JP2004211062A - 導電性部材及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 導電性弾性層を有する導電性部材において、ブリードを防止すると共に、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、かつ、環境による抵抗の変化の少ない導電性部材及び該導電性部材を備える画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 導電性支持体の外周に少なくとも導電性弾性体層が形成されてなる導電性部材であって、該導電性弾性体層が、下記の(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、(C)成分が5〜80質量部の範囲で含有されるゴム組成物によって形成されていることを特徴とする導電性部材である。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式を利用した電子写真装置に利用し得る導電性部材及び該導電性部材を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置においては、以下のような方法により画像を形成することができる。まず、感光体(像担持体)上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー等により静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像してトナー像とする。そして、該トナー像を、中間転写体を介して、或いは直接記録媒体に静電的に転写することにより、所望の転写画像を得ることができる。
上述のように、電子写真方式を利用した画像形成装置では、感光体上に一様な電荷を形成する帯電工程が行われている。このような帯電工程に用いられる帯電方式の一つとして、接触式帯電方式がある。
帯電ローラは、画像形成装置に使用される上記接触式帯電方式の帯電手段として最も一般的なものである。かかる帯電ローラによる感光体ドラム表面への帯電メカニズムは、帯電ローラと感光体ドラムとの微小空間におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。
接触型の帯電ローラは金属基体からなる感光体ドラムに所定の押圧力で当接され、感光体ドラムの回転に伴い接触回転するため、帯電ローラが充分な柔軟性を持っていない場合、表面のわずかなくぼみにおいて感光体ドラムの間に浮きが発生し、前述の微少空間がばらつくことから、帯電不良を生じることになる。
そのため、帯電ローラでは、導電性軸体の表面に半導電性弾性層(以下、本発明において「半導電性」とは、抵抗値が下記半導電性領域にあることをいう)を設けることで、感光体ドラムに対する浮きを防いでいる。この半導電性弾性層には、エチレンプロピレン−ジエンゴム(EPDM)やウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどの加硫ゴム材料等が一般的に用いられる。
また、電子写真方式を利用した画像形成装置には、上記の帯電ローラ以外に、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等多数の導電性ローラが用いられている。これらの導電性ローラとしては、円柱状軸体(導電性軸体)の外周面に、導電性の弾性体層が形成されたものや、更にこの弾性体層の外周面に保護層が形成されたものがある。
上記導電性ローラは、半導電性領域(105〜1011Ωcmの範囲程度)に抵抗値を制御して用いられる。しかし、半導電性領域で弾性材料の抵抗値を制御することは非常に難しく、通常の弾性材料に導電剤として導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安定して得ることはほとんどできない。
このため、導電性ローラ全数の抵抗値を計測して、選別する必要があるために、コスト高となっている。これは、カーボンブラックを弾性材料中に均一に分散させるのが難しく、分散不良が生じることにより引き起こされるものである。より具体的には、カーボンブラックを樹脂材料などの高分子の中に添加していくと、添加量が少量であるうちは導電率が小さいが、添加量が増大すると、あるしきい値からカーボンブラックが導体回路を形成することで導電性が急激に向上してしまい、その結果、中抵抗値を得ることが困難となるためである(例えば、非特許文献1参照)。
そのため、半導電性領域での抵抗値を制御する方法として、イオン導電性を有するアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴムを単独で用いる方法がある。しかし、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)は、アクリロニトリル含有量が15質量%〜50質量%の間で使用されているのが一般的であり、アクリロニトリル含有量が前記割合であった場合、高抵抗領域(109〜1011Ωcm程度)で安定してしまい、電気抵抗の調整幅が狭い、電気抵抗の環境依存性が大きい(高温高湿環境での抵抗値と低温低湿環境での抵抗値との差が大きい)などの問題がある。
そのため、半導電性領域での抵抗値を制御する方法として、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)に、カーボンブラック及びイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)を配合させた組成物が用いられている。この組成物では、カーボンブラックによる電子伝導と、イオン導電剤によるイオン伝導とにより、抵抗値を所定の中抵抗領域(106〜109Ω・cm)に制御することが可能である。しかしながら、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)にカーボンブラック及びイオン導電剤を配合させたものを用いる場合、マトリックスとなるNBRは、電気抵抗が高くイオン伝導が効きにくい性質であるため、イオン導電に依存した伝導用途すると、イオン導電剤の添加量が過大となり、ブルーミング(滲出)等の問題が生じる。また、カーボンブラックによる電子伝導に依存した導電態様とすると、カーボンブラックの添加量や分散状態の影響で電気抵抗のばらつきが大きくなってしまうという問題が生じる。さらに、電子伝導に依存した導電態様は、電気抵抗の電圧依存性も大きいため、電圧の変化によって抵抗値が変動しやすいといった問題もある。
また、前記エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体若しくはエピクロルヒドリンとエチレンオキサイドの共重合体等がある。エチレンオキサイドを共重合させたものは、その組成中のエチレンオキサイド含有量が高いほど抵抗値が低い。エピクロルヒドリンゴムとしては、エチレンオキサイド含有量が20モル%〜65モル%の範囲の間で使用されているのが一般的であるが、エチレンオキサイド含有量が前記割合であった場合、中抵抗領域(105〜108Ω・cm)で安定するが、高温高湿の環境(H/H環境)及び低温低湿の環境(L/L環境)での抵抗値の常用対数の差が2以上あり、抵抗の環境依存性が大きい問題がある。
また、半導電性領域での抵抗値を制御する他の方法として、エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)を配合させた組成物も用いられている。この組成物では、イオン伝導性が高いエピクロルヒドリンゴムの性質に加え、イオン導電剤の効果により、抵抗値を所定の抵抗領域に制御することが可能である。このように、エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤を配合させた組成物を用いる場合、エピクロルヒドリンゴム自体のイオン導電性が高いため、電気抵抗のばらつきや電圧依存性といった問題は起こらない。しかしながら、このような組成物からなる抵抗調整層を有する導電性ローラは、電気抵抗の環境依存性が大きいため、温度や湿度の変化によって電気抵抗が変動しやすいといった問題がある。
これに対し、同じ導電性ゴムであるアクリロニトリルブタジエンゴムとエピクロルヒドリンゴムとをブレンドしたものを用いる方法も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしこれらの方法では、例えばアクリロニトリルブタジエンゴムに対するエピクロルヒドリンゴムのブレンド割合が25質量%以上と高いことから、エピクロルヒドリンゴム単体より抵抗の調整領域を広くすることができるものの、抵抗の環境依存性が大きいという問題がある。また他方では、エピクロスヒドリンゴムとしてエチレンオキサイド含有量が40モル%以下と低いもの、つまり抵抗の高いものを使用しており、エピクロルヒドリンゴムのブレンド割合が低い場合には抵抗調整幅がせまく、抵抗の環境依存性が大きいという問題もある。このため上記何れの方法も、高温高湿の環境(H/H環境)及び低温低湿の環境(L/L環境)での抵抗値の常用対数の差が1.5以下に調整するといった意味では好ましくない。
さらに、エピクロルヒドリンゴム及びNBRに、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)とカーボンブラックとを配合させた組成物も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この組成物では、イオン伝導性が高いエピクロルヒドリンゴムとイオン伝導性の低いNBRとに、イオン導電剤とカーボンブラックとを組み合わせることで、所望の電気抵抗値を得ることができる。
しかし上記組成物には、DBP吸油量の高いカーボンブラック(例えば、DBP吸油量が350ml/100gのもの)が単独で用いられており、前記のように伝導性を発現させるカーボンブラックの分散不良の問題があるため、抵抗値のバラツキを低減することはできない。また、ここで用いられるイオン導電剤は、低分子成分であるので、微量であってもこのイオン導電剤が分散されている導電性ローラを帯電ローラとして用いた場合には、感光体ドラムへの押圧、長期の放置により、帯電ローラの表面へ上記イオン導電剤がブリードするなどの問題が発生する場合がある。このブリードは感光体を汚染、変質させ、画像不良を引き起こす。また、帯電ローラの表面にもトナーが付着してしまうので、そのトナーの堆積による帯電不良も引き起こすなどの問題も生じる場合がある。
かかるイオン導電剤のブリードの問題を解決するための手段として、半導電性弾性体層の表面にバリア機能を有する保護層を設けることが考えられる。この保護層は帯電ローラとしての機能を損なわないよう、薄肉かつ均一で、表面性が良好であることが必要とされる。そのため、上記保護層の形成は、一般的に樹脂を溶剤に溶かし、この溶液を用いたスプレー塗装やディッピング処理により行われる。
しかしながら、このような手段で保護層を形成した帯電ローラにおいても、保護層表面に半導電性弾性体層からイオン導電剤がブリードし、感光体表面が汚染されてしまうことがあった。この現象は、イオン導電材料の配合量を多くした際に顕著であった。
住田等,高分子加工,43巻,4号,1977 特開平8−292640号公報 特開平11−65269号公報 特開2001−214925号公報
そこで、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、導電性弾性層を有する導電性部材において、ブリードを防止すると共に、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、かつ、環境による抵抗の変化の少ない導電性部材及び該導電性部材を備える画像形成装置を提供することである。
本発明者は、半導電性の導電性弾性層を構成する組成物を限定することで、上記課題を解決することの可能な導電性部材の構造を見出し、本発明に至った。
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 導電性支持体の外周に少なくとも導電性弾性体層が形成されてなる導電性部材であって、該導電性弾性体層が、下記の(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、(C)成分が5〜80質量部の範囲で含有されるゴム組成物によって形成されていることを特徴とする導電性部材である。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
<2> 前記(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、5〜40質量部の範囲で含有されることを特徴とする<1>に記載の導電性部材である。
<3> 前記(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、10〜35質量部の範囲で含有されることを特徴とする<2>に記載の導電性部材である。
<4> 前記(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、15〜30質量部の範囲で含有されることを特徴とする<3>に記載の導電性部材である。
<5> 前記(A)成分が、エチレンオキサイド含有量が35〜50モル%の範囲のエピクロルヒドリンゴムであり、前記(B)成分が、アクリロニトリル含有量が15〜35質量%の範囲のアクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の導電性部材である。
<6> 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)/(B)=80/20〜20/80の範囲であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の導電性部材である。
<7> 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)/(B)=75/25〜40/60の範囲であることを特徴とする<6>に記載の導電性部材である。
<8> 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)/(B)=70/30〜50/50の範囲であることを特徴とする<7>に記載の導電性部材である。
<9> 前記(C)成分が、pH5以下の酸化処理カーボンブラックを含むことを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の導電性部材である。
<10> 前記(C)成分が、DBP吸油量の異なる2種以上のカーボンブラックを含むことを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の導電性部材である。
<11> 前記DBP吸油量の異なる2種以上のカーボンブラックのうち、少なくとも、1種がDBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラックであり、他の1種がDBP吸油量が150ml/100g以下のカーボンブラックであることを特徴とする<1>〜<10>のいずれかに記載の導電性部材である。
<12> 前記DBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラック、及びDBP吸油量が150ml/100g以下のカーボンブラックのうち、いずれか一方がpH5以下の酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする<11>に記載の導電性部材である。
<13> 前記導電性弾性体層の表面に保護層を形成したことを特徴とする<1>〜<12>のいずれかに記載の導電性部材である。
<14> ローラ形状であることを特徴とする<1>〜<13>のいずれかにに記載の導電性部材である。
<15> 像担持体に接触し、その表面を帯電する帯電手段であることを特徴とする<1>〜<14>のいずれかに記載の導電性部材である。
<16> 像担持体に接触し、その表面のトナー像を転写材に転写する転写手段であることを特徴とする<1>〜<15>のいずれかに記載の導電性部材である。
<17> <1>〜<16>のいずれかに記載の導電性部材を備えてなることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、導電性弾性層を有する導電性部材において、ブリードを防止すると共に、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、かつ、環境による抵抗の変化の少ない導電性部材及び該導電性部材を備える画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の導電性部材及び該導電性部材を備える画像形成装置について説明する。
ここで、本発明における導電性部材とは、例えば、帯電手段、転写手段、中間転写方式における1次転写手段及び2次転写手段、クリーニング手段、除電手段等として用いられる導電性乃至半導電性の部材(以下、導電性部材と称する。)である。その形状は、特に限定されることがなく、例えば、ローラ形状であってもよいし、ブレード形状であってもよい。
<導電性部材>
本発明の導電性部材は、導電性支持体の外周に少なくとも導電性弾性体層が形成されてなる導電性部材であって、
該導電性弾性体層が、下記の(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)成分が5〜60質量部の範囲で含有されるゴム組成物によって形成されていることを特徴とする。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
このように、本発明の導電性部材は、上記(A)〜(C)成分を含む導電性弾性体層を有することを必須とする。
本発明のように、イオン伝導性が高いエピクロルヒドリンゴム(A成分)と、イオン伝導性の低いNBR(B成分)と、を組み合わせて用いたゴム組成物で導電性弾性体層を形成することにより、導電性弾性体層の導電性は、イオン伝導に支配されており、電気抵抗の電圧依存性が低くなる。そして、このゴム組成物に、電子伝導性の導電剤(C成分)を所定量配合することにより、低温低湿下における電気抵抗が低くなって高温高湿下における電気抵抗に近くなる。その結果、高温高湿下でも低温低湿下でも電気抵抗値が大きく変動しないようになり、温度や湿度等の環境の影響を受けにくくなる、つまり、電気抵抗の環境依存性が小さくなる。また、低分子のイオン導電剤を添加していないので、ブルーミングも生じる問題がなく、結果的に、導電性部材表面や感光体表面の汚染を防止することができる。
本発明におけるゴム組成物に用いられるゴム成分は、エピクロルヒドリンゴム(A成分)とアクリロニトリルブタジエンゴム(B成分)とを含むものである。アクリロニトリルブタジエンゴムとエピクロルヒドリンゴムとは相溶性が高く、ブレンドした場合均一に分散する。その結果、抵抗ばらつきの小さいゴム材料となる。
本発明において、上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)としては、エチレンオキサイド含有量が35〜50モル%の範囲のものであることが好ましく、40〜48モル%の範囲のものであることがより好ましい。このエチレンオキサイド含有量は、単独のエピクロルヒドリンゴム中のエチレンオキサイド含有量が上記範囲にあってもよいし、エチレンオキサイド含有量の違う複数のエピクロルヒドリンゴムをブレンドすることによって調整されてもよい。
エピクロルヒドリンゴムの電気抵抗(抵抗値)は、エチレンオキサイド含有量が大きくなるに従って低くなる。したがって、エチレンオキサイド含有量が35モル%未満のものを使用した場合、所定の抵抗を得るためのアクリロニトリルブタジエンゴムにブレンドするエピクロルヒドリンゴムの量が多くなってしまい、電気抵抗の環境依存性を大きくしてしまう。また、所定の抵抗値を得るためにカーボンブラックの添加量を多くする必要があり、ロール硬度が硬くなるなどの問題が生じる場合がある。
また、エチレンオキサイド含有量が50モル%を超える場合には、(特に、65モル%超える場合にはエチレンオキサイドが結晶化し易く)、所定の抵抗値を得るための電子伝導性の導電剤(例えばカーボンブラック)の添加量が少なくなり、該電子伝導性の導電剤による低温低湿下における電気抵抗を下げる効果が発現され難くなるため、電気抵抗の環境依存性が大きくなり易くなる場合がある。
アクリロニトリルブタジエンゴム(B)としては、アクリロニトリル含有量が10〜35質量%の範囲のものが好ましく、15〜25質量%の範囲のものがより好ましい。アクリロニトリル含有量が35質量%よりも多いと、電気抵抗の環境依存性が大きくなってしまう場合がある。また、10質量%に満たないと、アクリロニトリルブタジエンゴムの抵抗値が高くなり易い場合がある。このため、所定の抵抗を得るためのカーボンブラックの添加量を多くする必要があり、最終的なロール硬度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
エピクロルヒドリンゴム(A成分)、NBR(B成分)として、前記組成のものを併用することにより、使用目的に応じて抵抗値や硬度等を容易に調整することができる。
また、本発明のように、上記導電性弾性体層を形成するゴム組成物として、エピクロルヒドリンゴム(A成分)とNBR(B成分)とを併用すると、NBRによりゴム成分を低粘度ポリマー化できるため、押出成形等において、押出圧力低減、押出肌の改良効果が得られるようになる。
前記エピクロルヒドリンゴム(A成分)とNBR(B成分)との配合比は、質量比で、(A)/(B)=80/20〜20/80の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、(A)/(B)=75/25〜40/60の範囲であり、更に好ましくは、(A)/(B)=70/30〜50/50の範囲である。
すなわち、上記配合比(配合割合)において、上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)が20未満〔NBR(B成分)が80を超える〕の場合では、得られた導電性部材の初期の電気抵抗が高くなる傾向がみられ、また上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)が80を超える〔NBR(B成分)が20未満の〕場合では、得られた導電性部材に直流電圧を印加した後の電気抵抗の上昇度合いが大きくなる傾向がみられるからである。
本発明においては、導電性弾性体層を形成するゴム組成物として、上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)、NBR(B成分)に加えて、他のゴム成分を含ませることができる。該他のゴム成分の含有量は、上記(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましい。
上記導電性弾性体層の形成材料としては、先に述べたように、エピクロルヒドリンゴム(A成分)、NBR(B成分)、及び電子伝導性の導電剤(C成分)を必須成分とし、かつ、ゴム成分である上記(A)成分と(B)成分との合計量100質量部(以下、適宜、「部」と略す。)に対して、上記(C)成分の含有量が5〜80部の範囲に設定されたゴム組成物が用いられる。
上記(C)成分の含有量としては、5〜60部の範囲が好ましく、5〜45部の範囲がより好ましく、10〜35部の範囲がさらに好ましい。また、上記(C)成分は15〜30部の範囲であることが特に好ましい。(C)成分がこの範囲内であると、得られた導電性部材の、環境変化及び電圧の変化等に起因する電気抵抗の変動幅を効果的に小さくすることができる。
すなわち、電子伝導性の導電剤(C成分)の含有量が5部未満では、上記変動幅に影響を与えるような電子伝導の効果がみられない傾向があり、60部を超えると、導電性ローラの硬度が高くなり、転写部でのニップ圧が大きくなる問題が生じてしまう。
電子伝導性の導電剤(C成分)としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などが挙げられるが、これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。また、前記C成分としては、上記の中から1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
電子伝導性の導電剤(C成分)として好適なカーボンブラックは、これを添加したゴム組成物中において連鎖状に結合する性質があり、かかる連鎖結合の長さに応じてゴム組成物の抵抗値が異なったものになる。この連鎖結合が長ければ、導電性弾性体層の導電性は向上しその抵抗値は低下する。一方、連鎖結合が短ければ、導電性弾性体層の導電性は低下しその抵抗値は高くなる。すなわち、長い連鎖結合を形成するカーボンブラックを添加した場合は、所望の抵抗値を発現させるためのカーボンブラックの添加量は、短い連鎖結合を形成するカーボンブラックに比べて少なくすることができるが、添加量の変化により抵抗値が大きく変動することになるので、前述した導電性弾性体層内の抵抗値のバラツキを低減することができない。
本発明においては、電子伝導性の導電剤(C成分)として好適なカーボンブラックの中でも、pH5以下の酸化処理カーボンブラックを用いることが好ましい。
電子伝導性の導電剤(C成分)として、pH5以下の酸化処理カーボンブラックを用いることで、一部に過剰な電流が流れ、繰り返しの電圧印加による酸化の影響を受けにくく、さらに、その表面に存在するカルボキシル基などの酸素含有官能基の効果で、ゴム成分への分散性を高くすることができ、抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、通電による電界集中がおきなくなる。その結果、帯電ローラ等における通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善でき、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化を少なくすることができ、均一な帯電又は転写が可能となる。
このため、例えば帯電ローラ等において、カーボンブラックの大きな凝集体に起因する電場集中、絶縁破壊によって発生すると考えられるピンホールリーク等のリーク放電を防止することができ、トナーの固着をも防止することができる。さらに、抵抗変化や抵抗のバラツキによる帯電ムラやリーク放電に起因する画質欠陥、環境変動による画像濃度の変動が少なくなり、長期に渡り高画質画像を得ることができる。
また、前記酸化処理カーボンブラックを用いた場合、導電剤の分散性を向上させるためのカップリング処理や、絶縁粒子や金属酸化物等の添加等を行う必要性がなく、帯電ローラ等の製造工程が簡易となる。
pH5以下の酸化処理カーボンブラックは、著しく酸性であり、酸素含有官能基(カルボン酸基、水酸基(例えばフェノール水酸基)、ラクトン基、キノイド基など)等が表面に非常に多いものである。一般に、カーボンブラック表面の酸素含有官能基は、炭素だけからなるカーボンブラックに極性を与え、基材(バインダーポリマー)との親和性が向上するため、基材中に均一に分散させることが可能になる。このことはインキ・塗料のような溶剤を含む系では広く認められているが、本発明のような、乾式で混練・分散を行う場合でも成り立っていると推察される。
本発明において用いられる酸化処理カーボンブラックは、pH5以下であることが好ましいが、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。ここで上記pHは、酸化処理カーボンブラックの物性値であって以下のように定義される(詳しくは、JIS K 6221−1982に準ずる)。
前記「pH」とは、酸化処理カーボンブラックを水で煮沸し、冷却後上澄みを除去して得た泥状物に対して測定したpH(水素イオン濃度の対数値)をいう。これは、カーボンブラック表面の酸素含有官能基(カルボン酸、水酸、ラクトン、キノイドなどの各官能基)の量と関連があり、pHが低いほど酸性表面官能基が多いと考えられている(カーボンブラック協会編集・発行、「カーボンブラック便覧」、1995年、参照)。
なお、カーボンブラック表面の酸素含有官能基の量を表す物性値として揮発分もある。この揮発分とは、カーボンブラックを950±25℃の雰囲気に7分間保持したときの減量割合をパーセントとして表したものである。本発明において好適に用いられる酸化処理カーボンブラックの揮発分は、3.5〜20%の範囲であることが好ましく、5〜10%の範囲であることがより好ましい。
pH5以下の酸化処理カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、pH5以下の酸化処理カーボンブラックは、ガス又はオイルを原料とするファーネス法により製造することもできる。必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。上記ファーネス法では、通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このためファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、本発明に好ましく用いられるカーボンブラックに含まれる。
pH5以下の酸化処理カーボンブラックとして、具体的には、デグサ・ジャパン社製の「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20質量%)、「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発分16.5質量%)、「カラーブラックFW2V」(pH2.5、揮発分16.5質量%)、「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18質量%)、「スペシャルブラック5」(pH3、揮発分15質量%)、「スペシャルブラック4」(pH3、揮発分14質量%)、「スペシャルブラック4A」(pH3、揮発分14質量%))、「プリンテックス150T」(pH4、揮発分10質量%)、「プリンテックス140U」(pH4.5、揮発分5質量%)、キャボット社の「REGAL 400R」(pH4.0、揮発分3.5質量%)、「MONARCH 1000」(pH2.5、揮発分9.5質量%)、「MONARCH 1300」(pH2.5、揮発分9.5質量%);等が挙げられる。
pH5以下の酸化処理カーボンブラックは、導電性弾性体層中に、単独で配合してもかまわないが、酸化処理カーボンブラックの中から任意の2種以上を選択して、配合することもできる。
なお、本発明において上記酸化処理カーボンブラックを用いる場合、上記pH5以下の酸化処理カーボンブラックを単独で、または他のカーボンブラックと混合して用いることができる。
また、本発明における電子伝導性の導電剤(C成分)としては、表面特性等の特性が異なる2種以上のカーボンブラックを併用することも好ましい。
前述のカーボンブラックの連鎖結合の長さは、カーボンブラックの個々の粒子の粒径や表面活性度に依存しているが、これを示す指標の1つとして、ASTM D2414−6TTに定義されたDBP(ジブチルフタレート)吸油性がある。このDBP吸油性は、カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(ml)が多いか少ないかで表される。このDBP吸油性の高い、すなわち吸油量の多いカーボンブラックほど、長い連鎖結合を形成するものとされている。
かかるDBP吸油性の高いカーボンブラックのみをゴム組成物に添加して、弾性層の抵抗値を調整しようとすると、添加量の僅かな増減でも抵抗値が大きく変化することになる。そのため、カーボンブラックの添加量及び分散状態を厳密に規定しなくては、所定の抵抗値を弾性層に付与することができない。一方、DBP吸油性の低いカーボンブラックのみを添加して、弾性層の抵抗値を調整しようすれば、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添加した場合よりも、カーボンブラックがゴム組成物中に略均一に分散するので、添加量の増減に伴う抵抗値の変化の割合は小さくなる。しかし、所定の抵抗値を弾性層に付与するためには、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添加する場合よりも、多量のカーボンブラックを添加する必要がある。その結果、ゴム組成物中のカーボンブラックの配合割合が高まることから、ゴム組成物をバンバリーミキサー、ニーダー等で混練する際に高粘度となるため加工が困難になる。また、得られた弾性層が高硬度になる問題が発生する場合がある。
したがって、DBP吸油性の高いカーボンブラックとDBP吸油性の低いカーボンブラックのDBP吸油性の異なる2種以上を併用することが好ましい。
前記弾性層を形成材料に添加される2種以上のカーボンブラックは、DBP吸油性に差があるものであればよいが、この差があまりに小さいと、1種類のカーボンブラックを添加した場合と同じような結果を生じることになる。したがって、カーボンブラックとしては、ある程度DBP吸油量に差のあるものが好ましく、前記DBP吸油量の異なるカーボンブラックのうち、少なくとも、1種がDBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラック(DBP吸油性の高いカーボンブラック)であり、他の1種が吸油量が150ml/100g以下のカーボンブラック(DBP吸油性の低いカーボンブラック)であることが好ましい。
また、上記DBP吸油性の高いカーボンブラックのDBP吸油量は280ml/100g以上であり、DBP吸油性の低いカーボンブラックのDBP吸油量は110ml/100g以下であることがより好ましい。
なお、本発明においては、DBP吸油性の異なる2種以上のカーボンブラックとして、少なくとも前記DBP吸油性の高いカーボンブラックとDBP吸油性の低いカーボンブラックとが用いられていればよく、これらとDBP吸油量が異なるカーボンブラックがさらに含まれていてもよい。
具体的には、前記DBP吸油性の高いカーボンブラックとしては、例えば、DBP吸油量447ml/100gのHS−500(旭カーボン(株)製)、DBP吸油量360ml/100gのケッチェンブラック(ライオンアグゾ(株)製)、DBP吸油量288ml/100gの粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製)、DBP吸油量265ml/100gのバルカンXC−72(キャボット社製)等のカーボンブラックなどが挙げられる。また、DBP吸油性の低いカーボンブラックとしては、例えば、DBP吸油量28ml/100gのアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製)、DBP吸油量35ml/100gのアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製)等のサーマルブラックなどが挙げられる。
また、一般にDBP吸油量が高いカーボンブラックほど1次粒径が小さくなる傾向があり、前記DBP吸油性の高いカーボンブラックとしては、1次粒径が5〜50nmの範囲のものを、前記DBP吸油性の低いカーボンブラックとしては、1次粒径が20〜100nmの範囲のものを用いることが好ましい。
なお、本発明においては、前述のようにゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性向上の観点から、前記DBP吸油性の高いカーボンブラック、及びDBP吸油性の低いカーボンブラックのうち、いずれか一方が前述のpH5以下の酸化処理カーボンブラックであることが好ましく、特に、DBP吸油性の高いカーボンブラックとして、pH5以下の酸性処理カーボンブラックを用いることがより好ましい。
具体例として、DBP吸油性の高いカーボンブラック(アセチレンブラックなど)とDBP吸油性の低いカーボンブラック(サーマルブラックなど)との混合物を用いて、導電性弾性体層の抵抗値を調整する場合、その混合割合は質量比(DBP吸油性の高いカーボンブラックの質量:DBP吸油性の低いカーボンブラックの質量)で1:1〜1:5の範囲にあることが好ましく、1:2〜1:4の範囲にあることがより好ましい。
上記DBP吸油性の高いカーボンブラックの質量とDBP吸油性の低いカーボンブラックの質量との質量比(A:B)において、Bが1より小さいと、抵抗値のバラツキが大きいだけでなく、前者の添加量の増減により、弾性層の抵抗値が大きく変化する。これに対して、前記Bが5より大きいと、前述のように、混練時のゴム組成物が高粘度となるため弾性層の成形加工が困難となるだけでなく、弾性層の硬度も高くなる。このように、DBP吸油性の異なるカーボンブラックの混合割合とゴム材料に対する配合量を調整することによって、弾性層の抵抗値の急激な変化を抑制することができる。同時に、DBP吸油性の低いカーボンブラック単独の場合と比較して、少量の添加量で抵抗値のバラツキの小さい弾性層を形成することが可能となる。
上記導電性弾性体層には、前記(A)〜(C)成分以外に、架橋剤、充填剤、発泡剤等が、必要に応じて、適宜、配合される。但し、本発明における導電性弾性体層を構成する成分としては、イオン伝導性の導電剤は含まれない。
上記架橋剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア、トリアジン、イオウ等が挙げられる。上記充填剤としては、シリカ、タルク、クレー、酸化チタン等の絶縁性の充填剤が挙げられ、これらは単独で若しくは併せて用いられる。また、発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤、有機系発泡剤のいずれを用いてもよく、これらを単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
本発明の導電性部材における導電性弾性体層は、前記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ローラ、押出機等の如き混合機により混合して製造することができる。本発明における導電性弾性体層の製造においては、各成分の混合方法、混合の順序は特に限定されることはない。一般的な方法としては、全成分をあらかじめタンブラー、Vブレンダー等で混合し、押出機によって均一に溶融混合する方法であるが、成分の形状に応じてこれらの成分中の2種以上の溶融混合物に残りの成分を溶融混合する方法を用いることもできる。
以下、図面を参照し、本発明の導電性部材について例示的態様を示し、詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の例示的態様としての導電性部材の構造を説明するための側面断面図であり、(a)は導電性支持体表面に導電性弾性体層を設けてなる導電性部材の図であり、(b)は導電性支持体表面に導電性弾性体層と保護層とをこの順に設けてなる導電性部材の図である。
図1に示すように、本発明の例示的一態様としての導電性部材100は、少なくとも、導電性支持体10と、導電性弾性体層20と、を備え、必要に応じて、保護層30をも備えるローラ状の構造を有している。このように、本発明の導電部材100を帯電手段や転写手段として用いる場合には、感光体等の耐久性維持や均一帯電等の点からローラ形状であることが好ましいが、本発明の導電性部材100はかかる構造に限定されるものではない。
導電性支持体10は、例えば、SUS、SUM等の金属からなる。図1に示すようなローラ状の構造を有する導電性部材100であれば、導電性支持体10は導電性部材100の軸方向を貫くように配され、導電性部材100の回転軸として機能することも可能である。また、図示されないが、導電性支持体10には、外部電源が接続され、所望のバイアスが印加されるため、外部電源と共に導電性部材100への電圧印加手段としても機能する。
導電性弾性体層20は、導電性支持体10表面に形成され、前述の(A)〜(C)成分を含む特定ゴム組成物からなり、導電性部材100の用途に合わせて、硬度、表面特性(表面粗さ、硬度、摩擦係数)や電気特性(電気抵抗)等が調整される。かかる導電性弾性体層20の電気特性や表面特性等の諸条件を、適宜、調整することで、帯電手段、転写手段(中間転写方式における1次、2次の双方の転写手段も含む)、更には、除電手段等にも好適に用いることができる。
表面特性として具体的には、導電性弾性層の硬度は、JISK−7312に記載されているアスカーC硬度で、10°〜70°の範囲に調整されることが好ましく、より好ましくは、帯電手段として用いる場合には、20°〜70°の範囲であり、転写手段として用いる場合には、10°〜50°の範囲である。
電気特性として具体的には、導電性弾性体層20を形成したローラの抵抗値は、103〜1010Ωの範囲に調整されていること好ましく、より好ましくは、帯電手段として用いる場合105〜108Ωの範囲であり、転写手段として用いる場合106〜1010Ωの範囲である。
なお、上記導電性弾性体層20を形成したローラの抵抗値(R)は、図2に示すように、ローラ状の導電性部材100を金属板40などの上において、導電性部材100の両端部に各500gの荷重をかけて、導電性支持体10と金属板40との間に1.0kV(V)の電圧を印加して、10秒後の電流値I(A)を読み取り、以下の式により計算することにより求められる。
ローラ抵抗値(R)=電圧(V)/電流(I)
また、導電性弾性体層20の厚みとしては、一般的に、およそ2〜12mmの範囲に設定されるものであり、好適な範囲は3〜5mmの範囲である。
更に、導電性弾性体層20は、用途に応じて、表面特性や電気特性等が調整されていれば、その構成は限定されず、単層からなってもよいし、複数層からなってもよい。
前記保護層30としては、像担持体やトナ−に対する非粘着性に優れる材料を用いることが好ましく、具体的には、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらを主成分とする樹脂成分等を挙げることができる。保護層30として、これら非粘着性の材料を用いることで、導電性部材が接触する感光体などへの汚染防止や、導電性部材表面へのトナー固着防止に対して優れた効果を得ることができる。
また、保護層30は、導電性弾性体層20の電気特性及び機能を損なわないよう、薄肉かつ均一で、表面性が良好であることが必要とされる。そのため保護層30の形成は、一般的に樹脂及び必要な成分を溶剤で希釈した溶液を用い、スプレー塗装やディッピング処理により行われる。
保護層30の厚みは、0.001〜0.03mmの範囲であることが好ましく、0.003〜0.01mmの範囲であることがより好ましい。
以上説明したように、本発明の導電性部材は、帯電手段として用いてもよいし、転写手段として用いてもよい。また、導電性弾性体層に直流のみのバイアス電圧を印加しても、直流に交流を重畳したバイアス電圧を印加しても、帯電または転写させることが可能であるが、帯電または転写される部材の摩耗の観点からは前者の方が遙に好ましい。
また、本発明の導電性部材を、電子写真方式の画像形成装置における帯電手段として用いる場合、帯電プロセスが直流のみのバイアス電圧を導電性弾性体に印加する方式であれば、帯電時と逆のバイアス電圧を印加することによって、感光帯電手段表面の残留トナーをクリーニングすることができる。すなわち、帯電手段の場合、繰り返し帯電・露光・転写を繰り返して行うと、微量の逆極性のトナーが表面に堆積することがあるが、逆バイアスを印加しこのトナーを像担持体上に移行させ、直後に或いは中間転写体などに逆バイアスで移行させた後に、ブレードなどで残留トナーをクリーニングすることができる。
<画像形成装置>
以下、図3に本発明の導電性部材を備える画像形成装置(本発明の画像形成装置)の一例を示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。なお、図3では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してあり、図に示す主要部のみを説明する。
図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図3に示すように、画像形成装置110は、静電潜像が形成される感光体ドラム(像担持体)101と、帯電手段としての帯電ローラ102と、レーザー光或いは原稿の反射光等の露光103と、感光体ドラム101上の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104と、帯電ローラ102に電圧を印加するための電源105と、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する、転写手段としての転写ローラ106と、からなる。帯電ローラ102や転写ローラ106は、画像形成装置に使用される帯電手段、転写手段として最も一般的なものであり、これらの帯電ローラ102及び転写ローラ106として、上述した本発明の導電性部材が好適に用いられる。
以上のように構成された画像形成装置110における基本的な作像動作について説明する。
まず、感光体ドラム101の表面を、該感光体ドラム101に接触し、かつ、所定の電圧を高圧電源105から給電されている帯電ローラ102によって一様に高電位に帯電させる。
その直後、感光体ドラム101の表面に画像光(露光103)が照射されると、照射された部分は電位が低下することになる。画像光は画像の黒/白に応じた光量の分布であるため、画像光の照射によって感光体ドラム101の表面に記録画像に対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成される。
そして、静電潜像が形成された部分が、現像ローラ104との接触部分を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電潜像を可視像化したトナー像が形成される。トナー像が形成された部分に、所定のタイミングでレジストローラ(図示せず)により記録紙107が搬送され、上記トナー像に重なる。
このトナー像が、転写ローラ106によって記録紙107に転写された後、該記録紙107は、感光体ドラム101から分離される。分離された記録紙107は搬送経路を通って搬送され、定着ユニット(図示せず)によって、熱加圧定着されたあと、機外へ排出される。
また、上記転写終了後、感光体ドラム101の表面は、クリーニング装置108によりクリーニング処理され、次回の作像処理に備える。
このような画像形成装置において、上述の本発明の導電性部材を帯電ローラ及び/又は転写ローラとして用いると、抵抗値の電界依存性や環境依存性の少ない、優れた電気的特性のため、高品質な画像を安定して供給することが可能となる。また、導電性部材表面へのトナー固着や感光体への汚染も防止されることから、結果的に、プリントやコピーなどの印刷物の単価の低減(所謂、ランニングコスト低減)を図ることもできる。
また、本発明の画像形成装置は、図3に示す画像形成装置の構成に限定されず、例えば、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置の構成であってもよい。4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置の場合、上述の本発明の導電性部材は、帯電手段、一次転写手段、2次転写手段として好適に用いることができる。その結果、前記同様高品質な画像を安定して供給することができるだけでなく、ランニングコスト低減を図ることもできるなど、優れた効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、本発明の導電性部材は、静電記録プロセスや磁気記録プロセス等を有する画像形成装置に用いることもできる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(転写ローラとしての導電性部材R−1の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−1を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.5の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)25質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−1を得た。
得られた導電性部材R−1の硬度は、JISK−7312に記載されているアスカーC硬度測定の方法に準拠して計測した結果、アスカーC硬度で36度であった。また、導電性部材R−1の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−1について、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を以下のように行った。
(1)実機評価(転写性)
転写性は、図3に示す画像形成装置(感光体ドラムは負帯電、線速を160mm/secに設定)を使用し、転写ローラ106として導電性部材R−1を用い、全面ベタ画像(黒色)印刷を行って評価した。高温高湿環境(28℃、85%RH)、常温・常湿環境(22℃、55%RH)、及び低温低湿環境(10℃、15%RH)のそれぞれの環境で、全面黒色の転写性が得られる転写電流(下限の電流値)と、リトランスファーに問題がない転写電流(上限の電流値)と、を測定した。評価は、上記上限の電流値と下限の電流値との差を転写電流の範囲とし、以下の判断基準により行った。結果を表1に示す。
○:転写電流の範囲が2μA以上(転写性あり)
×:転写電流の範囲が2μA未満
(2)ブリード試験
得られた導電性部材R−1を、新品の感光体ドラム(ドラム状の有機感光体(富士ゼロックス社製「Docu Print C411」用))に1kgの加重で押しつけ、45℃、95%RHの環境で1週間放置した後、1昼夜かけて通常環境になじませてから前記Docu Print C411にて画像出しを行い、感光体への汚染が発生しているかどうかを確認した。仮に、感光体が汚染されている場合、汚染箇所は、帯電しないため、異常画像(白抜け)となって現れる。この白抜けが生じているかどうかを以下の基準で確認した。結果を表1に示す。
○:白抜けが発生しない。
×:白抜けが発生した。
(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)
導電性部材R−1の抵抗(R)の面内バラツキは以下の方法により求めた。
まず、ローラ状の導電性部材R−1を周方向に60分割、軸方向に10分割、して計600ポイントの抵抗値を測定した。具体的には、図4に示す構成の抵抗計測装置を用い、導電性部材100を30rpmで回転させながら、荷重50gで、幅3.5mm、外径10mmの電極50と導電性部材100の導電性支持体10との間に電圧500V(V)を印加しながら、電流値(I)を読み取り、R=V/Iの関係より、抵抗値を求めた。そして、求められた抵抗値の最大値と最小値の差を面内バラツキの指標とした。なお、面内バラツキは、1.0(log値)以内であることが好ましい。結果を表1に示す。
(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)
導電性部材R−1の低温低湿環境及び高温高湿環境におけるローラ抵抗値を、前述の図2に示す測定方法により測定し、その抵抗値の差を求め、環境変動幅の指標とした。なお、環境変動幅が1.5(log値)以内であることが好ましい。結果を表1に示す。
(5)連続通電試験
導電性部材R−1の連続通電試験は、以下のようにして行った。
図5に示す構成の計測装置を用い、外径30mmの金属ローラ60に導電性部材100を両端に500gの荷重を加えながら押し付け、金属ローラ60を60rpmで回転させた。同時に、導電性部材100の導電性支持体10と金属ローラ60との間に1kVの電圧を印加し続けることにより、連続通電を行った。評価は、初期におけるローラ抵抗値と、100時間を連続印加した後のローラ抵抗値との変化量より、以下の基準により判定した。結果を表1に示す。
◎:抵抗の変化量が 0.5(log値)未満である。
〇:抵抗の変化量が1(log値)未満である。
×:抵抗の変化量が1(log値)以上である。
[実施例2]
(転写ローラとしての導電性部材R−2の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−2を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.0の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス150T、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)27質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−2を得た。
得られた導電性部材R−2のローラ硬度は、アスカーC硬度で38度であった。また、導電性部材R−2の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、前述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.6logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−2について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例3]
(転写ローラとしての導電性部材R−3の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−3を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.5の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)31質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−3を得た。
得られた導電性部材R−3のローラ硬度は、アスカーC硬度で37度であった。また、導電性部材R−3の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.8logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−3について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例4]
(転写ローラとしての導電性部材R−4の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−4を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含量:33.5質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.0の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス150T、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)35質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−4を得た。
得られた導電性部材R−4のローラ硬度は、アスカーC硬度で41度であった。また、導電性部材R−4の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−4について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例5]
(転写ローラとしての導電性部材R−5の作製)
実施例1と同様にして作製した導電部材の導電性弾性層表面に、保護層をコーティングし、図1(b)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−5を作製した。
上記保護層は、カーボンブラックとしてのケッチエンブラックEC(ライオンアグソ社製)と、フッ素樹脂粒子と、を分散してなるウレタン系導電性塗料(エムラロン325ESD、日本アチソン(株)製)を用い、スプレー塗装にて形成した。かかる保護層の厚みは0.015mmであった。
得られた導電性部材R−5のローラ硬度は、アスカーC硬度で37度であった。また、導電性部材R−5の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.8logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−5について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例6]
(転写ローラとしての導電性部材R−6の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−6を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及びアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:28ml/100g)20質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−6を得た。
得られた導電性部材R−6のローラ硬度は、アスカーC硬度で35度であった。また、導電性部材R−6の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.6logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−6について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例7]
(転写ローラとしての導電性部材R−7の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−7を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)25質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−7を得た。
得られた導電性部材R−7のローラ硬度は、アスカーC硬度で39度であった。また、導電性部材R−7の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.5logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−7について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例8]
(転写ローラとしての導電性部材R−8の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−8を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及び、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)25質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−8を得た。
得られた導電性部材R−8のローラ硬度は、アスカーC硬度で38度であった。また、導電性部材R−8の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.8logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−8について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例9]
(転写ローラとしての導電性部材R−9の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−9を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及び、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)30質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径は18mmの導電性部材R−9を得た。
得られた導電性部材R−9のローラ硬度は、アスカーC硬度で41度であった。また、導電性部材R−9の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.9logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−9について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例10]
(転写ローラとしての導電性部材R−10の作製)
実施例6と同様にして作製した導電部材の導電性弾性層表面に、保護層をコーティングし、図1(b)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−10を作製した。
上記保護層は、カーボンブラックとしてのケッチエンブラックEC(ライオンアグソ社製)と、フッ素樹脂粒子と、を分散してなるウレタン系導電性塗料(エムラロン325ESD:日本アチソン(株)製)を用い、スプレー塗装にて形成した。かかる保護層の厚みは0.015mmであった。
得られた導電性部材R−4のローラ硬度は、アスカーC硬度で37度であった。また、導電性部材R−10の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−10について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例11]
(転写ローラとしての導電性部材R−11の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−11を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.5の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)25質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−11を得た。
得られた導電性部材R−11のローラ硬度は、アスカーC硬度で38度であった。また、導電性部材R−11の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.9logΩであった。
[実施例12]
(転写ローラとしての導電性部材R−12の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−12を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN401、アクリロニトリル含有量:18質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.0の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス150T、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)30質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−12を得た。
得られた導電性部材R−12のローラ硬度は、アスカーC硬度で40度であった。また、導電性部材R−12の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、前述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.8logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−12について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例13]
(転写ローラとしての導電性部材R−13の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−13を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN401、アクリロニトリル含有量:18質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.5の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)38質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−13を得た。
得られた導電性部材R−13のローラ硬度は、アスカーC硬度で44度であった。また、導電性部材R−13の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、8.2logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−13について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例14]
(転写ローラとしての導電性部材R−14の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−14を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3106、エチレンオキサイド含有量:58モル%)50質量部とエピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)50質量部とをブレンドした材料(エチレンオキサイド含有量:約48モル%)60質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN407、アクリロニトリロ含量:15質量%)40質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.0の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス150T、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)35質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−14を得た。
得られた導電性部材R−14のローラ硬度は、アスカーC硬度で42度であった。また、導電性部材R−14の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−14について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表1に併記する。
[実施例15]
(転写ローラとしての導電性部材R−15の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−15を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN401、アクリロニトリル含有量:18質量%))50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)7質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)65質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−15を得た。
得られた導電性部材R−15のローラ硬度は、アスカーC硬度で45度であった。また、導電性部材R−15の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−15について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[実施例16]
(転写ローラとしての導電性部材R−16の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−16を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及びアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:28ml/100g)35質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−16を得た。
得られた導電性部材R−16のローラ硬度は、アスカーC硬度で39度であった。また、導電性部材R−16の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、8.0logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−16について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[実施例17]
(転写ローラとしての導電性部材R−17の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−17を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(JSR株式会社製、N260S、アクリロニトリル含有量:22質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)11質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)38質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−17を得た。
得られた導電性部材R−17のローラ硬度は、アスカーC硬度で42度であった。また、導電性部材R−17の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−17について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[実施例18]
(転写ローラとしての導電性部材R−18の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−18を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN202H、アクリロニトリロ含有量:31質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及び、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)22質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−18を得た。
得られた導電性部材R−18のローラ硬度は、アスカーC硬度で38度であった。また、導電性部材R−18の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.8logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−18について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[実施例19]
(転写ローラとしての導電性部材R−19の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層(導電性弾性層)で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−19を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(JSR株式会社製、N260S、アクリロニトリロ含有量:22質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、pH4.5の酸化処理カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U、デグサ・ジャパン社製、DBP吸油量:110ml/100g)15質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)40質量部を併用し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径は18mmの導電性部材R−19を得た。
得られた導電性部材R−19のローラ硬度は、アスカーC硬度で44度であった。また、導電性部材R−19の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、8.2logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−19について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[実施例20]
(転写ローラ及び帯電ローラとしての導電性部材R−20の作製)
実施例16と同様にして作製した導電部材の導電性弾性層表面に、保護層をコーティングし、図1(b)に示す構造の転写ローラ及び帯電ローラとしての導電性部材R−20を作製した。
上記保護層は、カーボンブラックとしてのケッチエンブラックEC(ライオンアグソ社製)と、フッ素樹脂粒子と、を分散してなるウレタン系導電性塗料(エムラロン325ESD:日本アチソン(株)製)を用い、スプレー塗装にて形成した。かかる保護層の厚みは0.015mmであった。
得られた導電性部材R−20のローラ硬度は、アスカーC硬度で40度であった。また、導電性部材R−20の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、8.0logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−20について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
また、上記導電性部材R−20を、前記図1に示す画像形成装置の帯電ローラとして装着し、帯電性の評価を行った。帯電性の評価は、帯電ムラやリークによる画質欠陥の発生、高温・高湿環境(28℃/85%RH)と低温低湿環境(10℃/15%RH)での画質濃度の変動を評価した。その結果、画質欠陥の発生はなく、環境変動による画像濃度の変動が少ない良好な画質が得られた。
[比較例1]
(転写ローラとしての導電性部材R−21の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−21を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、DN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)110質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−21を得た。
得られた導電性部材R−21のローラ硬度は、アスカーC硬度で57度であった。また、導電性部材R−21の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.5logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−21について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[比較例2]
(転写ローラとしての導電性部材R−22の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−22を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、イオン伝導性の導電剤として、過塩素酸アンモニウム6質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−22を得た。
得られた導電性部材R−22のローラ硬度は、アスカーC硬度で33度であった。また、導電性部材R−22の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.6logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−22について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[比較例3]
(転写ローラとしての導電性部材R−23の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−23を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−23を得た。
得られた導電性部材R−23のローラ硬度は、アスカーC硬度で33度であった。また、導電性部材R−23の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−23について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[比較例4]
(転写ローラとしての導電性部材R−24の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−24を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、イオン伝導性の導電剤として、過塩素酸アンモニウム6質量部と、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−24を得た。
得られた導電性部材R−24のローラ硬度は、アスカーC硬度で33度であった。また、導電性部材R−24の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.6logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−24について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[比較例5]
(転写ローラとしての導電性部材R−25の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−25を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−106、エチレンオキサイド含有量:56モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−25を得た。
得られた導電性部材R−25のローラ硬度は、アスカーC硬度で36度であった。また、導電性部材R−25の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.9logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−25について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[比較例6]
(転写ローラとしての導電性部材R−26の作製)
ステンレススチール製の芯軸(8mmφの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−26を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:46モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN115、アクリロニトリル含有量:40.5質量%)30質量部とを混合し、これに発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−26を得た。
得られた導電性部材R−26のローラ硬度は、アスカーC硬度で35度であった。また、導電性部材R−26の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述の図2に示す測定方法により測定したところ、7.7logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−26について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
[比較例7]
(転写ローラとしての導電性部材R−27の作製)
ステンレススチール製の芯軸(直径8mmの導電性支持体)を半導電性発泡弾性層で被覆した、図1(a)に示す構造の転写ローラとしての導電性部材R−27を作製した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−106、エチレンオキサイド含有量:56モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN407、アクリロニトリル含有量:15質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、ケッチェンブラック(ライオンアグゾ(株)製:吸油量360ml/100g)4質量部を添加し、更に、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンローラで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の導電性弾性体層を形成し、外径が18mmのローラ形状の導電性部材R−27を得た。
得られた導電性部材R−27のローラ硬度は、アスカーC硬度で33度であった。また、導電性部材R−27の常温・常湿環境(22℃、55%RH)でのローラ抵抗値を、上述した図2に示す測定方法により測定したところ、7.6logΩであった。
(評価)
得られた導電性部材R−27について、実施例1と同様の方法及び条件で、(1)実機評価(転写性)、(2)ブリード試験、(3)ローラ抵抗の面内バラツキの幅(log値)、(4)ローラ抵抗値の環境変動幅(log値)、(5)連続通電試験を行った。結果を表2に併記する。
Figure 2004211062
Figure 2004211062
前記表1及び表2に明らかなように、実施例1〜20の導電性部材R−1〜R−20は、転写ロ−ラとして用いた場合に、アスカーC硬度が低く、転写部で安定したニップ幅を確保することができるため、転写性が良好であった。また、常温・常湿環境(N/N環境)でのローラ抵抗値も転写ローラとして好ましい範囲である。更に、ブリード試験も良好な結果を示し、加えて、抵抗値の環境変動が1.5(log値)以内と少なく、面内バラツキは、1.0(log値)以内であり、良好な結果が得られた。これに対して、比較例1の導電性部材R−21は、ローラ硬度が硬いために転写部で安定したニップ幅を確保することができず、いずれの環境においても転写性が悪かった。比較例2〜7の導電性部材R−22〜R−27は、抵抗値の環境変動が2.0(log値)以上と大きく、高温・高湿環境下での安定した転写性が得られなかった。また、比較例2及び4では、イオン導電剤に起因すると思われるブリードが発生した。
本発明の例示的態様としての導電性部材の構造を説明するための側面断面図であり、(a)は導電性支持体上に導電性弾性体層を設けてなる導電性部材の図であり、(b)は導電性支持体上に導電性弾性体層と保護層とをこの順に設けてなる導電性部材の図である。 本発明の導電性部材の抵抗値(R)の測定方法を示す概略斜視図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の導電性部材の抵抗を計測する装置の構成を示す概略斜視図である。 本発明の導電性部材の連続通電試験を行う装置の構成を示す概略側面図である。
符号の説明
10 導電性支持体
20 導電性弾性体層
30 保護層
40 金属板
50 電極
60 金属ローラ
100 導電性部材
101 感光体ドラム(像担持体)
102 帯電ローラ(帯電手段)
103 露光
104 現像ローラ
105 電源
106 転写ローラ(転写手段)
107 記録紙(転写材)
110 画像形成装置

Claims (17)

  1. 導電性支持体の外周に少なくとも導電性弾性体層が形成されてなる導電性部材であって、該導電性弾性体層が、下記の(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、(C)成分が5〜80質量部の範囲で含有されるゴム組成物によって形成されていることを特徴とする導電性部材。
    (A)エピクロルヒドリンゴム
    (B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
    (C)電子伝導性の導電剤
  2. 前記(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、5〜40質量部の範囲で含有されることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
  3. 前記(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、10〜35質量部の範囲で含有されることを特徴とする請求項2に記載の導電性部材。
  4. 前記(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、15〜30質量部の範囲で含有されることを特徴とする請求項3に記載の導電性部材。
  5. 前記(A)成分が、エチレンオキサイド含有量が35〜50モル%の範囲のエピクロルヒドリンゴムであり、前記(B)成分が、アクリロニトリル含有量が15〜35質量%の範囲のアクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性部材。
  6. 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)/(B)=80/20〜20/80の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性部材。
  7. 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)/(B)=75/25〜40/60の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の導電性部材。
  8. 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)/(B)=70/30〜50/50の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の導電性部材。
  9. 前記(C)成分が、pH5以下の酸化処理カーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の導電性部材。
  10. 前記(C)成分が、DBP吸油量の異なる2種以上のカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の導電性部材。
  11. 前記DBP吸油量の異なる2種以上のカーボンブラックのうち、少なくとも、1種がDBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラックであり、他の1種がDBP吸油量が150ml/100g以下のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の導電性部材。
  12. 前記DBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラック、及びDBP吸油量が150ml/100g以下のカーボンブラックのうち、いずれか一方がpH5以下の酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする請求項11に記載の導電性部材。
  13. 前記導電性弾性体層の表面に保護層を形成したことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の導電性部材。
  14. ローラ形状であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかにに記載の導電性部材。
  15. 像担持体に接触し、その表面を帯電する帯電手段であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の導電性部材。
  16. 像担持体に接触し、その表面のトナー像を転写材に転写する転写手段であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の導電性部材。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の導電性部材を備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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