JP2005067189A - ゴムと樹脂部材との加硫接着体及びその製造方法 - Google Patents

ゴムと樹脂部材との加硫接着体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムと樹脂部材との間を、接着剤を用いないで直接接着した加硫接着体を得る。
【解決手段】加硫接着体5を提供する。加硫接着体5は、ゴム6と樹脂部材7とからなり、ゴム6と樹脂部材7との間に相互作用による結合が形成されている。ゴム6はレゾルシン及びメチレンドナーとなる化合物を含有するゴム組成物よりなることができ、前記メチレンドナーとなる化合物はアミン化合物及びホルムアルデヒド化合物(パラホルムアルデヒド、トリオキサン等)の少なくとも一方でよい。加硫接着体5は、前記ゴム組成物と樹脂とを接触させた状態で加硫することによって製造することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ゴムと樹脂部材との加硫接着体及びその製造方法に関する。
ゴム製品の中には、ゴムと樹脂部材との複合体が多く存在する。例えば、自動車用クーラーホースでは、冷媒の透過によるロスを低減させるために、ナイロン等のバリア層をホースの最内層に張り合わせた複合構造が採用されている。
繊維とゴムとの接着技術では、繊維を接着剤やRF配合(レゾルシンとフォルマリン)によって予め処理することに対して、公知文献と特許とが多数存在するが(例えば、特許文献1及び2参照)、樹脂部材を、接着剤等で処理等することなく、所定のゴム組成物と加硫することによってゴムと直接接着することに関する公知文献は、本出願人の知る限りにおいて存在しない。
特開平5−186926号公報 特開平5−279934号公報
樹脂部材とゴムとの加硫接着方法としては、一般的に、接着剤を用いる。しかし、本発明者の研究によれば、接着剤適用による加硫間接接着方法には、以下のような問題点が見出された。
(1)接着剤が有機溶媒を含んでいるので、環境上/工程上の制約を受ける。
(2)接着剤自体、更に接着剤の塗布工程が必要であり、コストアップとなる。
(3)接着剤塗布状態の制御が必要で、時として塗りむら等から接着不良を発生させる虞がある。
(4)安定した接着を得るためには、樹脂部材の表面にコロナ処理を施す等の表面処理が必要となる。
(5)また、接着剤を樹脂部材の表面に塗布し乾燥させた後に、未加硫ゴムを貼り合わせて加硫すると接着するが、ゴムの表面に接着剤を塗布して、その上に樹脂部材を貼り合わせて加流しても接着できない。つまり、樹脂を押し出した後、ゴムを被覆はできるが、ゴムを押し出した後、樹脂部材を被覆して接着はできない。実際、自動車用クーラーホースは、最内層に樹脂、その上にゴム、その上に補強繊維、その上に外被ゴムという構造からなる。
なお、かかるゴムホースは接着剤を用いた間接接着法によるホース構造(「ベニア構造」と称されることがある。)になる。つまり、かかるゴムホースは、マンドル上に樹脂を被覆し、樹脂表面を処理し、接着剤を塗布及び乾燥させ、中間ゴムを押出し、補強層を編上げ、外被ゴムを押出し、これらを加硫することによって製造される。
本発明の課題は、以上の従来技術の問題点を克服することであり、ゴムと樹脂部材との間を、接着剤を適用しないで接着する、新規な加硫接着技術(加硫直接接着技術)を開発することである。
本発明は、ゴムと樹脂部材とからなる加硫接着体であって、前記ゴムと前記樹脂部材との間に相互作用による結合が形成されていることを特徴とする加硫接着体に係るものである。
また、本発明は、ゴムと樹脂部材とからなり、前記ゴムと前記樹脂部材との間に相互作用による結合が形成されている加硫接着体を製造するにあたり、前記相互作用による結合を形成し得るゴム組成物を準備する工程、前記相互作用による結合を形成し得る官能基を有する樹脂部材を準備する工程及び前記ゴム組成物と前記樹脂部材とを接触させた状態で加硫して前記ゴムと前記樹脂部材との間に前記相互作用による結合を形成する工程を含むことを特徴とする加硫接着体の製造方法に係るものである。
本発明は、所定の相互作用による結合が形成されるように、ゴム組成物を所定の樹脂部材と接触させた状態で加硫することで、安定した接着性を示すゴムと樹脂部材との加硫接着体が得られるという知見に基づくものである。
また、本発明は、前記樹脂部材が溶融状態の樹脂をゴム組成物上に被着させて形成される場合、樹脂の温度又は樹脂の被着後の経過時間を制御することによって極めて安定なゴムと樹脂部材との接着が得られるという知見に基づくものである。
本発明者は、ゴムと樹脂部材との間の新しい加硫直接接着技術を開発するために、種々の接着手段を検討した。
その結果、本発明者は、配合ゴムをバンバリーミキサー等で混合/作製する際に、レゾルシン及びへキサメチレンテトラミンを同時に練り込むことによって、当該ゴム組成物と樹脂部材とを貼り合わせて加硫すれば、接着剤を用いることなしに、ゴムと樹脂部材との間に十分な接着が得られることを見出し、本発明に到達した。
レゾルシンとヘキサメチレンテトラミン等のメチレンドナーとなる化合物とを配合すると接着性が向上する理由としては、十分に解明したものではないが、図1及び2に示すような反応及び接着メカニズムによって説明することができる。図1はレゾルシン(R)及びヘキサメチレンテトラミン(H)のRH重合体の形成反応を示す模式図である。図2は本発明の加硫接着体の接着機構を示す模式図である。
図1に示すように、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物がメチレンドナーとして働き、レゾルシンのRH重合体を形成させる。なお、図1中、nは、2、3等の整数である。そして、このRH重合体が、図2に示すように、ゴムと樹脂部材との間に相互作用による結合を形成する。
本発明では、ゴムと樹脂部材との加硫接着体は、所定のゴム組成物と所定の樹脂部材との加硫によって、接着剤を用いることのない直接接着で得ることができるので、接着剤によるコスト上昇や環境に対する負荷の問題がなくなると共に、かかる加硫接着体は、ゴムと樹脂部材との間に形成される相互作用による結合によって安定した接着性を発揮することができる。
また、本発明では、ゴムと樹脂部材との接着において、接着剤を用いることのない直接接着が可能になるので、例えば、押し出したゴム表面に樹脂を押し出して加硫接着させるか、又は押し出した樹脂表面にゴムを押出して加硫接着することが可能になる。
本発明者は、ゴムホースのような、ゴム層とその上の樹脂層とその上のゴム層とからなる構造(「バリア構造」と称することがある。)を有する加硫接着体においては、樹脂層が高温の溶融状態の樹脂とゴム層との被着によって形成される場合、樹脂層がゴム層と十分に接着しない可能性があることを知見した。押出した内管ゴム上に溶融した樹脂を押出すと、樹脂の持つ熱量により架橋反応やRH重合体の形成反応が同時性を欠如した状態で進行し、接着不良を起こすことがあるのである。
かかる知見の下、本発明者は、樹脂部材を溶融状態の樹脂から形成してもゴムと樹脂部材との十分な接着が得られる手段について検討した。その結果、本発明者は、樹脂の押出し温度や樹脂の被着から加硫前までの経過時間が接着に与える影響を明らかにすることによって、樹脂の温度や樹脂被着後の経過時間が制御可能となり、各種の製造工程に左右されないで、極めて安定なゴムと樹脂部材との接着が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、ゴムと樹脂部材との加硫接着体は、所定のゴム組成物と所定の樹脂部材との加硫によって得られ、ゴムと樹脂部材との間に相互作用による結合が形成されるので、安定した接着性を発揮することができる。
本発明の実施をする形態について説明する。
(1)ゴム
樹脂部材と接着剤を介さずに相互作用による結合によって接着しているゴムである。レゾルシン及びメチレンドナーとなる化合物を含有するゴム組成物よりなることができる。レゾルシンとメチレンドナーとなるアミン化合物及びホルムアルデヒド化合物の少なくとも一方とを含有するゴム組成物を加硫させたものよりなることができる。かかるゴムは、特に定められる場合のほか、特に制限されることなく、種々の材質からなることができ、種々の形状、種々の構造等を有する部材であることができる。
(2)ゴム組成物
ゴム組成物は、所定の樹脂部材と接触させた状態で加硫され、上述のゴムとなることができ、かかるゴムは前記樹脂部材との間に相互作用による結合を形成することができる。
かかるゴム組成物は、ゴム成分として、特に制限されることなく、種々の汎用のポリマーを配合することができる。
例えば、ゴム成分としては、ニトリルブタジエンゴム(以下、「NBR」と称する。)、水素化ニトリルブタジエンゴム(以下、「HNBR」と称する。)、塩素化ブチルゴム(以下、「Cl−IIR」と称する。)や臭素化ブチルゴム(以下、「Br−IIR」と称する。)等のハロゲン化ブチルゴム、レギュラーブチルゴム(以下、単に「IIR」と称する。)等からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーを用いることができる。
レゾルシンは、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部含有させることができる。1質量部未満では、接着力の低下が懸念される。10質量部を超えると、接着不良となる可能性がある。
アミン化合物は、メチレンドナーとなるものであり、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン等からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物を用いることができる。
好ましくは、アミン化合物はヘキサメチレンテトラミン(以下、「HMTA」と称することがある。)である。環境に対する不可が少なく、作業性の向上を図る上で好ましい。
アミン化合物は、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは、1〜5質量部含有させることができる。1質量部未満では、接着力の低下が懸念される。10質量部を超えると、接着不良となる可能性がある。
ホルムアルデヒド化合物は、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等からなる群より選ぶことができる。ホルムアルデヒド化合物は、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは、1〜5質量部含有させることができる。1質量部未満では、接着力の低下が懸念される。10質量部を超えると、接着不良となる可能性がある。
好ましくは、ゴム組成物はシリカ及びシランカップリング剤の少なくとも一方を含有する。レゾルシンとヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物だけでもゴムと樹脂部材とが十分接着する場合はあるが、安定した接着レベル、更に接着可能な被着体の樹脂種類の幅が広がる。
シリカは、粒径、pH等、種類を問わず、ゴム成分100質量部に対し、1〜30質量部配合することができる。
シランカップリング剤は、ゴムと相互作用のあるものであれば、種類は問わない。好ましくは、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜10質量部配合する。
好ましくは、ゴム組成物は、アミン系老化防止剤の少なくとも1種を含有することができる。かかるアミン系老化防止剤としては、具体的には、一般名:マイクロワックス〔商品名:SUNNOC−W(大内新興化学工業社製)〕や、一般名:老防6C〔商品名:NOCRAC−6C(大内新興化学工業社製)〕等が挙げられる。かかるアミン系老化防止剤は、ゴムの耐候性や、作業性(ロール等への接着)を改善することができる。
カーボンブラック(以下、単に「C/B」と称することがある。)を配合することができる。種類は問わない。好ましくは、ゴム成分100質量部に対し、10〜100質量部の範囲(物性等の調整目的で自由に選択可能)である。
オイルやマイクロワックス等を配合することができる。オイル等は、使用するポリマーに適合するものであれば、種類は問わない。例えば、ゴム成分100質量部に対し、0〜50質量部の配合数である。
酸化亜鉛等の充填剤を配合することができる。種類は問わない。ゴム成分100質量部に対し、1〜30質量部配合することができる。
ゴム組成物は、レゾルシンとメチレンドナーとなる化合物との重合体(以下、単に「RD重合体」と称する。)、例えばレゾルシンとアミン化合物との重合体(以下、単に「RA重合体」又は「RA樹脂」と称する。)又はこれと類似の性能を発揮する樹脂(例えば、RF樹脂:レゾルシンとホルマリンとから形成される樹脂)を形成するような配合であればよい。ただし、RD重合体は、次の反応式I:
Figure 2005067189
(式中、Dはヘキサメチレンテトラミンやヘキサメチレンジアミン等のようなメチレンドナーとなる化合物を示し、nは括弧内の構成単位の繰り返し数を示す。)

によって形成されるが、一方、RF樹脂は、次の反応式II:
Figure 2005067189
(式中、mは括弧内の構成単位の繰り返し数を示す。)

によって形成され、RF樹脂では、反応式IIで示すような生成物の−OH基の部分が−CHOH基になるものがあり、この−CHOH基が−C=C−ポリマーの二重結合を攻撃することになるので、このような重合体とならないような配合がよい。
ゴム組成物は、使用目的や、製造ラインの構造等により、RD重合体の形成反応の反応速度やRD重合体の構造に変化を与える必要がある場合は、酸又は塩基等の触媒を用いることもできる。
ゴム組成物は、RA重合体の形成反応の進行を抑制する場合、レゾルシンとメチレンドナーとなるアミン化合物とを別々に練り、後に混ぜることによって調製する。この際、レゾルシンは反応性の少ない配合剤と練ることができ(「ノンプロ」と称することがある。)、従ってレゾルシンは150〜160℃等の温度まで上げて練っても問題は少ない。メチレンドナーとなるアミン化合物は反応性の高い配合剤と練ることができ(「プロ」と称することがある。)、従ってアミン化合物は110℃以下等の低い温度で熱をかけないで練るのが好ましい。
(3)樹脂部材
被着体の樹脂部材は、ゴムとの間に相互作用による結合が形成されるものであればよい。上述の加硫後のゴムと水素結合を形成し得る官能基又はゴムと脱水素反応が可能となる官能基をその表面に有することができる。かかる官能基としては、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH)、カルボキシル基(−COOH)等からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を挙げることができる。
かかる樹脂部材は、上述の官能基を有するようにされていれば、特に制限されることなく、種々の材質、形状等からなることができる。
例えば、樹脂部材は、ナイロン6等のナイロン、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH」と称する。)等の種々の材質からなることができ、繊維、管、シート、フィルム、層状物等、種々の形状を有することができる。
(4)加硫
ゴム組成物及び樹脂部材は、接触した状態で加硫され、それによって接着することができる。加硫条件は、特に制限されることなく、ゴム組成物との関係で、種々の温度、時間等に設定することができる。
図3はゴムと樹脂部材との相互作用による結合に必要な最低温度と時間との関係を示すグラフである。図3に示すように、ゴムと樹脂部材との接触面には、良好な接着が完了するまでに必要な最低温度(T)と時間(t)との関係がある。ゴムと樹脂部材との加硫接着においては、このような実験結果に基づいて加硫条件を設定することができる。
好ましくは、ゴム組成物と樹脂部材との良好な接着のために、加硫の温度及び時間をレゾルシンとメチレンドナーとなる化合物との重合体(RD重合体、例えばRA重合体やRH重合体)の形成反応及びゴムの架橋反応が同時に進行するように設定する。RD重合体の形成反応とゴムの架橋反応とを同時に進行させるには、RD重合体の形成反応の始まりと架橋反応の進行とを制御するのがよい。例えば、RD重合体の形成反応を始めると同時にゴムの架橋反応を始めるか、又は少なくともRD重合体の形成反応の完了前にゴムの架橋反応を始める。
図4はRA重合体の形成反応とゴムの架橋反応との関係を示すグラフである。図4に示すように、RA重合体の形成反応(A)はtの時間で一度熱が加われば室温でも進行するが、ゴムの架橋反応(B)はtの時間以降に常に熱が必要であり、熱が加わらないと架橋反応は止まることになる。したがって、RA重合体の形成反応(A)とゴムの架橋反応(B)とを同時に進行させるには、図4に示すように、RA重合体の形成反応(A)の開始後、一定の時間内にゴムの架橋反応(B)を開始させ、RA重合体の形成反応(A)とゴムの架橋反応(B)との関係を幅Cのような一定の範囲内にする。
加硫では、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等、公知の加硫系を用いることができる。例えば、硫黄、パーオキサイド、亜鉛華等からなる群より選ばれる少なくとも1種の加硫系を用いることができる。
硫黄は種類を問わない。好ましくは、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜10質量部用いる。
パーオキサイド(以下、単に「P.O.」と称することがある。)は種類を問わない。好ましくは、ゴム成分100質量部に対し、2.5〜20質量部用いる。通常、用いるP.O.は40%濃度に希釈されているので、P.O.単独の量は1〜8質量部となる。P.O.配合に関しては、共架橋剤、架橋助剤等の使用に問題はない。物性やその他特性確保に必要があれば、必要部数適用しても接着性は良好になる。例えば、共架橋剤又は架橋助剤は、ゴム成分100質量部に対し、0〜10質量部用いることができる。
種々の促進剤を添加することができる。種類は問わない。物性やその他特性の確保に必要であれば、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部用いることができる。
ゴム組成物及び樹脂部材は、加硫と同時に成形することや、成形と同時に加硫することもできる。例えば、自動車用クーラーホースでは、最内層ゴム/樹脂/ゴム/繊維/外被ゴムという構造を採用することが可能である。最内層が樹脂であると、ニップルと加締める際に充分なシール性を確保するためには、接着剤の適用に大きく依存するが、最内層をゴムとすることで、必要な接着剤量が抑制でき、シール性の確保とコストの低下とを両立させることができる。
(4−1)樹脂部材の形成と加硫
樹脂部材は、溶融状態の樹脂をゴム組成物上に被着させることによって形成することができる。その後、ゴム組成物と樹脂部材とをそのまま加硫することによってゴムと樹脂との加硫接着体を得ることができる。
溶融状態の樹脂は、特に制限されず、ゴムと樹脂部材との間に相互作用による結合が形成されるものであればよく、前述の樹脂部材に用いられるようなものでよい。溶融状態は樹脂の融点付近の温度で得られ、樹脂の分解又は変質温度未満の温度でもよい。ゴム組成物も、前述のようなRD重合体、RA重合体若しくはRA樹脂又はこれと類似の性能を発揮する樹脂を形成するような配合であればよい。溶融状態の樹脂の厚さは、特に制限されることなく、例えば10μm〜1mm等の任意の厚さに設定することができる。
好ましくは、ゴム組成物の種類や材質等と溶融状態の樹脂の種類や材質等との関係から、溶融状態の樹脂の温度及び被着後から加硫前までの経過時間を制御する。このように樹脂の温度及び被着時間を制御することにより、ゴム組成物上に溶融した樹脂を被着させても、その後のゴムの架橋反応をRD重合体の形成反応と同時に進行させることができ、ゴムと樹脂部材との良好な接着が得られる。
図5は溶融状態の樹脂及びゴム組成物の温度変化と時間との関係を示すグラフである。図5では、溶融状態の樹脂(Tの温度)を用いて、ゴム組成物を被覆し、tの時間が経過した後に、加硫を始める様子を示す。図5に示すように、樹脂はtの時間を経過した後には室温(R.T.)になることがあり、ゴムの架橋反応は室温では進行しない。なお、RD重合体の形成反応は室温でも徐々に進行するが、短時間ではほとんど進行しない。したがって、tの時間の経過後に加硫(Tの温度)を始める場合、RD重合体の形成反応とゴムの架橋反応との同時進行の原則が崩れない限り、ゴムと樹脂との良好な接着が得られる。
図6は溶融状態の樹脂とゴム組成物との1例の加硫工程を示す断面図であり、(a)はゴム組成物の断面図であり、(b)はゴム組成物上に溶融状態の樹脂を被着させる様子を示す断面図であり、(c)は樹脂を被覆した状態のゴム組成物の断面図であり、(d)は樹脂上に更にゴム組成物を被覆した状態の被加硫物の断面図である。図6(a)〜(d)に示すように、各種の未加硫ゴムから形成される1層目のゴム組成物1上に溶融状態の樹脂2を被着させて、ゴム組成物1を樹脂2によって被覆する。その後、例えば5分経過後、更に各種の未加硫ゴムから形成される2層目のゴム組成物3を樹脂2上に被着させて被加硫物4を作製し、被加硫物4を、例えば150℃×50分のプレス加硫によって加硫成型する。
上述のような樹脂とゴム組成物との加硫は、連続ライン又は不連続ライン(オフライン)で行うことができる。例えば、連続ラインでは、次の工程、下層用ゴム組成物の押出し、樹脂の被覆、接着剤の塗布又は接着剤被覆、上層用ゴム組成物の押出し、樹脂(加硫用樹脂)の被覆及び加硫を連続して行うことができる。このような連続ラインでは、樹脂の被覆から加硫前までの経過時間を5分以内にすることが可能である。不連続ラインは、前記各工程を個別に行うもので、各工程間にかかる時間を24時間以上にする場合もある。
図7は1例のゴムと樹脂との加硫接着体の斜視図である。図7では、加硫接着体5は、管の形態を有し、内管ゴム6と内管ゴム6の外周の樹脂層7と樹脂層7の外周の外被ゴム層8とからなる。内管ゴム6及び外被ゴム8のうち少なくとも内管ゴム6は、樹脂層7と相互作用による結合を形成している。このようなバリア構造のホースを生産する場合、内管ゴム上に樹脂を被覆する際には、樹脂を融点以上に昇温させ、樹脂が溶融状態のうちにゴム上に被せる必要がある。この際には、樹脂の温度と樹脂被覆後の経過時間によっては接着不良が発生することがあるが、樹脂の押出し温度と被覆後の経過時間がゴムと樹脂との接着に与える影響を明らかにすることで、ゴムと樹脂との十分な接着が可能になり、様々な生産ラインで確実にゴムと樹脂との接着の確保が可能になる。
加硫接着体は、少なくとも最外層に耐候性層を設けることで、耐候性を改善することができる。耐候性層は外被ゴム層でよい。外被ゴム層は、HNBR系のゴムのRH配合(レゾルシンとヘキサメチレンテトラミンとの配合)によって得ることができる。上記バリア構造のホースの場合、NBR系ゴム又はHNBR/NBR混合系ゴムをRH配合にし、これを接着ゴム層とし、これとゴム−ゴム接着する外被ゴムを被覆することで、耐候性を改善することができる。かかるホースの構造は、内管ゴム(RH)−樹脂−接着ゴム層−耐候性外被ゴムとなる。また、上記バリア構造のホースの場合、樹脂の上に接着剤を塗布し、その上に耐候性のある外被ゴム層を被覆する方法でも、耐候性を改善することができる。かかるホースの構造は、内管ゴム(RH)−樹脂−接着剤−耐候性外被ゴムとなる。
(5)相互作用による結合
加硫接着体のゴムと樹脂部材との間に形成される。かかる結合には、特に制限されることなく、種々の様式の結合が含まれる。例えば、かかる結合は、分子鎖同士の絡み合い等の物理的結合や、架橋、水素結合、配位結合等の化学結合であり、これらの結合の少なくとも1種からなる。
特に、相互作用による結合は、図2に示すようなRH重合体が媒介するゴムとの架橋及び樹脂との水素結合を挙げることができる。例えば、RH重合体は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)や水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)等のゴムと、パーオキサイド(P.O.)等によって架橋反応するか、分子鎖の絡み合いを起こし、かつナイロンやエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)からなる樹脂部材の表面の水素結合を生じ得る官能基と水素結合する。
シリカやシランカップリング剤を添加する場合、図2に示すような水素結合や脱水縮合反応によって、ゴムと樹脂部材との安定した接着が得られる。
本発明を実施例に基づいてより一層詳細に説明する。
(実施例1〜3)
シリカ又はシランカップリング剤の添加効果を検証するため、表1に示す配合のゴム組成物と樹脂部材とを加硫し、加硫接着体(実施例1〜3)を製造する。
表1に示すように、ゴム組成物中への、レゾルシン及びヘキサメチレンテトラミン(以下、単に「RH」と称する。)の添加量は、それぞれ、ゴム成分100質量部に対して、3質量部及び2質量部である。
ゴム組成物中への、シリカ及びシランカップリング剤の添加量は、それぞれ、ゴム成分100質量部に対して、15質量部及び5質量部である。実施例1ではシリカのみを添加し、実施例2ではシランカップリング剤のみを添加し、実施例3では双方を添加する。
加硫系としての硫黄は、ゴム組成物中に、ゴム成分100質量部に対して、2.3質量部添加する。
樹脂部材としては、樹脂層(ナイロン6からなる0.10mmの厚さのフィルム)を用い、上述のゴム組成物の2枚のゴムシート(各1mmの厚さ)で樹脂層をはさみ加硫する(加硫条件:150℃×50分)。
(実施例4〜6)
加硫系の影響、ポリマーの種類及びブレンドの影響を検証するため、表1に示す配合のゴム組成物と樹脂部材とを加硫して、加硫接着体(実施例4〜6)を製造する。
実施例4では、実施例3において、加硫系の硫黄をパーオキサイド(ゴム成分100質量部に対して、8質量部)に変えて促進剤を用いない以外は、実施例3と同様である。実施例5及び6では、実施例4において、ゴム成分のNBRをそれぞれHNBR及びNBR/HNBR(比率:50/50)に変える以外は、実施例4と同様である。
(実施例7〜10)
EVOHとの接着性を検証するため、表1に示す配合のゴム組成物と樹脂部材とを加硫して、加硫接着体(実施例7〜10)を製造する。
実施例7、8、9及び10では、それぞれ、実施例3、4、5及び6において、樹脂層をEVOHからなるフィルムに変える以外は、実施例3、4、5及び6と同様である。
(実施例11〜16)
各種ブチルゴムと各種樹脂部材との接着性を検証するため、表1に示す配合のゴム組成物と樹脂部材とを加硫して、加硫接着体(実施例11〜16)を製造する。
実施例11、12及び13では、実施例7において、ゴム成分のNBRをそれぞれ塩素化ブチルゴム(Cl−IIR:実施例11)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR:実施例12)及びレギュラーブチルゴム(IIR:実施例13)に変え、加硫系の硫黄を亜鉛華(主として酸化亜鉛5質量部)に変え、硫黄を0.5質量部に変え(実施例13)、促進剤を1質量部(実施例11及び12)及び2質量部(実施例13)に変える以外は、実施例7と同様である。実施例14、15及び16では、それぞれ、実施例11、12及び13において、樹脂層をナイロン6からなるフィルムに変える以外は、実施例11、12及び13と同様である。
(実施例17〜20)
NBR、HNBR系の配合において、アミン系老化防止剤の耐候性改善効果を検証するのために、表1に示す配合のゴム組成物と樹脂部材とを加硫して、加硫接着体(実施例17〜20)を製造する。
アミン系老化防止剤としては、一般名:マイクロワックス〔商品名:SUNNOC−W(大内新興化学工業社製)〕と一般名:老防6C〔商品名:NOCRAC−6C(大内新興化学工業社製)〕との1:1配合物を用いる。
実施例17及び18では、それぞれ、実施例3及び4において、ゴム組成物中にアミン系老化防止剤(実施例17:マイクロワックス3質量部及び実施例18:老化6C3質量部)を配合した以外は、実施例3及び4と同様である。実施例19では、実施例17において、ゴム成分をNBRからNBR/HNBR(比率50/50)に変える以外は、実施例17と同様である。実施例20では、実施例19において、加硫系を実施例18と同様にしてパーオキサイドに変える以外は、実施例19と同様である。
(接着性試験)
各実施例の加硫接着体について、ゴムと樹脂層との接着性を試験する。結果を表2に示す。
接着性は、一般的に通用する接着試験法により行う。JIS−K−6256の5(JISハンドブック2000年版、p.315〜p.318参照):布と加硫ゴムの剥離試験に準拠し、5.1目的について、この試験は、加硫ゴムと樹脂シートとの間の剥離強さ及び樹脂シートへのゴム付きを測定するために行う。5.2試験機について、変更点はない。5.3試験片について、5.3.1に変更はない。5.3.2a)切断はゴム及び樹脂シートの列理方向に平行に行う。b)c)は必要ない。5.3.3について、n=3で行う。5.4試験方法については、〜5.7記録まで特に変更はない。ただし、今回の試験に関しては、接着力が強過ぎるため接着強さは測定不可である。ゴムが切れてしまう。評価としての剥離破損の種類は、R:ゴム層の破壊の状態が◎、RT:接着剤がない時のゴムと樹脂との間の剥離が×である。なお、表2の接着性の評価において、数値はゴム付きの割合を%で示すものである。ゴム付きは、ゴムと被着体を引き剥がした際に、ゴムと被着体が接触した総面積に対し、ゴム破壊面積がどの程度かを以下の式によって数値であらわす。
ゴム付き%=(ゴム破壊面積/ゴムと被着体とが接触した総面積)×100
上記式中、ゴム破壊は、ゴムと被着体との接着が非常に強固な場合、ゴムと被着体を無理やり引き剥がそうとした際に接着界面ではなく、ゴム部が破壊する状態である。界面破壊は、ゴムと被着体との接着があまり強固ではない場合、ゴム部は破壊されずに接着界面で破壊が生じる状態である。ゴムと被着体が接触した総面積=ゴム破壊面積+界面破壊面積。
Figure 2005067189
Figure 2005067189
(耐候性試験)
各実施例の加硫接着体について、耐候性を試験する。結果を表4に示す。静的オゾン試験を、オゾン濃度:40pphm、暴露時間:50hにおいて、伸張率:40%及び0〜20%のそれぞれで行う。◎:クラックなし、○:微小クラック及び×:切断、によって評価する。
Figure 2005067189
表2及び3に示すように、各実施例の加硫接着体は、いずれも接着性が良好である。シリカの添加(実施例1、3〜20)又はシランカップリング剤の添加(実施例2〜20)により、添加しない場合(実施例2又は実施例1)と比べ、優れた接着性が得られる。
NBR、HNBR及びNBR/HNBR、いずれのポリマーの種類及びブレンド(実施例4〜6)でも、優れた接着性が得られる。EVOHとの接着性(実施例7〜10)も良好である。各種ブチルゴムと樹脂部材との接着性(実施例11〜16)も良好である。アミン系老化防止剤(実施例17〜20)により、耐候性も良好となる。
(実施例21〜38)
溶融状態の樹脂(EVOH)をゴム組成物上に被着させて加硫する。図5及び6に示すような溶融状態の樹脂の温度(T)と樹脂被着後から加硫前までの経過時間(t)とを変えて、図7に示すような加硫接着体を得る。
実施例21〜25は、溶融状態の樹脂の温度を樹脂の融点とほぼ同じ温度(190℃)にする場合であり、樹脂の被着から5分後(実施例21)、30分後(実施例22)、60分後(実施例23)、2時間後(実施例24)及び6時間後(実施例25)に加硫を行う。各実施例21〜25では、ゴム組成物の組成として、NBR系配合(AC098R)、HNBR系配合及びHNBR/NBR系配合のそれぞれを用い、いずれも、レゾルシン及びメチレンドナーとなる化合物(ヘキサメチレンテトラミン)、シリカ及びシランカップリング剤を配合する。代表的に、NBR系配合、HNBR系配合及びHNBR/NBR系配合は、それぞれ、実施例4、5及び6の配合を用いる。
具体的には、マンドル(芯)に内管ゴム用組成物(上記ゴム組成物)を射出成形し、融点以上(190〜240℃)に昇温させた樹脂(EVOH)をその融点温度とほぼ同じ温度(190℃)で内管ゴム用組成物上に被着させる。樹脂の被着には、図8のような被着手段を採用する。図8はゴム上に溶融状態の樹脂を被着させる1例の被着方法を示す斜視図である。図8に示すように、樹脂の膜9に対して芯10を貫通させて樹脂層11を内管ゴム用組成物上にコーティングする。その後、耐候性を考慮して、外被用ゴム組成物(HNBR系のRH配合)を樹脂上に更に射出成形し、被加硫物を得る。被加硫物を樹脂の被着から各時間経過後に加硫する。得られる加硫接着体について実施例1等と同様の接着性試験を行い、結果を表4に示す。
実施例26〜31は、実施例21〜25において、溶融状態の樹脂の温度を樹脂の融点より10℃くらい上の温度(200℃)にする以外は、実施例21〜25と同様であり、樹脂の被着から5分後(実施例26)、30分後(実施例27)、60分後(実施例28)、2時間後(実施例29)、6時間後(実施例30)及び12時間後(実施例31)に加硫を行う。結果を表5に示す。
実施例32〜38は、実施例21〜25において、溶融状態の樹脂の温度を樹脂の融点より20℃くらい上の温度(210℃)にする以外は、実施例21〜25と同様であり、樹脂の被着から5分後(実施例32)、30分後(実施例33)、60分後(実施例34)、2時間後(実施例35)、6時間後(実施例36)、12時間後(実施例37)及び24時間後(実施例38)に加硫を行う。結果を表6に示す。
Figure 2005067189
Figure 2005067189
Figure 2005067189
表4〜6に示すように、溶融状態の樹脂の温度が樹脂の融点とほぼ同じである場合(実施例21〜25)は、被着後6時間以内に加硫すれば良好な接着が得られるが、12時間や24時間経過後では熱が下がるため、ゴムと樹脂とがまったく接着しない接着不良(×)が発生する傾向がある。溶融状態の樹脂の温度が樹脂の融点より10℃くらい上の場合(実施例26〜31)は、被着後12時間までに加硫すれば問題はないが、24時間経過後では熱が下がるため、ゴム付き80%未満〜60%以上の接着不良(△)が発生する傾向がある。溶融状態の樹脂の温度が樹脂の融点より20℃くらい上の場合(実施例32〜38)は、24時間を超えても良好な接着が得られ、これは接着に必要な時間がかなり短くなり、数分間で接着が完了していると思われる。よって、210℃以上のような高温の樹脂では接着面の相互作用による結合が短時間に完了し、その他の部分のゴムの加硫は、しばらく放置していても、いつ加硫を行っても接着不良は起こらない。
上述の実施例はオフライン処理のものであるが、連続ラインで行う場合は、190℃のような融点付近の温度でも、240℃のような分解温度付近でも、内管ゴムと樹脂層との直接接着を得ることは可能である。また、上述の実施例は、配合内容によっては、RH重合体形成反応の遅速の差に起因して、上記の好適な温度条件と接着性能とが異なる場合もあるが、いずれも予備的な実験によって確認することにより、溶融状態の樹脂の温度と被着後から加硫前までの経過時間を制御し、ゴムと樹脂部材との良好な接着が可能になる。
実施例21〜38において、溶融状態の樹脂をナイロン等に変えて同様に加硫接着体を得る場合も、上記のEVOHと同様の結果になる。
レゾルシン(R)及びヘキサメチレンテトラミン(H)のRH重合体の形成反応を示す一例の模式図である。 本発明の加硫接着体の接着機構を示す一例の模式図である。 ゴムと樹脂部材との相互作用による結合に必要な最低温度と時間との関係を示すグラフである。 RA重合体の形成反応とゴムの架橋反応との関係を示すグラフである。 溶融状態の樹脂及びゴム組成物の温度変化と時間との関係を示すグラフである。 溶融状態の樹脂とゴム組成物との1例の加硫工程を示す断面図であり、(a)はゴム組成物の断面図であり、(b)はゴム組成物上に溶融状態の樹脂を被着させる様子を示す断面図であり、(c)は樹脂を被覆した状態のゴム組成物の断面図であり、(d)は樹脂上に更にゴム組成物を被覆した状態の被加硫物の断面図である。 1例のゴムと樹脂との加硫接着体の斜視図である。 ゴム上に溶融状態の樹脂を被着させる1例の被着方法を示す斜視図である。
符号の説明
1,3 ゴム組成物
2 樹脂
4 被加硫物
5 加硫接着体
6 内管ゴム
7,11 樹脂層
8 外被ゴム層
9 樹脂の膜
10 芯

Claims (17)

  1. ゴムと樹脂部材とからなる加硫接着体であって、
    前記ゴムと前記樹脂部材との間に相互作用による結合が形成されていることを特徴とする加硫接着体。
  2. 前記ゴムがレゾルシン及びメチレンドナーとなる化合物を含有するゴム組成物よりなることを特徴とする請求項1記載の加硫接着体。
  3. 前記メチレンドナーとなる化合物がアミン化合物及びホルムアルデヒド化合物の少なくとも一方であることを特徴とする請求項2記載の加硫接着体。
  4. 前記相互作用による結合が化学結合である請求項1〜3のいずれか一項記載の加硫接着体。
  5. 前記相互作用による結合が架橋である請求項1〜4のいずれか一項記載の加硫接着体。
  6. 前記相互作用による結合が水素結合である請求項1〜5のいずれか一項記載の加硫接着体。
  7. 前記アミン化合物がヘキサメチレテトラミンである請求項3〜6のいずれか一項記載の加硫接着体。
  8. 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部のレゾルシン及び1〜10質量部のアミン化合物を含有している請求項2〜7のいずれか一項記載の加硫接着体。
  9. 前記ゴム組成物が、シリカ及びシランカップリング剤の少なくとも一方を含有している請求項2〜8のいずれか一項記載の加硫接着体。
  10. 前記樹脂部材が、繊維、管、シート又はフィルムの形状を有する請求項1〜9のいずれか一項記載の加硫接着体。
  11. 前記樹脂部材が溶融状態の樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の加硫接着体。
  12. ゴムと樹脂部材とからなり、前記ゴムと前記樹脂部材との間に相互作用による結合が形成されている加硫接着体を製造するにあたり、前記相互作用による結合を形成し得るゴム組成物を準備する工程、前記相互作用による結合を形成し得る官能基を有する樹脂部材を準備する工程及び前記ゴム組成物と前記樹脂部材とを接触させた状態で加硫して前記ゴムと前記樹脂部材との間に前記相互作用による結合を形成する工程を含むことを特徴とする加硫接着体の製造方法。
  13. 前記ゴムがレゾルシン及びメチレンドナーとなる化合物を含有するゴム組成物よりなることを特徴とする請求項12記載の加硫接着体の製造方法。
  14. 前記メチレンドナーとなる化合物がアミン化合物及びホルムアルデヒド化合物の少なくとも一方であることを特徴とする請求項13記載の加硫接着体の製造方法。
  15. 前記レゾルシンと前記メチレンドナーとなる化合物との重合体の形成反応及び前記ゴム組成物の架橋反応を同時に進行させる工程を含むことを特徴とする請求項13又は14記載の加硫接着体の製造方法。
  16. 前記樹脂部材が溶融状態の樹脂を前記ゴム組成物上に被着させることによって形成される工程を含むことを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項記載の加硫接着体の製造方法。
  17. 前記溶融状態の樹脂の温度又は前記樹脂の被着後から加硫前までの経過時間を制御する工程を含むことを特徴とする請求項17記載の加硫接着体の製造方法。

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