JP2005263887A - 接着剤組成物及びその製造方法、並びに樹脂材料、ゴム部材及びタイヤ - Google Patents

接着剤組成物及びその製造方法、並びに樹脂材料、ゴム部材及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】露光を避けなくても十分な接着力を有する接着剤組成物を提供する。
【解決手段】接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%、ラテックスの固形分が80〜92質量%、塩基性無機化合物が0〜1.25質量%であり、下記式(I):
A > −0.175B+0.7C+3.6 ・・・ (I)
[式中、A=(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)/(レゾルシン系化合物の質量%)×110/30、B={(レゾルシン系化合物の質量%)+(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)}/(ラテックスの固形分の質量%)、C=塩基性無機化合物の質量%]の関係を満足し、且つ全固形分100質量部に対して水25〜1900質量部を含んでなり、pHが8.5〜10.0の接着剤組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物及びその製造方法、並びに該接着剤組成物を用いた樹脂材料、ゴム部材及びタイヤに関し、特に樹脂材料とゴムとの接着に好適に使用され、露光による接着力の低下が抑制された接着剤組成物及びその製造方法に関するものである。
従来、タイヤ、コンベヤベルト、ベルト、ホース及び空気バネ等のゴム物品の補強用に、フィラメント、コード、ケーブル、コード織物及び帆布等の形態の樹脂材料が使用されている。ここで、樹脂材料とゴムとの接着には、従来、樹脂材料とゴムの結合力を得るために、ゴムラテックスとレゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物との混合物を含む接着剤組成物(所謂、RFL液)が広く使用されている。
上記ゴムラテックスとしては、通常、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックス等を一種単独で、あるいは複数種を組み合わせて使用している。
一方、上記レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物は、ゴムラテックスの存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドとを、又はレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とホルムアルデヒドとを、所謂、レゾール化反応によりレゾルシン・ホルムアルデヒド縮合反応させて得られる。ここで、ゴムラテックス存在下でのレゾルシン・ホルムアルデヒド縮合反応は、通常、pHが8.0以上の高アルカリ性条件下で行われている。これは、レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物を生成させる反応が、pHが8.0より低い中性付近の条件下では、反応速度が遅く、工業的でないことによる。
また、樹脂材料とゴムとの結合に使用する接着剤組成物の製造において、ゴムラテックスの存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合反応を十分に進行させるには、反応系のpHを8.0以上にする必要があり、pH=8.5〜9.7の範囲が工業的に好ましいことが知られている(特許文献1参照)。
特開2000−26827号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体粒子を含むゴムラテックスと、レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物とを含み、接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%で、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%で、ラテックスの固形分が80〜92質量%で、塩基性無機化合物(水酸化ナトリウム等)が0〜1.25質量%であり、且つ下記式(I):
A > −0.175B+0.7C+3.6 ・・・ (I)
[式中、
A=(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)/(レゾルシン系化合物の質量%)×110/30
B={(レゾルシン系化合物の質量%)+(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)}/(ラテックスの固形分の質量%)
C=塩基性無機化合物の質量%]の関係を満足する接着剤組成物の製造において、任意に水酸化ナトリウムを加えて、ゴムラテックスと、レゾルシン系化合物と、ホルムアルデヒド系化合物とを単に混合した場合、pHが7.5〜8.5付近となり、工業的に好ましいpHの範囲以下となってしまうことが分った。
また、上記組成範囲の接着剤組成物を熟成させ、熟成終了後の接着剤組成物に浸漬して接着処理を施したコードと被着ゴムとを加硫接着させた後、コードと被着ゴムとの接着力を調べたところ、接着処理を施したコードを露光しなければ、強固な接着を得ることができるが、接着処理を施したコードを蛍光灯又は自然光に露光すると、接着力が大幅に低下することが分った。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、蛍光灯や自然光による露光を避ける等の格段のケアをしなくても十分な接着力を有する接着剤組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる接着剤組成物の製造方法、並びに該接着剤組成物を用いた樹脂材料、ゴム部材及びタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、上記組成範囲の接着剤組成物の調製において、調製時のpHが8.5〜10.0の範囲になるようホルムアルデヒド系化合物を分割添加して、1回あたりの添加量を少なくすることで、蛍光灯や自然光で露光されても接着力が低下しない接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の接着剤組成物は、ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体粒子を含むゴムラテックスと、レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物とを含んでなる接着剤組成物であって、
前記接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%で、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%で、ラテックスの固形分が80〜92質量%で、塩基性無機化合物が0〜1.25質量%であり、
前記レゾルシン系化合物、前記ホルムアルデヒド系化合物、前記ラテックスの固形分及び前記塩基性無機化合物の割合が下記式(I):
A > −0.175B+0.7C+3.6 ・・・ (I)
[式中、
A=(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)/(レゾルシン系化合物の質量%)×110/30
B={(レゾルシン系化合物の質量%)+(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)}/(ラテックスの固形分の質量%)
C=塩基性無機化合物の質量%]の関係を満足し、
且つ前記接着剤組成物の全固形分100質量部に対して水25〜1900質量部を含んでなり、pHが8.5〜10.0であることを特徴とする。ここで、接着剤組成物の全固形分中のレゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物の割合は、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とが縮合する前の質量、即ち、仕込み時の質量に基づいて算出される。
本発明の接着剤組成物の好適例においては、前記レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物が、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とのレゾール化反応による縮合反応を、ラテックスの存在下、反応時のpHが8.5〜10.0の範囲になるようホルムアルデヒド系化合物を分割添加して製造したものである。
また、本発明の樹脂材料は、エポキシド化合物(A)、(ブロックド)イソシアネート化合物(B)及び水溶性高分子(C)を含んでなる下塗り接着剤組成物で表面を被覆した後、請求項1又は2に記載の接着剤組成物で表面を更に被覆してなる。ここで、該樹脂材料は、ポリエステルからなるのが好ましい。また、該樹脂材料は、複数の樹脂フィラメントを撚り合わせてなる樹脂コードであるのが好ましい。
更に、本発明のゴム部材は、上記樹脂材料で補強されたことを特徴とし、本発明のタイヤは、該ゴム部材を用いたことを特徴とする。
また更に、本発明の接着剤組成物の製造方法は、レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物とゴムラテックスとを含んでなる接着剤組成物の製造方法であって、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とのレゾール化反応による縮合反応を、前記ゴムラテックスの存在下で、反応時のpHが8.5〜10.0の範囲になるよう前記ホルムアルデヒド系化合物を分割添加して行うことを特徴とする。
本発明によれば、特定の組成範囲の接着剤組成物の製造において、製造時のpHが8.5〜10.0の範囲になるようホルムアルデヒド系化合物を分割添加することで、蛍光灯や自然光で露光されても接着力が低下しない接着剤組成物を提供することができる。また、かかる接着剤組成物の製造方法、並びに該接着剤組成物を用いた樹脂材料、ゴム部材及びタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の接着剤組成物は、ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体粒子を含むゴムラテックスと、レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物とを含み、接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%で、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%で、ラテックスの固形分が80〜92質量%で、塩基性無機化合物が0〜1.25質量%であり、前記レゾルシン系化合物、前記ホルムアルデヒド系化合物、前記ラテックスの固形分及び前記塩基性無機化合物の割合が上記式(I)の関係を満足し、更に、接着剤組成物の全固形分100質量部に対して水25〜1900質量部を含み、pHが8.5〜10.0であることを特徴とする。
上述のように、接着剤組成物のpHによって、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物との縮合反応の反応速度が変化する。具体的には、接着剤組成物のpHが6.7以下では、メチロール基の消費に伴うpHの上昇が僅かなため、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物との縮合反応がほぼ停滞して、接着剤組成物が未熟成となるため、光に露光しなくても接着力が低くなる。また、接着剤組成物のpHが7.5〜8.5程度では、接着剤組成物の熟成が進むものの、露光によって接着力が低下する。
ここで、レゾルシン系化合物、ホルムアルデヒド系化合物及びゴムラテックス、並びに任意に塩基性無機化合物を添加して接着剤組成物を調製する際には、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とが下記のような縮合反応過程を経ると考えられる。即ち、レゾルシン系化合物としてレゾルシンを、ホルムアルデヒド系化合物としてホルムアルデヒドを用いた場合、先ず、レゾルシンに弱酸性のホルムアルデヒドが付加反応(メチロール化)して、酸性のメチロール基を有する反応中間体が生成する。この際、レゾルシンに付加したメチロール基は酸性がやや強いため、ホルムアルデヒドの付加反応が進み、メチロール基が生成する反応段階では、接着剤組成物のpHは一時的に下がる。その後、メチロール基を有する反応中間体が縮合していく段階では、メチロール基の部位が脱水縮合反応してメチレン結合(−CH2−)となり、縮合樹脂化していく。この際、酸性のメチロール基が脱水縮合により消費されるにつれて、中性のメチレン結合になるため、メチロール基の生成に伴い一時的に下がった接着剤組成物のpHは、メチロール基の消費に伴い再び上昇し、メチロール基の大部分が消費された後、pHがほぼ一定となる。また、接着剤組成物の熟成前と熟成後のpHを比べると、熟成により弱酸性のホルムアルデヒドがほぼ中性のメチレン部位になるため、熟成後の接着剤組成物は、pHが高くなる。
このため、接着剤組成物の熟成反応において、ホルムアルデヒドを分割添加して1回当りの添加量を少なくし、1回の添加によるメチロール基を有する反応中間体の生成量を少なくして、pHの低下幅を小さくすることで、pHを8.5以上に制御し、更に、熟成が進みメチロール基を有する反応中間体が少なくなりpHが高くなったところで、分割したホルムアルデヒドを更に添加する。ここで、ホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド系化合物の分割数は、pHが8.5以上になるよう適宜設定し、ポンプなどで連続して分割添加してもよい。なお、熟成反応の調整、添加量の設定は、接着剤組成物のpHの推移を測定することにより、適宜設定することができる。
上記方法で接着剤組成物を製造する場合、接着剤組成物中のホルムアルデヒド系化合物の量を増やしても、接着剤組成物のpHを保つために、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物の添加量を増やす必要が無くなり、長時間加硫等での接着力を向上させることができる。これは、接着剤組成物に浸漬する等して接着処理を施したコードと、被着ゴムとを加硫接着させる工程においては、被着ゴム中から拡散する加硫剤及び加硫促進剤等によって接着剤組成物中のゴムラテックスが加硫され、接着剤層が硬化して、コードと接着剤層との間に応力集中が発生し、コードと被着ゴムとの接着性が低下してしまうが、本発明の接着剤組成物では、接着剤組成物が酸性になり、ゴムラテックスの加硫が抑制されるため、接着剤層の硬化による接着性の低下が抑制されたものと考えられる。
なお、本発明の接着剤組成物は、更に酸性物質及び/又は酸性塩を添加する等して、pHを4.0まで低くすることができ、接着剤組成物のpHを低くすることで、接着剤組成物の貯蔵による接着性の劣化及び粘度上昇を抑制することができる。また、接着剤組成物のpHを低く調節することで、接着性の劣化を抑制するだけでなく、接着力を更に向上させることもできる。
本発明の接着剤組成物に用いるゴムラテックスは、ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体粒子を含む以外特に制限は無く、更に、ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体をカルボキシル基等で変性した変性ラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス及びその変性ラテックス、天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体系ラテックス、ブチルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスの他、被着ゴムに配合されるゴム成分と同種のゴム成分を水又は有機溶媒に分散させて調製したラテックス等を含んでもよい。上記ゴムラテックスは、一種単独で用いても、複数種を混合して用いてもよい。
上記ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体は、ビニルピリジン系化合物と、スチレン系化合物と、共役ジエン化合物とを三元共重合させたものである。ここで、ビニルピリジン系化合物は、ビニルピリジンと、該ビニルピリジン中の水素原子が置換基で置換された置換ビニルピリジンとを包含する。該ビニルピリジン系化合物としては、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-メチル-5-ビニルピリジン、5-エチル-2-ビニルピリジン等が挙げられ、これらの中でも、2-ビニルピリジンが好ましい。これらビニルピリジン系化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記スチレン系化合物は、スチレンと、該スチレン中の水素原子が置換基で置換された置換スチレンとを包含する。該スチレン系化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジイノプロピルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、スチレンが好ましい。これらスチレン系化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン等の脂肪族共役ジエン化合物が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが好ましい。これら共役ジエン化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の接着剤組成物が含有するレゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物は、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とを縮合反応させて得られる反応物であり、レゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合物であるのが好ましい。該縮合物には、レゾルシン系化合物以外のフェノール誘導体が第三成分として含まれていてもよく、また、該縮合物は、スルフィメチル化剤等による変性や、カルボキシル化等の変性を受けていてもよい。
上記レゾルシン系化合物は、レゾルシンと、該レゾルシン中の水素原子が置換基で置換された置換レゾルシンとを包含する。該レゾルシン系化合物としては、レゾルシンの他、5-メチルレゾルシン、4,5-ジメチルレゾルシン等のアルキルレゾルシン等が挙げられ、これらの中でも、レゾルシンが好ましい。これらレゾルシン系化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ホルムアルデヒド系化合物は、ホルムアルデヒドと、該ホルムアルデヒド中の水素原子が置換基で置換された置換ホルムアルデヒドと、該ホルムアルデヒドの重合体等を包含する。上記ホルムアルデヒド系化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、へキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキサール、n-ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o-トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられ、これらの中でも、ホルムアルデヒドが好ましい。これらホルムアルデヒド系化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とからなる縮合物は、ゴムラテックスの存在下でレゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とをレゾール化させて得られたものであるのが好ましい。これは、接着剤組成物の粘着性を下げて、付着処理工程における装置への付着汚れの発生やガムアップ発生の抑止と同時に、接着剤組成物の熟成がほぼ終了した後にpHを低くしても、ゴムラテックスの凝集発生を抑制できるためである。
レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とをレゾール化させて得られる縮合物を、ゴムラテックスの存在下で得る方法としては、(i)アルカリ性液下で、レゾルシン系化合物及び/又は比較的低分子量のレゾルシン系化合物・ホルムアルデヒド系化合物縮合物とゴムラテックスとを混合し、ホルムアルデヒドを分割添加する方法、(ii)縮合反応開始時にはゴムラテックスを混合せず、アルカリ性液下で、レゾルシン系化合物及び/又は比較的低分子量のレゾルシン系化合物・ホルムアルデヒド系化合物縮合物にホルムアルデヒドを分割添加してレゾール化反応を開始させ、縮合反応初期段階の低縮合度の反応中間体が生成した時点でゴムラテックスを加え混合して反応を続行させる方法等が挙げられるが、いずれの方法においても、レゾール型縮合物の縮合反応が終了する前に、ゴムラテックスを加え混合する必要がある。なお、縮合反応が終了したか否かは、レゾール化反応中は反応中間体のメチロール基等の生成に伴い、pHが一時的に下がり、縮合反応が進むにつれてメチロール基等が消費されて、pHが再び上昇し、反応が終了するとpHがほぼ一定になることで判定でき、本発明においては、pHの変化を指標として、ゴムラテックスの添加を行う。
ここで、ゴムラテックス存在下で得られるレゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物との縮合物の熟成の際には、pHを8.5以上にする。pHが8.5未満では、接着剤組成物の光劣化を十分に防止することができない。
本発明の接着剤組成物は、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とが縮合する前の組成として、該接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%で、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%で、ラテックスの固形分が80〜92質量%で、塩基性無機化合物が0〜1.25質量%である。
上記接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5質量%未満では、接着剤組成物のコードへの接着性が低下する傾向があり、15質量%を超えると、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物を添加しない場合、接着剤組成物のpHが低くなって熟成が進行せず、接着剤組成物を塗布する過程での粘着性が強く、処理機を汚したり、延いては接着剤組成物の塗布状態が悪化して接着力が低下する傾向があるため好ましくない。なお、レゾルシン系化合物が7〜12質量%の場合、接着剤組成物のコードへの接着性が最適となり、高い接着力が得られるため特に好ましい。
上記接着剤組成物の全固形分中、ホルムアルデヒド系化合物が1.7質量%未満では、接着剤組成物の架橋による十分な凝集破壊抗力が得られず、接着層が脆弱となるため好ましくなく、8質量%を超えると、ホルムアルデヒド系化合物を分割添加しても、接着剤組成物の熟成時のpHを所望の範囲に制御しにくく、前述のとおり接着性が光により劣化するため好ましくない。
上記接着剤組成物の全固形分中、ラテックスが80質量%未満では、ラテックスと被着ゴムとが接する面積が小さくなり、接着力が低下するため好ましくなく、92質量%を超えると、ゴム成分が多過ぎて接着層の凝集破壊抗力が小さくなって接着力が低下するため好ましくない。
上記接着剤組成物は、塩基性無機化合物を含むことができるが、接着剤組成物の熟成時のpHを8.5以上にできる限り、塩基性無機化合物を添加しないことが好ましい。熟成時のpHを確保するために塩基性無機化合物の添加量を多くし、接着剤組成物の全固形分中1.25質量%を超えて添加すると、接着剤組成物のポットライフが短くなり、長時間加硫において、接着層(ディップ層)の硬化による歪で接着力が低下するため好ましくない。なお、接着剤組成物のpH調節に用いる塩基性無機化合物としては、水酸化ナトリウムの他、アンモニア、水酸化カリウム等が挙げられ、これらの中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。
また、本発明の接着剤組成物においては、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とが縮合する前の組成として、上記レゾルシン系化合物、上記ホルムアルデヒド系化合物、上記ゴムラテックスの固形分及び上記塩基性無機化合物の割合が上記式(I)の関係を満足する必要がある。接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%で、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%で、ラテックスの固形分が80〜92質量%で、塩基性無機化合物が0〜1.25質量%であれば、原料を単に混合して接着剤組成物を調製するだけでも、十分な初期接着力が得られるが、混合物のpHが8.5未満では、得られた接着剤組成物を露光することで接着力が劣化するため好ましくない。
更に、本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物の全固形分100質量部に対して水25〜1900質量部を含んでなる。本発明の接着剤組成物には、ラテックスに含まれる水の他、更に水を添加してもよいが、この場合、接着剤組成物の全固形分100質量部に対し、水が25〜1900質量部の範囲になるように添加する必要があり、150〜1000質量部の範囲になるように添加するのが好ましい。これは、接着剤組成物の全固形分100質量部に対する水の割合が25質量部未満では、接着剤組成物の固形分濃度が高くなりすぎ、接着剤組成物に含まれるRFL粒子等の分散粒子同士が近接し過ぎたり、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物との縮合反応が促進されるため、接着剤組成物が不安定となり、一方、1900質量部を超えると、接着剤組成物の固形分濃度が低くなりすぎ、接着剤組成物を用いて有機繊維等の樹脂材料へ付着処理を施しても、接着剤組成物の付着量を十分に確保できないためである。
また、本発明の接着剤組成物は、pHが8.5〜10.0である。接着剤組成物のpHが8.5未満では、接着剤組成物の光劣化を十分に防止することができず、pHが10.0を超えると、接着剤組成物を保存した際の使用可能期間(ポットライフ)が短くなる。
本発明の樹脂材料は、エポキシド化合物(A)、(ブロックド)イソシアネート化合物(B)及び水溶性高分子(C)を含んでなる下塗り接着剤組成物で表面を被覆した後、上述した接着剤組成物で表面を更に被覆してなる。
上記樹脂材料に用いる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、レーヨン、ビニロン、6-ナイロン、6,6-ナイロン、4,6-ナイロン等の脂肪族ポリアミド、パラフェニレンテレフタルアミド等の芳香族ポリアミド、カーボン樹脂等が挙げられ、これらの中でも、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
上記樹脂材料の形態としては、コード、ケーブル、フィラメント、フィラメントチップ、コード織物、帆布等が挙げられ、これらの中でも、コードが好ましい。また、樹脂材料には、予め電子線、マイクロ波、コロナ放電、プラズマ処理等の前処理加工を施してもよい。
上記下塗り接着剤組成物(所謂、アンダーコート組成物)は、エポキシド化合物(A)、(ブロックド)イソシアネート化合物(B)及び水溶性高分子(C)を含む。該エポキシ化合物(A)は、下塗り接着剤組成物の架橋剤として機能する。ここで、エポキシ化合物(A)としては、ジエチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ポリエチレン・ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ペンタエリチオール・ポリグリシジルエーテル、ジグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ソルビトール・ポリグリシジルエーテル等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応生成物;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、上記(ブロックド)イソシアネート化合物(B)は、下塗り接着剤組成物の樹脂材料への接着を促進する機能を果たす。該(ブロックド)イソシアネート化合物(B)は、有機ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に公知のブロック化剤を付加反応させることで得られる。ここで、有機ポリイソシアネート化合物としては、メチレンジフェニルポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。また、ブロック化剤としては、フェノール、チオフェノール、クロルフェノール、クレゾール、レゾルシノール、p-sec−ブチルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-sec-アミルフェノール、p-オクチルフェノール、p-ノニルフェノール等のフェノール類;イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等の第2級又は第3級のアルコール;ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン類;フタル酸イミド類;δ-バレロラクタム等のラクタム類;ε-カプロラクタム等のカプロラクタム類;マロン酸ジアルキルエステル、アセチルアセトン、アセト酢酸アルキルエステル等の活性メチレン化合物;アセトキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;3-ヒドロキシピリジン等の塩基性窒素化合物及び酸性亜硫酸ソーダ等が挙げられる。
更に、上記水溶性高分子(C)としては、ポリアクリル酸;ポリ(α-ヒドロキシカルボン酸);アクリルアミド-アクリル酸;(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル-無水マレイン酸;スチレン-マレイン酸共重合体;エチレン-アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体;イソブテン-無水マレイン酸等のα-オレフィン-無水マレイン酸共重合体;メチルビニルエーテル-無水マレイン酸、アリールエーテル-無水マレイン酸等のアルキルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体;スチレン-アクリル酸共重合体;α-オレフィン-(メタ)アクリル酸エステル-マレイン酸共重合体;及びこれらの塩基性物質による中和物等が挙げられる。
上記下塗り接着剤組成物で表面を被覆した樹脂材料を、上述した接着剤組成物で更に被覆して、接着剤組成物を樹脂材料に付着させ、乾燥した後、適度な熱処理を施すことによって、接着剤処理された樹脂材料を作製することができる。こうして得られた樹脂材料を未加硫ゴムに埋設し、加硫することによって該樹脂材料とゴムとを強固に接着させることができる。接着剤組成物を樹脂材料に付着させる方法としては、接着剤組成物に樹脂材料を浸漬する方法、接着剤組成物を樹脂材料にハケで塗布する方法、接着剤組成物を樹脂材料にスプレーする方法等が挙げられ、必要に応じて適当な方法を選択することができる。
上記乾燥に引き続いて行う熱処理は、樹脂材料を構成する樹脂のガラス転移温度以上、好ましくは、該樹脂の(融解温度−70℃)以上、(融解温度−20℃)以下の温度で行うのが好ましい。これは、樹脂のガラス転移温度未満では、樹脂の分子運動性が悪く、接着剤組成物中のレゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド化合物からなる縮合物と樹脂とが十分に相互作用できないため、接着剤組成物と樹脂材料との結合力が十分に得られないためである。また、樹脂の(融解温度−20℃)を超える温度では、樹脂材料や接着剤組成物中のゴムラテックスが劣化する傾向がある。
本発明のゴム部材は、上記接着剤組成物で表面を被覆した樹脂材料でゴムを補強してなり、本発明のタイヤは、該ゴム部材をいずれかのタイヤ部材、例えば、カーカースやベルト補強層等に用いたことを特徴とする。ここで、ゴム部材に用いるゴムは、特に限定されるものではなく、例えば、ゴム成分に、ゴム業界で通常使用される配合剤を配合して得られる。また、該ゴム部材は、例えば、接着剤組成物で表面を被覆した樹脂材料を未加硫ゴムで被覆し、加硫することで製造できる。なお、本発明のゴム部材は、タイヤの他、コンベアベルト、ベルト、ホース、空気バネ等に使用できる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の固形分濃度は、JIS K6833−1980のその他の接着剤の測定方法における接着剤の不揮発分の測定方法に準拠して測定した。また、pHは、JIS K6833−1980の6.2項のpH測定方法に準拠して測定した。
(1)接着剤組成物の調製
(i)比較例1〜17の接着剤組成物の調製
表1に示す量の水、レゾルシン[関東化学(株)製, 特級試薬]、1N-NaOH標準水溶液[4%水酸化ナトリウム水溶液, 関東化学(株)製]、及びゴムラテックス[Vpラテックス, 固形分濃度=41質量%, 住友A&L(株)製, PYLATEX]を混合した液に、表1に示す量のホルマリン[37%ホルムアルデヒド水溶液, 関東化学(株)製, 特級試薬]を加え混合し、得られた混合液を20℃で24時間熟成し、ゴムラテックスとレゾール化反応により得られるレゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物とからなる接着剤組成物(RFL液)を得た。表1に、製造後(使用時)の接着剤組成物のpH値を示す。
(ii)実施例1〜12の接着剤組成物の調製
表1に示す量の水、レゾルシン[関東化学(株)製, 特級試薬]、1N-NaOH標準水溶液[4%水酸化ナトリウム水溶液, 関東化学(株)製]、及びゴムラテックス[Vpラテックス, 固形分濃度=41質量%, 住友A&L(株)製, PYLATEX]を混合した液に、表1に示す量のホルマリン[37%ホルムアルデヒド水溶液, 関東化学(株)製, 特級試薬]を、等分量に3分割して、30℃の熟成温度条件で24時間毎に3回投入し、最後の分割ホルマリンを投入後、30℃で24時間熟成して、ゴムラテックスとレゾール化反応により得られるレゾルシン・ホルムアルアヒド縮合物とからなる接着剤組成物(RFL液)を得た。表1に、製造後(使用時)の接着剤組成物のpH値を示す。
(2)接着剤組成物処理コードの作製
樹脂材料として、撚構造1100dtex/2、上然数47回/10cm、下撚数47回/10cmのポリエチレンテレフタレート製タイヤコードを用い、特開2001−98245号の実施例9に示す原材料を混合したアンダーコート組成物液[水溶性高分子{(株)クラレ製「イソバン10」, 固形分100%, イソブテンと無水マレイン酸との共重合体, 分子量=160000〜170000}の水溶液(水溶性高分子濃度10%)40質量%と、(ブロックド)イソシアネート化合物{第一工業製薬(株)製, 「エラストロンBN27」, 固形分濃度30%, メチレンジフェニルの分子構造を含む熱反応型水性ウレタン樹脂}の水溶液((ブロックド)イソシアネート化合物濃度10%)20質量%と、エポキシド化合物{ナガセ化成工業(株)製, 「デナコールEX614B」, ソルビトール・ポリグリシジルエーテル}の水溶液(エポキシド化合物濃度10%)40質量%とからなる]に浸漬し、50℃で1分間乾燥後、240℃に保った雰囲気下で1分間処理して、アンダーコート処理コードを得た。更に、該アンダーコート処理コードを、上記(1)で得た接着剤組成物に浸漬し、150℃で1分間乾操後、240℃に保った雰囲気下で1分間処理して、接着剤組成物処理コードを得た。
(3)加硫I
上記(2)で得た接着剤組成物処理コードを、黒ポリ袋で遮光し、表3に示す配合の未加硫ゴム組成物に埋め込み、155℃で20分間、20kg/cm2の加圧下で加硫した。
(4)初期接着力の測定
上記(3)で得た加硫物からコードを掘り起こし、30cm/分の速度でコードを加硫物から剥離させる際の抗力を測定し、これを初期接着力とした。結果を表2に示す。
(5)加硫II
上記(2)で得た接着剤組成物処理コードを、100W直管白色蛍光灯の下20cmの位置に1時間静置した後、表3に示す配合の未加硫ゴム組成物に埋め込み、155℃で20分間、20kg/cm2の加圧下で加硫した。
(6)接着剤組成物処理コードの「光劣化後接着力」の測定
上記(5)で得た加硫物からコードを掘り起こし、前記と同様に、30cm/分の速度でコードを加硫物から剥離させる際の抗力を測定し、これを光劣化後接着力とした。結果を表2に示す。
(7)加硫III
上記(2)で得た接着剤組成物処理コードを、100W直管白色蛍光灯の下20cmの位置に1時間静置した後、表3に示す配合の未加硫ゴム組成物に埋め込み、155℃で90分間、20kg/cm2の加圧下で加硫した。
(8)接着剤組成物処理コードの「光熱劣化後接着力」の測定
上記(7)で得た加硫物からコードを掘り起こし、前記と同様に、30cm/分の速度でコードを加硫物から剥離させる際の抗力を測定し、これを光熱劣化後接着力とした。結果を表2に示す。
Figure 2005263887
Figure 2005263887
Figure 2005263887
表2に示す通り、各実施例の接着剤組成物は、各比較例の接着剤組成物に比べ、接着剤組成物処理コードの「光劣化後接着力」及び「光熱劣化後接着力」のいずれにおいても優れていることがわかる。

Claims (8)

  1. ビニルピリジン−スチレン−共役ジエン系共重合体粒子を含むゴムラテックスと、レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物とを含んでなる接着剤組成物であって、
    前記接着剤組成物の全固形分中、レゾルシン系化合物が5〜15質量%で、ホルムアルデヒド系化合物が1.7〜8質量%で、ラテックスの固形分が80〜92質量%で、塩基性無機化合物が0〜1.25質量%であり、
    前記レゾルシン系化合物、前記ホルムアルデヒド系化合物、前記ラテックスの固形分及び前記塩基性無機化合物の割合が下記式(I):
    A > −0.175B+0.7C+3.6 ・・・ (I)
    [式中、
    A=(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)/(レゾルシン系化合物の質量%)×110/30
    B={(レゾルシン系化合物の質量%)+(ホルムアルデヒド系化合物の質量%)}/(ラテックスの固形分の質量%)
    C=塩基性無機化合物の質量%]の関係を満足し、
    且つ前記接着剤組成物の全固形分100質量部に対して水25〜1900質量部を含んでなり、pHが8.5〜10.0であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物が、レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とのレゾール化反応による縮合反応を、ラテックスの存在下、反応時のpHが8.5〜10.0の範囲になるようホルムアルデヒド系化合物を分割添加して製造したものであることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. エポキシド化合物(A)、(ブロックド)イソシアネート化合物(B)及び水溶性高分子(C)を含んでなる下塗り接着剤組成物で表面を被覆した後、請求項1又は2に記載の接着剤組成物で表面を更に被覆してなる樹脂材料。
  4. 前記樹脂材料がポリエステルからなることを特徴とする請求項3に記載の樹脂材料。
  5. 前記樹脂材料が複数の樹脂フィラメントを撚り合わせてなる樹脂コードであることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂材料。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の樹脂材料で補強されたことを特徴とするゴム部材。
  7. 請求項6に記載のゴム部材を用いたタイヤ。
  8. レゾルシン系化合物及びホルムアルデヒド系化合物からなる縮合物とゴムラテックスとを含んでなる接着剤組成物の製造方法であって、
    レゾルシン系化合物とホルムアルデヒド系化合物とのレゾール化反応による縮合反応を、前記ゴムラテックスの存在下で、反応時のpHが8.5〜10.0の範囲になるよう前記ホルムアルデヒド系化合物を分割添加して行うことを特徴とする接着剤組成物の製造方法。
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