JP2018141040A - Oa機器ロール用共重合体組成物 - Google Patents

Oa機器ロール用共重合体組成物 Download PDF

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諒平 佐伯
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Abstract

【課題】本発明は、低温領域での電気特性と機械的物性に優れるOA機器ロール用共重合体組成物を開発することを目的とする。【解決手段】本発明は、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含んでなることを特徴とするOA機器ロール用共重合体組成物に係る。(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上であるB値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、低温領域での電気特性と機械的物性に優れるOA機器ロール用共重合体組成物に係る。
OA機器用ロールは半導体特性が必要なため、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)やエピクロルヒドリンゴム(ECO)からなる重合体が用いられている。しかしながら、これらの重合体から得られるロールは電気特性の温度依存性が大きく、ガラス転移温度に近づくほど体積固有抵抗が大きくなり、また、耐寒性に劣る傾向にある。
一方、エチレン・プロピレン共重合体(以下、EPRと呼ぶことがある)やエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(以下、EPDMと呼ぶことがある)は、耐寒性、電気絶縁性等の特性に優れていることから、ロール用ゴム組成物として好適であることが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、従来公知のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体をOA機器用ロールに用いる場合は、未だ低温時の体積固有抵抗値が高く、より温度依存性に少ないエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体が望まれている。
特開平11−323043号公報
本発明は、低温領域での電気特性と機械的物性に優れるOA機器ロール用共重合体組成物を開発することを目的とする。
本発明は、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含んでなることを特徴とするOA機器ロール用共重合体組成物が提供される。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
従来のゴム組成物においては、体積固有抵抗の温度依存性がゴムの種類によって異なるが、本発明のOA機器ロール用共重合体組成物は、温度依存性が小さいエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いることにより、低温領域での物性の改善を達成した。殊に、高B値(モノマー交互性)のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が好適に用いられる。
本発明のOA機器ロール用共重合体組成物は、低温特性と機械物性の双方が優れる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体である。
なお、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]および非共役ポリエン[C]としてはそれぞれを、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。すなわち、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン[A]に由来する構造単位、少なくとも1種類の炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および少なくとも1種類の非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含む。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
炭素数4〜20のα−オレフィン[B]としては、側鎖の無い直鎖の構造を有する、炭素数4の1−ブテンからはじまり、炭素数9の1−ノネンや炭素数10の1−デセンを経て、炭素数19の1−ノナデセン、炭素数20の1−エイコセン、並びに側鎖を有する4−メチル−1−ペンテン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。
これらのα−オレフィン[B]は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましく、特に1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく、特に1−ブテンが好適である。
α‐オレフィンがプロピレンであるエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体は、低温でのゴム弾性が不充分である傾向があり、用途が限定される場合がある。一方、エチレン系共重合体Aは、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位を有しているので、低温でのゴム弾性に優れている。
非共役ポリエン[C]としては、具体的には、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエンが挙げられる。
これらの非共役ポリエン[C]は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、1,4−ヘキサジエンなどの鎖状非共役ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエンが好ましく、中でも環状非共役ジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンが特に好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体としては、以下を挙げることができる。エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ペンテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−へプテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−オクテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ノネン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−デセン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ペンテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−へプテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ノネン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−デセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ペンテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−へプテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ノネン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−デセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、必要に応じて1種類、または2種類以上が用いられる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10の範囲にある。[A]/[B]の下限としては、好ましくは45/55、より好ましくは50/50、特に好ましくは55/45である。また、[A]/[B]の上限としては、好ましくは80/20、より好ましくは75/25、さらに好ましくは70/30、特に好ましくは65/35である。
エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比が上記範囲にあると、低温でのゴム弾性と常温での引張強度とのバランスに優れるエチレン系共重合体が得られる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%の範囲ある。[C]に由来する構造単位の含有量の下限としては、好ましくは0.5モル%である。[C]に由来する構造単位の含有量の上限としては、好ましくは4.0モル%、より好ましくは3.5モル%、さらに好ましくは3.0モル%である。
非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が上記範囲にあると、充分な架橋性および柔軟性を有するエチレン系共重合体が得られる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が5〜100、好ましくは20〜95、特に好ましくは50〜90の範囲にある。
ムーニー粘度が上記範囲にあるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、加工性および流動性が良好であり、また良好な後処理品質(リボンハンドリング性)を示すと共に優れたゴム物性を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が得られる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、(4)B値が1.20以上、好ましくは1.20〜1.80、特に好ましくは1.22〜1.40の範囲にある。
B値が1.20未満のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、低温での圧縮永久ひずみが大きくなり、低温でのゴム弾性と常温での引張強度とのバランスに優れたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が得られない虞がある。
B値が上記範囲にあるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、共重合体を構成するモノマー単位の交互性が高く結晶性が低いため、得られる組成物の加工性が向上し、また得られる成形体の体積固有抵抗の温度依存性に優れる。
なお、上記(4)におけるB値は、共重合体中における共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示す指標であり、上記式(i)中の[E]、[X]、[Y]、[EX]は、13C−NMRスペクトルを測定し、J. C.Randall [Macromolecules, 15, 353 (1982)]、J. Ray [Macromolecules, 10, 773 (1977)]らの報告に基づいて求めることができる。一方、上記(1)〜(2)における、エチレン[A]に由来する構造単位、α−オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位のモル量は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めることができる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の製造方法>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、前記の要件(1)〜(4)を満たす限りにおいて、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることがより好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、具体的には、例えば、国際公開第2015/122415号パンフレットなどに記載の方法を採用することにより製造することができる。
<OA機器ロール用共重合体組成物>
本発明のOA機器ロール用共重合体組成物(以下、単に「共重合体組成物」と呼称する場合がある。)は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体に、軟化剤、充填剤等の添加剤を配合した組成物である。
これらの添加剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、通常、軟化剤:0.1〜200質量部、充填剤:1〜300質量部である。
また、本発明の共重合体組成物には、軟化剤、充填剤、架橋剤の他、他の添加剤、例えば、加工助剤、活性剤、吸湿剤、さらに耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤等を配合することが行われる。
本発明の共重合体組成物が、他の重合体を含む場合は、共重合体組成物中のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の割合は、一般に20質量%以上、好ましくは30〜90質量%である。
本発明の共重合体組成物は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えば、ミキサー、ニーダー、ロールなどの混練機を用いて所望の温度で混練することにより調製することができる。本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、混練性に優れているので、共重合体組成物の調製を良好に行うことができる。
〈架橋剤〉
本発明に係る架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄系化合物、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等の、ゴムを架橋する際に一般に使用される架橋剤が挙げられる。これらのうちでは、有機過酸化物、硫黄系化合物等の架橋剤(「加硫剤」ともいう。)が好適である。
有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド(DCP)、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
このうちでは、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル-2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル-2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート等の2官能性の有機過酸化物が好ましく、中でも、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
架橋剤として、有機過酸化物を用いる場合、その配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される他の架橋が必要な重合体の合計100質量部に対して、一般に0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部である、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。有機過酸化物の配合量が上記範囲内であると、得られるOA機器ロールの表面へのブルームなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示すので好適である。
また、架橋剤として、有機過酸化物を用いる場合、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤として、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼン;酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種(JIS規格(K−1410))、ハクスイテック(株)社製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)等の金属酸化物などが挙げられる。架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜7モル、より好ましくは1〜5モルである。
架橋剤として硫黄系化合物(加硫剤)を用いる場合、具体例としては、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、その配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される他の架橋が必要な重合体の合計100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部、さらに好ましくは0.7〜5.0質量部である。硫黄系化合物の配合量が上記範囲内であると、OA機器ロールの表面へのブルームがなく、優れた架橋特性を示す。
次に、上記架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
前記加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、サンセラーM(商品名;三新化学工業社製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、ノクセラーMDB−P(商品名;大内新興化学工業社製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾールおよびジベンゾチアジルジスルフィド(例えば、サンセラーDM(商品名;三新化学工業社製))などのチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンおよびジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物およびブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系加硫促進剤;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤;ジエチルチオウレアおよびジブチルチオウレアなどのチオウレア系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(例えば、サンセラーTS(商品名;三新化学工業社製))、テトラメチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTT(商品名;三新化学工業社製))、テトラエチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTET(商品名;三新化学工業社製))、テトラブチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTBT(商品名;三新化学工業社製))およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(例えば、サンセラーTRA(商品名;三新化学工業社製))などのチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーBZおよびサンセラーEZ(商品名;三新化学工業社製))およびジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系加硫促進剤;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラーBUR(商品名;三新化学工業社製)、サンセラー22−C(商品名;三新化学工業社製))、N,N'−ジエチルチオ尿素およびN,N'−ジブチルチオ尿素などのチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系加硫促進剤;その他、亜鉛華(例えば、META−Z102(商品名;井上石灰工業社製、酸化亜鉛))などが挙げられる。
これらの加硫促進剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される他の架橋が必要な重合体の合計100質量部に対して、一般に0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。この範囲内では、得られるOA機器ロールの表面へのブルームなく、優れた架橋特性を示す。
〈加硫助剤〉
本発明に係る加硫助剤は、架橋剤が硫黄系化合物である場合に用いられ、例えば、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。
その配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される架橋が必要な他の重合体の合計100質量部に対して、通常1〜20質量部である。
〈軟化剤〉
本発明に係る軟化剤の具体例としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)などが挙げられ、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
共重合体組成物中の軟化剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される他の重合体成分の合計100質量部に対して、一般に2〜100質量部、好ましくは10〜100質量部である。
〈無機充填剤〉
本発明に係る無機充填剤の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの1種類または2種類以上が使用され、これらのうちでは、「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社)等の重質炭酸カルシウムが好ましい。
共重合体組成物が、無機充填剤を含有する場合には、無機充填剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて配合される他の重合体の合計100質量部に対して、通常は2〜50質量部、好ましくは5〜50質量部である。配合量が上記範囲内であると、共重合体組成物の混練加工性が優れており、機械特性に優れたOA機器ロールを得ることができる。
〈補強剤〉
本発明に係る補強剤の具体例としては、カーボンブラック、シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微分ケイ酸などがあり、配合する場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および必要に応じて他の重合体の合計100質量部に対して、一般に30〜200質量部、好ましくは50〜180質量部である。
〈老化防止剤(安定剤)〉
本発明に係る共重合体組成物に、老化防止剤(安定剤)を配合することにより、これから形成されるOA機器ロールの寿命を長くすることができる。このような老化防止剤として、従来公知の老化防止剤、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などがある。
さらに、老化防止剤として、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p―フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等がある。
これらの老化防止剤は、1種単独であるいは2種以上の組み合わせで用いることができ、その配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および他の重合体の合計100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部である。このような範囲内とすることにより、得られる共重合体組成物から得られるOA機器ロールの表面のブルームがなく、さらに加硫阻害が発生を抑制することができる。
〈加工助剤〉
本発明に係る加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。
加工助剤の具体例としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エステル類などが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
加工助剤の配合量は、共重合体組成物に含まれるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびそのエチレン系共重合体以外の重合体100質量部に対して、通常は10質量部以下、好ましくは8.0質量部以下である。
〈活性剤〉
活性剤の具体例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物などが挙げられる。
活性剤を含有する場合は、その配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびそれ以外の重合体100質量部に対して、通常は0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
〈吸湿剤〉
吸湿剤の具体例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
吸湿剤を含有する場合は、その配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびその他の重合体100質量部に対して、通常は0.5〜15質量部、好ましくは1.0〜12質量部である。
<OA機器ロール用共重合体組成物>
本発明のOA機器ロール用共重合体組成物は、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、任意的に配合される架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤以外の成分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより、通常、リボン状またはシート状のOA機器ロール用共重合体組成物(配合ゴム)が得られる。勿論、上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤などを同時に混練することもできる。
<OA機器ロール>
上記記載の方法で得られたOA機器ロール用共重合体組成物は、例えば押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成形法によって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは電子線を照射することにより架橋することにより、OA機器ロールとしての用途に供することができる。
本発明に係るOA機器ロール用共重合体組成物から得られる成形物を加熱により架橋する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱することが好ましい。また電子線照射により加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射すればよい。
本発明に係るOA機器ロールは、軸体の周囲に本発明のOA機器ロール用共重合体組成物の架橋物を有する層〔以下、「架橋物層」と略称する場合がある。〕が形成されている構造を有する。軸体は、剛性を有する限り、特に限定されず、好ましくは導電性を有する金属製の中実体あるいは中空体の真円柱状のものである。架橋物層は単層構造であっても多層構造であってもよく、その内、少なくとも一層が、本発明のOA機器ロール用共重合体組成物の架橋物からなるものであればよい。
OA機器ロールの最外層(その上に保護層を形成した場合も含む)に本発明のOA機器ロール用共重合体組成物の架橋物を用いると、本用途に適した表面摩擦抵抗を有するOA機器ロールを得ることができる。OA機器ロールの最外層の表面摩擦係数が小さすぎるとこのロールとの接触物との間で滑りが生じやすく、例えば、OA機器用ロールの場合であれば、紙を搬送したり、他のロールへ回転を正確に伝達するといったロールの機械的機能を損なうことがある。一方、最外層の表面摩擦係数が大きすぎると、例えば、OA機器用の帯電ロールなどにおいては、粘着性から感光体ドラムを汚染し易くなったり、トナーによりカブリといわれる現象が発生し易くなり、例えば、混紡用紡績ロールにおいては、ロール表面が偏摩耗を起こしやすくなる。
また、本発明のOA機器ロールの架橋物層は、OA機器用の帯電ロールのような、いわゆる半導電性のゴムロールを得ることができる。例えば、帯電ロールの場合、体積固有抵抗が小さすぎると帯電がリークしてしまい、大きすぎると帯電が高くなりすぎ、複写または印刷される画像が不鮮明になることがあり、混紡用紡績ロールにおいては、体積固有抵抗が大きすぎると、糸との摩擦による帯電から糸がロールに異常に巻きつきやすくなったり、糸くずがロール表面に付着しやすくなり、安定した作業ができなくなる場合がある。
本発明に係るOA機器ロールが多層構造の場合、目的に応じたロールの機能に応じて、他の層の材料を選択すればよい。例えば、本発明の架橋物層と軸体との間に導電性基層を有してもよい。導電性基層としては特に限定されないが、導電性弾性体が好ましい。例えば、本発明のOA機器ロール用共重合体組成物の架橋物を用いてもよいし、OA機器ロール用共重合体組成物に導電性付与剤を配合したものの架橋物を用いてもよく、また、発泡させたものであってもよい。ゴムを用いる場合は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリブタジエンゴムなどを単独でもしくは混合して用いることが好ましい。導電性付与剤としてはアセチレンブラックなどのカーボンブラック、導電性酸化スズ、導電性酸化亜鉛などの導電性金属化合物、界面活性剤などが挙げられる。
本発明に係るOA機器ロールが多層構造の場合、架橋物層の表面に保護層を有してもよい。保護層は、ロール表面の摩耗を防止するためや、感光体と接触するOA機器ロールから可塑剤のブリードや架橋剤のブルームなどによって、感光体表面が汚染されるのを防止するために用いられる。保護層には、樹脂層またはゴム層が用いられ、半導電性を有する樹脂層またはゴム層が好ましい。保護層を構成する樹脂としては、特に限定されず、一般の半導電性ゴムロールにおいて保護層として用いられる樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
また、本発明の架橋物をロール表層に用いた場合、摩擦抵抗を低減するために更に表面処理を行っても良い。表面処理としては、研磨、紫外線照射、オゾン暴露、反応性シリコーン化合物の塗布、反応性フッ素化合物の塗布などが挙げられる。このような表面処理を行うことにより、更に表面摩擦係数を減少させることが可能であり、OA機器ロール表面の粘着による感光体汚染や、紡績ロールの偏摩耗などの不具合を防止できる。
また、本発明のOA機器ロール用共重合体組成物の架橋物は、親水性を付与することも可能であり、その低い水接触角の特性を生かして、連続給水式オフセット印刷機の給水ロールとしても好適に使用できる。
本発明のOA機器ロールの成形方法は、特に限定されないが、例えば、1軸や多軸の押出機を使用して軸体と同時に本発明のOA機器ロール用共重合体組成物を押出成形して、軸体の外側に半導電性ゴム層を形成する方法や射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などを使用して金型で成形する方法などが挙げられる。その中でも、押出成形機を用いて成形を行う方法が好ましい。
本発明のOA機器ロールはプリンターや複写機、FAXのようなOA機器用、グラビア印刷用などの給水ロール、紡績用ロールなどの材料として好適に使用できる。特に、電子写真方式のOA機器部品として使用されるロールに好適である。OA機器部品として使用されるロールとしては、感光体周辺のロールで具体的には、例えば、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、中間転写材として特に好適である。
上記のように成形・架橋されたOA機器ロールは、複写機、タイプライター、プリンターなどに用いられる搬送用ゴムロール、現像用ロール、転写用ロール、定着用ロールなどの事務機器などの用途に供される。また、テープレコーダーなどの音響製品用ロールや、写真の現像に用いられる搬送用ロールなどにも使用される。
以下、製造例、比較例および実施例、また各例において行った試験方法および評価方法について、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔低温柔軟性試験:tanδ−Tg(低温柔軟性)〕
厚さ2mmシートから、幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプルを調製した。
このサンプルを用いて、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製のARESにより、歪み1%、周波数1Hzの条件で粘弾性の温度分散(−70℃から50℃まで4℃/minで昇温)を測定した。tanδ−Tg(℃)はtanδの温度依存性曲線からピーク温度を読み取ることにより導出した。
〔未加硫物性試験1:最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(min)〕
未加硫組成物の物性試験は、JIS K6300に準拠して行った。具体的には、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、配合物の125℃におけるムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイントまたは35ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)およびスコーチ時間(t35、min)とした。
〔未加硫物性試験2:加硫特性評価〕
加硫測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES社製)を用いて、一定の温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値(S'Max)とトルクの最小値(S'Min)との差の90%のトルクに達成するまでの時間を、TC90(min)とした。測定条件は、温度160℃、時間20分とした。このTC90が小さいほど、加硫速度が速いことを示す。
〔硬度試験(Durometer−A)〕
厚さ2mmの加硫ゴムシートの平らな部分を重ねて厚さ12mmのシートとし、JIS K6253に従い、硬度(JIS−A)を測定した。
〔引張試験〕
厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、伸び率が25%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25))、伸び率が50%であるときの引張応力(50%モジュラス(M50))、伸び率が100%であるときの引張応力(100%モジュラス(M100))、伸び率が200%であるときの引張応力(200%モジュラス(M200))、伸び率が300%であるときの引張応力(300%モジュラス(M300))、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
〔耐熱老化性試験〕
厚さ2mmの加硫ゴムシートを、JIS K 6257に従い、125℃で168h保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、引張破断点応力、引張破断点伸びを、前記(硬度試験(Durometer−A))の項目、前記(引張試験)の項目と同様の方法で測定した。
〔低温捻り試験(ゲーマン捻り試験)〕
低温捻り試験は、JIS K6261(1993)に従って、ゲーマン捻り試験機を用いて、厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、T2(℃)、T5(℃)およびT10(℃)を測定した。これらの温度は、加硫ゴムの低温での柔軟性の指標となる。例えばT2が低いほど、低温での柔軟性は良好である。
〔電気特性試験〕
厚さ1mmの加硫ゴムシートについて、ASTM D 257に準拠して、50%RH、10V−60sの条件のもと、測定温度0℃、10℃、23℃下における体積抵抗率を評価した。
[製造例1]
表1に記載した条件でエチレンなどを重合・乾燥して、エチレン・ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体Xを得た。得られた共重合体X、および比較例3で用いたEPTの物性を併せて表1に示す。
Figure 2018141040
[比較例1]
第一段階として、BB−2型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(Nipol1052J、日本ゼオン(株)社製)100質量部を30秒間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#60G、旭カーボン(株)社製)40質量部、酸化亜鉛二種(ハクスイテック(株)製)5質量部、ステアリン酸(日油(株)製)1質量部、サンダントMB(三新化学工業(製))1質量部、IRGANOX1010(BASFジャパン(株)製)1質量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
次に、第二段階として、第一段階で得られた配合物を、8インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、サンセラーM(三新化学工業(製))0.5質量部、サンセラーTT(三新化学工業(製))1質量部、硫黄(純正化学(株)製)1.5質量部を加え10分間混練して未架橋のゴム配合物(共重合体組成物)を得た。このゴム配合物を用いて、未加硫ゴム物性を評価した。
次いで、このゴム配合物をシート状に分出し、100トンプレス成形機を用いて160℃で10分間プレスし、厚み1mmおよび2mmの加硫ゴムシートを調製した。これを用いて、各種加硫ゴム物性の評価を行った。
[比較例2]
第二段階に加える添加剤がサンセラーNS(三新化学工業(製))0.7質量部、硫黄(純正化学(株)製)1.5質量部で、加硫ゴムシートを調整する際の条件が、160℃で30分間であること以外は比較例1と同様に行い、未加硫ゴム物性および加硫ゴム物性の評価を行った。
[比較例3]
第一段階として、BB−2型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体(三井EPT14030、三井化学株式会社製、エチレンから導かれる構造単位含有量:51質量%、ENBから導かれる構造単位含有量:8.1質量%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]:27)100質量部を30秒間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#60G、旭カーボン(株)社製)40質量部、酸化亜鉛二種(ハクスイテック(株)製)5質量部、ステアリン酸(日油(株)製)1質量部、サンダントMB(三新化学工業(製))1質量部、IRGANOX1010(BASFジャパン(株)製)1質量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
次に、第二段階として、第一段階で得られた配合物を、8インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、サンセラーM(三新化学工業(製))0.5質量部、サンセラーTT(三新化学工業(製))1質量部、硫黄(純正化学(株)製)1.5質量部を加え10分間混練して未架橋のゴム配合物(共重合体組成物)を得た。このゴム配合物を用いて、未加硫ゴム物性を評価した。
この混練物をシート状に分出し、100トンプレス成形機を用いて160℃で30分間プレスし、厚み1mmおよび2mmの加硫ゴムシートを調製した。これを用いて、各種加硫ゴム物性の評価を行った。
[実施例1]
比較例3で用いた共重合体に替えて、製造例1で得たエチレン・ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体Xを用いる以外は、比較例3と同様に行い、ゴム配合物および加硫ゴムシートを得た。得られた未加硫ゴム物性および加硫ゴム物性の評価を行った。
結果を表2、表3に示す。
Figure 2018141040
Figure 2018141040
比較例3と、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を用いた比較例(比較例1、2)とを比較すると、tanδ−Tgの値が比較例3で得られたシートの方が低く、ゲーマン捻り試験の結果よりT2、T5、T10、Tgの値が実施例1で得られたシートの方が低いことから、比較例3で得られたシートは低温柔軟性に優れることがわかる。このことから常温から低温(0℃)の領域で体積抵抗率の変化率が小さく、耐寒性に優れることが分かる。
実施例1と、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を用いた比較例(比較例1、2)および比較例3とを比較すると、tanδ−Tgの値が実施例1で得られたシートの方が低く、ゲーマン捻り試験の結果よりT2、T5、T10、Tgの値が実施例1で得られたシートの方が低いことから、実施例2で得られたシートは低温柔軟性に優れることがわかる。このことから常温から低温(0℃)の領域で体積抵抗率の変化率が小さく、耐寒性に優れることが分かる。

Claims (2)

  1. エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含んでなることを特徴とするOA機器ロール用共重合体組成物。
    (1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
    (2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
    (3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
    (4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
    B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
    ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
  2. 請求項1に記載のOA機器ロール用共重合体組成物からなるOA機器ロール。
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