ローラである請求項
    1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記中間転写体の第1の層と第2の層の
    膜厚の関係が下式に従がう請求項1記載の画像形成装
    置。 5μm<L1 <60μm L1 ≧L21 :第1の層の膜厚 L2 :第2の層の膜厚
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6516176B1 (en) * 2001-08-13 2003-02-04 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Transferring body apparatus with elastic member covering surface of base of the transferring body apparatus
JP2006091497A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Fuji Xerox Co Ltd 半導電性ベルト及びこれを用いた画像形成装置
CN100390678C (zh) * 2004-05-06 2008-05-28 富士施乐株式会社 传送带和使用该传送带的成像装置
JP2008303947A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Swcc Showa Device Technology Co Ltd ローラ

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