JP4771350B2 - インクジェットプリンター用のインクチューブおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンター用のインクチューブおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、インクジェットプリンター用のインクチューブおよびその製造方法に関し、該インクチューブはインクジェットプリンターのインクヘッドをクリーニングした際に廃インクをヘッド外へ除去するためにインクを通すチューブ、インクタンクからインクヘッドにインクを供給するためのチューブとして用いられるものである。
インクジェットプリンターにおいては、特開平10−29317号公報(特許文献1)に開示されているように、インクヘッドに連結され、内部にインクを通すインクチューブが装備されている。
このインクチューブに主として要求される特性は下記の通りである。
(1)空気透過性が低く、チューブ内のインクが酸化等により劣化させないこと。
(2)水性インクの場合は水蒸気透過性が低く、チューブ内のインクの水分が蒸発して固化させないこと。
(3)柔軟性、可撓性があること。
(4)ゴム弾性に優れ、押さえても戻りがよく、永久歪みが小さいこと。
即ち、インクを排出するとき、チューブをしごきながらインクを吸い出している。このしごき条件は1秒間に2〜6回程度と苛酷で、かつ、プリンター使用前後やインクが詰まった後等に頻繁にしごかれる。よって、しごかれても戻りが良くしてインクの通りをスムーズにする必要がある。
(5)インクのチューブ内面への貼り付き性が低いこと。
上記(5)の貼り付き性が低いことは重要な要件となる。
即ち、インクがチューブ内に残ったままでポンプロータがチューブを押さえ、この状態で放置されると、インクチューブの内面にインクが貼りつき、ポンプロータの解放後もインクがチューブ内面に貼り付いたままとなる。このようにインクの貼り付きが生じると、チューブに詰まりが発生し、適性量のインクが排出しなくなる問題がある。
上記した問題より、従来、この種のインクチューブは通常のゴムよりも貼り付き性が低いシリコーンゴムチューブが用いられている。該シリコーンゴムチューブは前記(3)の柔軟性を有すると共に(4)のゴム弾性に優れている利点を有する。
特開平10−29317号公報
しかしながら、インクチューブには、前記(1)の空気透過性が低いこと、および(2)の水蒸気透過性が低いことも要求されている。
上記したシリコーンゴムチューブでは、水蒸気透過性や空気透過性を小さくしながら、チューブとしての柔軟性を維持することは困難であり、全てのインクチューブをシリコーンゴム製にはできない。よって、しごきポンプの部分だけをシリコーンチューブとし、供給チューブやヘッド近傍の部分はEPDM等のゴムチューブとしている場合が多い。
しかしながら、ゴムチューブは押し出しながらの連続加硫して製造しているのが一般的であるが、シリコーンゴムチューブとEPDM等からなるゴムチューブとを連続させる場合、加硫に要する時間が長くなり、単位時間当たりの生産量(ライン速度)が低下し、その分、コスト高になる問題がある。
さらに、シリコーンゴムチューブとEPDM等からなるゴムチューブとを連続させる場合には、押出成形時に梨地面を形成しにくい問題がある。
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、前記した(1)〜(5)の特性を備えたインクジェットプリンター用インクチューブを簡単かつ安価に提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明はポリプロピレン、EPDMゴム、樹脂架橋剤およびプロセスオイルからなる可塑剤を含み、
上記ポリプロピレン100重量部に対する上記EPDMゴムの割合を100〜200重量部にすると共に上記可塑剤の割合を100〜200重量部とし、上記EPDMゴムに対する上記樹脂架橋剤の割合を1〜20重量部とし、
上記ポリプロピレン中にEPDMゴムを前記樹脂架橋剤で動的架橋して微分散させた熱可塑性エラストマー組成物よりチューブとして成形され、上記ポリプロピレンと上記EPDMゴムとからなる複数の成分により発生する海島構造で上記チューブ内面が粗面化されており、チューブの硬度がシアA硬度で30以上70以下、チューブ内面の表面粗さRzが10以上20以下であることを特徴とするインクジェットプリンター用のインクチューブを提供している。
上記のように、ポリプロピレンからなるオレフィン系熱可塑性樹脂中にEPDMからなるゴム成分を微分散させて、海島構造を発生させることにより、チューブ内面を梨地面状の粗面とすることができる。このようにチューブ内面を梨地面として微小な凹凸を設けると、チューブ内にインクが残った状態でポンプロータで押し付けられても、チューブ表面からインクが逃げやすくなり、チューブ内面のインク貼り付き性を低くすることができる。
なお、上記動的架橋で二成分以上の海島構造による梨地粗面に形成するためには、押出成形加工に用いるマンドレルの表面に低摩擦面を付与するテフロン(R)コート等の特殊な加工をしない方が好ましい。
また、ポリプロピレンからなるオレフィン系熱可塑性樹脂中にEPDMゴムからなるゴム成分を動的架橋により微分散させた熱可塑性エラストマー組成物よりチューブを連続押出成形すると、ゴム単独材料の場合よりも高速で連続押出が可能となり、生産効率が向上し、生産コストも低減することが可能となる。
さらに、EPDMは水蒸気や空気の透過性が非常に小さいため、水蒸気や空気のチューブ内への透過が極力抑えられ、かつ、柔軟性、ゴム弾性に優れた前記したインクチューブに要求される(1)〜(5)の特性を全て満たすことができる。
上記インクチューブは、必要に応じて外周側に1層以上の他の層を設けて複層構造としても良いが、チューブの肉厚は0.5mm〜2.0mmが好ましい。さらに、外周面に表面処理等が施されても良い。
上記、チューブ内を流通させるインクとしては、インクジェットプリンターに従来用いられる種々のインクを用いることができる。
上記のように、熱可塑性エラストマー組成物からなるチューブの硬度はショアA硬度で30以上70以下としている。
ショアA硬度が30より小さいと、チューブが柔らかくなりすぎ、チューブをしごいた後の元に戻る力が小さくなり、インクの吸い取り力が弱くなる。一方、70より大きいと、しごいた後の元に戻る力は大きいが、しごくために必要な力も大きくなるので、能力の大きなモーターを搭載しなければならず、大型ポンプが必要となり、全体のコストアップ、重量アップ、容積アップとなるからである。チューブの硬度はショアA硬度で、より好ましくは40以上60以下である。
上記のように、チューブ内面の表面粗さRzは10以上20以下である。より好ましくは、15以上20以下である。
上記表面粗さRzを10以上20以下としているのは、10より小さいとインクの貼り付き性が高くなるためであり、20より大きいと、押出成形加工時に目ヤニを発生させやすくなり、目ヤニはチューブ詰まりの原因になるので粗すぎても製品規格にあわなくなるからである。なお、表面粗さRzはマイクロメートル(μm)で表したものを指すため、表面粗さRzの単位を省略している。
上記のように、オレフィン系熱可塑性樹脂としてPP(ポリプロピレン)を用いる。
上記ポリプロピレンに対するEPDMゴムを含むゴム成分の割合は100〜200重量部、上記ポリプロピレンに対するプロセスオイルからなる可塑剤の割合を100〜200重量部、上記EPDMゴム成分に対する樹脂架橋剤の割合を1〜20重量部としている。
上記ポリプロピレンに対するEPDMゴムの割合は100〜200重量部としているのは、ゴム成分を効率良く均一に微分散することができるからである。ゴム成分が上記範囲より多いと、良好な成形性が得にくくなり、ゴム成分が上記範囲より少ないと柔軟性を得にくくなるためである。
上記ポリプロピレンに対するプロセスオイルの割合を100〜200重量部としているのは、プロセスオイルが上記範囲より多いとブードの発生や押出成形時にヘタリが発生しやすいためであり、上記範囲より少ないと硬くなり、かつ、押出成形での表面Rが大きくなるためである。
上記ゴム成分に対する樹脂架橋剤の割合を1〜20重量部とするのは、樹脂架橋剤が上記範囲より多いと過剰反応し、上記組成物を製造できなくなるためであり、上記範囲より少ないとゴム成分を加硫架橋できなくなるので、圧縮永久歪みが大きくなることによる。
上記のように、オレフィン系熱可塑性樹脂としてPP(ポリプロピレン)を用いる。エチレンブロックを有することによりゴムを分散させやすいためである。また、流動性と相容性が良いという理由によりポリプロピレンを用いている。
熱可塑性エラストマー組成物は、測定温度70℃、測定時間72時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久ひずみの値が50%以下、より好ましくは40%以下であるのが良い。これは、上記値より大きいと、寸法変化が大きくなりすぎ、インクチューブの変形時の戻りが悪くなりやすいためである。また、継ぎ手と連結したチューブの継ぎ手から外れやすくなるためである。
動的架橋するための架橋剤としては、ブルームを起し難く、圧縮永久ひずみも小さくなるという理由から、樹脂架橋とする。樹脂架橋剤は上記ゴム成分100重量部に対して120重量部以下の割合で含有している。さらには5重量部以上15重量部以下が良い。
樹脂架橋剤としては、フェノール樹脂、メラニン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキメチル・メラニン樹脂等が挙げられ、特にフェノール樹脂が好適である。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。
また、本発明における動的架橋は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。動的架橋時にハロゲンを存在させるには、ハロゲン化された樹脂架橋剤を用いるか、エラストマー組成物中にハロゲン供与性物質を配合してもよい。中でもハロゲン化フェノール樹脂、特にはハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。
架橋反応を適切に行うために架橋助剤(活性剤)を用いてもよい。架橋助剤としては金属酸化物が使用され、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
さらに、上記熱可塑性エラストマー組成物には、強度の向上等の必要に応じて各種充填剤や老化防止剤を配合することもできる。
本発明は、上記インクジェットプリンター用のインクチューブ製造方法を提供している。この製造方法は、ポリプロピレンからなるオレフィン系熱可塑性樹脂、EPDMゴムからなるゴム成分、動的架橋用の樹脂架橋剤、粘度調整用のプロセスオイルからなる可塑剤を混練して熱可塑性エラストマー組成物を作成し、該熱可塑性エラストマー組成物を押出成形機のマンドレルと金型内面との間に充填してチューブとして押出成形し、成形されるチューブ内面に粗面を形成している。
このように、熱可塑性エラストマー組成物を樹脂押出法によりチューブ状に押し出して成形すると、押出速度を高めて生産性を高めることができ、かつ、チューブ押し出し後の加硫工程もなくなり、生産性をより向上することができる。
通常、EPDMゴムの押出速度は0.2m/min以下であるが、エラストマーの押出速度は2m/min以上とするのが好まく、本発明のEPDMを含む熱可塑性エラストマー組成物では、2m/min〜10m/minとしている。10m/minより早くすると冷却が不十分となり変形の恐れがあり、2m/minより遅くすると、生産性を低下するためである。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、熱可塑性エラストマー組成物を使用したことで、成形されるインクチューブの表面を海島構造として梨地状に粗面化でき、インクチューブ内面へのインクの貼り付き性を低下させることができる。
また、チューブの成形材料を熱可塑性エラストマー組成物としているため、連続押出成形により成形可能で、かつ、押出速度をきわめて速くでき、さらに、チューブの押し出し後の加硫工程もなくなり、生産性を向上することができる。よって、コストの低減が図れる。
また、水蒸気や空気の透過性が非常に小さいため、インクの水分が蒸発して固化することや空気中の酸素等によるインクの劣化を抑制することができ、チューブの耐久性を向上することができる。また、硬度も低くしており、優れた柔軟性・可撓性を有しているため、チューブ等が変形等しても良好なインク流れを保持することができ、インクジェット記録装置内での配置形態等の制限も少なく、汎用性も高いものとすることができる。かつ、これらの性能を一層構造により実現可能であるため、生産効率にも優れている。
したがって、インクジェットプリンターにおいてインクヘッド等に連結されてインクを輸送するためのインクチューブとして好適であり、インクヘッドをクリーニングした際に廃インクをヘッド外へ除去したり、インクタンクからインクヘッドにインクを供給用のインクチューブとして好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のインクジェットプリンター用のインクチューブ10を示す。インクチューブ10の中空部はインク流路とし、インクチューブ10の内周面10aとインクとが接触し、インクチューブ10の外周面10bと外気が接触した状態で使用されるものである。
インクチューブ10は、オレフィン系熱可塑性樹脂であるポリプロピレン中に、EPDMゴムからなるゴム成分を動的架橋により微分散させた熱可塑性エラストマー組成物を連続押出成形でチューブを形成している。
上記インクチューブの内周面10aは、図2に示すような連続相10a−1と非連続相10a−2からなる海島構造で粗面化されている。
具体的には、EPDMゴム100重量部、可塑剤100重量部、架橋助剤としてゴム成分に対して酸化亜鉛を3.5重量部、樹脂架橋剤12重量部が配合されている。これらの配合材料を混合した後、所要温度で所要時間加熱しながら混練りして動的架橋を行い熱可塑性エラストマー組成物を作製しペレット状としている。
このペレット化された熱可塑性エラストマー組成物を樹脂押し出し法により単軸押出機からチューブ状に押し出して成形している。押出温度は190℃〜230℃、押出速度は2m/min〜10m/minとしている。
インクチューブ10の硬度はショアA硬度で30以上70以下で、本実施形態では40としている。また、内周面10aの表面粗さRzは10以上20以下で、本実施形態では15.7としている。
上記したインクチューブ10は、水蒸気や空気の透過性が低い性質を有するEPDMゴムを動的架橋手法によりオレフィン系熱可塑性樹脂中に分散させた熱可塑性エラストマー組成物を用いて連続押出で成形され、その内周面が海島構造となり梨地状に粗面化し、インクの貼り付き性を低くしている。よって、インクジェットプリンターに、インクヘッドをクリーニングした際に廃インクをヘッド外へ除去したり、インクタンクからインクヘッドにインクを供給したりするために用いられるインクチューブとして用いた場合に、インクがインクチューブの内周面に貼り付きにくくすることができる。
また、インクチューブとして必要な水蒸気や空気の透過させないと共に、柔軟性や可撓性を有し、かつ、所要の弾性も有し、インクチューブとして要求される特性を全て備えたものとなる。
また、製造時には、チューブ押出後の加硫工程もなくなり、インクチューブの生産性を向上させることできる。
通常、EPDMゴム押し出しでは、押し出し速度は、0.2m/min程度であり、かつ、加硫工程があるので押し出し後バッチ処理になり、生産性の向上が困難である。これに対して、本発明ではな熱可塑性エラストマーを用いた樹脂押し出しでは2m/min以上の速度で押し出すことができ、生産速度を高めることができる。即ち、熱可塑性エラストマーを用いた樹脂押し出しでは、加硫工程の必要がないため、押し出し速度が製造速度になる。
以下、本発明のインクジェットプリンター用インクチューブの実施例、比較例について詳述する。
下記表1に示すように、各実施例、比較例について、表1に記載の配合と樹脂架橋剤を用いて動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物を用いてインクチューブを製造した。
Figure 0004771350
具体的に、インクチューブは以下のようにして製造した。
全ての配合材料をタンブラーにて混合した後、2軸押出機(アイベック製HTM38)にて200℃に加熱しながら、200rpmにて混練りして動的架橋を行い熱可塑性エラストマー組成物を作製しペレット化した。
このペレットをφ50単軸押出機(笠松加工研究所)にて190℃〜230℃、20rpmにて押出成形し、外径φ5mm、内径φ2.6mmの円管状チューブ成型体を得た。これを長さ300mmに定寸カットしてインクチューブを得た。
配合材料の詳細を以下に示す。
EPDMゴム(住友化学社製、エスプレン670F) (ゴム:オイル)=(1:1) (油展ゴム(ゴムと同量のオイルを含有))
オレフィン系樹脂:ポリプロピレン(日本ポリケミカル社製、BC6)
樹脂架橋剤(田岡化学社製、タッキロール250−III)
架橋助剤:酸化亜鉛2種(三井金属鉱山社製)
可塑剤(出光興産社製、ダイアナプロセスオイルPW−380)
(実施例1〜3)
ポリプロピレン中にEPDMゴムを動的架橋で微分散させた熱可塑性エラストマー組成物よりチューブとして成形され、チューブ内面を粗面化した。
(比較例1〜4)
比較例1は、実施例1と同じオレフィン系熱可塑性樹脂PP50重量部に対して、可塑剤を200重量部として増やして低硬度化した。
比較例2は、EPDMゴム100重量部に対して、可塑剤は実施例2と同じ100重量部とし、オレフィン系熱可塑性樹脂PPを150重量部と増やし、高硬度化した。
比較例3は、実施例3と成分配合は同じとしたが、押出速度を遅くして押出型のコーテイングを施しRzを小さくした。
比較例4は、実施例3と成分配合は同じとしたが、押出速度を上げると共に押出型を粗面にし、Rzを大きくした。
上記実施例及び比較例のインクチューブについて、後述する方法により、各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0004771350
(硬度)
23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、500gの荷重をかけ、ショアA硬度計にて硬度測定を行った。
(貼り付き性)
ポンプにチューブを装着してインクジェット用黒インクを5秒間送液し、ローターがチューブを押さえ込んだ位置でストップさせた。その後、60℃オーブン中に7日間放置し、貼り付きが発生しているかどうかを確認する。貼り付きがなかった場合は○とし、貼り付きがあった場合には×とした。
(表面粗さRz)
押し出し成形時の押出速度、押出温度を変更することで、チューブの内周面の凹凸状態を異ならせて表面粗さRzを測定した。
(吸引量比)
送液ポンプを使用して、250回転で「10秒間稼動して10秒間休み」を3回繰り返し行い、シリコンチューブの吸引量[ml]を基準として90%以上をOKとした。
表2に示すように、実施例1〜3はポリプロピレン中にEPDMゴムからなるゴム成分を動的架橋により微分散させた熱可塑性エラストマー組成物よりチューブとして成形され、ポリプロピレンEPDMゴムとからなる複数の成分により発生する海島構造でチューブ内面粗面化されているため、硬度および貼り付きもなく良好であった。また、内面の表面粗さも優れており、吸引量比も良好であった。以上のように、実施例1〜3はインクジェットプリンター用インクチューブとしての性能に優れることが確認できた。
一方、比較例1はショアA硬度が低過ぎるとともに吸引量比に劣っていた。比較例2はショアA硬度が高かったためモーターが止まってしまい、インクチューブとして不適であった。比較例3は表面粗さが小さいため貼り付きが発生してしまった。比較例4は表面粗さが20を超えたため内面に目ヤニが発生してしまい、製品の外観として不適であった。
本発明のインクジェットプリンターのインクチューブの概略図である。 インクチューブの内面を示す模式図である。
符号の説明
10 インクチューブ
10a 内周面
10b 外周面
10a−1 連続相
10a−2 非連続相

Claims (2)

  1. ポリプロピレン、EPDMゴム、樹脂架橋剤およびプロセスオイルからなる可塑剤を含み、
    上記ポリプロピレン100重量部に対する上記EPDMゴムの割合を100〜200重量部にすると共に上記可塑剤の割合を100〜200重量部とし、上記EPDMゴムに対する上記樹脂架橋剤の割合を1〜20重量部とし、
    上記ポリプロピレン中にEPDMゴムを前記樹脂架橋剤で動的架橋して微分散させた熱可塑性エラストマー組成物よりチューブとして成形され、上記ポリプロピレンと上記EPDMゴムとからなる複数の成分により発生する海島構造で上記チューブ内面が粗面化されており、チューブの硬度がシアA硬度で30以上70以下、チューブ内面の表面粗さRzが10以上20以下であることを特徴とするインクジェットプリンター用のインクチューブ。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンター用のインクチューブの製造方法であって、 ポリプロピレン、EPDMゴム、動的架橋用の樹脂架橋剤、粘度調整用の前記可塑剤を混練して熱可塑性エラストマー組成物を作成し、該熱可塑性エラストマー組成物を押出成形機のマンドレルと金型内面との間に充填してチューブとして押出成形し、成形されるチューブ内面に粗面を形成していることを特徴とするインクジェットプリンター用のインクチューブ製造方法。
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