JP2002037472A - 給紙ローラ - Google Patents

給紙ローラ

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JP2002037472A
JP2002037472A JP2000216377A JP2000216377A JP2002037472A JP 2002037472 A JP2002037472 A JP 2002037472A JP 2000216377 A JP2000216377 A JP 2000216377A JP 2000216377 A JP2000216377 A JP 2000216377A JP 2002037472 A JP2002037472 A JP 2002037472A
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rubber
thermoplastic elastomer
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paper
roller
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JP2000216377A
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Hiroshi Tajima
啓 田島
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙切れ時にパッド等と擦動する給紙ローラ
の摩耗を低減し、ゴム粉体の発生を抑えると共に、給紙
ローラと用紙との接触時に、用紙の変色をなくす。 【解決手段】 ゴム中に、架橋助剤として、アクリル酸
亜鉛、もしくは、メタクリル酸亜鉛または、トリアリル
イソシアヌレートを含み、上記ゴムを有機過酸化物より
なる過酸化物架橋剤で動的架橋して、水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーとオレフィン樹脂の混合物中に
分散させてローラを成形している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動的架橋ゴムを用い
た給紙ローラに関し、詳しくは、用紙切れ時に給紙ロー
ラが空転してパッド等と擦動することにより生じる摩耗
の低減を図り、摩耗により発生しやすいゴム粉体の発生
を抑制・防止するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンター、ファクシミリ、複写機、A
TM等の電子写真装置の給紙機構にはゴムローラからな
る給紙ローラが用いられている。この給紙ローラは、
紙、フィルム等を送るものであるため、紙等の用紙との
摩擦係数が高いことが要求されると共に、高精度の紙送
りを長期間保証するために耐摩耗性が要求される。
【0003】近年、一般的なインクジェット方式のプリ
ンターは、給紙ローラの空転によって用紙切れが検知さ
れる構成となっており、特別な検知手段を必要としない
ことより、製造コストが抑えられる利点がある。
【0004】この種の給紙ローラとして、従来、特開平
8−334939号において、ゴムにEPMまたは、E
PDMを用い、過酸化物からなる加硫剤を使用して成形
したゴムローラが開示されている。さらに、特開平9−
302156号に、EPDM等のオレフィン系共重合ゴ
ム、水添ジエン系重合体、およびオレフィン系樹脂を過
酸化物架橋剤、架橋助剤を用いて弾性と機械的強度のバ
ランスされた熱可塑性エラストマー組成物が示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にゴムの架橋には
硫黄が用いられるが、上記従来例で提案されているEP
DMを主成分にしたゴムの場合は、ジエン成分が少な
く、架橋密度が低くなるため、多量の架橋促進剤を必要
とする。しかし、使用量が多すぎると、促進剤がゴムの
表面ににじみ出し花模様などを描くブルーム現象を引き
起こす。このようなブルーム現象が生じた給紙ローラを
使用した場合、摩擦係数が低下するため、分離パッドと
の擦動によりゴム粉体が発生しやすいという問題があ
る。
【0006】即ち、インクジェット式プリンターにおい
て、給紙ローラが用紙切れで空転する時、給紙ローラは
分離パッド等と擦動し、用紙との擦動時よりも激しく摩
耗することが多い。給紙ローラが摩耗するとゴム粉体が
発生し、このゴム粉体が給紙ローラの表面に付着し、次
の印刷の際に用紙にゴム粉体が付着しやすい。用紙にゴ
ム粉体が付着すると、インクジェット式プリンターにお
いて画像形成が困難になったり、画像形成後にゴム粉体
が用紙から離脱して画像に白抜け部分が発生してしまう
問題がある。
【0007】上記ブルームの対策として、樹脂架橋剤が
用いられることがあり、その場合、給紙ローラの長期の
使用にもブルームせず、高い摩擦係数を維持することが
できるが、給紙ローラが用紙に接触した場合、その接触
した部分を変色させてしまうという問題がある。
【0008】さらに、前記特開平8−334939号に
開示されたゴムローラでは、架橋ゴムからなり熱可塑性
でなく不可逆反応しているのでリサイクルが不可能で、
環境上および省資源化の点で問題がある。また、後記特
開平9−302156号では、EPDMを用いた動的架
橋型熱可塑性エラストマー材料一般について記載されて
いるのみであり、事務器材用ゴム部材への用途の配慮は
ないため、ブルーム、耐摩耗性の問題がある。
【0009】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、ブルームの発生をなくして、給紙ローラの耐摩
耗性を高め、用紙切れ時に給紙ローラが空転してパッド
等と擦動しても摩耗しにくくして、ゴム粉体が発生しな
いようにすると共に、給紙ローラと用紙との接触時に、
用紙の変色をなくし、さらに、リサイクル可能とした給
紙ローラを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、エチレン−プロピレン共重合体ゴムま
たは該ゴムを主成分とするゴム中に、架橋助剤を含み、
該ゴムに、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーと
オレフィン樹脂を配合した組成物を、有機過酸化物から
なる架橋剤で、上記ゴム成分を動的に熱処理し、上記ゴ
ム成分が水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオ
レフィン樹脂の混合物中に分散している熱可塑性エラス
トマー組成物を用いたことを特徴とする給紙ローラを提
供している。
【0011】即ち、本発明では、ゴム中に、アクリル酸
亜鉛、もしくは、メタクリル酸亜鉛、トリアリルイソシ
アヌレート(以下、TAICと略す)等の架橋助剤を配
合しており、これらは、動的架橋剤の有機過酸化物から
なる過酸化物架橋剤の共架橋剤として作用し、素材とし
ての引張強度(破断伸び、破断強度)および引裂強度を
向上させ、耐摩耗性を高めて、給紙ローラが分離パッド
と擦動しても摩耗を抑制でき、摩耗により発生するゴム
粉体が生じにくくしている。
【0012】特に、本発明では、有機過酸化物を動的架
橋剤として用いると共に、アクリル酸亜鉛、もしくは、
メタクリル酸亜鉛、TAIC等の架橋助剤を用いている
ため、樹脂架橋剤の使用に伴い発生していた紙の変色を
防止することができ、これは、本発明者が繰り返し実験
して見いだしたものである。
【0013】上記ゴム中に添加するアクリル酸亜鉛、も
しくは、メタクリル酸亜鉛の添加量は、ゴム成分を10
0重量%とすると、5〜30重量%とするのが好まし
い。5重量%未満とすると、架橋不足になり、十分な強
度が得られない。30重量%を越えると、過架橋とな
り、強度が低下する。また、TAIC等の添加量は、ゴ
ム成分を100重量%とすると、0.5〜5.0重量%
とするのが好ましい。0.5重量%未満とすると、架橋
不足になり、十分な強度が得られない。5.0重量%を
越えると、過架橋となり、強度が低下する。
【0014】架橋剤として用いる有機過酸化物からなる
過酸化物架橋剤としては、ジクミルパーオキサイドもし
くは、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン等が挙げられる。該動的架橋剤となる
過酸化物架橋剤は、ゴム成分+水素添加スチレン系エラ
ストマー+オレフィン系樹脂を100重量部とすると1
重量%以上5重量%以下としている。TAIC等の架橋
助剤としては、イオウ、p−キノンジオキシム、p,
p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
テトラエチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ジアリールフタレート、テトラアリール
オキシエタン、N,N−m−フェニレンビスマレイミド
等が好適に用いられる。 さらに、架橋活性剤として、
酸化亜鉛、炭酸亜鉛を用いている。
【0015】ゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラス
トマー、オレフィン系樹脂、オイル、過酸化物架橋剤の
配合比は任意に選択でき、通常動的架橋されうる範囲の
配合比で適用できる。好ましい範囲としては、ゴムの重
量と、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びオ
レフィン樹脂を合わせた重量との比(ゴム/水素添加ス
チレン系熱可塑性エラストマー+オレフィン系樹脂)が
4/6〜8/2である。4/6より小さいと、ゴム分が
少ないため、弾性回復性が劣るという問題があり、8/
2より大きいとゴム分が多すぎ、水素添加スチレン系熱
可塑性エラストマーとオレフィン樹脂との混合物中に分
散させることができず、可塑化できないという問題があ
る。また、ゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラスト
マー、オレフィン系樹脂を100重量%とした場合、配
合油の添加量は50〜200重量%とすることが好まし
い。配合油の添加量が、50重量%未満になると、動的
架橋時の発熱が大きく、物性低下を招く。また、配合油
の添加量が、200重量%を越えると、生成物からブリ
ードしてしまう。
【0016】ゴムとしてはEPDMが最適で、EPDM
を100%とすることが最も好ましい。即ち、EPDM
は主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含ま
ない。このため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環
境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにく
い。従って、得られる紙送りローラの耐候性を高めるこ
とができる。EPDMには、ゴム成分のみからなる非油
展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油
展タイプのEPDMとが存在するが、本発明のゴム組成
物にはいずれのタイプのものも使用可能である。
【0017】なお、EPDMに、ブチルゴム、ブタジエ
ンゴム(BR)、イソプレンゴム、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム
(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリ
ルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM)から選ばれ
る1種又は2種以上をブレンドしてもよい。EPDMと
他のゴムとが混合される場合、全ゴムに占めるEPDM
の比率は50重量%以上、さらに、80重量%以上が好
ましい。
【0018】水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
は水素添加により飽和して二重結合を無くしたスチレン
系熱可塑性エラストマーであって、特に高分子量のもの
は伸展油を配合しやすいため、低硬度で、かつ、摩擦係
数が大きい。しかも二重結合を持たないため、樹脂架橋
剤と反応せず、ゴムの架橋を阻害しない。該水素添加ス
チレン系熱可塑性エラストマーとしては、共重合体の共
役ジエン部分の中間ブロックがエチレンからなるSE
S、エチレン/プロピレンからなるSEPS、エチレン
/ブチレンからなるSEBSが好適に用いられる。ま
た、マレイン酸等を付加したものや水酸基を導入したも
のも好適に用いられる。
【0019】オレフィン系樹脂としては市販のオレフィ
ン系樹脂であれば使用でき、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニ
ルアセテート樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、アイオ
ノマー樹脂等が挙げられるが、特に、エチレンブロック
を持つポリプロピレン、もしくはポリエチレンとポリプ
ロピレンのブレンド物がゴムを分散させやすいため好ま
しい。
【0020】水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
の重量とオレフィン系樹脂の重量との比は特に限定され
ないが、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー/オ
レフィン系樹脂を8/2〜2/8の範囲とすると、ゴム
を分散させやすいため好ましい。
【0021】ゴムローラの硬度を低下させるために、ゴ
ム中にオイルを配合している。オイルとしては、パラフ
ィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系
オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロ
セスオイル等を用いることができる。合成油としては、
例えば、α−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリゴ
マー、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー等を挙げ
ることができ、特にエチレンとα−オレフィンとの非晶
質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジ
オクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート
(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオク
チルアジペート(DOA)等を用いることができる。
【0022】ゴムローラの機械的強度を向上させるため
に、必要に応じて、充填剤を配合することができる。充
填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、ク
レー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を
配合する場合、充填剤はゴムローラ全体当たり10重量
%以下とするのが好ましい。これは充填剤の配合はゴム
の引っ張り強度及び引き裂き強度の改善には有効である
ものの、余り多く配合するとゴムの柔軟性を大きく低下
させるためである。
【0023】また、ゴムローラ中には上記の配合剤以外
に、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を配合する
ことができる。老化防止剤としては、例えば、2−メル
カプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類など
が挙げられる。
【0024】給紙ローラとなるゴムローラは、上記ゴ
ム、もしくは、オイルを予め配合したゴムをφ5mm程
度ペレット化したゴム、架橋剤、架橋助剤、酸化亜鉛も
しくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂からなる全
ての材料を連続的に2軸押出機に投入し、得られた生成
物を押出成形により円筒状のローラに成形し、これを所
要長さにカットしてD字形の軸芯をはめ込み、ゴムロー
ラもD字形とする。もしくは、架橋剤以外を予め混練
し、ペレット化したものと架橋剤を2軸押出機に連続投
入し、生成物を得ても良い。
【0025】上記ゴムローラの硬度はJIS6253の
A型硬度計で測定した時の硬度が一般に15〜45、好
ましくは20〜40の範囲としている。この範囲とする
と、ゴムローラを比較的小さな圧接力で紙に押付けても
ゴムローラが充分に変形し、紙との間に大きな接触面積
を得ることができる。
【0026】ゴムローラは円筒状に成形した状態で、そ
の肉厚は1mm〜8mm、好ましくは2mm〜5mmと
している。これは、ゴムローラの硬度との兼ね合いにも
よるが、肉厚が小さ過ぎると、ゴムローラが変形しても
紙との間に大きな接触面積が形成されにくい。一方、肉
厚が大きすぎると、ローラを変形させるためにはゴムロ
ーラの紙への圧接力を大きくしなければならず、ゴムロ
ーラを紙に圧接するための機構が大型化するためであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の給紙用のゴムローラ
を示し、該ゴムローラ1はゴム組成物を成形・架橋して
形成しており、その中空部にD字形の軸芯2に圧入ある
いは両者を接着剤で接合して固定している。
【0028】図2は上記給紙用ゴムローラ1をインクジ
ェット式プリンターの給紙ローラに適用した模式図であ
り、ゴムローラ1に対向するように分離パッド3が設け
られている。軸芯2を矢印方向に回転させると、ゴムロ
ーラ1も回転して、ゴムローラ1の最上面にある紙4が
巻き込まれ、これが、ゴムローラ1とパッド3との隙間
を通過し、プリンターの内部に紙4が供給される。紙4
が切れた場合には、ゴムローラ1がパッド3に擦動す
る。
【0029】上記紙送用のゴムローラ1は、EPDMゴ
ム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフ
ィン系樹脂、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活
性剤、ジクミルパーオキサイドもしくは、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンか
らなる過酸化物架橋剤、アクリル酸亜鉛、もしくは、メ
タクリル酸亜鉛、およびトリアリルイソシアヌレート
(TAIC)等の架橋助剤、及び配合油等が配合された
組成物からなる。
【0030】即ち、上記アクリル酸亜鉛、もしくは、メ
タクリル酸亜鉛およびトリアリルイソシアヌレート等を
ゴム中に架橋助剤として添加しており、該ゴム成分を、
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン
樹脂に混合した組成物を設け、該組成物を有機過酸化物
よりなる架橋剤で、2軸押出機による連続混練工程中
に、ゴム成分を架橋させながら、水素添加スチレン系熱
可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中に分
散させ、熱可塑性エラストマー組成物よりローラを成形
している。
【0031】水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
としては、中間ブロックがエチレン/プロピレンからな
るSEPSを用い、オレフィン系樹脂としては、ポリプ
ロピレンを用いている。加工性向上、硬度調整等の目的
で配合される配合油としては、パラフィンオイルを用い
ている。
【0032】(実施例)実施例1〜9及び比較例1〜5
について、下記の表1、表2に記載の配合からなる押出
生成物を作成し、該生成物をローラ状(円管状)に押出
成形した後、カットして、D字形の軸芯2にはめ込みD
字形のゴムローラを製造した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表中の上段の数値は重量%である。使用し
た材料は下記の通りである。 ゴム:EPDM 住友化学製エスプレン670F(パラフィンオイル100%油展) 水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー:SEPS クラレ製セプトン4077 オレフィン系樹脂:ポリプロピレン 日本ポリケム製ノバテックPP BC6 配合油:パラフィンオイル 出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−380 架橋活性剤:炭酸亜鉛 堺化学工業製透明性亜鉛白 酸化亜鉛 三井金属鉱業製酸化亜鉛2種 樹脂架橋剤:アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂 田岡化学製タッキロール250−3(3wt%臭素付加品) 過酸化物架橋剤: ジクミルパーオキサイド 日本油脂製パークミルD 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 日本油脂製パーヘキサ25B 架橋助剤:アクリル酸亜鉛 三新化学製サンセラーSR トリアリルイソシアヌレート(TAIC)(日本化成製) メタクリル酸(東京化成製)
【0036】ゴムローラは以下のようにして作成した。
ゴムは予め2TR−75(株式会社モリヤマ 2軸1
軸押出機)にてペレット化したものを使用した。また、
ゴムに予め油展されている以外の配合油は水素添加スチ
レン系熱可塑性エラストマーに含有させたものを使用し
た。全ての材料をタンブラーにてドライブレンドし、H
TM−38(アイペック 2軸押出機)にて、200
℃、200rpmにて動的架橋し、ペレット状の生成物
を得た。この生成物をφ50単軸押出機(笠松加工研究
所)にて210℃、20rpmにて押出成形し、外径φ
30mm、内径φ25mmの円管状のローラを得た。こ
れを長さ15mmにカットして、D字形の軸芯にはめ込
んで、D字形のゴムローラを作成した。
【0037】[実施例1乃至実施例9]実施例1乃至実
施例5は、いずれも、ゴム、水素添加スチレン系熱可塑
性エラストマー、オレフィン樹脂、オイルの配合比は同
一とした。また、架橋活性剤として、実施例1、4、5
は酸化亜鉛を用い、実施例2、3は炭酸亜鉛を用いた。
架橋助剤として、実施例1、2、3はアクリル酸亜鉛と
トリアリルイソシアヌレート(TAIC)を併用し、実
施例4はアクリル酸亜鉛のみ、実施例5はトリアリルイ
ソシアヌレート(TAIC)のみを用いた。過酸化物架
橋剤として、実施例1、2、4、5は2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用
い、実施例3はジクミルパーオキサイドを用いた。実施
例6乃至実施例8は、それぞれゴム、水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマー、オレフィン樹脂、オイルの配
合比を、上記規定の範囲内で変更した。また、架橋活性
剤として炭酸亜鉛を用い、架橋助剤としてアクリル酸亜
鉛とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を併用
し、過酸化物架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いた。実施例
9は、実施例2のアクリル酸亜鉛を、メタクリル酸亜鉛
に変更した。アクリル酸亜鉛の場合と異なり、ゴム、メ
タクリル酸、酸化亜鉛を混練し、メタクリル酸と酸化亜
鉛を反応させ、メタクリル酸亜鉛を生成させた上で、ペ
レット化し、2軸押出機に投入した。
【0038】[比較例1乃至比較例5]比較例1、2
は、いずれも、ゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラ
ストマー、オレフィン樹脂、オイルの配合比は、実施例
1と同一とし、架橋活性剤として酸化亜鉛を用いた。架
橋剤として、比較例1では、アルキルフェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂からなる樹脂架橋剤のみを用い、比較
例2では、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサンからなる過酸化物架橋剤のみを用
いた。比較例3は実施例2において、SEPS/オレフ
ィン樹脂の比率を変更し、90/10とし、架橋活性剤
として炭酸亜鉛を用い、架橋助剤としてアクリル酸亜鉛
とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を併用し、
過酸化物架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いた。比較例4
は実施例6において、SEPS/オレフィン樹脂の比率
を変更し、14/86とした。比較例5はゴム/SEP
S+オレフィン樹脂の比率を80/20とし、架橋活性
剤として炭酸亜鉛を用い、架橋助剤としてアクリル酸亜
鉛とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を併用
し、過酸化物架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いた。
【0039】上記実施例1乃至実施例9、比較例1乃至
比較例5のゴムローラについて、引張試験、引裂試験、
摩耗粉体試験、変色試験を行った。
【0040】引張試験は、ゴムローラをカットして展開
し、ダンベル4号で打ち抜き、JIS K6251に準
拠して測定し、引張強度Tb(MPa)、破断伸び率E
b(%)を求めた。
【0041】引裂試験は、引張試験と同様に、ゴムロー
ラをカットして展開し、クレセント型で打ち抜き、JI
S K6252に準拠して測定し、引裂強度TR(N/
mm)を求めた。
【0042】摩耗粉体試験は、実機(キャノン F61
0)に実施例及び比較例のゴムローラからなる給紙ロー
ラを装着し、紙の存在していない状態で印字命令を出
し、給紙ローラを空転させた。この操作を40回繰り返
して行った後、専用のインクジェット記録用紙(CAN
ON HIGH RESOULUTION PAPER
HR−101)を通紙して、これに付着している摩耗粉
体の数をカウントした。そして、5個の給紙ローラの平
均値を算出した。この摩耗粉体の数の平均値が5以下を
○、5を越えると×として評価した。
【0043】変色試験は、キャノン プロフェッショナ
ルフォトペーパーPR−101にローラを30分間接触
させ、取り外した後、7日間放置し、紙が変色しないも
のを○、変色したものを×とした。
【0044】樹脂架橋剤を配合した比較例1では、破断
時の引張強度は2.8MPa、破断伸びは280%、引
裂強度は5.8N/mmであり、実施例1乃至実施例9
と比較して引張強度、破断伸び及び引裂強度とも同等あ
るいはそれ以下の値となった。また、摩耗粉体試験で
は、多量の摩耗粉体が発生し、変色試験では紙の変色が
見られ、評価は共に×であった。
【0045】比較例1の配合例から樹脂架橋剤に替えて
過酸化物で架橋した比較例2では、破断時の引張強度は
2.5MPa、引裂強度は7.0N/mmであり、実施
例1乃至実施例9と比較して引張強度、引裂強度とも小
さな値となった。また、変色試験では、樹脂架橋剤を使
用していないために、紙の変色は見られなかったが、摩
耗粉体試験では、ゴムの架橋密度が低いため、摩耗粉体
が発生していた。
【0046】比較例3、5の配合では、可塑化できなか
ったため、各種試験を実施できなかった。また、比較例
4については、硬度が高いため、摩擦係数が小さく用紙
を送ることができなかった。
【0047】上記比較例のうち、給紙ローラとしての基
本機能を有する比較例1乃至比較例2に対して、実施例
1乃至実施例9は、引張強度、引裂強度とも大きな値と
なった。また、摩耗粉体試験においても、摩耗粉体の発
生量は少なく、変色試験においても紙の変色が見られ
ず、評価は全て○であり、良好な結果が得られた。
【0048】実施例1乃至実施例5は、過酸化物架橋剤
の種類、アクリル酸亜鉛、トリアリルイソシアヌレート
(TAIC)の配合有無による効果を調査した結果であ
る。アクリル酸亜鉛、トリアリルイソシアヌレート(T
AIC)の両方を配合した場合、過酸化物の配合量を少
なくでき、ゴムの分散が良好なため、引張特性が優れる
と共に、摩耗粉体試験、変色試験でも良好であった。一
方、アクリル酸亜鉛、トリアリルイソシアヌレート(T
AIC)のいずれかを配合した場合でも、同様に、摩耗
粉体試験、変色試験において良好な結果であった。
【0049】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、ゴム中に、架橋助剤として、アクリル酸亜
鉛、もしくは、メタクリル酸亜鉛または、トリアリルイ
ソシアヌレートを含み、上記ゴムを有機過酸化物よりな
る過酸化物架橋剤で動的架橋して、水素添加スチレン系
熱可塑性エラストマーとオレフィン樹脂の混合物中に分
散させることで、上記熱可塑性エラストマー組成物の引
張特性(破断伸び、破断強度)と引裂強度とを高めるこ
とができ、耐摩耗性を高めることができる。よって該ゴ
ムローラを給紙ローラとして用いた時、用紙切れで空転
して分離パッド等と擦動しても摩耗粉体の発生を抑える
ことができる。その結果、摩耗粉体が給紙ローラの表面
に付着するのを防止でき、インクジェットプリンターに
おける画像形成の阻害や画像の白抜け発生を防止するこ
とができる。
【0050】さらに、上記熱可塑性エラストマー組成物
からなる給紙ローラでは、樹脂架橋剤を用いていないた
め、給紙ローラと用紙との接触時に、給紙ローラと用紙
の接触した部分の変色をなくすことができる。
【0051】水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
とオレフィン樹脂の混合物中に動的架橋により架橋ゴム
が分散しているため、通常の熱可塑性エラストマーと同
様に、リサイクル可能となり、環境問題を発生せず、か
つ、省資源化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る給紙ローラに軸芯が
取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】 上記給紙ローラをプリンターに適用した状態
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ 2 軸芯 3 パッド 4 紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−プロピレン共重合体ゴムまた
    は該ゴムを主成分とするゴム中に、架橋助剤を含み、該
    ゴムに、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオ
    レフィン樹脂を配合した組成物を、有機過酸化物からな
    る架橋剤で、上記ゴム成分を動的に熱処理し、上記ゴム
    成分が水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレ
    フィン樹脂の混合物中に分散している熱可塑性エラスト
    マー組成物を用いたことを特徴とする給紙ローラ。
  2. 【請求項2】 上記ゴムがEPDMであり、上記オレフ
    ィン樹脂が、分子内にエチレンブロックを有するポリプ
    ロピレンまたは、ポリエチレンとポリプロピレンとの混
    合物である請求項1に記載の給紙ローラ。
  3. 【請求項3】 上記水素添加スチレン系熱可塑性エラス
    トマーは共重合体中の共役ジエン部分が、各々エチレ
    ン、エチレンとプロピレン、またはエチレンとブチレン
    のいずれかのブロックを有する共重合体の水素添加物で
    ある請求項1または請求項2に記載の給紙ローラ。
  4. 【請求項4】 上記ゴムの重量と、上記水素添加スチレ
    ン系熱可塑性エラストマー及び上記オレフィン樹脂を合
    わせた重量との比が4/6〜8/2である請求項1乃至
    請求項3のいずれか1項に記載の給紙ローラ。
  5. 【請求項5】 上記水素添加スチレン系熱可塑性エラス
    トマーの重量と上記オレフィン樹脂の重量との比が8/
    2〜2/8である請求項1乃至請求項4のいずれか1項
    に記載の給紙ローラ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007008271A1 (en) * 2005-07-13 2007-01-18 Advanced Elastomer Systems, L.P. Peroxide-cured thermoplastic vulcanizates
US7872075B2 (en) 2005-10-07 2011-01-18 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Peroxide-cured thermoplastic vulcanizates and process for making the same
JP2011116480A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
JP2014111691A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 熱可塑性エラストマ組成物

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