JP2018141040A - Oa機器ロール用共重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体である。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
これらの中でも、1,4−ヘキサジエンなどの鎖状非共役ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエンが好ましく、中でも環状非共役ジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンが特に好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10の範囲にある。[A]/[B]の下限としては、好ましくは45/55、より好ましくは50/50、特に好ましくは55/45である。また、[A]/[B]の上限としては、好ましくは80/20、より好ましくは75/25、さらに好ましくは70/30、特に好ましくは65/35である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が5〜100、好ましくは20〜95、特に好ましくは50〜90の範囲にある。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、前記の要件(1)〜(4)を満たす限りにおいて、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることがより好ましい。
本発明のOA機器ロール用共重合体組成物(以下、単に「共重合体組成物」と呼称する場合がある。)は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体に、軟化剤、充填剤等の添加剤を配合した組成物である。
本発明に係る架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄系化合物、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等の、ゴムを架橋する際に一般に使用される架橋剤が挙げられる。これらのうちでは、有機過酸化物、硫黄系化合物等の架橋剤(「加硫剤」ともいう。)が好適である。
前記加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、サンセラーM(商品名;三新化学工業社製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、ノクセラーMDB−P(商品名;大内新興化学工業社製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾールおよびジベンゾチアジルジスルフィド(例えば、サンセラーDM(商品名;三新化学工業社製))などのチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンおよびジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物およびブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系加硫促進剤;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤;ジエチルチオウレアおよびジブチルチオウレアなどのチオウレア系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(例えば、サンセラーTS(商品名;三新化学工業社製))、テトラメチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTT(商品名;三新化学工業社製))、テトラエチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTET(商品名;三新化学工業社製))、テトラブチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTBT(商品名;三新化学工業社製))およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(例えば、サンセラーTRA(商品名;三新化学工業社製))などのチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーBZおよびサンセラーEZ(商品名;三新化学工業社製))およびジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系加硫促進剤;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラーBUR(商品名;三新化学工業社製)、サンセラー22−C(商品名;三新化学工業社製))、N,N'−ジエチルチオ尿素およびN,N'−ジブチルチオ尿素などのチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系加硫促進剤;その他、亜鉛華(例えば、META−Z102(商品名;井上石灰工業社製、酸化亜鉛))などが挙げられる。
本発明に係る加硫助剤は、架橋剤が硫黄系化合物である場合に用いられ、例えば、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。
本発明に係る軟化剤の具体例としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)などが挙げられ、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
本発明に係る無機充填剤の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの1種類または2種類以上が使用され、これらのうちでは、「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社)等の重質炭酸カルシウムが好ましい。
本発明に係る補強剤の具体例としては、カーボンブラック、シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微分ケイ酸などがあり、配合する場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて他の重合体の合計100質量部に対して、一般に30〜200質量部、好ましくは50〜180質量部である。
本発明に係る共重合体組成物に、老化防止剤(安定剤)を配合することにより、これから形成されるOA機器ロールの寿命を長くすることができる。このような老化防止剤として、従来公知の老化防止剤、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などがある。
本発明に係る加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。
活性剤の具体例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物などが挙げられる。
吸湿剤の具体例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
本発明のOA機器ロール用共重合体組成物は、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、任意的に配合される架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤以外の成分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより、通常、リボン状またはシート状のOA機器ロール用共重合体組成物(配合ゴム)が得られる。勿論、上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤などを同時に混練することもできる。
上記記載の方法で得られたOA機器ロール用共重合体組成物は、例えば押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成形法によって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは電子線を照射することにより架橋することにより、OA機器ロールとしての用途に供することができる。
厚さ2mmシートから、幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプルを調製した。
未加硫組成物の物性試験は、JIS K6300に準拠して行った。具体的には、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、配合物の125℃におけるムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイントまたは35ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)およびスコーチ時間(t35、min)とした。
加硫測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES社製)を用いて、一定の温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値(S'Max)とトルクの最小値(S'Min)との差の90%のトルクに達成するまでの時間を、TC90(min)とした。測定条件は、温度160℃、時間20分とした。このTC90が小さいほど、加硫速度が速いことを示す。
厚さ2mmの加硫ゴムシートの平らな部分を重ねて厚さ12mmのシートとし、JIS K6253に従い、硬度(JIS−A)を測定した。
厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、伸び率が25%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25))、伸び率が50%であるときの引張応力(50%モジュラス(M50))、伸び率が100%であるときの引張応力(100%モジュラス(M100))、伸び率が200%であるときの引張応力(200%モジュラス(M200))、伸び率が300%であるときの引張応力(300%モジュラス(M300))、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
厚さ2mmの加硫ゴムシートを、JIS K 6257に従い、125℃で168h保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、引張破断点応力、引張破断点伸びを、前記(硬度試験(Durometer−A))の項目、前記(引張試験)の項目と同様の方法で測定した。
低温捻り試験は、JIS K6261(1993)に従って、ゲーマン捻り試験機を用いて、厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、T2(℃)、T5(℃)およびT10(℃)を測定した。これらの温度は、加硫ゴムの低温での柔軟性の指標となる。例えばT2が低いほど、低温での柔軟性は良好である。
厚さ1mmの加硫ゴムシートについて、ASTM D 257に準拠して、50%RH、10V−60sの条件のもと、測定温度0℃、10℃、23℃下における体積抵抗率を評価した。
表1に記載した条件でエチレンなどを重合・乾燥して、エチレン・ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体Xを得た。得られた共重合体X、および比較例3で用いたEPTの物性を併せて表1に示す。
第一段階として、BB−2型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(Nipol1052J、日本ゼオン(株)社製)100質量部を30秒間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#60G、旭カーボン(株)社製)40質量部、酸化亜鉛二種(ハクスイテック(株)製)5質量部、ステアリン酸(日油(株)製)1質量部、サンダントMB(三新化学工業(製))1質量部、IRGANOX1010(BASFジャパン(株)製)1質量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
第二段階に加える添加剤がサンセラーNS(三新化学工業(製))0.7質量部、硫黄(純正化学(株)製)1.5質量部で、加硫ゴムシートを調整する際の条件が、160℃で30分間であること以外は比較例1と同様に行い、未加硫ゴム物性および加硫ゴム物性の評価を行った。
第一段階として、BB−2型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体(三井EPT14030、三井化学株式会社製、エチレンから導かれる構造単位含有量:51質量%、ENBから導かれる構造単位含有量:8.1質量%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]:27)100質量部を30秒間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#60G、旭カーボン(株)社製)40質量部、酸化亜鉛二種(ハクスイテック(株)製)5質量部、ステアリン酸(日油(株)製)1質量部、サンダントMB(三新化学工業(製))1質量部、IRGANOX1010(BASFジャパン(株)製)1質量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
比較例3で用いた共重合体に替えて、製造例1で得たエチレン・ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体Xを用いる以外は、比較例3と同様に行い、ゴム配合物および加硫ゴムシートを得た。得られた未加硫ゴム物性および加硫ゴム物性の評価を行った。
結果を表2、表3に示す。
Claims (2)
- エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含んでなることを特徴とするOA機器ロール用共重合体組成物。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。 - 請求項1に記載のOA機器ロール用共重合体組成物からなるOA機器ロール。
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